路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《特派員の目・12.18》:実はトランプ氏支持が多い? ロシア人の本音=山衛守剛(モスクワ)

2024-12-18 10:00:30 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

《特派員の目・12.18》:実はトランプ氏支持が多い? ロシア人の本音=山衛守剛(モスクワ)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《特派員の目・12.18》:実はトランプ氏支持が多い? ロシア人の本音=山衛守剛(モスクワ)

 ある日曜の午後、モスクワ中心部のレーニン図書館前で、男性3人組のバンドが米人気ロックバンド「ニルバーナ」のヒット曲「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」をカバーしていた。人だかりができ、がなり立てるようなボーカルの歌声に熱狂していた。若い男性は言った。「最高だ」

マクドナルド撤退後、ロシア資本で開業したファストフード店「フクースナ・イ・トーチカ」の店内=モスクワで2024年12月12日午後10時16分、山衛守剛撮影

 米露関係は冷戦後最悪ともいわれ、2022年2月にロシアがウクライナで「特別軍事作戦」を始めて以降、悪化の一途をたどっている。

 ただ、ロシアでは並行輸入されたコカ・コーラは相変わらず売れているし、ナイキの靴をはいた人もよく見かける。マクドナルド撤退後に露資本で開業した後継店「フクースナ・イ・トーチカ」は雰囲気も味もマックそのもので、いつもにぎわっている。「米国」は日常に溶け込み、ロシア人に聞いても米国のことを悪く言う人はあまりいない感がある。

 加えて、ウクライナ支援に消極的なトランプ米次期大統領が1月に就任することから、ロシアでは米露関係の改善を望む声が強まっているようだ。政府系調査機関「世論基金」が24年11月26日に公表した世論調査の結果によると、トランプ氏の大統領就任後の米露関係について「改善する」と回答した人は38%で最も多く、「悪化する」は4%だった。

書店に置かれた米歌手ブリトニー・スピアーズさんの回顧録を宣伝する大きなパネル=モスクワで2024年12月2日午後9時51分、山衛守剛撮影

 街角で話を聞いても、トランプ氏を支持する人が多い。トランプ氏の北大西洋条約機構(NATO)に対して脱退も辞さない姿勢を評価するなど、「米露はうまくいくと思う」「全ていい方向に向かう」などと期待感を示した。

 一方、露外交アナリスト、ドミトリー・トレーニン氏は「我々は米国との関係修復を望んでいたが、もう希望は持っていない」と話し、米露関係は以前とは全く異なり、互いに妥協できない状況にあると主張する。トランプ氏の周囲に反露的な人物もいると指摘し、予測不能な言動で米露関係が悪化する可能性にも言及。「ロシアの友人ではない」と言う。

 トレーニン氏が楽観していない背景には、トランプ氏が1期目の政権で親露的な態度を示しつつ経済制裁を強めるなどし、掲げていた対露関係改善が不振に終わった経緯がある。2期目のかじ取りはどうなるのか。露国営テレビは事あるごとにトランプ氏の動向を伝え、関心の高さをうかがわせている。

 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【特派員の目】  2024年12月18日  10:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【深層NEWS】:アサド氏受け入れたロシアは「裁判にかけられると格好悪かったのでは」

2024-12-18 00:12:30 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【深層NEWS】:アサド氏受け入れたロシアは「裁判にかけられると格好悪かったのでは」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【深層NEWS】:アサド氏受け入れたロシアは「裁判にかけられると格好悪かったのでは」

 笹川平和財団の小原凡司・上席フェローと東大先端科学技術研究センターの小泉悠・准教授が17日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、シリアの政権崩壊が与えるロシアへの影響を議論した。

 ■[深層NEWS]尹大統領の職務停止は「日本にとっても影響大きい」…佐藤正久・元外務副大臣

深層NEWS
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 シリア大統領府が発表したアサド前大統領のものとする声明によると、ロシアへの脱出は露側が手配したとされる。小泉氏は露側の思惑に関し、「アサド氏が捕らえられて裁判にかけられるのは格好が悪く、メンツを保ちたかったのでは」と述べた。ロシアがシリアの空海両軍基地を失う可能性について、小原氏は「いったんは退くかもしれないが、権利を手放すつもりはないだろう」と推測した。

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 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 国際 【イスラエル・中東情勢・シリア】  2024年12月18日  00:12:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《論点・12.11》:ウクライナと米新政権

2024-12-11 02:02:20 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

《論点・12.11》:ウクライナと米新政権

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《論点・12.11》:ウクライナと米新政権

 米国で来年1月20日、2度目のトランプ政権がスタートする。

 注目されているのが、対ウクライナ政策だ。

 トランプ氏は就任を控えた12月8日、ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領に即時停戦と交渉を求め、仲介に乗り出した。停戦はどのような条件なら実現可能なのか。「戦後」の展望は描けているか。

