路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説①】:機能性表示食品 迅速な被害報告を義務づけよ

2024-04-15 05:01:25 | 【健康・健康食品・機能性表示食品・健康への効果と健康被害】

【社説①】:機能性表示食品 迅速な被害報告を義務づけよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:機能性表示食品 迅速な被害報告を義務づけよ

 健康への効果をうたう食品があふれている。安全性をどう確保するかは重要な課題だ。健康被害があった場合に、迅速に対応できるルールを整えなければならない。

 小林製薬が製造した機能性表示食品の「 紅麹べにこうじ 」サプリメントを摂取し、腎臓病になる人が相次いでいる。これまでに5人が死亡し、200人以上が入院した。

 機能性表示食品は、科学的根拠となる資料を消費者庁に届け出れば、国の審査なしに効能を示して販売できる。2015年に規制改革で制度が導入され、今では6800を超える製品がある。

 今回の健康被害で、まず問題なのは報告が遅れたことだ。効果や安全性の担保を企業に委ねる制度である以上、被害の情報があれば、即座に拡大防止策を講じる仕組みがなければいけないはずだ。

 小林製薬は1月半ばに問題を把握しながら、国や自治体への報告は2か月以上後だった。

 消費者庁が定めた機能性表示食品の指針は、健康被害が発生した場合、「情報が不十分であったとしても速やかに報告することが適当」としているが、どの段階で報告しなければならないかがあいまいだ。法的な義務づけもない。

 体調不良があっても、健康被害が発生していることを知らずにサプリを使い続けた人もいる。企業がすぐに行政と情報を共有し、使用中止を呼びかけていれば、被害の拡大を防げた可能性がある。

 判断を企業任せにせず、ルールを法的に義務づけるべきだ。

 紅麹問題では、健康被害が報告された原料から青カビ由来の有害物質「プベルル酸」が検出された。腎臓病との関連性は調査中だが、紅麹から自然に発生することはないとみられ、製造工程で混入した疑いが指摘されている。

 サプリは特定の物質を濃縮しており、長く使用するケースが多いため、健康被害が出れば、一般の食品より体への影響が大きい。

 メーカーが消費者庁に届け出る際、製造工程や品質管理について第三者機関の評価を受けるような制度の活用も一案だろう。

 機能性表示食品については、これまでも表示に関するトラブルがたびたび起きている。

 昨年は、消費者庁が血圧低下をうたうサプリの表示を取りやめるよう求める措置命令を出した例がある。効果を裏付ける合理的な根拠がないと判断されたためだ。

 国は現在、制度の見直しを検討している。表示の妥当性を点検する仕組みも強化してほしい。 

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年04月11日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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