九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

歴史的大惨敗なので監督をクビにするようにw 1970

2017年12月16日 21時32分18秒 | Weblog
まあ、そんな根性はこの国の協会には無いわな。

今日の韓国戦で、豪州戦から言い続けてきた膿が全て出た。
ひとことで言えば無様。

ただボールを蹴っ飛ばすだけの草サッカーをやらせる監督は要らない。

何度も言うが日本に守備を求めるななんだよ。
中盤にテクニカルに長けたメンバーを集めてポゼッションしながら同時に守備の時間を極力減らすのが日本の生きる道。

今日の日本の攻撃でパスが3回繋がったのが何回あったんだ?
殆んど無かったぞw
本当に守備のエキスパートの監督ならば得点出来なくても失点するなよ。
話が違うんじゃないですかね。
レギュラーメンバーじゃないから良いとは言わせない。それは韓国も同じ。
確かに選手の問題もあるがそれ以上に、全く日本の特徴を把握出来ない監督に問題がありすぎる。
替えろ。更迭だ。
アギーレが空いてるぞ。

頼むからこんなマヌケなプランしか立てられない監督とロシアには行かないでくださいね。
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ハリルジャパン(148)70さん、深謝してお応え   文科系

2017年12月16日 10時49分01秒 | スポーツ
 二つのコメントを有り難うございました。ちゃんとした物には、ちゃんと応えたいということで、このエントリーです。

 監督としてのハリル「自身への評価」と、日本サッカーの現状分析とでは、おおむね一致していると分かったことが、良かった。違いはここですね。後者の日本現状分析の一部が違うから、日本代表監督としてハリルは適任でないと。この違いに合わせて、以下論述を進めたいと思います。
 あらかじめ言っておきますが、以下の論述の骨子は、拙稿「ハリルジャパン(145)日本サッカー、世界的現段階⑤」(12月4日)。なお、この拙稿をもう一度お読み願えれば嬉しいです。

 まず、日本現状分析と「日本には、ハリルは不適任」とに関わっては、ここが僕との相違点なのだろうと思います。『 』は、貴方の言葉。
『日本に守備を求めるな』
『今更守備は無理だから攻撃戦術に長けたタイプのコーチを連れてこい』
 あと一つ、上記の守備理解に関わって、僕から付け加えさせて頂くなら、貴方のこの部分に異論があります。
『イタリアでは身体の使い方、ポジショニング、守備に関する全ての基本は12歳までに叩き込まれ、それから後では間に合わないってと』
 守備を個人の基本的体遣い、身体的スキルやアジリティーとだけ限定理解すればそうなのでしょうが、守備組織、それを形成・流動させていく言葉の遣り取りなどにも広げて考えれば、12歳までということにはならないと、僕は考えています。なおこの点は、貴方との違いのかなり大きい部分かも知れないとも思いました。

 さて、「守備を求めるな」ですが、僕は現代サッカーの守備を、1990年前後のACミラン風にこう理解してきました。12月4日拙稿の①②のような定義、そして③、攻撃、得点にも直結するもの、と。つまり、まず、FWも含めてフィールド全体で相手ボールを潰すこと、次いで、前で良い時に潰せれば得点にも直結するもの、と。
 こういう現代的定義での「守備」について、日本の歴史的現状も少々。

①ドイツ大会は守備で破綻しました。初戦の対豪戦で、相手に潰しをやられ、当方は肝腎な時に潰せなくて破れた。南ア大会は正に、貴方と僕との論争のようなもの。直前になって貴方が言う繋ぎチームを止めて、守備チームに換えたことです。だけど、守備重視への転換を果たした南ア大会は16強になれました。ただ、この時の守備とは、むしろゴール前のブロック守備中心と介した方が良いと思います。近年の日本は当時の守備とは、かなり理解が換わってきていると思います。以下のように。
②15年前後からACL、世界クラブカップでの躍進が始まりました。日本の守備が、リーベル、レアル、コロンビア・アトレティコなどのチームや、スコラーリやビラス・ボアスらの監督から評価の言葉を引き出すようになりました。ただここで言う守備とは、こんな感じもありなんですが。
 キープ率3割でも相手の4倍のシュートを打って、3倍のコーナーを獲った対豪戦です。
 ちなみに、現在のJ強豪監督は全部、こういう意味での守備の手直しが出来た監督ばかりです。風間の攻撃サッカーを手直しした鬼木。同じく、浦和の堀。ガンバの長谷川もACL敗戦から随分学んだから今野、井手口なのでしょうが、遠藤がいたから難しかった?などと僕は考え込んでいました。

 最後の締めに入ります。
 現代サッカーの守備を、組織で相手ボールを潰すことと考えてみて下さい。そして、これがゾーン・プレスで、特にハイ・ゾーン・プレスがチーム組織として上手いなら、得点に直結するもの、とも。高い位置の選手たちにも組織的並びに個人としての潰し能力が要求されるようになったということですし、現にそういう選手も現れています。岡崎を筆頭に、原口、金崎など
 
 最後です。結城康平さんが言う、4番がいない問題、CBが弱い問題
 4番は、やはり長谷部(か今野)に努めて貰います。声をあげ、指示を出せるからです。これを吉田、槙野が助けてチームに浸透させる。ゲーム中の時々刻々におけるプレス・ゾーン設定位置についての声、指示などのことです。この事に関わって、ブラジル戦の後、ベルギー戦の前にこういう結論に至った話し合いが行われたというのは、僕にとって素晴らしい朗報だったとお伝えして、拙稿を終わりたいと思います。
『(意思一致した時には)前からのプレスを信じて、後ろは上げる』
 これは勇気が要って、本当に難しいこと。が、ブラジルで出来なかったこれを、本番までの時間がない中でどこまで熟成できるか。それを切望し、見守っていきたいと、僕は思っています。
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ハリルジャパン(147) 岡崎が、2G1A!

