路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【新型コロナ】:東京714人感染、3人死亡 週平均、再び500人台に

2021-06-30 17:16:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【新型コロナ】:東京714人感染、3人死亡 週平均、再び500人台に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【新型コロナ】:東京714人感染、3人死亡 週平均、再び500人台に 

 東京都は30日、新型コロナウイルスの感染者が新たに714人報告されたと発表した。直近7日間を平均した1日当たりの人数は再び500人台に上昇し、508・4人となった。前週比は120・3%。3人の死亡も確認された。

      東京都庁(中央)周辺

 都内では6月の新規感染者数が計1万2979人だった。21日に緊急事態宣言からまん延防止等重点措置に移行したが、感染者数が前週の同じ曜日を上回る日が続き、急激なリバウンドの懸念が強まっている。

 元稿:中國新聞社 主要ニュース 社会 【話題・地方自治・東京都・医療・新型コロナウイルスの感染拡大に伴う患者数の増減】  2021年06月30日  17:16:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【衆参両院】:国会議員の平均所得2416万円 2年連続減、首位は自民・元栄氏

2021-06-30 10:00:30 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【衆参両院】:国会議員の平均所得2416万円 2年連続減、首位は自民・元栄氏

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【衆参両院】:国会議員の平均所得2416万円 2年連続減、首位は自民・元栄氏

 衆参両院は30日、国会議員の2020年分の所得に関する報告書を公開した。対象は702人。1人当たりの平均所得は2416万円で、前回19年分の公開時より11万円減った。減少は2年連続。所得総額は自民党の元栄太一郎参院議員が19億1404万円で突出、2年連続首位となった。1億円超は3人。5千万円超は13人で、うち9人が自民党だった。

 国会議員の所得総額上位10人

 2位は、前回31位だった立憲民主党の古賀之士参院議員で1億1681万円。外国為替証拠金取引(FX)による9870万円を計上した。3位は前回と同じ自民党の中西健治参院議員で1億1386万円、菅義偉首相は3871万円で23位だった。

  元稿:中國新聞社 主要ニュース 政治 【話題・衆参両院は30日、国会議員の2020年分の所得に関する報告書を公開した】  2021年06月30日  10:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:小此木の横浜市長選出馬を止められずどこが人事の菅なのか/06.24

2021-06-30 07:50:00 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【政界地獄耳】:小此木の横浜市長選出馬を止められずどこが人事の菅なのか/06.24

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:小此木の横浜市長選出馬を止められずどこが人事の菅なのか/06.24 

 ★国会が与党に強引に閉じられ、国民の反対の多い東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは相当強引に実施するために、体裁を繕いながら進められている。ところがこの国家的大イベントの警備責任者である国家公安委員長・小此木八郎は五輪開催中に行われる横浜市長選挙出馬のため、委員長も衆院議員も党も辞めるという不退転の覚悟という。政治家としての覚悟は立派なのかもしれないが、五輪を目前に職を辞するのは敵前逃亡と言わざるを得ない。ところがその任命責任はこれまた小此木と同じく横浜選出の首相・菅義偉だというから五輪を「安全・安心」と言い続けた足元から崩れているといっていい。

 ★この時期に辞めるのが自由だというのなら、天皇に任命された閣僚という職をカジノを横浜で開くために辞することを陛下も国民もどう感じるか。小此木には理解できないのだろう。またそれをたしなめることができない首相のどこが人事の菅なのか。一方、五輪主催都市である東京の都知事・小池百合子が過労で入院した。今までの小池行動から政治的動きではとの臆測など意地悪見方もあるが、コロナ禍と五輪開催、それに都議会議員選挙という東京という都市を守るための仕事が重なったことが過労の原因ならば、お身体を大事にしていただきたいという思いと共に、だからこそ1400万都民のためにも五輪開催中止という決断必要だったのではないかと今更ながら思う。

6月22日午後、新型コロナウイルスワクチンに関する東京都主催の会議で発言する東京都知事の小池百合子。この日の夜、過度の疲労で静養することが発表され、小池は都内の病院に入院した  6月22日午後、新型コロナウイルスワクチンに関する東京都主催の会議で発言する東京都知事の小池百合子。この日の夜、過度の疲労で静養することが発表され、小池は都内の病院に入院した Photo:JIJI

