九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

ハリルジャパン(153) 柴﨑ヘタフェ バルサと分ける  文科系

2018年02月13日 03時12分23秒 | スポーツ
 柴﨑のヘタフェが首位バルサと分けた。バルサのホーム、カンプノウで0対0というのは、今期初めての快挙ではないか。なお、このゲームの柴﨑は88分までプレ-したとも報じられている。

 先期の活躍によって引く手あまたであった柴﨑が、2部から上がったばかりのこのチームに入った理由の一つを「上位チームの闘い方をしている」と評したが、それが見事に形になった快挙ゲーム。スペイン・マスコミも騒いでいるようだ。

 こういうチームの10番をつけたトップ下、柴﨑岳。ますます目が離せなくなった。

 スペイン・サッカーというのは、体験者・中村俊輔も語ったように、先ず繋ぐサッカーなどの技術水準が世界1。次いで、イングランドと並んで、球際・当たりも最大限に厳しい。柴﨑が、ロシアW杯の顔になれるようになんとか間に合ってくれないものだろうか。なんせ世界最強リーグ・チームに入ってすぐにこれだけ大活躍した日本選手は、中田英寿以外にはいなかったという逸材なのだから。去年12月までの長期負傷離脱がとにかく痛かったのは確かだけど。
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「恐怖指数」売り必至という世界経済 文科系

2018年02月13日 01時08分07秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 10日中日新聞の経済欄に、今回の世界的株価値下げの原因が書いてある。それによれば、

①2007年ごろから、コンピューターのアルゴリズムというプログラムを使った自動株売買が世界大金融の常識。千分の1秒の短時間売買を繰り返し、小さい利益を何万回と重ねて大利益を得る仕組。東証17年では、この売買が全体の3分の2だという。
②これには、投資家の不安心理の大きさを示す目安「恐怖指数」というものが組み込まれていて、これが一定水準を越えると自動的に売り注文を出す仕組みが存在する。
今回はこの恐怖指数が急上昇し、自動売りが殺到した。

 まー、最新版の小さな恐慌があったことは確かだろう。東証の1日でいつも4100万件などという非常に小さな売買が繰り広げられている中で、恐怖売りが起こった値下げなのだから。

 ただしこの記事末尾には、こんな文章も。
『ただ企業業績は良いので景気が悪化に転じることはないという楽観論もある』

 この楽観論は、有名な投資情報専門家・武者陵司氏らも常々述べていることだ。企業業績が良くて、内部留保が増えているのだから、株釣り上げの破綻はまだまだ先の話だと。
 9年間の大量緩和の後アメリカは利上げを始めた。異次元緩和が続いている日本は、日銀の国債買い、株買い、GPIFの株買いの出口が怖いとあらゆる所で言われていて、武者氏の言葉は、これに対する基本的反論にはなっていない。因みに、武者氏の経済観測は常に、根本的破綻がおこることを認めた上でのその先延ばし論であると読んできた。「そういう根本的破綻は起こる。が、まだ先の話だ。こういう理由によって・・・」。

 世界経済の基本的有効需要がどんどん小さくなっていて、対するに投資資金は有り余っているのだから、この「供給サイド経済」が長期的には破綻しているというのははっきりしているのではないか。東証だけで1日4100万の売買なんて、異常すぎる。世界の隅々を相手にしてもそれだけ儲けられなくなっているということ。つまり世界金融が世界の資金をほぼ食い尽くしたということだろう。まだ食い尽くせるものが残って居るのか。今後はさらに「共食い」だけが進むということであって、日本企業がその膨大な内部留保で行う海外投資等もどんどん喰われていくのではないか。 この現行アルゴリズムの先を行く何かが発見されたりして・・・。 
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マスコミ報道の歪み(7)シリア問題の典型的議論   文科系

2018年02月11日 13時19分26秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 前回の(6)を巡って、「シリア問題sicaさんとの論争」をご紹介させていただきます。よくある、なかなか興味深い論点も含まれているところから、読者のみなさまよろしく。

『 シリアのロシアは正しい (文科系)2018-02-09 18:44:22
 シリアのロシアは正しいよ。だって、国連が認めた独立国政府に頼まれて安保条約的に参戦しているのだ。
 日本で反乱軍が生まれたら自衛隊が徹底弾圧するでしょ。そして、自衛隊の手に負えなかったら、アメリカに頼むのは合法でしょ。むしろ、反乱軍が滅びればよいのだ。アメリカやサウジがオンブにだっこで育ててきた反乱軍が市民を人質にしているのだから、元々は自発的反乱軍なんかじゃないのね。
 という論もありうるのに、日本のマスコミは完全な反乱組織者アメリカサイドの情報ばかりだ。だから僕は余計に意地になるね。(以下略)』

『 Unknown (sica)2018-02-10 12:22:44>
 シリアのロシアは正しいよ。だって、国連が認めた独立国政府に頼まれて安保条約的に参戦しているのだ。
なるほど。国連に認められた政府なら、一般市民を対象とした無差別爆撃も許されると、戦時国際法を守る必要も無いと・

