路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【政界地獄耳・03.08】:国民の声を聴かず、財務省言いなりの野党第1党

2025-03-13 07:40:20 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【政界地獄耳・03.08】:国民の声を聴かず、財務省言いなりの野党第1党

 『漂流する日本の羅針盤を目指:【政界地獄耳・03.08】:国民の声を聴かず、財務省言いなりの野党第1党 

 ★立憲民主党に人気がない理由は明白だ。財務相経験者が党を牛耳り、財務省寄りの発言を繰り返す。給付付き税額控除など減税策は多少口にするが、消費税の軽減などは一切認めない。国民・有権者の悲鳴を地元で聞けば、消費税減税を俎上(そじょう)に上げなければ参院選挙を戦えないという声が党内で大きくなるのは当然のこと。ところが減税派が財務金融委員会で質問しようとするなら委員から外してでも質問させない、財務省の機嫌を取りたいのが立憲執行部。国民の敵にすら思える厄介な存在だ。

 ★財務相経験者の党代表・野田佳彦の理屈は一貫して「基本税率を下げると税収が落ちる」というもの。党代表代行・長妻昭、大串博史、幹事長・小川淳也、予算委員長(元財務相)・安住淳らも推して知るべしだ。ところが党内には昨年末、立憲の国会議員70人からなる「食料品の消費税ゼロ%を実現する会」が発足。執行部をけん制しているが、6日、新たに「不公平な税制の抜本的改革で日本の未来を創る財源を捻出する会(仮)」が立ち上がった。12日の設立総会に向けた案内文には「物価高の今こそ消費税減税を」と書かれている。また「消費税の最大の欠点は経済成長を阻害すること」など野田執行部の理屈とはだいぶ違う。

 ★「昨年の党代表選挙は直後の総選挙のためには野田でなくてはならず党はまとまったが、これほどあからさまな消費減税拒否となると、政策は自民党と代わり映えしない。そのために衆院の審議では大した成果も上げられなかった。執行部の戦略ミス、失態だ。今夏の参院選挙では消費減税を訴えないと選挙にならない。維新、国民、れいわのいずれも消費減税をうたうが立憲だけ国民感覚とズレているのは野田の信念でもなんでもなく、野党第1党の党首としてズレているだけ。党内は急速に野田では勝てないという空気だ」とは参院の声だ。国民の声を聴かず、財務省の言いなりの野党は必要か。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2025年03月08日  07:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・02.26】:SNSが別の変化生んだ…「財務省解体デモ」1000人が参加

2025-03-04 07:40:10 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【政界地獄耳・02.26】:SNSが別の変化生んだ…「財務省解体デモ」1000人が参加

 『漂流する日本の羅針盤を目指:【政界地獄耳・02.26】:SNSが別の変化生んだ…「財務省解体デモ」1000人が参加 

 ★政界関係者が国民の声の出し方の変化に驚く。2月21~24日に東京・霞が関の財務省前など全国で行われた「財務省解体デモ」。24日午後4時からのデモには約1000人が参加した。その多くがYouTubeを見て集まったという。12月頃からネットで呼びかけた“財務解体”を掲げたデモが東京、福岡、大阪など各地で行われており、参加した人たちが「増税反対」「消費税廃止」を訴えている。参加者は大手メディアが財務省解体デモを報じないことが大きなきっかけだという。オールドメディアの財務省への忖度(そんたく)や報道の仕方に踊らされないというのもテーマの1つのようだ。

 ★国民民主党幹事長・榛葉賀津也は「財務省の前で1000人規模のデモがあったらビッグニュースだよ。事実あったらしいね。それは国民の感情じゃないですか。いても立ってもいられない、国民の悲鳴だね。その国民の痛みを受け止めて、私はしっかりと政治をやるべき」としたが、彼らがオールドメディアだけでなく、政治の駆け引きにもうんざりしているのが現実だ。実業家のひろゆきは24日、Xで「財務省を変えたかったら、加藤勝信財務大臣の家の前で叫ぶとか、加藤勝信後援会に所属してる中国税理士政治連盟に所属しては税理士事務者に電話掛けまくる。『財務省を変える権限のある人が、財務省を変えないと困る』状況にしないと、変える必要がないから変えないまま」。またYouTubeチャンネルでは「デモが貧しい人を幸せにするとか思っているかもしれないが、それは誤解。効果のないデモは力とお金と時間の無駄」と断罪した。

 ★大手メディアも政治も信用できない。踊らされるより、自分たちが世論の先頭に行く考えだろうか。だから国会へのデモではなく財務省へのデモなのだろう。国民の怒りや声の出し方の変化がポイントだ。ひろゆきが言う「時間の無駄」も重要ポイントではない。彼らの財務省前の行動が世論を作るので効果がないとは言い切れない部分が見いだされている。昨年からのSNSがまた別の変化を生み出した。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2025年02月26日  07:39:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【立憲民主党・小沢一郎氏】:「自民党が選挙で負けたから、上告断念」森友文書改ざん問題めぐる政府方針を断じる

