いつこうなるかとチームの監督が待ち望んだことが、とうとう起こったのだと思う。昨日のマンチェスターユナイテッドとサウサンプトンとのゲーム、香川真司のことだ。中日新聞昨夕刊のこんな文章に胸が躍った。
『スター軍団の中で個性が埋没する試合が多かったが、この日は別人。ボールが集まり、得意の連係プレーがさえた』
そして、本日の朝刊では、こう。
『その後もチームの好機にことごとく絡んだ。以前はボールが欲しい時にパスがめぐらずに孤立した。苦悩も口にしたが、「動きの質を求めている。ユナイテッドに入ってさらに感じるところが多い」と話す。(中略)狭いスペースでも発揮できる高度な技と細かな連係。後半は運動量が落ちたものの、世界屈指のビッグクラブが目を付けた先端技能は色濃く表れていた』
香川を追い続けてきた僕もここに何回か書かせていただいたことだが、監督ファーガソンの香川に託した新チーム構想が質的前進を示したゲームだという、そんな記事の書き方になっていると読んだ。
個人技と強さと走力など全てを世界最高水準で有しているメンバーばかり。そこにファンペルシーが入ったこのチーム、さすがにイングランドでは近年珍しく安定している。でも、これだけではあのチームには到底勝てない!ファーガソンはそう思い続けてきたはずだ。09年と11年、2度の欧州チャンピオンズリーグ決勝で敗れた相手! それも0対2と1対3の相手。一昨年このバルセロナに破れた闘いの後には、彼はむしろさっぱりした感じで、こう評していた。
「今のバルセロナは、長年の監督生活で出会った最高のチーム、ずば抜けたチームだ」
以来72歳の老名将ファーガソンの夢は、スペイン・バルセロナと張り合えるチームを作ることであったのは間違いない。彼にしてみれば、バルセロナを負かすべく監督を続けているようなものではないか。香川を取った意図もこうして、バルセロナが展開する全員攻撃全員守備のパスサッカーに張り合えるパサー・アタッカーをチームに組み込むこと。言ってみれば、バルセロナのイニエスタのような。チームの中で頭一つ小さい香川をトップ下を中心に出し続けてきたのも、そういうことだったはずだ。それが、上記記事中のこの表現にも現れていると読んだ。
「世界屈指のビッグクラブが目を付けた先端技能」
ところがここまでは、上の記事にもあるとおりに、香川にボールがなかなか行かなかった。前チーム、ドイツ2連覇のドルトムントなら良いパスが来るはずの位置取りをしていても、そういうスペースへの走り込みをうまくやったつもりの絶好機にも、ボールが来なかった。この事態、僕は香川の責任ではなく、周囲が悪いのだと観ていた。いや、香川が走り込むような小さなスペースに危険なパスを出すなどしなくても、新加入のファンペルシーがいるだけで勝ててしまったとも言える。それでも香川を使い続けた意味があるはずで、それはこういうこと以外にはない。
「おまえら、勝てばよいではだめだ。香川にパスを出して、彼に敵を崩させて、勝て! そうでなければ私は、いつまでも満足しないぞ!」
バルセロナ対策なのである。その構想がついに実を結び始めたのがこのゲーム。折りしも2月13日のレアルマドリッド戦を控えて、夢に一歩近付いたファーガソン、香川の喜びはどんなに大きなものだったことか! レアルマドリッドもバルセロナだけを見て鍛え上げてきたようなチームだ。
この日本から、こんなチームを、こんなレベルで託される選手が、こんなに早く現れるとは!
『スター軍団の中で個性が埋没する試合が多かったが、この日は別人。ボールが集まり、得意の連係プレーがさえた』
そして、本日の朝刊では、こう。
『その後もチームの好機にことごとく絡んだ。以前はボールが欲しい時にパスがめぐらずに孤立した。苦悩も口にしたが、「動きの質を求めている。ユナイテッドに入ってさらに感じるところが多い」と話す。(中略)狭いスペースでも発揮できる高度な技と細かな連係。後半は運動量が落ちたものの、世界屈指のビッグクラブが目を付けた先端技能は色濃く表れていた』
香川を追い続けてきた僕もここに何回か書かせていただいたことだが、監督ファーガソンの香川に託した新チーム構想が質的前進を示したゲームだという、そんな記事の書き方になっていると読んだ。
個人技と強さと走力など全てを世界最高水準で有しているメンバーばかり。そこにファンペルシーが入ったこのチーム、さすがにイングランドでは近年珍しく安定している。でも、これだけではあのチームには到底勝てない!ファーガソンはそう思い続けてきたはずだ。09年と11年、2度の欧州チャンピオンズリーグ決勝で敗れた相手! それも0対2と1対3の相手。一昨年このバルセロナに破れた闘いの後には、彼はむしろさっぱりした感じで、こう評していた。
「今のバルセロナは、長年の監督生活で出会った最高のチーム、ずば抜けたチームだ」
以来72歳の老名将ファーガソンの夢は、スペイン・バルセロナと張り合えるチームを作ることであったのは間違いない。彼にしてみれば、バルセロナを負かすべく監督を続けているようなものではないか。香川を取った意図もこうして、バルセロナが展開する全員攻撃全員守備のパスサッカーに張り合えるパサー・アタッカーをチームに組み込むこと。言ってみれば、バルセロナのイニエスタのような。チームの中で頭一つ小さい香川をトップ下を中心に出し続けてきたのも、そういうことだったはずだ。それが、上記記事中のこの表現にも現れていると読んだ。
「世界屈指のビッグクラブが目を付けた先端技能」
ところがここまでは、上の記事にもあるとおりに、香川にボールがなかなか行かなかった。前チーム、ドイツ2連覇のドルトムントなら良いパスが来るはずの位置取りをしていても、そういうスペースへの走り込みをうまくやったつもりの絶好機にも、ボールが来なかった。この事態、僕は香川の責任ではなく、周囲が悪いのだと観ていた。いや、香川が走り込むような小さなスペースに危険なパスを出すなどしなくても、新加入のファンペルシーがいるだけで勝ててしまったとも言える。それでも香川を使い続けた意味があるはずで、それはこういうこと以外にはない。
「おまえら、勝てばよいではだめだ。香川にパスを出して、彼に敵を崩させて、勝て! そうでなければ私は、いつまでも満足しないぞ!」
バルセロナ対策なのである。その構想がついに実を結び始めたのがこのゲーム。折りしも2月13日のレアルマドリッド戦を控えて、夢に一歩近付いたファーガソン、香川の喜びはどんなに大きなものだったことか! レアルマドリッドもバルセロナだけを見て鍛え上げてきたようなチームだ。
この日本から、こんなチームを、こんなレベルで託される選手が、こんなに早く現れるとは!