路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【大阪・関西万博】:会場建設費また上振れ 1250→1850→2350億円…府市が容認「資材費の高騰やむを得ない」

2023-11-16 07:13:50 | 【国家による表現・言論の自由を封殺・監視・監視カメラ等の映像による情報の識別】

【大阪・関西万博】:会場建設費また上振れ 1250→1850→2350億円…府市が容認「資材費の高騰やむを得ない」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪・関西万博】:会場建設費また上振れ 1250→1850→2350億円…府市が容認「資材費の高騰やむを得ない」 

 2025年の大阪・関西万博の会場建設費について、大阪府・大阪市が最大2350億円への上振れを容認しました。

万博・会場建設費また上振れ 1250→1850→2350億円…府市が容認「資材費の高騰やむを得ない」|FNNプライムオンライン

【大阪府 吉村洋文知事】
 「コストカットもしているんだけれども、資材、人件費の高騰の部分で500億円の増額もやむを得ないという風に思います」

 万博推進本部会議に出席した吉村知事は、11月1日、会場建設費の上振れを容認する方針を明らかにしました。

 国、大阪府市、そして経済界が3分の1ずつ負担することが決まっている会場建設費。当初は1250億円とされていましたが、3年前、会場の大屋根の設計変更などで1850億円へ上振れしていました。

【吉村知事】
 「何度も増加するとなると、府民、市民もどうなのという話になりますので、これが増加の話としては最後」

 しかし10月、万博の運営主体である博覧会協会は、国や大阪府などに対し、資材価格や人件費の高騰などの影響で、2350億円へと再び上振れすると伝えたのです。これを受けて吉村知事は先週、協会側に追加の説明を要求し、安易な増額を認めない姿勢を示していました。

【吉村知事】
 「コスト(会場建設費)の3分の2は税で成り立っているので、徹底したコスト管理は必要」

 一方で、博覧会協会の副会長でもある吉村知事。11月1日の会議で協会側からの説明を受けると、想定を超える物価の上昇などに理解を示し、上振れを容認する方針を示しました。

 国も上振れを受け入れる方向で検討していて、経済界も前向きな姿勢を示しています。

 当初1250億円としていた会場建設費は、2度の上振れによって約1.8倍の金額となります。

 元稿:FNN PRIME online News 主要ニュース 社会 【話題・2025年大阪・関西万博】  2023年11月01日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説②》:顔識別カメラの運用 監視社会に陥らぬ方策を

2023-04-11 02:04:40 | 【国家による表現・言論の自由を封殺・監視・監視カメラ等の映像による情報の識別】

《社説②》:顔識別カメラの運用 監視社会に陥らぬ方策を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:顔識別カメラの運用 監視社会に陥らぬ方策を

 駅や店舗など公共の場で顔識別型の防犯カメラの設置が進んでいる。最先端技術を活用するのは有用だが、監視社会を招くことがあってはならない。

 撮影した映像をデータベースと照合し、リアルタイムで「要注意人物」を検知することができる。個人の行動を継続的に追跡できるため、プライバシー侵害の恐れが指摘されている。

 そうした状況を踏まえ、国の個人情報保護委員会の有識者検討会が3月末、設置理由の明示などを求める報告書を出した。

 カメラを設置する事業者に、利用目的や仕組みを分かりやすく公表▽顔識別型であることを現場で明示▽対象犯罪とデータベースに登録する人物は厳格に限定――するよう求めている。

 問題点を洗い出し、透明性確保を打ち出したのは一歩前進だ。

 しかし、自主的な取り組みを促すにとどまり、実効性は定かではない。行政当局による利用をカバーしていないのも問題だ。

 データベースに登録する人物の選定、事件捜査への画像提供など、運用には捜査当局を含む行政機関が深く関わることになる。

 2021年の東京オリンピック・パラリンピックの際には、JR東日本が具体的な運用方法を示さずに刑務所出所者らの出入りを駅でチェックしようとしていたことが問題化した。

 捜査当局は多くの場合、刑事訴訟法による任意の照会手続きで民間の個人情報を入手している。裁判所の令状は不要で、情報収集が適正かどうか外部のチェックが働いていない。

 例えばデモの参加者、事件現場に偶然居合わせた人までマークされれば、人権侵害になりかねない。人々の社会活動も萎縮させる。

 当局に恣意(しい)的な運用を許せば、監視社会に陥る恐れがある。データベースの管理について明確な基準が必要だ。

 顔識別型のカメラについて、欧州では人権保護の観点から、官民双方を対象に法規制と監督を強化する方向で議論が進んでいる。

 日本では21年の個人情報保護法改正で、個人情報保護委員会が民間と行政の両方を所管することになった。行政機関も対象にした乱用防止のルール作りが必要だ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年04月10日  02:03:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【 大谷昭宏のフラッシュアップ・05.09】:日本を言論の暗黒時代に戻すな メディアに関わるすべての人がかみしめたい

