路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.18】:女性記者たちの「格闘」と「確執」の歴史

2024-05-14 08:01:00 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.11】:女性記者たちの「格闘」と「確執」の歴史

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・03.11】:女性記者たちの「格闘」と「確執」の歴史

 これは「奮闘」というより、「格闘」であり、「確執」の歴史なのだ。そんなことを考えていたら、2時間54分はあっという間だった。

 日本テレビ5日放送の番組を、少し長くなるが新聞のテレビ欄のまま紹介する。

 「開局70年スペシャルドラマ“テレビ報道記者”~ニュースをつないだ女たち…ニュースの裏側で奮闘し映像と言葉で伝えた女性記者たち…記者ら80人を取材し描くヒューマンドラマ」

 オウム事件からコロナ禍まで。4世代にわたる女性記者たちには、女性初の事件記者、女性初の警視庁キャップ、女性初の社会部長…。全部に「初」と「女性だけど」「女性なのに」がついてまわる。

 若い世代はコロナによる保育園の突然の休園にうろたえ、上の世代は親の介護に頭を抱える。

 ライバル局だったが、長年テレビの夕方ニュースに関わってきた私は、番組が終わるなり、保育園のお迎えに駆け出す女性記者を毎日のように見てきた。そのころ男性デスクが言った「彼女たちは、後に続く女性記者のためにも短い時間に人の倍は働いて帰りますよ」という言葉がいまも耳に残っている。

 局の情報番組をめぐる取材先とのトラブル。局内部署間の確執、軋轢(あつれき)。事件の関係者から浴びせられる「人の不幸で飯を食ってるのか」という罵声。「なんのために、誰のために、なんでこうまでして…」。

 だが、女性のデスクが若い女性記者に静かに語りかける。

 「テレビを頼りに思ってくれている人にまで必要な情報を届けなかったら、本当に終わっちゃうよ」

テレビに限らず、全てのメディアに向けられた言葉と受け止めた。 

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2024年03月18日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【加藤鮎子女性活躍担当相】:「自民の多様性進んでいない」、露出ダンサー会合を批判

2024-03-13 07:41:10 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【加藤鮎子女性活躍担当相】:「自民の多様性進んでいない」、露出ダンサー会合を批判

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【加藤鮎子女性活躍担当相】:「自民の多様性進んでいない」、露出ダンサー会合を批判

 加藤鮎子女性活躍担当相は12日の記者会見で、露出の多い衣装の女性ダンサーを招いた自民党和歌山県連主催の会合について「自民党の組織のダイバーシティ(多様性)が十分に進んでいないという問題が今回の事案の根底だ」と批判した。

 加藤鮎子氏

 加藤鮎子氏

 加藤氏は会合の内容を「極めて不適切な余興」とし「仮に女性の参画がしっかりと確保されていたのであれば、あのような演出にはならなかった」との考えを示した。その上で「国民の不信を招いたことは極めて遺憾だ」と指摘した。(共同通信)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政局・極めて不適切な余興・多様性の重要性を問おうとした会合に、露出の多い衣装の女性ダンサーを招いた自民党和歌山県連】  2024年03月12日  10:18:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:国際女性デーに考える フェミニズムが持つ力

2024-03-08 08:02:50 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

 【社説①】:国際女性デーに考える フェミニズムが持つ力

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:国際女性デーに考える フェミニズムが持つ力

 「本の街」東京・神保町の近くにある古書と喫茶「あめにてぃカフェ 梨の木舎」。店主の羽田ゆみ子さん(76)らが太鼓を鳴らしながら通行人に無料コーヒーを振る舞っていました=写真。反原発、反戦、アジアの国々との共存をテーマにした店内。「国際女性デー」が近づき、フェミニズム関連の書籍棚が新設されました。

 
 フェミニズムはフランスでの女性の権利獲得に始まり、性差別的な抑圧や搾取からの解放を求める思想や運動です。日本では明治末期からの婦人解放運動を率いた平塚らいてう、戦後の婦人運動、1970年代のウーマンリブなどに影響を与えました。
 
 近年は「#MeToo運動」とともに出版も目立ち、フェミニズムへの関心が再燃しています。

 ◆男女不平等という理不尽

 女性たちが大きなテーブルを囲んで、出会い、語り、力を与え合う。梨の木舎は羽田さんが求めてきた場でした。原体験は農家だった故郷、長野での生活です。
 
 3人きょうだいの羽田さんは子どものころから、家も田畑も将来は兄のものだと大人たちが話すのを理不尽だと思っていました。
 
 男女は平等だと学校では習ったけれども、家では違う。自分はここにいるのにいない、という疎外感を覚えたそうです。
 
 学生運動が盛んだった60年代、大学に入ったものの女子学生は少数派。卒業後も男子のような就職先はありませんでした。
 
 転機が訪れたのは出版社で働いていた80年代。日本がかつて中国やアジアに行った「侵略」を、文部省(当時)が「進出」に改めさせたとメディアが報じた問題でした。
 
 羽田さんは日本人男性の買春観光に反対する市民団体「アジアの女たちの会」に参加。戦後も経済力にものをいわせてアジア女性の性を搾取するのかと加害と性の視点で国家を問い始めます。羽田さんのフェミニズムの原点です。
 