2025-02-08 07:16:30 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【立憲民主党・小沢一郎氏】:「自民党が選挙で負けたから、上告断念」森友文書改ざん問題めぐる政府方針を断じる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【立憲民主党・小沢一郎氏】:「自民党が選挙で負けたから、上告断念」森友文書改ざん問題めぐる政府方針を断じる

 立憲民主党の小沢一郎氏は7日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、森友学園問題での財務省決裁文書改ざんをめぐり、大阪高裁が先月30日、1審での関連文書の不開示決定を取り消す判決を出したことを受け、政府が最高裁への上告を断念したことについてコメントした。

立憲民主党の小沢一郎氏(2024年10月撮影)

 

 政府の上告断念を受け、改ざん問題を苦に自ら命を絶った、畿財務局職員だった赤木俊夫さんの妻、雅子さんが開いた記者会見について報じたネットニュースを引用。森友学園をめぐるさまざまな問題が、第2次安倍政権で起きたことを念頭に「総理と周辺がやらかした権力の私物化を隠蔽するために、国家公務員が公文書を改ざんしたり、証拠隠滅したり、大臣が国会でひたすら虚偽答弁を繰り返したり、挙げ句、捜査機関もまともに捜査しなかったりと、そんな12年間。自民党が選挙で負けたから、上告断念。政治の浄化のためには政権交代が不可欠」と、厳しく断じた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・立憲民主党の小沢一郎氏・森友学園問題での財務省決裁文書改ざんをめぐり、大阪高裁が先月30日、1審での関連文書の不開示決定を取り消す判決を出した問題】  2025年02月07日 16:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友文書】:「真摯に対応」加藤財務相が関連文書を開示するかどうかについて言及

2025-02-08 07:16:20 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【森友文書】:「真摯に対応」加藤財務相が関連文書を開示するかどうかについて言及

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友文書】:「真摯に対応」加藤財務相が関連文書を開示するかどうかについて言及

 加藤勝信財務相は7日の閣議後記者会見で、森友学園問題に関する財務省の決裁文書改ざんを巡り、関連文書を開示するかどうかについて「(石破茂首相から)丁寧に検討すべしと指示を受けた。真摯(しんし)に対応していきたい」と述べた。大阪高裁判決に対し、国が最高裁への上告を断念する方針を決めたことを受け、今後の対応を語った。

閣議後記者会見で質問に答える加藤財務相(共同)閣議後記者会見で質問に答える加藤財務相(共同)

 加藤氏は、亡くなった元職員の赤木俊夫さんに対して「哀悼の誠をささげさせていただく。ご遺族に対しておわびを申し上げるとともに、改めてお悔やみを申し上げたい」と話した。

 大阪高裁は、財務省から大阪地検特捜部に提出された関連文書の存否を明らかにせず不開示とした同省の決定を違法として取り消した。加藤氏は「検察に出した文書はすべて財務省に戻ってきている」と説明した。(共同) 

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・森友学園問題に関する財務省の決裁文書改ざんを巡り、関連文書を開示するかどうかについて】  2025年02月07日 11:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記・05.31】:赤木雅子さんの願い届かず…財務省が“違法”裁決「不開示決定取り消し」の答申を無視

2025-02-08 07:15:30 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記・05.31】:赤木雅子さんの願い届かず…財務省が“違法”裁決「不開示決定取り消し」の答申を無視

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記・05.31】:赤木雅子さんの願い届かず…財務省が“違法”裁決「不開示決定取り消し」の答申を無視

 またも財務省の壁にはじかれた。情報開示を求める赤木雅子さんの願いは届かなかった。

 森友学園との土地取引を巡る財務省の公文書改ざん事件で命を絶った赤木俊夫さん。大阪地検特捜部の捜査で財務省は関係資料を任意提出したが全員不起訴に。俊夫さんの妻、雅子さんは真相解明のため資料の開示を財務省に求めたが拒否された。不服申し立てを受け国の情報公開・個人情報保護審査会は不開示決定を取り消すよう答申を出した。4月2日発行の日刊ゲンダイで報じた通り、これまでの流れを覆す答申だ。これを受け財務省がどう裁決を出すのか注目された。

<picture>怒りの記者会見(撮影)筆者</picture>
怒りの記者会見(撮影)筆者

 それから2カ月、法が定める期限ぎりぎりで雅子さんのもとに裁決書が届いた。結論は「審査請求を棄却する」。資料があるかないかも明らかにせず、開示しないとした当初の決定をいささかも変えない内容だった。

 情報公開法が施行されて22年、情報公開・個人情報保護審査会の答申を受けて官庁が裁決を出したケースは1万5070件。そのうち答申と異なる結論は24件しかない。つまり答申通りが99.8%と大半を占め、従わないのはわずか0.16%だ。雅子さんの請求は常識外の0.16%にされてしまった。

<picture>財務省の裁決書(撮影)筆者</picture>
財務省の裁決書(撮影)筆者

 ◆理由を一切示さない“違法裁決”

  これには雅子さん本人より弁護団の方が怒った。裁決書が届いた当日の30日、急きょ記者会見を開いた。

 「これまでの財務省の主張の焼き直しで、審査会の答申がまるでなかったかのような裁決です」

 そもそも国の審査会は答申で、「文書の存否を答えても捜査の“手の内”がわかるわけではなく、将来の類似事件の捜査に支障を及ぼすものではない」と指摘し、不開示決定を取り消すよう求めた。ところが財務省の不開示裁決はそれについて何の説明もしていない。まるで答申などなかったかのように。

