路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【HUNTER2021.10.29】:「知る権利」「公共の利益」伝える責任|記者逮捕問題で道新労組が決意新た

2021-10-31 08:31:50 | 【報道=事実に裏打ちされた報道、ファクトチェック(事実検証)・フェイク(偽...

【HUNTER2021.10.29】:「知る権利」「公共の利益」伝える責任|記者逮捕問題で道新労組が決意新た

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.10.29】:「知る権利」「公共の利益」伝える責任|記者逮捕問題で道新労組が決意新た 

 北海道新聞の新人記者逮捕事件から4カ月が過ぎた10月下旬、同社労働組合の委員長が初めて同問題で取材に応じ、現場の取材の自由を守ることの意義などについて語った。事件への会社の対応については、引き続き真摯な説明を求めていくとしている。

◇  ◇  ◇

 札幌市内で筆者の取材に応じたのは、道新労働組合の中央執行委員長・安藤健さん(48)。新人記者逮捕事件翌月の7月中旬に委員長の任に就き、まさに“最初の仕事”として逮捕問題に取り組むことになった。同委員長ら新執行部は着任早々に組合員アンケートを実施、社内説明などを求める現場の声を反映した要望書を会社に寄せ、9月上旬の全社説明会を実現させている。機関誌では8月下旬から「取材の自由とは」をテーマに全国紙記者などのインタビューを連載したほか、若手組合員の座談会なども企画した。

 そうした取り組みを通じて訴えたいのは、「知る権利」と「取材の公益性」の意義。事件を機に現場が萎縮するようなことはあってはならず、そのためにはまず読者・市民の信頼を得なければならないと、安藤さんは言う。

 「事件の第一報で、編集局が逮捕を『遺憾』としたのは残念でした。あの段階で『不当逮捕』とまでは言えなかったとしても、せめて逮捕行為に疑問を呈することはできたんじゃないか。一般の読者が『記者が法律違反をした』という印象を強く受けることになった可能性があり、会社として『知る権利』の意義について説明責任を果たせていなかったと思います」

 事件後、SNSなどには「違法取材をした記者は逮捕されて当然」といった趣旨の匿名投稿が相継いだ。核心に迫ろうとする取材行為を安易に「違法」とみなす公的機関への疑問は、そこには見られない。「知る権利」が不当に侵されることは、結果として市民の不利益に繋がるにもかかわらず。

 事件そのものは不幸なことだったが、これを奇貨とし、改めて報道の意義を確認する議論を喚起したい――。安藤さんら労組幹部には、そんな思いがあるようだ。

 「組合員の間では、たとえば当初の実名報道などへの疑問が大きいのも事実です。私自身がデスクだったとしても、きっと匿名で報じたと思う。また当時の現場で何があったのか、真相をあきらかにしていくことも、もちろん大事です。ただ組合としては、最も大きな問題は『取材の自由』を守り抜くことではないかと考えています。報道機関の一員として、読者・市民に報道の公益性をきっちり伝えていく責任がある。それが結果として社員を守ることになり、ひいては読者の利益にもなるのではないかと」

 本来であれば、会社が果たすべき説明責任。4カ月を経た今もそれが充分に叶っているとはいえない中、道新労組は引き続き折に触れて社に説明を求めていく考えだ。

 「少なくとも3回、これから節目が訪れます。事件が検察に送致される時と、検察の処分が決まる時、そして社内で監督責任を負う人たちの処分を決める時。それぞれのタイミングで、社には真っ当な説明を求めていきたい」

 同問題をめぐっては、新聞労連が9月に「検証チーム」の発足を決めたところ( http://shimbunroren.or.jp/doshin-taiho3/ )。チームの取り組みには道新労組も協力していくことになるという。

 ※ 安藤委員長インタビューの詳報は、11月15日発売の月刊誌『北方ジャーナル』に掲載予定。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【話題・北海道新聞・「知る権利」】  2021年10月29日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.10.27】:【速報】指宿市議が酔ってタクシー運転手に暴行|豊留市長も飲食参加 

2021-10-31 08:31:30 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER2021.10.27】:【速報】指宿市議が酔ってタクシー運転手に暴行|豊留市長も飲食参加

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.10.27】:【速報】指宿市議が酔ってタクシー運転手に暴行|豊留市長も飲食参加 

 25日夜、鹿児島県指宿市の坂元茂教市議会議員(55)が、市内の温浴施設で飲酒を伴う会合に参加。その帰りに、乗車していたタクシーの運転手男性に暴行し、重傷を負わせていたことが分かった。被害にあった運転手の男性は指宿市内の病院に入院している。

 ハンターの取材に応えた坂元市議は、暴行の事実を認めた上で、「議員辞職につい て、考えているところ」とコメント。会合に、豊留悦男指宿市長が出席していたとの情報があるため確認を求めたが、「個人的なことなので、答えられない」と回答を拒否している。

