路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《社説①・12.03》:適正評価基準案 監視の懸念残したまま

2024-12-03 09:31:50 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

《社説①・12.03》:適正評価基準案 監視の懸念残したまま

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.03》:適正評価基準案 監視の懸念残したまま 

 経済安全保障の名の下、民間企業や大学の研究者、技術者らが広く、政府による監視の対象にされかねない。重大な懸念が置き去りにされたままだ。

 重要経済安保情報保護・活用法に基づき、機密情報を扱う資格を認定するセキュリティー・クリアランス(適性評価)である。政府が運用の基準案を公表した。

 秘密保護法制を産業・経済の分野に拡大し、国による情報の統制と監視を一段と強化する法だ。先の通常国会で成立し、来年5月までに施行される。

 防衛や外交上の機密情報に関する特定秘密保護法の下で、主に公務員が対象だった適性評価の間口が大きく広がる。犯罪歴、飲酒、借金、精神疾患といった機微な個人情報が、身辺調査によって洗い出されるだけではない。

 国や国民の安全を害する活動、社会に不安や恐怖を与える活動との関わりが、調査事項として挙げられている。国家機密の保全を理由に素行が探られ、思想・信条の調査につながる恐れがある。

 基準案は、基本的な考え方として、プライバシーの保護や、法に明示した項目以外の調査の禁止、評価結果の目的外利用の禁止を掲げた。身辺調査は、対象者本人の同意を前提とする。

 しかし、調査や集めた情報の取り扱いが適正に行われているかどうかを、外部から確かめるすべはない。政府から独立した機関が運用を監視し、是正を図る仕組みは設けられていない。

 国会の審議で法案が修正され、運用状況を政府が国会に報告し、公表することが定められはした。とはいえ、どこまで明らかにするかは政府に委ねられている。おのずと限界は明らかだ。

 調査は、家族や同居人の氏名、生年月日、国籍にも及ぶ。適性評価を受ける本人がそのことを家族らに伝えるのは構わないが、同意は必要とされていない。

 調査を担う機関は首相の下に置かれる。当局による秘密裏の情報収集が、また新たな法の後ろ盾を得た形だ。情報が一元的に集約されることで、監視に結びつく危険はいっそう強まる。

 何が経済安保上の機密情報にあたるのかは、運用基準案でも明確になっていない。機密の範囲が歯止めなく広がり、主権者の知る権利が損なわれる懸念も大きい。

 秘密法制をなし崩しに拡大する危うさについて、審議が尽くされたとは言いがたい法である。施行の先送りを視野に、国会で根本から議論し直すべきだ。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月03日  09:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:適性評価制度 懸念残した拡大許さぬ

2024-03-08 07:53:50 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【社説①】:適性評価制度 懸念残した拡大許さぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:適性評価制度 懸念残した拡大許さぬ 

 政府は機密情報の指定を経済分野に広げ、セキュリティー・クリアランス(適性評価)で情報取扱者を限定する「重要経済安保情報保護・活用法案」を国会に提出した。特定秘密保護法の民間への拡大版。国民の知る権利やプライバシー権を侵害しかねず、法案撤回を含む抜本見直しを求めたい。
 
 政府は、民間での国際共同開発などの推進には欧米並みの情報保全が必要であり、適性評価は不可欠な制度だと説明するが、法案には議会制民主主義や人権を脅かしかねない懸念材料も多い。
 
 重要経済情報の漏えいには5年の拘禁刑などが科せられるが、どんな情報が該当するのか、現時点では不明だ。情報の指定や解除は法成立後に政府が定めるとされており、国会での法案審議でも明らかにされない恐れがある。
 
 政府が重要と考える情報を独断で機密情報に指定できれば、都合の悪い情報を隠す手段にもなりかねず、国民の知る権利は著しく侵されかねない。米国には政府の違法行為を機密に指定することを禁じる大統領令があるが、この法案にそうした歯止めもない。
 
 経済界は総じてこの法案を歓迎するが、自由な経済活動が損なわれるとの指摘もある。軍事、民生双方で利用できるデュアルユース技術の指定が可能になれば、機密の枠が際限なく広がるからだ。
 
 特定秘密保護法で導入された適性評価制度の対象は、民間企業の従業員や研究者にも拡大されることになり、対象者は思想信条や犯罪歴、精神疾患、借金、家族や同居人の国籍などプライバシーについての身辺調査が行われる。
 
 評価の実施は本人の同意が前提とされるが、従業員が会社からの要請を断れるだろうか。事実上の強制になりかねない。加えて、原則30年まで延長が可能な機密指定の期間中、取扱者は退職や転職をしても守秘義務が課せられ、監視の重圧から逃れられない。
 
 機密指定や適性評価の状況を独立して検証する仕組みはなく、特定秘密保護法ですらあった国会への報告もない。内閣府の独立公文書監が検証を担うとするが、身内のチェックのみでは不十分だ。
 
 国民がプライバシーを委ねる前提は政府への信頼だが、今の政府が信頼に足るとは思えない。運用が適正かどうか外部から検証できる仕組みを欠いたまま、適性評価を民間に拡大すべきではない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年03月06日  07:09:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【視点】:適性評価制度の拡大法案 「地上げ屋」化する政府 論説委員兼編集委員・田原牧