いやはや驚きました。これが「平和憲法を守れ」という人の言葉とはおおよそ信じられません。しかしそれだと国連という組織を非常に重視している文科系さんの主張とも矛盾するのですけどね。国際法を重視しない国や国民が、国連を重視するハズがありません

戦時国際法さえ守らなくていいという人たちこそ、「ならず者」と言えるでしょう。』

『Unknown (sica)2018-02-10 12:30:24「どっちも自分が正しいと思っているよ。戦争なんてそんなもんだよ。」ドラえもんの言葉です。
「○○が正しい」などという「自分が正しい」という姿勢こそ、戦争を生むのですよ』

『 曲解です (文科系)2018-02-10 14:47:04
 こういうのを曲解というのです。全く、理由も意味もない非難。(中略)

 sicaさんの拙文理解。
『国連に認められた政府なら、一般市民を対象とした無差別爆撃も許されると、戦時国際法を守る必要も無いと』
 僕がこんなことを言いましたか? 「一般市民を対象とした無差別爆撃もゆるされると」。関連箇所では、僕はこう表現している。
『日本で反乱軍が生まれたら自衛隊が徹底弾圧するでしょ。そして、自衛隊の手に負えなかったら、アメリカに頼むのは合法でしょ。むしろ、反乱軍が滅びればよいのだ。アメリカやサウジがオンブにだっこで育ててきた反乱軍が市民を人質にしているのだから、元々は自発的反乱軍なんかじゃないのね』
 つまり、反乱軍が市民を人間の盾にしていると述べた上で、(市民ではなく)反乱軍が滅びればよいのだとのべたのですよね。
 なお、反乱軍が出来れば必ず市民を盾にする。イスラム国もそうやったでしょ。イスラム国最後の首都を滅ぼす時でも楯にされた市民を殺すことになるのは誰でも反対でしょう。で、イスラム国はそのままにしておきましたか? 市民を殺さずに済みましたか?

 さて、すべて、政府に対抗するよう一大勢力反乱軍をオンブにだっこで育てた連中が悪いのでしょう。さらに、イスラム国もそういう連中が作ったも同然ですよね。イラク戦争とシリア内乱が。
 全て米英が手を引けばよいのです。そしたら、サウジだけでは何も出来なかったはずだ。


 もう一つ、あなたの「正しさ」の議論はまた、ここがおかしい。
 僕の議論についても、「いつものようにこう曲解しています」。馬鹿馬鹿しくて言わなかったことを今日初めて言いますね。

 僕は正不正でものを言っていますが、貴方の議論は非難中心ですよね。僕の正不正が絶対的尺度を持っているとどこに書いてあるのです。そういうわけの分からない曲解をいつも貴方は僕に押しつけてきた。
 そもそもある事柄の善悪の尺度などその都度いくつもあって、それらを合わせた相対的総合判断を闘い合わせるというのは、人の論議の常識に属することだ。
 対する貴方の国際政治論もいつもどちらかを非難する。この非難がいつも絶対的尺度を持っているように曲解できるのですか? 非難するとは一応悪いと言い、こう改めろというのですから正義はあるのでしょうね。すると絶対的正義があることになるのですか?
 
 こうして、あなたはこの手合いのことをやっているのだ。他人には絶対的善悪をおしつけて、自分は善悪も述べていないような顔をしている??こんな議論はただ馬鹿馬鹿しいだけです。』  
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日本首相発言が韓国大統領に一蹴された話  文科系

2018年02月11日 12時00分14秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 らくせきさんも触れられているように、安倍首相と韓国大統領との会談で9日、こんな「討論」があったようだ。このニュース、韓国では政府高官らも含めて大いに話題になっているようだが、日本ではこっそりとさせていく雲行きではないか。

 安倍が「米韓軍事演習を延期するな」と述べた。対して文大統領は「これは内政問題である」と、玄関払いを喰わせたのである。「玄関払い」というのはこの場合、極めて筋が通っている。以下のように。

①そもそも韓国が北に対してどう動こうが、国連制裁を守ると言っている以上は何も言われるべき事はない。
②また、元々祖父母、親兄弟、孫らがいきなり2国に引き裂かれた国なのだから、仲良くしたいと考えるのが人の情。まして、この両国が戦争になるかも知れぬなど日米が創っている情勢には、「嫌だ」と反発するのが当たり前の話。
③これに対するに、アメリカは現に北に戦争だーと振る舞ってきた。「ならず者国家」指定は、イラクやイランの前例を見れば戦争含みの動きと観て当然である。対して北は針鼠になり、核兵器に活路を求めた。ただしこれは「国連規則違反」ではあっても、戦争を仕掛ける理由にはならぬ。何度も言ってきたように、現に核を持っている国は多いのだし、北からは撃てないのだし。
④また日米が「国連制裁以上の最大限制裁」を叫ぶのは、戦争・国滅ぼしを仕掛けているも同じである。これは国家間外交の常識に属すること。いかに酷い国でも、その国の体制を換えるかどうかはその国民が決めることであって、他国は干渉できないことだ。