 ■この記事は有料記事です。残り4266文字(全文4417文字)

 ■続きは、会員登録後、お読み下さい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【論点】  2024年12月11日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・12.04》:ウクライナ和平  苦渋の訴えに応える道を

2024-12-04 09:31:40 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

《社説②・12.04》:ウクライナ和平  苦渋の訴えに応える道を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・12.04》:ウクライナ和平  苦渋の訴えに応える道を 

 ウクライナのゼレンスキー大統領が共同通信と単独会見し、ロシアによる占領地の一部を武力ではなく外交で取り戻すと表明した。

 2022年2月にロシアによる全面侵攻が始まって以降、全領土の奪還を掲げて抗戦を続けてきた。厳しい戦況を踏まえて現実路線にかじを切る形だ。

 最大の後ろ盾だった米国では、支援に消極的なトランプ氏が大統領に返り咲く。占領された領土の割譲を強いてでも、早期の幕引きを図るとの見方がある。窮地に陥りかねず、後手に回らぬよう意思表示したとみられる。

 もともと東部ではロシア軍の前進を許し、攻勢にさらされている。実現が難しい武力での奪還に固執すれば、欧米の支援を失いかねないとの危機感は強いだろう。

 条件としたのは、欧米の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)への加盟だ。ロシアの侵略を抑止する安全保障環境を整えた上で、外交により領土の回復を目指す考えを示した。

 ただ、NATO諸国はロシアとの戦争に巻き込まれる恐れがあり、ウクライナの加盟に慎重論が根強い。ロシアの脅威にさらされるポーランドやバルト3国が積極姿勢を示す一方、米国やドイツは消極的だ。NATOはウクライナの加盟を「不可逆的な道」と支持しつつも、実際には早期加盟は難しいだろう。

 トランプ次期政権内では、ウクライナがNATOに少なくとも20年間は加盟しないと約束する代わりに、米国がロシアを抑止するために十分な兵器の供給を続ける案もあるとされる。

 ロシアのプーチン大統領は、NATO加盟断念に加え、一方的に併合した東部・南部4州からのウクライナ軍撤退を和平条件として突き付けた。ウクライナに降伏を迫るに等しい要求だ。

 ゼレンスキー氏は会見で「一日も早く公正な形で終わらせることが重要だ」と訴えた。欧米をはじめ国際社会は、ウクライナが納得できる条件での早期停戦を追求しなければならない。

 終戦後の安全を確保する責務も負う。ゼレンスキー氏は「NATOに代わる案は経験上存在しない」と述べたが、NATOへの早期加盟のハードルが高いのなら、ロシアとの戦争を再燃させない他の方策を模索する必要がある。

 徹底抗戦の旗を降ろした意味は重い。各国は国際法に反したロシアの侵攻を容認しないことを前提にしつつ、苦渋の訴えに応える道筋を探る時に来ている。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月04日  09:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張②・11.27】:ロシアの核威嚇 プーチン氏の暴走許せぬ

2024-11-27 05:01:40 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【主張②・11.27】:ロシアの核威嚇 プーチン氏の暴走許せぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・11.27】:ロシアの核威嚇 プーチン氏の暴走許せぬ 

 ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領が核兵器使用の脅しを強めている。

 露軍が21日のウクライナ攻撃に用いたミサイルについて、プーチン氏は開発中の中距離弾道ミサイル「オレシュニク」と明かした。露領内の発射地から約900キロ飛び、最大速度はマッハ11で6つの弾頭を搭載していた。非核弾頭による攻撃だったが、核弾頭を搭載できる。

 「オレシュニク」による攻撃は、日本を含む世界に向けた核威嚇でもある。いかなる意味でも容認できない。

 プーチン氏は「実験は成功した」と述べ、ウクライナが米供与の地対地ミサイル「ATACMS」などで露領内を攻撃したことへの報復とした。

 だが、米政府がこれまで認めなかったATACMSの露領攻撃への使用を許したのは、ロシアによる北朝鮮兵の参戦受け入れという暴挙があったことが大きい。戦闘激化の責任はひとえにロシア側にある。

 「オレシュニク」は、ソ連が1970年代半ばから配備した中距離弾道ミサイル「SS20」の脅威を想起させる。ソ連は、自国領から欧州は射程内となるが米国には届かない核ミサイルを配備し、同盟関係にある米欧の分断を狙った。欧州諸国は、米国の核の傘が効かなくなると深刻な懸念を持った。SS20は極東ソ連にも配備された。

ロシア発射ミサイルは新型中距離弾道弾、初の実戦使用=米国防総省
 11月21日、米国防総省はロシアがウクライナ攻撃でこれまで実戦使用されたことのない中距離弾道ミサイルを発射したとの見方を示した。写真はロシアによるミサイル攻撃を受けた現場。同日、ウクライナ東部ドニプロで撮影(2024年 ロイター/Mykola Synelnykov)