◇  ◇  ◇

 事件が起きたのは、25日の夜9時頃。市内にある温浴施設で飲食していた坂元市議は、他の関係者らとタクシーに乗って帰路についた。

 その途中、市内にある成川トンネル付近で男性運転手の運転テクニックに怒りだした坂元市議は、突然激高して運転席を後ろから何度も蹴り、次いで運転手の男性を繰り返し殴打。暴行された男性は、直後の夜9時半頃、市内の病院に駆け込んでいた。顔をボコボコにされた男性のけがは重く、現在も入院している。

 議員の暴力行為は辞職が当然の愚行だが、問題はそれだけにとどまらない。

 25日夜の会合には、豊留市長が参加していたという情報がある。新型コロナウイルスの感染者が減少する状況ではあるものの、鹿児島県は「感染拡大警戒期間」として感染防止を呼びかけている。豊留市長も、市のホームページ上で「市民の皆さまにおかれましては、引き続き3密の回避、人と接するときのマスクの着用、手洗いそしてこまめな換気を心掛けるなど、感染防止対策の徹底をお願いします」と述べており、自粛の手本となるべき市長や市議が禁を破った格好だ。しかも、議員は深酒して暴行事件――。開いた口が塞がらない。

 27日、ハンターの電話取材に坂元市議は、暴行の事実を認めた上で「議員辞職については、考えているところ」と明言。豊留市長の飲食参加について確認を求めたが、「個人的なことなので、答えられない」と回答を拒否している。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【行政ニュース】  2021年10月27日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.10.25】:北海道の岸田首相演説にトラブルなし|「ヤジ排除」意識する警官たち

2021-10-31 08:30:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER2021.10.25】:北海道の岸田首相演説にトラブルなし|「ヤジ排除」意識する警官たち

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.10.25】:北海道の岸田首相演説にトラブルなし|「ヤジ排除」意識する警官たち 

 衆議院議員選挙期間中の22日、就任まもない岸田文雄総理大臣が北海道を訪れ、道内各地で与党系候補の応援演説に立った。遊説の場はいずれも屋外だったが、一昨年7月に札幌で発生したような「ヤジ排除事件」は起こらず、警戒にあたった警察官らが警察官職務執行法などを根拠に実力行使に及ぶ場面は見られなかった。

◇  ◇  ◇

 会場の1つとなった北海道10区管内のホテル前では、公明の前職候補の演説に岸田氏が駈けつけた。現職総理を迎えた聴衆は、そのほとんどがもともと与党支持者と思しい人たちで、周辺の様子は一昨年の札幌で見られた光景と重なる。来春に一審判決を控えるヤジ排除裁判の原告・大杉雅栄さん(33)は職場の休憩時間を利用して同会場に足を運び、街宣車の斜め前に陣取った。すぐに地元報道関係者がその姿を認め、次々に声をかけてくる。周辺には一目でそれとわかる私服警察官たちが配備され、付近を通りかかる市民らの整理にあたっていたが、彼らもまた大杉さんに気づいていたようだ。群衆の前を盛んに行き来する警察官の1人が、まさしくヤジ裁判の法廷で被告・北海道警の席に着いている人物だったのだ。時おり無線などで連絡をとり合う私服警官たちが大杉さんの存在を強く意識しているのは確実だった。

 候補者らの演説は1時間ほど続いたが、結果として一昨年のようなトラブルには到っていない。地域の支持者と距離が近い地元候補の演説でたびたび大きな拍手が起こったのとは対照的に、感染症対策や経済対策などを語った岸田文雄氏の応援演説は迫力に欠け、お世辞にも盛り上がったとは言えなかった。大杉さんを含め、現場の聴衆から与党批判の声が上がることはなく、また熱狂的な支持の声も上がらず、支持者の中にさえ岸田氏の演説中に会場を離れた聴衆がいたほどだ。当の岸田氏は地元候補者の名前を一度間違えたが、さいわいにも聴衆にはあっさり聴き流された。小さな拍手が一度起こったほかは、いかにも穏やかな集まりだった。

 興味深かったのは、それまで大杉さんを意識しつつも素知らぬ顔を決め込んでいた私服警官たちの動き。演説終了後、大杉さんが会場を後にして歩き出すと、極めて遅い歩速ながらもそれを追尾するように数人が同じ方向へ移動したのだ。

 道警の関係者によれば、ヤジ排除事件発生から今日までの2年間に各地の市民から道警に寄せられた苦情は、およそ1,000件ほど。いかにも無理のある警職法対応の理屈が世論に受け入れられないことを知った組織は、今回の首相演説の警護にあたってどのような警備方針を立てていたのか。その概要は知る由もないが、ヤジやプラカードなどで意志表示する参加者がついに登場しなかったことは、彼らにとってとりあえず幸いだったろう。

