路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説①・03.08】:【国際女性デー2025】:働く環境 活躍阻む健康問題に目を

2025-03-08 07:00:55 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【社説①・03.08】:【国際女性デー2025】:働く環境 活躍阻む健康問題に目を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・03.08】:【国際女性デー2025】:働く環境 活躍阻む健康問題に目を 

 国連が38日を「国際女性デー」と定めて50年。日本はことし女性差別撤廃条約批准と男女雇用機会均等法制定から40年を迎え、法や制度は一定に整いつつある。しかし、政治や労働の分野で指導的な立場にいるのは今も大半が男性だ。男女の賃金格差も縮まらない。働く女性が増えているのに、家事や育児・介護の負担は女性に重くのしかかっている。

 職場での男女の格差をなくす一手となるだろうか。政府は働く女性の健康支援に乗り出す。今国会に女性活躍推進法改正案を提出する。頭痛や気分の落ち込みなど更年期や月経に伴う体調不良の女性従業員を支援するよう企業に求める内容である。

 政府が「女性活躍」の旗を振る一方、女性の健康問題は職場ではタブー視されがちだった。働く女性が抱え込んでいた問題を国が可視化し、支援する意義は大きい。

 推進法は安倍晋三政権が成長戦略の一つとして「女性活躍」を掲げ、就労分野での男女格差を解消するため施行された。働く女性や女性管理職を増やすため、仕事と育児の両立支援などを重視してきた。だが、一足飛びには進まない。ほかにも課題があるからだ。健康問題はその一つといえよう。

 個人差はあるものの、女性にとって月経や更年期の頭痛や腹痛、不眠などのつらさは深刻である。とりわけ働く女性は業務に差し支えることもある。厚生労働省による2023年の調査では、更年期症状や更年期障害の人の76・1%が仕事に支障があると答えた。月経に伴う症状では、83・7%が同様の回答をした。これらが原因で、責任あるポストを諦めたり退職したりとキャリア形成にも響いているという。

 政府は、女性の健康問題による仕事の効率低下や離職などの経済損失が年間34千億円に上ると試算している。対策は急務である。

 改正案は、働く女性の健康上の課題に配慮するよう初めて明記。休暇制度の拡充や相談窓口の整備など、企業による支援を促す。男女の賃金格差と女性管理職比率の公表を従業員101人以上の企業に義務付けることも盛り込む。

 問われるのは支援の中身だ。厚労省によると、法定の「生理休暇」も「男性上司に言いにくい」などの理由で取得が低迷している。意思決定の場に女性が少ない社会構造の問題にも目を凝らさねばならない。政府は休みやすくするため名称変更を含めた改善策を検討するというが、それだけでは解決にはなるまい。

 更年期などの健康問題は男性も直面し得る。女性だけの問題として、見過ごしてはならない。誰もが働きやすい環境を整えるのは格差をなくす一歩である。それには私たちの意識改革も欠かせない。

 職場や家庭に今も、性別で役割を分担するような固定観念がはびこっていないだろうか。国連が女性の地位向上と差別解消に向け、連帯を呼びかけている「国際女性デー」のきょう、改めて自問する必要がある。

 元稿:中國新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年03月08日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・03.08】:国際女性デー/分断の「嵐」を招かないために

2025-03-08 06:00:50 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【社説①・03.08】:国際女性デー/分断の「嵐」を招かないために

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・03.08】:国際女性デー/分断の「嵐」を招かないために

 きょう、50周年となる国連の「国際女性デー」を迎えた。

 近年、無視できない動きが顕著になってきた。ジェンダー平等や多様性を重視する取り組みに対して、不満や反発、時に嫌悪感がぶつけられる。男性からも、女性からも。

 それはインターネットの世界にとどまらない。平等や公平をめぐる人々の衝突が、現実社会で可視化されるようになった。海外では、政治家が国民の不公平感をあおる事態も生じている。

