路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【内閣府】:「桜を見る会」答弁資料を半年以上提出せず 「首相枠」などの疑惑、最初から説明する気なし?

2021-07-31 23:57:00 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【内閣府】:「桜を見る会」答弁資料を半年以上提出せず 「首相枠」などの疑惑、最初から説明する気なし?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【内閣府】:「桜を見る会」答弁資料を半年以上提出せず 「首相枠」などの疑惑、最初から説明する気なし? 

 安倍晋三前首相が主催した「桜を見る会」の国会答弁資料の提出を、野党議員が昨年9月に求めたのに、内閣府が「多忙」を理由に半年以上、対応しなかったことが、先の国会審議で明らかになった。資料の中身は招待者の「首相枠」を巡る想定問答や、マルチ商法を展開した「ジャパンライフ」元会長を招いた問題の答弁記録など。こうした問題を巡り、政府は当初から説明を回避する方針だったことがうかがえる内容だ。(新開浩)
 

 ■「多忙」理由に対応せず

 問題の資料は、共産党の宮本徹衆院議員が国会で最初に「桜」の問題を聞いた2019年5月13日と、2回目の質問をした同21日の政府の答弁資料。
 
 宮本氏は20年9月に提出を求めたが、内閣府は対応せず、今年4月の国会で宮本氏が「ありえない」と抗議すると、加藤勝信官房長官が「速やかに対応する」と答弁。内閣府は4日後に提出した。
 
 内閣府大臣官房総務課の担当者は「数人で国会議員の資料請求や質問、一般の情報公開請求などに対応しており多忙だった。意図的に遅らせたつもりはない」と本紙の取材に語った。ただ、資料提出に応じる前の20年12月には、桜の問題を巡る安倍前首相の国会招致が行われた。
 
 提出資料は、宮本氏が事前通告した質問の答弁などが記されたA4用紙で計27枚の書面。5月21日分には、安倍政権で招待者が増えた理由に関し、国会での追加質問を予測した11問の想定問答がある。
 
 内容は「招待者には首相や与党が推薦する者も含まれているのか」「安倍首相の支持者とみられる人たちが多数来場しているが、どのような功績・功労がある者なのか」など、その後に問題化する「首相枠」に関する設問が複数ある。答弁は、個人情報などを理由に「回答を控える」とした。

 ■ジャパンライフ飛び火警戒?

 このほか、15年のジャパンライフ元会長の招待に関する18年1月の野党議員の質問と、安倍氏の答弁をまとめた資料もある。結局、当日は首相枠やジャパンライフに関する質疑は行われなかった。
 
 公文書管理の問題に詳しい龍谷大の瀬畑源准教授は「桜の問題が元会長と安倍氏の関係に飛び火することを、政府がこの段階で想定していた可能性がある。だから、回答を曖昧にしたように見える」と指摘する。

 ■元会長は「首相枠」か?明言せず

2019年4月、「桜を見る会」で招待客と記念写真に納まる安倍首相(中央左)と昭恵夫人ら

2019年4月、「桜を見る会」で招待客と記念写真に納まる安倍首相(中央左)と昭恵夫人ら

 桜を見る会の従来の参加者は1万人前後だったが、第2次安倍政権下で増加し19年には約1万8000人に膨らんだ。同年11月の国会で、会の前夜に安倍氏が地元後援会との夕食会を13年以降に毎年開き、会の当日も関係者を招いていたことが判明すると「公式行事の私物化」との批判が強まった。
 
 安倍氏は当初、招待者の人選に「関与していない」と語ったが、その後、野党の追及を受け「推薦者について意見を言うことはあった」と、軌道修正した。
 
 首相枠を巡っては、政府は19年の招待者約1万5000人のうち、首相の推薦者が1000人だったことは明らかにした。ジャパンライフ元会長を15年に招待した際の受付票には、過去の政権で首相枠を意味した区分番号「60」が記されていたが、安倍氏の推薦だったかどうかは、政府は明言を避けたままだ。
 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【疑惑・安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会の費用補填(ほてん)問題】  2021年07月26日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【「桜を見る会」疑惑】: 赤旗スクープは、こうして生まれた!

2021-07-31 23:56:30 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【「桜を見る会」疑惑】: 赤旗スクープは、こうして生まれた!

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【「桜を見る会」疑惑】: 赤旗スクープは、こうして生まれた! 

 「首相の後援会員が数百人規模で参加しているのは知っているだろう」。自民党関係者のこの言葉から、国政を大きく揺るがすスクープが静かに始まった──。

「桜を見る会」疑惑 赤旗スクープは、こうして生まれた!

 安倍首相を辞任に追い込んだ一つの「桜を見る会」疑惑を、日曜版がどのように取材したかの舞台裏を、スクープ記事なども基にして書き下ろす。大手メディアにはない、赤旗のスクープ力の秘密を明らかにした力作!今回の安倍辞任での幕引きは許されない!安倍事務所関与を示す決定的な物証を初公開!!

<目次>

はじめに

  • 第一章  どうやってスクープは生まれたか
    •   明け方のツイッター
    •   自民幹部の告白
    •   内閣府の資料はA4判1枚
    •   インターネットで情報収集
    •   首相の地元下関へ
    •   「案内は安倍事務所から来た」
    •   ネットにも証拠能力
    •   〝昭恵氏枠〟の発見
    •   記事は足で書く
    •   子も孫も友も参加
    •   「バス17台」と手記に
    •   再録!  スクープ第1弾
  • 第二章  国会質問で首相と直接対決
    •   大手メディアに後追いの動きなし
    •   ネット調査で新文書入手
    •   会計検査のプロは見た
    •   国会質問のチャンス到来
    •   大反響の田村質問
    •   市民と野党の力で
    •   疑惑のナンバー「60」
    •   ついに案内状発見
    •   判明した招待経緯
    •   突然の「中止」発表
    •   決定的〝物証〟を入手
    •   「私人」が招いた仲間たち
    •   招待は「選挙がんばったから」
    •   お友だち140人
    •   あきれる自民関係者
    •   税金で〝おもてなし〟
    •   「追求本部」が発足  
  • 第三章  悪用される「桜」ーー総裁選とマルチ
    •   総裁選の年だけ招待なぜ
    •   研修と「桜」は抱き合わせ
    •   官邸と党の〝談合〟で決まった日程
    •   前回の雪辱果たし党員票も逆転勝利
    •   マルチが宣伝利用
    •   「60」は明白に首相枠
    •   別のマルチも浮上
    •   本社に飾られた首相との記念写真
    •   昭恵氏関与の事業に資金
    •   〝特別な人〟だけ入れるパーティー
    •   親密写真信用し被害拡大
    •   資金提供者が「桜」に
    •   昭恵さんから「ご招待」と
    •   マルチを乗せた首相バス
    •   前夜祭での写真も  
  • 第四章  相次ぐ刑事告発、続く追及
    •   刑事告発を不受理!?
    •   安倍政権の〝秘策〟
    •   続く刑事告発の動き
    •   検察庁法案見送り
    •   逃げ切りは許さない

補章  「桜」報道の意義ーー田村智子日本共産党副委員長、参院議員インタビュー

おわりに

巻末資料  これが安倍首相による「桜を見る会」私物化の決定的〝物証〟だ!!