 「(岸田首相は)いろんなことを言ってましたが、そもそも与党なんだから、選挙で言う暇があったらとっとと実行すればいいのに」――大杉さんの率直な感想だ。全体として演説が印象に残らず、ヤジを飛ばす気にさえなれなかったという。

岸田首相はこの日、札幌を含む道内4カ所を回って応援演説に立ったが、いずれの会場でも大きなトラブルは報告されなかった。首相自身が2年前に札幌で起きた出来事を知っていたかどうかは、定かでない。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【話題・就任まもない岸田文雄総理大臣が北海道を訪れ、道内各地で与党系候補の応援演説・「ヤジ排除事件」】  2021年10月25日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:菅退陣の道筋つけたのは、やはり公明党・山口代表/10.23

2021-10-31 08:17:00 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:菅退陣の道筋つけたのは、やはり公明党・山口代表/10.23

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:菅退陣の道筋つけたのは、やはり公明党・山口代表/10.23 

 ★この選挙戦。与野党の候補者は予定通り菅政権のままで解散していたら、いったいどんな選挙になっていたかと想像するだろう。菅政権は選挙戦で前首相・菅義偉が雄弁に語るように、携帯電話の値下げや、デジタル庁設置、コロナワクチン100万回接種が自慢成果だ。

 ★20日の出陣式では前首相自身が地元3カ所を回り、「携帯を替えたら、かなり安くなる。家内も替えて8000いくらが3000円くらいになった」とし「コロナ対策の切り札はワクチンだと確信し、1人でも多く、1日も早く接種してもらう対策を責任を持ってやろうと決断した。1日100万回接種を行うと断言してしまい、批判されたが予想より早くできた」「国も地方もバラバラなシステムを統一する役所もなくデジタル庁も1年で発足。奇跡に近いと思う」と自画自賛した。だが、携帯電話は替えなければ安くならず、多くの国民が機種を替えたとは思えない。ワクチンにしても100万回の接種に至るまでの混乱国民不安政権失政からではなかったか。

  • JR戸塚駅前で「第一声」をあげる菅義偉前首相。演説の半分を新型コロナ対策にあてた

 JR戸塚駅前で「第一声」をあげる菅義偉前首相。演説の半分を新型コロナ対策にあてた

 ★また前首相は立憲民主党と共産党は「安全保障政策がない」と批判したが、菅政権に日米、日中、日朝、日ロの外交といえるものがあっただろうか。安全保障はまず首脳の外交が問われるべきではないだろうか。この菅政権国民自民党議員たちも不安を持っていた。だがそれを封印して選挙戦に突入するしかなかった。

“菅降ろし”を後押ししたも同然(都議会議員選挙の開票日、公明党の山口那津男代表)/(C)日刊ゲンダイ

 “菅降ろし”を後押ししたも同然(都議会議員選挙の開票日、公明党の山口那津男代表)/(C)日刊ゲンダイ

 ★7月5日のテレビで公明党代表・山口那津男は自民党総裁選を行ってから衆院選に臨むことが「望ましい」と発言。論戦や討論をする総裁選を嫌う首相の腹の内を承知で発言。当時の幹事長代行・野田聖子は「総裁選のあり方については、自民党自らが決していくものだ」と党内から「内政干渉」だと不快感が広まった。だが、結局、菅は事前の内閣改造もできずに退陣した。やはり菅退陣道筋をつけたのは山口だった。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年10月23日  08:45:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【衆院選2021】:麻生太郎氏「温暖化でコメうまく」発言に北海道農民連盟が抗議

2021-10-31 08:16:20 | 【地球温暖化・排出量取引・国連気候変動枠組み条約COP・IPCC・海水温上昇

【衆院選2021】:麻生太郎氏「温暖化でコメうまく」発言に北海道農民連盟が抗議

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【衆院選2021】:麻生太郎氏「温暖化でコメうまく」発言に北海道農民連盟が抗議 

 自民党の麻生太郎副総裁は25日、北海道小樽市で衆院選の公認候補と街頭演説し「温暖化のおかげで北海道のコメがうまくなった」などと発言した。道内の農家約2万3千戸でつくる「北海道農民連盟」の大久保明義委員長は26日、「温暖化を肯定するような発言は耳を疑う」と抗議の談話を出した。

 
街頭演説する自民党の麻生太郎副総裁(中央)=北海道内で2021年10月25日、高橋由衣撮影
街頭演説する自民党の麻生太郎副総裁(中央)=北海道内で2021年10月25日、高橋由衣撮影

 麻生氏は「温暖化と言うと悪いことしか書いていないが、いいことがある」と主張。道産のコメについて「昔、『やっかいどう米』と言うほど売れないコメだったが、うまくなった。温度が上がったからだ。それを輸出している。これが現実だ」などと述べた。