 意見の対立を超え、対話する努力が必要だ。簡単ではないが、怠れば社会が分断の「嵐」に巻き込まれかねない。性別による差別をなくし、女性も男性も生きやすい社会を目指す意義を、改めて認識したい。

                ◇

 伝統的に政治デモが盛んな韓国で変化が起きている。尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の弾劾を求めるデモに、20~30代の女性が詰めかけているのだ。大統領への積もり積もった不満が、昨年12月の非常戒厳の宣布で爆発した。

 尹氏は、2022年の大統領選でジェンダー平等の推進を担う「女性家族省」の廃止を公約に掲げた。政権に就いてから、女性政策を後退させてきた。「女が優遇され、男が不利益を被っている」と考える若い男性の支持を得るためだ。性差別が根強く残る韓国で、女性たちが怒るのは無理もない。

 ■男性たちの不平等感

 一方、権利を主張する女性への反感から、男性の保守化が進んでいるようだ。今年1月、大統領の逮捕状を出したソウル西部地裁を尹氏の支持者らが襲撃した事件には、多数の若い男性が加わったとされる。若年層の男女間で政治的な対立が先鋭化しつつある。

 神戸大大学院の木村幹教授(朝鮮半島地域研究)は、韓国社会の混乱と分断は長期化するとみる。「根底には徴兵制をめぐる男性の不公平感がある。将来不安が高まる中で若い男性が被害者意識を募らせ、それを保守政党が戦略的に利用した」

 差別是正のために対話を促し、妥協点を探りつつ前進させるのが政治の役割だ。対立に火を注ぐ状況は、極めて危険というほかない。

 米国の現状も深刻である。トランプ大統領は、性別や人種、性的指向などの多様性に配慮した前政権の政策をすべて取りやめた。「女性や有色人種の優遇策は逆差別だ」という白人男性の不満に応えた。

 トランプ氏は大統領選期間中も女性をおとしめる発言をやめなかった。呼応するように、「台所に戻れ」といった女性蔑視の投稿や誹謗(ひぼう)中傷が交流サイト(SNS)で急増したとの調査報告がある。

 どうすれば対話の糸口を見つけられるのか。

 ■未来志向で話し合う

 ジェンダー論が専門の関めぐみ甲南大准教授は「日本の場合、ジェンダーギャップ(男女格差)が依然大きく、是正が不可欠」とした上で、こう語る。「女性への配慮が男性に不平等感を与える場合があり、説明が重要になる。男性のしんどさに目を向けることも大切ではないか」

 男女格差の解消に力を入れる豊岡市は、3月中に「多様性推進方針」を策定する計画だ。住民のさまざまな違いを尊重し、市の施策に多様な視点を取り入れるための指針となる。市民や市職員、有識者らの検討委員会が、たたき台をまとめた。価値観の違いなどから取りまとめに苦労したという。

 同市くらし創造部の担当課長、木内純子さんは「古い価値観を全否定せず、未来志向で話し合うように努めた。子や孫が自由で幸せに生きられる地域を目指そうと呼びかけた」と振り返る。たたき台には、無意識の偏見への気づきや、さまざまな背景を持つ住民同士の交流を促すことなどが盛り込まれた。

 性差別的な意識は、濃淡の差はあれ誰もが心のどこかに持っている。それを前提に、異性も同性も互いに歩み寄る努力を重ねたい。パイを奪い合うのではなく、分け合うための知恵や工夫が求められている

 元稿:神戸新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年03月08日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・02.03】:「選択的夫婦別姓」結論どころか…日本の女性たちだけが理不尽なことを強いられる

2025-03-04 07:35:30 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・02.03】:「選択的夫婦別姓」結論どころか…日本の女性たちだけが理不尽なことを強いられる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・02.03】:「選択的夫婦別姓」結論どころか…日本の女性たちだけが理不尽なことを強いられる 