 元稿:しんぶん赤旗 主要出版物 政治 【日曜版編集部】 2020年09月15日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【赤旗日曜版】:動画スクープ「桜を見る会で辞職した安倍前首相秘書の復職」を事務所に直撃取材

2021-07-31 23:56:20 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【赤旗日曜版】:動画スクープ「桜を見る会で辞職した安倍前首相秘書の復職」を事務所に直撃取材

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【赤旗日曜版】:動画スクープ「桜を見る会で辞職した安倍前首相秘書の復職」を事務所に直撃取材 

  政治資金規正法違反(不記載)の罪で略式起訴された配川博之・公設第1秘書=2020年2月、山口県下関市、貞松慎二郎撮影

 元稿:しんぶん赤旗 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【日曜版・安倍晋三前首相の元公設第一秘書、配川博之(はいかわ・ひろゆき)氏。「桜を見る会」をめぐる問題で昨年12月に公設秘書を辞職】 2021年04月09日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【安倍晋三事務所】:まだまだ出てきた…「ヤバい領収書」全公開

2021-07-31 23:56:10 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【安倍晋三事務所】:まだまだ出てきた…「ヤバい領収書」全公開

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍晋三事務所】:まだまだ出てきた…「ヤバい領収書」全公開

 逃げ切った……そう思っていることだろう。「桜を見る会」前夜祭をめぐる問題で、昨年12月、安倍晋三前首相(66)は不起訴処分となった。だが、安倍前首相の政治資金の使い方は、黒に近いグレーであることを本誌はあらためて主張したい。

【画像】焼き肉店で14万円、高級旅館に宿泊費15万円…「怪しい領収書」はコチラ

 以下に並んでいるのは、安倍前首相の政治団体が提出した’19年の政治資金収支報告書に添付された最新の領収書である。これらを情報公開でいち早く入手したジャーナリスト・三宅勝久氏はこう憤(いきどお)る。

 「不明瞭な領収書がたくさんありました。たとえば、58万円の旅行費は地元の山口県から『桜を見る会』にスタッフを派遣した経費とみて間違いありません。これは『桜を見る会』の前夜祭に関連する経費として正しく計上される必要があります。そのほかの領収書も、公職選挙法が禁止する支援者への接待や寄附が疑われるものばかりです」

 ’19年1月30日に「安倍晋三後援会」は、2軒の焼き肉店で計27万2000円の支払いをしている。あまりにも高額だ。また、地元の神社に「会費」をのべ30回以上も支出しているが、どの領収書も用紙や金額の書体がどれもまったく同じだ。

 「自前の領収書を用意して、神社に名前だけ記入させる行為を日常的に行っていると思われます。そもそも『会費』とは何なのか? 宗教法人に対する寄附だと疑義を持たれて当然で、適切な政治活動とは思えません」(三宅氏) 李下に冠を正さず。『桜を見る会』も含めて、あらためて説明が必要である。

『FRIDAY』2021年3月5日号より

 元稿:講談社 主要出版物 【FRIDYA DIGITAL】 2021年03月01日 08:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【郷原信郎「これだけは言いたい!」 】:桜疑惑で安倍前首相に致命的弱点 “虚偽答弁”を見過ごすな

2021-07-31 23:56:00 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【郷原信郎「これだけは言いたい!」 】:桜疑惑で安倍前首相に致命的弱点 “虚偽答弁”を見過ごすな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【郷原信郎「これだけは言いたい!」 】:桜疑惑で安倍前首相に致命的弱点 “虚偽答弁”を見過ごすな

 虚偽答弁問題で昨年末、安倍前首相は国会での説明を行ったが、多くの疑問が残ったまま2020年は終わった。

 新たな年は、コロナ感染の急拡大で、「虚偽答弁」問題から関心が遠ざかり気味だ。しかし、現在の感染の危機的状況も、安倍内閣から菅内閣に引き継がれた「説明責任無視」の悪政が影響している。その根本にあるのが「虚偽答弁問題」だ。安倍氏の説明について、なお残る疑問点、問題点を整理しておこう。

「桜を見る会」問題を巡り記者会見する安倍前首相(C)ロイター「桜を見る会」問題を巡り記者会見する安倍前首相(C)ロイター

 【写真】この記事の関連写真を見る(40枚)

 第1に、虚偽答弁を行った理由について重要な点が説明未了だ。

  安倍氏は、国会答弁で、「安倍晋三後援会は夕食会を主催したが、契約主体は個々の参加者だった」と説明していた。野党の追及本部の質問状に対して安倍事務所は、上記の契約主体に関する答弁を「事実と異なる答弁」のひとつと回答した。そこで問題になるのは「ホテルとの契約主体が個々の参加者」などという荒唐無稽な説明は、誰が考えたのかである。その点については、秘書から事実に反する説明を受けたとは言っていない。その説明は、安倍氏自身が、公選法違反、政治資金規正法違反を免れる「言い訳」として苦し紛れにつくり出したものなのであろう。この点について追及していけば、意図的な虚偽答弁が否定できなくなる可能性がある。


 第2に、説明に致命的な弱点がある。

 安倍氏は、前夜祭の費用の補填は、預けていた個人の金から秘書が無断で拠出していたと説明する。公選法による「寄附の禁止」(199条の2第1項)との関係について、補填分は「会場費」の実費を負担したもので、同項が「寄附」から除外する「政治教育集会に関する必要やむを得ない実費の補償」に該当するので違法ではないと説明している。しかし、単なる地元有権者との懇親の場である「桜を見る会」前夜祭が、「政治教育集会に関する」ものだというのは常識に反する。

 安倍氏は、飲食代金の5000円は参加者個人の負担で、安倍氏側は会場費だけを補填したかのように説明している。しかし、通常はホテル側が、飲食費、会場代のほか、さまざまな費用を積み上げて総額を計算した上、参加者の会費徴収分を決め、残金は補填するということになるはずだ。そうであれば、飲食代、会場費を含めた前夜祭費用総額の一部を補填したということであり、「必要やむを得ない実費の補償」には該当しない。

 安倍氏は、明細書の提示を「事務所にはない、ホテルは『営業の秘密』を理由に提出を拒んでいる」と言ってかたくなに拒んでいるのも、この点のウソがばれてしまうからではないか。