 女性の人権を顧みない状況は21世紀に入っても変わりません。
 
 男女平等政策は、伝統的家族観に固執する保守派議員の反対で停滞しています。選択的夫婦別姓も実現せず、婚姻時に改姓するのは今も9割以上が女性です。
 
 コロナ禍の2020年秋、東京・渋谷でホームレスの女性が撲殺される事件が起き、女性の貧困問題に注目が集まりました。非正規労働の多さ、男性との賃金格差、低年金…。そのどれもが女性の生きづらさにつながります。国内外から問題を指摘されながら、政府は手をこまねいてきました。
 
 世界経済フォーラムが発表した男女平等達成度の国際順位で日本は昨年125位。政府や国会は、女性に対する差別や抑圧が当然ではないと気づくべきです。
 
 「それがフェミニズムだった」
 
 アクティビストの石川優実さん(37)は言います。ある会社で働いていたとき、女性だけヒールの高い靴を履くよう言われ「なぜ女性だけが」と思います。その違和感をきっかけに仲間と始めた「#KuToo」運動は共感を集め、広がっていきました。
 
 中部地方出身の石川さんの地元では、女性の結婚や出産は早く、石川さんの選択肢に大学進学はありませんでした。高校卒業後、俳優業など非正規職で働きましたが経済的には苦しく、仕事上で性被害に遭っても「自己責任」と片付けられました。
 
 30歳を過ぎてフェミニズムに出会い、女性であるがゆえに抑圧されてきたことを自覚したのです。性被害にも声を上げました。
 
 フェミニズムを「縁遠い」「堅苦しい」と思う人たちにこそ知ってほしいと、貸店舗でコーヒーを飲みながら語りあう活動を始めました。「結婚したいけど名字は変えたくない」「パートナーが家事をしない」。恋人や家族関係、仕事に悩む声を聞きながら、フェミニズムには彼女たちの背中を押す力があると感じています。

 ◆公正な社会築くために

 フェミニズムは女性のものだと思われがちですが、差別され、抑圧される側で鍛えられた思想や運動は、公正な社会を築くために幅広く生かせるでしょう。
 
 性的少数者(LGBTQ)や障害者、在日外国人、アイヌ民族など少数派の人権や、基地、原発など社会問題を考える上で、その視点は役立つに違いありません。
 
 戦時中、女性の解放を求める女性たちが進んで戦争に協力したことは苦い歴史ではありますが、同じ轍(てつ)を踏むことなく、性別や立場を超えて、フェミニズムを「自分が自分らしく」生きるために「自分を支える」杖(つえ)としたいのです。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年03月08日  08:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:大阪の画家の娘、赤松良子さんは津田塾専門学校(現津田塾大)…

2024-02-11 07:29:30 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【筆洗】:大阪の画家の娘、赤松良子さんは津田塾専門学校(現津田塾大)…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:大阪の画家の娘、赤松良子さんは津田塾専門学校(現津田塾大)…

 大阪の画家の娘、赤松良子さんは津田塾専門学校(現津田塾大)、東大を経て1953年、労働省(現厚生労働省)に入省した

赤松良子(1993年)

 ▼労働問題に関心があったが、当時の霞が関で、上級職の女性を採る役所が他にない現実もあったという。女性の地位向上が任務で女性職員が集う婦人課に配属されたが、次の異動が難しかった。他部署は「女性なんてもらっても」と嫌う

 ▼同期の男性は複数の部署で経験を積んで昇進するのに自分は塩漬け。後に異動するが、任されたのは単調な仕事だった。対等に扱われるのか「先の見通しがつかないのが情けなかった」という。自著『男女平等への長い列 私の履歴書』にある

 ▼女性官僚の草分け的存在で、非議員で文相も務めた赤松さんが亡くなった。80年代、男女雇用機会均等法制定に役所の局長として尽くした「均等法の母」である

 ▼昭和の財界の理解は乏しく、採用や昇進での均等な扱いを努力義務にとどめる妥協を強いられた。理想から遠くとも前に進むのが信条。法は後に厳格化されたが、後進に託された理想に近づく努力は未完だ

 ▼終戦後、進学で上京する列車はすし詰めで外がほぼ見えず、がたんごとんの音の変化で渡河を察し「大阪と東京との間には川がこんなにあるのか」と思ったという。景色見えぬ旅は手探りでも進む人生を暗示していた気も。渡れぬ川に橋を架けた人だった。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年02月09日  07:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:週のはじめに考える いつの世も弱きを助け

2023-10-02 07:32:50 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【社説①】:週のはじめに考える いつの世も弱きを助け

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:週のはじめに考える いつの世も弱きを助け

 伊勢湾、三河湾に面し、丘陵が連なる愛知県・知多半島のちょうどへそ辺り、半田市鴉根(からすね)地区(旧・知多郡成岩(ならわ)町)の小さな公園にひときわ大きな石碑が建っています。この地に、明治から昭和期にかけ、社会から虐げられた人たちのための「救済所」があったことを伝えています。

 立ち上げたのは榊原亀三郎(1868~1925年)。子分70人を従えた俠客(きょうかく)でした。30歳のころ保護司制度の原点をつくった遠州(浜松市)の実業家、金原明善に感銘を受け、後半生を世のために尽くすと決意しました。
 
 山林を開墾し、明治32(1899)年に榊原弱者救済所を設立。捨て子や、家庭から逃げてきた女性、病や老いで家族に見放されたり、罪を償っても行き場がない人らを受け入れました=写真。
 