 行政不服審査法は、審査会の答申と異なる結論を出す場合、なぜ答申に従わないのか説明するよう定めている。だが今回の財務省の裁決はその理由を一切示していない“違法”な裁決だ。これでは答申という制度自体、何の意味もないことになってしまう。

 ■「私があきらめるのを待っているのか?」

 雅子さんは語った。

 「この60日間、どんな裁決が出るのか待っていましたが、結局これまでと同じでした。これなら60日前でも出せたと思います。長引かせて私があきらめるのを待っているんでしょうか?」

 政府がきちんと説明責任を果たす日はいつ来るのだろう?

相澤冬樹
著者のコラム一覧
 ■相澤冬樹 ジャーナリスト・元NHK記者

1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 ■関連記事

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・連載「森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記」】  2024年05月31日  14:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記・04.02】:「財務省は不開示決定を取り消すべき」審査会から赤木雅子さんに届いたうれしい知らせ

2025-02-08 07:15:20 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記・04.02】:「財務省は不開示決定を取り消すべき」審査会から赤木雅子さんに届いたうれしい知らせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記・04.02】:「財務省は不開示決定を取り消すべき」審査会から赤木雅子さんに届いたうれしい知らせ

 「審査会の答申書が届きました。何と取り消しです!」

 森友学園への国有地巨額値引きを巡り、財務省の公文書改ざん事件で命を絶った赤木俊夫さん。その妻、雅子さんに1日昼過ぎに届いた代理人の生越照幸弁護士からのメールだ。

 財務省は事件当時、背任などの疑いで捜査にあたった大阪地検特捜部に関係文書を任意提出したが、全員不起訴。雅子さんは真相解明のため、提出文書の開示を財務省に求めたが拒否された。雅子さんの不服申し立てを受け、国の情報公開・個人情報保護審査会で審査が行われていた。それから2年、忘れたころになって答申が届いた。

 財務省は、検察に提出した文書があるかないかを明らかにするだけで、将来の同種事案の捜査に影響を与えるとして開示を拒否した。「将来の同種事案」って、また公文書を改ざんするつもりなの? とあきれる。これについて審査会は、「文書の存否を答えても文書を任意提出した事実がわかるだけで、捜査の“手の内”の情報がわかるわけではなく、将来の類似事件の捜査に支障を及ぼすものではない」と指摘。財務省の不開示決定は取り消すべきだと判断した。

 雅子さんはこれまでに、公文書改ざんを主導したとされる佐川宣寿元財務省理財局長への裁判を起こしたが、1審.2審で相次いで敗訴し、最高裁に上告。この裁判と並行して、財務省が文書開示を拒否したのは不当だと訴える裁判も起こしたが、1審でやはり敗訴し、控訴審で争っている。

 敗訴続きでいささかめいっているさなかに届いた弁護士からのメールが、良い知らせだとは一瞬気づかなかった。でもよく見ると、財務省に不開示決定の取り消しを求める答申だとわかった。やった、これは素晴らしい知らせだ!

 だが、ちょっと待てよ。ふと気づいたが、きょうは4月1日ではないか……念のため雅子さんは弁護士にメールを送った。

 「まさかエープリルフールじゃないですよね」

 ■国の審査会が答申

 もちろん、これは正真正銘、国の審査会の答申だ。弁護団はさっそく、進行中の情報開示訴訟の証拠として提出することを決めた。

 「訴えを退けた1審の裁判官にも、この答申をよく読んでほしい」

 そんな声も弁護団の間から出た。負けっぱなしの赤木雅子さんの裁判。この答申が流れを変える“追い風”となるだろうか?

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 ■相澤冬樹 ジャーナリスト・元NHK記者

 1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

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 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・連載「森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記」】  2024年04月02日  10:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・01.27》:財政健全化の先送り 放漫続ける政治の無責任

2025-01-29 02:01:50 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

《社説①・01.27》:財政健全化の先送り 放漫続ける政治の無責任

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・01.27》:財政健全化の先送り 放漫続ける政治の無責任

 借金漬けから脱する出口がいっこうに見えない。いつまでも放漫財政を続けるのは無責任だ。

 政府の財政健全化目標が再び達成できない見通しとなった。「基礎的収支」と呼ばれる指標を2025年度に黒字化すると約束してきたが、内閣府は4・5兆円の赤字に陥るとの試算を公表した。

 内閣府の財政試算が報告された経済財政諮問会議で発言する石破茂首相(右端)=首相官邸で2025年1月17日、平田明浩撮影

 黒字化すれば、国と地方は社会保障や公共事業などの経費を借金に頼らず賄えるようになる。20年以上前に目標が設けられたが、歴代政権は先送りを繰り返した。 

 とりわけコロナ禍の際は経済対策を理由に予算が野放図に拡大された。感染が落ち着いた23年には「平時に戻す」と表明したが、膨張に歯止めが掛かっていない。

 昨年夏に示された試算は、25年度は税収の伸びを背景に8000億円の黒字になると見込んでいた。赤字に転じたのは、石破茂政権が昨年秋に13兆円超の大型補正予算を編成したためだ。