 安倍政権から現政権に引き継がれた「説明責任無視の姿勢」こそ、コロナ感染拡大が日本を危機的状況にしている大きな要因だ。その中心にある「虚偽答弁問題」を、決して見過ごしてはならない。

郷原信郎
著者のコラム一覧
 ■郷原信郎 弁護士

 元東京地検特捜部検事。1955年、島根県生まれ。東大理学部卒。83年検事任官。「告発の正義」(ちくま新書)、「虚構の法治国家」(講談社)など著書多数。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2021年01月19日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張】:「桜を見る会」疑惑 ■うそと国政私物化 放置できぬ

2021-07-31 23:55:50 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【主張】:「桜を見る会」疑惑 ■うそと国政私物化 放置できぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:「桜を見る会」疑惑 ■うそと国政私物化 放置できぬ 

 「桜を見る会」疑惑でだんまりを決め込む安倍晋三前首相と菅義偉首相の姿勢を見過ごすことはできません。安倍前首相は2020年12月末に衆参両院の議院運営委員会に出席して以降、国民に説明していません。菅首相も国会での野党の質問にまともにこたえず、疑惑解明に背を向けています。「桜」疑惑で浮き彫りになった政権中枢による国政私物化とモラル崩壊は、菅政権下で続発する「政治とカネ」疑惑や官僚・政治家の高額接待を招いた大本にもかかわる重大問題です。疑惑まみれの「安倍・菅政治」に対する追及を緩めるわけにはいきません。

 ■無反省と責任転嫁のまま

 安倍前首相主催の公的行事「桜を見る会」は13~19年の4月に毎年開催され、回を重ねるごとに参加者と費用は膨らみ続けました。首相の地元の支援者らを大量に招待し、飲ませ食わせしたことは、税金を使った事実上の買収そのものです。19年に「しんぶん赤旗」日曜版のスクープと日本共産党の国会質問で実態が暴露され、国民の怒りが広がる中で20年からは開催中止に追い込まれました。

 「桜を見る会」前日に都内の高級ホテルで開かれた「前夜祭」をめぐり、安倍晋三後援会が参加者の費用を補填(ほてん)していた問題も明らかになりました。東京地検特捜部は20年末、安倍後援会が16~19年にかけて前夜祭費用を合計約700万円支出したのに、政治資金収支報告書に記載がないと認定し、政治資金規正法違反(不記載)で後援会代表の公設第1秘書を略式起訴しました。検察に事情聴取された安倍前首相は不起訴になったものの、国会で「補填はしていない」と言い張った答弁は虚偽だったことが明白になりました。

 刑事処分の結果を受けて安倍前首相は国会や記者会見で虚偽答弁を認め、「反省」を表明しました。しかし、自分は知らなかったと全て責任を秘書に押し付け、自己弁護と保身に終始しました。

 補填の原資は「手持ち資金」と言うだけで説明を拒んだことは新たな疑惑を生んでいます。政治資金収支報告書には原資をめぐる記載はなく、うその可能性が濃厚です。前夜祭会場のホテルからの明細書や領収書の国会への提出にも前首相は応じません。全国の法律家らが前首相側の刑事責任の追及を続けているように、国民は徹底解明を求めています。あくまで説明を拒否する前首相に国会議員としての資格はありません。

 安倍前首相が「桜」疑惑で少なくとも118回も虚偽答弁をしたことは曖昧にできません。行政府の長が、国権の最高機関である国会でうそを言い続け、審議を妨げてきた責任は厳しくただされなければなりません。うそを言えば偽証罪に問われる証人喚問で真相を徹底追及することが不可欠です。

 ■菅首相は責任を免れない

 当時官房長官だった菅首相の責任も免れません。前首相のうそをおうむ返しして解明を邪魔したことへの真摯(しんし)な反省は示さず、招待者選定に関与した責任者だったにもかかわらず経過を語りません。疑惑隠しは許されません。

 虚偽答弁は、総務省の接待問題などでも繰り返されました。政権の隠蔽(いんぺい)体質が改まらないことに国民の不信は高まります。信頼を失った政権を退場させ、新しい政治に切り替えることが重要です。

 元稿:しんぶん赤旗 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】 2021年04月05日  07:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【安倍前首相の桜疑惑】:安倍晋三氏の不起訴「看過できない」、市民団体が検察審査会に申し立て

2021-07-31 23:55:50 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【安倍前首相の桜疑惑】:安倍晋三氏の不起訴「看過できない」、市民団体が検察審査会に申し立て

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍前首相の桜疑惑】:安倍晋三氏の不起訴「看過できない」、市民団体が検察審査会に申し立て

 筆者も名を連ねている「税金私物化を許さない市民の会」は「桜を見る会」前日の宴席をめぐる安倍晋三前首相の不起訴処分を不服とし、検察審査会に審査を申し立て、1月4日付で受理された。

 政治資金規正法違反などの罪で告発していた前首相が昨年12月24日、東京地検特捜部に“嫌疑不十分”だとして不問に付された茶番を看過できないからである。

  高級ホテルでの宴席は例年、1人5000円の異様に安い参加費で提供されてきた。差額は安倍氏側が負担していたのだが、一昨年までの4年間で約3000万円とされる収支が、政治資金報告書に記載されていない。にもかかわらず特捜部は、安倍氏本人の逃げ口上を丸呑みし、当時の公設第一秘書を略式起訴に処したのみ。

 秘書氏は東京簡裁に罰金100万円の略式命令も受けたが、即日納付で一件落着、の体裁がつくられた。これを受けた記者会見や衆参両院議院運営委員会でも安倍氏はしどろもどろだったが、そのまま”なかったこと”にされかねない雰囲気が漂っていた――。

 4日、「市民の会」は東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を行なった。事の重大さに照らして報道量が極端に少なく、申立人の氏名もほぼ伏せられて、得体の知れない団体でもあるかのように扱われたのが不本意なので、一部始終を記録しておきたい。

 会見には4人が臨んだ。共同代表の武内暁氏(自営業)は申し立ての趣旨などを説明したのち、「実質的に政治資金規正法だけでなく、公職選挙法違反でもある。秘書が秘書がで不起訴になった安倍晋三を決して許すわけにはいきません。菅義偉さん(現首相)に対しても同じ思いです。彼らの責任をきちんと追及していきたい」。

 杉山寅次郎氏(編集者)は、2009年の西松建設事件で、同社にパーティー券を買わせた二階俊博経済産業相(当時、現自民党幹事長)側の不起訴処分を「不当」と議決した検察審査会で審査員を務めていた人である。それで特捜部が職責を全うしていたら、今日における二階氏の権勢もなかったのではないか。「(今度こそ)『巨悪を眠らせず、被害者国民とともに泣く検察』を実現してほしい」。

