路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説②】:米中国防相会談 直接対話継続してこそ

2024-06-04 07:38:40 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・G7サミット・G20】

【社説②】:米中国防相会談 直接対話継続してこそ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:米中国防相会談 直接対話継続してこそ

 アジア・太平洋地域の国防相や軍高官らが一堂に会するアジア安全保障会議がシンガポールで開かれ、米中両国の国防相が1年半ぶりに対面で会談した。米中対立が先鋭化する中、偶発的な衝突を避けるためにも直接対話は重要だ。会談実現をまずは歓迎したい。

 米国のオースティン国防長官は昨年も同会議に出席したが、米側の厳しい主張に中国側が反発し、国防相会談は見送られた。
 
 今回の会談でも、オースティン氏と中国の董軍(とうぐん)国防相が応酬する場面があり、特に台湾と南シナ海の問題では、双方の立場の隔たりを埋めることはできなかった。
 
 中国は台湾の頼清徳(らいせいとく)総統が5月に就任した直後、台湾を包囲して大規模な軍事演習を実施し、南シナ海ではフィリピンへの威圧的な行動を続けている。
 
 フィリピンのマルコス大統領は中国海警局の船が3月、南シナ海でフィリピン船に高圧の放水銃を浴びせ、軍人7人が負傷したと厳しく批判。同会議の基調講演などで「戦争行為に近い」「主権を守るためなら何でもする」と述べ、米比相互防衛条約の発動も辞さない姿勢を示した。
 
 一方、中国は自らが主張する管轄海域に外国人が「侵入」すれば強制捜査と最長60日間の拘束が可能な法令を今月15日に施行すると発表したが、フィリピンなど南シナ海で領有権を争う東南アジア各国との緊張を激化させかねない。法令は撤回すべきである。
 
 中国軍の最高指導機関は習近平(しゅうきんぺい)総書記(国家主席)が主席を務める中央軍事委員会。副主席2人を含む計7人のメンバーに董氏は入っていない。国防相会談と並行して、習氏とバイデン大統領との首脳会談も、昨年11月に続いて実現を探らねばなるまい。
 
 ウクライナ侵攻やガザ攻撃など紛争は世界で続く。米中ともにこれ以上の対立は避けたいのが本音だろう。特に、海外からの投資が急減し、経済状況が低迷する中国は安定を望んでいるはずだ。
 
 今回の米中国防相会談では、軍同士の対話を維持し、危機管理に向けた作業部会を年内に設置することで合意した。緊張緩和に向けて一歩前進といえる。
 
 米大統領選が5カ月後に迫る。政権交代しても米中の軍事交流と意思疎通による信頼醸成は欠かせない。対話の恒久的枠組みを早期に構築するよう期待したい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年06月04日  07:46:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【社説①】:エネルギー計画 ... | トップ | 【社説①】:国会の空洞化 「... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・G7サミット・G20】」カテゴリの最新記事