2017年12月14日 21時06分14秒 | スポーツ
 岡崎が標記の戦果を挙げた。しかも、吉田のサウザンプトン相手に4対1の3得点に絡んで、吉田曰く「岡崎にやられた!」
 これで6得点の11位。現在世界1の名手らが集まるリーグだから、凄い実績になる。それも最近になってずっと、監督とチームとに自分の使い方を散々注文、説得してチームの闘い方を変えたからこそ達成した得点だったと、かなり詳しくこのゲーム、得点までの経過をマスコミに語ったようだ。

 かねてから岡崎の使い方をちゃんとすればナーと言い続けてきた僕だから、嬉しくて仕方ない。
「弓矢のクロス」は、低く超速いゴール横からのクロスに岡崎が矢のように飛んでいくダイビングヘッドなのだし、後ろが岡崎の抜けだす一瞬前の動作をちゃんと観てショートクロスやスルーを出せば、チーム得点がもっと増えること確実なのである。足が速いとは言えない岡崎の特技は、走り出しで勝負。最初の数歩でDFをぶっちぎるのだから、そこで勝負させない手はないのである。

 これらの異能をどうして使わないのだろうとばかり、僕はいつも不審感を持っていた。練習などで彼のこう言う能力はもう分かっているはずなのに、合わせる人、能力が欠けているのか?

 残念で仕方なかったが、チームのその壁を岡崎が乗り越えさせたとすれば、この上ない楽しみなのだけれど・・・。
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トランプに「世界」の壁続々・・・ 文科系

2017年12月14日 13時39分06秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 昨日の書評でも見たように、支持者に「USA!」を連呼させていくつかの難関を突破し、当選を果たしたのが、ポピュリスト・トランプ。その時代錯誤の外交的「挑戦」に世界の壁が大きく立ちはだかり始めた。
 その何れもが、歴代アメリカ政府が「ならず者国家」と命名した国に対してトランプが敢行した新たな挑戦行為によって引き起こされたもの。今朝の新聞を見るだけでも、これだけあった。
① 北朝鮮問題での米政府内確執。「完全に破壊する」と声明してきた大統領に反して、国務長官がこんな反旗を掲げたという。
「最初の対話を、前提条件なしで行っても良い」
② エルサレム首都「認定」問題でイスラム協力機構会議が開かれ、撤回要求が決まった。なお、二つの親米国家、サウジとエジプトは欠席。米国の信用がイスラム諸国家にますます通らなくなっていく。
③ トランプが実質ご破算したに等しいイラン核合意では、西欧各国とイランの「合意存続確認」が、ウィーンの会議で改めて成された。
④ さらには、昨日から始まった中韓首脳会議では、中韓密着がさらに進む模様に。韓国にとって過去最大305企業、機関の使節団を同行とあらば、トランプにとってよい結果など望むべくもない。トランプにとって中国は、イラン、北朝鮮などよりも遙かに大きな「ならず者国家」というのが本心だろうから、大変な外患である。

 以上につき、ぞれぞれ若干の拙コメントを付けてみよう。
 ①のティラーソン国務長官とは、ウィキペディアによれば、こんな人物である。
『アメリカ合衆国の実業家、政治家。第69代アメリカ合衆国国務長官。アメリカ・石油 メジャー最大手のエクソンモービル前会長兼最高経営責任者 (CEO)。ロシアと太いパイプを持つ』
 彼とトランプは以前から確執が噂されてきた。が、こんな人選自体をいわゆる「ロシア疑惑」関連かと考えてみれば、容易には首に出来なかった事情がトランプ側に存在し続けてきたとも見えるのである。こんなティラーソン国務長官絡みのロシア疑惑の背景って、こんなところと推察している。米ロによる原油の世界独占価格化、高騰狙い。穀物、食肉、流通、医療・医薬品独占などと並べて、傾きかけた米資産の起死回生の一手とも言うべきか。ついでにこの線からどうしても「ならず者国家」にしておきたいのが、イランとベネズエラというところだろう。

 ②のエルサレム問題は、外交専門家から見たら「頭、大丈夫?」というような性格のもの。これには流石に安倍政権も同調できないようで、「テルアビブの日本大使館は、エルサレムに移す計画はない」

 ③の「イラン核合意を、トランプが実質ご破算と表明」でも、エルサレム(首都)問題と並んで、トランプが西欧諸国から総スカンを食っている。これだけ孤立して、アメリカは一体どこへ行く?という様相ではないか。

 ④は「一帯一路」問題と並べて、アメリカの世界イニシアティブ瓦解を思わせるもの。韓国に対して過去に行われた日米の金融搾取だけでも、あの国を中国に追いやる背景、理由は十分すぎるほどに存在しよう。ちなみに、親戚を大事にする習慣がある朝鮮の人々が、アメリカが余程ねじを巻いても南北で殺し合いなど、今時なかなかできるものではない。多民族国家アメリカ人にはこんなことは分からなくとも、日本人(特に安倍)にはもう少し分かっても良さそうなものだが。それでも安倍は国連制裁強化以上のことをアメリカに同調して叫んでいたな。
 ちなみに、過去に朝鮮戦争があったが、あれは大戦直後の東西冷戦開始時に起こった、どさくさ紛れかつ究極のイデオロギー対立が原因だったはずだ。


(この10日からの今週は、一日平均300に近いアクセス、同じく一日平均閲覧数も1500を軽く超えています。ご愛読有り難うございます。このブログのエントリーは、今時似合わない?こんな長文ばかりなのに、嬉しいことです。これからもよろしくお願いいたします。)
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書評「暴政」⑥ アメリカの暴政を憂う②  文科系

