路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《今日も惑いて日が暮れる・12.18》:「東京事件」は起きないか=吉井理記

2024-12-18 13:09:30 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

《今日も惑いて日が暮れる・12.18》:「東京事件」は起きないか=吉井理記

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《今日も惑いて日が暮れる・12.18》:「東京事件」は起きないか=吉井理記

 あれは地方紙の記者をしていた2001年春だった。

 サッカーの日韓ワールドカップ(W杯)を翌年に控え、韓国政府の招きで韓国国内のW杯開催地を取材したことがある。

 取材といっても、韓国語は「こんにちは」「さようなら」「ビールをください」しか知らず、当局者の日本語での説明にうなずくだけだったが、光州市で光州事件(軍事政権による戒厳令下の1980年、出動した軍が民主化を求める多数の市民を射殺した事件)犠牲者を追悼する公園を見学した時は、怠惰な僕も粛然とした。

 犠牲者は政府認定で154人。実数ははるかに多い、という指摘もある。記念館には亡くなった市民や学生の写真が並び、夕日を浴びた慰霊碑が長い影を落としていた。

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 元稿:毎日新聞社 東京夕刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【今日も惑いて日が暮れる】  2024年12月18日  13:09:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・12.12】:「6時間戒厳事態」の今後 韓国政治に見る民主主義の基礎

2024-12-18 07:40:20 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【政界地獄耳・12.12】:「6時間戒厳事態」の今後 韓国政治に見る民主主義の基礎

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・12.12】:「6時間戒厳事態」の今後 韓国政治に見る民主主義の基礎 

 ★4日午前4時30分ごろ、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が非常戒厳解除を議決して「6時間戒厳事態」は幕を下ろしたが、今後はこの6時間を巡り、途方もない時間が費やされることになる。韓国の国会、司法当局、軍はそれぞれ独自の検証を始めるとともに現職の大統領の国外出国禁止、身柄を拘束されていた前国防相は内乱罪で逮捕された。非常戒厳は大統領の独断なら憲法違反も含む有効性が問われ大統領の責任、閣議決定があったなら閣僚の責任も問われる。国会に問わずに執行した場合も場合によっては問題が生じる。無論、軍や警察も命令下での行動であっても、指揮を執った責任も問われるだろう。

国会前で韓国の尹錫悦大統領の弾劾などを訴える人たち=8日、ソウル(共同)

 ★それほど幾重にも安全装置が法的に施されていても、これだけ大きな謎が生まれる。韓国には戒厳法があり、緊急事態の場合の手順も細かくある。それでも大統領の暴走は起きたと考えれば、憲法は権力者を縛るものだが、いかようにも抜け道があることになる。我が国の緊急事態法制定の動きと重ねるだけでなく、政治的窮地に追い込まれていた大統領が思わず発したものではなく、軍と緊密に連携していたことが露見すれば韓国政界は大揺れだ。その意味では与党「国民の力」は10日、「秩序ある退陣」と銘打ち2月か3月に大統領が辞任し、4月か5月に大統領選を実施する案を明らかにした。国会では野党が14日に2回目の弾劾訴追案の採決を行う腹だが、野党の言うまま弾劾するのではなく、大統領には政治に関わらせず検察の捜査を優先させ、粛々と退陣させ、または逮捕させ大統領選挙を準備するのは冷静で見事だ。 

 ★一方、最大野党・共に民主党代表・李在明(イ・ジェミョン)は「このような重大な犯罪者をそれまで大統領の座にとどめておく」という考えを国民が受け入れるかどうかわからないとし、こちらも的を射る発言だ。軍隊があることで権力はより抑止的な運用が求められる。国民も安心する。韓国の民主主義の定着が発揮された形だ。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年12月12日  07:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・12.11】:韓国法務省の権力者に対する毅然措置 日本だったら…

2024-12-18 07:40:10 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【政界地獄耳・12.11】:韓国法務省の権力者に対する毅然措置 日本だったら…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・12.11】:韓国法務省の権力者に対する毅然措置 日本だったら…