 と、こうして見ていけば、安倍がいかに筋の通らぬ愚かな内容をいかにも偉そうに語ったかが分かる。韓国が北にどう振る舞うかは、他国が干渉できることではない。ましてや、二つの国の戦争に繋がっていきうる言動は、隣国首相としては人の情も分からぬ愚か過ぎるボンボン性を示しているだけ。米韓演習の度に北が「そのまま、瞬時にしてわが国への先制攻撃に転化するかも知れぬ」と針鼠を強めるというのも極自然な話である。安倍のこの「要求」は、韓国にとっては戦争情勢・チキンレースをいっそう進めよと語っているも同じなのだ。


 この冬季オリンピックにおける韓国の北への行動全てを「北の策略に乗ったもの」と報じるマスコミ論調もおかしいと思う。何度でも繰り返すが、祖父母、親兄弟、孫らがいきなり2国に引き裂かれた国が仲良くしたいとか、まして戦争はいやだとかは、当たり前の話。独裁制維持のため政治的外交に動いているやの北をいくら批判するとしても、その批判と韓国の「肉親戦争は嫌だ」とは別の話である。そして、人の情がある隣国ならば、「肉親戦争は嫌だ」を第一に認めて振る舞わねばならない。ましてや、兄弟で殺し合いをせよと端から持って行こうというがごとき遣り口などは、論外である。
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ソウル共同  らくせき

2018年02月11日 09時53分48秒 | Weblog
韓国大統領府高官は10日、安倍晋三首相が9日の日韓首脳会談の際、
米韓合同軍事演習を延期すべきではないと主張したのに対し、
文在寅大統領が「わが国の主権の問題だ」と不快感を示していたと明らかにした。

トランプさんとの違いの大きいコト。明治の思考そのまま。
脱亜入米。
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アルハンブラ・トレモロのレッスン   文科系

2018年02月10日 14時53分30秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 「アルハンブ宮殿の想い出」の何度目かのレッスンを始めている。誰でも聞いた覚えがあるというクラシックギターの名曲、スペインのタレガの代表作である。この曲に因んで、ギター弾きにはこういう人がとても多いもの。これは一応弾けるとか、暗譜もできているとかであっても、この曲を人前でとなると弾けない人だ。僕もずーっとそういう人のまま、これを暗譜してからすでに10数年経つというのに。トレモロという弾弦法に自信のない人々のことである。定年後にギターを習った僕とは違って、「昔は弾けたけど年を取ったら難しくなった」という人も多い。

 さて、今回これを始めてから別のエントリーに書いたコメントをまず。

『 アルハンブラ (文科系)2018-01-18 12:01:36
 上の998(バッハのBWV998のプレリュードのこと)はなんとかなったようで、次の暗譜群曲はいよいよアルハンブラ。10数年も弾いているこの曲を今度こそ一応完成させようと、意気込んで20日ほど。
 全く駄目なのだ。しっかり音を出すとテンポが遅すぎる。速い方は、速すぎて、トレモロ音もかすれる。そして、その中間スピードでは弾けないのである。その原因も、今度の20日ほどで分かってきた。こういうことのようだ。
 遅く弾く時に分かるのだが、i指が遅れるのだ。速く弾く時にその分、i指の音が鳴らない。遅れる原因は、i指が、弾いた後に上に上がり過ぎるのである。第2関節が曲がりすぎる癖である。これがなかなか治らない。なんせ10年弾き続けてきた癖なのだから。
 原因は分かったが、どうも大変なことになったようだ。直せるのだろうかと、不安になってきた。』


『 ちょっと直せた (文科系)2018-02-05 20:04:02
 トレモロには二つの弾き方がある。一つは、普通のタッチで弾く。もう一つのタッチは、弦を下に押して離すとトレモロ音が大きくなるというもの。ただし、普通のタッチで弾いても、それと同じ音量が出る人はいる。僕の先生もこちらだ。この二つの間で、現在の僕は迷っている。少し遅いスピードなら「下押し離し」奏法は出来る。が、これだとちょっと力が入る分どうしても微妙な表現が難しくなるように思う。それで「普通奏法トレモロ」を目差している。そして、今回1か月ちょっと、なんとか出来るようになったかという所。上コメントで述べたi指の癖が直ってきたからだ。でもまだトレモロ音にムラがある。
 普通弾弦法のトレモロって、本当に難しい。ただし、最初からトレモロが出来ていた人というのはいっぱい居る事も僕はよく知っている。以上全ては主として、トレモロが最初は下手であった老人の場合ということである。老人が、初め上手く弾けない場合のトレモロを上手く弾くようにするのはとても難しい。これは、年を取ると細かい身体の動きの記憶力がなくなるからだし、悪癖がついてしまうと、直すための根気が続かないからと考えてきた。本当に、いったん身につけてしまった悪い癖を一つずつチェックして修正していかねばならぬのだが、これを観察、分析していく論理が難しいのだろう。』


