路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【兵庫県】:誹謗中傷で「別人のようになってしまった」 死亡した竹内元県議と親交のあった県議ら悼む

2025-01-20 00:48:50 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県:誹謗中傷で「別人のようになってしまった」 死亡した竹内元県議と親交のあった県議ら悼む

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県】:誹謗中傷で「別人のようになってしまった」 死亡した竹内元県議と親交のあった県議ら悼む

 兵庫県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員として斎藤元彦知事の疑惑を追及してきた元県議、竹内英明氏(50)の死去が報道された19日、親交のあった人たちは早すぎる死を悼んだ。交流サイト(SNS)上で誹謗中傷を受けて苦しんでいたという竹内氏。「別人のようになってしまった」「精神的に追い込まれていた」。親しい県議や県職員はそう口をそろえた。

兵庫県議会が行われる兵庫県公館と県旗=神戸市中央区(南雲都撮影)

 竹内氏が所属していた県議会会派「ひょうご県民連合」の同僚だった県議は「青臭いくらいの正義感の持ち主で、民主主義を貫く政治家だった」と振り返る。それが昨年11月、知事選のさなかに竹内氏への誹謗(ひぼう)中傷が激しくなるにつれて憔悴し、「別人のような表情や言動になってしまった」。「ここまで追い込まれるとは」と心配し、知事選投開票翌日の11月18日に竹内氏が県議を辞めた後は「こちらから連絡を取るよう心掛けた」という。

 最後に連絡を取ったのは今年1月16日。「『最後まで戦えず情けない』『議会に対しても百条委のメンバーに対しても県民に対しても申し訳ない』と後悔と謝罪の言葉を繰り返していた」

 竹内氏は議員だった頃、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSを積極的に活用。自身のブログも開設し、政治家としての自身の日常や考え方などを分かりやすく伝えていたが、昨年10月下旬で投稿はストップ。議員辞職前後にアカウントも閉鎖した。

 「ネット上の誹謗中傷は目にするとダメージが大きいので『見ないように』と忠告していた」。しかし、自身に関するネット上の情報は知人などからも多数送付されていたといい、「特に、信頼していた人から誤ったネット情報が送りつけられて『これは本当の話か?』と責められると、『自分は政治家として何をしてきたのか』という気持ちにさいなまれていたようだ」という。

 同会派幹部の県議は「昨年12月下旬に電話で話した際、精神的に追い込まれているように感じた」と話し、「残念でならない」と竹内氏の死を悼んだ。

 竹内氏と親交の深かった県職員は「名誉の回復にはならないからこそ、死を選んでほしくなかった。議員辞職したことで結果的に一人になってしまい、自分自身を追い込んでしまったのではないか」と肩を落とした。

 元稿:産経新聞社 主要ニュース 社会 【事件・疑惑・地方自治・兵庫県・県議会100条委員会・委員として斎藤元彦知事の疑惑を追及してきた元県議、竹内英明氏(50)の死去が報道】  2025年01月20日  00:48:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【立花孝志氏】:「逮捕が怖くて命絶った」と投稿も兵庫県警は完全否定 竹内元兵庫県議の死亡

2025-01-20 00:48:40 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【立花孝志氏:「逮捕が怖くて命絶った」と投稿も兵庫県警は完全否定 竹内元兵庫県議の死亡

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【立花孝志氏】:「逮捕が怖くて命絶った」と投稿も兵庫県警は完全否定 竹内元兵庫県議の死亡 

 兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑を調査する文書の真偽を解明する県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員だった元県議、竹内英明氏(50)が亡くなったことについて、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57)は19日、自身のユーチューブチャンネルで、竹内氏が兵庫県警から任意の事情聴取を受けていたとし、「竹内県議は逮捕されるのが怖くて自ら命を絶った」などと訴えた。だが兵庫県警の捜査関係者は同日、産経新聞の取材に対し「竹内氏に対して任意の事情聴取もしていないし、逮捕の予定もなかった」と否定した。

 立花氏は19日、X(旧ツイッター)を更新し、竹内氏の死去について「こんなことなら、逮捕してあげたほうがよかったのに」などと投稿。自身のユーチューブチャンネルでは「1月20日に(竹内氏を)逮捕すると県警は考えていたそうだが、それを苦に命を絶ったという情報が入っている。もうこれがほぼ間違いないと思います」などと発言した。

 竹内氏は県議会会派「ひょうご県民連合」に所属。兵庫県の元西播磨県民局長(昨年7月に死亡)が作成した告発文書の内容を調べる百条委の委員を務め、斎藤氏の疑惑を追及していた。兵庫県知事選期間中に交流サイト(SNS)上で誹謗(ひぼう)中傷を受けたとし、昨年11月に議員辞職していた。

 県民連合幹部によると、斎藤氏を応援する目的で知事選に立候補した立花氏が選挙期間中、SNS上で竹内氏の事務所に行くと予告したり、虚偽情報を流したりして生活が脅かされ、家族を守るために辞職すると説明していたという。

 竹内氏の家族は19日、「議員でなくなっても誹謗中傷は続いた。誹謗中傷によって仕事を奪われ、今までの生活を奪われた」と話した。

 元稿:産経新聞社 主要ニュース 社会 【事件・疑惑・地方自治・兵庫県・県議会100条委員会・委員として斎藤元彦知事の疑惑を追及してきた元県議、竹内英明氏(50)の死去が報道】  2025年01月19日  22:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説・01.14】:公益通報制度 告発者を守る効果高めよ

2025-01-18 06:05:10 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【社説・01.14:公益通報制度 告発者を守る効果高めよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・01.14】:公益通報制度 告発者を守る効果高めよ

 組織内の不祥事を暴き、不法行為をやめさせることは組織や社会にとって有益だ。勇気を出して告発した人が、報復されることがあってはならない。通報者を守る仕組みを強化したい。

 消費者庁の検討会は、公益通報者保護法の見直しに向けた報告書をまとめた。政府は今月開会する通常国会に改正法案を提出する。

 現在の法律は降格や減給、配置転換など、通報者への不利益な取り扱いを禁止している。通報を理由とした解雇は無効だ。

 法律は2006年に施行され、通報者の保護を強める改正を重ねたが十分ではない。罰則がなく、実際は報復が後を絶たないからだ。

 消費者庁の調査では、内部通報した人のうち3割が後悔しているという。不利益な扱いを受けたことを理由に挙げた人は4割を超える。

 国連の作業部会は政府に対し、報復する事業者への制裁措置など対策を強化するよう勧告している。

 今回の報告書は刑事罰の導入に踏み込んだ。改正法案では、通報を理由に解雇や懲戒処分をした場合、事業者と上司ら個人を刑事罰の対象とする方針だ。匿名の通報者を特定しようとしたり、通報しないように口止めしたりする行為も禁止する。一定の前進と言えそうだ。

 抑止効果を考えると、まだ課題はある。

 刑事罰の対象は解雇や懲戒処分に限られる。報復を目的とする配置転換をしても、異動が多い日本の職場では通常の異動と区別がつきにくい。口止めなど禁止行為の罰則は見送られた。

 告発された側が「公益通報に当たらない」と恣意(しい)的に判断できる問題も依然として残る。そう疑われる事例が相次いでいる。

 兵庫県の元幹部が知事のパワハラ疑惑などを文書で告発すると、県は「誹謗(ひぼう)中傷」と断じ停職処分にした。

 公益通報には行政機関や報道機関などへの外部通報もある。鹿児島県警の前生活安全部長が報道関係者に不祥事に関する文書を送ったところ、県警は公益通報を否定し、国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで逮捕した。

 公益通報かどうかを判断するのは難しい。とはいえ、通報者への報復がまかり通れば誰も声を上げられなくなり、不正は放置される。

 健全な組織や社会を目指すという法の趣旨に沿って、告発された組織は謙虚に受け止め、慎重に判断すべきだ。

 職場で公益通報と認められなかった場合、第三者が関わる仕組みが必要ではないか。国会や消費者庁を中心に議論を重ね、実効性の高い制度にしなくてはならない。

 告発を検討していても、相談先が分からない人が多いという調査結果がある。事業者や働く人への周知を進め、公益通報制度の重要性を社会全体で認識したい。

 元稿:西日本新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月14日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・12.25】:【鹿児島県警の闇】:警察庁が隠した元生安部長告発文書、県警の不開示決定で存在明らかに