 ★9日、韓国法務省は韓国大統領・尹錫悦(ユン・ソンニョル)に対し、出国禁止措置を取ったと発表した。同省は「法と原則にのっとり厳正に捜査する」と強気の姿勢だ。既に検察は前国防相・金龍顕(キム・ヨンヒョン)の身柄も抑え、「内乱」と「職権乱用」の捜査が進む。同日、最大野党「共に民主党」の議員は軍防諜(ちょう)司令部が作成した戒厳関連文書を公表。軍内部の検討が11月中から進んでいたことを示した。

 ★9日、顔や身元をさらすことも機密となっている韓国の陸軍特殊戦司令部の「707特殊任務団」団長の大佐は「非常戒厳」を受け、国会で作戦を展開。制服のまま会見し「部隊員は金前国防相に利用された被害者だ」「国民の皆さまに深くおわびする」と謝罪。現場はともかく、軍がどの程度関与していたかは今後の焦点となる。この経緯を我が国に転じれば緊急事態条項(戒厳令)を必要だとする自民、公明、維新、国民民主は政権や施政者に持たせるには、いかに危険なおもちゃになりかねないか考えないのだろうか。

 ★6日、国民民主党幹事長・榛葉賀津也は会見で韓国の動きを見た上で「緊急事態条項がナチスとなぞらえて危険な政権になるというようなプロパガティブな発言もありますが、全く逆です。緊急事態条項がないことが行政の暴走や権力者の暴走を招きかねない」としたが、国民と政治家に既に信頼関係が乏しく、我が国で首相が暴走した時、韓国のように法務省が“忖度(そんたく)”なしに毅然(きぜん)と首相や防衛相の身柄を拘束出来るか。日本維新の会前代表・馬場伸幸もXで「韓国で起こることは日本でも起きる可能性があるということを自覚しないといけない。憲法改正で緊急事態条項を整備すべきだ」とした。三権に携わる者は全部正しいという国家主義に偏り過ぎてはいないか。自民党は条項は戒厳令ではない、大規模災害時の措置とするが、転用は簡単だ。国民の生命と財産を守るためという詭弁(きべん)で国民の活動を奪ったことは韓国市民から学んだ。この議論は我が国には早すぎる。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年12月11日  07:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.17】:【韓国大統領弾劾】混迷の長期化を避けよ

2024-12-18 05:05:40 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【社説・12.17】:【韓国大統領弾劾】混迷の長期化を避けよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.17】:【韓国大統領弾劾】混迷の長期化を避けよ