 首相は衆院選で、前年を上回る額にする方針を突然表明した。選挙目当てに、中身の吟味より規模を優先させたとみられる。

 内閣府は26年度の黒字化達成を見込むが、さらなる財政出動を促す声が高まっている。

 国民民主党は大規模な所得減税を求め、日本維新の会は高校無償化を掲げる。少数与党の石破政権は25年度予算案を成立させるために野党の協力を得る必要がある。

 夏の参院選に向け、与党からも歳出増の圧力が強まる可能性がある。大盤振る舞いを競い合う事態になりかねない。

 財政運営は一段と厳しさを増している。

 「金利ある世界」が復活し、日銀は追加利上げに踏み切った。国債の利払い費がかさみ、国と地方で1300兆円超に上る借金残高が大幅に膨らむ恐れがある。

 25年は団塊の世代が全員75歳以上となる。予算の3割以上を占める社会保障費がさらに増えるのは必至だ。巨額の借金を抱えたままでは超高齢社会を乗り切れない。

 ばらまきに走らず、長期的観点で財政を持続可能にする。政治がその責任を果たさなければ、将来へのツケが大きくなるばかりだ。

 通常国会が始まり、予算審議も本格化する。首相は健全化の具体的な道筋を示すべきだ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月27日  02:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・01.24】:財政収支の赤字 ツケ先送りに歯止めを

2025-01-24 16:05:55 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【社説①・01.24】:財政収支の赤字 ツケ先送りに歯止めを

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・01.24】:財政収支の赤字 ツケ先送りに歯止めを

 「財政健全化」の旗を掲げながら、実際はずるずると借金を積み重ねている。将来へのツケの先送りをいつまで続けるのか。

 政府は、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)が2025年度も4兆5千億円の赤字になるとの試算を示した。

 昨年7月時点の試算では8千億円の黒字化を示していた。だが、大型経済対策の歳出が響き、一転して赤字修正を迫られた。

 PBは、社会保障や公共事業などの政策的経費を借金に頼らず、どれだけ税収などで賄えているかを示す指標だ。中長期的な財政再建を進める上で、まずは単年度のPB黒字化が欠かせない。

 日本では、2002年度から赤字体質の脱却へ「10年代初頭の黒字化」を目標に掲げたが、国債依存の構造は改まらなかった。黒字化の目標時期は延期を繰り返し、25年度に設定されていたが、再び先送りすることになる。

 閣議決定した目標がいつまでたっても達成できない状況は、日本の財政規律に対する国際的な信頼低下を招きかねない。

 昨夏の試算が黒字だったのは、円安を背景に業績好調な輸出企業からの税収増が大きかった。だが常態化している巨額の補正予算は考慮しておらず、「形だけの黒字」「内閣府によるお手盛り」とも見られていた。

 その後就任した石破茂首相が、前年度を上回る約14兆円の補正予算を押し通したことで、赤字に転じた。「財政再建の旗は降ろさない」と石破氏は話したが、言行不一致も甚だしい。

 政府は新たに、賃上げや投資の加速で26年度には黒字転換する試算を示す。だが与野党で議論が続く追加減税策は反映させず、米トランプ政権による関税強化などの波乱要因もある。日本企業に影響が及び、税収が想定より増えない懸念もある。

 PBの計算には含まれないが、金融正常化で金利が上がれば、国債の利払い費が膨らむことも避けられない。 

 すでに国の借金は1300兆円に迫り、先進国の中で最悪水準にある。税収が伸びた時は、非常時に重ねた借金を減らすことが、持続可能な財政運営の常道である。

 政治が人気取りに走り、野放図な支出を抑制できないなら、欧米のように、財政の推計や検証を専門家らが担う独立機関を創設すべきだ。超党派の国会議員連盟や民間の政策提言組織も求めている。与野党で真剣に検討してほしい。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月24日  16:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政府】:当初予算案の国債利払い費、長期金利2・0%程度で政府調整…2%台なら13年ぶり

2024-12-24 05:00:10 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【政府】:当初予算案の国債利払い費、長期金利2・0%程度で政府調整…2%台なら13年ぶり

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政府】:当初予算案の国債利払い費、長期金利2・0%程度で政府調整…2%台なら13年ぶり

 政府は、週内にも決定する2025年度予算案で、国債(国の借金)の利払い費を計算する長期金利の想定を年2・0%程度とする方向で調整に入った。24年度の年1・9%から引き上げ、当初予算では12年度以来、13年ぶりに2%台となる見込みだ。日本銀行が大規模な金融緩和策を終えて以降、長期金利が上昇基調にあることを受けた。

首相官邸
首相官邸

 想定する長期金利は10年物国債の利回りで、利払い費の積算に用いる。引き上げるのは2年連続となる。

 国債の元本返済と利払い費を合わせた「国債費」は、歳出全体の約4分の1を占めている。25年度予算案での国債費は、24年度当初の27兆90億円を超え、過去最大となる可能性がある。