2025-01-16 07:03:10 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【HUNTER・12.25】:【鹿児島県警の闇】:警察庁が隠した元生安部長告発文書、県警の不開示決定で存在明らかに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・12.24】:【鹿児島県警の闇】:警察庁が隠した元生安部長告発文書、県警の不開示決定で存在明らかに 

 元日に起きた能登半島地震を受けて全国から集められた警察官が厳しい条件下で復旧作業にあたっていた2月初旬、野川明輝本部長(当時)をはじめとする鹿児島県警のほとんどの幹部が九州管区警察局長と宴会を開いていた(既報)。この愚行を止めようとしたのは、県警内部の闇を明るみに出そうと行った内部通報を、情報漏洩だと決めつけられ国家公務員法違反の疑いで逮捕された本田尚志元鹿児島県警生活安全部長。同氏は1月下旬、宴会の予定と経緯を明らかにした上で、中止指導を求める文書を警察庁に送付していたとされる。しかし、ハンターが別の目的で行った同庁への情報公開請求では、当然あるはずの告発文書の存在自体が隠される格好となっている。

 ■警察不祥事、のり弁で隠ぺい

 今年7月、ハンターは警察庁に対し、令和3年から本年7月5日までの間に「鹿児島県警職員の非違事案や不適切行為に関する告発、苦情、相談等の記録及びそれぞれの件ごとに提出を受けた文書、データ」を開示請求した。不祥事続きの同県警について、上級庁の警察庁に寄せられた告発や抗議の件数と内容を知るためだった。

 その結果、件数だけをカウントした記録を含めて全部で43件がヒット。うち8件が形のある文書として開示された(*下の画僧参照)。開示文書は内容がすべて黒塗りで、どのような不適切事案が示されているのかまるで分からない。

 電話による告発や苦情などの詳しい内容を記した文書はなく、「広聴事案・受理処理簿」や「電子メール処理簿」に件数などが記されている程度。組織の「闇」は見えてこない。

                  ◇   ◇

 次いで10月、警察庁に対し「令和6年1月以降に警察庁に送付されたすべての内部通報」を開示請求。結果として存在が明らかとなったのが下の4件だが、開示されたものは、やはり“のり弁”状態でどのような公益通報だったのか分らないよう処理されていた(*画僧参照)。

 この時の開示請求も、警官の違法行為が続出する警察組織の闇の深さを調べるために行ったもの。「公益通報」であることを明示して送付されていたメールが3件、郵便物が1件となっている。ただし、対象文書を鹿児島県警の件に限定していないため、告発対象がどこの警察組織なのか分からない。

 問題は、公益通報として適切に処理されたのかどうかの判断さえできないことだ。これでは内部通報者を守ることは不可能で、警察の不祥事も表面化しない。

 ■守られぬ公益通報者

 今年、「公益通報」の在り方が注目されるきっかけとなった事案が2件起きた。まず、元鹿児島県警生活安全部長によるジャーナリストへの「内部通報」。そして県議会百条委員会で審議が進む兵庫県職員による「内部通報」である。前者のケースは警察庁主導で“情報漏えい”とみなされ告発者が逮捕・起訴されており、後者事例の当事者は県知事に対する誹謗中傷を行ったとして懲戒処分を受けた後、自殺している。いずれの場合も、通報者は守られなかったということだ。

 勇気ある告発者が守られない限り、公益通報制度自体が有名無実化することは言うまでもない。公益通報者保護法は通報者捜しや通報者の不利益な扱いを禁じているが、鹿児島でも兵庫でも、告発対象となった県警本部長や県知事が「公益性」を否定し、告発者を犯罪者に仕立て上げた。「正義」は否定され、「悪」がはびこる現状だ。

 権力側に対する投書や苦情なら、個人情報を完全に隠す形で一定程度開示し、それに対する回答まで公開するのが「公」の努めだろう。それが「公益通報」の窓口に送られた告発事案なら、なおさらだ。また、鹿児島県警の件で明らかなとおり、警察組織の不祥事を告発した内容が公益通報か否かの判断を、指さされた警察組織が下すというのは筋違い。犯罪者が自分の犯罪を裁けばどうなるか、子供でも分かる話だ。公益通報の在り方については、政治が見直しを検討すべきだろう。

 ■警察幹部「宴会」の告発文書

 鹿児島県警の闇について調べるために始めた一連の開示請求だったが、記者は最近になって、あるはずの「内部告発」文書がないことに気付いた。先日、本サイトで報じた九州管区警察局長と鹿児島県警幹部による非常時下での「宴会」に関する告発文書だ。

 問題の宴会は、元日に起きた能登半島地震を受けて全国から警察官が災害派遣され難航する復旧作業にあたっていた2月初旬に、鹿児島市内の日本料理店で、本部長はじめとする鹿児島県警のほとんどの幹部が九州管区警察局長と開いたもの。この「宴会」を問題視し、事前に警察庁に「内部通報」したのが、情報漏洩の疑いをかけられ国家公務員法違反の疑いで逮捕・起訴された本田元鹿児島県警生活安全部長だったとされる。しかし、これまでに行った2回の開示請求で入手した資料の中には、該当する期間の文書はない。存否応答拒否や情報公開法の適用除外となった文書があるという“不開示理由”も示されていない。つまり、存在自体が否定された形なのだ。「隠ぺい」を疑わざるを得ない。

 そこでハンターは12月初め、県警と警察庁に同じ内容の開示請求を行った。求めたのは「本田尚志元鹿児島県警生活安全部長が井上昌一元鹿児島県警刑事部長の名前を使って発出したとされる文書」である。

 県警はこれまでの記者会見で、内容も送り先も伏せたまま、本田元部長が逮捕容疑となった小笠原淳氏への内部通報とは別に、井上刑事部長(当時)の名前を使ったもう1件の文書を発出していたことを明かしている。わざわざ2通目の文書の存在に言及したのは、いずれ「宴会」が表面化するのを見越して、本田氏の狙いが「公益通報」ではなく、井上氏を貶めることにあったと印象付けるためだろう。姑息という他ないが、警察庁が存在さえ認めようとしなかった文書があることを、先に県警が認めてくれた。それが下の不開示決定通知である。

 対象文書は、鹿児島県情報公開条例の「適用除外」であり、その根拠を「弁論の公開を禁止した事件の訴訟記録又は一般の閲覧に適しないものとしてその閲覧が禁止された訴訟記録は(略)訴訟関係人又は閲覧につき正当な理由があって特に訴訟記録の保管者の許可を受けた者でなければ、これを閲覧することができない」という刑事訴訟法の規定に求めたものだ。要は、刑事裁判の証拠書類だから開示できないということ。これで、対象文書が「ある」ということを、県警が証明した格好になる。井上前刑事部長の名前を使ったにせよ、本田氏は、問題の宴会を不適切だと考え警察庁に是正措置を求めたがかなわず、次の内部通報を北海道のジャーナリスト・小笠原淳氏に送らざるを得なかったという見立てが成り立つ。

 ちなみに、県警は本田氏が井上前刑事部長の名前を使って内部告発したことを「井上氏をおとしめるための行為」と繰り返してきたが、日本語の使い方を間違っている。「おとしめる」とは、“ばかにする”とか“さげすむ”という意味。不正を暴く行為は「正義」の発露であって、名前を使われたのが誰であれ、それを以て名義人が「おとしめられた」ということにはなるまい。もちろん、本田氏が郵送した文書はいずれも警察の不祥事を暴いたもので、それが事実である以上、公益通報に他ならない。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・話題・鹿児島県警・県警内部の闇を明るみに出そうと行った内部通報】  2024年12月25日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・01.11】:公益通報/制度改正で告発者を守れ