 この期に及んで、と言うしかない。国会の施政方針演説で高らかに「楽しい日本」を掲げた石破首相。だが今国会でぜひ結論を、とされていた選択的夫婦別姓について「通称名(旧姓)の使用を拡大することも」と言い出した。ズルズルと後退する施策がこの先、どれほど女性たちを苦しめるか。

 やり切れない思い出がある。東日本大震災から1年ほど。原発事故による避難指示、帰還困難区域への取材は厳しく規制され、私たちも事前に市町村の原子力災害対策課に戸籍上の姓名、住民票上の住所を届け、当日は現地で取材者名簿を提出。照合した上で規制区域に入ることが許される。ところが、テレビクルーが乗った私たちのロケバスは手前で係員に止められた。「役所に届けた方と違う方の名が名簿に載っています」。

 騒然とする車内。すると、みんなが親しみを込めて○ちゃんと呼んでいる30代の女性が「なんでこんなことになるの」と外に出て、係員としばらく話したあと、バスのステップに立った。

 「隠していたわけではないけど半年前に離婚して戸籍は旧姓に戻したんです。でもみんなが親しみを込めて呼んでくれる○ちゃんはそのままにしていました。ごめんなさい」。そう言って下唇をぐっとかんでいた。

 緊急時だけではない。旅券、運転免許証、保険証、保証人、銀行口座…どれも通称名は絶対不可なのに、どこが旧姓使用の拡大なんだ。

 夫婦別姓に反対する人たちは、その理由に家制度の崩壊、バラバラの姓で泣くのは子どもたち-を挙げる。では、その方たちに伺います。国連加盟196カ国のうち夫婦別姓を違法としている国は何カ国あるでしょうか? そう、1カ国、日本だけですね。では残る195カ国ではみーんな家は崩壊してしまって、子どもはみんな泣いているのか。

 石破さん、世界の中で日本の女性たちだけがこんな理不尽なことを強いられていて、それでも…「楽しい日本」なんですか。

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「ニュース ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2025年02月03日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・02.28】:女性の健康支援 社会的課題との認識を

2025-03-02 16:00:30 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【社説②・02.28】:女性の健康支援 社会的課題との認識を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・02.28】:女性の健康支援 社会的課題との認識を 

 働く女性が抱え込みがちだった健康上の課題に、企業や社会がしっかりと向き合う時である。

 政府は今国会に、女性活躍推進法の改正案を提出する。

 特に女性の更年期症状や生理に伴う体調不良などに企業が配慮すべきと初めて明記する。

 半ばタブー視されてきた女性の健康問題を正面に据え、支援を明確に位置づける意義は大きい。

 具体的には、法定の「生理休暇」の取得が低迷しているのを受け、名称変更も含め改善策を検討する。法定休暇でない更年期症状や不妊治療に対しても、企業が就業規則などで対応できる「特別休暇」の創設を促す。相談窓口の設置のほか、職場の理解促進へ社員研修の普及も図るという。

 推進法は2015年、政府が「女性活躍」を成長戦略に掲げたのを背景に、就労状況の男女差を解消するとして法制化された。

 働く女性にとって、頭痛、不眠、気分の落ち込み、下腹部痛など更年期症状や生理のつらさは深刻だ。だが、勤務先が支援しているかを尋ねた民間調査では、女性の約7割が「思わない」と答えている。

 婦人科がん、不妊治療も含めた健康課題による仕事効率の低下や離職などの経済損失を、国は社会全体で約3・4兆円に上ると試算する。うち2兆円を占めるのが、更年期症状である。

 昇進や仕事を引き受けることを諦めた経験のある女性が、3割に上るという東京都の調査も深刻さを表す。本人の働きがいやキャリアのみならず、企業の人材活用や事業活動に及ぼす影響は大きく、支援は不可欠といえよう。

 問われるのは、その中身だろう。明治安田生命保険は社内に婦人科外来を設けた。京都でも、ワコールが広い範囲で使用できる休暇制度を、オムロンが不妊治療のための長期間休職制度を整備する。リモートワークやフレックスタイムなど柔軟な働き方も一助になる。