 「オレシュニク」による威嚇は米欧への露骨な脅しだが、その矛先は日本や中国にも向かい得る。リャプコフ露外務次官は25日、米露の中距離核戦力(INF)全廃条約が失効しているため「オレシュニク」の配備に「何の制限もない」と語った。中・短距離ミサイルのアジア太平洋地域への配備の可能性を排除しないと強調した。

 これに先立ち、プーチン氏は19日、核兵器の使用指針を改定する大統領令に署名した。これまでも通常兵器による対露攻撃に核兵器で反撃する場合があるとしていたが、今回の改定で無人機(ドローン)や巡航ミサイルなどが大規模に発射される場合も使用があり得るとした。また、核保有国の支援を受ける非核保有国へも核兵器を使用できることにした。

 なりふり構わぬ核威嚇だが窮地にあるロシアが展望を描けないでいる証左でもある。ウクライナ支援は引き続き重要だ。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年11月27日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・11.23】:ウクライナ情勢 ロシアは核使用の脅しやめよ

2024-11-23 05:00:50 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説①・11.23】:ウクライナ情勢 ロシアは核使用の脅しやめよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・11.23】:ウクライナ情勢 ロシアは核使用の脅しやめよ

 国際法を破ってウクライナを侵略し、反撃されたら核兵器を使用すると 恫喝 どうかつ する。ロシアの無法ぶりは目に余る。 

 ロシアがウクライナ東部ドニプロに対し、大規模なミサイル攻撃を行った。

 プーチン大統領は、使用したのは新たな極超音速の中距離弾道ミサイルだと明らかにし、「実験は成功」と述べた。ウクライナ軍が、米英から供与された長射程兵器で露領内を攻撃したことへの対抗措置だとも主張した。

 これに先立ち、プーチン氏は、核使用の要件を緩和する大統領令に署名した。

 核を持たない国が核保有国の支援を得てロシアに攻撃を仕掛けた場合、共同攻撃とみなすと明記した。米英仏の支援を受けるウクライナが核攻撃の標的になり得ると解釈できる。

 従来は「国家が存亡の危機にある場合」としていた核使用の要件についても、「主権や領土保全に重大な脅威をもたらす場合」に改め、使用のハードルを下げた。

 米欧に対し、ウクライナへの高性能兵器の追加供与をしないよう警告する意図は明らかだ。

 現行の核拡散防止条約(NPT)体制は、ロシア、米中英仏の5か国だけに核兵器の保有を認めている。その特権的な地位を、戦争抑止ではなく侵略や威嚇の手段として悪用するのは言語道断だ。

 核使用は人類全体に対する重大な脅威である。中国などロシアとの関係を重視する国も、核の脅しには非難の声を上げるべきだ。

 米国のバイデン政権はウクライナ軍に対し、米国が供与した長射程兵器をロシア領への攻撃に使わないよう求めていたが、最近になって方針を転換し、承認した。

 ロシア軍を支援するため兵力を派遣した北朝鮮をけん制する狙いがある。さらに、来年1月までの自身の任期中に、ウクライナに必要とする兵器を与え、できるだけ有利な状況を作り出そうとしているのだろう。

 バイデン氏の後任となるトランプ氏は、ウクライナを侵略したプーチン氏を非難せず、ウクライナ支援にも消極的だ。就任後は、ロシアの意に沿う形で停戦を急ぐのではないかとみられている。

 そうなれば、ウクライナはロシアに占領された領土を事実上、失うことになる。そのような無法がまかり通れば、世界の秩序は崩壊してしまう。

 将来の停戦協議をにらみつつ、ウクライナへの支援を続けることが重要になろう。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月23日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・11.20》:ロ領へ攻撃容認 停戦の見通し描けるのか

2024-11-20 09:31:45 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

《社説②・11.20》:ロ領へ攻撃容認 停戦の見通し描けるのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・11.20》:ロ領へ攻撃容認 停戦の見通し描けるのか 

 米バイデン政権がウクライナに対し、米国製長射程兵器を使ったロシア領内への攻撃を容認した。

 ロシアを過度に刺激することを警戒し、ウクライナが繰り返し求めても応じてこなかった。北朝鮮がロシア軍側で参戦したことから、方針を転換した。

 これを受けてウクライナ軍が、米国供与の地対地ミサイル「エイタクムス」でロシア西部の軍事拠点を攻撃したと報じられた。

 ロシアのプーチン大統領は、攻撃容認は「北大西洋条約機構(NATO)諸国がロシアと戦うことを意味し、紛争の本質を変える」とけん制し、核攻撃の可能性もちらつかせてきた。