2025-01-11 06:00:50 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【社説・01.11】:公益通報/制度改正で告発者を守れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・01.11】:公益通報/制度改正で告発者を守れ 

 勇気を出して組織の不正を通報した人が不利益を受ける事態はあってはならない。制度の不備を早急に正し、通報者を守る必要がある。

 公益通報者保護法に関する消費者庁の有識者検討会は、内部通報者を解雇・懲戒処分とした事業者に「刑事罰を導入するべきだ」とする報告書案をまとめた。政府は今年の通常国会で法改正を目指す。

 従来は通報窓口の担当者が通報者の情報を漏えいした場合を刑事罰の対象としていたが、不利益処分を行った上司らは対象外だった。検討会は、刑事罰について行政による是正命令を経なくても科せる「直罰方式」とし、組織に対してはより重い罰にするよう求めた。

 公益通報を巡っては、内部通報者が不利益を受ける事例が相次ぎ、消費者庁の調査では通報を後悔した人が約3割いる。報復まがいの処分を許容すれば通報の萎縮を招きかねない。罰則強化により不正の早期発見を促せば、長期的には組織の利益にもつながる点に留意したい。

 積み残された課題もある。検討会では公益通報者を探索する行為にも刑事罰を科すべきだとの意見が上がったが、正当な調査でも通報者の特定が必要な場合があり、今後、慎重な検討が必要とした。

 しかし、探索行為は不利益処分に結び付く場合があり、法的な線引きが望ましい。正当な探索の定義をさらに追求してもらいたい。

 刑事罰の対象とする不利益処分を解雇や懲戒処分に限ったことも懸念が残る。正規の処分でなくても、嫌がらせや不本意な配置転換で通報者が退職に追い込まれる事態はあり得る。悪質な事例には厳しく対応できる手だてが重要だ。

 兵庫県では斎藤元彦知事のパワハラなどを告発する文書をマスコミなどに配布した元西播磨県民局長が停職3カ月の処分を受けた。斎藤知事は文書について「誹謗(ひぼう)中傷性が高い」として公益通報に該当しないと主張するが、県議会の調査特別委員会(百条委)で証言した複数の専門家は「公益通報として保護対象にすべきだった」との見解を示した。

 通報者探索の過程で元局長はプライバシーに関する情報を知られ、それが交流サイト(SNS)などに漏えいした可能性がある。もし県側から漏れたとしたら、告発者が二重三重の不利益を被った極めて悪質な事例と言わざるを得ない。

 斎藤知事は告発への対応について一貫して「適正だった」とし、結論は司法の判断を待ちたいとの認識を示す。だが、百条委と第三者委員会の調査は現在も継続している。両者の議論や提言に率直に耳を傾け、問題点を再検証するべきだ。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月11日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・01.09》:公益通報者の保護 報復許さぬ仕組みさらに

2025-01-09 02:03:50 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

《社説①・01.09》:公益通報者の保護 報復許さぬ仕組みさらに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・01.09》:公益通報者の保護 報復許さぬ仕組みさらに

 所属する組織の不正を告発した人が報復を受けるようなことがあってはならない。勇気を出して声を上げた通報者を守る仕組みを強化したい。

兵庫県議会の百条委で、自身のパワハラ疑惑などに対する証人尋問に臨む斎藤元彦知事。元県幹部の告発について、公益通報には当たらないとする従来の見解を繰り返した=神戸市中央区で2024年12月25日(代表撮影)

 消費者庁の検討会が、公益通報者保護法の見直しに向けた報告書をまとめた。政府は今年の通常国会で法改正を目指す。

 三菱自動車のリコール隠しや雪印食品の牛肉産地偽装などが内部告発で発覚したのを受け、2006年に施行された。大企業などに通報窓口の設置を義務付け、担当者には通報内容について罰則付きの守秘義務を課している。

<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2025/01/09/20250109ddm005070119000p/9.webp?2" type="image/webp" />内部告発が発端となった雪印食品の牛肉産地偽装事件は、発覚後の経営行き詰まりで同社が解散する事態に至った。記者会見で頭を下げる経営陣=東京都内のホテルで2002年2月22日午後1時35分、佐藤泰則撮影</picture>
内部告発が発端となった雪印食品の牛肉産地偽装事件は、発覚後の経営行き詰まりで同社が解散する事態に至った。記者会見で頭を下げる経営陣=東京都内のホテルで2002年2月22日午後1時35分、佐藤泰則撮影

 だが、実効性が疑問視されてきた。最大の問題は、通報者が十分に守られていないことだ。国連の作業部会も、日本政府に対策の強化を勧告している。 

 このため政府は、事業者が報復や不正隠しの意図で解雇などの懲戒処分をすれば、新たに刑事罰の対象とする方針だ。通報者を探したり、通報を妨げたりすることも、禁止行為として明記する。

 また、懲戒処分が違法だとして通報者が訴訟を起こした場合は、通報との関連がないことを立証する責任を事業者側に負わせるルールも導入する。報復人事を抑止する効果が期待され、一歩前進ではある。

 一方、見送られた対策もある。

 報復としての配置転換は、刑事罰の対象には加えられなかった。異動が多い日本企業の慣行を考慮したためという。

 だが、消費者庁の調査によると、通報を後悔した人が約2割おり、その半数近くが理由として人事異動や待遇面などで不利益な扱いを受けたことを挙げた。

 通報目的ならば資料の収集・持ち出しを窃盗罪などに問わない免責規定の導入も、先送りされた。

 しかし、通報者の保護より事業者の事情を優先するようでは、制度の信頼性は損なわれてしまう。

 公益通報できるのは国民の生命や財産などを害する恐れがある違法行為に限られ、海外に比べ対象が狭い。報道機関など外部への通報には根拠の提示も必要だ。これらの要件は緩和されない。

 公益通報が機能すれば、早い段階で不正が是正され、組織の健全性が保たれる。通報をためらわせない体制の整備が急がれる。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月09日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫県】:斎藤元彦知事、内部告発者の私的データ漏えい疑いで第三者委設置…立花孝志氏が昨秋公開

2025-01-08 20:52:30 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県】:斎藤元彦知事、内部告発者の私的データ漏えい疑いで第三者委設置…立花孝志氏が昨秋公開

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県】:斎藤元彦知事、内部告発者の私的データ漏えい疑いで第三者委設置…立花孝志氏が昨秋公開

 兵庫県の斎藤元彦知事は8日の記者会見で、自身のパワハラなどの疑惑を内部告発した男性職員(昨年7月に死亡)に関する私的情報のデータが漏えいした疑いを調査するため、7日付で第三者委員会を設置した、と発表した。県弁護士会が推薦する弁護士で構成し、年度内をめどに報告をまとめる。

 ■兵庫・斎藤元彦知事、新年は「幹部職員とのざっくばらんなミーティング増やしたい」

斎藤元彦知事
斎藤元彦知事

 政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が昨年11月下旬、男性職員の公用パソコンに保存されていた私的情報のデータだとして、ファイル一覧の画像をユーチューブに公開した。

 斎藤氏は、情報漏えいが公益通報に該当するとの指摘もあるとして、第三者委員会では、データが公用パソコン内に保存されていたものと同一かを確認し、公益通報に該当するかや漏えいの経緯を調べると説明した。

 県によると、週刊誌が昨年7月、県幹部が男性職員の私的情報を県議らに漏えいした可能性があると報道したことについては、第三者委員会とは別に、県から依頼を受けた弁護士がすでに調査を進めているという。

 ■あわせて読みたい

 元稿:読売新聞社 主要ニュース 社会 【地方自治体・兵庫県・内部告発問題】  2025年01月08日  20:52:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫県】:百条委員会は無視されるのか…斎藤元彦知事が今年最後の会見で語った「結果次第」に危惧

2024-12-31 11:00:30 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県】:百条委員会は無視されるのか…斎藤元彦知事が今年最後の会見で語った「結果次第」に危惧

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県】:百条委員会は無視されるのか…斎藤元彦知事が今年最後の会見で語った「結果次第」に危惧 