 大企業を中心に始まっている多様な取り組みを、中小事業にいかに広げていくかが問われる。

 女性が働きやすい職場づくりに最も重要なのは、周囲の理解だ。

 男性の上司に申請や相談がしにくく、つらさを我慢して働いている人は少なくない。管理職らが生理痛を疑似体験する研修を企画した企業もある。男女共同のセミナーなどで率直に体験や思いを話し合うのもいいだろう。

 社会的課題として、正しい知識と理解を広げたい。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年02月28日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・02.22】:選択的夫婦別姓/政治は「怠慢」に終止符を

2025-02-25 06:00:30 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【社説①・02.22】:選択的夫婦別姓/政治は「怠慢」に終止符を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・02.22】:選択的夫婦別姓/政治は「怠慢」に終止符を 

 選択的夫婦別姓を巡る動きは、政治と世論が著しく乖離(かいり)した一例である。政府や共同通信の世論調査では導入賛成が多数を占めるが、自民党保守派の強硬な反対で事実上の放置が30年近く続いている。

 2月に入り、自民党が夫婦別姓の議論を久々に再開した。党内では今も賛否が割れるが、今度こそ政治の怠慢といえる状況を終わらせ、導入に道を開くべきだ。

 自民党の作業チームの会合では、賛成派の議員が「生まれ持った姓を変えたくないという人たちの思いに応えるのが出発点」と発言した。1996年に選択的夫婦別姓の導入を答申した法制審議会の案がたたき台になる、との意見も出た。その案には夫婦別姓でも子どもの姓は全員同じにすることや、婚姻届を提出する際に子どもの姓を定めることなどが示されている。

 一方、反対派は「家族の一体感が弱まる」「(親と姓が異なれば)子どもがかわいそう」などと個人的な感情に基づく訴えが目立つ。

 同じ姓を名乗ることで夫婦や親子の一体感を持つ人もいれば、そうでない人もいる。日本人と外国人が結婚する場合は、夫婦別姓が原則だ。「同姓でなければ」という考えは、一面的で説得力に欠けると言わざるを得ない。

 法務省によると、夫婦同姓を義務付ける国は世界で日本だけである。夫婦どちらの姓も選べるが、95%は女性が改姓しているのが現状だ。戦前の「家制度」の影響を指摘する専門家もいる。国連の女性差別撤廃委員会は「女性に対する差別を温存、助長する」と指摘し、改正を勧告してきた。

 自民党の反対派の間では、結婚前の旧姓を通称として使える場面を増やす代替案がいくつか浮上している。例えば、パスポートや運転免許証などで希望すれば旧姓を併記できる現行の仕組みを、法律で定めるといった内容である。

 しかし、通称使用の拡大は根本解決にはほど遠い。戸籍上の姓と使い分ける負担は変わらず、場合によってはさらに重くなる。旧姓使用が認められるようになったとはいえ、金融機関での口座開設や不動産登記が煩雑になるなど弊害は多い。旧姓併記が海外で理解されず不正を疑われたケースもあり、ビジネス上のリスク防止の観点から経団連は選択的夫婦別姓の早期導入を求めている。

 改姓によりアイデンティティーの喪失を感じる人にとっても、小手先の変更は失望感を深めるだけではないか。石破茂首相はかつて、夫婦同姓による不利益を解消する必要があると語っていた。党内議論を前に進める責任を果たすべきだ。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年02月22日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・02.13】:選択的夫婦別姓 子供の立場を考えているのか

2025-02-14 05:00:45 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【社説①・02.13】:選択的夫婦別姓 子供の立場を考えているのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・02.13】:選択的夫婦別姓 子供の立場を考えているのか