 緊張が一層高まり、歯止めなく戦争が拡大しかねない。ロシアが暴走する事態は食い止めなければならない。

 ウクライナはこれまで、前線から遠いロシア領内の軍用飛行場や補給拠点を攻撃する長射程兵器が不可欠だと欧米に訴えてきた。

 米国が慎重姿勢を崩さない中で、越境攻撃したロシア西部クルスク州でも、制圧地の半分程度をロシアに奪還されたもようだ。ウクライナは長射程兵器によって劣勢挽回を図るとみられる。

 同州には1万人以上の北朝鮮兵が派遣されているとの分析がある。北朝鮮の参戦は戦火を広げるばかりか、見返りの軍事支援によって北東アジアの緊張も高める。米国が容認に転じたのは警告の意図もあるとされる。

 来年1月に米大統領に返り咲くトランプ氏は、ウクライナへの軍事支援に消極的だ。戦争の早期終結に動く考えも示す。

 占領された領土の割譲をウクライナに強いるとの見方が広がる。全領土の奪還を目指すウクライナの立場と相いれず、ロシアの侵略を是認することにもなる。

 バイデン政権が長射程兵器の使用を認めたのは、残る任期で戦況を好転させ、ウクライナが優位な立場で停戦交渉に臨む状況をつくる狙いがあるとみられる。

 ウクライナは「必要な場面で必要な兵器が届かない」とし、バイデン政権に不満を募らせてきた。再三の求めに応じたとはいえ、局面の転換につながるかは見通せない。外交面でも、トランプ氏が返り咲き、対ロ制裁を強めてきた先進7カ国(G7)の結束が揺らぐ可能性がある。

 ロシアの侵攻開始から千日を迎えた。終結の見通しを描くどころか、負の連鎖が止まらない極めて危うい事態に陥っている。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月20日  09:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・11.18】:旧ソ連圏の選挙 ロシアの介入非難する

2024-11-19 07:34:40 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説②・11.18】:旧ソ連圏の選挙 ロシアの介入非難する

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・11.18】:旧ソ連圏の選挙 ロシアの介入非難する

 ロシアの侵攻が続くウクライナに隣接する東欧モルドバとコーカサス地方のジョージアで重要な選挙や投票が行われた。ともに旧ソ連の構成国。領土内に親ロ派分離独立勢力が支配する地域を抱え、ロシアは偽情報拡散や選挙買収、水面下での介入をしたとされる。民主主義の根幹である選挙の公正性に対する攻撃であり、ロシアを厳しく非難する。
 
 モルドバ大統領選では早期の欧州連合(EU)加盟を掲げる親欧米のサンドゥ大統領が再選したが、親ロシア派が支持する元検事総長との決選投票になる予想外の苦戦。国民投票もEU加盟賛成が世論調査に反し、僅差の過半数だった。法的拘束力はないものの民意が明確に示されたことは重要だ。
 
 EU加盟阻止を狙うロシアは、交流サイト(SNS)などで偽情報やプロパガンダを拡散させ、親ロ派を通じた影響力工作などを活発化。約1億ユーロ(約162億円)の巨額資金を投入して有権者に対する選挙買収を行った。
 
 ジョージア議会選ではロシアと関係が深い大富豪イワニシビリ氏が創設したロシアに融和的な与党「ジョージアの夢」が勝利した。2012年の選挙で親欧米派から政権を奪取した後、イワニシビリ氏が実力者として君臨し、長期政権を維持する。外国の支援に頼る非政府組織(NGO)などを規制する「外国代理人法」を成立させるなど権威主義的傾向を強める。
 
 今回の選挙でも多数の不正投票や水面下でのロシアの介入が指摘され、親欧米派のズラビシビリ大統領は選挙結果を認めていない。
 
 ジョージアとモルドバは22年3月にEU加盟を申請したが、民主的選挙が行われなければ加盟は難しい。欧州はEUを中心に、巧妙化するロシアの工作活動にさまざまな対策を講じてきたが、不十分だったと言わざるを得ない。
 
 モルドバでは来年、議会選挙も予定される。国際社会はEUを中心に連携をさらに強化し、ロシアによる選挙介入を阻止しなければならない。日本も傍観せず、民主主義を目指す国家の歩みを強力に支援したい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月18日  07:19:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・06.22】:朝ロ首脳会談から始まるのか 中国のアメリカ接近

2024-06-30 07:40:00 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【政界地獄耳・06.22】:朝ロ首脳会談から始まるのか 中国のアメリカ接近

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・06.22】:朝ロ首脳会談から始まるのか 中国のアメリカ接近 