 民主化後初めての戒厳令に突き進んだ責任を明確にする必要がある。同時に、保革の対立が激化して政情が不安定化することは避けなければならない。混乱を長期化させないことが肝要だ。
 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は弾劾訴追で職務停止となった。「非常戒厳」宣言は憲法違反だとして野党が国会に提出していた。
 1度目の弾劾案は与党「国民の力」のボイコットで廃案となった。世論の反発は強く、2度目は与党議員の一部が造反して可決した。
 憲法裁判所が罷免の可否を180日以内に判断する。5年任期の半分が残る尹氏は争う姿勢を示している。
 尹氏は戒厳令を正当化する見解を示している。宣言は司法の対象とならない統治行為であり内乱罪に当たらないとする。与党が求めた早期退陣を拒否した。
 戒厳令は国民に過去の軍事独裁政権を思い起こさせ、拒否感は強い。尹氏の支持率は一段と下落した。
 尹氏は、戒厳令は国民に危機的状況を知らせ、憲法秩序を守り回復するためだったと主張する。国会は野党が過半数を占め、思うように政権運営ができないことへの憤りがにじむ。だが、民主政治と過激な手段を持ち込むことを結び付けるのは無理がある。
 軍を国会のほか中央選挙管理委員会に突入させる極端な行動の背景には、与党が大敗した4月の総選挙を不正と主張する勢力の影響を受けたとの見方が出ている。政権内部での情報共有の在り方など、戒厳令に至る全容の解明が求められる。
 当局は尹氏が内乱の首謀者とみて捜査している。政府高官の不正を調べる「高官犯罪捜査庁」(高捜庁)や警察などでつくる捜査本部が尹氏に出頭を求める。これまでに検察も事情聴取のため出頭を要請したが、尹氏は応じていない。拒否を繰り返せば身柄拘束に乗り出す可能性が指摘される。
 尹氏の職務停止を受け、韓悳洙(ハンドクス)首相は代行体制を本格化させた。バイデン米大統領と電話会談して米韓同盟の発展へ努力する意向を伝達したほか、閣僚からも日韓、日米韓協力の発展への発言が聞かれる。戒厳令は国民はもとより、国際社会を驚かせた。経済への影響も見過ごせず、信頼の立て直しは急務だ。
 与野党は国政運営を巡る主導権争いを続けている。野党が攻勢を強める中、国民の力の韓東勲(ハンドンフン)代表は辞任を表明した。党内結束を乱した責任を問われた格好だ。
 韓氏は尹氏を早期辞任させ国民の理解を得る考えだったようだが、尹氏は拒否した。国政から尹氏を排除するには弾劾案への賛成が必要だと表明した一方、党方針は反対を維持した。分かりにくい対応が与党の分裂と混乱を映し出す。
 国政混乱の収拾策は簡単にはまとまりそうにない。最大野党「共に民主党」が提案した国会と政府による協議体の設置には、与党は難色を示す。早期の正常化に向けた冷静な対応が求められる。

 元稿:高知新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月17日  05:00:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・12.17】:韓国大統領の弾劾 速やかに政治混乱の収拾を

2024-12-17 16:00:30 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【社説①・12.17:韓国大統領の弾劾 速やかに政治混乱の収拾を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.17】:韓国大統領の弾劾 速やかに政治混乱の収拾を 

 韓国国会は、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案を可決した。

 強行した「非常戒厳」は憲法違反として、野党が出した2度目の弾劾案に与党議員の造反による賛成が広がり、「退場宣告」を突きつけた形だ。

 尹氏は職務停止となり、権限は韓悳洙(ハンドクス)首相が代行する。

 これに対し、尹氏は「決して諦めない」と談話を発表し、争う姿勢を示している。

 今後、憲法裁判所が180日以内に罷免の是非を判断する。裁判官9人のうち6人の賛成で罷免となれば、60日以内に大統領選が行われる。2016年に罷免となった朴槿恵(パクウネ)大統領に続き、弾劾訴追は3例目となる。

 最長で240日間にわたって「大統領不在」となる。

 国内外に多大な影響を及ぼす政局混乱の長期化は極力、避けるべきだ。

 再提出の弾劾案可決は、国民の批判世論の高まりからだろう。尹氏は、4月に与党が大敗した総選挙は結果がねじ曲げられたと主張。戒厳の発令について、国政運営を妨害する野党の行動を知らせるためだったと正当化した。

 戒厳令では、軍兵士を選管本庁舎に送り、職員の携帯電話を押収した。国会にも突入させ、「議員を引っ張り出せ」と指示したとの証言も出ている。

 与党に任期を委ねるとした意向を翻して開き直る姿勢に、世論の7割以上が弾劾を求めた。

 このため、1回目の弾劾案採決には出席せず、廃案とした与党も、2回目は少なくとも12人の議員が賛成に回った。与党代表は辞意を表明した。

 与党は朴氏の弾劾訴追の後、下野した「悪夢」を引きずったのではないか。党利党略に走った責任は重い。

 憲法裁での審判と並行し、捜査当局の捜査も焦点だ。現職大統領には不訴追特権があるが、告発された内乱罪は例外だ。当局は尹氏を首謀者とみており、戒厳を進言したとされる前国防相、警察庁長官らを内乱容疑で逮捕した。