2024-03-05 07:56:20 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【視点】:適性評価制度の拡大法案 「地上げ屋」化する政府 論説委員兼編集委員・田原牧

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【視点】:適性評価制度の拡大法案 「地上げ屋」化する政府 論説委員兼編集委員・田原牧

 まるで「地上げ屋」だ。

 昨今の政府の手法についてである。今国会で審議されるセキュリティー・クリアランス(適性評価)制度の拡大を含む重要経済安保情報保護・活用法案もその一つだ。
 
 土地取引は原則任意だが、地上げ屋は地権者が土地を手放さざるを得なくなるまで、あの手この手で追い込むブローカーだ。バブル崩壊でついえたと思っていたが、ここ数年、復活しているようだ。
 
 適性評価制度は10年前に施行させた特定秘密保護法で導入された。政府指定の機密情報を扱う有資格者を限定するために、政府機関が思想信条や犯罪歴、借金、精神疾患、飲酒の節度、家族や同居人の国籍などを身辺調査する。
 
 今回は機密情報の範囲を経済分野に拡大するため、従来の公務員主体から民間人に対象が広がる。プライバシー調査ゆえ強制はできず、適性評価を受けることは「任意」。断っても不利益はないという口上が添えられている。
 
 だが、この任意が曲者(くせもの)だ。雇用者と被雇用者の力関係は非対称だ。果たして会社からの要請を従業員が拒めるだろうか。「断るということは何か訳ありなのか」。暗黙の圧力がかかる。少なくとも従来の業務からは外されよう。
 
 似たケースがマイナ保険証だ。元となるマイナカードの取得は任意である。ところがご存じの通り、政府は現行の健康保険証の廃止によってマイナカード取得を事実上、義務化するという挙に出た。
 
 何の不自由もない現行の健康保険証を取り上げることで無理やりマイナカードを取得させようというのである。
 
 建前は任意なので、マイナカードの取得を拒む人には最長5年間有効な資格確認書を発行する。認知症などの人には暗証番号抜きのカードをあてがい、システム環境が整わない地域には「資格情報のお知らせ」という紙を配る。わざわざ面倒をつくるのだ。
 
 適性評価制度もマイナ保険証も、本人意思という任意原則は形式的に維持しつつ、現実には不利益を強いることで経済界におもねった政策を押し付ける。政府の地上げ屋化としか言いようがない。
 
 いわば詐術だが、いまに始まった話ではない。広義には兵器を「防衛装備品」と呼ぶこともその一端だろう。
 
 2004年に自衛隊のイラク派遣を巡り、当時の小泉純一郎首相は党首討論で「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域」とうそぶいた。思えば、あのころからこうした悪弊が加速した印象がある。
 
 あからさまな不誠実と非倫理性。それは社会をも汚染している。へ理屈とはぐらかしに染まっているネット空間での「論争」がその一例だ。
 
 言葉が信用を失えば、その先にあるのは暴力の喚起だ。安倍晋三元首相の殺害もそうした趨勢(すうせい)と無縁ではない。
 
 地上げされるのは私たちである。抗(あらが)い続ける中で言葉と人間同士の信頼を取り戻したい。
 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【視点】  2024年03月05日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政府】:高市早苗担当大臣も「まだ分からない」連発なのに…「経済安保情報保護法案」を閣議決定 識者の見方は?

2024-02-28 06:10:50 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【政府】:高市早苗担当大臣も「まだ分からない」連発なのに…「経済安保情報保護法案」を閣議決定 識者の見方は?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政府】:高市早苗担当大臣も「まだ分からない」連発なのに…「経済安保情報保護法案」を閣議決定 識者の見方は? 

 政府は27日、国が指定した経済安全保障上の機密情報を扱う人を認定する「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度の導入を盛り込んだ「重要経済安保情報保護・活用法案」を閣議決定し、国会に提出した。今国会での成立を目指す。国民の知る権利やプライバシーが侵害される恐れがある法案だが、どんな情報が機密情報に指定されるか基準がはっきりせず、指定の適切性をチェックする国会の関与もない。政府の恣意(しい)的な運用への懸念が残る。(川田篤志)

◆「情報」を漏えいすれば最長5年の拘禁刑

 法案は防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野の情報保全を目的にした2014年施行の特定秘密保護法の「経済安保版」。同様の制度がある欧米各国と足並みをそろえることで、当局間の情報共有や、関連技術を巡る企業間の国際共同開発の推進を目指す。
 
 政府はインフラや重要物資のサプライチェーン(供給網)に関して国が保有する情報のうち、漏えいすると安全保障に支障がある恐れがあるものを「重要経済安保情報」に指定。インフラ保護などを行う企業や研究機関で政府の基準を満たした「適合事業者」の従業員らは、適性評価で認定されれば情報提供を受ける。
 
 
 情報を漏えいすれば、最長5年の拘禁刑が科されるが、何が「重要経済安保情報」に当たるのかの基準はあいまいなままだ。法案を担当する高市早苗経済安保担当相は27日の記者会見で、具体例や想定される指定件数について「まだ分からない」と繰り返した。