◆1万5千人の母子ら救済

 成岩町沿革史はこう記しています。博徒の親分、亀三郎が「翻然悔悟」し、救済事業を始めたが、最初は皆、本心を疑った。しかし「熱心久しくして衰えざる」を見て、支援の輪が広がり、創立以来の30年余で、1万5千人を救済した-。驚くべき人数の多さです。
 
 亀三郎の没後、土地、建物は売却され、その存在はほとんど忘れ去られていました。「はんだ郷土史研究会」代表幹事の西まさるさん(77)が偶然、救済所のことを知り、2010年、亀三郎の生涯をまとめた著書を出版。その功績が再評価されつつあります。
 
 当時の新聞や資料を丹念に調べた西さんによると、晩年の亀三郎は「この世に1人の孤児もいなくなり、努力しても飯が食えない人が1人もいなくなるまで、この事業を続ける」と語ったそうです。
 
 現代版の救済所とでも言いましょうか。名古屋市熱田区の「千年(ちとせ)建設」社長、岡本拓也さん(46)がNPO法人「リブ クオリティ ハブ」を立ち上げたのは2022年のこと。虐待を受けていても逃げ場がないなど、シングルマザーが抱える「負のスパイラル」を強く憂いていたからです。
 
 例えば生活保護や児童手当などの行政サービスを受けたり、仕事に就くには住居や住民票が必要。しかし、住まいを見つけるには仕事や蓄えがなければなりません。

 ◆グラミン銀行に触発され

 岡本さんは大学時代に海外を放浪中、バングラデシュで、グラミン銀行のことを知りました。「銀行の常識」では考えにくい貧困女性らに特化した無担保融資と、その高い返済率に驚かされます。
 
 ある女性はグラミン銀から30ドルを借りて鶏を買い、卵を売って週60セントずつ返し、1年後に完済しました。女性は次に100ドルを借りて牛を買い、牛乳を売って、やがて貧困から抜け出したのです。グラミン銀と創設者のムハマド・ユヌス総裁は2006年、ノーベル平和賞を受賞しました。
 
 岡本さんは18年に父親の急逝で会社を継ぎました。その後のコロナ禍で、どこにしわ寄せがいくのかと考えた時、困難に直面する母子への支援を思い付きます。
 
 建設会社ならではの事業は、まず「住まい」から。投資家や銀行から資金を調達し、好立地にある中古マンションをビルごと購入して、リフォーム。虐待などで逃げてきた母子に割安で貸します。スタッフはとことん寄り添い、支援団体や就労にもつなげます。
 
 愛知県内で夫と3人暮らしだった女性(38)は今年2月、3歳の長男が夫から虐待されていることに気付きました。2人目を妊娠中でしたが、別居、離婚を決意しました。
 
 ハブに助けを求めます。離婚協議を進めながら、3月には、岡本さんが管理する名古屋市内のマンションに引っ越しました。家賃は3LDKで4万円台と相場の半分ほどです。児童手当などの申請や免許証の書き換え、銀行通帳の名義変更などについてもスタッフが相談に乗ってくれました。
 
 行政は申請主義、こちらから働きかけないと何も進まないことを痛感したと女性は言います。自分がどこで、どんな支援を受けられるのかも分かりませんでした。
 ハブはこれまでに計38人の母子に住まいを提供し、市民の寄付で食料や日用品も届けています。1日何件もの相談が全国から寄せられています。まだまだ支援の輪を広げねばと岡本さんは言います。
 
 困窮する女性を支えるための法律が来年度、施行されます。女性の地位はいまだ低い。亀三郎が追い求めた社会も、実現してはいません。しかし、どんな時代でも、弱者に温かい手を差し伸べる人がいるのも、この社会なのです。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年10月01日  07:43:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:アフガニスタン 女性抑圧が国の再建を妨げる

2023-08-22 05:00:55 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【社説①】:アフガニスタン 女性抑圧が国の再建を妨げる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:アフガニスタン 女性抑圧が国の再建を妨げる

 世界でもまれにみる異常な女性抑圧がアフガニスタンで行われている。イスラム主義勢力タリバンは、国際社会の要求に応じ、不当な措置を撤回しなければならない。

 アフガンでタリバンが政権を掌握してから2年が過ぎた。恐怖政治が敷かれ、女性抑圧政策は強化の一途をたどっている。

 アフガンの女性は、小学校までしか通えなくなった。就労も厳しく制限され、最近は美容院の閉鎖が命じられた。現地の女性が国連機関や国際NGOで働くことも禁じられている。

 女性が親族の男性の同伴なしに遠出することや、遊園地や公園、ジムへの立ち入りも禁止された。社会活動の否定に等しい。

 人権尊重と男女同権は、体制に関係なく、国家が守るべき普遍的な価値であり、国連憲章にも明記されている。国連の特使は、タリバンの女性抑圧は「人道に対する罪」だとして、国際刑事裁判所(ICC)に捜査を要請した。

 アフガンは国連加盟国として、事態を真剣に受け止め、早急に改善する責務がある。

 タリバンの女性抑圧は、イスラム法の極端な解釈に基づいている。統治の実務を担う穏健派幹部の中には女性の教育や就業の権利を認める考えもあるが、強硬な宗教指導者の影響力が強いため、実現には至っていないという。