 農民連盟の大久保氏は「全国でも北海道米が高い評価を得ているのは官・民・農が一体となって協力した結果だ」として生産者の努力をないがしろにしていると非難した。

 岸田文雄首相も25日、京都市内で農業関係者と意見交換し「最近コメの品評会をやると、北海道が上位に食い込んで、東北や北陸が後れを取っている。間違いなく気候変動の結果だと思う」と語った。

 新型コロナウイルス禍による外食産業の苦境などを受け、コメの需要が落ち込み米価も下落する中、自民党は衆院選でコメ農家の支持獲得を目指し、米価の維持策などを公約に掲げている。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・衆院選2021】  2021年10月26日  22:29:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【衆院選2021】:麻生太郎氏「温暖化でコメうまくなった」地球温暖化を肯定する発言で波紋も

2021-10-31 08:16:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【衆院選2021】:麻生太郎氏「温暖化でコメうまくなった」地球温暖化を肯定する発言で波紋も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【衆院選2021】:麻生太郎氏「温暖化でコメうまくなった」地球温暖化を肯定する発言で波紋も 

 自民党の麻生太郎副総裁は25日、北海道小樽市で衆院選の公認候補と街頭演説し「温暖化のおかげで北海道のコメがうまくなった」などと発言した。地球温暖化を肯定するような発言で、波紋を呼びそうだ。

街頭演説する自民党の麻生太郎副総裁(中央)=北海道内で2021年10月25日、高橋由衣撮影

麻生太郎財務相(2019年12月23日撮影)麻生太郎財務相(2019年12月23日撮影)

 麻生氏は集まった有権者を前に「温暖化と言うと悪いことしか書いていないが、いいことがある」と主張。北海道産のコメについて「昔、『やっかいどう米』と言うほど売れないコメだったが、うまくなった。農家のおかげか、違う。温度が上がったからだ。それを輸出している。これが現実だ」などと述べた。

 岸田文雄首相も25日、京都市内で農業関係者と車座で意見交換し「最近コメの品評会をやると、北海道が上位に食い込んで、東北や北陸が後れを取っている。間違いなく気候変動の結果だと思う」と語った。

 同時に「農業はやはり自然を相手にしている。気候変動は日本の農業にも大きな影響がある」とも述べた。

 新型コロナウイルス禍による外食産業の苦境などを受け、コメの需要が落ち込み米価も下落する中、自民党は衆院選でコメ農家の支持獲得を目指し、米価の維持策などを公約に掲げている。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・衆院選2021】  2021年10月26日  10:16:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田首相】:麻生氏の「温暖化で北海道のコメうまくなった」発言を陳謝

2021-10-31 08:15:30 | 【地球温暖化・排出量取引・国連気候変動枠組み条約COP・IPCC・海水温上昇

【岸田首相】:麻生氏の「温暖化で北海道のコメうまくなった」発言を陳謝

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田首相】:麻生氏の「温暖化で北海道のコメうまくなった」発言を陳謝 

 岸田文雄首相(自民党総裁)は26日夜のBSフジ番組で、麻生太郎自民党副総裁が北海道小樽市での街頭演説で「温暖化のおかげで北海道のコメがうまくなった」と発言したことに関し「適切ではなかった。申し訳ないと思う」と陳謝した。

写真・図版
 
  新しい資本主義実現会議の初会議で、発言する岸田文雄首相=2021年10月26日午前9時29分、首相官邸、上田幸一撮影

自民党の麻生太郎副総裁(2021年10月22日撮影)自民党の麻生太郎副総裁(2021年10月22日撮影)

 立憲民主党の枝野幸男代表は「農家の皆さんを傷つけるもので、許しがたい」と批判した。宮崎市内で記者団に語った。

 首相は「お米は関係者の皆さんが絶えず品種改良など大変な努力をされ、その積み重ねでおいしくなっている」と強調。気候変動は、災害や農産物にも影響を及ぼす地球規模の課題だとして、発言は不適切だったと表明した。

 枝野氏は麻生氏の発言について、農家だけではなく水産業も温暖化の影響を受けているとし「あまりにもデリカシーがなさ過ぎ、草の根の暮らしが分かっていない」と指摘。これに先立ち、宮崎市の街頭演説では「麻生氏はまた問題発言をした。この人にはそろそろ国民の皆さんが『駄目だ』と言わないといけない」と訴えた。

 れいわ新選組の山本太郎代表は千葉県船橋市で記者団に「自民党は農業を軽く扱っており、麻生氏は農業をなめている。即刻退場レベルの話だ」と強調した。

 松野博一官房長官は記者会見で、麻生氏の発言に関し「コメントは差し控えたい」と明言を避けた。同時に「既に全国で気温上昇による品質低下の影響が確認されている」とも述べた。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・衆院選2021・麻生太郎自民党副総裁が北海道小樽市での街頭演説】  2021年10月26日  22:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【第49回衆院選】:与野党9党首、日本列島を走破した距離は?