 【「怒りで手が震えた」】

 石井碩行氏(農業)は、安倍不起訴の通知に、「怒りで手が震えた」。彼は安倍氏が国会で、“桜”絡みで少なくとも118回の虚偽答弁を重ねていたとする衆議院調査局の発表に触れ、「その間にどれだけの時間があったか。本当に知らなかったのなら、安倍はいくらでも秘書に聞くことができたのに」と怒気を強めた。

  筆者はこう述べた。 「年が明けたからといって、“桜”の問題がこのままになるようなことがあっては、絶対にいけない。社会のため、日本のために、です。安倍政権では統計の偽造や公文書の捏造、審議会の議事録がないのが当たり前になりました。ソ連の末期と同じ。”桜”の答弁は嘘ばかり、他の問題だってまともに答えているとは思えません。この間の国会はすべて無効にしていただきたいぐらいだ。こんなことが罷り通れば、権力者は何をしてもよいが、権力のない者は何をしても許されない社会にされてしまう。今後はコロナで、対中国でもいいが、政府が強権を発動しなければならない場合も出てくるでしょう。だが、嘘だらけの政府に正統性などありません。しっかりケリをつけなければ。菅さんにはせめて、ひとつぐらいは信じられることをやってもらいたい」

 最後の「菅さん」は本来、「特捜部」と言うべきだった。役人は政権の私兵でしかないという、安倍氏以来の絶望に、筆者自身も囚われてしまっているのか。一刻も早く政界から安倍氏を追放し、くだらなすぎる軛から逃れよう。  なお、「市民の会」のもう一人の共同代表は団体役員の田中正道氏。他に元同志社大学教授の浅野健一氏、講談師の神田香織氏、「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」実行委員会共同代表の武野大策氏らがいる。 (斎藤貴男・ジャーナリスト、2021年1月8日号)

 元稿:㈱金曜日 主要出版物 【週刊金曜日・担当:斎藤貴男・ジャーナリスト】 2021年01月25日 17:09:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【安倍前首相】:幕引き? そうはいかない

2021-07-31 23:55:40 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【安倍前首相】:幕引き? そうはいかない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍前首相】:幕引き? そうはいかない 

 2021年の年頭の当コラムは、安倍晋三前首相の「桜を見る会」前日夕食会を巡る政治資金規正法違反問題を取り上げたい。

 「それって去年の話でしょ?」「正月の新聞ってもっと一年を展望したりするものでは?」と読者はお考えになるかもしれない。

 確かに年末に書いてもよかった。しかし、バタバタと年内に安倍氏の謝罪会見と国会説明を済ませ、早く幕引きを図ろうという菅義偉政権や自民党の思惑が見え見えなので、あえて年明けに持ち越したのだ。

 おとそを飲んで駅伝でも見ていれば、国民も「桜」なんか忘れるだろう-。

 そうはいくか。

   ◇    ◇

 「桜」問題で東京地検は、安倍氏の事務所が夕食会の費用を補填(ほてん)していたのに、政治資金収支報告書に記載しなかったのを違法として秘書を略式起訴したが、安倍氏については「嫌疑不十分」で不起訴とした。安倍氏の不起訴が妥当かどうかは今後検察審査会で審査される可能性が高い。

 ただ私が「桜」問題で一番ひどいと思うのは、安倍氏が国会審議で118回も「虚偽答弁」を繰り返しておきながら、議員辞職をせず、通り一遍の謝罪で済ませようとしていることだ。

 これが許されるのなら、今後国会で時の首相がどんないいかげんなことを言っても「謝れば済む」という前例ができてしまう。それでは国権の最高機関たる国会の議論が無意味になる。

 安倍氏の言い分は、秘書の虚偽の説明を真実と信じていたので「結果として事実に反する答弁になった」ということだ。しかし誰が考えても不自然な秘書の説明を「おかしい」と疑う能力が本当になかったのなら、むしろ安倍氏は自分で「政治家不適格」と認めているようなものではないか。

   ◇    ◇

 ここで改めて安倍氏の国会発言を振り返る。

 「事務所側が補填をしたという事実は全くない」

 「私がここで総理大臣として答弁するということについては、全ての発言が責任を伴う」

 「私がここで話しているのがまさに真実」

 「私がうそをついているということを説明するのはそちら側ではないか(立証責任はそちら、の意)」

 「(自分を追及する野党議員に対し)根拠のないことをおっしゃるのはうそをつくのと同じことですよ」

 答弁の虚偽がばれないうちは、安倍氏はこんな態度だった。居丈高でさえある。特に最後の発言がすごい。相手への批判が回り回って自分に突き刺さることを政治報道で「ブーメラン」などと言うが、「安倍氏は政界一のブーメランの名手」と認定してよさそうだ。

   ◇    ◇

 今月始まる見通しの通常国会で、野党は安倍氏の証人喚問などを要求し、疑惑追及を続ける構えだ。自民党は「説明責任を果たした」として幕引きを図るだろう。国会での勢力構図を見れば、自民党の企ては成功するかもしれない。

 幕引きに待ったをかけるものがあるとすれば、それは世論だ。国民がこの問題にどれだけ怒り、その怒りをどれだけ持続させるかにかかっている。安倍氏が国民が注視する国会であんな答弁をしたのは「野党をなめていたから」ではなく「国民をなめていたからだ」と怒るかどうかである。 (特別論説委員・永田健)

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・コラム 【時代ななめ読み・担当:永田健】  2021年01月03日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER】:再燃した桜疑惑、予想される“最悪の落しどころ”

2021-07-31 23:55:30 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【HUNTER】:再燃した桜疑惑、予想される“最悪の落しどころ”

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:再燃した桜疑惑、予想される“最悪の落しどころ” 

 安倍晋三前首相の、“桜疑惑”が再燃した。毎年、桜のシーズンに開催されてきた桜を見る会で、安倍前首相の「安倍晋三後援会」は前夜祭を開催。地元、山口県から多数の参加者を集めて、東京都内の高級ホテルでパーティを開いてきた。そこに、主役である安倍前首相や昭恵夫人が出席していたのは言うまでもない。東京地検特捜部の調べでは、安倍前首相側が前夜祭の会費の不足分を、数年間で900万円以上補填していたことがわかっている。

■国会答弁は真っ赤なウソ

 安倍首相側が作成した政治資金収支報告書に、前夜祭に関する支出の記載がないことは、早くから確認されていたことだ。桜を見る会に反社会的勢力が参加していたことも明らかとなっていたため、安倍氏は首相在任中、この件について国会で何度も追及を受けている。安倍前首相が国会質疑の際、「補填などなかった」「ホテル側から領収書などは発行されていない」などと疑惑を強く否定してきたことは周知の通り。だが結果として、桜疑惑に関する安倍氏による一連の国会答弁は、真っ赤なウソだったことになる。