2017年12月13日 16時24分05秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 これは、この10月18~21日の4回に分けて内容紹介、書評を書いた、その6回目に当たるものだ。著者がトランプ誕生、支配のアメリカをどのような内容で憂えているか、これを昨日の5回目に続く今回のテーマとする。今回も、著者がポピュリスト・トランプに抱いている懸念に関わるいくつかの言動をこの本から挙げてみたい。20世紀のファシズム台頭史を念頭に置きつつ、トランプに抱く懸念である。

『候補者であった頃には、現大統領は、私設保安部隊に対し政治集会から反対者を排除するように命じましたし、そればかりか出席者たちにも、異論を唱える者たちは追い出せと促したものでした。よく見られた光景ですが、抗議の声を挙げる者は、はじめはブーイングに、それから「USA!」という血迷った叫びに曝され、そのあげく集会から力ずくで追い出されたものです。選挙戦のある集会では、現在大統領となっている候補者は、「くずがまだ残っている。追いだしたらどうかね。追い出しちまえよ」と煽りました。それを合図に聴衆は、反対者と思われる者たちの退治にかかりました。その間ずっと「USA!」と叫びながらでした。候補者はふいと言葉を挟みました。「この方がいつもの退屈な集会より、もっと面白いんじゃないかね? 私には面白いがね」。この種の暴徒化した聴衆による暴行は政治的な雰囲気を変えようとして行われたのですが、何と実際に雰囲気を変えることができたのでした
(第6レッスン「準軍事組織に警戒せよ」から)

『現大統領は選挙運動中、ロシアのプロパガンダ・メディアのインタビューを受けて、アメリカの「メディアはこれまで信じられないほど不正直だった」と主張しました。彼は選挙戦の集会からたくさんのレポーターを締め出しましたし、定期的に一般の人間たちからジャーナリストへの憎悪を引き出しました。権威主義体制の指導者たちと同じで、彼は批判を封じ込める法律を導入することで言論の自由を抑圧してやると公約しました。ヒトラーと同じで、現大統領は「嘘」という語を、自分の好みに合わない事実が述べられることを指すのに用いましたし、ジャーナリズムのことは、自分に反対するキャンペーンとして描いたのです。現大統領は、膨大な人数に彼が伝える誤った情報のソースとなっているインターネットとの相性の方が、メディアとの相性よりも良いのです』
(第11レッスン「自分で調べよ」から)

『ロシアにアメリカの大統領選挙に介入するよう訴えるのは、愛国心に悖ります。選挙戦の集会でロシアのプロパガンダを引用するのは、愛国心に悖ります。ロシアのきなくさい新興財閥と同じコンサルタントを使うのは、愛国心に悖ります。ロシアのエネルギー会社に出資している者に外交政策の助言を求めるのは、愛国心に悖ります。ロシアのエネルギー会社に雇われている者によって書かれた外交政策のスピーチを読み上げるのは、愛国心に悖ります。ロシアのプロパガンダ機関から金を受け取っていた者を国家安全保障担当補佐官に任命するのは、、愛国心に悖ります。ロシア=アメリカ合弁のエネルギー会社の長であり、プーチンから「友好勲章」を受け、ロシアの金融筋ともつながっている巨大石油会社のCEOを国務長官に任命するのは、愛国心に悖ります。』
(第19レッスン「愛国者たれ」から)
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書評「暴政」⑤ アメリカの暴政を憂う  文科系

2017年12月12日 06時02分00秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 これは、この10月18~21日の4回に分けて内容紹介、書評を書いた、その5回目に当たるものだ。著者がトランプ誕生、支配のアメリカをどのような内容で憂えているか、これを今回のテーマとする。
 ただし、この本の輪郭をもう一度書いておく。10月18日第一回の記述と重複するが。

 今日から4回に分けて標記の本の内容紹介と書評をする。米イエール大学のティモシー・スナイダー教授の著作で、副題として「20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン」とあった。なおこの著者は1969年生まれの歴史学者で、「中東欧史、ホロコースト史、近代ナショナリズム研究」が専門と紹介されてあった。この著作はこの2月に発行されて以降すでに世界40か国に翻訳されている世界的なベストセラーで、慶應義塾大学出版会発行の訳による。

 書名副題の通り20のレッスンがあるが、20それぞれの表題に添えて初めに、その内容の著者自身による要約がなされている。よって、その要約を原文のまま紹介していくというやり方を取るが、第1回目の今回は「20のレッスン」の題名全部、つまり目次を書き揃えておく。
『 プロローグ 歴史と暴政
1 忖度による服従はするな
2 組織や制度を守れ
3 一党独裁国家に気をつけよ
4 シンボルに責任を持て
5 職業倫理を忘れるな
6 準軍事組織には警戒せよ
7 武器を携行するに際しては思慮深くあれ
8 自分の意志を貫け
9 自分の言葉を大切にしよう
10 真実があるのを信ぜよ
11 自分で調べよ
12 アイコンタクトとちょっとした会話を怠るな 
13 「リアル」な世界で政治を実践しよう 
14 きちんとした私生活を持とう
15 大義名分には寄付せよ
16 他の国の仲間から学べ
17 危険な言葉には耳をそばだてよ
18 想定外のことが起きても平静さを保て
19 愛国者たれ
20 勇気を振りしぼれ
エピローグ 歴史と自由 』

 さて、この著者はトランプ大統領治世をどう描いているか。これが、この本を書く動機となった恐ろしい危機感なのである。それも、以下のように「20世紀の歴史から学んでトランプを見ると・・」というものだ。

『20世紀のヨーロッパ史が私たちに教えてくれるものは何かと言えば、社会が破綻するのも、民主制が崩壊するのも、道義が地に墜ちるのも、普通の男たちが銃を構えて死の穴の縁に立つのも、何もかもありうるのだということです』