2022-05-31 08:01:20 | 【国家による表現・言論の自由を封殺・監視・監視カメラ等の映像による情報の識別】

【 大谷昭宏のフラッシュアップ・05.09】:日本を言論の暗黒時代に戻すな メディアに関わるすべての人がかみしめたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【 大谷昭宏のフラッシュアップ・05.09】:日本を言論の暗黒時代に戻すな メディアに関わるすべての人がかみしめたい 

 5月3日、テレビ番組では改憲の動きにふれ、その数日前には朝日新聞阪神支局襲撃事件について新聞の取材を受けた。

 3日は小尻知博記者(当時29)が目出し帽の男に射殺され、朝日を「反日」とする犯行声明文が届いた事件から35年。私は取材に、この間、言論封殺の姿は大きく変貌したと指摘させてもらった。

 朝日が数々のスクープを放った安倍政権の森友・加計疑惑では、役人をどう喝。自殺者が出ても証拠の書類を改ざんさせて事実を隠蔽(いんぺい)してしまった。後を継いだ菅政権は公安警察出身の官僚を使って6人の学者を学術会議から追い出し、意に沿わぬ学者から学究の場まで奪い取ってしまった。

 権力は一滴の血を流すこともなく、表現・言論の自由を封殺してしまったのだ。

 だが実態は悪寒が走るところまで突き進んでいる。朝日新聞は先日、すでに退社を申し出ていた中堅記者に、あえて停職1カ月の処分を下した。記者は「週刊ダイヤモンド」が安倍元首相に核保有などについてインタビューした件で「安倍氏が内容を心配している。私が安倍氏の全ての顧問を引き受けている」などと言って強硬に記事のゲラ刷りを見せるよう迫ったという。

 もちろん、ハネ上がった一記者のとっぴな所業ではあるだろうが、かつて言論封殺の危機にさらされた朝日に所属する記者が、瞬時であろうと圧力をかける側に立ってしまったことが残念でならない。

 事件から35年の日を前に、朝日は社説で〈日本を言論の暗黒時代に戻すわけにはいかない〉と書いた。5月3日は朝日の記者のみならず、メディアに関わるすべての人が改めてこの言をかみしめる日でありたいと願っている。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2022年05月09日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【岸田政権・04.30】:「侮辱罪」はやはり“権力批判封じ”に利用される!  ■国会で「“総理は嘘つき”は侮辱罪にあたるか」という質問に政府が驚きの答弁

2022-05-09 03:28:30 | 【国家による表現・言論の自由を封殺・監視・監視カメラ等の映像による情報の識別】

【岸田政権・04.30】:「侮辱罪」はやはり“権力批判封じ”に利用される!  ■国会で「“総理は嘘つき”は侮辱罪にあたるか」という質問に政府が驚きの答弁

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権・04.30】:「侮辱罪」はやはり“権力批判封じ”に利用される!  ■国会で「“総理は嘘つき”は侮辱罪にあたるか」という質問に政府が驚きの答弁 

 ネット上の誹謗中傷対策として侮辱罪を厳罰化し、懲役刑を科すことを可能とする刑法改正案が、ついに4月21日に衆院本会議で審議入りした。

 本サイトでも既報でお伝えしたように、侮辱罪の刑罰強化の動きが活発化したのは『テラスハウス TOKYO 2019-2020』(フジテレビ)に出演していた女子プロレスラー・木村花さんの死を受けてのことで、今回の厳罰化について政府は「ネット上の誹謗中傷を抑止するため」と説明。ネット上でも賛同の声があがっている。

「侮辱罪」はやはり権力批判封じに利用される! 国会で「総理は嘘つきは侮辱罪にあたるか」という質問に政府が驚きの答弁の画像1

三原じゅん子Twitterより

 だが、この法改正はネット上の誹謗中傷対策になるとは言い難いシロモノだ。たとえば、侮辱罪における侮辱とは「公然と他人に対して軽蔑を表示すること」で、公然性が要件となっている。つまり、ネットやSNS上、あるいは街頭演説などは「公然」と認められても、ダイレクトメッセージやメール、LINEなどでおこなわれるいじめや誹謗中傷は処罰対象にはならないと見られているのだ。また、今回の厳罰化が誹謗中傷の抑止力になるという科学的根拠はない。日弁連はプロバイダ責任制限法の改正による発信者情報開示要件の緩和や損害賠償額の適正化など「民事上の救済手段の一層の充実を図るべき」と訴えているが、政府はそういった救済策にこそ注力すべきだろう。