2021-10-31 05:00:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【第49回衆院選】:与野党9党首、日本列島を走破した距離は?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【第49回衆院選】:与野党9党首、日本列島を走破した距離は?

 衆院選は30日で12日間の選挙戦を終えた。与野党9党首は日本列島を走破して支持を訴えた。各党の発表によると、公示日の19日から30日までに自民、立憲民主、公明、共産、国民民主、社民各党の6党首が1万キロ超を移動。訪問した都道府県数は、自民と立憲、国民の3党首が20を超えた。遊説距離は、共同通信が集計した党の分も含めて計8万9919キロ。地球を2周(1周約4万キロ)以上回った計算になる。

 

 自民党総裁の岸田文雄首相は福島で遊説を始め、9党首トップの24都道府県に応援に入った。移動距離は1万4920キロ。初日に北朝鮮の弾道ミサイル発射後も遊説を続けたとして、野党から「危機管理の意識が足りない」と批判を浴びた。終盤はチャーター機を使って全国を精力的に駆け巡った。

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 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 政治 【政局・選挙・衆院選2021】  2021年10月31日  05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【松尾貴史のちょっと違和感】:大音量、名前連呼の選挙カー 無駄では?

2021-10-31 02:06:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【松尾貴史のちょっと違和感】:大音量、名前連呼の選挙カー 無駄では?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【松尾貴史のちょっと違和感】:大音量、名前連呼の選挙カー 無駄では? 

 東京・下北沢には広い道が少なく、一方で歩行者は随分と多い。「下北沢駅入口」という信号から、1車線一方通行の道に、ある政党の選挙用街宣車が入り込んで立ち往生していた。動いている間は候補者の名前の連呼を一様にうるさそうに見ていた人も多いが、放送をやめてしまったので、周りを歩く人々(ほとんどが若い人たち)は「何だろう」という関心を示すわけでもなく通り過ぎて行く。車を停止したら候補者の連呼をやめなければならないので、ただ車の上の看板が無粋なだけの状況だ。

 
松尾貴史さん作
松尾貴史さん作

 道を変えようと思ったのか、助手席からおじさんが降りてきて、車の後ろに立って「オーライ、オーライ」と誘導している姿が、その政党の行く末を暗示しているのだなあと苦笑して通り過ぎたが、この連呼カーとも呼びたくなるシステムは、どうにかならないものだろうか。

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 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【コラム・松尾貴史のちょっと違和感】  2021年10月31日  02:06:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:視点・総選挙 沈む科学立国 実利最優先から転換を=論説委員・永山悦子

2021-10-31 02:05:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

《社説①》:視点・総選挙 沈む科学立国 実利最優先から転換を=論説委員・永山悦子

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:視点・総選挙 沈む科学立国 実利最優先から転換を=論説委員・永山悦子 

 日本の研究力の低迷が続いている。

 文部科学省の調査によると、世界の研究者に多く引用される論文のランキングで、日本は過去最低の10位に落ち込んだ。中国が米国を抜いてトップに躍り出た。

 岸田文雄首相は、成長戦略の第一の柱に「科学技術立国の実現」を掲げる。衆院選では与野党が研究への投資拡大や研究者の処遇改善を公約に盛り込んだ。 

 しかし、実利に偏った政策の方向性を変えないままでは、実現できるとは思えない。

 2019年の官民の研究開発費は18兆円だった。この10年間、ほとんど増えていない。

 政府は、限られた資金を有効に活用するとして「選択と集中」を進めてきた。すぐに成果が出る研究や、産業などに役立つテーマが優先されるようになった。軍事にも応用できる研究を推進する動きも強まっている。

 国立大の運営を支える国の交付金が減り続けた結果、自由な発想に基づく研究に使える資金が不足している。 

 人材も先細りだ。任期制のポストが増え、研究者の身分は不安定になっている。博士号取得者は06年度をピークに減少傾向にある。

 研究者の卵である大学院生も厳しい環境に置かれている。生活費や学費を賄うため、長時間のアルバイトを強いられる人が少なくない。 

 政府は今年度中に、10兆円規模の大学ファンドを始動させる。運用益を大学に配分し、研究や若手支援に充てるという。

 ただし、経営手腕を持つ学長を置くなど組織改革を進めることが配分を受ける条件となる見通しだ。経営効率が優先されれば、幅広い研究の支援はおぼつかない。 

 科学は一日で実を結ぶものではない。何に役立つかすぐに分からなくても、将来、花を咲かせる地道な研究がある。

 気候を予測するモデルの開発でノーベル物理学賞に決まった真鍋淑郎(しゅくろう)さんは「気候変動がこれほど問題になるとは夢にも思わなかった。好奇心で研究してきただけだ」と振り返る。