『こんにちのアメリカ人は、20世紀に民主主義がファシズム、ナチズム、共産主義に屈するのを眺めていたヨーロッパ人よりも聡明なわけではありません。私たちにとって一つ有利な点を挙げれば、私たちがそうした二〇世紀のヨーロッパ人の経験から学べるだろうということです』
(以上、「プロローグ」より)

真実は四つのやり方で消滅します。そのどれをも、今回のアメリカの大統領選挙で私たちは目撃したばかりなのです
 最初のやり方。実証できる事実に対し公然と敵意を剥き出しにし、作り事と嘘とをあたかも事実であるかの如く提示するという形をとります。現大統領はこれを、並外れた比率とペースとで行っています。2016年の選挙運動中に彼の発言の追跡が行われましたが、彼が事実と主張するものの七八パーセントは虚偽であることがわかりました。・・・・現実の世界を貶めることは、「異世界」を生み出す端緒となるのです』

『二番目のやり方 。シャーマニズム的な「呪文」です。・・・現大統領が「嘘つきテッド」とか「不正直ヒラリー」とかの渾名を几帳面に使うのは現大統領自身に添えるのがさらに適当なはずの人格的特性をどこかに消し去ってしまう効果がありました』

『三番目のやり方。因果関係が正当化できない物事に原因を求める思考方法である「マジカルシンキング」、つまり、矛盾をてらいもなく一緒くたにすることです。現大統領の選挙運動は、誰にとっても減税となり、国の債務を無くし、社会福祉にも国防にもどちらにも支出を増やすと言った公約を盛り込んでいました。こうした公約は互いに矛盾したものです』

『四番目の最後のやり方。筋の通らぬ、信仰と言ってもよい信頼です。これには、現大統領が「私だけがそれを解決できる」とか「君らを代弁するのは私だ」と言った場合の自己神格化した主張の類も含まれています。信仰と言っても良い信頼がこんな風に天から地に降りてきてしまったら、私たちの個人的な洞察力や経験というささやかな真実の入る余地もなくなってしまいます』
(以上は、第10レッスン「真実があるのを信ぜよ」より)

 なお、この著作については今後も、折に触れて部分抜粋などしていきたいと考えています。
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マンチェスター・ダービーを観た  文科系

2017年12月12日 04時35分51秒 | スポーツ
 標記のゲームを観た。プレミアリーグ第16節、1、2位の攻防。現在世界の数あるクラブ戦では随一の闘いと言って良いだろう。ちなみに、進行中である18年度までのヨーロッパチャンピオンズリーグ戦は既に決勝トーナメント戦に入っていて、イングランドクラブが4つも残っているのだから、現下の世界最強リーグと言えるはずだ。
 と言ってもこの1、2位は、前節までの勝ち点が43対35、シティーの断然優勢下のゲームなのである。2位ユナイテッドがこの自らのホームグラウンド戦で敗れるようなことがあれば、シティーの優勝が決まるようなもの。ユナイテッドにとっては大変なゲームなのだ。

 まさに、世界1、2位を争う名監督2人らしい闘いが繰り広げられたと言える。前半は、シティーがコンパクト・ゾーン・ハイプレスからくり出す猛烈な繋ぎ攻撃と、これに対するユナイテッドのモウリーニョお得意のブロック守備との攻防で1対1。シティーのプレスと繋ぎが目を奪うばかりで、そのキープ率は実に75%!
 42分シティーがセットプレーからダビッド・シルバの得点に対して、45分ロスタイムにシティーの守備ミスから生まれたとも言えるユナイテッド、ラシュフォードの得点。

 後半も初めは前半と同じ進み方をして、8分、フリーキックからオタメンディの得点でシティの2対1。以降のユナイテッドは、特に後半の後半は攻めた、攻めた! こんなゾーン・プレスも出来るのだと主張して中盤のつぶし合いをシャカリキになって制したから、シュートもどんどん増えていく。その上、31分にはリンガードを下げてイブラヒモビッチの投入である。これで、ルカクとイブラと2人のツインハイタワーが前線に並んだから、これを目指したロングボール攻撃の開始という戦術に入った。が、シティーが繰り広げる、疲れてもなおコンパクトで激しい潰しの前に、ゲーム終了。シュート数とキープ率数字は、ユナイテッド側から観てそれぞれ8対14、35%対65%になっていた。

 まさに、凄まじいと言う以外にない、しかも高度なゲームだった。繋ぎも潰しも、とにかく激しい。シティーはショートパスばかり、ユナイテッドはロングパスも多用という違いはあっても、皆がスペースに走って、速いパスが次々と繋がっていく。両チームともコンパクト・ゾーン守備を巧みに操るが、守備としてはユナイテッドのブロック守備が見事。2列のライン守備が流動していく選手間の距離がよいのだろう。これに対するシティーの守備ではオフサイドトラップが巧みと観えた。肝心な時にユナイテッドのオフサイドが目立ったのである。

 このゲームによって、首位シティーは14連勝、プレミアの連勝新記録を作った。1、2位の勝ち点差も46対35とぶっちぎり返した。グァルディオラ監督、恐るべし。彼以前には、世界のサッカー監督の名声を独り占めにしてきた感がある名監督モウリーニョとの戦跡も、これで10勝4敗6分けとテレビが報じていた。この両監督に対して、リバプール、トットナム、チェルシーの競り合いが、今後も見物である。強豪が多く、その他のクラブもこれらに対して番狂わせを起こしうるという点こそ、他の主要リーグとかけ離れてイングランドが僕にとって特に面白い理由である。今日の2人の名監督に対して、それぞれクロップ、ポテッチーノ、コンテらが、どう巻き返してくるか。
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ハリルジャパン(146) 代表、北朝鮮戦   文科系