 ◆元テレビ朝日法務部長・西脇亨輔氏が指摘

 兵庫県の斎藤元彦知事が今月26日、年内最後の知事会見に臨んだ。その中では前日25日に行われた百条委員会での証人尋問についても質問が出たが、元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔弁護士は斎藤知事の回答内容を分析し、「百条委員会軽視」の危惧を指摘した。

 私は毎朝配信しているYouTube番組のために斎藤元彦知事の会見を毎回書き起こしているが、その度に思っている。

 「これでいいのか」

 年内最後の定例会見で飛んだのは「百条委員会が出した結論は、きちんと受け入れるのか」という質問だった。前日に行われた再選後初の百条委員会で斎藤知事は突然、パワハラなどの認定について、最終的には百条委員会ではなく「司法の場が大事」と主張。このため、来年2月にも出される予定の百条委員会の結論を斎藤知事は受け入れないのではないかという疑念が生まれた。それを踏まえた質問に、斎藤知事はこう答えた。 

 「最終的に弁護士とも相談していく中で、ハラスメント問題の最終的な認定は司法でされるものだろうという認識をアドバイスもいただきました」

 記者からは「これまでは、百条委員会や第三者委員会で疑惑は判断されるべきと言っていなかったか」「ゴールポストが動いたのではないか」との指摘が飛んだが、斎藤知事は「法的な認定については、もちろん司法の場でしていく」と繰り返した。

 しかし、その「司法の場」とはどこなのか。斎藤知事を巡って司法手続きになっているのは「PR会社買収疑惑」の刑事告発だけで、パワハラや「内部告発つぶし」の疑惑は裁判になっていない。現在裁判中なら「司法の判断を待つ」というのも分かるが、そうではない。そこで具体的に「司法の場」とは何かを問われると、斎藤知事はこう答えた。

 「具体的には、想定していなくて」

 一方で「百条委員会や第三者委員会が知事のしたことを『パワハラ』『公益通報者保護法違反』と認定されれば受け入れるのか」という核心を聞かれると、こう述べた。

 「どういう結果が出るかというのはこれからなので、仮定の質問にはなかなかコメントできないですが、我々としては、公益通報の対応については適切だったと考えています」

 私は「えっ?」と耳を疑った。なぜ、「結果が出る前」だと百条委員会の結論を受け入れるかを答えられないのか。「結果によって、受け入れるかどうか決める」という意味だとすると「自分の気に入った結論なら受け入れるし、自分の気に食わない結論なら受け入れない」と言っているのと同じだ。

 百条委員会は地方自治法という法律による委員会で、公職にある知事が結論に従うのは当然のはず。それを受け入れないなら百条委員会の存在自体が無意味になってしまう。

 だが、百条委員会の結論を無視しただけでは「政治責任」は発生しても「刑罰」はない(百条委員会で偽証していたら罪に問われるが)。そこで斎藤知事は「司法」を持ち出して百条委員会の結論は「司法より格下」と扱い、これを黙殺しようとしているのか。

 斎藤知事は25日の百条委員会後の会見で、これまでに3人の専門家が公益通報者保護法上の問題を指摘したことについても「3人の方の見解が全ての専門家の見解ではない」と言い切っていた。百条委員会に出席した3人はいずれも公益通報者保護法についての我が国の第一人者だったのに、それすら認めなかった斎藤知事は、百条委員会の結論が出ても意に沿わなければ受け入れずに「強行突破」するのではと感じられる。

 ■関連するビデオ: 斎藤知事が年内最後の会見 改めて「一連の対応は適切だった」 百条委は来年2月にも調査結果まとめへ (読売テレビニュース)

 ◆続く遺族への誹謗中傷…「止めて」と呼びかけない知事

 そして、さらに耳を疑ったのは、斎藤知事を巡る告発をした元県民局長の遺族や県関係者に対していまだに続く誹謗中傷への対応だ。

 「知事として県職員やご遺族への誹謗中傷を止めてくださいということを、なぜ言わないのか」「情報拡散に今すぐできることもあるのではないか」という指摘に対して、斎藤知事はSNSの一般論を繰り返し、これから新しく第三者機関を作って対応すると述べるだけ。県内部調査の情報が漏えいしたとの指摘もあるのに、情報の削除要請をする意向さえ示さなかった。たまらずに記者が「誹謗中傷を止めてくださいとか、今すぐ県警に相談行きますとか、そういうことができる立場なのに、なぜしないのか」と問いただすと、斎藤知事はこのように答えた。

 「そういった意見があるということは受け止めますけれども、自分としては、県としても、適切な対応だという風に思っています」

 だが、今まさに誹謗中傷にさらされる人たちがいるのでそれを止めるべきだという指摘は、単なる「意見」で片づけてよいものなのか。目の前で苦しむ人たちの苦しみを無視したまま、政治はできるのだろうか。

 さまざまな思いが残った会見だが、何より深刻なのはこのことが継続して報じられず、その内容が黙認されていくことだと思う。兵庫県知事選挙から1か月以上が過ぎて新しいニュースも次々出てきているが、決して忘れてはいけない問題は確かに残っている。

 そのことを肝に銘じて年を越したいと思う。

 □西脇亨輔(にしわき・きょうすけ)

 1970年10月5日、千葉・八千代市生まれ。東京大法学部在学中の92年に司法試験合格。司法修習を終えた後、95年4月にアナウンサーとしてテレビ朝日に入社。『ニュースステーション』『やじうま』『ワイドスクランブル』などの番組を担当した後、2007年に法務部へ異動。社内問題解決に加え社外の刑事事件も担当し、強制わいせつ罪、覚せい剤取締法違反などの事件で被告を無罪に導いた。23年3月、国際政治学者の三浦瑠麗氏を提訴した名誉毀損裁判で勝訴確定。同6月、『孤闘 三浦瑠麗裁判1345日』(幻冬舎刊)を上梓。同7月、法務部長に昇進するも「木原事件」の取材を進めることも踏まえ、同11月にテレビ朝日を自主退職。同月、西脇亨輔法律事務所を設立。今年4月末には、YouTube『西脇亨輔チャンネル』を開設した。西脇亨輔

 元稿:ENCOUNT 主要ニュース 社会 【話題・地方自治体・兵庫県・斎藤元彦知事が、百条委員会での証人尋問についてコメント】  2024年12月31日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【兵庫県】:斎藤知事、元県民局長「3月告発文書」と「4月公益通報」は“別物”扱い 百条委が切り抜きに警鐘

2024-12-31 07:15:40 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県】:斎藤知事、元県民局長「3月告発文書」と「4月公益通報」は“別物”扱い 百条委が切り抜きに警鐘

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県】:斎藤知事、元県民局長「3月告発文書」と「4月公益通報」は“別物”扱い 百条委が切り抜きに警鐘 

 兵庫県議会議員の増山誠氏が29日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、今月25日に行われた、斎藤元彦知事の告発文書問題を審議する県議会の文書問題調査特別委員会(百条委員会)についてコメントした。増山氏は百条委員会のメンバー。

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兵庫・斎藤知事、元県民局長「3月告発文書」と「4月公益通報」は“別物”扱い 百条委が切り抜きに警鐘© よろず~ニュース

 この日は、斎藤知事に対する最終尋問が行われ、増山氏も質問。SNSや報道などでさまざまな切り抜き動画が拡散したということもあり、Xでは「誤解の無いよう発言の全文を掲載します。」と自身の質問と斎藤知事の回答を伝えた。

