【政界地獄耳・03.27】:自衛隊「統合作戦司令部」は役割を果たせるのか
『漂流する日本の羅針盤を目指:【政界地獄耳・03.27】:自衛隊「統合作戦司令部」は役割を果たせるのか
★24日、陸海空の各自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」が発足した。初代司令官は前統合幕僚副長・南雲憲一郎が就任。自衛隊制服組トップの統合幕僚長・吉田圭秀は官邸や米軍などとの政務対応を任務とし、司令部が陸海空の部隊運用を指揮する。国内的には政務と現場を分けた格好だが、日米の連携強化が本来の目的と言われた。防衛相・中谷元は「統合作戦司令部の新設で状況に応じた防衛態勢を迅速に構築できるようになるとともに、同盟国・同志国の司令部との情報共有や、運用面での協力も一元化できる」としたが、発足した現在の米国の軍に対する対応は設置が決まったバイデン政権のころとは大分様相が違う。

★19日の米CNNによれば「米国防総省が組織や態勢の見直しを検討していて、在日米軍を強化する計画の中止が含まれている」と報道。同盟強化どころか、在日米軍の縮小などが議論の俎上(そじょう)に上る可能性まで出てきた。またトランプ政権の間抜けさも露呈、民間の暗号化チャットアプリ「シグナル」を使い、バンス副大統領らトランプ政権高官がイエメンの親イラン武装組織フーシ派を攻撃する直前、戦闘の計画についてなどの軍事情報のやりとりをしていた際、そのチャットに米誌アトランティックのジェフリー・ゴールドバーグ編集長も招待されており、国家機密であるべき軍事情報がメディアに筒抜けだった件。
★当然、米民主党は厳しい批判をしている。ギャバード国家情報長官は「機密文書は共有されていないと改めて申し上げたい」と防戦するが、共和党内からも批判が出ていて、ウォルツ国家安全保障担当大統領補佐官やヘグセス国防長官への辞任要求も出ている。トランプ大統領は「それは機密情報ではなかった」と擁護するものの、最高司令官の言い訳はさすがに通用しない。そんな中、米軍との情報共有を目的にする統合作戦司令部は役割を果たすことができるのか。まずはチャットで戦争するかどうかなど決めないことを両国で確認したらいかがか。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2025年03月27日 08:33:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。