 ★西側は「双方のどちらか一方が個別的な国家または複数の国家から武力侵攻を受けて戦争状態となる場合、他方は遅滞なく自国が保有するすべての手段で軍事的およびその他の援助を提供する」(第4条)に注目。「有事の自動軍事介入」とも解釈できる条項で、軍事同盟の色合いが強いと分析する。在韓米軍のように在朝ロ軍が不穏な動きがあれば駆けつけるという考え方だ。旧ソ連時代の1961年に締結された「朝ソ友好協定および相互援助条約」の第1条がまさにそれだったが、1996年にロシア側が一方的に破棄し失効。韓国軍事筋は「今極東に配備する兵力の余裕がロシアにあるだろうか」と疑問を呈する。ロシア側の表現は「準同盟」。

 ★忘れてはならないのは日本近隣国の近代史だ。プーチンは今回、平壌で第2次大戦の対日参戦で戦死したソ連兵の記念碑に献花し、首脳会談では「1945年にソ連兵は日本の侵略者から朝鮮半島を解放するため共闘した」と話したが、極東をロシア列強時代の秩序に戻そうとするプーチンの思いが、朝鮮半島の南北統一の推進を阻止する新秩序構築だ。北朝鮮は南北統一を昨年末放棄し、労働党統一戦線部も解散した。同胞の民族主義がこれからの価値観に合わず、北朝鮮は中国と距離を置き、韓国と別の国として生きる道を探る。無駄に対立せずロシアブロックに組み込まれた方が、国際社会で生きていく場合のステータスが上がると判断をしたのではないか。中国は不満と共に米中接近が始まるかもしれない。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年06月22日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・06.14】:ウクライナ支援めぐり欧州混乱 その時日本は…

2024-06-22 07:40:00 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【政界地獄耳・06.14】:ウクライナ支援めぐり欧州混乱 その時日本は…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・06.14】:ウクライナ支援めぐり欧州混乱 その時日本は…

 ★G7(主要7カ国サミット)の首脳会議に出席するため、首相・岸田文雄はイタリア入りした。3日間の日程で行われるが、初日の13日はウクライナのゼレンスキー大統領がゲストだ。日本も個別に首脳会談をして10年間にわたる長期の支援を約束する。首相にとっては政治とカネの厳しい国会を抜けて、一息つきたいところだろう。実は欧州ももうすぐドイツで始まるサッカーの欧州選手権や、パリオリンピック(五輪)で政治の季節から離れるが、欧州はそんな悠長な状況ではない。

 ★仏・マクロン大統領は9日夜、国民議会(下院)の解散と総選挙の実施を発表。下院選は30日に第1回投票、7月7日に決選投票が行われる予定だが、パリ五輪開幕直前となる。マクロンは2期目の2年目に入ったばかりで任期はまだ3年残っているが、議会では過半数を持っていない。大統領の中道派「再生(RE)」は、極右の国民連合(RN)や野党第3党で中道右派の共和党が国民連合との共闘を打ち出し劣勢にある。また9日に行われた欧州議会選挙で「再生」はマリーヌ・ルペン率いる国民連合に惨敗。欧州は極右政党や民族派政党が台頭し、保守化・右傾化が顕著化した。ことに欧州議会で主導権を握る仏・独でその傾向が強い。独も連立与党の社会民主党、緑の党、自由民主党が敗北。中道右派のキリスト教民主同盟、右派「ドイツのためのオルタナティブ(AfD)」などが躍進。伊でもジョルジャ・メローニ首相の極右政党「イタリアの同胞」が29%の票を獲得と勢力を強める。

 ★いずれも背景にはウクライナ情勢がある。つまりEU(欧州連合)やNATO(北大西洋条約機構)のウクライナ支援策に欧州内で不満が多く、EUの極右政党の多くは親ロシアの立場で和平交渉も進めるべきと考えている。今後は欧州議会での法案の可決も思い通りにはいかなくなるだろうし、EU各国にその影響は波及する。ちょっとずれてるかな日本は。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年06月14日  07:58:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ロシア】:プーチンの「後継者」は長女か、次女か…肝入りイベントへの姉妹参加にザワつく

2024-06-09 07:25:40 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【ロシア】:プーチンの「後継者」は長女か、次女か…肝入りイベントへの姉妹参加にザワつく

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ロシア】:プーチンの「後継者」は長女か、次女か…肝入りイベントへの姉妹参加にザワつく

 ウクライナ戦争が2年3カ月に及ぶ中、通算5期目入りしたロシアのプーチン大統領が妙に精力的だ。1カ月足らずで中国、ベラルーシ、ウズベキスタンを外遊し、故郷のサンクトペテルブルクで開催中の肝いりイベント「国際経済フォーラム」(8日まで)に出席。ひた隠しにしてきた長女と次女も参加させ、国内外をザワつかせている。

 毎年開かれるフォーラムには、プーチン大統領に尻尾を振っていた安倍元首相らG7首脳も出席していたが、経済制裁を強める欧米からの参加はほぼナシ。中国やインド、中東などからの投資呼び込みに軸足を置いている。