 そもそも長い目で育てるべき科学技術を、成長戦略の手段と位置付けるのはそぐわない。実利最優先を改め、科学技術立国のあり方を中長期的な視点で議論することが求められる。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年10月30日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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《社説①》:視点・総選挙 選択的夫婦別姓 候補の賛否見極めよう=論説委員・北村和巳

2021-10-31 02:05:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

《社説①》:視点・総選挙 選択的夫婦別姓 候補の賛否見極めよう=論説委員・北村和巳

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:視点・総選挙 選択的夫婦別姓 候補の賛否見極めよう=論説委員・北村和巳 

 衆院選では野党だけでなく、与党の公明党も選択的夫婦別姓の導入を掲げている。

 自民党だけが公約の中で触れていない。党内で賛否が割れ、結論が出ていない。

 しかし、人権に関わる重大な問題だ。先送りはできない。

 姓が変わることで、自分が自分でなくなるとの思いを抱く人は多い。それまでの業績や経歴が周囲に認識されにくくなるなど、仕事上も支障がある。

 現在の制度では、カップルのどちらかが姓を変えなければ、婚姻届が受理されない。夫婦としての権利が十分に保障されないリスクを承知で、事実婚を選ぶケースも少なくない。 

 夫婦の96%は妻が改姓している。憲法が保障する婚姻の自由や男女の平等にそぐわない。

 日本以外に夫婦同姓を義務づける国はない。国連の機関から何度も是正を勧告されている。

 反対する議員は「家族の一体性が損なわれる」と訴えてきた。同じ姓であることが家族の証しとの考え方だ。

 改姓に伴う不利益は、旧姓を通称として使うことで解消できると主張する。

 だが、根本的な解決にはならない。公的な手続きでは戸籍上の姓しか使えず、二つの姓を使い分ける負担は重い。 

 反対派は最近、子どもの姓を巡って混乱が起きかねないと強調している。賛成派だった岸田文雄首相も、慎重派に転じた理由に挙げている。

 しかし、子どもの姓をどうするかは、夫婦の考えを尊重すればいい。子どもが成長したら、希望に応じて変えられる仕組みがあれば対応できる。 

 離婚が珍しくなくなり、今や結婚の4件に1件は再婚だ。現在は、連れ子が改姓するか、改姓を避けるため戸籍を分けるかなどの選択を強いられる。

 誰もが自分の考えに基づいて生きる権利がある。選択的夫婦別姓は、その象徴的な問題だ。夫婦同姓を望む人を否定する制度ではなく、多様な生き方を認めるものだ。 

 自民党でも賛成議員が増えているが、法制化の見通しは立っていない。党内事情を理由に国会での議論が始まらないのは、理不尽というほかない。

 毎日新聞が実施したアンケートでは、衆院選候補者の72%が導入に賛成し、自民党でも27%が支持した。各候補者の賛否を見極めて投票に臨みたい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年10月29日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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《社説①》:視点・総選挙 孤独・孤立対策 危機感を緩めず着実に=論説委員・玉木達也

2021-10-31 02:05:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

《社説①》:視点・総選挙 孤独・孤立対策 危機感を緩めず着実に=論説委員・玉木達也

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:視点・総選挙 孤独・孤立対策 危機感を緩めず着実に=論説委員・玉木達也

 新型コロナウイルスの感染拡大で孤独・孤立の問題がクローズアップされた。

 衆院選では与野党がコロナ対策や経済政策を競い合う一方、この問題の議論が十分になされているとは言いがたい。

 コロナ下で非正規労働者やフリーランスの人が雇用の調整弁として職を奪われ、生活に困窮するケースが相次いだ。正社員に比べ孤立しやすく、公的な支援が十分に届いていないことも浮き彫りになった。 

 昨年は11年ぶりに自殺者が前年を上回り、今年も増加傾向を示している。コロナ不況の影響で、望まない孤独や社会的孤立が深刻化したことが要因の一つとして指摘されている。

 菅義偉前首相は2月、対策にあたる専門部署を内閣官房に新設し、担当相を置いた。しかし、実態調査など本格的な取り組みはこれからだ。 

 生活スタイルの変化に伴い、家庭や職場、地域でのつながりが薄れ、将来に不安を覚える人はコロナ前から増えていた。

 取材を通じて、あるシングルマザーの存在を知った。

 夫の暴力で離婚し、実家に戻って親や子供の世話をしながら家計を支える。昼と夜の仕事を掛け持ちし心身ともに疲弊していた。だが、周囲の偏見を恐れて助けを求めることができず、育児や介護などの行政サービスも利用していなかった。 

