昨日、関東のある場所で、亡き父の教え子であって、僕が子どもの頃からつきあってきた尊敬する知人の、ほぼ身内だけのひっそりとした7回忌があった。故人は東京工業大学大学院を物理学専攻で出られた方。その法事・会食会で僕の隣に座られた方が僕より3歳下と紹介されたのだが、日本の某巨大企業の原子力の専門家を経て子会社に天下った現役の企業人とお聞きしたので、いくつかおたずねしてみた。彼がこんな言葉を語られたから、つい誘われるように。「あの事故は、僕の人生を否定されたような気がしたものです」
「最初はレベル5と、保安院は表明していましたよね」「はい」
「メルトダウンもメルトスルーも、今はもう認められましたよね」「はい」
「つい昨日だったか、再臨界も起こっていると明かされましたが、これって前からあったんじゃないですか?」「はい、そうでしょうねー」
「その再臨界している燃料のことですが、メルトスルーして地面にあって、どんどんめり込んで行ってるんじゃないですか?」「それは違います。どんどん冷やしてきたし、窒素も入れてきましたから」
「めり込んでいる物を上からその一部だけ冷やしたり、窒素をちゃんと反応させるって、うまくいくとは思えませんが」「(無言)」
これらのすべてを、東電とぐるになって隠し通してきた経産省・原子力保安院。そうして隠し通してきたものを、少しずつガス抜きしてきたという、あくどすぎるそのやり口。そして未だに、元凶の崩壊燃料が格納容器の中にあるから管理できると新聞報道させているに等しいヤツラ。今思えば、なんと罪深い世論工作、邪悪きわまりない自己防衛工作の数々ではないか。これが、税金で「国民保安の任務に当たってきた」公務員なのだ。国民には、過小評価させたまま放射能を浴びさせておけと振る舞ってきた、これが「仕事」の公務員!?
まだまだ放射能がどんどん出続けるということである。大気中にも、地中、地下水中にも。崩壊燃料回収など、一体どれだけ先の話なのだろう。地中の再臨界している燃料に、一体どうやって手を付けるのか? こんなことはもう、ここ、このブログで何ヶ月も前に問題にしてきたことである。4月9日の「やっぱり『再臨界では』と小出裕章氏」、同22日の「再臨界の証拠資料を『東電が、誤りだったから訂正?』と小出裕章氏」などで。