 ★政治家にはそれぞれ目標があるだろう。それは権力や肩書を欲する場合もあれば、社会正義を貫く場合もある。だが政治家としての役割が大きくなればなるほど人に任せるという仕事が政治家には必要ではないか。首相、国家公安委員長、都知事。いずれも自分やらないと気が済まないタイプ政治家だが、だからこそ分担すべきだろう。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年06月24日  07:54:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:レジ袋有料化1年 脱プラへ抜本策を探れ/06.30

2021-06-30 06:50:55 | 【プラスチック(ビニール)製品の廃プラスチックによる環境、海洋汚染問題】

【社説】:レジ袋有料化1年 脱プラへ抜本策を探れ/06.30

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:レジ袋有料化1年 脱プラへ抜本策を探れ/06.30 

 スーパーやコンビニエンスストアでレジ袋の有料化がスタートして7月1日で1年になる。

 有料化によって店頭でレジ袋を受け取らない人の割合は3割から7割に増えた。プラスチックごみの排出は地球規模の問題になっている。できるだけ使用量を減らし、ごみを出さない生活様式を考えるきっかけになったことは評価したい。

 だが、レジ袋は使い捨てプラスチック製品のごく一部だ。対策としてはわずかな貢献にすぎない。レジ袋にとどまらず、ペットボトルなどの容器類や包装類も含めて削減策を講じ、持続可能な社会の実現につなげるべきだ。

 世界でのプラごみの廃棄量は年間約3億トンに上るとされ、うち800万トンが海洋などに拡散している試算もある。多くは分解されずに、劣化したり微細化したりしてマイクロプラスチックという粒子になる。

 これが小魚や貝などに入り込み、食物連鎖を通じて人間を含む多くの生物に被害を及ぼすとの指摘もある。

 地球規模で環境への負荷が懸念されており、プラごみ対策は国際社会で取り組む課題である。と同時に、世界トップクラスのプラスチック消費国として日本の責任は重い。

 プラスチック資源循環促進法が今月成立したのもそのためだ。家電や包装、容器など分野ごとにばらばらな対応を見直し「プラスチック資源」として一元化し、リサイクルする。リサイクルはこれまで食品トレーなどがメインだったが、おもちゃや文具、ハンガーなども加えて回収し再利用することを自治体の努力義務にした。

 さらにコンビニをはじめとする小売店や飲食店には、スプーンやストローなど使い捨てプラ製品の削減対策が義務付けられる。代替素材への切り替えや有料化での提供などで、使い捨て型の消費スタイルを見直す契機にする狙いだ。

 対策が不十分な場合は罰則も科されるが、業界からの抵抗も予想され、効果は未知数だ。大幅な削減につながるものとは言えまい。

 家庭でのプラごみの多くは、自治体が税金で回収して処理しており、製品を作った事業者が負担するコストは限定的だ。このため使い捨てプラが大量生産、大量消費され、大量廃棄を招いているのではないか。

 原因となるプラスチック製品を作った事業者に、それがごみになった時の責任を負わせ、リサイクルや回収の費用の負担を求める「拡大生産者責任」の導入を検討すべきだ。

 プラスチックメーカーがまずリサイクルに取り組み、代替製品の開発も急がなくてはならない。消費者に理解を求めながら、コストを商品価格に上乗せすれば、使用量の削減につながるかもしれない。メーカーの取り組みには、消費者の厳しい目が注がれることになるはずだ。

 プラごみは回収されても7割近くが焼却処分されている。焼却場など公共施設の熱源として使い、リサイクルしているという理屈はあろうが、二酸化炭素を排出することは温暖化防止対策にも逆行している。

 政府はプラスチック製品の生産量と使用量を抜本的に削減するため、思い切った政策転換に踏み切る必要がある。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年06月30日  06:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:落花生の街の惨事