 しかも、国会での審議によって明らかになってきたのは、政府・与党政治家への正当な批判を「侮辱」として解釈し、気に食わない言論や表現への弾圧に利用しようという政府の魂胆だ。

 本サイトでは既報で、侮辱罪の厳罰化を進めてきた自民党の真の目的がネット上の悪質な侮辱行為にかこつけた「権力批判の封じ込め」にあると指摘。その一例として、木村花さんの死を受けて安倍政権下の2020年6月に侮辱罪の厳罰化などを求める提言案を政府に提出した自民党内プロジェクトチームの座長である三原じゅん子・参院議員が「政治家であれ著名人であれ、批判でなく口汚い言葉での人格否定や人権侵害は許されるものでは無い」とツイートしたことを紹介。最初から木村さんの死を利用し、表現の自由を潰し、政治家への言論を規制する気が満々だったのだと伝えた。

 そして実際、27日におこなわれた衆院法務委員会では、政府が驚きの答弁をおこなったのだ。

 ◆「総理は嘘つき」は侮辱罪に該当するか?という質問に法務省刑事局長は…

 27日の衆院法務委員会で、質疑に立った無所属(立憲民主党・無所属会派)の米山隆一・衆院議員は、こんな質問をおこなった。

 「たとえば、私が『総理は嘘つきで顔を見るのも嫌だ。早く辞めたらいいのに』と言った場合、これは“嘘つき”という侮辱的表現を含むものだと思いますが、この発言は侮辱罪に該当しますか? また、これを私ではなく私の妻がコラムで書いた場合には該当しますか? また、新潟県魚沼市で精肉店を営んでいる私の母が、買いに来たお客さんにこの言葉を言った場合には侮辱罪に該当しますか? それぞれ法的根拠をもとに答えてください」

 ご存知のとおり、安倍晋三・元首相に対しては「嘘つき総理」「安倍辞めろ」という批判が街頭演説の場やSNS上で繰り広げられてきた。そしてこれはどこからどう見ても、正当な論評だ。当たり前だろう。「桜を見る会前夜祭問題だけでもじつに少なくとも118回も虚偽答弁をおこなってきた総理大臣に「嘘つき総理」と批判することが、「侮辱」であるはずがない。

 いや、「嘘つき」などという事実を指摘する言辞のみならず、「公人中の公人」である総理大臣は、ときに「口汚い言葉」になるような苛烈な批判も受け入れるべきものだ。プーチン政権への批判を圧殺するために言論統制を強めているロシア政府を見れば一目瞭然であるように、いかに辛辣で品位を欠く表現であろうが、為政者に対して自由に批判できることこそが民主主義国家としての絶対条件、最後の砦だからだ。

 当然、「総理は嘘つきで顔を見るのも嫌だ。早く辞めたらいいのに」という言葉が侮辱罪にあたるかどうかという問いに対し、政府は明確に「侮辱ではない」と否定するだろう。そう思っていたのだが、ところが答弁に立った法務省の川原隆司刑事局長はこう答弁したのだ。

 「具体的な事例をお示しになって犯罪の成否をお尋ねになっているところでございまして、犯罪の成否は収集された証拠に基づき個別に判断される事柄でございますので、この場で、法務当局あるいは法務省として、その犯罪の成否についてお答えをすることは差し控えたい」

 なんと、明らかに正当な論評でしかない「総理は嘘つき。早く辞めたらいいのに」という言葉に対し、「侮辱にあたるかどうかは答えられない」などと明言を避けたのだ。つまり、「総理は嘘つき」という言葉が「侮辱」として判断され、場合によっては懲役刑が科される可能性がある、というのである。

 ◆「北海道警察のヤジ排除は適切だったか?」と問われた国家公安委員長の信じ難い答弁

 だが、驚きの答弁はこれだけではなかった。この日、自民党の二之湯智・国家公安委員長は、「閣僚または国会議員を侮辱した者は逮捕される可能性はあるか」という質問に対し、当初は「ありません!」と断言していたにもかかわらず、法律上の根拠について詰められていくうちに「(不当な弾圧として逮捕することは)あってはならないということ」と後退。最終的には「侮辱罪を犯した者が多少の可能性があって逮捕される可能性はまだ残っている」などと言い出し、逮捕の可能性を否定しなかったのだ。