 掲載したのは公益通報に対する解釈について尋ねた部分。全文は以下の通り。

                ◇ ◇

 ●増山の質問

 知事、副知事、総務部長は、(4月の)内部公益通報が誰によってなされたか、どのような内容でなされたかは知らない。

 3月の告発文と(4月の)内部公益通報の内容は全く違う可能性もあり、かつ内部公益通報はその結果が発表される仕組みになっていない。

 この前提に立つと、3月の告発文への処分を内部公益通報の結果を待つというのは全く関係ない事象とされるべきものに人事処分が影響されるということになるのではないか。

 誹謗中傷文書を流布したものが何らかの文書を内部公益通報を行った旨発表すれば永遠に処分されない事態を招きかねないと思うがどうか。

 ●斎藤知事の回答

 そうですね同じ認識です

 内部公益通報というのは行政内部で非公表、非共有であり、その調査を待って処分を待つべきだということになればずっと処分できないという事態を招く

              ◇ ◇

 亡くなった元西播磨県民局長は斎藤知事のパワハラ、おねだり、キックバック問題などについて3月12日に一部の県議や放送局、新聞社などに文書を配布。これが騒動となり、元県民局長は停職3カ月の懲戒処分を受けた。その後、あらためて4月4日に県の窓口に通報したとされる。

 3月の文書と4月の通報はほぼ同じ内容とされているが、本来は4月の通報は、内容が外部に漏れてはいけないもの。4月の通報は、知事であっても内容を知ることはできないとされている。

 増山氏の質問に対して、斎藤知事は「内部公益通報というのは行政内部で非公表、非共有」と答えており、たとえ報道されていたとしても、公式には4月の通報の内容は知り得ない立場であることを明言していた。元県民局長への懲戒処分については、本来知ることができない4月の通報への対応を待つのは筋違いというスタンスだ。

 3月の文書を「公益通報」とするかどうかについては弁護士や法学者の間でも意見が分かれている。

 (よろず~ニュース編集部)

 関連するビデオ: 「県として適切に対応」斎藤知事、2時間半に及ぶ百条委最後の証人尋問終了 調査結果は早くて来年2月 (読売テレビニュース)

 元稿:よろ~ずニュース 主要ニュース 社会 【話題・地方自治体・兵庫県・斎藤元彦知事の告発文書問題を審議する県議会の文書問題調査特別委員会】  2024年12月30日  15:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫県】:斎藤前知事は、なぜ改革に反対する勢力の謀略に負けたのか?

2024-12-31 07:14:10 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県】:斎藤前知事は、なぜ改革に反対する勢力の謀略に負けたのか?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県】:斎藤前知事は、なぜ改革に反対する勢力の謀略に負けたのか?

 古来、政治の世界では讒言(ざんげん)や冤罪(えんざい)がつきものだった。中国では紀元前3世紀の屈原が、わが国では菅原道真公が有名な例だろう。韓流ドラマなどでも財閥の総帥に対し部下がライバルの裏切りを密告する讒言の話がある。だがさすがに21世紀の法治国家では讒言や冤罪で権力の座を追われる例はあまりない。

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出典:Estonia Tool Box

 なぜなら、民主国家には根拠の不確かな讒言や密告を真に受け、部下を処罰や解任できる強力な独裁者はいない。また民主国家の政府には法律で情報公開が義務付けられ何事にもファクトやエビデンスが要求される。噂や密告を根拠に物事は動かせない。

 ところが昨今の兵庫県庁の文書事件(筆者は原文を読み、内容も文体も典型的な「怪文書」と確信した。よって以下「怪文書事件」とする)はそうでない。

兵庫県の告発文書「通報者さがし→処分」に問題はなかったのか? 弁護士は「違法の可能性は十分ある」と指摘斎藤元彦知事(公式ホームページより)

 兵庫県庁では、まるで平安王朝のように現役の知事に対する讒言や冤罪が白昼堂々と行われ、全国にテレビ中継され、燃え盛る世論を恐れた議会によって知事はその地位を追われた(不信任決議)。この不思議で奇怪な事件の背景には一部議員や彼らにつながる既得権益勢力、さらに職員やOBなどによる斎藤前知事が進める改革への強い反発があったと思われる。

 筆者は自治体の行政改革の顧問として、大阪府・市の維新改革で橋下氏・松井氏と、東京都庁改革で小池氏と、そのほか関氏(大阪市、2005年-07年)、嘉田氏(滋賀県)、大村氏(愛知県)、篠田氏(新潟市)、中田氏(横浜市)など多くの改革派首長と仕事をしてきた。兵庫県の斎藤前知事とは面識すらなく兵庫県庁と仕事をしたこともない。しかし改革を迫られた県庁組織や一部議員のすさまじい抵抗や様々な手口を各地で多々見てきた。ネタ欲しさに守旧派勢力に加担するマスコミの醜態も見てきた。そうした経験に照らし、筆者は本件は令和の讒言、冤罪事件ではないかと考える。

 自治体改革の現場では改革に反対する勢力が必ず出現する。怪文書や偽情報による内部通報(多くは讒言)、マスコミへのリーク、反対派議員によるいやがらせの議会質問やマスコミによるその流布拡大なども日常茶飯事である。自治体の地方政治の現場はまじめに市民に尽くす公務員集団の陰で利権をめぐって何でもあり権力闘争が渦巻く汚い世界である。私自身も改革派首長の側近で仕事をすると根拠のない誹謗中傷にあうことが多々ある。だが多くの場合、怪文書はメディアでは紹介されない。裏どり(事実確認のこと)なしに記者は記事にできず、怪文書は調べてみたらほとんどが嘘だからだ(嘘や噂でしかないと分かっているので書き手も怪文書の体裁をとる、一種の文学である)。だから通常は怪文書は一般には流布されずに終わる。ところが今回は県庁がたかが怪文書の出どころを調査した。考えてみれば、斎藤前知事の失敗はそこに始まる。そんなものは放置しておけばよかった。それをクソ真面目に探求した結果、窮鼠が猫を噛むような事態を招いてしまったのではないか。

 〇元局長の自死が事態を激変させた

 もちろん怪文書を公務員が匿名で書いて流布させる行為は不適切だ。しかし公務員は情報源のそばにいる。公務員が作成に関与したという噂はよそにもあった。だが県庁が怪文書の作成者を組織的に探索して処分までするというのは珍しい。たかが怪文書だからマスコミは紹介しないので実害がない。だから放置されるのが普通だ。ところが今回は県庁関係者以外の固有名詞があったため調査をしたという。その結果、作者がなんと公務員=元局長だと特定された。当該元局長は公用PCの私的利用のほか数々の不法行為をしていた。それらを理由に処分された。しかし処分された元局長は公益通報の訴えを行った。これは珍しい。そして原因は不明だが自死に至った。これも極めて異例である。出発点はごく普通の怪文書だった。その出来もあまりよくない。ところが今回は異例なことが3つ重なり、”たかが怪文書”が県議会やマスコミの耳目を集めた。

 さて議会には常に首長(知事や市町村長)に反対する勢力がいる。彼らからすると元局長の自死は知事の責任を追及する格好のチャンスである。「知事あるいは部下の激しい追求のせいで自死したのではないか」「公益通報制度の運用ミスがあったのではないか」など知事の責任を追及する。怪文書の内容も知事批判だった。「知事が自分を批判する部下を不当に扱ったのではないか」「普段から様々なパワハラやおねだりがあったのではないか」と反知事勢力からすると格好の批判材料が続出した。そして書いた本人は自死された。真相は不明なまま、知事への批判の仮説だけが膨らんでいった。

〇斎藤前知事は大規模な県庁改革を進めていた

 兵庫県の斎藤前知事は抵抗勢力と戦いながら、前例のない規模の県庁改革を進めていた。

 ①1000億円の庁舎建設問題

前知事時代に1000億円をかけて県庁庁舎を建て替える案ができていた。斎藤前知事はそれを見直し反故にした。期待していた建設業界や彼らの支援を受ける一部議員、さらに業界に天下る予定の職員にとっては迷惑な話だっただろう。

 ②天下り規制問題

また兵庫県庁では外郭団体の役員などに就く職員退職者の年齢を65歳までと内規で決めていた。それが従来は無視され慣習的に延長されていた。斎藤前知事は2021年にそれを正常化すべく56人の退職を求めた。これは制度の適正化だが、幹部職員や退職者からは猛烈な心理的反発を招いたに違いない。経過措置を講じれば退職職員もほかの行き先を探すなどの余裕が持てたはずだが一気に是正しようとした。