 尹氏は、検察による2度の出頭要請には応じていないが、内外から厳しい目が向けられるだろう。

 首相のトップ外交への対応には限界がある。大統領の不在は、東アジアの安全保障環境にも影響を与えかねない。

 来年は日韓国交正常化60周年の節目で、首脳同士の相互訪問「シャトル外交」の活発化が期待されていた。しかし、今月に予定されていた中谷元・防衛相の訪韓は見送られ、年明けで調整されていた石破茂首相の訪問も困難になった。

 多国間協力に後ろ向きな米国のトランプ氏の大統領就任を控え、日韓の緊密な意思疎通は欠かせない。

 速やかな政治混乱の収拾と、政権体制の再構築が求められている。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月17日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・12.17》:韓国大統領弾劾 駆け引きより立て直しを

2024-12-17 09:31:40 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

《社説②・12.17》:韓国大統領弾劾 駆け引きより立て直しを

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・12.17》:韓国大統領弾劾 駆け引きより立て直しを 

 韓国の国会が、尹錫悦大統領に対する弾劾訴追を可決した。

 罷免すべきかどうかを憲法裁判所が180日以内に判断する。

 異論を力で封じるために国会へ軍を突入させた。民主主義国家の指導者として許されない暴挙だ。過去の軍事独裁政権を想起させ、市民に強い衝撃と失望を与えた。

 尹氏は弾劾採決に先立って出した談話で戒厳令を正当化し、辞任も拒んだ。野党が国政をまひさせたとし、「国民に危機状況を知らせるため」と抗弁している。

 根拠を示さないまま選挙の結果に疑いの目を向け、選挙管理委員会に軍を派遣したのは不正を調べるためだ―とも主張した。

 一方的な理屈は裏付けを欠き、市民感覚とも懸け離れているだろう。政権を担う力も失われ、職務停止に追い込まれた。

 内乱容疑での捜査も進むが、事情聴取のための出頭を拒んでいる。事態はより混沌(こんとん)としてきた。

 大統領権限は韓悳洙首相が代行する。トップ不在の事態が当面続き、外交力はそがれる。トランプ氏の米大統領復帰に伴う国際環境の変化に十分対処できるのか。

 国防相や警察庁長官が逮捕され、治安や安全保障面の不安も高まる。韓氏が捜査対象となる可能性もある。国政の停滞は避けられず、内需が低迷する経済の立て直しにも影響を与えかねない。

 尹氏の罷免を想定し、次期大統領選を見据えた与野党の主導権争いが激化している。

 革新系最大野党「共に民主党」の李在明代表は、国会と政府による「国政安定協議体」の設置を提案した。大統領選に向けて、事態の収拾を主導する姿をアピールする思惑があるのだろう。保守系与党「国民の力」は拒否する考えを示した。

 与党は、政権を奪われないための時間稼ぎで一度は弾劾訴追を廃案に追い込んだ。だが世論の猛反発に押し負け、少なくとも12人が造反して可決された。党内の分断を招いた責任を問われ、韓東勲代表は辞任を表明。政治の混迷は深まるばかりだ。

 戒厳令を正当化する理由にはならないが、保革の対立が極まった現状は正視すべきだ。政権との対話を拒み、強引な国会運営を続けた野党にも省みるべき点はある。

 国内の混乱によって国際的な信用も失いつつある。政治空白の長期化で、朝鮮半島情勢は不安定さを増す。党利党略の駆け引きに終始せず、与野党が国政を早期に立て直すことを望みたい。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月17日  09:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.17】:韓国大統領弾劾 真相究明し混乱広げるな

2024-12-17 06:05:50 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【社説・12.17】:韓国大統領弾劾 真相究明し混乱広げるな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.17】:韓国大統領弾劾 真相究明し混乱広げるな 

 民主主義の危機を訴える国民の声に応えた判断である。韓国国会は「非常戒厳」を宣言した尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の弾劾訴追案を可決した。