 想定金利は、年度途中で金利が急上昇する場合に備え、市中の実勢金利より高めに設定している。25年度予算案では、8月の概算要求時点では2・1%としていた。

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 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 経済 【金融・財政・2025年度予算案で、国債(国の借金)の利払い費を計算する長期金利の想定を年2・0%程度とする方向で調整】  2024年12月24日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【補正予算案】:衆院通過へ…維新と国民民主党も賛成し可決へ

2024-12-12 12:16:30 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【補正予算案】:衆院通過へ…維新と国民民主党も賛成し可決へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【補正予算案】:衆院通過へ…維新と国民民主党も賛成し可決へ 

 石破政権で初めての総合経済対策の裏付けとなる2024年度補正予算案は12日午後の衆院本会議で、自民、公明両党に加え、日本維新の会と国民民主党も賛成して可決され、衆院を通過する見通しだ。政府・与党は13日から参院で審議し、17日の成立を目指す。

 ■[地域力]能登町(石川県)…復興の力 海ブドウ養殖へ 特産の海洋深層水活用

衆院予算委員会で答弁する石破首相(右)(12日)=川口正峰撮影
衆院予算委員会で答弁する石破首相(右)(12日)=川口正峰撮影

 自公両党は12日午前、立憲民主党の要求を一部反映し、予備費から1000億円を能登半島地震の被災地の復興費用に充てる内容の修正案を提出した。立民はこの修正案には賛成するが、補正予算案には反対する。

 本会議に先立ち、衆院予算委員会は同日午前、石破首相らが出席し、集中審議と締めくくり質疑を行った。補正予算案は一般会計総額13・9兆円で、能登半島の復興費用や電気・ガス料金の補助などが盛り込まれている。首相は「震災前や豪雨前よりも良い能登になったと言ってもらえるよう、予算の成立・執行に努めていく」と訴えた。

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【社説・12.10】:補正予算案審議入り 与野党は国民目線で熟議を

2024-12-10 07:00:50 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【社説・12.10】:補正予算案審議入り 与野党は国民目線で熟議を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.10】:補正予算案審議入り 与野党は国民目線で熟議を

 少数与党による政権下で、熟議できる国会に変われるのか。試金石となる審議だ。

 きのう政府は2024年度の補正予算案を国会に提出した。一般会計の総額は13兆9433億円に上る。物価高に対応した経済対策が大半で、能登半島での地震、豪雨からの復興費も盛り込んだ。

 自民、公明両党は早々に衆院を通過させ、来週にも成立させたいようだ。しかし、例年通りに短期間の審議で事足りる情勢にはない。

 何より、巨額の補正予算ありきの政治を改める機会にすべきである。新型コロナウイルス禍に乗じて常態化した。補正は「特に緊要となった経費」を計上するという原点に立ち返らねばならない。

 経済対策費の規模は、東日本大震災が起きた直後の11年度の補正予算総額に近い。今は財政出動が求められたコロナ危機が一段落し、景気は「緩やかに回復」と国自ら判断している。昨年度を上回る額は明らかに過大だろう。

 巨額となった発端は、自民党に「政治とカネ」の問題で逆風が吹いた衆院選の初日、挽回を狙った石破茂首相の発言にある。「昨年を上回る大きな補正予算」とぶち上げ、従来の発想を引きずったまま編成した。選挙対策と言わんばかりに、経済情勢を見極めず、いかに額ありきなのかは中身を見れば分かる。

 看過できないのは、歳入の半分近くの66900億円を借金の国債で賄うことだ。国債残高は1100兆円を超え、世界で突出した財政赤字に拍車がかかる。24年度、税収は5年連続で過去最高となる見込みだ。この好機に財源を国債に依存する構造を改めようとするどころか、悪化させる姿勢は理解し難い。

 支出では、首をかしげたくなる項目も少なくない。象徴は半導体産業向けの支援であり、次世代半導体の量産を目指すラピダスを念頭に13千億円を拠出する。また宇宙産業などにも多額の予算を振り向け、しかも、無駄遣いの温床と指摘されてきた基金に積み増す手法をとる。

 成長戦略として中長期をにらむ政策経費は本来、当初予算に計上し、妥当性を念入りに審議すべきものだ。補正予算からこれらを削除し、組み替えてしかるべきだろう。

 さらに物価高対策は一定に必要とはいえ、電気・ガス、ガソリン代への補助に、14千億円をさらに投じる手法は妥当なのか。

 立憲民主党は全体をスリム化した上で、物価高対策はばらまきではなく、必要な人や事業者に的を絞った対案を提示した。与野党には国民目線に立った熟議を求める。

 石破政権は「103万円の壁」の引き上げを交渉材料に国民民主党を取り込み、原案通りに可決する道筋を描く。審議をそこそこに、数を頼みに可決に持ち込むこれまでの手法と何ら変わらない。

 国民民主党にしても、水膨れさせた補正予算案を是とするなら、国会に熟議を求めた民意に反する。自民党政権下で政治が主導してきた、あしき手法を改めさせるのが、野党の責務だと自覚すべきだ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月10日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【新刊紹介】:ザイム真理教と闘う! 救民内閣構想

2024-12-09 00:04:40 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【新刊紹介】:ザイム真理教と闘う! 救民内閣構想 ■国民負担を減らし、日本を元気にする秘策

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【新刊紹介】:ザイム真理教と闘う! 救民内閣構想 ■国民負担を減らし、日本を元気にする秘策

 ■内容

  財政政策、金融政策、消費税、ベーシックインカム、エネルギー政策、
原発再稼働、太陽光発電、外交、安全保障、食料安全保障、農業政策、
少子化対策、東京一極集中、政治家のリーダーシップ、
政権奪取へのスケジュール、女性の社会活躍の促進方法、
若い日本人に期待すること・・・、タブーなく、命がけで、この国の課題を議論した!