 親と子で、また兄弟姉妹で姓が異なった場合、家族の一体感は損なわれないのか。子供の健全な育成が妨げられる恐れはないのか。 

 夫婦が同姓にするか別姓にするかを選べる「選択的夫婦別姓」の導入は、家族や社会のあり方に重大な影響を与える。慎重な議論が必要だ。

 今国会では選択的夫婦別姓の是非が一つの焦点となりそうだ。

 導入に前向きな立憲民主党は関連法案を提出する方針だ。自民党は作業部会で議論を始めた。

 民法は夫婦同姓を義務付けている。夫婦はどちらの姓も選べるが、婚姻の際、妻が夫の姓に改めるのが一般的だ。2023年には婚姻届を提出した夫婦のうち、95%が夫の姓を選んでいる。

 女性の社会進出の拡大に伴い、政府は、女性が職場などで不便を感じることのないよう、旧姓を通称使用できる仕組みを整えてきた。現在、運転免許証やパスポート、不動産・法人の登記簿などは旧姓併記が可能となっている。

 一方、旧姓では口座を開設できない銀行は今もある。また「パスポートが旧姓併記の場合、海外で説明を求められ、負担を感じる」といった声も出ている。政府は、現状の課題を洗い出し、国会での議論に役立ててほしい。

 夫婦が別姓にする場合の重要な論点は、子供の姓をどうするかだ。法制審議会は1996年、子供の姓は夫婦が婚姻時に定めるとした民法改正案を答申した。その場合、子供の姓は全員同じとなる。

 他方、立民など野党が2022年に提出した民法改正案は、子供が生まれるたびに、父母が協議して姓を定めると明記した。

 兄弟姉妹で姓を変えることを認めたのは、夫婦の「互いの姓を承継させたい」という希望を 叶 かな える狙いがあるが、一つの家族であるのに姓がバラバラという状況を、子供はどう感じるだろう。

 野党案はまた、子供の姓を巡って夫婦がもめた場合、家庭裁判所の審判で定める、としている。夫婦で決められない姓をどうやって家裁が決めるというのか。

 野党は「多様な価値観を認めるべきだ」と唱えているが、多様な家族像を求めているのは親であって、子供に選択の余地はない。

 選択的夫婦別姓はこれから結婚する人だけの問題ではない。法制審案、野党案ともに、既婚の夫婦も法施行から一定期間内なら旧姓に戻せるという。全ての夫婦が同姓を維持するか別姓にするか、選択を迫られることになる。

 元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年02月13日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・01.24】:選択的夫婦別姓制度を巡り与野党で神経戦続く

2025-01-30 07:40:20 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【政界地獄耳・01.24】:選択的夫婦別姓制度を巡り与野党で神経戦続く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・01.24】:選択的夫婦別姓制度を巡り与野党で神経戦続く 

 ★国会開会を前に21日、自民党役員会で首相・石破茂は選択的夫婦別姓制度を巡り、「いろいろな考え方が党にもある。わが党としてどうなのだということを明らかにしていく必要がある」と通常国会で党としての考え方を取りまとめるよう指示した。公明党は今国会での改正に積極的で議論は続けられているものの自民党に一本化の姿勢はない。ところが自公党首会談、同幹事長会談はいずれも協議には前向きな姿勢。だが与野党ではこの採決が今国会の大きな焦点となってきている。自民党だけ党内に賛否両論あって、話し合っても一致点を見いだせない。明治時代の国籍法に縛られているのは自民党内にいる保守派で、戸籍が崩壊するなど長年党内議論を封じてきた。

 ★党内を始め野党からも法改正を実現するためには党議拘束を外せば法案は通るという声が支配的だ。確かに倫理観、宗教観などに関わる採決では党議拘束で縛るのは良くないという考えから臓器移植法改正など党議拘束を外してきた。ところが自民党幹事長・森山裕は22日、報道各社とのインタビューで「わが党は『氏制度のあり方に関する検討ワーキングチーム』で検討を進めることになっており、まずはその議論を見守りたい。わが国の歴史、国の形などを考えると、党議拘束を外すことには慎重であるべきだ」と採決優先の空気に冷や水を浴びせる。時間切れ見送りか、野党との最後のカードに使うつもりか。