2021-06-30 06:50:50 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

【天風録】:落花生の街の惨事

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:落花生の街の惨事

 20年前、三次市甲奴町に米国から届いた贈り物は、鳥害を防ぐ薬剤がまぶされて赤く染まっていた。交流を続ける元大統領のカーター氏からプレゼントされたのは、地元ジョージア州特産のピーナツの種だった▲ピーナツ農家出身ならではの贈り物が今も根付き、甲奴は「カーターピーナッツ」の町として知られる。一方、こちらは日本語で呼ぶ方が良いだろう。落花生の産地で国内トップクラスの座を守る千葉県八街(やちまた)市である▲その八街市に広がる田園地帯で、一本道を下校中の児童の列にトラックが突っ込んだ。周辺には帽子やランドセルなどが散乱していたという。運転手は勤め先に帰る途中、酒を飲んでいたそうだ。度し難い振る舞いに憤りは募るばかり▲現場にはきのう、花束が手向けられ、手を合わせる人の姿も。通学路なのにガードレールはなかった。猛スピードのトラックの横で、児童が恐る恐る身を守るような現状は看過できない▲運転手のモラル任せで安全は守れまい。通学路でのルール違反の厳罰化による事故抑止から、酒を飲んだら運転できない車の開発まで…。あらゆる策を急がねば。それこそが、幼い命を守る大人からの贈り物だと信じて。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2021年06月30日  06:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:出生数最少 生活不安、まず解消せよ/06.29

2021-06-30 06:50:45 | 【少子化問題(異次元の対策・子どもの居場所・不妊治療・少母化・婚姻数の激減・

【社説】:出生数最少 生活不安、まず解消せよ/06.29

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:出生数最少 生活不安、まず解消せよ/06.29 

 2020年生まれの赤ちゃんの数(出生数)は84万832人で、1899年の統計開始以来最少となったことが、厚生労働省の人口動態統計(概数)で明らかになった。初めて90万人を割って「86万ショック」といわれた19年からさらに2万人以上減った。女性1人が生涯に産む子どもの推定人数「合計特殊出生率」も1・34と下落傾向で、少子化は加速している。

 新型コロナウイルス感染拡大のあおりから、不安はもちろん、若い世代が雇用情勢悪化で解雇や賃金カットなどの影響を受けていることが響いているようだ。婚姻件数も前年より7万組以上減って戦後最少だった。

 先が見えない中で、結婚や出産をためらう人が増えるのは当然のことだろう。妊娠期間を考えれば、コロナの影響が出生数に本格的に表れるのはこれからである。21年は国の推計より10年早く70万人台になるとの厳しい予測もある。

 少子化の背景には、子育てにかかる経済的な負担や、仕事と妊娠・出産、育児を両立しづらい状況が、かねて指摘されてきた。子どもを産むかどうかの判断はカップルの自由だが、望む人が結婚や出産を諦めなくてはいけない社会であってはならない。政府はコロナ下での緊急支援と併せ、中長期での対策に取り組み、若い世代の生活不安を解消する必要がある。

 総務省が先週発表した国勢調査の速報値では、5年前に続いて人口減少が明らかになった。加藤勝信官房長官は記者会見で、その要因を「少子化の進展」だと指摘し、「最優先で取り組むべき課題として具体的な対策を構築する」と強調していた。

 政府はこれまでも少子化を「国難」「最優先の課題」と言い続けてきた。しかし若者に不安定な非正規雇用を強いている上、保育施設の拡充や現金給付などの取り組みが功を奏しているとは言い難い。その責任をどう考えているのだろう。

 菅義偉首相は「こども庁」を創設し、子育て施策を推進したい考えである。だが、先日決定した「骨太方針」にも、新組織の創設に「早急に検討に着手する」とするにとどまり、具体策は見えてこない。

 内閣府が昨年10月から今年1月にかけ、日本とフランス、ドイツ、スウェーデンの20~40歳代を対象に行った国際意識調査では、日本の回答者の6割が、日本は「子どもを産み育てにくい国」と感じていたことが判明した。逆に「産み育てやすい」と答えた人の割合は約38%で、97%を超えるスウェーデンをはじめ、欧州各国とは大きな開きがあった。

 政府は、このまま少子化が進めば働き手が減り、経済成長が停滞すると危機感を募らせ、少子化社会対策大綱に、若い世代が希望通りの人数の子どもを持てる「希望出生率1・8」の実現を掲げる。ならば若い世代が「産み育てやすい」と思える環境整備こそ急がねばなるまい。