 安倍前首相の後援会幹部は、匿名を条件にこう打ち明ける。
 「安倍さんが、総理をおやめになられてから、地元の秘書や後援者が東京地検特捜部から事情を聞かれるようになった」――特捜部が、安倍氏の退陣を待って着手したのは確かだ。

 今回、最初に前夜祭の補填疑惑を報じたのは11月24日の読売新聞朝刊だった。その後、NHKがホテルの領収書などについて詳報。安倍前首相側も、ドンピシャの報道を前に、一定の事実関係を認めざるを得なくなる。

 読売新聞のスクープの時には、安倍前首相に有利な証拠を集めて、「不起訴にもっていくつもりでは」との情報が流れたが、NHKの後追い報道で流れが一気に変わり、立件ムードが高まった。 

■検察リークの裏

 「検察は、ジャンジャンとまではいわないが読売新聞、朝日新聞、NHKなどには情報を出してくる」(東京地検特捜部の担当記者)

 検察取材のガードの固さは、徹底されている。検事正、次席検事、特捜部長など幹部以外の検事を取材すると記者クラブの加盟社は「出入り禁止」などの処分を食らう。だが、今回は「検察リーク」があふれているという。

 普通なら、立件が予想される安倍前首相側が関係者に“かん口令”が敷くはずだが、記者が直撃した安倍前首相の地元である山口県の地方議員は、あっさり口を割った。
 「補填は昔からあったと聞いていた。ただ総理在任中は認めるわけにはいかない。それが退任したから、今ならいいということじゃないか。昔は、補填分を政治資金収支報告書に記載していたものです。平成25年分にはそれなりの額の会合費が計上されているはず」

 そこで、安倍前首相の資金管理団体「晋和会」が総務省に提出した平成25年分政治資金収支報告書をチェックしてみると、平成25年5月10日に、東京のホテル運営会社に829,000円あまりを支払っていた。要するに、安倍前首相側は、補填分を政治資金収支報告書に記載する必要があったことを把握していたことになる。

 それを無視して意図的に平成26年分以降の収支報告書に記載していないとなれば、非常に悪質。当時は首相在任中であり、最も法を遵守しなければならない立場である安倍氏側が、違法行為を繰り返してきた罪は重い。

 前出の地方議員はこれまで、桜を見る会のことはもちろん、安倍前首相に関する取材には非常に口が重かった。だが、今回の対応はまるで別人。今後の展開について、次のようにを予言する。
 「もう、立件されることは分かっています。政治資金収支報告書に正しく書かなかったという、政治資金規正法の虚偽記載でやられるでしょう。罰せられるのは地元の秘書だけ。略式起訴になるのではないですか。無理に否認して、強制捜査、ガサ入れととなったら、安倍前首相に傷がつく。まだ、前首相には先もあるわけですからね」

 公職選挙法が禁止している「有権者への寄附=買収」という見方もあるが、検察OBの弁護士も、こう解説する。
「公職選挙法は難しい。安倍前首相は国会でウソをついていたことにはなるが、国会答弁だから偽証の対象にはならない。やれるとすれば、政治資金規正法しかない」

 つまりだ、安倍前首相側は秘書を生贄に差し出して罰金刑で終わらせる。自身は“無傷”で再々登板を狙おうという魂胆だ。一方、検察は積極リークでマスコミを使って風を吹かし、前首相の事件を立件したと手柄を大きく見せて「検察もやる時は、やるぞ」とアピールしているつもりなのだろう。

 国会でウソを答弁した安倍前首相は「無傷」。これでは、真相解明には、とうてい及ばない。政治、検察に「正義」はあるのだろうか?(山本吉文)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政局・疑惑・政治とカネ・安倍首相主催の「桜を見る会」を巡る疑惑】  2020年12月01日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政局】:世論から「見放された」菅政権の〝政治とカネ〟「桜を見る会」の説明、自民支持層の7割が「納得できない」

2021-07-31 23:54:50 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【政局】:世論から「見放された」菅政権の〝政治とカネ〟「桜を見る会」の説明、自民支持層の7割が「納得できない」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:世論から「見放された」菅政権の〝政治とカネ〟「桜を見る会」の説明、自民支持層の7割が「納得できない」

 前法務大臣の選挙違反事件、元農水大臣の汚職事件……。国会で新型コロナウイルス対策とともに焦点の一つとなっているのが、「政治とカネ」の問題です。過去に政権運営の急所となったこともある「政治とカネ」の問題を、国民はいま、どうみているのでしょうか。世論調査からひもときます。(朝日新聞記者・磯部佳孝)

衆院予算委で国民民主党の玉木雄一郎代表の質疑中に壁の時計を見る菅義偉首相=2021年1月26日午後2時41分、恵原弘太郎撮影、朝日新聞(withnews)

【画像】「桜を見る会」参加した芸能人はどんな人? 首相と一緒に写真におさまる人たち

 ◆「菅政権は改善できる」12%

 元稿:withnews👀 主要ニュース 政治 【政局】 2021年02月09日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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《社説①》:安倍氏の「桜」前夜祭 国会の場で疑惑の解明を

2021-07-31 23:54:40 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

《社説①》:安倍氏の「桜」前夜祭 国会の場で疑惑の解明を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:安倍氏の「桜」前夜祭 国会の場で疑惑の解明を

 「桜を見る会」前夜祭の費用補塡(ほてん)問題について、疑念は解消されていない。

 安倍晋三前首相は記者会見や国会で、知らないところで秘書が補塡していたと述べた。しかし、到底納得できるものではない。

 あすから始まる国会で、疑惑を解明する必要がある。

 安倍氏を不起訴とした東京地検の処分には、市民団体が検察審査会に審査を申し立てている。

 地検は、政治資金収支報告書への不記載に関与した証拠は見つからなかったなどと説明している。ただ、事務所の捜索といった強制捜査は行っていない。

 捜査は十分に尽くされたか、処分の判断に問題はないか、市民の視点でチェックする必要がある。

 毎日新聞の世論調査でも、安倍氏の説明を「信じられない」と答えた人が67%に上っている。

 前夜祭は、桜を見る会に招待した支援者を集め、高級ホテルで開いた宴会だった。会費を超える分は、利益供与の疑いがある。

 これについて安倍氏は、補塡分は会場費等であり、有権者への寄付ではなく、公職選挙法違反には当たらないと強調した。

 それを証明するには、ホテル発行の明細書を示し、費用の内訳を明らかにしなければならない。

 補塡の原資にも疑問が残る。安倍氏は、私的な支払いのため事務所に預けた自己資金の中から、秘書が支出したと説明している。

 だが、一昨年までの4年間で約700万円にも上るのに、秘書が独断で支出したというのは不自然だ。ホテルが出した領収書の宛名は、主催した後援会ではなく、安倍氏の資金管理団体とされる。