 ■「国家機密」並みにひた隠しだったのが…

 最終日に予定されているプーチン大統領の演説よりも注目を集めているのが、愛娘2人のスピーチだ。6日は国立大プロジェクトを指揮する次女のカテリーナ・チホノワ氏(37)が軍需産業のセッションにオンラインで顔を出し、7日は長女で医学者のマリヤ・ボロンツォワ氏(39)がバイオエコノミーの集まりにリアル参加。「国家機密」とされるほど、その存在は徹底的に伏せられてきたのに、どういう風の吹き回しなのか。

<picture>(左から)医学者の長女、マリア・ボロンツォワ氏(Sptunik/共同イメージズ)と「国際経済フォーラム」でビデオ演説する次女、カテリーナ・チホノワ氏(C)ロイター/Roscongress Foundation</picture>

 (左から)医学者の長女、マリア・ボロンツォワ氏(Sptunik/共同イメージズ)と「国際経済フォーラム」でビデオ演説する次女、カテリーナ・チホノワ氏(C)ロイター/Roscongress Foundation

  筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)はこう指摘する。

 「プーチン体制の後継者のお披露目です。本命は長女でしょう。年明けに医療系NPOのインタビューに応じた映像が公開されたのですが、知的でカリスマ性にあふれ、その振る舞いはプーチンの生き写し。異なっていたのは〈ロシア社会で最も大切なのは人権〉などと、『プーチンのロシア』とは真逆の発言をしていたこと。『これからのロシア』への期待を膨らませるための甘言でしょうが、国内では好評です」

 となると、いよいよプーチン大統領は引退を視野に入れているのか。

 「来週のG7首脳会議で凍結したロシア資産(約46兆円)の利子活用が協議されますが、ロシア側はいずれ没収ではないかとピリピリしている。売却されたらプーチン一族が干上がるだけでなく、支えてきたオリガルヒから反旗を翻されてしまう。リスク増大を止めるには、プーチン氏が身を引き、戦争責任を問われない真っさらな人物に権力を委譲するしかない。欧米と時機を駆け引きしながら〈ネオナチを一掃した〉と宣言して『特別軍事作戦』に幕を引き、辞職を発表。3カ月後に実施される大統領選で長女を押し上げるシナリオです」(中村逸郎氏)

 「21世紀の皇帝」はしぶとい。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・国際情勢・ロシア】  2024年06月08日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:中露首脳会談 蜜月関係が世界の安定脅かす

2024-05-19 05:01:40 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説②】:中露首脳会談 蜜月関係が世界の安定脅かす

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:中露首脳会談 蜜月関係が世界の安定脅かす

 不毛な侵略戦争を続けて国力を消耗しているロシアが、いかに深く中国に依存しているかを、改めて浮き彫りにした首脳会談だった。

 プーチン露大統領と中国の習近平国家主席が北京で会談し、経済や安全保障など幅広い分野で協力を深めることで合意した。プーチン氏の訪中は昨年10月以来で、今月7日に通算5期目の任期に入ってから初の外国訪問だ。

 会談後に発表された共同声明で、両首脳は中露関係について「歴史上最良の時期を迎えている」と自賛した。中露が「内政への干渉や、経済、テクノロジー、外交を制限しようとするいかなる試みにも抵抗する」とも記した。

 両国の結束を強調することで、ウクライナ侵略や台湾問題で対立する米欧などをけん制したつもりなのだろう。

 共同声明にはまた、中露貿易の拡大や、経済取引での双方の通貨利用など、経済面で関係強化を目指す文言が並んだ。

 ウクライナ侵略後、米欧日は制裁措置として、ロシアの金融機関を国際的な決済ネットワークから排除し、ロシアの石炭や原油の輸入も原則禁止している。

 プーチン氏は今回、エネルギー、金融の担当閣僚や主要企業のトップを多数同行させた。制裁に加わっていない中国との貿易を一層拡大して戦時下でも経済を安定させ、同時に戦費を調達するという狙いがあるのではないか。

 中国の支援がなければ、ロシアは侵略を継続できなくなりつつある実態を示しているようだ。

 一方、習氏も会談で「中露関係の発展は、地域と世界の平和、安定、繁栄に資する」と述べ、両国の関係強化に期待を示した。

 米中対立が深刻化する中、習氏としては、ロシアを支えることで、米国に対抗する立場を強化したいと考えているのだろう。

 中国は、半導体など軍事転用可能な物資をロシアに輸出し、ウクライナでの戦闘継続を手助けしている、との見方は多い。だが、侵略を事実上後押しする振る舞いを続けていれば、国際社会での中国の信用は低下しよう。