 人口の半数を占める女性を排除して、どうやって国を発展させるというのか。

 タリバンは、2年前の政権掌握時には、「イスラム法の範囲内」での女性の権利尊重や、幅広い政治勢力が参加する「包摂的な政府」の樹立、国際テロ組織との関係断絶を掲げていた。

 多くの国は、これらの公約が守られることを、タリバン政権承認の条件としていたが、何一つ達成されていない。親米的な前政権時代の有力者は弾圧され、イスラム過激派のテロも続いている。

 タリバンを承認した国は、中国やロシアを含めて、一つもない。強権国家や独裁国家からも、統治のあり方を認められていない現実をタリバンは直視すべきだ。

 アフガンの財政は前政権時代から外国の援助に支えられてきた。各国は国連を通じた人道援助以外の支援を停止している。このままでは困窮が極まり、再建どころか、破綻の道を進むことになる。

 日本はタリバンに国際協調を働きかけているというが、成果は乏しい。現状の改革を強く迫る姿勢をより明確に示してほしい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年08月22日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【立憲民主党】:蓮舫氏「私だってへこみます」女性が議会で働く大変さに言及 東京・足立区議選で街頭演説

2023-05-15 00:54:30 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【立憲民主党】:蓮舫氏「私だってへこみます」女性が議会で働く大変さに言及 東京・足立区議選で街頭演説

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【立憲民主党】:蓮舫氏「私だってへこみます」女性が議会で働く大変さに言及 東京・足立区議選で街頭演説

 立憲民主党の蓮舫参院議員は、14日に告示された東京・足立区議選(21日投開票)の同党候補者3人の応援で、北千住駅前などで街頭演説した。

立憲民主党候補の応援で支持を訴える蓮舫参院議員(撮影・中山知子)

 

 立民は男性候補1人、女性候補2人を擁立。蓮舫氏は、男性議員の数に比べて女性議員が少ない日本の現実に触れながら「女性が議会で仕事をするのはこう見えて結構大変なんです。何を言ってもたたかれるし、何をしても目立つ。私だってへこみます」と、女性議員の苦労に言及した。

 「残念ながら政治の世界はずいぶん長いこと、男性や人生の先輩方、2世、3世、親が議員である人が中心。女性議員は衆議院では1割、参議院でも2割しかいない」とも指摘。「災害発生時の避難所に女性の視点を入れ込む議論は、(男性が多い)区議会では、出てきようがない。給食無償化も、女性の視点でようやく実現し(現実に)追いついていくようになった。女だから議会に送ろうというのではない」などと述べ、女性議員の視点の大切さに触れながら支持を訴えた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・立憲民主党・蓮舫氏は、男性議員の数に比べて女性議員が少ない日本の現実に触れながら問題提起】  2023年05月15日  00:54:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政局】:今日だけは言わせて!立民が「ママ議員サミット」開催 政治活動と子育て両立の悩みなど意見交換

2023-05-12 00:10:50 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【政局】:今日だけは言わせて!立民が「ママ議員サミット」開催 政治活動と子育て両立の悩みなど意見交換

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:今日だけは言わせて!立民が「ママ議員サミット」開催 政治活動と子育て両立の悩みなど意見交換 

 立憲民主党は11日、子育てをしながら議員活動を続ける女性議員が集まり、政治活動と育児の両立などについて意見交換する「ママ議員サミット」を国会内で開いた。初めての開催。リアルとオンラインで、国会議員と地方議員約30人が参加し、日ごろ感じる苦労や悩み、提案を「今日だけは言わせて!」とばかりに、語り合った。

立憲民主党の「ママ議員サミット」を初めて開催し、各議員の意見を聞く石川香織衆院議員(撮影・中山知子)

 

 赤ちゃん連れの議員もおり、会場は和室を備えた議員会館の会議室。2児のママでもある石川香織衆院議員(39=北海道11区)が、進行役を務めた。

 石川氏は「みなさんと同じで、議員活動と子育ての両立は本当に大変。母親自身が心が折れそうになることもある」と、経験を吐露。出席者からは「夜に会議と飲み会がセットで行われることもある。会議には出るが飲み会は参加しにくい」「夜の会合に出ると『どうして赤ちゃんがいるのにこんな時間に外に出ているの』といわれる。小さい子どもは母親が育てるべきという意識が、世の中に根強く残っていることを痛感する」「子どもがいるのになぜ選挙に出るのと言われた。議員も1つの職業だが、(世間の)理解が少ない」などの声が出た。

 出産後に体調がすぐれない場合を考慮し「半年くらいはしっかり休める制度があれば、もっと安心して出産できると思う」という意見もあった。選挙活動中のシッター代の金銭的な負担を訴える声も出た。

 石川氏は、会合後の取材に「立憲にはママ議員が多い。働くお母さんはみんな大変だが、1度ママ議員の課題を話そうよということで、開催した。現場の生の声を聞くことができた」と話した。議員本人だけでなく、支える家族をサポートする仕組みが必要との声もあり、今後は男性議員やママ議員の家族に参加してもらうことを念頭においた会の開催も検討する。「女性議員だけの問題ではなく、関係する皆さんを巻き込んで、みんなで考えなければいけない問題。男性にもかかわってもらう視点は大事だと思う」とも話した。

 今後もママ議員を集めた会を定期的に開き、女性の政治参加に向けた課題の解決を目指す方針だ。【中山知子】

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・立憲民主党】  2023年05月11日  21:44:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:女性当選者の増加 地方発の変化を広げたい