 ◆重要経済安保情報 国民生活や経済活動にとって重要なインフラや物資のサプライチェーン(供給網)に関し、(1)外部行為から保護する措置や研究(2)脆弱(ぜいじゃく)性や革新的技術(3)保護措置について外国や国際機関から収集した情報-などのうち、公になっておらず、漏えいが国の安全保障に支障を与える恐れのあるもの。指定期間は5年以内だが、30年まで延長でき、さらに内閣の承認があれば60年まで延長できる。

 ◆飲酒の節度も犯罪歴も家族の国籍も調べられる

 適性評価は、本人の同意の上で、飲酒の節度や経済状況、犯罪歴のほか家族の国籍などを調べられ、公務員のほか、民間企業の従業員も幅広く対象となるが、どれほど膨らむか「積算は現時点で難しい」(政府関係者)という。
 
 情報の指定や解除、適性評価の認定基準は、同法成立後に政府が定めるため、法案審議を通じても明らかにならない恐れがある。さらに、指定や適性評価の実施状況は国会に報告されない。適切かどうかの監視は内閣府の独立公文書管理監が担うが、行政組織内でのチェックにとどまる。
 
 政府はこれまで与党に対し、指定されるのは政府が保有する情報に限るとしてきたが、民間事業者が独自に発見したサイバー攻撃に関する情報などが国に提供されれば、対象になり得るとの見解も示した。
 
                   ◇
 
 政府は、経済安全保障に関する機密情報の管理を厳格化する「重要経済安保情報保護・活用法案」について、今国会で成立を図る構えだ。10年前に施行した特定秘密保護法を経済分野に拡大する内容で、情報を取り扱う民間事業者が政府による身辺調査の対象になる。法案の必要性や懸念について、政府の有識者会議で座長代理を務めた東京大公共政策大学院の鈴木一人教授と、日弁連の情報問題対策委員会委員の三宅弘弁護士に聞いた。

 ◆鈴木一人教授「外国との共同研究、参加に必要」

 —法案の背景は。
 
 「特定秘密保護法では防衛、外交、スパイ・テロ防止の4分野に関する情報を特定秘密に指定し、それにアクセスできる人を限定してきた。だが、最近では宇宙など防衛に近いが防衛ではない分野、デュアルユース(軍民両用)分野がたくさん出てきて、欧米と共同研究をする場合、同等のセキュリティー・クリアランス(適性評価)がないと参加できない。情報流通の制約を取り払い、外国との最先端の共同研究に参加する『免許証』となる適性評価制度が必要とされている」
 
 —仕事で適性評価が事実上強制になるのでは。
 
 「本人の同意が前提だ。有識者会議でも入社前に適性評価が必要になることを告知するなど対応策を提言した。それでも組織から不利益な取り扱いを受けた場合、異議申し立てができる仕組みも設けるべきだ」
 
東京大公共政策大学院の鈴木一人教授(本人提供)

東京大公共政策大学院の鈴木一人教授(本人提供)

 —政府が新たに指定する重要経済安保情報は。
 
 「まず民間の情報をいきなり政府が指定することはないし、学術研究で公知のものも対象にならない。政府のお金や委託で開発した技術関連など、政府が保有する情報が前提になる」
 
 —例えばどんな情報か。
 
 「サイバー攻撃の攻撃元や手口に関する政府保有の情報は、民間のサイバーセキュリティー会社にとって対策上重要で、適性評価を受けた人に提供される。半導体や宇宙、原子力など重要物資の規制や守るべき技術に関する情報も入る。中国は、半導体の素材に使う希少金属のガリウムやゲルマニウムを輸出規制している。代わりの調達先など日本政府の調査分析で得られた情報は、半導体関連企業にとって必要になる」
 
 —特定秘密と異なり、指定状況の国会報告がない。
 
 「米議会では、適性評価を受けた議員だけで構成する委員会に限って報告する。日本の国会議員は情報漏えいのリスクでもあり、一切外に出さないなら国会報告はあってもいい」(聞き手・川田篤志)

 ◆鈴木一人(すずき・かずと) 1970年、長野県生まれ。専門は国際政治経済学、科学技術政策論。著書に『宇宙開発と国際政治』(岩波書店)など。政府の「経済安全保障分野におけるセキュリティー・クリアランス制度等に関する有識者会議」の座長代理。

◆三宅弘弁護士「首相の下に個人情報が集約される」

 —法案をどう見るか。
 
 「政府が指定する重要経済安保情報の範囲が曖昧だ。軍民両面で利用可能なデュアルユース技術などに秘密保護の網をかけていくと、外縁が際限なく広がるのではないかと危惧(きぐ)する。指定や解除の運用基準を定めるというが、法的拘束力はない。2022年に成立し、セキュリティー・クリアランス(適性評価)制度導入の前提となった経済安保推進法でも『経済安全保障』の定義がそもそもなく、詳細は政府が決める政省令に委ねられている」
 
 —企業への影響は。
 
 「法律で指定の範囲や基準がはっきりしなければ、企業にとっては何が重要経済安保情報に当たるか分からないまま、処罰規定に触れてしまう可能性もある。(軍事転用可能な装置を不正輸出した疑いをかけられたが、捜査の違法性を東京地裁が認定した)大川原化工機事件のような冤罪(えんざい)が起こりかねず、営業の自由の侵害にも関わる問題だ」
インタビューに答える三宅弘弁護士=東京都新宿区