 米欧日は中国に対し、ロシアとの関係を見直すことが「責任ある大国」のあるべき姿だと、粘り強く説き続けねばならない。

 中露首脳は「ウクライナ危機の政治的解決」が重要だとの認識でも一致した。侵略を仕掛けた張本人が、撤退もせず、侵略の果実を握ろうという「政治的解決」を主張するとは、虫が良すぎる。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月18日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2024年は世界の底が抜ける年になる予感】:③プーチンの高笑い、米国の衰退…激変する国際関係と日本の沈没

2024-05-17 23:51:10 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【2024年は世界の底が抜ける年になる予感】:③プーチンの高笑い、米国の衰退…激変する国際関係と日本の沈没

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2024年は世界の底が抜ける年になる予感】:③プーチンの高笑い、米国の衰退…激変する国際関係と日本の沈没

 2024年は世界的な選挙イヤーだ。皮切りとなる1月の台湾総統選は野党が一本化できず、親米の与党候補がリードする展開。3月のロシア大統領選、4月のインド総選挙、11月の米国大統領選など、国際情勢の変化に直結する大型選挙が目白押しだ。

<picture>ロシアはプーチン大統領(右)の高笑い。米国は高齢者対決(=左、上がバイデン米大統領、下がトランプ前大統領)、どちらが勝利を収めるかで内政も外交も百八十度転換(C)ロイター</picture>

  ロシアはプーチン大統領(右)の高笑い。米国は高齢者対決(=左、上がバイデン米大統領、下がトランプ前大統領)、どちらが勝利を収めるかで内政も外交も百八十度転換(C)ロイター

 2024年は世界的な選挙イヤーだ。皮切りとなる1月の台湾総統選は野党が一本化できず、親米の与党候補がリードする展開。3月のロシア大統領選、4月のインド総選挙、11月の米国大統領選など、国際情勢の変化に直結する大型選挙が目白押しだ。

 プーチン大統領の通算5選は確実視されているが、3年目に突入しかねないウクライナ戦争をめぐり、反発分子が蠢く。停戦による「強いロシア」の立て直しを求める強硬派は、プーチンにとって目の上のたんこぶ。民間軍事会社ワグネルを創設したプリゴジン氏の“亡霊”におびえているフシもある。

 「プリゴジン墜落死を信じず、〈潜伏するウクライナから現れ、再び反乱を起こして体制をひっくり返す〉と期待する市民は少なくない。反旗を翻したプリゴジン氏を持ち上げる欧米メディアにもプーチン氏はイラついていて、大統領選前に徹底的な報道規制を敷く構え。ロシアに対する『忠誠承諾書』への署名を外国人に求める法整備をし、批判的なプレスを追放しようとしています」(筑波大名誉教授・中村逸郎氏=ロシア政治)

 21世紀の皇帝はコワモテで乗り切る公算大。言うまでもなく、北方領土返還交渉はとうに白紙だ。

 米大統領選は再選を目指すバイデン大統領と、返り咲きを狙うトランプ前大統領による新旧対決となる見通し。足元の世論調査では横一線だ。どちらが勝利を収めるかで内政も外交も百八十度転換。変わらないのは対中強硬姿勢くらいだ。

 「トランプ氏が勝てば秩序は間違いなく乱れます。移民難民を追い返し、気候変動対策は消滅。ロシアとの関係が復活し、ウクライナ戦争は強制終了。NATO脱退が現実味を帯び、同盟国への負担押し付けがどんどん強まるでしょう。24年はこの先20年、30年を占う張り詰めた一年になる」(上智大教授・前嶋和弘氏=現代米国政治)

 パレスチナを叩き潰そうとするイスラエルへの肩入れも強まりそうだ。

 空前の低支持率へ真っ逆さまの岸田は蚊帳の外。中国はすでに日本の「次の政権」を見据えているが、「次」でこの国が浮上する保証はない。日本沈没のリアリティーがかつてなく高まっている。 

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース】  2024年01月01日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ロシア】:5期目の“皇帝”プーチンの焦燥…盟友ショイグ国防相更迭、体制一新の背後に習近平の影

2024-05-15 07:30:50 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【ロシア】:5期目の“皇帝”プーチンの焦燥…盟友ショイグ国防相更迭、体制一新の背後に習近平の影

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ロシア】:5期目の“皇帝”プーチンの焦燥…盟友ショイグ国防相更迭、体制一新の背後に習近平の影

 「21世紀のロシア皇帝」と呼ばれるプーチン大統領が不穏な動きを強めている。通算5期目に突入以降、妙に性急なのだ。ウクライナ北東部のハルキウを再び猛攻し、新たに複数の集落を制圧。内閣改造で盟友を隠居させるなど、新体制を敷いた。気分一新ではなかろうし、どんな思惑なのか。