2023-05-01 02:05:50 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

《社説①》:女性当選者の増加 地方発の変化を広げたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:女性当選者の増加 地方発の変化を広げたい

 統一地方選は、投票率低下や議員のなり手不足など課題を浮き彫りにしたが、前向きな動きも見られた。女性当選者の増加である。

 東京では、女性区長が3人誕生し、非改選の現職とあわせて過去最多の6人になった。

 女性の数が男性を上回る議会も複数生まれた。千葉県白井市、兵庫県宝塚市、東京都杉並区、埼玉県三芳町では、女性の当選者が過半数を占めた。愛知県日進市、東京都武蔵野市などでは、男女同数だった。議会や自治体、支援団体が、女性候補の擁立に取り組んできた活動が実を結んだ。

 東京都北区では、日本維新の会の新人が、選挙期間中に出産しながら、区議選にトップ当選した。本人の努力はもちろんあるが、周囲の支援も大きかったという。

 今回の女性候補の躍進には、閉塞(へいそく)感を打破して政治を前進させたいという有権者の危機感や、身近な政策課題にもさらに取り組んでほしいという期待感が示された面もあるだろう。

 東京都豊島区長に当選した高際みゆき氏は「子育て支援や女性活躍をもっと進めないといけないという声が多かった」と語った。

 2018年に施行された候補者男女均等法は、国会や地方議会の選挙で、男女の候補者数ができる限り均等になるよう政党に求めている。罰則のない努力義務だが、効果がようやく少し表れてきたのかもしれない。

 ただ全体としては、女性の候補者数は均等には程遠く、政府が目標に掲げる35%にも届かない。

 当選者数の女性割合も同様に厳しい。道府県議選で14%、市議選で22%と、いずれも過去最高だったが、まだ不十分だ。

 道府県議選のほうが割合が低いのは、政党の関与が強まる選挙ほど女性が立候補しにくいからだとの指摘もある。

 女性の立候補を阻む要因として、根強い性別役割分担の意識や、子育て・介護と仕事の両立の難しさ、ハラスメントなど、さまざまな「壁」が立ちはだかっている。

 障害を取り除き、立候補の環境を改善する取り組みを、政府、議会、政党は強化すべきだ。衆院選では女性当選者が1割を切っており、対応の遅れが顕著だ。地方発の変化を力強く広げていきたい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年05月01日  02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②》:地方議会の女性候補 増やす取り組みが足りぬ

2023-04-11 02:00:40 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

《社説②》:地方議会の女性候補 増やす取り組みが足りぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:地方議会の女性候補 増やす取り組みが足りぬ

 先週告示された統一地方選の41道府県議選には、過去最多となる489人の女性が立候補した。とはいえ、候補者全体に占める割合は15・6%にとどまる。

 有権者の半数は女性であり、代表する議員も同様の比率になるのが、本来あるべき姿だ。

 候補者数の男女均等を目指す法律は地方議会も対象にしている。しかし、目標には程遠い。

 政党の努力は不十分だ。とりわけ自民党の対応は、お粗末と言わざるを得ない。女性候補者の割合はわずか6・0%だった。

 昨年11月時点で、都道府県と市区町村を合わせた全1788議会のうち14%は女性議員がいない。1人だけのところを含めると4割近くに上る。

 男性に偏った構成では、議論が硬直化しやすい。地域の課題や住民の身近な問題を解決していくには、多様な視点が不可欠だ。

 女性の立候補を阻害する「壁」を取り除かなければならない。

 「政治は男性の仕事」という性別役割意識が根強く残る。子育てや介護を担うことが多い女性は、両立を迫られる実態がある。

 選挙では、支援者らから理不尽な要求をされる「票ハラスメント」に遭うケースが目に付く。当選後も同僚議員からのセクハラやマタハラが後を絶たない。

 大都市部に比べ、地方は女性議員の割合が低い。地域差も解消する必要がある。

 選挙制度の問題もある。都道府県議選では近年、当選者1人の選挙区が約4割に上る。候補擁立時に現職の男性が優先されやすい。

 改善に向けた動きが進んでいる地域もある。

 福岡県議会は昨年、都道府県レベルで初めて、議員の政治活動や選挙運動に関するハラスメントの根絶を目指す条例を制定した。

 兵庫県小野市は10年以上前から、他自治体の女性議員を招くなどして、女性リーダーを育成する講座を開催してきた。現在は、市議14人の半数を女性が占める。

 女性候補者を支援する若者の団体や、ハラスメントの相談を受ける有識者の団体も生まれている。

 こうした取り組みを広げていくべきだ。自治体や議会の垣根を越えて、先進的な事例を共有する仕組みづくりも大切である。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年04月06日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【注目の人 直撃インタビュー】:安藤優子氏が説く 古すぎる自民党の女性認識や家族観はどこから来て、なぜ頑迷なのか

2023-04-10 07:35:40 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【注目の人 直撃インタビュー】:安藤優子氏が説く 古すぎる自民党の女性認識や家族観はどこから来て、なぜ頑迷なのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【注目の人 直撃インタビュー】:安藤優子氏が説く 古すぎる自民党の女性認識や家族観はどこから来て、なぜ頑迷なのか

 ◆安藤優子(キャスター・ジャーナリスト)