2017年12月10日 13時51分55秒 | スポーツ
 このゲームを観ていて、実に不思議なものを感じた。
・先ず世界順位がこれだけ低いこの国と日本との戦いの歴史が、ほぼ互角の成績だという事実。
・次いで、そのことにも示されているし、今回のゲームでも示されたように、「何でこの相手が、120数位と日本の倍以上の世界低順位なのだろうか?」という疑問。球際の強さも、繋ぎの技も、選手諸個人の視野の広さ・攻防のスペース走り込みまでもが、国内中心の我が代表とほぼ互角なのである。そこで思い出したのがこれだ。
・日本もアジアには格上が居ないから世界順位が実力よりも随分下がるのだが、この国は日本よりももっともっと相手が居ないのだろうと。遠征の費用などはないし、他国との交流を避けがちな国だし、核騒動の今はもっと交流がないだろうし・・・。

なお、こんなことも判明している。
 「この国初の西欧人監督」が、この国の上意下達体制を「活用」して徹底的に鍛え上げたチームらしい。1日2部と長時間の厳しい代表練習に、国内リーグ戦も合わせて1年半ほど鍛え抜いてきたチームなのである。まー、「天皇のために死のう」という日本軍に初めて遭遇した米軍兵士が、驚くようなことと同じ状況だったのではないか。それほどに相手が鍛え上げられていたと観た。ただし、いかにも緊張してゲームに臨んでいるらしく、シュートは下手になるという、その性格も日本人とよく似ていた。
 そして、こんなことも感じた。いつも言うように、身方が下手なのかどうかというのは、常に相手との相関関係によるもの。身方の(例えば繋ぎ攻撃)が下手に見える時は、相手(の潰し組織)が上手いのかも知れないのである。身方の潰しが下手に見える時は、相手の繋ぎが上手いのかも知れないのと同じように。「身方の繋ぎが、事実下手なのか、相手の潰しが上手いから身方繋ぎが下手に見えるのか?」を見抜くのは案外難しい。個人対個人だけを見ていても、分からないからである。身方の誰かがボール受けに良いスペースに走っているのにそこへのパスがカットされることが多かったりするのを確認出来なければ、さらには、こういうカットが多くなるべくコンパクト・プレス・ゾーンがちゃんと作られているのかどうかを確認できなければ、上の区別は判別できないのである。
 ちなみに、日本の繋ぎは、組織的なヨーロッパ相手だとよく分かるのだが、世界的に見て先ず20位ぐらいの所にはあるはずだ。

 外国籍日本選手とか、レギュラー格の国内代表選手が最も多い浦和勢、長澤、槙野、遠藤らもいないこの寄せ集めチームが、良く勝ったと思う。デュエルの潰しは強力だが、パスはまだまだの井手口のあの中距離シュート力は確かに捨てがたいと愚考していた。元ガンバ監督・長谷川健太の最上の一押し選手、一押し技術なのである。

 それにしても勝って良かった-! 残り2戦は、日本相手には「引いてカウンター」戦術で来る可能性が高い。ぜひ、そういうゲームの練習を積んで行って欲しい。何度も書いてきたように、上中下と三つのコンパクト・ゾーン・プレスの使い分けを、この代表は最も勉強する必要がある。
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お粗末 1970

2017年12月09日 21時24分09秒 | Weblog
いや酷いな。
北朝鮮相手にここまで酷い試合するとは思わなかった。
W杯まであと1年あればフツーに監督更迭だわな。それとも、オーストラリア見習って今すぐ更迭してもおかしいとは思わない。
とにかくバカのひとつ覚えのデュエルごっこは止めろ。

DFの基本は先ずブロック作ってパスコースを消すか限定させることからスタートなんだよ。それがハリルになってからちっとも出来ない。
スカスカのブロックから無理に飛び出してデュエルごっこやりに行くから、北朝鮮にもスカされ交わされ裏を取られ決定機をじゃんじゃん作られる。
この監督はDFに何を伝えてるのか、さっぱり理解出来ない。
そして、DFが裏を意識し過ぎて引きすぎるから、ボールを奪っても前線との距離が開きすぎる。結局、攻撃にならない。
メンバーは替わっても毎回同じ内容の繰り返し。

ここ10年位で一番レベルの低い代表を作ってくれたわw
それにしても酷いな。
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随筆紹介 「ある一日」  文科系

2017年12月09日 10時53分41秒 | 文芸作品
随筆 ある一日  H・Tさんの作品です

 
 若い時は考えもしなかったが、老いた今身辺整理の話をよく耳にするようになった。さて、私もとやり始める。不要な物を捨てるにも金のいる時代。古着は資源回収日に少しずつ……。食器など形のある物は決められた日に、決められた袋に入れて捨てると、難しい。
 一番やっかいなものは蔵書。友人にと思うけど、好みはそれぞれでこれも大変だ。そしてまた本はずっしりと重い。それでもと空の段ボール箱を用意してとりかかるが、思わぬ本に出会うとパラパラと頁だけでは終わらない。読み始めて日が暮れ、箱の中はまだ空っぽ。

 このあいだ朝から整理していたら、黄ばんでいたが野坂昭如氏の著作”アメリカひじき”が出て来た。アメリカの飛行機から落下傘とともに落ちて来た物を拾い上げてみたが、英語を読める人はいない。紅茶の葉っぱをひじきと思い、煮ても煮ても食べられず困ったという話。
 ずい分前のことだが私は驚いた。同じような出来事が私の住んでいた里にもあったのだ。

 戦争が終わり、学徒動員という名で働いていた工場は閉鎖。久しぶりの休日で家に居た。気力も読みたい本も新聞もなく、ラジオは雑音がガァーガァーで離ればなれになった友人知人を捜す放送をしていた。電灯も夜二時間だけ、突然の停電はあたりまえという貧しい日々。周りの田んぼに稲の穂が出始めたうだるような残暑の日だった。
 静かな外の様子が急に騒がしくなり飛び出してみると、アメリカのプロペラ機が近くの小学校の屋根すれすれにくるくるしながら、何かを落としていた。四角な箱、大きな麻袋などが次々で、近くの田んぼにはどろ水が上がっている。みんなは家の中からびくびくと眺めていた。やがて飛行機が飛び去り、落下物に変化もないのでおそるおそる近寄ってみると、どうも食べ物らしい。書かれている英語を読める者はひとりも居ない。小学校が、アメリカの捕虜収容所と間違えて食料を落としたと言い出し、我先にと拾いだした。田んぼの中は踏み荒らされ、あっちこっち怒鳴り声がして、みんなが必死に拾い、抱え込んで家の中へ。