インタビューに答える三宅弘弁護士=東京都新宿区

 —適性評価を受ける民間人が増えると見込まれる。
 
 「家族や同居人の国籍、薬物乱用や精神疾患、飲酒の節度など適性評価で調べる項目はかなり広い。調査は首相や省庁など行政機関の長が行う。首相の下に個人情報が集約されることの是非も議論した方がいい」
 
 —特定秘密保護法と一体的に運用されるが違いは。
 
 「特定秘密の運用に課題は残されているが、衆参両院の情報監視審査会が指定状況などを一応は審査する仕組みがある。だが、今回の法案には重要経済安保情報について同様の報告義務は盛り込まれていない。国会軽視ではないか」
 
 —どうすべきか。
 
 「国会のチェックが及ばなければ、運用基準の適用が独り歩きする恐れもある。漏えいに実刑が科される重い情報を国会がスルーしていいとは思わない。政府は機密度が低いから報告はいらないという姿勢ではなく、正々堂々と報告すべきだ」(聞き手・近藤統義)

 ◆三宅弘(みやけ・ひろし) 1953年、福井県生まれ。専門は情報公開法。2010〜18年、内閣府の公文書管理委員会委員。委員長代理も務めた。著書に「知る権利と情報公開の憲法政策論—日本の情報公開法制における知る権利の生成・展開と課題」(日本評論社)など。

 
 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・岸田政権・国が指定した経済安全保障上の機密情報を扱う人を認定する「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度の導入を盛り込んだ「重要経済安保情報保護・活用法案」を閣議決定】  2024年02月28日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【経済安保】:「機密情報の指定基準などは国会で議論すればよい」 議論を尽くさず法案を了承してしまった与党

2024-02-21 06:10:50 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【経済安保】:「機密情報の指定基準などは国会で議論すればよい」 議論を尽くさず法案を了承してしまった与党

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【経済安保】:「機密情報の指定基準などは国会で議論すればよい」 議論を尽くさず法案を了承してしまった与党

 自民党は20日の総務会で、国が指定した経済安全保障上の機密情報を扱う人を認定する「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度の導入を盛り込んだ重要経済安全保障情報保護・活用法案を了承した。公明党も同日、了承。週内には与党内手続きを終え、2月末にも閣議決定される見通しだ。機密指定の基準があいまいで、国民の知る権利や企業の営業の自由が侵害される恐れが指摘される法案だが、与党では議論を尽くさないまま、審議の舞台は国会に移る。

 

 
 自民党の法案審査を担当した部会のメンバーは「機密情報の指定基準など細かい点は国会で議論すればよい」と語った。
 
 米欧などでは機密度に応じて情報を「機密(トップシークレット)」など3段階に区分する。新たな法案は政府が保有する「秘」級の経済安保情報を保全対象に。具体的にはインフラや物資の供給網など「重要経済基盤」に関する情報のうち、漏れると安全保障に「支障」を及ぼす恐れがあるものを「重要経済安保情報」に指定し、漏えいに最長5年の拘禁刑を科す。
 
 安全保障に「著しい支障」の恐れがある「機密」や「極秘」級の情報は特定秘密保護法の指定対象とし、漏えいには懲役10年以下の罰則を科す。

 ◆「特定秘密保護法のような世論にならないように」

 自民党では「(強い反発を受けた)特定秘密保護法の時のような世論形成にならないように」「情報漏えいの罰則は10年にすべきだ」などの意見が上がったが、法案自体への異論はなかった。公明党でも目立った懸念の声は出なかった。
 
 適性評価は民間企業の従業員や公務員が対象で、本人の同意の上で犯罪歴や家族の国籍などを調べる。評価の有効期間は10年。2022年成立の経済安保推進法に盛り込む方針だったが、慎重論を受けて見送り、付帯決議で「必要な措置を講ずる」としていた。(近藤統義)
 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・自民党は20日の総務会で、国が指定した経済安全保障上の機密情報を扱う人を認定する「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度の導入を盛り込んだ重要経済安全保障情報保護・活用法案を了承】  2024年02月21日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:適性評価制度 経済情報の安全をどう守るか

2024-02-07 05:01:40 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【社説②】:適性評価制度 経済情報の安全をどう守るか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:適性評価制度 経済情報の安全をどう守るか

 日本の安全保障に関する先端技術などの情報が外国に窃取されたり、流出したりするような事態は防がねばならない。 

 政府は経済安全保障を強化する観点から、公務員や企業の社員を対象に、機密情報を扱う資格として「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度を設ける方針だ。その創設に向けた法案を近く国会に提出する。

 欧米では、サイバーやAI(人工知能)など民間の先端技術を軍事でも活用している。各国は、重要な情報に接することのできる政府職員や民間人を特定し、機微な情報の 漏洩ろうえい を防いでいる。

 日本は2013年に特定秘密保護法を制定し、防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野については機密を保護したが、経済情報を保全する制度はなかった。

 新法は、欧米と同様の制度を整えて対象者に守秘義務を課す。実現すれば、日本企業の信頼度は高まり、関係国との情報共有も円滑に進むだろう。

 政府は機微な情報を守るため、適性評価制度で公務員や民間人の犯罪歴や経済状況などを調べ、問題がない人に限って資格を与える予定だ。身辺調査をする際には本人の同意を義務付ける。