 いや、そればかりか、2019年に札幌市で街頭演説中の当時の安倍晋三首相に「安倍辞めろ」などとヤジを飛ばした市民が北海道警の警察官に排除された問題について、日本共産党の本村伸子・衆院議員が「北海道警の対応は適切だったのか」と問うと、二之湯国家公安委員長はこう明言したのだ。

「北海道警察の処置は正しかったと思っている」

 北海道警によるヤジ排除問題については、今年3月に北海道地裁は道警が表現の自由を侵害したとしてその違法性を認め、道に対して計88万円の支払いを命じる判決を出している。道が高裁に控訴したとはいえ、しかもよりにもよって侮辱罪の厳罰化が為政者に対する正当な論評に対する弾圧になり得るのではないかと審議している最中に、国家公安委員長が「ヤジ排除は正しかった」とお墨付きを与えるとは──。これはようするに、ヤジを飛ばした市民に対して侮辱罪が適用されかねないことを如実に示しているだろう。

 政府は「法令または正当な業務による行為は罰しない」とする刑法35条をもって正当な意見・論評は侮辱罪の処罰対象にならないと説明しているが、しかし、正当かどうかを判断するのは権力側の捜査当局だ。そして、法務省の刑事局長が「総理は嘘つき」という言葉が侮辱にあたる可能性を示唆し、二之湯国家公安委員長がヤジ排除を「正しかった」と言い切ったように、時の権力の恣意的な判断によって政治家への正当な論評・批判が弾圧される危険が高まっているのだ。

 ネット上の誹謗中傷対策としての効果が疑問視される一方、言論弾圧につながる危険だけが膨れ上がってゆく、今回の法改正案。このようなロシア化を狙う危険法案を通すわけにはいかないだろう。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 社会【社会問題・侮辱罪を厳罰化し、懲役刑を科すことを可能とする刑法改正案】  2022年04月30日  03:53:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説①】:土地利用規制法 恣意的運用に歯止めを

2022-03-02 05:05:40 | 【国家による表現・言論の自由を封殺・監視・監視カメラ等の映像による情報の識別】

【社説①】:土地利用規制法 恣意的運用に歯止めを

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:土地利用規制法 恣意的運用に歯止めを 

 自衛隊の基地や原発といった施設の周辺などを対象にした土地利用規制法について、政府が刑事罰の対象として8種類の事例を検討していることが、北海道新聞の情報公開請求で分かった。

 そもそも条文に処罰対象になる「施設の機能を阻害する行為」の内容は記されず、政府が恣意(しい)的に運用する問題が指摘されてきた。

 開示された8事例のうち「継続的な高所からの監視、盗聴」は国会でも言及がなく初めて判明した。懸念が裏付けられたと言える。

 「継続的」「監視」といった言葉はあいまいで、拡大解釈の余地がある。基地や原発の反対運動などが規制される恐れが拭えない。

 特定の行為を犯罪として処罰するには、何が犯罪に当たるか法律で明記することが大原則だ。だがこの法律には盛り込まず、6月の一部施行に合わせて閣議決定する基本方針や政令に委ねている。

 明確な歯止めがなく欠陥法と言うほかない。憲法の保障する思想信条や表現の自由といった基本的人権が侵害されかねない。改めて国会審議でただす必要がある。

 土地利用規制法は、政府が安全保障上重要とみなす基地の周辺や国境近くの離島などで区域を指定し、住民らに対する調査や利用制限を可能にする。

 政府は9月の全面施行に向けて対象となる施設を選定中だ。重要度の高い「特別注視区域」に関しては全国の約200カ所を指定する方向で検討しているという。

 だが施設や調査事項はいまだに全容が分からない。これでは政府が安全保障を口実にして、対象を際限なく広げる不安がいつまでも払拭(ふっしょく)されない。

 開示文書には住民らの調査内容について「センシティブ情報等が含まれる可能性を排除できない」と記された。犯罪歴や結婚・離婚歴など、広範なプライバシー情報の収集を想定する。

 離島に関しては、施設周辺だけでなく島の全域を指定することも検討していると明記された。自衛隊施設のある奥尻島や礼文島などが該当する可能性がある。

 いずれも国会で説明はない。

 安倍政権下で成立した特定秘密保護法や「共謀罪」法などに続き、政権や官僚の判断で市民生活を萎縮させかねない法律である。

 立法府の軽視が甚だしいと言わざるを得ない。

 政府は情報公開を尽くし、厳しくチェックされることが不可欠だ。そうでなければ国民の理解は得られまい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年03月01日  05:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説①】:警察と個人情報 野放図な収集は危うい