 直近3年分の政治資金収支報告書は修正されたが、補塡分の「収入」に関する記載はない。

 収支報告書に前夜祭の収支を記載してこなかった経緯も不明のままだ。不記載が始まった当時の担当者に説明を拒まれたというが、それでは通用しない。

 にもかかわらず、安倍氏は「説明責任を果たせた」と語った。野党から改めて、明細書や領収書の提示を求められても、拒否している。極めて不誠実な対応だ。

 国会では「虚偽答弁」が繰り返された。真相が究明されないまま幕引きとすることは許されない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年01月17日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【安倍前首相】:再質問状にも具体的回答せず 野党「ゼロ回答以下だ」と反発 桜を見る会夕食会問題

2021-07-31 23:54:30 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【安倍前首相】:再質問状にも具体的回答せず 野党「ゼロ回答以下だ」と反発 桜を見る会夕食会問題

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍前首相】:再質問状にも具体的回答せず 野党「ゼロ回答以下だ」と反発 桜を見る会夕食会問題

 安倍晋三前首相の政治団体が主催した「桜を見る会」前日の夕食会を巡り、立憲民主党などの野党は12日、安倍氏宛てに送った再質問状への書面回答を公表した。費用補塡ほてんの原資の確認など3点の質問に対し、まとめて「既に回答している通り」として追加の説明はなく、野党側は「ゼロ回答以下だ」(立民・黒岩宇洋国対委員長代理)と反発している。

2019年4月、「桜を見る会」で招待客と記念写真に納まる安倍首相(当時、中央左)と昭恵夫人ら=東京・新宿御苑で

2019年4月、「桜を見る会」で招待客と記念写真に納まる安倍首相(当時、中央左)と昭恵夫人ら=東京・新宿御苑で

 
 野党は昨年12月、安倍氏の記者会見や衆参両院の議院運営委員会の質疑で積み残された疑問に関し、質問状を送付した。今月5日に書面回答が寄せられたものの、内容に不明確な点などがあったため、再質問状を提出。費用補塡の原資のほか、安倍氏が会場のホテル側に明細書や領収書の再発行を依頼したかどうかなどを重ねてただした。
 書面回答は12日付で届き、国会や記者会見、1回目の書面で回答した通りという一文だけ。黒岩氏は国会内で記者団に「安倍氏は自ら説明したいと言ったのに、言葉と行動が全く異なっていることに非常に失望を覚えた」と批判。回答では、国会で説明した場が地方議会の名称である「議会運営委員会」と誤記されていたことも指摘し「立法府に対する無知としか言いようがない」と強調した。(横山大輔)
 

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政局・安倍首相主催の「桜を見る会」を巡る一連の疑惑】  2021年01月13日  09:12:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【僭越ながら「論」・2020.10.06】:継承された「言論封殺」

2021-07-31 23:52:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【僭越ながら「論】・・2020.10.06】:継承された「言論封殺」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【僭越ながら「論」・2020.10.06】:継承された「言論封殺」 

 権力が嫌うのは、昔も今も「言論」。かつて7年8カ月に渡る長期政権を築き、ノーベル平和賞まで受賞した佐藤栄作元首相は、1972年の退陣会見で「偏向的な新聞が大嫌い」と発言。反発した記者たちが揃って退室したため、テレビクルーだけが残るという異常な状況の中で、国民への最後の挨拶を行った。

 その佐藤でさえ、在任中に言論を封殺するような愚かなマネはしておらず、以後も監視する側とされる側の関係は、民主主義国家における“あるべき姿”を保ってきたと言えるだろう。

 それが崩れたのは、安倍晋三が再登板を果たし、「一強」という政治状況が生まれてから。8年近く続いた安倍政権は、大手メディアに対して露骨な圧力を加え報道の自由を脅かし、強権政治を継承した菅義偉は、あろうことか「言論人」そのものを否定するという暴挙に出て顰蹙を買っている。

 ■安倍政権から続く言論封殺の動き

 2015年、権力批判が売り物だったテレビ朝日の「報道ステーション」で長年キャスターを務めてきた古舘伊知郎氏の降板が決定。筑紫哲也氏が育てたTBSの「ニュース23」も、それまでアンカーを務めていた岸井成格氏が交代を余儀なくされるなど、安倍政権の圧力にメディアが屈したとしか思えない出来事が相次いだ。

 2016年2月には高市早苗総務相(当時)が、放送局が政治的な公平性に欠ける放送を繰り返した場合、放送法を盾にした「電波停止」もあり得るという主旨の発言を行い、露骨な報道圧力だとして批判を浴びた。安倍政権にとって都合の悪い番組に対する牽制だったことは明らかだった。

 同年年7月には、“一強”に驕る自民党が、ホームページ上で「学校教育における政治的中立性についての実態調査」を展開。学校教育の現場で「子供たちを戦場に送るな」、「安保関連法は廃止にすべき」などと安倍晋三政権に批判的な主張を行った教員の事例を定型フォームに記入して党本部あてに送るよう、事実上の密告奨励を行っていたことが分かっている。

 「子供たちを戦場に送るな」を“偏向”と決めつける自民党は、その段階で狂っていたのだが、多くの関係者から「まるで戦前」といった激しい反発の声が上がったのは言うまでもない。 

 振り返ってみると、こうした自民党の暴走は、その前年に始まっていた。2015年、安倍晋三首相に近い自民党若手が開いた勉強会「文化芸術懇話会」で、極右作家や井上貴博、大西英男、長尾敬の衆院議員3人が「(沖縄の)マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい」などと言論を封殺する発言を連発。意に沿わない報道機関に対し、脅しをかけて黙らせるという戦前の軍部と同じ発想のバカな政治家たちが存在していることを、世に知らしめた。

 一連の動きは、批判的な声を力で封じ込めようとする自民党政権の姿勢が顕在化したもの。官房長官としてその政権の中心にいたのが、安倍政治を「継承」した菅義偉首相である。

 ■「叩き上げの苦労人」の正体

 総理に就任した菅氏にマスコミが進呈したのは、「叩き上げの苦労人」というプラスイメージ。国民はすっかり騙されて「7割」という高い支持率を与えたが、化けの皮は意外と早く剥げた。調子に乗った菅氏と官邸が、安倍政権の方針に批判的だった日本学術会議の会員候補6人を排除するため任命を拒否し、「逆らう者は許さない」という強権姿勢を示したからだ。