ザイム真理教と闘う!救民内閣構想

 ■目次

  第1章 政治主導で健全な財政を取り戻す
  第2章 医療や農業も広い意味でセーフティネットになる
  第3章 タブーなき社会への道筋
  第4章 現実を知らない官僚たち
  第5章 東京一極集中をどうするか
  第6章 諦めを希望に変える救民内閣構想
  第7章 政治の力を信じるために
  第8章 次世代へのバトンタッチに際して

  発売日:2024/11/1

  本体価格:1,600円+税

 ◆はじめに


森永卓郎

 泉房穂さんとお話しして感じたのは、日本にも、ようやくまともな政治家が登場したなということだ。泉さんの主張の根底は、市民あるいは国民が幸せになることを最優先した政策だ。一見、とても普通で、既存の政治家も、選挙のときには、同じようなことを言う。ところが、選挙が終わった途端に、財政当局や業界からの圧力に屈して、あるいは自分の利益を優先するために、市民や国民生活のことが二の次になってしまう。

 ところが泉さんは、明石市長を務めた12年間で市民生活の改善を最優先した政策をブレずに実行し続けてきた。そして、そのときに確立した政治手法を用いて、10年計画で日本の経済社会全体を変えようとしている。しかも、その改革は、選挙を通じて、段階的に構造転換を図るという、とてつもなく「まとも」なものだ。

 私自身も、国民生活最優先の政策に転換すべきという思いはまったく同じだ。ただ、そこに向けての取り組みは、泉さんとは全く異なる。泉さんが、いわば「正規軍」をつくろうとしているのに対して、私がいまやっているのは「ゲリラ戦」だ。

 ゲリラ戦に取り組む理由の一つは、私が終末期のがんであることも影響している。あとどれだけ生きられるかは、正直言ってよく分からないのだが、10年後まで生き残れる可能性は、ほとんどないので、短期勝負に出ざるを得ないのだ。

 もう一つは、私の信念として、これまで一貫してやってきたのが、「誰とも共闘しない」ということだ。共闘をすると、仲間に巻き込まれてしまうリスクがあるし、自分が仲間を巻き込んでしまう可能性もある。そして仲間をつくるということは、仲間以外を「仲間外れ」にすることを意味する。私は常にオープンでいたいのだ。オープンでいないと、正確な政策評価ができないからだ。

 その意味で、オープンな立場からみても、泉さんの「救民内閣構想」は、閉塞感が広がる日本にとって、希望の光となる実に出来のよいグランドデザインだと思う。論理的で、実績を踏まえた実現可能性があり、何より国民生活を確実に改善する力を持っているからだ。

 だから、私は泉さんの改革に心から期待しているし、成功を祈っている。ただ、その一方で、例えば泉さんの政治活動に参加する人に選挙で推薦を出したり、応援演説をしたり、ましてや私自身が活動に参加することは、絶対にない。そんなことをしたら、せっかく生まれた本当の改革ビジョンが、私のせいで壊れてしまう可能性があるからだ。

 泉さんは、とてもバランス感覚にすぐれた人で、どこまで言ったら、マスメディアで干されてしまうかをきちんと計算して、干されないギリギリのラインで発言を続けている。一方の私は、リミッターを完全に外してしまったため、すでに大手メディアの報道・情報番組や記事からは、完全に干されている。

 だから、私の役割は、救民内閣構想が確実に歩みを進められるように、単独ゲリラとして、既得権益者たちに先制攻撃をかけることだと考えている。泉さんは長距離ランナー、私は短距離ランナーだ。短距離ランナーは、食事や水分補給のことなど考えない。息継ぎのことさえ気にせず、ただただ全速力で走り抜けることだけを考える。

 だから、泉さんと私の活動は、一見、何のつながりもないようにみえて、実は目指しているゴールはまったく同じだったということが、後から判明する。それが、私が考える泉さんの救民内閣構想への最大の応援だと考えている。そうした背景があることを前提に本書を読んでいただければ、2人の発言をより深く理解していただけると思う。

 ◆おわりに


 憧れの森永さんの思いを引き継いで
 泉 房穂

 命を燃やしている。
 お会いする前からずっと憧れの存在だった森永卓郎さんと、ラジオ番組とこの対談で数回のお話をすることができ、私の心に浮かんできたのはそんな言葉です。

 お話をさせていただくと、真摯な思いと使命感が満ちていて、同時に、ある種の心地よさとか、純粋な好奇心や愛情に基づいているのが伝わってきます。病気を抱えているとはいってもまったく悲壮感がなく、好きなこと、やるべきことをひたすら追求していらっしゃる姿はうらやましいくらいです。まさに「誰よりも生きている」。そんな思いになります。