 岸田首相の同性婚に対する認識や首相秘書官のLGBTQへの差別発言には、自民党の「伝統的家族観」が透けて見える。先月末、「たたき台」が出された少子化対策も、政権与党の家族や女性に対する意識が変わらなければ効果が出ないだろう。そんな中、注目されているのが「自民党の女性認識 『イエ中心主義』の政治指向」という一冊。著者は、長年のテレビキャスター業の中で抱いた疑問を大学院で研究、博士論文にまとめたという。古すぎる自民党の家族観は、どこから来て、なぜ頑迷なのか。

<picture>安藤優子氏(C)日刊ゲンダイ</picture>

         安藤優子氏(C)日刊ゲンダイ

              ◇   ◇   ◇

 ──LGBTQや同性婚、少子化の問題がクローズアップされ、著書が注目されています。昨夏に刊行された際、自民党から反応があったそうですね。

  最初は「えっ」って。でも、意外に興味を示してもらえて。自民党の中でも早期に夫婦別姓を実現する議員連盟などから、話を聞かせてほしいというリアクションがありました。決してアゲンストな反応ではなく、そういう考え方もあるのかと捉えていただけたのは良かったです。

 ──著書のタイトルに「イエ中心主義」とあります。自民党の女性認識や家族観について、どんなことが分かったのでしょう?

 研究の出発点は「なぜ日本はこんなに女性の国会議員が少ないのか」でした。そして、女性に注がれている「らしくあるべき」などの社会の目線がどこから来たのか、という疑問にたどり着いた。研究を進めていくと、それは、突然降って湧いたりとか、誰かが種をまいて芽を出し、ふんわりとしたところで植えつけられたものではなく、一定の意図を持って再生産されてきたということが分かった。

 自民党は長らく政権与党としてこの国の政治を牽引し、同時に日本の政治文化をつくってきました。それには、役割分担論も含まれます。まず母親、良き妻として頑張れとか、子どもを産んで育てて一人前とか。そうした価値観は、自民党の経済政策として、1970年代に再評価されたものが戦略的に再生産され続けてきた、ということを本の中で解き明かしているんです。

 ■個の尊重が欠落した「枠の保守」

 ──伝統的な家族観は、そもそも経済政策だったんですか。

 1970年代、女性に「家庭長」という奇妙な役割を与えて、家庭内安全保障を機能させたのです。女性が家庭長として、子どもをちゃんと育て、夫を元気で送り出し、おじいちゃんおばあちゃんの面倒をつつがなく見て、家庭の中の安全保障を担えば、ひいては国の福祉予算が減免されるという経済政策です。つまり、家庭長という形で女性に無償の労働負担を強いたわけで、女性は家庭長たる者が最も美徳とされる価値観が強調されるようになっていきました。女性は家の構成員としては認識されても、個人として認識されず、常に誰かに従属するものとされてきた。私はこれを「女性の個人としての認識の放置」と呼んでいます。

 ──今もその状態が続いている?

 女性に対する認識は一度たりとも変更や見直しが行われていません。政治の無作為の作為です。個人を尊重しないのは人権問題であり、LGBTQや夫婦別姓の問題の根源と、ものすごくリンクする。自分の性や指向に対しての自由は、人権そのものじゃないですか。常に家を中心とした価値観みたいなものが、個の尊重を阻んでいます。今の対立の構図そのものですよね。例えば、岸田さんは同性婚について「社会が変わってしまう」とおっしゃった。

 パパとママがいて、2人の子どもがいてという、今やどこに行ってしまったか分からないような、税金計算する時のモデルケースみたいな家庭の形が、社会だとおっしゃりたいのかもしれない。しかし、「形が変わってしまう」のは枠組みであって、そこで圧倒的に欠落してるのが、パパもママもひとりの人間なんだよっていう個の尊重です。LGBTQの問題も夫婦別姓の問題も、別に全員にそうしろと言っているわけじゃない。選択の自由をくださいと言っているのであって、すべて禁止でなければならないという考え方は「枠の保守」なんだと私は考えています。

<picture>政治の世界に女性議員がいない(衆院・議連委員会の理事会)/(C)共同通信社</picture>

 政治の世界に女性議員がいない(衆院・議連委員会の理事会)/(C)共同通信社

 ◆「女性が輝く社会」は女性政策とは呼べない

  ──確かに、正社員の夫、専業主婦の妻、子ども2人のモデル家庭が、年金計算などでまだ使われています。非正規雇用は女性が多いですしね。

 1970年代の文献に「家庭長としての役割をきちっと果たした上で働くのであればパートタイムが望ましい」と書いてあるんですよ。当時はそれをもって社会進出と呼んでいた。そこから今、どれだけ前に進んだのでしょうか。働く環境や同一労働同一賃金など、制度や政策を整えようとしていますが、根底にある女性に対する認識が本当に変わったのかどうか。女性がこうあるべきみたいな意識は、私たちが思うより根深いですよね。

 ──意識改革は政治の世界が最も遅れています。男女平等参画に関する内閣府の世論調査でも、そんな結果が出ました。

 例えば女性政策でいうと、安倍政権の「女性が輝く社会」をまず頭に浮かべます。でも、あの「女性が輝く社会」って、ほとんどが女性を労働市場に戻すための経済政策、もしくは労働政策です。だったら「女性が働ける社会」と直訳した方がいい。女性が働ける社会のために、待機児童ゼロや育休の奨励などいろいろありました。最近は男性の育休も奨励していますが、あれは「子どもがいても女性が働ける社会の実現」であり、私は女性政策とは呼ばない。もっと人権に配慮したものを女性政策と呼んでほしい。

 ──人権に配慮した女性政策とは?