 調査では必要とする支援策も尋ねていた。「教育費の支援、軽減」が最も多く、「子育ての経済的負担を軽減するための手当の充実や税制上の措置」「雇用の安定」と続いた。

 政府はこうした課題に真摯(しんし)に向き合うべきではないか。看板を掲げるだけではなく、「最優先」での取り組みが急がれる。 

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年06月29日  06:51:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:香港の高速エスカレーター

2021-06-30 06:50:40 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【天風録】:香港の高速エスカレーター

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:香港の高速エスカレーター

 歩く人のために片側を空けるより、2人並んでじっと立つ方が結局、大勢を安全に素早くさばける―。エスカレーターの新常識を最近よく耳にするが、なかなか定着しない。前にならえの群集心理が働くのだろうか▲京都大大学院の橋本幸士教授は香港の地下鉄駅で驚いた。皆がエスカレーターの両側に行儀よく立っている。日本の倍の速度で動くため、歩かなくてもいいと感じるようだ。近著「物理学者のすごい思考法」に詳しい▲その香港で今、民主派を締め付ける国家安全維持法の「無謀」運転が続く。創業者に続き幹部が次々と逮捕されたリンゴ日報が26年にわたる歴史を閉じ、廃刊に。歯切れのいい中国批判の筆はとうとう折られてしまった▲あすで施行1年となる国安法。既に110人を超える活動家やメディア関係者を逮捕したという。悪口を封じれば愛国者が育つと、習近平指導部は本気で信じているのか。むしろ批判が心底怖いように見えてならない▲横幅を1列に狭めたり、あえて段差を2倍の高さにしたりと、歩かなくても済むエスカレーターのデザインを橋本教授はあれこれ考えてきたそうだ。その「安全」と、国安法の「安全」との違いを思う。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2021年06月29日  06:51:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:半導体戦略 競争と連携、したたかに/06.28

2021-06-30 06:50:35 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【社説】:半導体戦略 競争と連携、したたかに/06.28

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:半導体戦略 競争と連携、したたかに/06.28

 お家芸だった半導体産業を立て直し、日本の産業再生につなげられるどうか。難しいかじ取りを迫られる。

 政府は今月、半導体を経済安全保障上の「戦略物資」と位置づけ、サプライチェーン(供給網)の強化に集中投資する方針を打ち出した。米中対立の影響などで供給不足が深刻化している半導体を自前で確保するのが狙いだ。

 だが最先端の生産力を持つには、数十兆円もの投資が必要とみられている。日本1国で取り組むのはさすがに無理ではないか。製造装置や素材など日本が持つ強みを生かして、国際的な協業を視野に入れるべきだ。

 半導体は「産業のコメ」と言われる。自動車からパソコン、スマートフォン、おもちゃまで、さまざまな工業製品に使われる。コロナ禍でパソコンやゲーム機の売り上げが増え、世界的に需要が急拡大している。

 世界中で供給不足が深刻化し、生産ラインが休止に追い込まれるなど影響が出ている。3月に国内の半導体工場で火災が起き、マツダをはじめ自動車メーカーは工場の一時休止など対応を迫られている。

 先進各国は安定的な確保に向けた動きを進めている。米国のバイデン政権は500億ドルを予算化。欧州も中国も巨費を投じるという。日本も対策を迫られていることは間違いない。

 素材を用意し、製造装置を使って最先端の半導体を生産し、供給するサプライチェーンを、1国で確立するのに越したことはない。だがそれには巨額の投資と時間を要する。今の日本には難しいだろう。

 また各国がこぞって生産力を上げれば、供給過剰で価格が暴落するリスクもある。当面は品薄が続くだろうが、市場動静を見極めた対応が求められる。

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)では、半導体の安定供給のため各国で連携することが申し合わされた。となれば、自国の強みを武器に、国際協業の枠組みで主導権を握ることが現実的な選択肢ではないか。

 日本が生かすべき強みは製造装置と素材だ。製造装置を造る日本企業の技術は高く、世界的メーカーの半数を占める。素材のフォトレジスト(感光材)も高品質の日本製が世界シェアの9割を誇る。

 半導体生産では韓国企業の競争力が高いものの、素材は日本頼みである。自国生産を目指すが、高品質の日本製に依存するのが現状だ。一方、日本は最先端半導体を韓国に頼っている面がある。素材と半導体の供給で両国が連携する「協業」も、一層深められるはずだ。

