この日記の397回目「高齢ランナー必読文章」は、日本ランニング学会会長のお医者さんが、世界の一般ランナー記録などから「加齢とタイム」の研究成果を紹介したもの。その最も簡潔なまとめは、こうだった。
『・2004年ニューヨークシティマラソンの結果を調べ、年齢別にタイムを比較したところ、19歳を振り出しに、ランナーたちは毎年速くなり、27歳でピークに達したあと、タイムは落ちはじめる。が、19歳のときと同じスピードに戻るのは何歳のときか? これが実に、64歳なのである。
・またドイツのデータでみると、20〜54歳代の半数のランナーがゴールしたとき、65〜69歳代の1/4の高齢ランナーもすでにゴールしているという。
・アベレージランナーたちは、決して特別な人たちではないことがわかってくる。やはりドイツの研究例では、平均的なトレーニング内容は週3回、1時間程度のもので20〜69歳までの範囲で年齢による差は見られない。さらに、50〜69歳の高齢ランナーの1/4は5年以内にトレーニングをはじめた初心者ランナーであった。』
さて、この知見を裏付ける絶好の資料を今日一つ発見できた。体重計に見える体組成計から出てくる「アクティブ度」という数値が加齢とともにどう変化するかを示したグラフである。アクティブ度の定義は、体重に占める脚筋の割合が同年代と比較してどの程度なのかを百点満点で表示した4段階で判定するというもので、ネットで見つけた体組成計の製造会社タニタのグラフがこんな事を示していた。各年齢の4段階、高い、プラス標準、マイナス標準、低いという4つの群があるが、60歳男性の場合はこんな数値になる。高いは84以上、プラス標準78以上、マイナス標準72以上。
さて、加齢によるアクティブ度変化数値だが、上の「世界のランナー記録変化数値」とほぼダブっていると読めた。つまり、30歳から60歳過ぎまでは男性の場合は特にそんなに下がらない。鍛えていれば有酸素運動の脚筋は維持できて、心肺機能も低くならず、80歳近くまでは長距離は十分に走れると教えている。
ちなみに、自慢になって恐縮だが、僕はこの数値を10年前から記録してあって、今日現在は91とあった。この10年間でも、最高は96(15年)、最低は88(17年)と変化している。この88とは、16年後半に前立腺癌治療のための女性ホルモン投与と陽子線照射治療を半年掛けてやった、その直後の数値だ。「体組成計のアクティブ度数値は正直である」という一例になろう。
以上の情報はすべて、昨日のAERA記事内容にも合致するものである。
『若々しさの秘訣は血と筋肉と骨にある』には、「筋肉量多いほど若い」とあったし、『若見えするには毛細血管を守れ』には、「下肢の筋肉を鍛える」とも教えていた。