今日本のベストセラーになっている本だが、2017年10月11日に第1刷発行で、18年1月23日第5刷発行とあったから、なるほど。ブラック企業被害者の弁護士を務められ、そういう現場から堪りかねて経済を勉強し直し、政府発表の統計数字だけを使ってこの本を書かれたのが、明石順平弁護士。東京都立大学と法政大学法科大学院を卒業された方だ。
ちなみに、本日の中日新聞にもこの本の事が載っている。4面言論欄の連載コラム「中日新聞を読んで」で、コラム担当者の一人、シネマスコーレ支配人木俣純治さんがこう触れられている。
『アベノミクスは本当に成功しているのか。この疑問に応える好著がある。弁護士、明石順平氏の「アベノミクスによろしく」(集英社インターナショナル)は、統計データを活用して、極めてわかりやすくアベノミクスの本質を突いている。この本によれば、実質賃金指数は「アベノミクス開始以降の三年度を全部合計すると4・3%も落ちている」。さらに、増税と円安の影響は、一四年度の実質民間最終消費支出の歴史的下落につながっている、とあるからあぜんとする。賃上げはされたが、実質賃金が落ちているので、景気は上向いていない』
さて、書評と言ってもいつも内容紹介になるのだが、今回は全八章とも各章末尾に著者による「まとめ」、要約がついているので、それを順番に紹介していきたい。ただし、第1回目だけは、この本の帯、裏面の文章を全文紹介することにした。
『豊富なデータにより、アベノミクスの本当の姿が今、あきらかに!
・異次元の金融緩和でもマネーストックの増加ペースは変わらず。
・実質賃金大幅下落で、国内消費が「リーマンショック時を越える下落率」を記録。
・3年間で比較すると実質GDP成長率は民主党時代の3分の1。
・新しいGDP算出基準への対応を隠れ蓑にし、GDPを異常にかさ上げ。
・雇用改善はアベノミクスと無関係。株価も日銀と年金でつり上げているだけ。
・金融緩和の副作用は、それをやめた時の国債、円、株価の暴落。』
(あと3回は、これを続けます)
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