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 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2025年01月24日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【読売世論調査】:夫婦の名字「旧姓の通称使用拡大」が最多43%、「今の制度維持」は最も低く

2025-01-20 00:10:30 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【読売世論調査】:夫婦の名字「旧姓の通称使用拡大」が最多43%、「今の制度維持」は最も低く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【読売世論調査】:夫婦の名字「旧姓の通称使用拡大」が最多43%、「今の制度維持」は最も低く 

 読売新聞社が17~19日に行った全国世論調査で、夫婦の名字についての考えを3つから選んでもらったところ、「夫婦は同じ名字とする制度を維持しつつ、通称として結婚前の名字を使える機会を拡大する」が43%で、同じ質問をした昨年9月調査(47%)と同じく最多だった。

婚姻届と結婚指輪
婚姻届と結婚指輪

 「法律を改正して、選択的夫婦別姓制度を導入する」は29%(昨年9月調査28%)、「夫婦は同じ名字とする今の制度を維持する」は25%(同20%)だった。

 ■あわせて読みたい

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 政治 【選挙・世論調査】  2025年01月19日  22:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・01.13】:選択的夫婦別姓 通常国会で成立目指せ

2025-01-14 04:01:40 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【社説・01.13】:選択的夫婦別姓 通常国会で成立目指せ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・01.13】:選択的夫婦別姓 通常国会で成立目指せ

 長年棚上げされてきた問題だ。これ以上、先延ばしにすることは許されない。

 選択的夫婦別姓制度の導入を巡り、通常国会を前に各党幹部が発信に力を入れている。

 立憲民主党の野田佳彦代表は年頭会見で、選択的夫婦別姓制度の法案を他の野党と共同提出する方針を明らかにし「成立に向けて努力したい」と述べた。

 制度の導入については国民民主党、共産党、れいわ新選組も賛成の立場だ。

 旧姓使用拡大を掲げる日本維新の会も制度導入についての党内協議に入る。

 与党でも公明党が衆院選で導入を掲げた。斉藤鉄夫代表は自民党に対し両党の実務者による協議を求めている。

 1975年に選択的夫婦別姓を求める請願が参議院に提出されてから、半世紀がたった。96年には法制審議会が導入を答申したものの、自民内の反対で法案提出が見送られた経緯がある。

 その自民でも総裁選では石破茂首相をはじめとする複数の候補が導入に前向きだった。

 この間、導入を求める声が途切れることはない。夫婦同姓を求める現行民法を違憲とする訴訟は昨年、第3次訴訟が提起された。

 同10月には国連の女性差別撤廃委員会が日本政府に対し、選択的夫婦別姓の実現に向けた民法改正を勧告。この勧告は2003年以降4度目となる。

 こうした国内外の声にもかかわらず国会で十分な議論をせず、問題を放置してきた責任は重い。

              ■    ■

 選択的夫婦別姓は夫婦が姓を同じにするか、別々にするかを選べる制度。

 国連で女性差別撤廃条約が採択された1979年以降、各国で導入が進んだ。一方、未導入の日本では現在も夫婦の95%が夫の姓になる現状がある。

 問題なのはそうした中で、改姓による不利益を被るのは女性が圧倒的に多いということだ。

 第一線で働く女性が増える中、企業経営の面からも無視できない課題として経団連は昨年、制度の導入を提言した。

 反対する声の中には「別姓にすると家族の一体感を損なう」との意見があるが、家族の絆は姓によってのみ生まれるものではなく別問題だ。

 夫婦別姓の場合、子どもの姓をどちらにするかとの課題についてもすでに他国の先行事例がある。子の不利益にならないような制度の構築を求めたい。

              ■    ■

 石破氏は就任後、党内議論を優先したいと発言をトーンダウンさせている。

 自民内では反対する議員から旧姓の通称使用拡大案が出ているが、通称使用で課題が解決しないことはすでに経団連の調査などでも明らかだ。

 少数与党の国会は与野党の枠を超えて課題に向き合い、議論を深める機会である。

 通常国会では制度の導入が最大テーマの一つとなる可能性が高い。長年積み残された宿題に答えを出す時だ。

 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月13日  04:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《余録・01.04》:選択的夫婦別姓制度の…