 もともと大学の先輩ですし、昔からご活躍は存じ上げていましたから、忖度せずに自分の主張をはっきりおっしゃる姿は憧れでした。以前、話題の『ザイム真理教』を手に取ったところ、国の子育て支援や介護負担の軽減が進まないことを訴えた私のツイートを取り上げてくださっている数行を見つけ、感激に心が震えたものです。

 そして、2023年末、ステージ4のすい臓がん(当初)で抗がん剤治療を始めるというニュース報道を目にして、そこに「桜の花が見られないかもしれない」という余命宣告があったことに、心からの思いを込めて「ぜひ桜を見てほしい」というツイートをした立場ですが、夏を過ぎても、誰もついていけないようなスピードで、膨大な仕事量をさばきながら、どんどん前に向かっている姿を後ろから追いかけている気持ちです。

 何より尊敬を覚えるのは、早い段階から自分の目を信じ、経済アナリストとしての信念と庶民の目線を貫いて、忖度せずに、長年にわたって第一線で社会的影響力をお持ちになっていることです。よく冗談めかせて、干されたなんておっしゃいますが、著書のシリーズは飛ぶように売れていて、「伝えるべきことを」というブレない姿勢を見るにつけ、手放しに「なんて格好いいのだろう」と感じます。

 しかも、楽しんでいて、お声が明るく、人間的な魅力にあふれていらっしゃる。誤解を恐れずにいえば、ご病気になられてからは、さらに加速して走り続けている姿に凄みを増していると思うばかり。そんな森永さんと、私にとっても大事な局面で対談して本を出せるなんて、こんなに光栄なことはないと思っています。

 私は、国民のもとにお金を残す政治をしたいと思っていて、どんな場面でもそれを伝え続けています。財務省をはじめとする官僚政治や、前例主義、横並び主義にまみれた行政や政界のあり方にはつくづく嫌気がさしていて、いいかげんにしてほしいと思うのです。

 だからといって、私は諦めていません。腹をくくって、体当たりで日本の病巣をはっきりと指摘し、根本から変えていかないとこの国はダメになると声を上げる森永さんとは共通の思いがあり、何をどう変えていったらいいか、真剣にご相談申し上げてきました。

 そこで思い浮かぶのは、アンデルセンの「裸の王様」の物語です。ピかピカの新しい洋服で着飾ることが大好きな王様なのですが、世界で一番の布が織れると名乗る詐欺師がやってきて、「これはバカには透明で見えない特別な布なのだ」と言います。王様は自分がバカだと認めなくないために「素晴らしい布だ」と言い、大臣たちは王様に忖度し、ただ持ち上げているだけ。そこに1人の少年がやってきて、「王様は裸だ!」と見たままを告げるというお話です。

 そのお話で言うなら、森永さんは、自分は王様は裸だと叫ぶ少年だと言います。私は、これから20年を切り開いていかなければいけないと思っていますから、王様が裸であることを認識しつつ、どうやってまわりに王様が裸であることがわかってもらえるだろうかと、冷静に考えている状況です。「見てごらん、王様は裸だよ」と言っても、信じてもらえるとは限りません。

 今の日本は、本当は裸なのに、誰もそれが言えない状況なのです。多くの人は心の中で(見えないけど、もしかして裸じゃないのかな?)と思いながら、自分の目を信じられず、周りの噂だけを信じて、「きれいなお召し物やね、色は何色なの?」とまわりに聞いているのですが、真実は裸なのですから、見えるはずがないのです。

 そこで私の役割は、「ねえ、みんな、本当は裸なんやで、こそっ」という感じで、少しずつ真実を明らかにしていく。その味方をもっと増やさないといけないと思っています。もし味方が少ない状態で乗り込んでも、王様やまわりの家来たちが逆切れして「逮捕だ!」と捕まるだけじゃなく、一族郎党含めて抑えつけられてしまったら、一巻の終わりです。

 闘いは闘いです。そこは勝たなくてはいけませんから。森永さんとは「王様が裸である」ことの認識は一致しているんです。今の日本を鑑みると、裸でありながら王様であり続けているのを「もう王様の時代は終わりだよ」と引導を渡すことが必要です。「あんな裸でいる王様なんて」と噂をしたり、ただはやし立てるだけではだめなんです。

 ザイム真理教は、見えない衣装を褒め称え、「素晴らしい布でできていますね」と持ち上げ、王様に噓と誤解を吹き込み、裸で歩かせている愚かな家来でしょうか。裸でありながら、そのことに気づかない王様と、自分の都合のいいように王様を操ろうとする家来たちにこの国をゆだねず、そして王国から共和国に変えて、自分の意見を自由にいえる公平な世界をつくり、その中から選ばれた代表が王様にかわって国を率いていく、そんな未来を思い描いています。

 森永さんは、おろかな支配者たちを突き上げるだけでなく、リスクやギャンブルに身を任せることの危険を真摯に訴えます。そして、食べるものやエネルギーを自分でつくり、自然を愛でながら、豊かに暮らす方法も指し示してくれています。森永さんが切り開いた道と、そこにかける思いをしっかりと受け継いで、それを広く伝えていく使命を感じています。可能な限り、ともに進んでいきたいという気持ちです。