 ③大学無償化問題、港湾関係

 さらに斎藤前知事は県立大学の授業料無償化方針を打ち出したが、これは新たな財源を必要とする。そのねん出のために各種施設建設などを見直していた。これも建設需要をそぐ結果になる。抵抗を招いて当然だろう。さらに包括外部監査の報告に従って港湾関係の団体への資金の流し方も見直した。

 要するに斎藤前知事は今までの兵庫県ではあり得なかった規模の大改革を進めていた。個々の見直しの内容ややり方の是非は立場によって意見が違うだろう。だが必ずしも根回しを十分に行わなかった可能性があり、いささか拙速だった可能性がある。改革自体、そしてやり方について一部の議員や職員の不満が募っていったことは想像に難くない。それが元局長による怪文書、内部告発、さらに議会による百条委員会設置、知事の不信任決議と失職に至ったと考える。

 〇一部の県議会議員による謀略?--百条委員会の設置と公開審議

 さて、注目すべきは文書問題への県議会の対応だ。県議会は元局長が処分されると手回しよく県議会の調査特別委員会(百条委員会)を立ち上げ、なんと噂や伝聞の情報まで大量に集めた。しかもそれを精査や吟味、分析をすることもなく、速やかに丸ごとすべて公開した。これを見て私はすぐに「ああ、これは謀略だ。完全にプロの手口だ。マスコミを使って知事を辞めさせたい(政局)のだな」と感じた。

 〇「マスコミを使う」とはどういうことか?

 議員は議場で質問をするが、公開審議の場でありマスコミが取材する。また議会の議事録や委員会の資料は原則、公開されるのでマスコミにとっては大事な情報源である。そして議員もそれを意識して議会で発言をする。つまり議員はマスコミを利用しようと考える。もちろんマスコミも特定会派の主張に偏ることがないよう通常は注意深く取材をする。ところが今回、マスコミは容易に反知事派議員の主張に迎合同調してしまった。

 なぜか。

(1)マスコミは常に読者・視聴者にアピールする等身大の不祥事ネタを欲している(売り上げ、視聴率のため)

→元局長の自死、知事への抗議の姿勢は出発点で等身大の注目ネタだった。

→知事のパワハラ、おねだりの情報は権力者の等身大の不祥事で格好のネタである

(2)記者が自ら見つけた不祥事情報(ネタ)の場合には裏取り(ファクトとエビデンス)が必要だ。しかし公的機関である百条委員会が公開した内容であれば、たとえ匿名の伝聞情報であっても裏取りなしに報じても許される(公的機関が責任をもって発表したので仮に嘘の情報であってもマスコミの責任は免れる)。

→独自の取材の場合、知事から捏造と訴えられる可能性があるが、議会発のネタだから訴訟リスクは全くない。きわめて気楽に報道できる。

(3)民主主義国家の議会は情報公開を旨としている。マスコミは議会が設置した百条委員会が情報を公開する姿勢を求めている。百条委員会はいかなる内容でも情報を公開してマスコミから批判されることはないという”身の安全”が保障されている。

→マスコミと反知事派議員の間には暗黙の相互利益の認識があった。反知事派議員は情報公開の原則という建前を武器に知事を攻撃できる材料をせっせとマスコミに提供した。マスコミも売り上げ、視聴率を稼げるネタとしてどんどん報道した。

 〇議会が情報公開を濫用して未確認情報を拡散させる問題

 以上を合わせると反知事派の議員が百条委員会を使って合法的に知事の信用を失墜させる方法が見えてくる。すなわち、

(1)百条委員会が県職員にアンケートで知事の不適切行為について回答させるが、その際には噂や伝聞を含んでもよいとあらかじめ明記しておく

→実際集まった情報の大多数は実際に見聞した情報ではなく「噂」「伝聞」だった。

(2)集まった結果は百条委員会として内容を精査することなく、即座に丸ごとマスコミに提供する。

→アンケートの原文は丸ごとすぐにHPで公開された

→「実際の見聞」の項目に書かれた文章の中にも「と聞いた」という表現が出ていたがそれらの精査もなく実際の見聞の数としてカウントされた

→百条委員会は知事を称賛するコメントも知事の不適切行為を直接見聞した数とカウントし、それはそのまま報道された

(3)マスコミ各社は先を争って(特落ちしないように急いで)裏どりなしで、権威ある議会が公表した情報として知事の不祥事を大々的に報道する

という段取りで実現する。

 昨今のマスコミはスタッフが手薄である。よって裏どりなしで書けるネタを切望している。視聴者は議会発、政府初の情報を疑うことなく鵜吞みする傾向がある。百条委員会で今回の手口を仕掛けた議員はなかなかの策士であり剛腕である。政府に騙されやすい一般市民と人手不足のマスコミ記者の習性、議会の情報公開原則を熟知したあざとい手法を展開した。

 県庁の組織であれば公務員はこのような雑な資料のまとめ方や公表はしない。しかし百条委員会は県庁ではなく議会の機関だ。議員で設置を決め、調査のやり方や情報公開のやり方も自分たちで決める。倫理意識と訓練を経て仕事をする公務員の常識には縛られない。よって雑な情報を雑なまま(しかしおそらく意図的に雑なまま)公開した。以上から筆者は百条委員会は一部議員が主導する謀略の一環として設置され、謀略に従って知事を貶めるための未確認情報を大量にマスコミに提供したと考える。

 〇知事に対する冤罪と考える理由

 鳴り物入りで開かれた百条委員会だが、怪文書に記載された知事選での投票依頼、事業者からの物品受領、過度のパワハラなどの7項目はどれも真実だったと実証されていない。2人の県職員の自死と斎藤前知事の言動や判断との関連も全く不明である。公益通報の扱いについても、当初は典型的な匿名の怪文書の様式を備え外部に流布された。それが後に公益通報と位置づけが変えられたという経緯に照らせば、斎藤氏が直ちに知事を辞めなければならないほど深刻なミスを犯したとは言い難い(公益通報に変わった時点で調査は第三者に付すべきだったと筆者は考えるが)。

ならば百条委員会の目的は何だったのか。噂や伝聞を組織的に集め、議会の権威する文書であるかのように加工し、マスコミに報じさせ、知事の政治家としての信用を失墜させること、その一点にあったのではないか。

 ○斎藤前知事はどこで間違えたのか

 筆者は、斎藤氏の県政改革への信念や方向性は明確だし、多くの一般県民の賛同が得られるものだったと思う。知事は兵庫県が他府県よりも厳しい財政事情にあることを知り、出費を抜本的に見直していた。一方で若年層の支援など重点施策には予算を付けた。庁舎建て替えの見直し、県立大学の無償化、高校の設備改善、天下りの見直し、港湾事業の透明化などの改革方針は、おおよそ時代の流れに沿った合理的なものと思われる。

 だが当然、既得権益を失う人たちが出てくる。そして抵抗勢力は反対する。斎藤前知事自身もコロナ禍が終息して一気に展開するやり方で抵抗が増した可能性に言及していた。本来は、利害関係者の意見を広く収集し、丁寧なハンドリングをした上で実行すべきところが拙速に過ぎた可能性がある。

 私の見聞では、改革派の首長は通常は1期目は地ならしに徹し、あまり大きな改革には手を付けない。そして2期目の選挙の公約で大玉のテーマ(例えば大阪市の場合の地下鉄民営化など)を掲げる。そして「選挙で市民の理解を得た」というお墨付きの元で本格改革に着手する。しかも、対立する勢力ともよく対話をする(最後は世論の支持をバックに押し切るのだが)。これが常道だ。しかし斎藤前知事は一期目で一気に事を進めた。また、利害関係者とのコミュニケーションが足りなかったのではないか。

 百条委員会が行った職員アンケートの回答内容はほとんどが伝聞、噂だったが、回答率自体は高かった。斎藤氏には若干のパワハラ的傾向があり、周りの職員とぎくしゃくしていたのかもしれない。そうした仕事のやりにくさや不満は、将来の改革に対する不安感(庁舎の建て替え問題と相まって)とセットで知事とは直接接点を持たない職員にも伝わっていた可能性がある。 