 やがて夕方。だれが言い出したのか”今にアメリカ兵が電気の機械をもって調べ上げ、見つかったらひどい目にあわされる”。”電気探知機”におびえて、天井へ、仏壇の奥へと隠したりもした。そして、このことは絶対に口外しないようにと、秘密の大騒ぎ。
 しばらくして、ひそひそと、今で言う情報交換。箱の中から出て来た「アメリカ石けん」に大喜びも始まった。長い間石けんなど手にしたこともないその黄色。今まで灰を水に溶かしその上澄み液で洗って、色が付いてしまった下着やシーツを持ち出して、腕まくりで洗い出した。ねっとりとしたそれは手や洗い物にくっつくだけ、泡も出ないし、汚れもひどくなるばかりか、湯に入れても溶けないし、大弱りとなった。放り投げ始められた「アメリカ石けん」はチーズ、知っている人はいなかったのである。
 大根のように太く、ひもでくくられた物は、どうやら食べ物らしい。
「こんな馬のチンポコを毛唐は喰うんか」と言いながら、勇気ある爺様がパクリ。
「うまい。肉のかたまりだ」と言うと、コンロを外に持ち出して、薄く切って金網にのせ、うちわでパタパタやりだした。ハムやサラミとは知らなかったのである。紅茶の葉っぱは、「アメリカ煎じ薬」。ただ、何に効くのかが分からない。「さわらぬ神にたたりなし」と大げさなことを言いながら畑に埋められた。「缶入りアメリカ茶」は苦いと捨てられて、一件落着。コーヒーも知らなかったのである。
 地区の男衆が集められて夜提灯を手に家々を回り、アメリカ兵が調べに来ても絶対にしゃべってはいかんと、そんな日々を過ごした。
 荒れた田んぼは総出でどろんこになりながら元に戻し、このことは終わった。

 貧しかった遠い昔。みんなは必死に生きていた。

 気が付けば、きょうも段ボール箱は空っぽのまま、冷たい夜のとばりが落ちているだけであった。
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随筆紹介 「気疲れして」   文科系

2017年12月07日 14時10分28秒 | 文芸作品
 気疲れして  S・Yさんの作品です


 里の母が倒れた。それは生家の同じ敷地内に住む兄の息子、甥からの電話で知らされた。私に会いたがっているという。兄夫婦に隠れるようにして甥に私への伝言を頼んだようだ。
 すぐにでも母のもとへ行きたかった。でも躊躇してしまう情けない自分がいる。

 以前に長男の嫁という立場の知人に、「普段は同居の嫁に世話を押し付けて、離れて暮らす娘は、都合のいいときだけ、都合のいい顔をして来られるんだからいいご身分よね」そう言われたことが頭をよぎる。
 そして、兄にも言われたことが胸の隅に残っている。「俺たちがおふくろの面倒を看ているのだから、余計な口出しはするな。するならお前がおふくろの世話一切をやれ!」と。兄はいまだに家長制度の頂点に君臨している古い男で、生意気な女がなにより嫌い。兄の前では絶対に脚を組めない。「偉そうに、何様だ!」蹴飛ばされた若い経験がある。

 私には何十年間、いまだに生家へ行くときに決まってすることがある。
 まず、クローゼットから目立たないダークな服を選ぶ。次にマニキュアを落とす。ピアスを外す。アクセサリーはつけない。髪の色もできるだけ暗めに、当然、薄化粧に徹する。私が最も好きでない地味なおばさん風に仕上げて生家へ向かうのだ。もちろん手土産は母と嫂用といくつか用意することを忘れない。そして必ず、嫂の手を煩わせないように食事時間を避けて訪れる。もしくは持参する。
 そこまで気を使っても母の世話はなおざりにされているのが目に付く。

 しかし思いがけないことって起きるもの。兄夫婦には息子と娘が二人ずつ居る。四人とも、みな生家の近所で所帯を持っているのだが、なんと甥っ子の嫁たちが母の世話をさりげなくしてくれているのだ。彼女たちは子供もいて仕事も持っているが、合間に母の汚れ物の洗濯までしてくれ、時々、交替で墓参りにも行ってくれているという。
 心の底から有り難かった。いまどきの若い娘はなんて思っていた自分を恥じた。近頃にないうれしさでいっぱいになり、胸の内で甥っ子たちに掌を合わせた。年寄りに対しての心遣いができるなんて、なんという優しい心根。育った環境によるのだろうか。私も若い人から教わることは多いと実感した。

 幸い、母の症状は落ち着き、持ち直してきた。
 それにしても、母が幼いころから可愛がってきた二人の孫娘たちは、母に対してまったく無関心なのはなぜだろう。不思議でしようがない。

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「よたよたランナーの手記」(208)10キロ65分ならまだ行けそう   文科系

2017年12月06日 17時04分59秒 | スポーツ
 前回これを書いたのが1か月ほど前と長く書かなかったのは、いろんな試行錯誤をしていたから。今までのやり方だけでは記録がどんどん落ちるようになったから。努力以上に、新たな工夫が必要な段階になった。