 尹氏の職務は停止された。当分の間は事実上の大統領不在となり、職務は韓悳洙(ハンドクス)首相が代行する。与野党は政治の混迷を最小限に抑えなくてはならない。

 弾劾案は「非常戒厳は憲法違反」と主張する野党が提出した。1度目は与党が投票を棄権して廃案になったが、今回は与党の一部も賛成した。

 直近の世論調査では弾劾への賛成が75%に達していた。連日の大規模デモで尹氏の罷免を求める国民の反発に、与党議員はあらがえなかったのだろう。

 採決の2日前に尹氏が国民に発した談話も、弾劾可決の決定打になったと言える。

 異例の非常戒厳を「野党の議会独裁に対抗するため」の統治行為と正当化し、大統領辞任を否定した。反省はうかがえなかった。

 さらに野党が大勝した4月の総選挙について、北朝鮮からの影響を受けた不正選挙の疑いがあると述べた。

 こうした主張は、一部のユーチューバーや極右団体が唱える真偽不明の「陰謀論」と類似している。国民に強い違和感を与えた。

 尹氏や非常戒厳に関与した軍と警察のトップに対して、内乱罪などの容疑で捜査が始まっている。

 突然の非常戒厳は多くの謎に包まれている。捜査を通じて真相と大統領の責任を明らかにしてもらいたい。尹氏は捜査に応じるべきだ。

 今後は憲法裁判所が180日以内に弾劾の妥当性を審理する。憲法裁が妥当と判断すれば、尹氏は罷免される。

 弾劾訴追された韓国大統領は1987年の民主化以降、盧武鉉(ノムヒョン)氏、朴槿恵(パククネ)氏に次いで3人目だ。朴氏は憲法裁の判断で罷免された。

 今回の非常戒厳は保守派と革新派の激しい対立と、それがもたらす社会の断絶を改めて印象づけた。韓国が抱える大きな難題だ。

 韓国政治の混迷はトランプ次期米政権下の日米韓協力をはじめ、国際情勢に影響を及ぼす。政治空白に乗じ、北朝鮮が挑発行為を一段と強める恐れがある。

 韓国の対外イメージにも響く。韓国を訪れる外国人観光客は減り始めている。外国からの投資控えも起こり得る。

 経済や国民生活へのしわ寄せを防ぐのは政治の責務だ。政治の停滞を避ける点では与野党の協力が欠かせない。

 尹氏の強いリーダーシップで改善が進んだ日韓関係への影響も憂慮される。今の政情で尹氏が罷免されて大統領選が行われると、日本との関係強化に否定的な政権が誕生する可能性がある。

 日韓関係が深刻な痛手を被らないように、日本政府は外相同士で意思疎通を継続するなど、十分な対応を取る必要がある。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月17日  06:00:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.17】:韓国大統領弾劾/与野党は安定化に最善を

2024-12-17 06:00:50 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【社説・12.17】:韓国大統領弾劾/与野党は安定化に最善を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.17】:韓国大統領弾劾/与野党は安定化に最善を

 混乱する韓国政治は、司法の判断を仰ぐ段階に入った。与野党は内政や外交への影響を抑え、早期の安定化に最善を尽くしてほしい。

 尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する2度目の弾劾訴追案が国会で可決され、尹氏は職務停止となった。今後は憲法裁判所が尹氏を罷免するかどうかを180日以内に判断する。大統領の権限を代行する韓悳洙(ハンドクス)首相は「危機を必ず克服する」と宣言した。

 1度目の採決は与党「国民の力」のほとんどの議員がボイコットしたが、今回は国会議員300人全員が参加した。賛成は204票と可決ラインの200を超えた。与党は弾劾反対の党方針を改めて確認した上で臨んだものの、少なくとも12人が造反したことになる。

 弾劾を求める強い世論に配慮せざるを得なかったのだろう。与野党間だけでなく、与党内の対立の深刻化が懸念される。

 可決を受けて、尹氏は「決して諦めない」との談話を出した。最大野党「共に民主党」は、大統領による非常戒厳の宣言は内乱容疑に当たるとして刑事告発した。捜査の手が迫る中、尹氏は辞任を拒否し、徹底抗戦にかじを切った。