 以上を総合すると、斎藤前知事は、まじめな改革派知事だった。しかし反対派へのコミュニケーションが足りず、必要以上の反発を招いたのではないか。またもしかしたら若干のパワハラ傾向があった可能性がある。加えて、無視し放置しておけばよい例の怪文書に着目し、書き手を探して処分した。その結果墓穴を掘ってしまった。

 改革は中身がよくてもやり方を間違えると失敗する。斎藤前知事が出直し選挙で勝てば、雨降って地が固まり改革は加速するかもしれないが議会との膠着が続くだけかもしれない。負ければ次の知事は混乱の是正と称し過去の県政に戻すだろう。だとしたら県政は堂々と改革を否定し、過去に逆戻りする。その場合、斎藤氏は皮肉なことに結果として改革を阻害した知事になるだけかもしれない。

 〇前知事の出直し選挙への出馬は正当

 斎藤氏は議会の不信任決議にもかかわらず次期知事選に出る見込みである。これについては筆者は賛成である。

 百条委員会の途中で議会は不信任案を決議したが、百条委員会の調査も第三者機関の調査も終わっていない。県政の停滞や混乱をこれ以上、放置できないから不信任という理屈はわかるが前知事は釈然としない。真相究明の途中での不信任決議というのは、裁判で証拠不十分のまま判決を出すようなものだからだ。

 だから斎藤前知事が出直し選挙に出馬し、県民から禊(みそ)ぎを受けたいと考えるのは当然だろう。しかも百条委員会では不祥事の審議が焦点であり、知事がどういう改革を目指し、なぜそれが議会や職員、特に退職者からの反発を招いたかなどを説明する機会はなかった(辞職した副知事は少し試みていた。庁内に「クーデター」を考える勢力がいた等の発言があった)。選挙戦を通じて改革の意図を説明したいだろう。

 〇選挙戦での釈明と改革のアピール

 失職後の選挙戦では、前知事とはいえ、一個人として自由に発言できる。すべての候補者の主張をマスコミ各社も平等で扱うし、前知事の発言は注目を集める。兵庫県がどういう状態にあるのか、なぜ改革が必要か、どういう改革をしようとするのか、それがいかに重要か、など十二分にアピールできるだろう。

 また前知事の改革の一覧を選挙の争点に掲げると他の候補者も賛否の意見表示をせざるを得なくなる。今回の知事選挙は、前知事が出馬するだけで当初進めていた改革は頓挫しにくくなるだろう。また抵抗勢力の存在も県民に伝わるだろう。彼が選挙に出馬するというよりも「改革」が選挙で争点になればよい。斎藤前知事が不信任になったにもかかわらず出馬するというだけで関心は高まる。選挙の争点が政策や改革に集まれば選挙のレベルは上がる。県民全体にとってはメリットがある。

 〇最後に残る謎

 今回は知事を失脚させようとする勢力の動き(手口)を私なりの視点から推理してみた。推理を裏付けるファクトやエビデンスは・・ない。だが筆者は多数の自治体でこれに似た見聞をしてきた。その経験に基づく推論を述べれば上記になった。百条委員会やマスコミの報じ方に対し何らかの違和感を覚える方の参考となれば幸いである。

 しかし、最後にどうしても残る謎は元局長の動機である。

 疑問①そもそも局長の地位にまで上った幹部職員がなぜ怪文書(しかも噂を集めただけで決定的事実を書いていない)を作成して流布させたのか?

 疑問②百条委員会で意見を述べるとされていたのになぜ自死されたのか?

 疑問③百条委員会では元局長が公用PCに残したプライベートな文書を公開させる動きがあった。副知事の証言では公開されると困るような内容だったとのことだがそれと自死のつながりはあるのか?

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慶應大学名誉教授、経営コンサルタント

専門は戦略と改革。国交省(旧運輸省)、マッキンゼー(パートナー)を経て米ジョージタウン大学研究教授、慶應大学総合政策学部教授を歴任。平和堂、スターフライヤー等の社外取締役・監査役、北九州市及び京都市顧問を兼務。東京都・大阪府市・愛知県の3都府県顧問や新潟市都市政策研究所長を歴任。著書に『改革力』『大阪維新』『行政評価の時代』等。京大法、米プリンストン大学院修士卒。これまで世界119か国を旅した。大学院大学至善館特命教授。オンラインサロン「街の未来、日本の未来」主宰 https://lounge.dmm.com/detail/1745/。1957年大阪市生まれ。

 元稿:Yahoo!JAPANニュース 主要ニュース 社会 【話題・地方自治体・兵庫県・昨今の兵庫県庁の文書事件(筆者は原文を読み、内容も文体も典型的な「怪文書」と確信した。よって以下「怪文書事件」とする)・担当:上山信一:慶應大学名誉教授、経営コンサルタント】  2024年10月20日  12:18:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・12.29》:公益通報者保護 事業者任せにせぬ制度に

2024-12-29 09:31:55 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

《社説①・12.29》:公益通報者保護 事業者任せにせぬ制度に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.29》:公益通報者保護 事業者任せにせぬ制度に 

 組織の不正を正そうと思っても、これで安心して通報できるのかはおぼつかない。

 「公益通報者保護法」について、消費者庁の有識者検討会が法改正に向けた報告書をまとめた。

 内部告発を「公益」とする法の趣旨を徹底させ、対応を強化する方向だ。法が禁じる通報者への解雇、降格、減給、配置転換、嫌がらせなどの「不利益な取り扱い」が後を絶たないためである。

 このうち、内部告発したことを理由として解雇、懲戒処分を行った事業者には刑事罰を科すべきだとした。重罰化によって、不利益な取り扱いを抑止しようという意図は理解できる。

 ただ、抜け穴は多そうだ。解雇にしなくても、一人部屋に置き続けたり、生産性のない仕事ばかりをさせたりして退職に追い込むことはできてしまう。

 懲戒処分ではない降格や減給、配置転換などは、「違法行為の範囲や定義についてさらに検討が必要」として罰則の対象から外した。これにも言い逃れの懸念がつきまとう。人事評価だと言えば、事実上の報復対応が可能になってしまうからだ。

 さらに、事業者が通報者を特定する“犯人捜し”(探索行為)への対応も、禁止規定は設けるべきだとしつつ罰則を見送った。

 案件によっては通報者の協力が必要な場合が考えられ、すべてを違法とひとくくりにしにくいのは確かだ。仮に罰則を設けたところで、事業者の解釈一つで正当な調査だとも言えてしまう。

 そもそも、何が公益通報なのかを事業者が判断できてしまう問題も積み残された。

 兵庫県知事のパワハラ疑惑などを県幹部が外部に訴えた問題で、知事は告発文書を「うそ八百」と断じ、幹部を懲戒処分とした。鹿児島県警は組織の不祥事情報を報道関係者に送った幹部を守秘義務違反とし、逮捕までした。

 こうした例に見られる危うさは検討会でも指摘されたが、具体的な提案にはなっていない。

 共通するのは、事業者任せでは通報者は守れない現実だ。組織内に公益通報の窓口を設ける義務規定(従業者300人以下は努力義務)も含め、現状では内部告発をためらわせる要素が多い。

 組織の不正を正すことは本来、組織にとっても有益なはずだ。その原点を社会で共有しながら、通報者を徹底して守り、通報の妥当性を第三者的に評価できる何らかの仕組みが要る。議論を深め、実効性のある制度に育てたい。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月29日  09:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.26】:県議会百条委/公正な調査尽くし結論を

2024-12-27 06:00:40 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【社説・12.26】:県議会百条委/公正な調査尽くし結論を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.26】:県議会百条委/公正な調査尽くし結論を 

 兵庫県の元西播磨県民局長が作成した告発文書問題で、県議会の調査特別委員会(百条委員会)は文書を公益通報として扱わなかった県の対応などを巡り、斎藤元彦知事や片山安孝元副知事への最後となる証人尋問を実施した。