 まず、ジムマシンのランだけだと走力がどんどん落ちると分かったと前に書いたが、その分外走り、階段往復、サイクリングなどをやった。おかげで、ジムランは10月29日以降今日まで2回やっただけだ。11月13日と、12月4日と。この3回のジムランを比べると今のラン水準がとても良く分かる。11月13日は、9月14日以来の9キロ(4・3と4・7)で、12月4日は1週間ぶりのランとあって久しぶりなので軽く流して8・6キロ(4・1と4・5)。問題はこの内容である。

 戸外の走り方を、ストライドを伸ばすようにちょっと変えた。ピッチ150弱で、ストライドを5センチほど伸ばす感じに。するとやはり脚に負担が来て、右足首に違和感が生じている。この工夫、努力の分、同じ速度での心拍数が下がって来るなど、意外な好調が戻って来た。今はこんな状況だ。

 時速9キロでも心拍数140ほど、10キロ時でも150ちょっとになった。同じ速度の心拍数が以前よりも10~15程下がってきたことになる。心臓の拍動が強くなったのか、脚の毛細血管が太くなったのか、いずれにしてもこれだと脚の違和感さえなくなればマシンラン30分×2回で9・5キロほどまでいくはずだ。違和感そのものは、ストライドを伸ばす練習を押さえればどんどん引いていくから、本番ではピッチ160ほどとストライドを狭くすれば良いだけのこと。この9・5キロという記録だと、去年の春にまで戻ったということになる。前立腺癌の治療前まで戻ったという意味だ。当面、この9・5キロを目差してみよう。10キロマラソンを65分ほどで走れるということだ。
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随筆 「僕の日本茶」   文科系

2017年12月06日 15時16分16秒 | 文芸作品
 直線距離で三百メートルほどの所に住んでいる娘夫婦は、週末など週二、三日はわが家で夕食をともにする。世代が離れた両家の料理が並ぶのは、バラエティーに富んで楽しい。娘夫婦はとても食いしん坊でもあるし。お婿さんは良い肉や魚を半額ほどで買ってくる名人であって、各スーパーのチラシや値下げ時間などまでを時にチェックしている。そんな僕らの食後には「お父さん、お茶お願いします」と彼か、さもなければ娘から必ず声がかかる。特に食いしん坊の娘などは、晩酌後の僕が食事を終えるのも待たずに平気で「そろそろ、お願いします」などと。「ほいよ!」、そんな時でも僕は機嫌よく立ち上がることにしている。何か貸しを作っている感じもあって気分が良いし、そもそも二人とも僕のお茶を当てにして、必ずデザートの茶菓子まで持参していそいそとやって来るのだから。
 自分で言うのも何だが、それほどに僕はお茶全般、特に日本茶に凝っている。ちなみに、今ある日本茶は、これだけだ。昔ながらの極浅蒸しの煎茶と、浅蒸し煎茶、そして静岡は岡部産の玉露。これら全てが僕の手で開封・密封されていて、手を付ける順番を待っている。これらのお茶には僕以外は誰も手を出さない。

 さて日本茶だが、発酵させていない種類だけでこれだけ様々な喫し方をするお茶は、世界でも珍しいのではないか。紅茶も中国茶もほとんど沸騰したお湯を使うようだが(注  最近、そうでないと知った。生茶もあって、湯冷ましした方が良い場合も多い。この作品を書いた当時は、これらの知識がなかった)、日本茶は煎れる温度からして四十度から百度まで十度刻みで適温があるほどだ。そう言えば、水出し茶というのまであったな。抽出温度が下がるのに合わせて茶葉の量は増やし、抽出時間は長くする。

 先日、山間部で育った肉厚の極浅蒸し煎茶の封を切ったのだが、煎れ方などいろんな条件が最初から上手く合ったらしく、一種「青っぽい高貴」とでも言える素晴らしい味がした。そこで思い付いて、その半分ほどを袋に入れ戻して、その日のギター・レッスンで先生宅に持参したものだった。ギターの先生夫婦は四十代前半、二人してまたお茶が大好きときている。奥さんが料理の専門家らしいこのお二人、味の表現をやりとりして格別に楽しいから、こんなことを思い付いたのであろう。このお茶で言えば、深蒸し茶などに比べて扱いが難しいけど「茶葉は見た目二割増し、七十度で二~三分」といったところだ。
 その日の体調に合った時の良いお茶はコーヒーでも何でも思わず「ほーっ……!」と声が出るほどに応えてくれるものだが、昔ながらの煎茶が上手くだせた時の味は、もう「何と表現したら良いのか」。そういう言葉の通りで、なかなか言い尽くせない。

 話は替わるが、古くからある街並みを歩いているとこんなことに気付く。どんな街角にも小さな和菓子屋さんがあり、もうかなり減ってしまったが老人夫婦がやっているような小さなお茶屋さんもある。和菓子とお茶、この文化を連綿と嗜んできた人々が無数にいたのだと知らされるのである。国民一人当たり茶の消費量世界一と言われるのはイギリスらしいが、この国のティータイムにも勝るとも劣らぬ生活習慣が我が国にも存在したということだろう。そんなことなどに思いを馳せると、今日のお茶がまた美味しい。
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米と北、「あおり運転中」!    文科系

2017年12月05日 12時12分52秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 昨日の夕刊には「米韓最大規模 空軍230機訓練」。それも、こんな解説付きだ。
『F22六機が同時に韓国で展開するのは初めて。F22はレーダーに補足されにくく、有事の際に北朝鮮の主要施設を攻撃する有力な兵器とされ・・・』
 次いで今日の中日朝刊二面。政治漫画の画題は「あおり運転中」。戦闘機とミサイルとに火を噴かせて、それぞれ跨がったトランプと金が「オラ オラ オラ」と巴型になって互いを追い回している構図である。
 本当に、大の大人が馬鹿馬鹿しい限り。それも国家の首脳同士だ。しかしてその実態、正体は以下のようなものだとは、ちょっと考える人なら誰が考えても分かるのである。なのにこれを、日本の首相も「とことんまで追い詰めよ」と制裁の徹底を叫んでいる。
 拙コメント三つを転載させていただく。