 政府は世界シェアトップの台湾の台湾積体電路製造(TSMC)が茨城県に設置した研究・開発拠点に期待する。TSMCと連携し、開発・生産体制の強化に乗り出したい考えだ。

 最先端半導体を組み込んだ製品を造る日本のIT製造業は少ない。日本には外資が製造拠点を設けるだけの市場としての魅力も乏しい。企業の育成や誘致も同時に進めねばならない。

 かつて日本は50%超の半導体シェアを誇ったが、パソコンやスマホの普及などを読み誤り韓国や台湾に追い抜かれた。半導体調達の巧拙が産業の発展を左右する時代である。半導体戦略を早急に再建せねばならない。 

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年06月28日  06:38:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:あじさい忌

2021-06-30 06:50:30 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【天風録】:あじさい忌

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:あじさい忌

 70年前のきょう、元教師の家で電話が鳴った。「つたへ来てこゑは受話器にひびけども応へんとして語のととのはず」。作家となった教え子の死の知らせに、声を失ったさまを歌にした。林芙美子の女学校時代の恩師今井篤三郎さんである▲芙美子の命日が巡ってきた。作家の文学的才能は、多感な時期を過ごした尾道で育まれている。歌人だった今井さんから毎日、詩の添削など指導を受けたという。上京後も恩師と慕い、数多くの手紙を書き送っている▲やはり郷土の作家井伏鱒二との講演会を、女学校で開けるように依頼もしたようだ。だが学校側が許可しなかったらしい。「子供が親のところでしゃべりたいのは当り前ぢゃないでせうかね」。役人仕事への憤りをつづった手紙も残る▲「旅が古里であった」「宿命的に旅人である私」。芙美子は「放浪記」に記している。しかし手紙からは恩師や女学校、尾道を「親のところ」、つまり古里と懐かしむ心情もうかがえる▲校庭に生徒らかたよりてあぐるこゑちびすけ芙美子が笑はせしなり―。死去の報が届いた後、今井さんは校庭や生徒らに芙美子の面影を見たようだ。それは今も尾道を歩けば、きっと感じられる。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2021年06月28日  06:39:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:島根原発2号機「合格」 住民の不安に目向けよ名/06.27

2021-06-30 06:50:25 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【社説】:島根原発2号機「合格」 住民の不安に目向けよ名/06.27

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:島根原発2号機「合格」 住民の不安に目向けよ名/06.27 

 中国電力が再稼働を目指す島根原発2号機(松江市)について、原子力規制委員会が新規制基準を満たしていると認める審査書案を了承した。事実上、再稼働の前提となる審査の「合格」を意味する。

 だが審査をパスしたからといって、安全・安心が担保されたわけではない。原発に不安や不信感を抱いている住民は少なからずいるに違いない。中電と国には「再稼働ありき」で前のめりになってもらっては困る。住民の納得と理解が得られるまで、丁寧な説明が求められる。

 意見公募(パブリックコメント)などを経て、正式合格となる見通しだ。中電は2号機の安全対策工事を2021年度中に終えるとしているが、まだ課題が山積しており、すんなり再稼働とはいかないだろう。

 中電が地元と結んでいる安全協定により、実際の再稼働には立地自治体である島根県と松江市の事前了解が欠かせない。さらに住民避難計画の策定が必要な原発から30キロ圏内にある鳥取県と周辺自治体の対応も焦点になりそうだ。

 鳥取県と周辺の出雲、雲南、安来、米子、境港の5市は、立地自治体並みの「事前了解権」のある安全協定の締結を中電に求めている。住民の生命と財産を守るのは自治体の責務であり、当然のことだろう。

 国は、東京電力福島第1原発の事故後、原発から30キロ圏内にある自治体に避難計画の策定を義務付けた。事故が起きれば、深刻な影響を被る恐れがあるとみているからだろう。

 実際、福島の事故では、30~50キロ離れた飯舘村にも放射性物質が飛散し、全域が避難区域になったことを忘れてはならない。事故の教訓を踏まえるなら、中電は事前了解権の拡大に二の足を踏むべきではない。