2025-01-04 02:00:40 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

《余録・01.04》:選択的夫婦別姓制度の…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・01.04》:選択的夫婦別姓制度の…

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2025年01月04日  02:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《時代の風・12.29》:男女平等118位の現実 理念だけでは動かない=長谷川眞理子・日本芸術文化振興会理事長

2024-12-29 02:05:20 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

《時代の風・12.29》:男女平等118位の現実 理念だけでは動かない=長谷川眞理子・日本芸術文化振興会理事長

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《時代の風・12.29》:男女平等118位の現実 理念だけでは動かない=長谷川眞理子・日本芸術文化振興会理事長 

 日本における女性の社会進出の状況は、他の国々に比べてひどい。スイスの非営利財団である「世界経済フォーラム」が示す2024年のジェンダーギャップ指数によると、全体としての日本の順位は146カ国中の118位だ。教育と健康という点では、ほぼ完全な平等が達成されているようだが、政治と経済の面で平均以下なので、これが全体の足を引っ張っている。

 
<picture>=北山夏帆撮影</picture>
=北山夏帆撮影
 確かに、病気や健康の指標で男女差別はないし、識字率や初等中等教育への参加度でも平等だろう。しかし、政治の世界も経済界も、責任ある立場にある女性の割合は非常に低い。私自身、日本のある優良会社の新年会に行ったところ、600人以上も参加者がいたのに、接客係以外、女性を見かけることがなかったので心底驚いた、という経験がある。

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 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【時代の風】  2024年12月29日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【産経抄・12.21】:若い女性に響いていない選択的夫婦別姓

2024-12-21 05:03:40 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【産経抄・12.21】:若い女性に響いていない選択的夫婦別姓

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄・12.21】:若い女性に響いていない選択的夫婦別姓

 この数字は何を意味するかずっと気になっている。小紙とFNN(フジニュースネットワーク)との合同世論調査で、18~19歳と20代の女性で立憲民主党と日本維新の会、共産党の支持率がそれぞれ0・0%だった件である。なぜ3党は若い女性に不人気なのか。

参院予算委員会で答弁する石破茂首相=17日午前、国会内(春名中撮影)

 ▼3党は、若者の情報源であるSNSでの発信が弱く拙かったのか。あるいは政治とカネの問題でいくら自民党を批判しても、票の掘り起こしにはつながらなかったのか。いろいろ考えられるが、牽強付会(けんきょうふかい)を承知でいえば、維新を除く2党が今国会で声高に唱える政策が頭に浮かぶ。選択的夫婦別姓制度や同性婚の実現である。

 ▼こうした主張は、これから結婚しようという人が多い世代に響いていないのではないか。自民党が自滅して比例代表で533万票も減らした先の衆院選で、躍進したはずの立民は実は7万票の微増にとどまっている。共産の得票は80万票も減少した。

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 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【産経抄】  2024年12月21日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《余録・12.21》:大正デモクラシーが高揚する中…

2024-12-21 02:03:30 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

《余録・12.21》:大正デモクラシーが高揚する中…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・12.21》:大正デモクラシーが高揚する中…

 大正デモクラシーが高揚する中、女性への参政権を求める「婦人参政権獲得期成同盟会」が結成されたのは、100年前の1924(大正13)年12月だった。男性の普通選挙実現の動きに沿ったもので、運動家の市川房枝らが中心となった

「婦選デー」のビラを書く市川房枝(右手前)ら=1932年3月13日撮影

 ▲戦後、国会議員として活躍した市川は、発会式の模様を自伝に記している。出席した約80人の「ほとんどは中年の婦人」で、数人が5分ほど演説した。戦後、売春禁止運動の先頭に立った久布白落実(くぶしろおちみ)が宣言を起草した。「我が国の職業婦人はすでに400万に達せり、(中略)参政権を要求するは当然のことと信ず」との一節から、意気込みが伝わる