 しかし、憲法裁判所の審判の結果がどうあれ、軍の力で異論を排除しようとした尹氏が国民の信頼を回復できるとは到底思えない。直近の世論調査で支持率は11%と就任後最低を更新した。

 国民向けの談話の中で尹氏は「軍部隊の投入は1、2時間に過ぎない」などと釈明した。強権発動を矮小(わいしょう)化するような発言であり、看過できない。一方、国会議事堂への突入に関与した軍司令官は「扉を壊して議員を引っ張り出せと(大統領から)指示された」と証言している。

 司法や議会での徹底した調査が求められる。検察出身の尹氏は、捜査に協力するべきだ。

 韓国は国内消費の不振が続き、成長の原動力となってきた輸出にも陰りが見える。政治の混乱が長引けば経済への打撃はさらに大きくなり、国民生活にしわ寄せが及ぶ。世界経済への影響も避けられまい。そうした事態を避けるには、与野党が現実路線で協調することが求められる。

 米国と中国の対立激化や北朝鮮とロシアの軍事協力の進展など、安全保障環境は不透明さを増している。来年1月には、同盟国軽視のトランプ氏が米大統領に復帰する。

 対日融和に努めてきた尹政権下で、米国の主導により日米韓の連携枠組みを制度化する動きが進んでいた。今の国際情勢を鑑みれば、尹氏不在で3国の協力が後退することは避けねばならない。日本は連携維持を粘り強く働きかける必要がある。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月17日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【産経抄・12.16】:遠い向こう岸の火事ならず、尹氏の弾劾訴追案可決

2024-12-17 05:03:30 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【産経抄・12.16】:遠い向こう岸の火事ならず、尹氏の弾劾訴追案可決

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄・12.16】:遠い向こう岸の火事ならず、尹氏の弾劾訴追案可決 

 「北窓塞(ふさ)ぐ」という言い回しがある。北向きの窓に板を打ち付けるなどし、冷たい北風が吹き込むのを防ぐ。「北塞ぐ」ともいい、歳時記には冬の季語として載っている。江戸の八百八町では、人々の死活を握る営みでもあった。

 ▼冬の火事は、北風に乗って延焼したからである。商家などの土蔵は東か南に戸があり、窓は北面していた。中の家財に火が移らぬよう、粘土で北窓を塗りつぶしておくのが「火事の季節」の作法だったという(山本純美著『江戸の火事と火消』)。

 ▼狭い海を挟んだ向こう岸の火事は、燃え広がるのか収まるのか。火の勢いが見通せない。戒厳令に打って出た韓国の尹錫悦大統領に対し、国会が弾劾訴追案を可決した。戒厳軍の動員など常軌を逸した振る舞いを、憲法裁判所が裁くことになる。当分は国政の混乱が続くだろう。

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 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【産経抄】  2024年12月16日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・12.15》:韓国大統領を弾劾訴追 法治に反した当然の報い

2024-12-17 02:03:50 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

《社説①・12.15》:韓国大統領を弾劾訴追 法治に反した当然の報い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.15》:韓国大統領を弾劾訴追 法治に反した当然の報い

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月15日  02:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【深層NEWS】:尹大統領の職務停止は「日本にとっても影響大きい」…佐藤正久・元外務副大臣

2024-12-17 00:03:30 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【深層NEWS】:尹大統領の職務停止は「日本にとっても影響大きい」…佐藤正久・元外務副大臣

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【深層NEWS】:尹大統領の職務停止は「日本にとっても影響大きい」…佐藤正久・元外務副大臣

 自民党の佐藤正久・元外務副大臣と東海大の金慶珠教授が16日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、 尹錫悦ユンソンニョル 大統領の 弾劾だんがい 訴追案が可決された韓国情勢について議論した。

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3日、戒厳令を宣布する尹錫悦大統領(韓国大統領府提供)