 さて、9日のレッスンで、先生に言われた。「これは、もう、トレモロ行けますね!」。 僕もちょっと前からそう思えるようになっていたから、この評価が嬉しかったこと! 悪癖をどう分析して、どう直したか。上に『「普通奏法トレモロ」を目差している』と一方向だけでやってきたのだが、こちらだけに徹底したのが良かったようだ。こんな風に進んできた。

身につけてしまった上記二つの弾き方の間で、迷いがあった。どちらかに徹底しなかったから、このお互いが脚を引っ張り合って前進できないようになっていた。その現れは・・・・

②上に書いたi指悪癖の他、a指にも悪癖があった。iが遅れる分aが早く弦に触り一瞬止まっているので前の音を消してしまう

③改善法は、iを上げないように、かつ、aを一瞬で素速く動かすこと。これに成功するのはとても難しく、こんな要件が必要だったと今分かったような・・・。

とにかく脱力して、「爪先だけでのように」軽く優しく弾く。その日の弾き初めは音が小さ過ぎても良いからこの「脱力、軽く優しく」を徹底する。これとは別にi、aの独自改善は、こうやった。iの改善は、miだけとか、pを入れないamiだけで練習する。aの改善は、pとaとだけ、もしくは、pとamiを1回だけ弾くやり方を続けて練習した。

トレモロ3本指の弦移動がまた難しい。弾くべき弦の上で3本指先がなるべく同じ並び方をしていることが鉄則のようだから。そうでないと、弾く弦によって隣に触るとかの雑音が出るのが怖くて、大きなトレモロ音が出せない。このために、こんなやり方があるようだ。一つは、右肘をギターに付けず、肘から先を同じ形に固めたまま弦上を移動するやり方。もう一つは、普通に肘を付けて弾くやり方であるが、僕はこっちだが、これだとまた独特のいろんな工夫が要るようだ。観察してみると分かるが、右肘をギターに付けたままでは、第1弦のトレモロと3弦のそれとでは、各弦に対する3本指の並び方(角度など)が変わってくるはずなのだ。そこをどう飼い慣らすかが、難しい。これを飼い慣らせないと、どうしても音量が出せないことになる。音量がないトレモロ曲は曲想も出せないから、ただ弾いているだけで、人前ではちょっとということ。

 初めから自然に身体が覚えてしまう若い人、あるいは自然に正しい方法を身につけてしまった方が羨ましくて仕方ない。ただ、ちゃんと弾けてた人が急に自信が無くなることが、トレモロには起こるようだ。プロでもそう語る人がいるから、トレモロはやはり難しいということだろう。まー、出来るだけ多くを意識化し切った弾弦法を身につけるに越したことはないのだろう。
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書評「新・日本の階級社会」(2)「貧富の世襲」より酷い現実・・・   文科系    

2018年02月09日 07時46分23秒 | Weblog
 この本を読む動機になり、読んだ結果「なるほど」と納得した「日本のある現実」が存在する。僕の回りにも、ここの読者の回りにも間違いなく無数に増えている現象・・・。


 貧富の世襲とはまだ、貧または富夫婦が子供は作れたが、その子が貧または富にきっちりと分かれるという社会状況と言えるだろう。
 ところか現代日本は、もっと酷い。貧者の子どもが結婚できなくなって、子供を作れなくなっている。この本にはそういう状況、数字がきっちりと書いてあるのだが、僕自身はそういう問題意識を僕の親類のある家族を見て、既に前から得ていたのである。このように・・・。


 その夫の父母は、母も旧制女子高等師範学校(現在、お茶の水女子大学)出身で、高校教員同士の共働き。その子ども4人は皆国公立大学卒。
 その妻の方は父母が離婚して、母1人で5人の子を育てた、その長女。
 さて、この夫婦とその兄弟たち合計9人はみんな結婚したが、その子、つまり夫婦から見て甥や姪が全員30歳以上になった今、どうなっているか。それが問題である。
 夫の方は甥姪合わせて10人が全員結婚していて、甥姪の子が総勢15人を優に超えている。子がないのは10人の内たった1人で、それも妻が妊活に励んでいる真っ最中だ。
 他方妻の方は、甥姪合わせて7人で既婚者は2人、その子もその夫婦自身の孫たった2人だけである。


 どうだろう、皆さんの回りにもこんな現象は多いのではないか。この本はそのことを政府統計数字でもって示してくれた著作である。いったん貧乏になった家は家系が絶えるというような窮状さえ覗ける日本だと言えないだろうか。それも子の世代から数えてたった2代目限りでどんどん絶えていくというような。こんな現状を垣間見ていたからこそ、この本の書評エントリーを僕はこういう文言で書き始めたのだった。
『団塊以降世代から初老期に入られた方々に言いたい。子どもらが結婚できず、子も作れないような日本、世界を遺して、安んじて死んで行けるのかと。そんな事をひしひしと感じていた僕はそういう資料を望んで久しかったのだが、とうとうこれを教えてくれる本に出会った』
 日本の急激な少子化とは実は、上のような意味なのである。いったん貧乏になった家は子孫が絶えるというような。 こういう現実を作った保守党が絶対多数というのは、どう観ても国民が騙されているということだろうと、僕は強調したいのである。
 