 任命拒否への反発が広がると、橋下徹元大阪市長やフジテレビの解説委員など菅と親しい連中が次々に学術会議に関するフェイク情報を発信。これを受けた政府・自民党は、学術会議の組織を改編すると言い出した。安倍政治が得意としてきた「議論のすり替え」で、国民の目を逸らそうという魂胆だ。だが、国民は決してバカではない。ご祝儀相場は終わったらしく、菅内閣の支持率は急落している。

 日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという考えに基づき、行政・産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として1949年(昭和24年)に設立された組織で、「日本学術会議法」は所轄を内閣総理大臣と定めた上で、《日本学術会議は、独立して職務を行う》と規定している。『独立して』の一言は、政府の束縛を否定したもので、故に首相には推薦された会員の任命を拒否することはできないものと解されてきた。菅首相は、歴代内閣が尊重してきた「日本国憲法」が保障する「学問の自由」や「言論の自由」を、自己都合で踏みにじろうというのである。憲法違反が問われるべき事態だろう。

 菅氏が本当の「苦労人」なら、この国に平和をもたらした憲法の精神を、簡単に汚すようなマネはしないはずだ。しかし、「改憲」を至上命題に掲げた政権のナンバー2として安倍を支えてきたのは菅氏。もともと同氏には、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」(憲法99条)と規定されたの憲法遵守義務を守る意思などない。叩き上げの苦労人の正体は、「国家観を持たぬ権力主義者」ということだ。

 この内閣が危険なことは、人事をみても明らかだ。菅内閣で新たに国家安全保障に関する重要政策を担当する総理補佐官に任命されたのは、前述した自民党右派の勉強会「文化芸術懇話会」の元代表で、教育現場での密告奨励を推し進めた木原稔衆議院議員なのである。(*下は、2016年7月の木原氏のツイッター投稿)

「言論の自由」が制約を受ける国では「民主主義」は育たない。全体主義が幅を利かせた戦前・戦中を知る日本は、敗戦を経て、そのことを学んだはずだ。

 安倍から菅へと継承された「言論封殺」の動きを、あなたは許しますか?

 元稿:HUNTER 主要ニュース 【僭越ながら「論」】  2020年10月26日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【僭越ながら「論」・2020.09.09】:この程度の国民に、この程度の政治とマスコミ

2021-07-31 23:52:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【僭越ながら「論」・2020.09.09】:この程度の国民に、この程度の政治とマスコミ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【僭越ながら「論」・2020.09.09】:この程度の国民に、この程度の政治とマスコミ 

 つい先ごろまで民意を無視する政権のかじ取り役として「悪代官」のように扱われていたナンバー2の政治家が、あれよという間に最高権力者の座に登り詰めることが確実となった。

 安倍晋三首相が突然辞任したことを受けて行われる自民党の総裁選で、圧倒的な勝利を収めるとみられている菅義偉官房長官。1か月まで、次の総理にしたい人物の調査では5番目か6番目だった同氏が、直近の数字で4割を超える支持を得ているというのだから、驚くしかない。

 菅氏をヒーローに祭り上げたのは、紛れもなくこの国のマスコミである。

 ■菅氏を持ち上げるワイドショー

 「一強」といわれる政治状況に胡坐をかき、平気でメディアにも圧力をかけてきた安倍政治を「継承する」と断言する菅氏を、マスコミ各社がこぞって持ち上げる様は滑稽だ。

 特にテレビのワイドショーは、石破茂幹事長や岸田文雄政調会長の何倍もの時間をかけて菅氏の生い立ちや政治経歴を紹介している。(下は、西日本新聞9月7日朝刊の番組表より。赤い囲みはハンター編集部)

 秋田から身一つで上京し、苦学の末に政治の世界でのし上がった叩き上げの政治家。安倍政権を支えて7年8か月、ついに総理・総裁に登り詰める――これが大方のテレビ番組が描く、菅氏のサクセスストーリーである。

 元秘書をはじめ関係者が登場して菅氏の政治姿勢や逸話を語らせるのも、各局同様の手法となっている。ワイドショーを制作している連中は、「恥」という言葉を知らないのだろう。 

 菅氏は、権力維持のためには隠蔽やごまかしも辞さないという冷酷さを持つ政治家である。政権のスポークスマンとして会見に臨んできた同氏が、森友・加計や桜を見る会といった疑惑に対して、どのような態度をとってきたか振り返ってみれば分かることだ。

 国家戦略特区を利用した加計学園の獣医学部新設問題では、文部科学省内部で共有されていたメールを「怪文書」と切って捨て、事案そのものをなかったことにしようとした。

 森友学園への国有地払い下げ問題を巡っては、公文書の改ざんを強要され、良心の呵責に苛まれて自殺した財務省職員の手記も黙殺し、再調査を否定するという非人間的な態度に終始している。

 なにより、特定秘密保護法や安保法制を制定し、集団的自衛権の行使容認という間違った方向に走ってきた安倍政権の、事実上の司令塔だったのは菅氏。官邸の主として、右寄り路線を引っ張ってきた張本人といっても過言ではあるまい。

 その菅氏をもてはやす大手メディアを、信用できるはずがない。

 ■程度の低さにうんざり

 春先まで、菅氏の足もとはで大きく揺らいでいた。首相と菅氏の関係悪化が原因だ。昨年11月、公設秘書が地元の有権者に香典を渡したとして、菅氏側近とされる菅原一秀衆院議員に公職選挙法違反(買収)の疑いが浮上。菅原氏は経済産業大臣を辞任した。

 数日後、やはり菅氏の側近として知られる元法相・河井克之被告の妻・案里被告の参院選におけるウグイス嬢買収が発覚。克之被告が法相を辞めたものの事件は収束せず、巨額買収事件に発展した。

 一連の事件は、菅氏の影響力低下を狙って首相周辺が仕掛けたのではないとの見方さえあったほどで、官房長官でありながら、コロナ対策の初期ははまったく蚊帳の外だった。そこからの逆転劇は、菅氏のしたたかさを物語る。

 独裁的な政治手法で長期政権を実現させた安倍首相の女房役が菅氏。その菅氏の総裁就任が確実になったとたん、批判精神を忘れ過剰な忖度あるいはヨイショに走るマスコミと、美談仕立ての政治家物語に騙される有権者――。程度の低さにウンザリしているのは、記者だけではあるまい。

 イギリスの著述家サミュエル・スマイルズは、その著書である『自助論』の中で「りっぱな国民にはりっぱな政治、無知で腐敗した国民には腐りはてた政治しかありえない」と述べた。160年以上前に書かれた名著の中の一節だが、現在の日本に、これほど当てはまる指摘はあるまい。「この程度の国民に、この程度の政治」。付け加えるとするなら「この程度の国民に、この程度の政治とマスコミ」ということになる。