【 ここが誤り (文科系)2017-12-02 10:31:31
 今回の貴方への応えも、これだけで終わる。
「大量破壊兵器を持っていても、戦争を仕掛けて良いとはならぬ。国連が認めないのに、開戦などできるはずがない」

「国連は北への戦争を認めない。中ロが反対するからだ。するとまた有志国? 今大きな戦争をやるのは、アメリカだけじゃないか? それもいつも国連を無視して・・・・つまり無法者である」

 それとも貴方、アメリカに同調してこう言うのですか?
『核兵器を持っているから。この国を完全に破壊する』
 こんな言い分は完全な国連法違反だ。それも、核を持っているという違反よりも遙かに大きな人類に対する大違反である。貴方もアメリカも、この肝心な点を外しているから、完全に誤った議論になる。】


【 お分かりのようですね (文科系)2017-12-03 23:18:42
 お返事がない所を観ると、お分かりのようですね。「新たに核を持っている国」という罪と、「その国に戦争を起こす」という罪とでは、後者の方が遙かに重いと。

 これはイラクで言えば、こういうことです。大量破壊兵器を持っているという罪と、そこに戦争を起こすという罪とでは、後者の方が遙かに重い、と。

 さらに言えば、このイラクの場合大量破壊兵器も嘘だった。してみるとアメリカは、理由なんかどうでも良くって何か隠された利己的理由で、自国の若者5000人近くを無駄死にさせるような戦争を起こすことがあるということになる。そして、関連死含めて50万を超えるという人類に対する大罪をしでかしたのだ。軍隊、国家、国旗にも泥を塗りつけたに等しく、何と怖い国だろう。

 よってこうなる。北の核兵器をあれだけ騒ぐのも、何かの口実なのだろう、と。】

  
【 シリアについても (文科系)2017-12-04 12:56:18
 シリアについても貴方とは長い論争があった。それは今で言えばこういう対立。

 貴方 自国民に化学兵器を使うような国は・・・・(潰しても良い?)。
 僕 それは、基本内政問題。これでもって、あの国に内乱をしかけることの方が遙かに最悪である。そもそも、内乱工作がなければ化学兵器?使用も起こらなかったはず。さらにそもそも、化学兵器を使ったかどうかも、国連が検証したつい最近の一例を除いてはあやふやなままでシリア政府批判だけが進んでいた。

 シリアと同じことが今ベネズエラで起こっているが、ベネズエラがチリの二の舞になるのではないかと、チリにおけるアメリカの凶悪さを知っているだけに、酷く恐れている。
 アメリカがチリにしたこと、シリアとベネズエラにしていることは、戦争なんですよ。
 内乱工作って、(代理)戦争ですから。】
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随筆紹介  「紋付鳥と私」   文科系

2017年12月05日 10時49分09秒 | 文芸作品
  紋付鳥と私   H・Sさんの作品です


 庭の千日紅の花が毎日何者かによってついばまれている。長年同じ場所で千日紅を栽培しているがこんなことは初めてだ。花弁の落ち方から推測すると、雀だろうと思い込んでいた。
 庭の近くの高いところに張られた電線から、夜明けともに「チー。ちー」と毎朝、可愛い鳴き声が聞こえてくる。見上げると腹の色が赤い小柄な鳥が一羽いた。紋付鳥(灰色がかった緑色の背中に白い斑点があるひたきの仲間)だ。鳴き声もいいなあー。紋付鳥は、今年も越冬ため、遠いところから我が家の畑と庭にやって来たのかと、この鳥がますます愛おしくなった。

 朝、なにげに庭に出た私に、紋付鳥が千日紅の葉影から顔を見せた。この鳥は二メートルぐらい私と距離があると、動かず顔を上げ黒い目で私を見つめるが逃げようとはしない。千日紅の種をついばんでいたのは紋付鳥だった。
〈千日紅が紋付鳥の食事になったのは何故か? 昨年まで千日紅は、ついばまれることはなく椅麗な姿のまま種を取ることが出来たのに〉、不思議なことだと考えたが、紋付鳥は、私に事情は知らせてくれないので仕方がない。

 去年、紋付鳥がやって来た時、彼が餌場にしている私の畑と庭の状況はどの様だったのだろうと、思い起こした。畑には二メーター近くに育ち、白、ピンク、紅色の花をつけたコスモスが畑全体に咲き誇り、種を結びかけた柔らかい黄色の花芯に群がる、小さい青虫がいた。その虫を食べている間に日を経ると、コスモスが種を付けるようになる。まだ青みがかった柔らかい無数の種は紋付鳥の御馳走だったのだ。

 今年は二度の台風でコスモスは根こそぎやられ畑の一角だけに僅かに残るのみになった。倒れたままのコスモスをそのままにしておくと「めんどいから片づけたら」と、忠告するばあさんがいる。この人は花盛りの時には「何時もお花見をさせてもらっています」とお世辞を言うが、花が見ごろを終えて枯れかかると「醜いから早く取りされ」と、私に指図する。台風の後、このばあさんのお節介言葉が嫌で早速、コスモスを刈り取ってしまった。コスモスの種は紋付鳥にとってはA級グルメだったのだ。これが無くなってB級グルメとして見つけたのが、庭の千日紅だった。A級グルメがあればそれを満喫できたであろうに、申し訳ないことをしてしまった。

 来年、コスモスが台風でやられて倒れたとしても、あの嫌味ばあさんのお節介に腹を立てることはせず、紋付鳥さんがA級グルメを堪能するまで刈り取ったりはしないよ。

 私にとって大事なのは紋付鳥さんなんだから。くたばれ、煩いくそばばあ〉と、心の中で呟きながら笑顔で対応するぐらい、私にとっては容易いことだ。紋付鳥さんきっと来てね。
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