【政局】:岸田首相夫人の単独訪米が意図するもの 日本はあくまで韓国“国賓大統領”の引き立て役
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:岸田首相夫人の単独訪米が意図するもの 日本はあくまで韓国“国賓大統領”の引き立て役
岸田首相夫人の裕子氏の「単独訪米」が大いに話題だ。特報したTBSによると、バイデン大統領夫人のジル氏側の招きで4月半ばにホワイトハウスを訪ね、ジル氏と面会する方向で調整。タイミングが合えばバイデン大統領とも会うという。とにかく異例のことだそうだ。
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単独渡米で“夫人外交”?(岸田裕子首相夫人)/(C)日刊ゲンダイ
昨年末、米国の意向を丸のみした安保関連3文書の改定を閣議決定した岸田首相は、それを手土産に念願のホワイトハウス訪問を実現。もっとも、バイデン大統領と会ったのはワーキングランチを挟んだ2時間だけ。ジル氏が皮膚がん手術後の療養中だったこともあり、裕子氏は同行しなかった経緯がある。
■「個人的な信頼関係」にププッ
裕子氏への招待は、敬虔なバプテスト派信者でもあるジル氏の気配りとも言えそうだが、官邸周辺は「日米関係を重視してくれている証し」「両首脳の個人的な信頼関係の賜物」と大盛り上がり。1カ月にわたる統一地方選の最中、何かといえば「G7議長国」を口にし、世界のリーダー気取りの岸田首相が“夫人外交”を政権浮揚に利用する姿が目に浮かぶ。しかし、うのみにしない方がいい。
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韓国の尹錫悦大統領夫妻(=上、金建希夫人)は、米国から韓国12年ぶりの国賓として。公式夕食会ではK-POPグループ「BLACKPINK」(=下)もライブ出演(C)共同通信社
■日本は「米国の51番目の州」
2週間前に来日した韓国の尹錫悦大統領は4月26日から訪米。韓国大統領としては12年ぶりに国賓として招かれる。バイデン政権下ではマクロン仏大統領に次ぐ2人目だ。
「対中牽制を強めるバイデン氏は日米韓の連携強化を要求し、日韓双方に関係改善をせっついてきた。尹氏の国賓招待は徴用工問題をめぐる解決策をまとめ、雪解けの材料をつくったことへの評価です」(韓国政界関係者)
米韓が国賓訪米を公表したのは、尹政権が解決策を発表した翌日だった。
「革新系で親北の前大統領とは対照的に、保守系の尹氏のスタンスは経済安全保障に軸足を置いた韓米同盟重視。新約聖書に『放蕩息子のたとえ話』がありますが、米国からすれば家出したヤンチャな次男が心を入れ替えて戻ってきたようなもの。温かく迎え入れるのは、二度と飛び出して行かないようにするためです。生真面目な長男が不満を抱いたとしても、親に背を向けることはしませんから」(米韓外交関係者)
長男と言えば聞こえはいいが、日本が「米国の51番目の州」と揶揄されるゆえんだ。用がないのにポチを呼ぶのはおっくうだし、嫁でお茶を濁すということか。米韓首脳会談後の公式夕食会では、レディー・ガガとBLACKPINK(写真)の「対バン」が企画されているという。両国を代表する世界的なポップスターの競演となれば注目度は抜群。G7広島サミットには尹大統領も招待されている。岸田首相はまた持っていかれるかもしれない。
元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース】 2023年03月31日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。