 辞任表明前、安倍内閣の支持率は3割台前半まで下がっていた。不支持は5割を超えていたはずだ。菅氏自身の人気も、それほど高かったわけではない。しかし、テレビが菅氏を持ち上げ始めたとたん、マスコミも有権者も「菅総理万歳」。安倍政治が続いた理由が、今頃になって見えてきた。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 【僭越ながら「論」】  2020年09月09日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【僭越ながら「論」・2020.09.03】:検証・安倍政治 ■問われる「一強」の是非

2021-07-31 23:52:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【僭越ながら「論」】:検証・安倍政治 ■問われる「一強」の是非

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【僭越ながら「論】」:検証・安倍政治 ■問われる「一強」の是非 

 次の総理・総裁になることが確実視される菅義偉官房長官が2日夕の会見で、安倍晋三政権の政策を「継承する」と明言した。つまり、民意を無視し、官僚の忖度に支えられる政治を続けるということだ。

 寛容なのか悪ふざけなのか分からないが、直近の世論調査では、現政権を支持すると答えた人が20ポイント以上増えて約6割。安倍政治を引き継ごうとしている菅氏やその周辺はニンマリといったところだろう。

 だが、歴史の分岐点では立ち止まって考えるのが大切。後継が誰になるにせよ、安倍政治の検証を怠ってはなるまい。

 ■8年やっても残せなかった「レガシー」

 正確を期すなら“次の総理が決まれば”ということになるが、8年近く続いた安倍政権が、ようやく終わりを告げる。

 「ご苦労様でした」とねぎらうのが大人の態度だと分かってはいるが、長期政権のこれまでを振り返ると、素直にそう言う気にはならない。

 一億総活躍、女性が輝く社会、働き方改革、地方創生、クールジャパン、積極的平和主義等々――。ほぼ1年ごとに新しいキャッチコピーを生み出してきた安倍政権だったが、退陣すると分かって考えてみれば、成果として認められるものは何もない。

 任期途中だからとか、病気を抱えながらなどという言い訳が通らないのは、辞任表明の会見で「政治においては、最も重要なことは結果を出すことである」と述べた首相自身が分かっていることだろう。

 会見で首相は、自らの政治的なレガシーについて聞かれ、「国民の皆様が御判断いただけるのかなと、また歴史が判断していくのかな」とも答えた。おそらく多くの国民が、安倍さんのレガシーについては「?」というのが実情ではないのだろうか。 

 政権の最重要課題と位置付け「私の任期中に解決する」と明言した拉致問題はまったく進展しておらず、北朝鮮とは没交渉の状態だ。

 「外交の安倍」という言葉を何度も聞いてきたが、歴代総理の中で最多となる外遊でやったことといえば、多額のカネをばら撒いただけで、何の果実も得ていない。中国や韓国との関係は冷え込んだままであり、ロシアにも軽くあしらわれただけだ。
派手に動いてはいたが、世界に向かって誇れる実績など皆無に等しい。

 内政面での失敗も、数え出せばきりがない。差別主義者のトランプに追随し、6,000億円もの予算をかけて導入を決めたイージスアショアの整備計画は、コロナ禍に紛れて突然中止になった。

 沖縄では、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対し続けている県民の意思を黙殺して工事を強行してきたが、埋め立て予定海域の下に軟弱地盤が確認されており、何兆円かけても滑走路ができない可能性が指摘されている。

 直近の失政といえは、やはり政権を追い込んだ新型コロナ対策だろう。水際対策の失敗から迷走を続け、アベノマスクや30万円の臨時給付金で大きく躓いた。この過程で首相は、人気ミュージシャンがSNS上に公開した動画にコラボする形で、自宅で愛犬とくつろぐ姿を投稿して批判に晒されるという失態を演じている。

 ■「負の遺産」の数々

 一方で、国民が望まない法律や施策だけは、いやというほど積み上げた。

 特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、安保法制、武器輸出3原則の放棄、共謀罪法――。戦後70年以上かけて先人たちが築き上げてきた「平和国家」の土台を、数の力で崩したことだけは確かだ。

 安倍首相にとっての「戦後レジームからの脱却」とは、平和国家日本の姿を壊し、戦争ができる国にすることではなかったのか。その総仕上げが、「憲法改正」だったことは言うまでもない。彼の「美しい国」を眺めずに済んだことは、国の未来のためには良かったと言うべきだろう。

 長期政権の柱となった経済政策も、一部の金持ちを喜ばせただけで、実はGDPが大幅に上昇したわけでも、失業率が極端に下がったわけでもない。アベノミクスの恩恵を受けたのは大企業と一握りの投資家だけで、庶民が景気回復を実感することはなかった。消費増税を2度も実施して消費を冷え込ませた総理として、記録には残るだろうが……。

 ■派閥談合「菅一強」にうんざり

 しかし、選挙は強かった。国政選挙では連戦連勝。第二次安倍政権発足後に行われた3度の参院選と2度の総選挙は、野党の体たらくに助けられ、すべて大勝。その結果生まれた「一強」が、この国の政治と行政をダメにした。

 過剰な忖度が横行する中、森友学園問題で公文書の改ざんを強要された財務省職員が自殺し、北海道では首相の街頭演説中に「安倍辞めろ」とヤジを飛ばしただけの一般人を、道警の警察官が拘束するなどして「ヤジ排除問題」を引き起こした。北朝鮮や中国並みに暴走する権力が、安倍政治を支えてきたと言っても過言ではあるまい。

 つまり、国の根幹を揺るがしてきたのが安倍政権の8年間であり、これを引き継ぐという菅氏や自民党の方向性は、かなり民主主義の基本原則と乖離しているとみるべきだろう。

 「一強」という化け物に支配された政治を継続するべきなのかどうか、先ずそのことが問われるべきだったが、首相の突然の辞任に驚く国民を尻目に、自民党の派閥談合政治が復活。今度は、「菅一強」という光景が現出している。

 かつての自民党は、国民の支持を失った総理・総裁とは違うタイプのリーダーを後継に充て、流れを変えるという知恵があった。例えば、金脈問題で退陣した田中角栄の後に、弱小派閥を率いて清潔そうな三木武夫を持ってくるといった具合に、党内に「振り子」の原理が働いていた。しかし、現在の自民党は一強に慣れて驕りが生じており、国民の意見など眼中にない。

 本来、総裁を選ぶにあたっては、「党員投票」を含めたフルサイズの総裁選が原則だ。しかし、二階幹事長や麻生副総理らは「密室談合」で菅支持の流れを作り、中堅・若手議員や多くの党員の声を無視して両院議員総会での決着を決めた。これは、民意を無視する安倍政治の手法そのものなのだ。

 国民は、安倍政治の継続を望むのだろうか?(中願寺純隆)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 【僭越ながら「論」】  2020年09月03日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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