 何度でも言うが、この間にも日本、世界の生産力一般は飛躍的に伸びているのである。南欧、南米、アジアに大量に生まれている若者の失業者とか日米の不安定労働者の急増、惨状とか、生産力向上の成果がほとんど回って行かない人々が激しく増えているのだ。それで世界がますます酷い消費不況に陥って、職がない人々、不安定労働者がまた増えていくという、悪循環世界。

 これは、世界的なグローバリゼーション社会の「供給サイド経済学」という仕組みから来ていること。これの反対がケインズのような「需要サイド経済学」だとは、マクロ経済学原論を学んだ人なら誰でも知っていることだ。こうして現在の消費不況とは、世界的なものなのであって何も日本だけの特徴ではないのである。ある少数者たちが暴力的かつ徹底的に作り上げてきた「株主サイド経済」という世界的構造的な問題なのである。ちょうど、大工場の労働時間法が無い時代の15時間労働のような・・・。
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書評「アベノミクスによろしく」(5)最終第8章の「総まとめ」を  文科系

2018年02月09日 07時37分10秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 この本の8章には、この本全体について著者による「総まとめ」がある。それを書き写して最後の要約とします。

「第8章 それでも、絶望してはいけない」にある「総まとめ」

①異次元の金融緩和を行っても、マネーストックの増加ペースは変わらなかった。物価上昇は消費税の増税と円安によるものだけ。マイナス金利も効果なし。

②増税と円安で物価は上昇したが、賃金はほとんど伸びなかったので消費が異常に冷え込み、経済は停滞した。

③経済停滞をごまかすため、2008SNA対応を隠れ蓑にした異常なGDP改定が行われた。

④雇用の数字改善は労働人口減、労働構造の変化、高齢化による医療・福祉分野の需要増の影響。これはアベノミクス以前から続いている傾向で、アベノミクスとは無関係。

⑤株高は日銀と年金(GPIF)でつり上げているだけ。実体経済は反映されていない。

⑥輸出は伸びたが製造業の実質賃金は伸びていない。また、輸出数量が伸びたわけではない。円安で一部の輸出企業が儲かっただけ。

⑦3年連続賃上げ2%は全労働者(役員を除く)のわずか5%にしか当てはまらない。

⑧アベノミクス第3の矢の目玉である残業代ゼロ法案は長時間労働をさらに助長し、労働者の生命と健康に大きな危険を生じさせる他、経済にも悪影響を与える。

⑨緩和をやめると国債、円、株価すべてが暴落する恐れがあるので出口がない。しかし、このまま続けるといつか円の信用がなくなり、結局円暴落・株価暴落を招く恐れがある。


 以上でこの本の要約を終わります。ここまで読んで下さった方、有り難うございました。それにしても、政府統計数字だけを使って示されたこんな無能な政治を「経済数値はほとんど上向き」とか「民主党政権時代よりどれだけ良くなったか」などと語ってきた、そんな宣伝の出所は一体どこだったのでしょう。
『嘘も百編言うと、真実になる』
 ヒトラーらの遣り口と全く変わりませんよね。


(おわり)
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「よたよたランナーの手記」(217)キロ6分半を切っていく!  文科系

2018年02月08日 04時56分49秒 | スポーツ
 7日のジム・ランで、30分×2回を9・4キロまで、キロ6分23秒平均になった。ウオームアップ2キロほどを、170メートルほどと言われたジム2Fランニングコースで走ったあとのマシン・ランである。
 2日に、外走りのうち吹上公園5周5キロちょっとを1キロ平均6分27秒で走ったのをまた超えた。これ以上の最も近い記録は16年5月27日、1時間9・5キロということになる。ちょっとした質的変化の時期に来たという感じがある。ただ、今はこれが限界。事後の疲れから見てもそんなに無理をしたわけではないが、これ以上の無理は今は出来ない。右足首と両脚の外側の筋肉全体とをちょっと鍛え、低速の走り込みをしばらく重ねて行こうとの算段をしている。

 2日にせよ、7日せよ、最近何に気をつけてきてこう前進してこられたのかと考えてみた。年を取れば誰にでもすぐに生まれてくる自分の相対的弱点に注目し、そこに傾注して鍛えながら走ってきた。
 右脚は、左より爪先が弱い。左脚は、右脚より腿が弱い。そして、両脚ともマシンラン中心で来たせいで、脚全体の外側の筋肉が弱い。これは多分僕がO脚であることも関わっているはずだ。そういう部分にウエートトレーニングも課しつつ、そこをよく使うようにもして走ってきた。弱い部分をそのままにして走っていると、走り方もスムースでなくおかしくなっているのはずっと気分が悪いもの。その原因が分からず試行錯誤しているときはまた、もっと気分が悪いもの。ランニングハイも何もあったものじゃない。