 大規模な事故を想定して策定する広域避難計画にも懸念が残る。島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地し、30キロ圏内の人口は46万人に上り、全国の原発で3番目に多い。

 自力避難が困難な高齢者や障害者など「避難行動要支援者」も5万人を超え、サポートに当たる人を十分確保できるかも課題だ。

 現在、国と関係自治体で取りまとめている避難計画では、原発からの距離に応じた「段階的避難」を想定している。まず5キロ圏内の1万人を避難させ、5~30キロ圏内の45万人にはいったん屋内に退避し、その後に逃げるというものだ。

 それぞれの自治体の判断と指示に従って住民は避難することになるが、実際に事故が起きたときに、計画通り冷静に対応できるだろうか。実効性に疑問が残る。国も自治体任せにせず、実施体制の整備に責任を持つべきだ。

 島根原発を巡っては、低レベル放射性廃棄物の処理を巡る虚偽記録問題や、廃棄物の保管などに使う建物の法定巡視の虚偽報告などの不祥事が後を絶たない。国から借りたテロ対策施設に関する機密文書の誤廃棄も今回明らかになった。

 安全意識の劣化というべき状況がなぜ起きているのか、中電は組織風土を含めて総点検すべきだ。膨大な費用をかけて安全対策を施しても、住民と地域の信頼がなければ原発を運転する資格はない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年06月27日  06:44:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:東芝混迷「同じ香りがする」

2021-06-30 06:50:20 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【天風録】:東芝混迷「同じ香りがする」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:東芝混迷「同じ香りがする」

 〈さつきまつ花たちばなの香をかげば昔の人の袖の香ぞする〉。昔愛した人の、袖の香りをふと思い出すのは誰だろう。古今和歌集から「よみ人しらず」の夏歌一つ引いてみる▲「同じ香りがする」と、おとといの東芝の株主総会で声が上がった。こちらはマスクの上から鼻を覆いたくなる。一部の株主に圧力をかけたという今回の問題は、6年前の不正会計と同じ香りがすると指弾したのである。「光る光る東芝」と誇った巨大企業の迷走が信じられない▲株主総会では永山治取締役会議長に「不信任」が突きつけられた。東芝には大誤算だろう。「物言う株主」以外の人たちも敵に回してしまったようだ▲この問題では経産省が東芝を特別扱いして画策したことも波紋を呼んだ。英米の新聞は「日本株式会社」と、古めかしい言葉まで持ち出して厳しく論評する。片や経産省は「経済安全保障」を盾に、何ら問題はないと説明も拒んでいるが、いいのか▲折しもキャリア官僚がコロナ対策を巡る給付金詐欺の疑いで逮捕された。こちらは捜査に全面協力し、厳正に処するという。東芝とは違う話かもしれないが、国家公務員のモラルという話なら同じ香りがしないか。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2021年06月27日  06:44:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:夫婦同姓「合憲」 国会の議論、待ったなし/06.26

2021-06-30 06:50:15 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・再審請求)、刑法39条】

【社説】:夫婦同姓「合憲」 国会の議論、待ったなし/06.26

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:夫婦同姓「合憲」 国会の議論、待ったなし/06.26 

 夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定が憲法に反するかどうかが争われた家事審判の決定で、最高裁大法廷は2015年に続いて「合憲」とする判断を示した。別姓と同姓の夫婦を同等に扱わないことが憲法にかなうのかという本質的な問いには答えず、15年の合憲判決をなぞった決定に見える。

 家族の在り方は多様化し、結婚後に夫婦がそれぞれの姓を使うことも認める「選択的夫婦別姓制度」を求める声は、ますます高まっている。

 にもかかわらず、決定は「社会の変化や国民の意識といった諸事情を踏まえても判断を変更すべきものとは認められない」とした。現状を考慮しながら、なぜ判断を変えないのだろう。

 広島市の医師らによる同様の家事審判でも、最高裁小法廷がきのうまでに特別抗告を棄却する決定をした。大法廷の決定を踏襲した判断と言えよう。

 大法廷では、姓を巡る制度について「裁判での憲法違反の審査とは次元が異なる。国会で議論、判断されるべきだ」と、立法府の取り組みを再び促した。国会は、最高裁からの重ねての注文を重く受け止めるべきだ。