 機微な情報には重要度の高い順に「機密」「極秘」「秘」がある。機密や極秘にあたる情報を扱えるのは、特定秘密保護法で資格が認められた公務員や一部の民間人だ。一方、秘の情報を扱う新法では大半が民間人になるという。

 情報漏洩をした人への罰則が、特定秘密保護法の場合は「懲役10年以下」であるのに対し、新法の場合は「懲役5年以下」などと差がついているのは、情報の重要度を反映したものと言えよう。

 一方で、新法の策定にあたっては留意すべき点も多い。

 政府の身辺調査に対しては、プライバシーが侵害されるのではないか、と不安に感じる人も多いだろう。調査の結果、情報を扱う資格が認められなかった人が職場に居づらくなる恐れもある。

 そうした事態に陥らぬよう政府は新法で、不当な扱いを受けた従業員が異議申し立てを行える措置を設ける予定だ。単に法律に明記するだけでなく、企業側の理解を深める努力を続けるべきだ。

 また、資格を得た民間人が必要以上に  しゅく し、機微にあたらない情報の取材に応じなくなる恐れがある。政府は新法に報道や取材の自由に関する規定を明記する方針だが、国民の知る権利を阻害しないよう十分な配慮が必要だ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月07日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:食料安全保障 高まるリスクへの対策を急げ

2024-02-06 05:01:40 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【社説②】:食料安全保障 高まるリスクへの対策を急げ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:食料安全保障 高まるリスクへの対策を急げ

 国際的な紛争や温暖化による干ばつの増加などで、食料をいかに安定的に確保するかが世界的な課題となっている。政府は、国際情勢の変化に応じた対策の強化を急ぐべきだ。

 農林水産省は食料安全保障の強化のため、農政の方向を示す「食料・農業・農村基本法」を制定から25年ぶりに改正し、また、輸入途絶などの事態に備えた新法も作る。今国会に法案を提出する。

 ロシアのウクライナ侵略後、世界で食料危機が起きた。中東情勢の緊迫化では海運に混乱が生じている。地球温暖化による農作物の不作も目立つ。日本の経済力が低下し、世界で食料を買い付ける力が落ちているとの懸念もある。

 もともと、日本のカロリーベースの食料自給率は38%と、主要先進国で最低水準だ。食料を巡る環境は激変しており、危機への備えを万全にする必要がある。

 基本法の改正では「食料安全保障」を主要課題に据える。その上で新法を制定し、食料の調達が難しくなる場合に備えて、3段階で対応策を取ることを規定する。

 まず、コメや小麦など、食生活に重要な品目を指定し、その供給が減る兆候がみられる初期段階では、首相を長とする政府の対策本部を設け、農家や商社などの民間に出荷や生産の促進を求める。

 また、重要品目の供給量が平時より2割以上、減少する段階になった場合には、国が民間に対し、生産や輸入を増やすための計画を作成するよう指示する。

 さらに、国民が最低限のカロリーを得るのが困難な場合を最も深刻な段階とし、カロリーが高い食料に生産を転換するよう農家に要請する権限を国に与える。

 配給や価格統制、買い占め防止策の実施なども、現行法の範囲内で検討するという。

 ただ、そうした措置は、私権を制限する内容も含む。円滑に民間の協力が得られるよう、国は対策の必要性と意義について説明を尽くし、理解を得ねばならない。

 畜産に不可欠な飼料も含め、備蓄の拡充や輸入先の多様化など、様々な施策を講じてほしい。

 ただし、国が食料の増産を農家に求めても、生産者の側に、その能力がなければ意味がない。農家は高齢化や担い手不足が深刻だ。新法に実効性を持たせるには、農業従事者を増やし、生産基盤を強化することが前提となろう。

 ITの活用などで省力化や生産性の向上を図り、農業を若者が就業したくなるような、魅力のある産業にしていくことが重要だ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月06日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:適性評価拡大 人権侵害を懸念する

2024-01-23 08:07:40 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【社説②】:適性評価拡大 人権侵害を懸念する

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:適性評価拡大 人権侵害を懸念する

 人工知能(AI)や宇宙、サイバーなど経済安全保障分野の機密情報の取り扱いを有資格者に限る適性評価(セキュリティー・クリアランス)制度導入を目指し、有識者会議が提言案をまとめた。

 適性評価制度の対象を、2014年に施行した特定秘密保護法の防衛、外交、スパイ・テロ防止から経済安保分野にも広げ、大半が公務員だった対象者を民間企業や民間人にも広げる。
 
 知る権利や人権を侵す可能性が強く懸念された特定秘密保護法の民間への拡大版にほかならない。政府は26日召集予定の通常国会での法制化を目指しているが、性急な導入は慎むべきだ。
 
 提言案によると機密情報は政府が指定。情報取扱者には適性評価が課せられ、政府機関が犯罪歴や精神疾患、飲酒の節度、借金、家族や同居人の国籍などを調べる。機密漏洩(ろうえい)に罰則を設け「懲役10年以下」が想定されている。
 