 そういう弱点がやっと分析できて、その弱さをカバーしてきて、綺麗に走れたと思える時が戻ってくるのは、何と幸せなことだろう。走っているリズムが楽しいのである。いつでも無理なく脚に力を込められて、それがそのまま弾みをつくってくれて、どんどん走っていける感じ。そんな時はただ「心臓に無理が来ている」と気付いて、慌ててセーブするのだが。
 年寄りには、大袈裟に言えばそういう弾みを妨げるような筋力上の弱点が日々現れてくるのである。だからこそ、早期発見早期治療が必要になる。手遅れになると不可逆的な箇所、地点も多くなって来るのだろうか。その末に走れなくなるということなのか。などと思ったりする。激しい負荷が掛かる小さな筋肉などは、いつもそういう危険性をはらんでいるとも思う。例えば足首とか。

 こういう良い気分をどんどん追いかけつつ、そのためにこそ走っているのかも知れない。身体を使い、汗をかき、気分良く弾めたなーと思いながら帰ってくる時の気分は最高だ。
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書評「アベノミクスによろしく」(4)第6~7章各末尾より、著者の「まとめ」  文科系

2018年02月08日 04時14分06秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 この本の各章末尾に著者による「まとめ」があって、それを書き写して内容要約としています。

「第6章 『第3の矢』は労働者を過労死させる」のまとめ

①残業代ゼロ法案とは「高度プロフェッショナル制度の導入」と「企画業務型裁量労働制の拡大」の2つからなるもの。
②「高度プロフェッショナル制度」は、当初こそ年収1075万円以上の人を対象としている。しかし改正が繰り返され、最終的に経団連の目標である「年収400万円以上」が対象とされる可能性が高い。
③「企画業務型裁量労働制」は、何か企画して業務を管理する人や、法人相手の営業マンが対象となる。対象者は、実労働時間に関係なく、あらかじめ決められた時間働いたと「みなされる」。その結果、残業しても残業したことにならない。最大の問題点は、年収要件がないこと。例えば年収200万円の人も対象になってしまう。
④残業代ゼロ法案は、労働者の健康を害するだけではなく、経済にも悪影響を与えるもの。経済発展のためにはむしろ逆効果。

「第7章 アベノミクスの超特大副作用」のまとめ

①日銀が金融緩和をやめる、つまり国債の買い入れをやめると、国債が暴落する可能性がある。
②国債が暴落すると、円と株も暴落する可能性がある。
③国債が暴落すると長期金利が上昇し、国の借金返済が余計に困難になる。
④上記①~③の事態を避けるため、このまま金融緩和を続けたとしても、どこかで円の信用が失われ、円が暴落する可能性がある。


(続く。最終第8章に、作者によるこの本全体の「総まとめ」があり、それを紹介します)
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マスコミ報道の歪み(6)また、シリア内乱で  文科系

2018年02月07日 10時38分54秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 日本マスコミのシリア報道については、もうウンザリを通り越して呆れるばかり。そもそも内乱が起こっている国で、反政府側に立った報道ばかりを何故こうも延々と流し続けてきたのか。国連も認めた政府を悪と描き、この政府を支援するイラン、ロシアも悪と描く。一国の要請に基づいて支援するのが合法でなければ、安保条約など成り立たないはずなのだ。そんなニュース専門で反政府側の旗幟鮮明な得体の知れぬ在外団体の存在。「シリア人権監視団(ロンドン)」? そもそも、他国でこんな団体が存在したら、人はどう思うかと考えてみたらよい。「日本人権監視団」??
 日本で内乱が起これば自衛隊が徹底鎮圧するように、一国に内乱が起これば、そりゃ何でもありになる理屈だ。その結果だけを一方側から見て「かくも残虐!」とやれば、天使も悪魔に描けるだろう。 

 そんなニュースが今日もこんな見出しであった。
『シリア政府軍 空爆激化 2日間で市民75人犠牲』
 ニュースの出所は例によってカイロ特派員。彼の頼りは例によって、「日本人権監視団」ならぬ「シリア人権監視団によると・・・」とあった。内乱のある国では、せめて両当事者と国連情報だけを流すべきではないか。

 「シリア人権監視団」をウィキペディアで読んでみると、こんな下りもあった。
『フランス通信社はシリア人権監視団に対して無視できない情報源と評価する一方、同社主要特派員には「この団体が信頼できない組織だということははっきりわかっているが、この世界は競争が激しいから、われわれはそれでも彼らの数字を流し続ける。」と話す者もいるという[4]。例えば、2012年5月25日、シリア西部ホムス近郊のホウラで108人が死亡した事件(ホウラ虐殺)について、この団体は最初、政府軍の砲撃により90人死亡と伝えていた[5]。ところが、国際連合とアラブ連盟の委託を受けた監視員らが5月29日に確認したところ、犠牲者のほとんどは鉈・鎌・剣などの刃物によって殺害されていたことがわかり、国連は同日、虐殺のあった地区が反政府軍に掌握されていたことを明らかにした[4]。』