 ▲さきの衆院選で女性議員が過去最多の73人当選してから、初の本格論戦を展開した臨時国会である。来年の焦点になるとみられる選択的夫婦別姓導入を巡っても議論があった。代表質問などで与党・公明党も導入への決意を石破茂首相に促し、注目された

 ▲ただし、首相の答弁は機運に水を差した。自民党の反対論に配慮したのか「より幅広い理解形成が重要」と慎重姿勢を崩さなかった。首相就任前は「やらない理由がよくわからない」と語っていたが、これも封印したのか

 ▲国連の女性差別撤廃委員会は導入を勧告する「最終見解」を公表した。人権の観点からも、日本が主体的に解決しなければならない

 ▲婦人参政権運動は戦争で継続が困難となり、女性の選挙参加は敗戦を経て実現した。社会の変化に対応できるか、ここにも政治が向き合う壁がある。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2024年12月21日  02:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【公明代表】:別姓制度「決断の時」 導入へ首相説得の意向

2024-12-18 10:49:30 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【公明代表】:別姓制度「決断の時」 導入へ首相説得の意向

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【公明代表】:別姓制度「決断の時」 導入へ首相説得の意向

 公明党の斉藤鉄夫代表は18日のラジオ日本番組で、選択的夫婦別姓制度の導入に関し「男性も女性も実際に困っている人が多くいる。もう決断する時だ」と述べた。経済界の求めや、法相の諮問機関・法制審議会が導入に向けた民法改正を答申し30年近く経過したことを踏まえ、石破茂首相を説得する意向を示した。

<button class="w-full bg-gray-200 aspect-w-1 aspect-h-1" aria-label="画像拡大"></button> 

11月、会談前に握手する石破首相(右)と公明党の斉藤鉄夫代表=首相官邸

 公明は推進の立場だが、自民党は保守系議員を中心に慎重論が根強い。斉藤氏は「まずは与党がしっかり意見を固めなくてはいけない。その上で野党と議論する性質のものだ」と語り、自民内の意見集約を促した。

 元稿:信濃毎日新聞社 主要ニュース 全国・国際 政治 【政策・公明党・選択的夫婦別姓制度の導入】  2024年12月18日  10:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌・12.04】:ガラスの天井破る数の力

2024-12-04 04:00:10 | 【女性が輝く社会と社会参画・選択的夫婦別姓・女性差別・女性を取り巻く諸問題】

【金口木舌・12.04】:ガラスの天井破る数の力

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.04】:ガラスの天井破る数の力 

 女性の社会進出を阻む壁をたとえて「ガラスの天井」と呼ぶ。新天地に女性が挑むとき、ガラスの天井を破れるか否かに耳目が集まる

 ▼「『ガラスの天井』を先進的な意識を持った方々が破壊してくれた。信頼できる人たちがたくさんいる」。来年4月、琉球大学の学長に就任する喜納育江さんが学長選後に語った。挑戦すればかなうことを身をもって示した

 ▼琉大は2010年に男女共同参画室(現ジェンダー協働推進室)を設けた。喜納さんは学内のジェンダー平等、多様性の推進をけん引し、女性研究者の仕事と家庭の両立支援に取り組んできた。さまざまな人材を生かせる組織は活性化する

 ▼気になるのは卒業した学生を受け入れる社会のありようだ。以前、女性リーダーの積極登用について官公庁や企業に聞くと「逆差別」「男女関係なく能力次第で選ぶべき」という声が返ってきた

 ▼女性は昇進の機会を与えられにくく、妊娠を機に離職を余儀なくされることもある。男性と同じ土俵に立つのは難しい。ガラスの天井を破るのは旧態依然とした企業風土に気づくことから。多様化の進む大学の実践に学びたい。

 元稿:琉球新報社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】  2024年12月04日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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