 日本を除く先進7カ国(G7)に類似制度があり、日本企業が国際入札などで除外された例もあったことが導入理由の一つとされる。経済界は導入に積極的だ。
 
 ただ提言案には懸念がある。
 
 まず機密の範囲が、政府保有のサイバーや規制制度、調査・分析・研究開発、国際協力の機密としか示されていないことだ。機密の範囲を巡り恣意(しい)的な線引きを許せば、大川原化工機事件のような冤罪(えんざい)事件が再び起きかねない。
 
 適性評価によるプライバシー侵害も心配だ。本人が調査に同意しても、望まない家族らも身辺調査される可能性がある。適性評価は任意で、拒否による解雇や配置転換などは禁じるとしているが、会社からの要請を従業員が拒否できるのか。従来の研究業務から外されることも容易に想像できる。
 
 特定秘密保護法では国会に情報監視審査会など運用監視の仕組みが設けられた。審査会に強制力はなく、その役割が疑問視されているとしても、経済安保の提言案にはそうした仕組みすらなく、適性評価制度の運用に不安を残す。
 
 情報公開は民主主義国家を営む上で大前提だ。米国では情報交換が発展の前提となる基礎研究は適性評価の対象外とされている。
 
 適性評価の対象拡大は広範な民間人に影響を及ぼす。国民の幅広い議論と理解抜きでの導入は許されない。国益を理由に民主主義や人権が損なわれてはならない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年01月23日  08:07:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:半導体戦略 海外企業の協力で産業再興を

2023-05-26 05:00:55 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【社説①】:半導体戦略 海外企業の協力で産業再興を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:半導体戦略 海外企業の協力で産業再興を

 経済安全保障の観点から、日本で半導体関連の投資に乗り出す海外企業が増えている。この流れを、日本の半導体産業の再興につなげたい。

 岸田首相は、米欧や韓国、台湾から半導体企業や研究機関7社の首脳らを招き、日本への積極的な投資や日本企業との連携を要請した。世界的な半導体企業の幹部が一堂に会するのは異例だ。

 日本の半導体関連産業への関心の高まりを示すものと言える。

 既に、半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は熊本県で工場を建設している。スマホなどに使われる演算処理用のロジック半導体という先端品の工場だ。今回、TSMCは追加投資の可能性に言及した。

 米マイクロン・テクノロジーは日本で新たに最大5000億円を投じると表明した。広島県の工場で、記憶媒体となる次世代メモリーの開発や量産に取り組む。

 日本では、国が主導しトヨタ自動車やNTTなどが出資した新会社「ラピダス」が、回路の線幅が微細な最先端半導体の製造を目指している。今回、幹部が来日した米IBMなどは、ラピダスへの協力の拡大を約束した。

 韓国のサムスン電子も日本で研究開発拠点の開設を検討する。

 海外企業が日本への投資に関心を寄せるのは、半導体の製造装置や部材で優れた技術を有する企業が多いことが一因だろう。

 製造装置は東京エレクトロン、部材ではシリコンウェハー大手のSUMCOなどが、世界的に高いシェア(占有率)を持つ。そうした強みを生かし、海外の有力企業と連携を強めることが大切だ。

 米中の技術覇権争いなどで、重要物資のサプライチェーン(供給網)強化が求められている。

 中でも半導体は、軍需向けも含めて工業製品に欠かせない物資だが、生産能力は台湾や韓国などに集中し、先端半導体に限れば台湾が過半を占めている。中国に生産拠点を持つ企業も多い。

 地政学的リスクの高まりで、各社が供給網の分散化を模索し始めた可能性がある。友好関係にある国・地域が協力し、安定的に調達できる体制を作る必要がある。

 かつて、日本の半導体は世界で5割のシェアを誇ったが、海外との競争に敗れ、今では先端半導体を製造できる拠点を持たない。

 国は、半導体産業の支援のため2兆円の予算を確保した。外資の力を借りて産業の基盤を立て直すとともに、半導体関連の人材育成にも注力しなければならない。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年05月26日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政局】:高市早苗大臣と岸田総理の「ガチバトル」勃発…「超重要法案」が先送りされてしまった「情けない理由」

2023-03-14 07:30:30 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【政局】:高市早苗大臣と岸田総理の「ガチバトル」勃発…「超重要法案」が先送りされてしまった「情けない理由」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:高市早苗大臣と岸田総理の「ガチバトル」勃発…「超重要法案」が先送りされてしまった「情けない理由」

 岸田文雄首相と高市早苗経済安全保障担当相の熾烈な権力闘争が、経済安保の強化に向けた議論に影を落としている。米中対立の激化を受け、先端技術の開発や機密情報の保全徹底は待ったなし。にもかかわらず、経済安保分野で日本は大きく出遅れている。

<button class="sc-yyapj QSknM" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-yyapj QSknM" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">写真提供: 現代ビジネス</button>
  写真提供: 現代ビジネス(KODANSHA)

【写真】総理「どうすれば支持率上がります?」麻生氏「これ以上下がりようがねえよ」  

 象徴的なのは、機密情報を欧米並みに厳しく管理するための新制度創設を盛り込んだ、経済安保推進法改正案の今国会への提出が見送りとなったことだ。  その背景には、高市氏の岸田首相に対する挑発的とも言える姿勢や、4月に統一地方選を控える中、世論を分断しかねない法案を先送りしたい官邸側の意向がある。

◆「セキュリティー・クリアランス」とは?