 ■韓国憲法裁、弾劾審判の弁論準備を27日に開催…主審は無作為抽選で尹氏指名の保守派判事に

 佐藤氏は、尹氏が12月3日に戒厳令を宣布する前までの日韓関係の展望は「石破総理が韓国に行って尹大統領を国賓で迎える(準備をする)くらいの勢い」だったとし、尹氏が職務停止となったことは「日本にとっても影響が大きい」と指摘した。金氏は、尹氏への弾劾訴追が保守陣営に与える打撃について、保守系与党「国民の力」がもう一度政権を取るという目標は「表向き」で「本音はダメージを最小限に抑える」ことに集中せざるを得ないと論じた。憲法裁判所の弾劾審判は「(判事2人が退任する)4月までに判断が出される」との見通しを示した。

 ■韓国「戒厳令」最新ニュース

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 国際 【アジア・韓国・戒厳令】  2024年12月17日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《斜面・12.16》:韓国映画の底力

2024-12-16 09:31:40 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

《斜面・12.16》:韓国映画の底力

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《斜面・12.16》:韓国映画の底力

 今月4日、韓国で映画「ソウルの春」の動画配信の視聴が、前日比で1000%以上増えた―。

 韓国紙の中央日報が報じている。さもありなん。

 前夜に尹錫悦大統領が出した「非常戒厳」と映画が二重写しになった人が多かったのだろう

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 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【斜面】  2024年12月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・12.16】:韓国弾劾案可決 真相の究明を徹底的に

2024-12-16 07:30:50 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【社説①・12.16】:韓国弾劾案可決 真相の究明を徹底的に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.16】:韓国弾劾案可決 真相の究明を徹底的に 

 韓国国会が14日、「非常戒厳」を宣言した尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の弾劾訴追案を可決し、尹氏の職務が停止された。憲法裁判所が180日以内に罷免の可否を判断する。
 
 野党の政治行動を封殺しようとするに至った真相の徹底解明と憲法との整合性についての審理を進めると同時に、分断や混乱を広げないよう、韓国の与野党や社会には冷静な対応を求めたい。
 
 訴追案の採決では少なくとも12人の与党議員が賛成票を投じた。市民の怒りが弾劾に慎重だった与党議員の背中を押した形だ。
 尹氏は採決2日前の談話で、国会への兵力投入を「秩序維持のためで、国会の機能をまひさせる意図はなかった」「野党の亡国的な行動を知らせる象徴的なもの」と釈明。野党が多数を占める国会を「自由民主主義の憲政秩序を破壊する怪物」だとも語った。
 しかし、報道によると、内乱容疑で逮捕された警察庁長官は取り調べに対し、非常戒厳宣言後に尹氏から電話が6回かかり「国会議員を逮捕しろ」と指示されたと証言した。非常戒厳を解除させないよう国会審議を実力で抑え込もうとしたのなら、尹氏の説明に説得力は全くない。
 尹氏は拘束すべき人物のリストに、与野党の代表や国会議長に加え、野党代表の裁判で無罪判決を言い渡した現職判事も挙げた、と伝えられている。
 昨年から「緊急措置」に言及していたとの報道もあり、早い段階から立法や司法を力で弾圧しようとしていた可能性も浮上する。事実なら「憲政秩序を破壊」したのは尹氏自身にほかならない。
 政治目的達成のため、強権的手法や法的根拠に乏しい手段を採れば民心が離れるのは当然だ。日本を含め、すべての為政者は「他山の石」にしなければならない。
 非常戒厳を巡る動きは、民主的に選ばれた指導者が民主主義を破壊しかねない危うさも示した。憲法裁の判断を見守るとともに、民主主義を守るにはどうすべきか、考える機会にもしたい。
 
 攻勢を強める進歩(革新)陣営と保守陣営との争いが激しくなるのは必至だが、社会の分断が拡大すれば、韓国の経済や国際的な信用にも影響を与えかねない。混乱長期化のツケは結局、市民自身に回る。民主主義への信頼を回復するには、対立を過度にあおらず、冷静に議論することも必要だ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月16日  07:30:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗・12.15】:韓国民話『コンジとパッチ』は童話の『シンデレラ』に似た話で…