 結婚時に姓を変えるのは、現状ではほとんどが女性だ。晩婚化が進む現在、男女とも結婚前に一定のキャリアを積んで信頼や人脈を培っている。改姓に伴う負担は物理的にも精神的にも大きい。企業などで旧姓の通称使用がそれなりに進むものの、公的証明には戸籍上の名前が必要で本人にも職場にも混乱が生じる。事実婚を選べば、社会生活でさまざまな不利益がある。

 実質的に女性に改姓を強いる民法の規定は差別的だとして、国連女性差別撤廃委員会からも再三廃止を求められてきた。

 国民の受け止めも変わっている。選択的夫婦別姓に賛成する人の割合は、内閣府の17年時点の調査で42・5%と過去最高になった。最近の報道各社の調査では賛成が6割を超え、特に若年層では大多数を占めている。

 しかし国会の動きは鈍い。1996年に政府の法制審議会が選択的夫婦別姓の導入を答申して四半世紀になるが、いまだに民法改正案の提出にさえ至っていない。自民党議員を中心に「伝統的家族観が損なわれる」と反対の声が根強いからだ。

 最高裁の「合憲」判断が、国会の怠慢のお墨付きになってはならない。忘れてはいけないのは、大法廷の裁判官のうち4人は「違憲」とし、立法の取り組みを促していることだ。「合憲」とした裁判官も手放しで現状を認めているわけではない。3人は補足意見で、今後の事情の変化によっては「夫婦同姓の規定が違憲と評価されることもあり得る」とも含みを持たせている。国会は、背中を押されていると受け止めるべきだ。

 「伝統的家族観」を主張する安倍晋三前首相から、かつて夫婦別姓に賛成していた菅義偉首相に代わったのを機に、自民党内でも別姓推進の議連が発足するなど動きも出てきた。しかし党内の意見は割れており、「今後の方向性は衆院選が終わってから議論したい」としている。議論が必要な問題こそ選挙の争点にすべきだろう。

 一人一人の生き方に関わる人権問題である。国会は真摯(しんし)に受け止め、議論を前に進めなければならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年06月26日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:原発の擬人法

2021-06-30 06:50:10 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・処理水の海洋放出と環境汚染

【天風録】:原発の擬人法

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:原発の擬人法

 原発の運転期間を40年で区切っている一線を、どう報じるか。「寿命」と例えることもあれば、「定年」と書く場合もある。運転開始から30年以上たつ原発は国内で半数近いという。「高齢化」は原子炉の世界でも通じよう▲しゃくし定規に言えば、「寿命」の40年を超えた原子炉が息を吹き返した。福井の美浜原発3号機である。運転する関西電力は老朽化でなく「高経年化」と呼ぶ。縁起でもないのだろう▲平均寿命が年々延び、追いかけるように定年も延びだした人の世と重なる。とはいうものの「40年ルール」はほんの10年前、あの福島第1原発事故で得た苦い教訓ではないか。ゆめゆめ空手形にはできないはずなのに…▲長寿大国を誇ってきた日本社会も、手放しでことほぐ―とはいかなくなった。「人生100年」の長生きリスクに備える保険商品がしのぎを削る。無病息災の健康寿命をどれほど延ばせるか。それがポイントだという▲福島での事故後に詠まれ、書き留めた一首が手元にある。人間に見立てた原子炉に「あなた」と呼び掛ける。〈あなたから全人類に配られる数マイクロシーベルトほどの愛〉藪内亮輔(やぶうち・りょうすけ)。独り善がりの愛は暴力と変わらない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2021年06月26日  07:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:赤木ファイル なぜ再調査を拒むのか/06.25

2021-06-30 06:50:07 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【社説】:赤木ファイル なぜ再調査を拒むのか/06.25

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:赤木ファイル なぜ再調査を拒むのか/06.25 

 赤木ファイルがようやく開示された。森友学園問題に関する公文書の改ざんを命じられて3年前、自殺に追い込まれた財務省近畿財務局の元職員・赤木俊夫さんが残した文書類である。518ページに上り、経緯を記すほか抗議する文面も。不正に加担させられた無念がにじむ。

 文書について赤木さんは妻に伝えており、元上司もその存在を証言していた。ところが国は「確認されていない」と存在さえも長く明らかにしてこなかった。妻が国側に損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁から任意で提出するよう提案されて今回、初めて開示した。

 だが改ざん指示のメールを送信した職員名など約400カ所が墨塗り。おととい訴訟の口頭弁論で遺族側が原本の開示を求めたものの、国側は拒否した。

 野党は閉会中審査を求めたが自民党は応じなかった。政府は再調査もしないという。真相を解明する気はないのか。うやむやに済ますことは決して許されない。

 財務省から削除・修正を迫るメールのほか、修正部分を明示した文書などが残されていた。ファイルには当時、財務省理財局長だった佐川宣寿氏の名前が挙がる。「佐川局長から国会答弁を踏まえた修正を行うよう指示」という記述もあった。ほかにも圧力を示唆するような内容があり、組織的な改ざんは疑いようがない。

 2018年に公表された財務省の調査報告書は大まかな経過を説明したものにすぎず、不十分であったことが、赤木ファイルによって判明した。

 再調査が必要なのは間違いない。佐川氏が具体的にどういう指示を出したか、財務省理財局と近畿財務局との間でどんなやりとりがあったかを明らかにせねばならない。

 国有地が8億円も値引きして森友学園に売却されたと発覚したのは4年前。開校予定の学校の名誉校長に、当時の安倍晋三首相の妻昭恵氏が一時就任していたため疑念が広がった。安倍氏は国会答弁で「私や妻が関わっていれば、首相も国会議員も辞める」と断言した。

 学園との交渉記録について、理財局長の佐川氏は廃棄したとして説明を拒否し、「政治家の関与はなかった」とも述べた。

 だがその一方で、記録の廃棄のほか、公文書から首相や昭恵氏に関する記述の削除といった改ざんが進められていたことが赤木ファイルから読み取れる。

 公文書の改ざんや廃棄という前代未聞の不祥事は、根の深い問題で依然、全容が解明されていない。

 にもかかわらず菅義偉首相も麻生太郎財務相も、報告書によって既に結論は出ているとして「再調査はしない」と言う。公文書改ざんに抵抗し、告発するファイルを残すなど、公務員としての職務に忠実であろうとした赤木さんに対し、何とも不誠実な対応ではないか。

 野党は当時の官房長官だった菅首相の関与も追及する構え。首相が再調査に後ろ向きなのはまさかそれが理由なのか。

 政府は行政の信頼回復に努めるというが、疑念を晴らさないままで、国民の信頼を取り戻せるわけがない。佐川氏らに説明を求めるなど、第三者による徹底的な再調査をはじめ国会主導での全容解明が求められる。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年06月25日  06:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:「橘隆志」から「知の巨人」へ

2021-06-30 06:50:04 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【天風録】:「橘隆志」から「知の巨人」へ

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:「橘隆志」から「知の巨人」へ

 奇妙なアルバイトもこなした。何やら薬を飲まされ、30分置きに採尿させられる。今で言う治験か。訃報で「知の巨人」と評された立花隆さんも東大生の頃は靴一足の払いさえ月賦だった▲そこへ一通の手紙が届く。核軍縮を冠した組織から欧州の会議に誘われた。友と2人で広島の原水禁大会に乗り込み、各国の代表団に訴えた原水爆告発の行脚が実現した。本名「橘隆志」は60年余り前の本紙に見える。今なら1千万円に上る経費を捻出すべく金欠学生は奔走した▲長崎生まれの立花さんは幼少期を大陸で過ごす。もし故郷にいたら自分は―と自伝でつぶやく▲「原爆の子」などのフィルムを担いで欧州を行脚し、旧ソ連の核を巡って賛否が白熱する現場に遭遇した。同じ頃、日本の運動には警官隊との攻防はあっても議論がない、と気付かされる。やがて組織がバスで人を動員するような運動と一線を画す。既成政党の権威を物ともせぬ後年の仕事に結実するのだろう▲したり顔は若者の特権、考えすぎたら行動などできない―と立花さんは記す。あの時代、無謀にも渡欧した自分がそうだった。今は橘隆志に戻り、天から若者の尽きぬ可能性に思いをはせていよう。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2021年06月25日  06:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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