 元稿:総合出版ビジネス社 主要出版物 社会・国際・政治 【話題・著書「ザイム真理教と闘う! 救民内閣構想」】  2024年11月01日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・12.04》:公取委がアマゾン検査 看過できない不当な取引

2024-12-04 02:01:50 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

《社説①・12.04》:公取委がアマゾン検査 看過できない不当な取引

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.04》:公取委がアマゾン検査 看過できない不当な取引

 ネット販売の場を提供する立場を乱用し、取引先に不利な条件を課す行為は許されない。ただちに是正すべきだ。

 通販最大手アマゾンジャパンが独占禁止法に違反した疑いがあるとして、公正取引委員会の立ち入り検査を受けた。

アマゾン・コムのロゴ=東京都品川区で2023年12月19日、後藤豪撮影

 通販サイトの出品者に対し、商品の値下げを強いた可能性がある。自社が運営する有償の配送サービスを利用するよう圧力をかけた疑いも持たれている。

 公取委が問題視したのは、同じ商品を複数の事業者が出品する場合、一つだけが「おすすめ」として目立つように表示される仕組みだ。選ばれるかどうかで売れ行きは大きく変わる。

 しかし、選定基準はわかりにくい。他社のサイトより値段が安く、アマゾンの配送サービスを利用する出品者の商品が選ばれやすいとの指摘が出ている。

 通販サイトに販路を依存する出品者に対し、アマゾンは優越的な立場にある。こうした取引関係に乗じて不利益を与える行為は、独禁法に抵触する。

 消費者は安値の恩恵を受ける。ただ、事業者が不公正な取引によって市場シェアを高め、価格を決める力を持つようになれば、つり上げることも可能になる。

 国内のネット通販市場の約3割を占める最大手だけに、影響力は大きい。公取委は検査で入手した資料や出品者から得た情報をもとに実態を把握し、デジタル寡占の弊害を正さなければならない。 

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月04日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・12.04》:水膨れする補正予算 国会での検証が不可欠だ

2024-12-04 02:01:40 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

《社説②・12.04》:水膨れする補正予算 国会での検証が不可欠だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・12.04》:水膨れする補正予算 国会での検証が不可欠だ

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月04日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.26】:会計検査院報告 膨張予算は無駄の温床だ

2024-11-26 06:05:30 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【社説・11.26】:会計検査院報告 膨張予算は無駄の温床だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.26】:会計検査院報告 膨張予算は無駄の温床だ

巨額の無駄遣いがまた明らかになった。一向に改まらないのは、政府と自治体が反省していないからだろう。

 会計検査院が国の2023年度の決算検査報告を公表した。税金の無駄遣いを指摘したり、改善を求めたりした事業は345件、総額は648億円だった。

 前年度分の580億円を大きく上回る金額に驚き、あきれるばかりだ。

 最大の問題は、主に経済対策として編成された補正予算にある。

 会計検査院は22年度補正予算に計上された1218事業から、追加額が100億円以上で執行管理が行われていた138事業を調べた。

 このうち34事業の1兆5千億円近くは、全額が23年度に繰り越されていた。約6千億円は使う理由がない「不用」と判断した。

 緊急性や必要性を欠く事業で、補正予算が水膨れしていたと言うほかない。補正予算について、特に緊要な経費を追加する場合に限ると定めた財政法に反する。

 20年度以降は新型コロナウイルス禍やエネルギー価格高騰などの影響で、大型の補正予算が常態化している。適正な中身を伴っていないのは、政府の「予算規模ありき」の姿勢のせいだ。

 石破茂首相も就任早々、経済対策として昨年度の規模を上回る補正予算を編成すると打ち上げた。28日に召集される臨時国会に、発言通りの予算案を提出する。

 今年の経済財政運営の指針「骨太方針」に、新型コロナ禍後に膨らんだ歳出の構造を「平時に戻す」と記したことと整合性が取れない。財政健全化は遠のく。

 新型コロナ対策で自治体に配った地方創生臨時交付金の使途もずさんだ。20~22年度の約18兆円のうち3兆円余りが不用だった。

 不正受給などで国庫に返還すべき205億円のうち、未返還額は170億円に上る。政府はこうした状況を把握していなかった。

 政府は自治体に対し、交付金事業の検証と公表を求めたが、徹底されていない。会計検査院が都道府県を調べたところ、福岡県などは一部の事業にとどめていた。

 地方創生臨時交付金は使い道が幅広く、自治体にとって使い勝手の良い財源だ。地方も財政規律が緩んでいるのではないか。

 このほかにも予算の過大請求が数多く指摘された。税金の無駄遣いをなくすには、予算査定を厳格化し、執行状況と効果を国民に公表することが欠かせない。

 会計検査院の決算検査報告のたびに求められていることだ。これ以上放置することは許されない。まず予算至上主義と呼ばれる悪弊から改める必要がある。

 国会や地方議会の決算審査機能を高め、問題点と改善点を次の予算編成に反映させる仕組みも強化すべきだ。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月26日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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