 経済安保は、政府が暮らしや経済活動に与える脅威を取り除き、医療品やエネルギー、半導体、食料など日常生活に欠かせない重要物資を安定的に供給することを指す。この概念が定着したきっかけは、新型コロナ感染拡大でマスクがドラッグストアなどの店頭から消えたことだ。

 ◆岸田総理が「SC」を避けたいワケ

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 政治 【政局・岸田政権・担当:週刊現代編集部】  2023年03月14日  07:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日米首脳】:半導体生産協力 声明検討、経済安保連携

2022-05-14 17:35:30 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【日米首脳】:半導体生産協力 声明検討、経済安保連携

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日米首脳】:半導体生産協力 声明検討、経済安保連携

 日米両政府は、23日に予定している首脳会談で、半導体の研究開発や生産で協力を強化し、安定確保を図ることで合意する方針を固めた。台湾や韓国への依存度が高い半導体を有事の際も自国で確保できる体制を目指す。中国の軍事力増強で厳しさを増す東アジア情勢を念頭に、経済安全保障分野での連携を深化させる。日米は共同声明発表も検討。サイバーや宇宙など新たな防衛領域に関する連携強化への言及も調整している。日本政府関係者が14日、明らかにした。

 米政府はバイデン大統領の初来日に合わせ、米主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の発足を打ち出す構えだ。(共同通信)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政策・外交・日米両政府・23日に予定している首脳会談・半導体の研究開発や生産で協力を強化し、安定確保を図ることで合意する方針】  2022年05月14日  17:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:経済安保法成立 過剰介入の懸念拭えぬ

2022-05-14 05:05:55 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【社説①】:経済安保法成立 過剰介入の懸念拭えぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:経済安保法成立 過剰介入の懸念拭えぬ 

 岸田文雄政権が重視する経済安全保障推進法が成立した。

 半導体、医薬品など生活や産業に不可欠な物資をできるだけ国内でまかなえるようにしたり、電力などのインフラ設備へのサイバー攻撃を防いだりする狙いがある。来年から段階的に施行する。

 政府は関係企業に財政支援する一方、勧告や命令を出すことができ、違反した場合は罰則を科す。「アメとムチ」で民間の経済活動への関与を強めるものだ。

 だが規制の詳細は政省令で定める項目が138カ所もある。細部を法律に書かずに裁量で決める手法は近年の政権の常とう手段だ。法の支配を揺るがしかねない。

 輸出や外資を規制する現行の外為法でも政府の過剰介入が問題視されている。経済安保法でも同様の懸念は拭えず、中央省庁の権限を拡大させたい思惑も透ける。

 政府は施行に向けて民間の意見を十分に取り入れるとともに、自制的で透明性の高い運用に努めていかなくてはならない。

 経済安保法は、重要物資のサプライチェーン(供給網)強化、基幹インフラ設備の事前審査、先端技術開発の官民協力、特許非公開化の4本柱からなる。

 ロシアのウクライナ侵攻で、天然資源を確保する重要性が改めて認識された。権威主義を強める中国も念頭に、法整備を進める米欧と連携する必要はあろう。

 経済界は規制内容の明確化を繰り返し求めてきた。しかし法律には「合理的に必要と認められる限度」と記されたのみだ。

 国会での野党の追及に対し、政府は機動的対応が必要などとして説明を避ける場面が目立った。

 法成立後、経済界から改めて、政府の裁量によって規制の適用範囲が拡大する余地を排除すべきだとの意見が表明されたのは当然と言えよう。政府は真摯(しんし)に受け止めるべきである。

 政府から「特定重要物資」に指定されると、関係する企業や団体には助成金が出る。軍事転用可能な技術の特許を非公開にする際も補償される。だが選定や金額の基準などは決まっていない。

 新たな利権や天下り、不振企業の安易な救済につながる恐れがある。政府の恣意(しい)的な運用を防ぐルールづくりが欠かせない。

 衆参の内閣委員会は付帯決議で企業の自主性尊重などを求めた。法的拘束力はないとはいえ、国会の意思であり、政府は決議を踏まえて運用していく必要がある。国会もしっかり監視してほしい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年05月14日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:経済安全保障法の成立 乱用防止へ国会が監視を

2022-05-14 02:05:50 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

《社説①》:経済安全保障法の成立 乱用防止へ国会が監視を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:経済安全保障法の成立 乱用防止へ国会が監視を

 ウクライナ侵攻を続けるロシアに対して国際社会が制裁を強める中、今国会の焦点だった経済安全保障推進法が成立した。

 岸田文雄首相が掲げる看板政策である。軍事や技術面で台頭する中国への対抗を念頭に、半導体や医薬品など国民生活に重要な物資を確保するのが目的だ。関係企業への支援と規制という「アメとムチ」を盛り込んだ。

 政府が指定する「特定重要物資」について、安定供給計画を策定した企業を財政支援する。海外からのサイバー攻撃を防ぐため、電力やガスなど14業種の基幹インフラで、問題のある外国部品が使われないかを事前審査する。

 先端技術の開発に取り組む官民協議会を設置し、政府が資金や制度面で支援する。軍事技術につながる特許は、流出を防ぐため非公開とする。命令違反や情報漏えいには懲役などの罰則を設けた。