 背景には、困難な状況を「自己責任」と見なしがちな風潮が近年、高まっていることがある。しかし、孤独・孤立は社会の問題と捉えるべきだ。

 自殺対策が参考になる。長らく個人の問題とされてきたが、2006年に対策基本法が施行され、社会的な問題と位置付けられた。国と自治体に対策の実施が義務付けられ、国民の理解も進んだ。 

 コロナの感染状況が落ち着き始め、孤独・孤立の問題が見えづらくなる恐れがある。だが政治は、苦しんでいる人の存在を忘れてはいけない。

 なぜ、つながりが絶たれたのか。どのような環境に置かれ、何を求めているのか。まず、現状を正確に把握することが必要である。

 「SOS」を出せなくなっている人々の声に耳を傾け、手をしっかりと差し伸べるのは政治の役割のはずだ。危機感を緩めず、着実に対策を進めなければならない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年10月28日  02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:視点・総選挙 福島の10年 「対話」を仕切り直す時=論説委員・永海俊

2021-10-31 02:05:10 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・処理水の海洋放出と環境汚染

《社説①》:視点・総選挙 福島の10年 「対話」を仕切り直す時=論説委員・永海俊

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:視点・総選挙 福島の10年 「対話」を仕切り直す時=論説委員・永海俊

 東京電力福島第1原発事故から10年の節目に迎えた衆院選である。各党は公約に福島の復興を掲げてはいるが、残念ながら大きな論点にはなっていない。

 政府の復興政策の力点は、従来の帰還促進から、新しい住民の移住支援に移りつつある。帰還の動きが頭打ちの傾向にあるためだ。

東京電力福島第1原発を視察する岸田文雄首相。左奥は3号機=福島県大熊町で2021年10月17日午前10時(代表撮影)

 そうした中で課題となっているのは、帰還した住民が安心して暮らせる環境の整備だ。

 古里に戻った住民には高齢者が多い。かつての友人や近所の人と離ればなれになった上、移住してきた人との関係をうまく築けず、孤立感を深めている人が少なくない。

 移住を促進して人口を増やし、産業を興せば、自治体として形の上では復興を果たしたことになるだろう。だが、コミュニティーの再生が進まなければ、住民が置き去りにされる。

 そうした中で課題となっているのは、帰還した住民が安心して暮らせる環境の整備だ。

 古里に戻った住民には高齢者が多い。かつての友人や近所の人と離ればなれになった上、移住してきた人との関係をうまく築けず、孤立感を深めている人が少なくない。

 移住を促進して人口を増やし、産業を興せば、自治体として形の上では復興を果たしたことになるだろう。だが、コミュニティーの再生が進まなければ、住民が置き去りにされる。 

 復興政策は主に自治体の首長らとの協議で決まり、当事者である住民の声は十分に反映されてこなかった。

 たとえば今年、第1原発で発生する処理水の海洋放出が決まったが、漁業者の反発は収まっていない。政府が「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と約束していたのに、頭越しに決定されたからだ。

 帰還困難区域については、希望者全員が2020年代のうちに戻れるように避難指示を解除する方針を示した。だが、多くの住民が望む全域の除染は見通しが立っていない。 

 いずれも政治家が現地に足を運び、対話を尽くした上で判断すべき事柄だが、対応が十分とは言えなかった。

 第1原発が立地する福島県双葉町から埼玉県加須市に避難している吉田俊秀さん(73)は「住民ごとに課題はさまざまだ。政治家は住民の声を直接聞いてほしい」と訴える。 

 吉田さんは避難者でつくる「双葉町埼玉自治会」の会長を務める。年1回、町幹部らを迎え、復興について意見を交わすが、そうした場に政治家が来ることはないという。

 福島の問題は終わっていない。むしろ復興政策が曲がり角に差し掛かり、新たな課題が浮上している。解決への道筋をつけることは政治の責任である。

 まずは対話を仕切り直すことが必要だ。目指す地域像を、政府と自治体、住民が共有することから始めなければならない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年10月27日  02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:視点・総選挙 保守本流争い 守るべきは民主政治だ=論説委員・与良正男

2021-10-31 02:05:00 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

《社説①》:視点・総選挙 保守本流争い 守るべきは民主政治だ=論説委員・与良正男

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:視点・総選挙 保守本流争い 守るべきは民主政治だ=論説委員・与良正男 

 就任直後の岸田文雄首相の所信表明演説で驚いた点がある。「改革」の2文字を一切、使わなかったことだ。

 後に岸田氏は「改革という言葉には市場原理主義、弱肉強食など冷たいイメージがある」と説明した。

与良正男記者=西夏生撮影

 確かに、この30年近く、「改革」と言いさえすれば国民に支持されるといった政治が続いてきた。改革に異を唱える政治家は「守旧派」「改革抵抗勢力」とのレッテルも貼られてきた。