 人権というと、なにか小難しいことのように捉えられてしまいがちですが、相手と自分の違いをお互いに容認し、許容するのが人権を尊重すること。そんな大仰なものじゃない。人権に配慮した女性政策とは、例えば、病気の時に誰かに相談するシステムづくりとか、子育てに行き詰まった時に、その女性がたったひとりでも生きていけるように援助する政策。現状は、妻として生きる女性が子どもを育てながら仕事をすることを前提にしているじゃないですか。そうではなく、非正規雇用だろうが正規雇用だろうが、結婚していようが、結婚していまいが、女性がひとりで生きていく時にそれを支えるのが本来の女性政策だと思います。

 ■男女共闘しないと厚い壁を乗り越えられない

 ──女性の生き方に直結するような?

 もっと言えば、例えば、子どもを託児所に預けて働いているお母さんがいるとします。でも、お母さんはお母さんじゃなくて、ひとりの女性に戻りたい時間もあるわけですよね。妻でもなく、母でもない、ただの自分に戻りたい。たぶん、今の日本でそういうことを言うと、ぜいたくだとか、わがままだとか言われるんです。男性にとっても同じことだと思うんですよね。先日、ある政党の女性議員たちとの会合で「男性が育児をする楽しさを奪ってはいけない」とおっしゃった方がいて、うまいこと言うなあ、と。男女共闘するくらいの気持ちじゃないと、厚い壁をなかなか乗り越えられないと思っています。

──自民党はLGBTQの理解増進法ですら前に進められない。どんなアプローチが必要でしょう?

夫婦別姓の問題もそうなんですよ。日本政府は国連から「これは人権の問題だから、ちゃんと取り組んでね」と3回も勧告されている。ずっと棚上げしてきて、法案自体がもう30年間塩漬け。あるものを通せばいいだけなのに、なぜそこまでかたくなになるのか。(推進派の)自民党議員も「本当に人権としての意識が足りない」とおっしゃっていました。

 LGBTQの理解増進担当の首相補佐官・森雅子さんは、こういう問題に積極的に取り組んでいらっしゃる方だと思っているので、具体的な一歩を示してほしい。岸田政権にとって存在感を見せられる絶好のチャンスですよ。女性問題に本気で具体的に取り組み、なおかつLGBTQに対してもこれだけ踏み込んだ解釈をするんだとなれば、今までの政権と差別化できるじゃないですか。やりがいのあるテーマだと思います。

 (聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)

安藤優子(あんどう・ゆうこ) 

 1958年、千葉県生まれ。上智大学外国語学部比較文化学科(現・国際教養学部)卒。2008年、同大大学院グローバル・スタディーズ研究科グローバル社会専攻修士課程修了。13年、同博士課程後期・満期退学。19年、グローバル社会学博士号取得。大学在学時からテレビ業界で仕事を始め、1987年から2020年までニュースや報道番組のキャスター。今月1日付で椙山女学園大学客員教授に就任。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・連載・「注目の人 直撃インタビュー」】  2023年04月10日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」・02.10】:フェミニストを免罪符にするな これ以上「女を盾に」するのはやめろ

2023-03-03 08:13:30 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」・02.10】:フェミニストを免罪符にするな これ以上「女を盾に」するのはやめろ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」・02.10】:フェミニストを免罪符にするな これ以上「女を盾に」するのはやめろ

 『性産業(の業者や買春者)や、ポルノ(またはポルノ類似表現)を批判すると、「これだからフェミニストは……」という声があがり、「フェミニスト」という言葉が魔女狩り認定のレッテルのように使われてきた。』(北原みのり・作家)

<picture>(北原みのりの公式Twitterから)</picture>

   (北原みのりの公式Twitterから)

 これは2月1日付『AERAdot.』の北原みのりさんのコラム、『「これだからフェミニストは……」という魔女狩り 日本は「真ん中」の軸が男性側に大きく偏っている』というタイトルのものの中に出てきた一節。

 あのさ、最近のあなた方(ここでは彼女たちをラディフェミと呼ばせてもらいます)の諸々──草津の件やcolaboのこと、果てまた本多平直さんに対する誹謗中傷について──すべてがすべてフェミニストだから批判されているわけじゃない。北原さん然り、一部のラディフェミのやり方が、批判されている。

 そりゃあ、ものをいう女が必要以上に叩かれたり、女性蔑視の誹謗中傷をくり返す者もいる。けど、それがすべてか?

