【政界地獄耳・06.26】:総裁が代わって支持率が上がるほど甘い状況ではない
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・06.26】:総裁が代わって支持率が上がるほど甘い状況ではない
★総裁選挙を9月に控えた自民党内紛のお粗末さは、私怨(しえん)や好き嫌いが前面に出て自民党再生の議論ではないことに閉口する。前首相・菅義偉が「首相自身が責任に触れず今日まで来ている。不信感を持っている国民は多い」とし、次期総裁選では新たなリーダーが新たな政策を掲げて臨むべきだとの認識を示したことが号砲になったようで、麻生派や旧茂木派の若手が党内の声をリードするように「こういう状況に至った責任は最終的に誰かが取らなければならない」と首相・岸田文雄責任論を言い出したが、立憲民主党・小沢一郎が「責任は自民党全体にある」と指摘するように、国民は岸田の首相としてのリーダーシップと、政治とカネの責任の所在は別だと認識しているので、まぜっかえす議論に全く反応しない。
★「再選などと軽々しく口にせず、思いとどまって新しい扉を開く橋渡し役を担ってほしい」との声もあったが、これは政調会長代行・田村憲久の「総裁が代わっても支持率が上がるほど甘い状況ではない」が適切な回答だろう。「菅さんはここまでやって初めてひとつの区切りになるというハードルを示して、それが岸田でやりきれなければ、誰ならそれを実現できるし、『責任をもってやりきらせる』とでも言ってくれれば納得するが、あれでは岸田を代えれば解決するに聞こえる」(自民党閣僚経験者)。別のベテラン議員は「国会が閉会したと同時に総裁選挙がスタートしたということだ。今はつまらん情報戦や当てこすりのようなやりとりが続くが、議員たちが地元に帰れば支援者の政治とカネへの不満、生活苦などの声を聞き及べば、党内で争っている場合ではないと気づくはず」とこの状況をたしなめる。
★ただ、国会が閉会したことで、この動きは水面下に潜ることになる。岸田降ろしの声が広がる場合、その後に座る新総裁がその任にあらずの場合、自民党の信頼は再び地に落ちるだろう。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年06月26日 07:40:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。