2024-12-16 07:28:40 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【筆洗・12.15】:韓国民話『コンジとパッチ』は童話の『シンデレラ』に似た話で…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗・12.15】:韓国民話『コンジとパッチ』は童話の『シンデレラ』に似た話で…

 韓国民話『コンジとパッチ』は童話の『シンデレラ』に似た話で、少女のコンジが継母からひどいいじめを受ける

 ▼水くみのいじめには腹が立つ。継母が瓶をコンジに渡し、水くみを命じるのだが、実は瓶には穴があり、どんなに水を注いでも満たすことはできない。泣くコンジを助けたのは少女の優しさを知るカエルである。瓶の底で自分の体を使って穴をふさいでくれる

 ▼野党だけでは満たすことのできない瓶の穴を土壇場でふさいだのは与党だったということか。非常戒厳をめぐる韓国の尹錫悦大統領に対する弾劾訴追案。14日に採決され、与野党の3分の2以上の賛成で可決した

 ▼前回の採決では棄権によっ...

 

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 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年12月15日  06:58:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。
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【社説①・12.15】:韓国大統領弾劾 混乱招いた責任重大だ

2024-12-16 04:03:30 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【社説①・12.15】:韓国大統領弾劾 混乱招いた責任重大だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.15】:韓国大統領弾劾 混乱招いた責任重大だ

 韓国の国会は、「非常戒厳」を宣言した尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案を可決した。
 
 弾劾案を提出した野党に加え、与党の一部議員も賛成に回り、可決に必要な国会の在籍議員の3分の2を上回った。
 
 世論の反発が尹氏だけでなく与党にも向けられ、造反した議員が相次いだと言える。
 韓国憲法で戒厳令は戦時などの非常事態に限定されている。尹氏が国政の停滞を理由に宣言したことは、民主国家のリーダーとしてあってはならない対応だ。国民の怒りは当然である。
 尹氏の責任は極めて重い。十分に自覚する必要がある。
 尹氏の職務は停止され、韓悳洙(ハンドクス)首相が大統領の職務を代行する。憲法裁判所が180日以内に弾劾の妥当性を判断し、認めれば尹氏は罷免される。
 また、司法当局は尹氏について内乱容疑で立件を視野に捜査を進めている。当面、国政の混乱は避けられまい。
 韓国は早期に事態を収拾し、安定を取り戻してもらいたい。
 与党は7日に行われた1度目の弾劾案採決では、投票をボイコットして廃案に持ち込んだ。
 だが、尹氏は12日に出した国民向けの談話で与党が求める早期退陣を拒んだ。さらに非常戒厳は「統治行為だ」と正当化し「弾劾にも捜査にも堂々と立ち向かう」と主張したため、国民の反発がいっそう強まった。
 弾劾に賛成する世論は7割を超える。与党は国民の怒りを軽視していたと言うほかない。
 軍関係者らの証言では、尹氏は非常戒厳に際して与野党の幹部を拘束し、国会内の議員を引きずり出して弾劾案の解除要求決議を防ぐことを狙っていた。
 また軍を中央選挙管理委員会に突入させ、野党が大勝した4月の総選挙が不正だとする疑惑を立証する計画だったという。
 政敵を力で排除したり、選挙結果を根拠なく覆そうとしたりすることは民主主義の根幹の否定だ。決して認められない。
 尹氏側近の金龍顕(キムヨンヒョン)前国防相や、警察庁長官らが内乱などの疑いで逮捕された。尹氏も内乱の疑いで告発され、出国禁止措置を受けている。
 混乱の長期化が懸念される中ではなおさら、野党は党利党略を優先してはならない。
 
 尹氏は日韓関係の改善に尽力し、日米韓で東アジアの安全保障環境の安定に取り組んだ。
 
 米国でトランプ次期大統領が来月就任し、国際情勢は不透明さを増している。こうした時こそ隣国同士の日韓の連携が重要だ。両国政府は信頼関係の維持に努めることが欠かせない。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月15日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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