 岸田氏は「守る」ことも必要だと言いたいのだろう。そこには「私は保守政治家だ」という強い自負心が見て取れる。

 岸田氏が率いる自民党の派閥「宏池会」は1957年、池田勇人が創設した。池田は首相に就いた後、「所得倍増計画」を打ち出したことで名を残す。 

 宏池会はハト派と呼ばれ、長く「保守本流」を自任してきた派閥である。だが、最近は党内のタカ派に押され、首相を輩出するのは岸田氏が30年ぶりだ。

 一方、立憲民主党の枝野幸男代表もかねて「私が保守本流を継いでいる」と言っている。国民民主党の玉木雄一郎代表も、宏池会第3代会長の元首相、大平正芳を尊敬し、その言葉をしばしば引用している。 

 今回の選挙は、そんな「保守本流」争いでもある。

 いずれも重んじているのは寛容さだ。強権的な手法が目立った安倍晋三元首相や菅義偉前首相の政治に問題があったと与野党が認めている点は重要だ。

 「保守は右、リベラルは左」という図式だけでは語れない時代でもあるのだろう。

 では保守とはそもそも何か。

 源流は18世紀後半のフランス革命を否定的に論じた英国の思想家、エドマンド・バークの考え方にあるという。 

 これに詳しい中島岳志東京工業大教授は「自分とは異なる意見を聞き、合意形成をして着地点を見いだしていくのが保守だ」と言う。

 今回、引退した自民党の伊吹文明元衆院議長も同様に「保守とは謙虚な思想で、『自分は間違う』ということを根本に置いている」と語っている。

 権力者は謙虚を旨とする――。これは保守というより、民主政治の基本そのものだろう。

 崩れかけた民主政治を、与野党のどちらが本当に立て直せるのか。それを私たち有権者が判断する選挙である。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年10月26日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:視点・総選挙 本土と沖縄 思考停止から脱する時=論説委員・西田進一郎

2021-10-31 02:04:50 | 【日米安保・地位協定・在日米軍・沖縄防衛局・普天間移設・オスプレー・米兵犯罪】

《社説①》:視点・総選挙 本土と沖縄 思考停止から脱する時=論説委員・西田進一郎

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:視点・総選挙 本土と沖縄 思考停止から脱する時=論説委員・西田進一郎 

 戦後、米国の統治下にあった沖縄の施政権が返還されてから、来年5月で50年を迎える。

 節目を前にした衆院選であるが、沖縄を巡る論戦は低調だ。本土の無関心が沖縄との分断を深めることを危惧する。

 安倍晋三元首相や菅義偉前首相は、沖縄の気持ちに「寄り添う」と繰り返した。だが実際には、歴代の自民党政権に比べても冷淡な対応をとり続けた。 

 住宅地に隣接する米軍普天間飛行場=沖縄県宜野湾市で2021年5月14日午後0時12分、喜屋武真之介撮影

 知事選や県民投票で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に反対の民意が再三示された。にもかかわらず、無視して埋め立て工事を強行した。

 軟弱地盤が見つかり、実現の見通しが不透明になっても「唯一の解決策」と繰り返すだけだった。埋め立て土砂を沖縄戦の戦没者の遺骨が眠る地域で採取する計画を立て、批判を浴びても取り下げなかった。 

 県民の怒りは、国政選挙の結果にも表れている。第2次安倍内閣以降、与党は国政選挙で圧勝し続けたが、沖縄ではほとんどの選挙区で負けた。

 それでも、政府と与党はその民意を受け止めてこなかった。

 沖縄は県民の4人に1人が犠牲となった凄惨(せいさん)な地上戦を経験しながら、1952年に日本が独立を回復した際、取り残された。本土復帰にあたっても、経済格差や基地負担という重荷を背負わされた。 

 復帰に先立つ71年、衆院は政府に「米軍基地の速やかな将来の整理縮小の措置」を求める決議を全会一致で可決した。

 しかし、半世紀たっても、国土面積の約0・6%の沖縄に全国の米軍専用施設の7割が集中する状況が続く。 

 岸田文雄首相は所信表明演説で「対話による信頼を地元の皆さんと築き、基地負担軽減に取り組む」と述べた。ただ、解決への熱意は感じられなかった。

 米中対立が激化する中、沖縄はその最前線に立たされている。だが、それが過重な負担を押しつけ続けることを正当化する理由にはならない。

 米軍は世界規模で部隊配置などの見直しを検討している。安全保障環境の転換期であり、日米の役割や任務の分担なども変わる可能性がある。

 政府は、米軍施設の配置や日米地位協定の見直しを含め、沖縄の負担軽減を提起すべきだ。「米国がのむはずがない」という先入観にとらわれた思考停止から抜け出さねばならない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年10月25日  02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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