 シリア・アサド政権の「悪事」「化学兵器使用」は何回もあったとしてあまりにも有名だが、国連がこれを実証できたものは、つい最近の1回だけで、それも完全な実証とは言えないと読んだ覚えがある。


 日本の外信記事は、偏っている。新聞社がじり貧で特派員が少ないかして、これに頼るテレビも含めて、困難な問題の核心を突く外信部調査報道などは、「特報」を除いては皆無に近いのではないか。日本マスコミがこんなでは、日本人の政治判断がますます島国根性になっていく。国際金融が動かしているグローバル時代は、外国のことが正確に分からないと、国内政治でさえ正しい判断は何も出来ないと思うがどうだろうか。

 
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書評「アベノミクスによろしく」(3)第4~5章各末尾、著者の「まとめ」  文科系

2018年02月07日 10時26分07秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 この本の各章末尾に著者によるその章の「まとめ」があって、前回からそれを書き写して内容要約としています。今回は4,5章。8章にはまとめがありませんから、残りは、6、7章になります。

「第4章 GDPかさ上げ疑惑」のまとめ

①GDPが改定され、数字が大きくかさ上げされた。その要因は、「2008SNA対応によるもの」と「その他」。
(文科系注 「SNA対応」とは、GDP算出の国際基準変更のことで、1993年基準から2008年基準へと変わった。が、日本の場合は、これ以外の上記「その他」が極めて多かった)
②「その他」のかさ上げ額は、アベノミクス以降だけが桁違いに突出している。アベノミクス以前の「その他」かさ上げ額は平均するとむしろマイナスであり、特に1990年代が大きくマイナスになっている。
③改訂によって、アベノミクス失敗を象徴する5つの現象のうち4つが消失。そして、2016年度の名目GDPは史上最高額を記録。
④「2008SNA対応」を隠れ蓑にして、それと全然関係ない「その他」の部分でかさ上げ額を調整し、歴史の書き換えに等しい改定がされた疑いがある。

「第5章 アベノミクスの『成果』を鵜呑みにしてはいけない」のまとめ

①雇用改善は、生産年齢人口減少、医療・福祉分野の大幅な需要拡大、雇用構造の変化(非正規雇用の増大)によるもので、民主党政権時代から続いていた傾向。アベノミクスは無関係。
②株価の上昇は、日銀(異次元の金融緩和、ETF爆買い)とGPIF(年金資金投入)によるもので、実体経済を反映していない。公的資金投入をやめると暴落は必至。
③円安の恩恵を一番受けた製造業ですら、実質賃金は大きく下落。
④賃上げ2%を達成できたのは、全労働者のわずか5%程度。労働組合組織率が低いことも影響して、そもそも日本は賃金が上がりにくい構造になっている。


(続く)
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書評「アベノミクスによろしく」(2)第1~3章各末尾の著者「まとめ」  文科系

2018年02月06日 07時43分57秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 この本の全8章各末尾に著者による「まとめ」があることは、前回に述べた。それを書き写して内容要約としていく。さて、第1章まとめは特に長い。というのは、この本の重要基本用語説明があるからだ。さて、・・・

「第1章 アベノミクスとは何か」のまとめ

『①マネタリーベースとは日銀が供給する通貨のこと。より具体的に言うと、「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」の合計値。異次元の金融緩和はこのうち「日銀当座預金」のお金を増やしていく政策。日銀当座預金とは日銀が民間銀行のお金を預かる口座。日銀は民間銀行から国債を大量に買い取り、その代金を日銀当座預金に入れている。
②マネーストックとは世の中に出回っているお金の総量で、個人や企業、地方公共団体が保有している現金・預金を全部合計したもの。日銀当座預金を増やしても、それが貸し出しに回らなければ、このマネーストックは増えない。マネーストックが増えないと物価も上がらない。
③GDPとは「Gross Domestic Product」の略語で、日本語では「国内総生産」と訳される。要するに日本国内で儲かったお金を全部合計したもの。この儲かったお金は日本国内の誰かが支出したもの。その支出を合計したものを「GDE(Gross Domesutic Expenditure)」という。日本語では「国内総支出」と訳される。GDPとGDEの額は概念上一致する。なお、内閣府はGDEを「GDP(支出側)」と表記している。「GDPの6割は国内消費」などと表現されることが多い。この時の「GDP」は、内閣府の表記に従うと「GDP(支出側)」とするのが正確。本書ではこの「GDP(支出側)」を検証の対象としている。単に「GDP」と表記してあれば「GDP(支出側)」を意味すると理解してほしい。
 日銀の金融政策は、マネタリーベース(のうち、日銀当座預金)を異次元のペースで増やしていくもの。対名目GDP比でいうと、マネタリーベースの規模はすでにアメリカの4倍を超えている。マネタリーベースが異常な勢いで増大することで、人々が「物価が上がる」と予想する。それにより、次の現象が起きて景気が良くなると日銀は予想した。
④実質金利が下がり、民間銀行の貸し出しが増えて、マネーストックが増える。
⑤物価が上がる前にみんな物を買おうとするので、消費も伸びる。』