2022-02-23 07:42:35 | 【国家による表現・言論の自由を封殺・監視・監視カメラ等の映像による情報の識別】

【社説①】:警察と個人情報 野放図な収集は危うい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:警察と個人情報 野放図な収集は危うい 

 岐阜県警大垣署の署員が、収集した市民の個人情報を外部に提供したことに対し、岐阜地裁は「提供は違法」と判断した。情報収集自体については「違法とまではいえない」とし、合法とは断じなかった。「捜査のため」を大義名分とした個人情報収集には慎重であるべきだとのメッセージが込められたともいえる。
 
 裁判の原告は、岐阜県西濃地域に建設が計画された風力発電施設に関し、勉強会を開くなどしていた反対派の住民四人。
 
 判決などによると、四人は経歴や病歴、市民運動の参加歴などを署員に集められ、同施設の事業者の中部電力子会社に提供されたのは違法だとして、国と県に損害賠償を求めた。署員は四人について「頭もいいし、喋(しゃべ)りも上手」「やっかい」とも発言していた。
 
 争点は大きく二つだった。
 
 まずは個人情報の提供。違法だとする原告側に対し、県などは「住民が自ら発信した情報で秘匿性が高くない」と反論したが、判決は「プライバシー情報を積極的、意図的に提供した」と断じた。
 
 二つ目は、情報の収集。原告側は「法的根拠がない」と訴え、県などは「警察法に基づいている」と主張。判決は「県警の情報収集の必要性はそれほど高くはなかったが、収集の手段は任意で、違法とまではいえない」と退けた。
 
 警察の情報収集を巡っては、警視庁の国際テロ捜査文書がインターネット上に流出、個人情報が公になったイスラム教徒らが東京都などに損害賠償を請求した。東京地裁は流出の過失を認めた半面、収集の違法性は退け、最高裁で確定した。今回の岐阜地裁判決はこの流れを受けたともいえる。
 
 一方で「秘密裏の捜査」への司法の批判もある。裁判所の令状なしに捜査対象車両に衛星利用測位システム(GPS)発信機を取り付ける捜査手法に対しては、最高裁が違法判断を下し、確定した。
 
 私たちは、自分たちの個人情報を警察権力がどれだけ収集し、どんな形で第三者に提供されているかをほとんど知らない。テロ関連の情報などは別としても、「捜査のため」の名の下に野放図な個人情報収集が許されれば、市民の「監視」につながりかねない。
 
 各県公安委員会などは、捜査当局による個人情報収集がブラックボックス化せぬよう、何らかの手だてを講じるべきではないか。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月22日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【卓上四季】:人生を映す顔

2022-02-06 05:05:45 | 【国家による表現・言論の自由を封殺・監視・監視カメラ等の映像による情報の識別】

【卓上四季】:人生を映す顔

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:人生を映す顔

 自分の顔に自信を持っている人はどれほどいるだろうか。かの文豪も生まれ持った顔には飽き足らなかったようだ

 ▼「女が僕の容貌を見て、好(すき)だと思ふといふことは、一寸想像しにくい」。森鴎外は自伝的小説「ヰタ・セクスアリス」で心情の一端を吐露している

 ▼ただ周りにはこうも語った。「親から貰(もら)った顔のままではいけない。その顔を自分で作って行って立派なものにしなくてはならない」。娘の小堀杏奴(あんぬ)が自著「晩年の父」で振り返っている

 ▼今年は鴎外の没後100年。森鴎外記念館(東京)の特別展では、文豪の面影がどう変わっていったかが分かる。鴎外はドイツ留学で細菌学の権威コッホに学び、軍医として日露戦争の激戦地にも赴任した。青年期のあどけない顔が重圧で厳しい面構えに変わり、離婚、再婚も経験する中でりりしく、優しさを漂わせていく

 ▼顔には人生の閲歴が刻まれている。それが本人の了承もなく、近年は街のあちこちで防犯などを名目に撮影されている。米国では監視カメラの映像と運転免許証の写真が照合され、誤認逮捕が起きた。国内では客の表情を読み取っている店もあるという。満足度を調べているのか。少々薄気味悪い

 ▼欧米で規制の動きが先行していたが、政府も今年夏に新たなルールの方向性をまとめる。積み重ねた人生を映し出した顔は、まさしく個人情報だ。その保護に敏感でありたい。 2022・2・6

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2022年02月06日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする