【2025年02月23日 今日は?】:東大宇宙線研究所の観測装置「カミオカンデ」がニュートリノの検出に世界初成功
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2025年02月23日 今日は?】:東大宇宙線研究所の観測装置「カミオカンデ」がニュートリノの検出に世界初成功
◆02月23日=今日はどんな日
天皇誕生日
◆出来事
▼活版印刷による初の書籍とされる「グーテンブルク聖書」の印刷がドイツで始まる(1455)▼ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が歴代法王として初来日(1981)▼東大宇宙線研究所の観測装置「カミオカンデ」がニュートリノの検出に世界初成功(1987)
◆
■ニュートリノの歴史
スーパーカミオカンデで研究している「ニュートリノ」は、1930年にその存在が提唱されて以来、長い年月を経て一つひとつの謎が明らかになっていきました。その研究は今、科学の最前線となっています。ここではニュートリノの歴史をご紹介します。
ヴォルフガング・パウリ
ニュートリノが考え出される
オーストリアの物理学者パウリは、原子核が出す放射線(ベータ線)のエネルギー分布を研究しているとき、エネルギーがどこかへ消えてしまうことをどう説明すべきか悩みました。そしてつじつまを合わせるために立てた仮説が、「電気を帯びていなくて、知らないうちにどこかへ飛び出してしまう、幽霊のような粒子がある」というもの。このとき、パウリはこの粒子を「ニュートロン」と呼んでいましたが、これが今日のニュートリノだったのです。ニュートリノは実際に発見される前に、科学者の頭の中で生まれたのです。
エンリコ・フェルミ
ニュートリノに名前がつく
イタリアの物理学者フェルミは、パウリの考えた粒子について研究し、ベータ崩壊の理論を構築していました。1932年に現在のニュートロン(中性子)が発見されていたので、幽霊粒子のほうを「ニュートリノ」と名づけ直しました。「ニュートラル」は中性、つまり電気を帯びていないという意味、「イノ」はイタリア語で小さいという意味です。
フレデリック・ライネス
初めてニュートリノが発見される
アメリカの物理学者ライネスとコーワンは、原子炉から生まれるニュートリノを捕まえることに成功しました。命名から20年以上経って、やっとニュートリノは発見されたのです。
年代
レイモンド・デイビス(2001)
太陽からのニュートリノを観測
アメリカの物理学者デイビスは、1969年から太陽ニュートリノの観測を開始しました。長年実験を重ねた結果、ニュートリノは理論からの予想の1/3程度しか発見されませんでした。このことは、「太陽ニュートリノ問題」と呼ばれ、その後約30年間にわたる物理学上の大問題となりました。
大気からのニュートリノの成分比がおかしい
カミオカンデグループは観測を続けていた大気ニュートリノのデータを調べ、電子ニュートリノとミューニュートリノからなる成分比が理論の予想と違っていることを発見しました。このことは、のちのニュートリノの重さの発見へとつながる重要な結果でした。
※ ニュートリノで見た太陽。太陽を中心に配置する座標系を用いた。黄色い部分がその方向からの事象が多いことを示す。太陽方向からニュートリノが飛来していることが、カミオカンデ実験で初めて示された。(図は1996年から2018年のスーパーカミオカンデの観測データ)
超新星爆発からのニュートリノを観測
1987年1月、カミオカンデグループが太陽ニュートリノの観測を開始。そのわずか1カ月後、16万光年彼方の超新星1987Aからやって来たニュートリノを捕まえました。ここから「ニュートリノ天文学」という新しい学問が始まったのです。
太陽から来るニュートリノが足りない
太陽ニュートリノの観測を2年間継続したカミオカンデグループは、その数が理論より少ないことを発表しました。デイビスとカミオカンデの2つの観測で同じ結果が出たため、太陽ニュートリノの研究がより活発に行われるようになりました。
スーパーカミオカンデが完成
4年以上の歳月をかけて、世界最大、世界最高精度のニュートリノ観測装置「スーパーカミオカンデ」が完成しました。そして新世代のニュートリノ研究が始まったのです。
ニュートリノに重さがあることを発見
スーパーカミオカンデグループは、「ニュートリノに重さがある」ということを世界で初めて、発見しました。それは、素粒子物理学上の基本的な理論の見直しを迫る非常に重要な発見でした。謎の多い粒子であるニュートリノの研究は、その後も世界中で進められています。
◆誕生日
▼北大路欣也(43年=俳優)▼月亭八方(48年=落語家)▼中島みゆき(52年=シンガー・ソングライター)▼野口五郎(56年=歌手)▼近藤春菜(83年=ハリセンボン)▼亀梨和也(86年=KAT―TUN)▼三倉茉奈・佳奈(86年=女優)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】 2025年02月23日 00:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。