「第2章 マネーストックは増えたか」のまとめ

①異次元の金融緩和でもマネーストックが増えるペースは変わらなかった。
②暦年データで見ると、物価は3年間で4・8%上がったが、うち2%は増税、残る2・8%は円安によるもの。円安だけで年2%ずつ物価を上げていくことは不可能。

「第3章 国内実質消費は戦後最悪の下落率を記録」のまとめ

①2014年度の実質民間最終消費支出はリーマンショック時(2008年度)を越える下落率を記録した。
②戦後初の「2年度連続で実質民間最終消費支出が下がる」という現象が起きた。
③2015年度の実質民間最終消費支出は、アベノミクス開始前(2012年度)を下回った(消費がアベノミクス前より冷えた)。
④2015年度の実質GDPは2013年度を下回った(3年分の成長率が1年分の成長率を下回った)
⑤暦年実質GDPにおいて、同じ3年間で比較した場合、アベノミクスは民主党政権時代の約3分の1しか実質GDPを伸ばすことができなかった。

(続く)
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東シナ海のタンカー事故  らくせき

2018年02月05日 10時17分48秒 | Weblog
タンカー沈没事故は、日本ではほとんど報道していない事の異常さが海外で言われている。
被害はとても大きい。すでに日本海側に有害物質は回っている。
今後の日本人の食の大きな問題となってくる。

という指摘もありますが・・・
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書評「新・日本の階級社会」(1)   文科系

2018年02月05日 09時06分12秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
書評「新・日本の階級社会」 結婚できず、子も作れぬ日本

 団塊以降世代から初老期に入られた方々に言いたい。子どもらが結婚できず、子も作れないような日本、世界を遺して、安んじて死んで行けるのかと。そんな事をひしひしと感じていた僕はそういう資料を望んで久しかったのだが、とうとうこれを教えてくれる本に出会った。「新、日本の階級社会」、著者は早大教授・橋本健二氏。ここには、こんなことが書いてある。

 まず、日本という「新、階級社会」の年収・職種など別に階級を分けるとこうなると語る。僕の問題意識は、それぞれの未婚率である

①資本家階級 254万人で4・1%
②管理職、専門職、上級事務職などの新中間階級が、1,285万人で、20・6%
③自営業、農業など旧中間階級、806万で12・9%
④正規職、2,192万で35・1%
⑤パート主婦、785万で、12・6%
⑥非正規職、929万で、14・9%

 さて、僕がずっと問題にしたかったのは、②~⑥(当然⑤は除く)それぞれの平均収入と男性未婚率。こんな数字が出たという。②は499万円の、男性未婚率18・0%。③が、303万円で12・9%。④が370万円、31・0%とあって、最大の問題が⑥186万円の14・9%で、この人々の男性未婚率が実に66・4%とあった。今どんどん増えているパート、アルバイト、派遣社員という方々なのである

 さて、今の60代以上の方々で、こんな時代を予想できた方がどれだけいらっしゃるだろう。ちなみに、人間世界の生産力はこの間どんどん増えて来たのだから、こんな事態は「何で?」と疑問になって当然なのである。④でさえ男性未婚率31・0%とあるのは、おそらくこんな理由もあるはすだ。専業主婦か、正規に近い共働き相手か迷っている男性も多いと。この収入だけだと、家賃10万として残りの月平均収入は20万。年功序列賃金体系も崩れた事だし、子どもを大学まで行かせられるかどうか分からない状況という他はないのだから。また、いまの30~40代が、親の世代と同じ生活水準を望むというのも人として自然な要求でもあろう。

 酷い社会になったものだ。団塊世代諸君、こんな日本を子孫に遺したかったのか? 何度でも言うが、この間に世界の生産力は飛躍的に伸びているのだ。それが普通の人々に行き届かないようになっているのである。何でこうなってしまったのか、今の時代の世界経済の仕組みをこそ根本的に問うてみる必要がある。今の生産力が十分に発揮されるなら、普通の人が8時間働けば子どもを大学になど楽に行かせることができるはずだ。社会に必要なものもちゃんと行き渡らず、生み出せず、お金もどこか遠くへ行ってしまっているのである。そういう経済の仕組みという根本的問題があるということだろう。その次第は、このブログの至るところに解説してあると自負している。

 マクロ経済原論で言うと、現世界が供給サイド経済学でやってきて、需要サイド(例えば、ベイシックインカム論などというものも、一時アメリカ政府内で検討されたこともある)には振り向きもしなかったからこうなってきた。そういう意味で、安倍になど投票すべきではないのである。丁度米国国民がトランプになど投票すべきではないように。知られているように、安倍、トランプでは、世界に不安定労働者が増えるばかり。さもなければ、南欧、アジア、南米のように失業者の大群。不安定労働者とか失業者の大群とか、こんな社会でない道もありえたのだが、1980年辺りから、今のような道を採ってきてしまった。英米を先頭とした先進国の為政者が先頭に立った弱肉強食社会の成れの果てである。
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