<picture>5期目に入ったロシアのプーチン大統領、右は国防相に抜擢されたベロウソフ前第1副首相(C)ロイター/Sputnik</picture>

 5期目に入ったロシアのプーチン大統領、右は国防相に抜擢されたベロウソフ前第1副首相(C)ロイター/Sputnik

 プーチンは12日(現地時間)、夏休みを一緒に過ごすほど親密な盟友のショイグ国防相を更迭。閑職の安全保障会議書記に追いやった。ウクライナ侵攻の長期化で国民的不信を買っていた上、反乱後に事故死した民間軍事会社ワグネル創始者のプリゴジン氏にミソクソに言われていた。後任は第1副首相だった経済畑のベロウソフ氏の就任がほぼ確実。ペスコフ大統領報道官は「国防省は技術革新に対し、オープンでなければならない。軍需産業の競争力向上が求められている」とその狙いを説明している。

 ■背後に習近平

 筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)は「ベロウソフ氏の国防相抜擢は、中国の習近平国家主席への配慮です」と言い、こう続ける。 

 「彼は『一帯一路』の窓口を担ってきたため、中国側とはある程度通じている。プーチン氏は5期目初の外遊として今月中に訪中する予定で、欧米に劣る軍需産業への支援を期待しています。そうでなければ軍事のド素人をトップには据えません。安全保障会議は大統領の直属機関ではありますが、専属の官僚もいなければ、予算もつかない。メドベージェフ前大統領が副議長であることからも分かるように、姥捨て山のようなもの。退任したパトルシェフ前書記はKGB時代のプーチンの上司だったため、物申せたに過ぎない。次世代のリーダー候補に推す長男のドミトリー・パトルシェフ前農相を第1副首相に押し込めたので大満足でしょう」

 ロシアを潤わせてきた国営のガスプロムは、欧米主導の経済制裁のあおりで24年ぶりの赤字に転落。所有不動産の叩き売りを始めるほどピンチに陥っている。軍需産業の最先端化に突破口を見いだすほかないというわけだ。

 「国防相人事に対する制服組や前線の兵士らの反発は否めない。プーチン氏は愛国心をたきつけますが、その実は売国奴。自分が生き残るためには手段を選びません」(中村逸郎氏)

 何もかもが中国頼みでは、プーチンの落日はそう遠くなさそうだ。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・国際情勢・ロシア・中国】  2024年05月15日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:プーチン政権 5期目も続く横暴をくじけ

2024-05-10 05:01:00 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説②】:プーチン政権 5期目も続く横暴をくじけ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:プーチン政権 5期目も続く横暴をくじけ

 プーチン政権が侵略戦争で勝利することになれば、世界史の大きな汚点となるだろう。 

 国際社会はウクライナ侵略を成功させてはならない。その一点で、各国は結束を強める必要がある。

 プーチン大統領が、通算5期目となる政権運営を始めた。任期は6年間で、2030年までだ。ロシア憲法では、さらにもう1期務めることも可能である。

 就任式の演説で、プーチン氏はウクライナ侵略に参加する兵士をたたえたうえで、「西側との対話は拒否しない。選択するのは彼ら次第だ」と述べた。

 ウクライナを巡り、交渉を拒んでいるのは米欧だと主張したつもりのようだが、その言葉にだれが同調するだろうか。

 5期目でもウクライナのゼレンスキー政権を倒し、外交や安全保障政策の独立性を奪って「属国化」する方針を貫こうとする野望を容認してはならない。

 ウクライナ侵略を開始後、プーチン政権の軍の立場への配慮は際立っている。

 ロシアの国内総生産(GDP)が昨年、3・6%のプラス成長を記録したのは、軍の要望に応じ、軍需産業に巨額の予算を投じたことが要因と分析されている。

 今春には、侵略に参加した軍人を政府や国営企業などの幹部に積極的に登用する制度も整えた。軍人への論功行賞を明確にすることで、軍のプーチン氏に対する忠誠を固める狙いがあるようだ。

 ロシア政府は、米欧日などの経済制裁に効果はないと強弁したいようだが、軍需主導の成長には限界があるはずだ。国民生活を軽視した政策を続ければ、中長期的に経済は衰退に向かうだろう。

 ロシアは侵略戦争を有利に進めようと世論工作を行っている。

 スロバキアでは昨年の総選挙前、SNS上にウクライナ支援に反対する書き込みが広がった。フィンランドでは北大西洋条約機構(NATO)への加盟に反対する書き込みが拡散した。

 これらの情報はロシアも発信元とされる。国際社会は、民主主義陣営を分断しようとするロシアの謀略に惑わされてはならない。

 中国はロシアとの貿易を拡大しており、事実上、ウクライナ侵略を下支えしている。ロシアが消耗し、自国への依存を強めることが利益になると、中国は計算しているのだろう。

 中国に対露支援を停止するよう粘り強く説得することもまた、日本を含む西側諸国の責務だ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月08日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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