 斎藤知事はすでに2回、証人尋問に応じたが、県議会は調査の途中で「知事の資質に欠ける」として全会一致で不信任を決議した。知事は9月末に失職、11月の出直し選で再選した。再選後初の尋問となったが新たな事実は出なかった。

 百条委は来年2月議会に報告書を提出する。一連の県政の混乱は全国的な注目を集めた。真相解明へ公正な調査を尽くし、県民の納得を得る見解を導き出せるかが問われる。

 元局長の男性は3月、知事のパワハラや贈答品受領などを告発する文書を匿名で作り県議らに配った。知事は県幹部に調査を指示。男性は4月に県の公益通報窓口にほぼ同じ内容を告発したが、県は調査結果を待たず男性を懲戒処分にした。

 公益通報者保護法は通報を理由とする降格などの不利益な取り扱いを禁じており、百条委は告発者の特定や、告発を公益通報と扱わず処分したことなどを問題視した。

 知事は告発文書を「誹謗(ひぼう)中傷性が高く、公益通報に当たらない」とし、処分も「適切」との見解を述べ、これまでの答弁の繰り返しに終始した。片山氏は告発文書の作成意図を「不正な目的と認識していた」と証言し、同法の保護対象にはならないと主張した。

 対照的なのは、知事の尋問に先立ち証言した参考人の結城大輔弁護士だ。調査結果が判明する前に通報者に不利益な扱いをするのは「許されない」と明言し、文書を保護法の対象外とした知事らの対応を批判した。これまで参考人に立った弁護士らも同じ趣旨の証言をしていることを、知事は直視する必要がある。

 今月、県が公表した内部調査の結果では、知事のパワハラなどの疑惑について「確証までは得られなかった」としつつ、知事ら幹部へのハラスメント研修の義務付けなど是正措置を示した。物品受領についてもルールの明確化を要請した。県政の信頼回復へ確実な実行が不可欠だ。

 尋問は今回が最後となるが、知事と県幹部らの証言や認識に違いが残ったままで、疑念が晴れたとは言い難い。当時の県幹部が男性の私的情報を県議らに漏らした疑惑も指摘される。百条委は関係者に再度証言を求めることなども検討するべきだ。

 文書問題は百条委とともに弁護士でつくる県の第三者委員会も調べており、結果は年度内に公表される。厳密な検証を求めたい。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月26日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【兵庫県】:年内最後の会見 文書問題 斎藤知事「一つ一つ適切に対応」 反省点言及せず

2024-12-27 05:03:05 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県】:年内最後の会見 文書問題 斎藤知事「一つ一つ適切に対応」 反省点言及せず

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県】:年内最後の会見 文書問題 斎藤知事「一つ一つ適切に対応」 反省点言及せず 

 兵庫県の斎藤元彦知事は26日、年内最後の定例会見を開いた。斎藤知事のパワハラ疑惑などを告発する文書を作成し一部報道機関などに配布した元県幹部の男性への対応を発端に、約9カ月にわたり県政の混乱が続いた。斎藤知事は、疑惑告発文書問題の対応について反省点は言及せず、「適切に対応してきた」と強調。県民に対し「心配をおかけしたことは申し訳ない」と陳謝した。

定例会見で質問に答える兵庫県の斎藤元彦知事=26日午後、神戸市中央区

 3月27日の定例会見で斎藤知事は、文書について「嘘八百」と断じ男性を「公務員失格」と非難。5月に内部調査の結果、男性を停職処分とした。6月に設置された百条委では、文書に記載された7項目の疑惑に加え、男性を公益通報者保護法の対象としなかった県の対応についても審議が進められ、来年2月をめどに報告書をまとめる。県が設置した弁護士らによる第三者委も今年度中に調査結果を報告する予定だ。

 斎藤知事は一連の対応を問題視した県議会からの不信任決議を受け、9月に失職。11月の知事選で再選を果たし2期目がスタートした。就任後、斎藤知事は県職員や県議会などとの信頼関係構築を強調し「丁寧な対話と謙虚な姿勢を胸に刻む」と述べていた。

 ただ、同月下旬に男性が公用パソコン内に保存したとされるデータが交流サイト(SNS)上に公開され、県保有情報の漏洩の疑いがあり、県は第三者による調査を行うとしている。県政の混乱は収まる気配をみせない。

 この日の会見で、斎藤知事は文書問題について「対応を一つ一つ適切にやってきた」と正当性を改めて強調。知事選での再選を受け「新たな気持ちで知事の仕事をこれからも頑張っていきたい」と述べた。職員とのコミュニケーションについては「風通しのよい職場を作っていく」とし、幹部職員らとミーティングの場などを設けるとした。

 元稿:産経新聞社 主要ニュース 政治 【地方自治体・兵庫県・斎藤知事のパワハラ疑惑などを告発する文書を作成し一部報道機関などに配布した元県幹部の男性への対応を発端に、約9カ月にわたり県政の混乱が続いた】  2024年12月26日  18:43:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫県】:斎藤元彦知事「仮定の質問にはお答えできない」百条委員会調査報告書の結果「黒」の場合は?

2024-12-27 00:10:50 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県】:斎藤元彦知事「仮定の質問にはお答えできない」百条委員会調査報告書の結果「黒」の場合は?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県】:斎藤元彦知事「仮定の質問にはお答えできない」百条委員会調査報告書の結果「黒」の場合は? 

 兵庫県の斎藤元彦知事(47)が26日、県庁で今年最後の定例会見を行った。

 斎藤氏の疑惑告発文書問題で、県議会調査特別委員会(百条委員会)はパワハラなど疑惑7項目を調査結果報告を来年2月にまとめる見込み。

兵庫県議会の百条委員会の証人尋問に出席した斎藤元彦知事(24年12月25日撮影)兵庫県議会の百条委員会の証人尋問に出席した斎藤元彦知事(24年12月25日撮影)

 調査報告でパワハラや、公益通報者保護法に該当すると認定され、結果が「黒」の場合でも受け入れるかについて斎藤氏は「どういう結果が出るかはこれからなので、仮定の質問にはなかなかお答えできない。コメントはできない」と述べた。

 告発文書は今年3月に県西播磨県民局長だった男性が作成し、関係者に配布した。県の公益通報窓口にも通報したが、県は内部調査を進めた結果、文書を「誹謗(ひぼう)中傷」と認定。男性は停職処分を受け、7月に死亡した。

 公益通報の対応について「適切だった。その主張に変わりはない」とし、調査結果報告の結果を見てから対応を決めるのかの質問に「仮定の質問なので答えられない。百条委などで県の対応については適切だったと答えている。その主張を述べさせていただくのが当面の対応です」とした。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・地方自治体・兵庫県・県議会調査特別委員会(百条委員会)・斎藤氏の疑惑告発文書問題】  2024年12月26日 15:57:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫県】:元局長の情報流出疑惑、第三者委設置へ 斎藤元彦知事「年明け早々に」

2024-12-27 00:10:40 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県】:元局長の情報流出疑惑、第三者委設置へ 斎藤元彦知事「年明け早々に」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県】:元局長の情報流出疑惑、第三者委設置へ 斎藤元彦知事「年明け早々に」

 兵庫県の斎藤元彦知事らを巡る疑惑を文書で内部告発した元県西播磨県民局長(7月に死亡)の私的な情報が漏えいした疑いがある問題に絡み、斎藤知事は26日の定例記者会見で、年明け早々に第三者委員会を設置する意向を明らかにした。
 
定例記者会見に臨む斎藤元彦知事=神戸市中央区の県庁で2024年12月26日、山田麻未撮影

 元局長は3月中旬、一部の県議や報道機関に知事のパワーハラスメント疑惑などを記した文書を匿名で送付。県のその後の調査で元局長が特定された。

 インターネット上では、この調査で調べられた元局長の公用パソコンに保管されていた私的情報とされるデータが拡散された。

 政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が知事選後の11月下旬以降、元局長の公用パソコンにあったデータの画像などを動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」やX(ツイッター)で公開した。

 立花氏は当時の取材に「公開した情報は本物だと思う。(情報提供者について)県の第三者機関の方にしゃべるつもりはない」と話している。

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