 資源を輸入に頼る日本の経済基盤や技術を守る措置は必要だ。

 問題は、政府に大きな裁量権が与えられていることだ。

 特定重要物資の範囲や事前審査の対象などは、国会審議を経ずに政府が定める政令や省令に委ねられた。過度な規制につながる恐れが拭えない。

 さらに、国会が運用実態をチェックする仕組みも不十分だ。これでは、政府による乱用に歯止めをかけられない。 

 国会審議でもこれらの点が取り上げられたが、政府はあいまいな答弁に終始した。立憲民主などの野党はウクライナ危機を考慮して賛成に回ったが、審議が尽くされたとは言いがたい。

 衆参両院の委員会は、法整備後の状況を国会や国民に説明するよう求める付帯決議を採択した。法的拘束力がないとはいえ、決議の趣旨に沿って、政府は今後も説明責任を果たすべきだ。

 企業活動の自主性を尊重する観点から、政府は具体的な規制を必要最小限にとどめるべきだ。

 この法律が適正に運用されるよう、国会は監視を強めなければならない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年05月14日  02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【焦点】:経済安保、脱中国狙い 企業活動規制、懸念も

2022-05-14 02:03:25 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【焦点】:経済安保、脱中国狙い 企業活動規制、懸念も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【焦点】:経済安保、脱中国狙い 企業活動規制、懸念も 

 経済安保推進法が11日、参院本会議で可決、成立し、国家安全保障を目的に政府が民間のビジネスを規制する仕組みが整った。法律の狙いは米欧諸国と対立を深める中国などへの経済的依存からの脱却だ。激動する国際情勢に対応した取り組みだが、リスク管理と自由な経済活動のバランスをどう取るのかが今後の課題になる。

 

新型コロナウイルスの感染拡大直後、マスクが品薄となったことも経済安保が本格的に議論されるきっかけとなった=大津市で2020年3月、小西雄介撮影(画像の一部を加工しています)

新型コロナウイルスの感染拡大直後、マスクが品薄となったことも経済安保が本格的に議論されるきっかけとなった=大津市で2020年3月、小西雄介撮影(画像の一部を加工しています)

 これまで安全保障に基づく企業活動の規制は軍事関連技術の輸出規制が中心だった。今回の経済安保法は、基幹インフラや重要物資など幅広い民生分野に規制対象が拡大するのが特徴だ。

 背景には、人工知能(AI)や高速通信、宇宙など軍事力に直結する先端技術が発展し、民生と軍事の境界が曖昧になっていることがある。特に、軍事・経済的に台頭する中国が民間の技術を活用して国力を高めることに危機感を募らせる米国が、中国の通信機器メーカーや半導体製造大手に輸出規制を発動。さらにロシアのウクライナ侵攻を受け、欧米の民主主義国家と中国やロシアなど権威主義国家との対立構造が鮮明になり、自国の産業…、残り1899文字(全文2333文字)

 ※:この記事は有料記事です。ご登録から1カ月間は99円!!。いますぐ登録して続きをお読み下さい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【焦点】  2022年05月12日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・05.07】:極東がホットスポットになるのか

2022-05-13 08:30:20 | 【経済安全保障・戦略物資の供給網強化、基幹インフラの安全確保、先端技術開発他】

【政界地獄耳・05.07】:極東がホットスポットになるのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・05.07】:極東がホットスポットになるのか 

 ★米バイデン大統領は今月20~22日に韓国を訪問、21日にソウルで米韓首脳会談が予定され、そのあと22~24日に来日する。来日中は日米首脳会談と米国、日本、オーストラリア、インドの枠組み「クアッド」首脳会議に臨む。来月26~28日にはG7ドイツサミットが開催されるものの、先駆けて日本と韓国に行く必要がバイデンにはあるのではないか。

 ★無論ロシアのウクライナ侵攻とその後を考えれば、対中政策、アジア版NATOを模索するクアッドの信頼構築も急務だろう。2日、ホワイトハウスのサキ報道官はバイデンのアジア歴訪について「過去60年間はそのようなことがなかったが、なぜ日本より先に韓国を訪問するのか」と問われ「あまり深く考えないでほしい」と言葉を濁した。同時に「韓国、日本のどちらとも強力な関係を結んでいる」とした。政権が変わった韓国に対してクアッドに加盟するなど新たな米国の東アジア政策の変化なのかに関心が集まる。

 ★これについてサキ報道官は「クアッドはクアッドとして維持される」と別の問題がテーマになることを示唆した。韓国では慎重論が強く見送られているTHAAD(高高度防衛ミサイル)の追加配備問題などを俎上(そじょう)に載せる可能性がある。5日、首相・岸田文雄はロンドンでの日英会談で「ウクライナは明日の東アジアかもしれないという危機感を背景に、対ロシア政策を転換し、制裁など毅然(きぜん)とした対応をしている」と答え、自衛隊と英国軍の相互訪問が可能になる「円滑化協定」にも合意した。政界関係者が言う。「拡大NATOという概念があるかどうかは知らないが、NATO加盟国は組める相手としっかり連携したいし、極東のロシア、中国、北朝鮮がホットスポットになるということではないか」とみる。世界が嫌な方向に進み始めている。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年05月07日  09:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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