 少し前まであたしは、一部のラディフェミのみなさんが過激になっていくのは仕方がないところもあると思っていた。そのくらいしないと、世の中を変えることはできないのかもしれないと。

 でも最近、考え方を改めた。ラディフェミのみなさんは、間違いを決して認めようとしないし、意見する人間を「アンフェ」と決めつけ、話し合いもできない。『性業者側』『壺(統一教会)』『裸になりおっさんに添削してもらってのし上がった』『親に売られた娘』。これは最近、私がラディフェミのみなさんからいただいたデマのレッテルだ。

 そうそう、北原さんは弁護士を使い、あたしのコラムを消せと会社に連絡もしてきたっけ。

 ラディフェミのみなさんに告ぐ。フェミニストを免罪符にするな。みんな、あなた方に呆れているのだ。フェミニストに、じゃない。いい加減、もうわかれ。これ以上、『女を盾に』するのはやめろ。

 室井佑月

著者のコラム一覧
 ■室井佑月 作家

 1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載・室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】  2023年02月10日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【記者の目】:「WEリーグ元年」を振り返る 新たな女性活躍の形を=尾形有菜(東京運動部)

2022-06-02 02:04:10 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【記者の目】:「WEリーグ元年」を振り返る 新たな女性活躍の形を=尾形有菜(東京運動部)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【記者の目】:「WEリーグ元年」を振り返る 新たな女性活躍の形を=尾形有菜(東京運動部)

 近年、国内でプロまたはプロ主体のリーグが次々と誕生している。Bはバスケットボール、Tは卓球、では「WE」は何の競技か。どれほどの人が知っているだろうか。国内初の女子プロサッカーリーグとして2021年9月に開幕した「WE(ウィー)リーグ」は5月で初年度を終えた。観客数が伸び悩み、課題が残るシーズンだったが、数字だけで判断するのは早計だ。

 
<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2022/06/01/20220601ddm004070125000p/9.webp?1" type="image/webp" />今季最多の1万2330人の観客が詰めかけた国立競技場での一戦。伸び悩む集客は最大の課題だが、リーグの価値は数字だけでは測れない=5月14日、猪飼健史撮影</picture>
今季最多の1万2330人の観客が詰めかけた国立競技場での一戦。伸び悩む集客は最大の課題だが、リーグの価値は数字だけでは測れない=5月14日、猪飼健史撮影

 WEリーグは日本の「女性活躍社会」を引っ張るとして、それを意味する「Women Empowerment」の頭文字をリーグ名にした。ただし、創設の背景にあるのは、世界で勝てなくなるとの危機感だ。日本サッカー協会は19年、女子のプロ化に向けて動き始めた。11年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会で優勝し、12年ロンドン・オリンピックで銀メダルに輝き、なでしこブームが起きたが、その後は人気低迷。米国や、急…、残り1510文字(全文1879文字)

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 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【記者の目】  2022年06月01日  02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【卓上四季】:母より女

2022-05-08 05:05:45 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【卓上四季】:母より女

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:母より女

 休みは長いのに国内総生産(GDP)は世界上位。動物性脂肪を大量摂取するけど少ない心臓病。今世紀初めに話題となったフランス社会の矛盾のうち最もよく知られるのは、結婚する人が減る中で伸びた出生率だろう

 ▼1990年代に1・66人にまで減った合計特殊出生率が2008年には2・02人にまで回復。結婚件数がほぼ半減する一方で人口は6500万人台に達し、婚外子の割合は半数を超えた

 ▼、残り:388文字 全文:574文字

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 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2022年05月08日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:生理の貧困 社会全体で取り組みを

2022-05-08 05:05:20 | 【女性が輝く社会・女性の社会参画・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【社説②】:生理の貧困 社会全体で取り組みを

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:生理の貧困 社会全体で取り組みを 

 新型コロナウイルス禍の中で、女性が経済的な理由などで生理用品を買えない「生理の貧困」の問題が顕在化した。

 厚生労働省が初めて実施した調査の結果によると、購入・入手に苦労した経験があると回答した人は8・1%に上った。中でも20代以下が12%超と若年層が目立つ。

 10人に1人以上が陥っている状況を重く受け止めたい。低収入の人ほど困難に直面している。

 女性の健康や尊厳に関わる切実な問題だが、これまで公になりにくかったのは男性中心社会の偏見、無理解もあったのではないか。

 女性たちが自ら声を上げることで浮き彫りになった。

 根っこには貧困やジェンダー格差などがあって、弱い立場の人にしわ寄せがいく構造がある。社会全体でそうした認識を深め、解決へ取り組んでいきたい。

 国や自治体はどんな支援が必要なのかを把握し、確実に届ける仕組みづくりを急ぐべきだ。

 調査はインターネットで18~49歳の女性3千人を対象に、コロナの流行が始まった2020年2月ごろから後の状況を聞いた。

 生理用品の購入が困難な理由としては「自分の収入が少ない」が最も多く、「自分のために使えるお金が少ない」が続いた。

 全国の自治体では生理用品の無料配布が広がりつつある。ただ居住地の自治体で支援策が実施されているかを聞いたところ、ほぼ半数が「分からない」と答えた。

 情報にアクセスできない人たちがおり、関係機関は支援内容の周知徹底や工夫が求められる。

 生活に困窮し、逃げ場のない女性たちに手を差し伸べてきた民間団体は少なくない。こうした地道な活動への支援も必要だ。

 生理期間中、学校や会社を休んだり、重要な行事の参加を見合わせたりする女性もいる。社会生活への影響が懸念される。

 調査では自治体の無料配布を利用しない理由に「申し出るのが恥ずかしい」などが挙げられた。

 日本では学校現場などで生理に関する教育が十分に行われてこなかった。正しい知識を伝え、必要なケアにつなげたい。児童生徒が生理を含めた体の悩みを気兼ねなく相談できる環境も大事だ。

 「生理の貧困」について、社会での問題の共有化が遅れた背景には政治や行政分野における女性進出の遅れもあろう。

 ジェンダー平等の視点から、政策決定に女性の意見がもっと反映されなければならない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年05月06日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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