路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説・01.10】:多様化する家族観 法整備の遅れ 直視する年に

2025-01-11 07:00:45 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【社説・01.10】:多様化する家族観 法整備の遅れ 直視する年に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・01.10】:多様化する家族観 法整備の遅れ 直視する年に 

 衆院で野党優勢となった国会が進めるべきは、多様化する家族観を踏まえた法整備の審議である。

 従来の自民党政権が党内事情を優先するあまり後ろ向きだった政策分野だ。加えて国会議員に、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の一つでもあるジェンダー平等を学んだ若い世代や、女性の割合が著しく低いことも対応の遅れを招いてきたといえる。

 家族の在り方は人それぞれに価値観があり、時代とともに変化した。少数者や社会で不利益を受けている人の声を聞き、分断の溝を埋める議論ができる機会と捉えたい。国会に求められる務めを直視し、実行の年にすべきだ。

 選択的夫婦別姓は現行で義務付けられている同姓だけでなく、夫婦がそれぞれの姓を名乗れる制度で、30年近く法案審議が棚上げされてきた。昨年の衆院選で導入に前向きな政党が議席を伸ばし、立憲民主党は今月下旬からの通常国会に法案を提出する方針を示した。慎重だった日本維新の会でも、新執行部の幹部から別姓に肯定的な意見が出てきた。公明党は自民党に与党協議を強く呼びかける。

 世論は昨年5月の共同通信調査で賛成が76%に上ったように、変化している。経団連もビジネス上での障壁が看過できなくなったとして早期導入を求める。自民党内で賛成を明言する議員も増えた。党は議論に臨むべきだろう。

 当事者は生活や仕事での旧姓の通称使用では限界があると訴える。それ以上に「アイデンティティーの問題だ」という主張にはうなずける。生き方や家族の在り方の選択肢が狭められ、改姓するのは女性が95%と偏っている。

 反対する自民党の保守派は「家族の一体感を損ねる」と言う。廃止されたはずの民法の家制度に基づく意識を、異なる価値観の家族に押し付けかねない危うさがある。

 法案を基に賛否の意見をオープンに掘り下げる段階に来ている。子どもの姓をどう決めるのか、影響が大きい論点もある。国会での熟議と、国民との対話によって導入への機運醸成に努めるべきだ。

 折しも今年、女性差別撤廃条約の批准から40年になる。昨年10月、国連の委員会から別姓導入について4度目の勧告を受けた。政府としてもこれ以上の放置は許されない。

 同性同士の結婚を認める法整備も急がれよう。昨年、民法などの違法性を争った控訴審で三つの高裁が憲法違反と断じた。しかも婚姻の自由を保障した憲法24条、法の下の平等の14条、幸福追求権の13条と、各地の訴訟で争点となった条項全てを巡って違憲判断が出たことは重い。立法措置を強く求められている。

 自治体で関係性を公的に証明するパートナーシップ制度が広がるものの、税の優遇や相続など法的な保護を受けられない事態は切実だ。石破茂首相は先の臨時国会の参院予算委員会で、同性婚が実現すれば「日本全体の幸福度にとってプラス」と答弁した。求められているのは論評ではなく、政権与党の政治的なリーダーシップである。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月10日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・01.07】:多様性社会 自分らしく生きられる国へ

2025-01-08 16:05:40 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【社説①・01.07:多様性社会 自分らしく生きられる国へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・01.07】:多様性社会 自分らしく生きられる国へ

 <展望2025>  

 連休の取りやすかった暦を生かし、家族や地域のつながりを見つめ直した人も多いだろう。

 そうした身近な絆や関わりを巡り、社会環境や価値観が変化する中、この国がどう向き合うのか問われている。

 にぎわう訪日観光に加え、コンビニや飲食店、工場、介護現場の担い手、地域の生活者として外国人の存在は大きくなっている。

 出入国在留管理庁によると、在留外国人は昨年6月末で約359万人だった。京都府は約8万人、滋賀県は約4万人が暮らす。国立社会保障・人口問題研究所は今後、全国で毎年16万人ずつ増えていくと推計する。

 少子高齢化で人口が減り続ける中、政府は「外国人材の受け入れ拡大」を掲げる。劣悪な労働環境などを指摘されてきた技能実習に代えて、職場を変える「転籍」を一定認める新制度「育成就労」を2027年度に設け、特定技能とつないで長期滞在に道を開いた。

 その一方で、入管法改正によって、永住資格を税滞納などで取り消せるとした。いまだに「安価な労働力」として外国人を便利使いする意図が透ける。

 家族へのサポートも十分とはいえない。特に子どもたちの教育への支援は不可欠だ。高校卒業後の進路は日本人に比べ、非正規労働への就職が格段に高く、大学の進学率も低い。

 外国人への偏見や差別的な言説はあふれている。互いの文化、価値観を理解し合うには、地域や職場で交流を重ねていくしかない。

 激化しつつある人手獲得の国際競争の中で、日本が選ばれる国になれるのか。人々が安心して暮らせる環境が必要だ。

 「自分らしく生きる」という多様性の波は、迫っている。

 LGBTQなど性的少数者への理解の促進も欠かせない。

 全国で起こされている同性婚訴訟は昨年、3例の「違憲」判決が出された。特に福岡高裁は初めて憲法13条違反の判断を示し、幸福追求権の侵害を指摘。自治体で進むパートナーシップ制度の拡充などでは不平等なままだとし、異性婚と同様の婚姻制度を認めるべきと言及した。

 早期の立法措置を促された国会は、切実な声にこたえなければならない。

 夫婦同一姓を強いる制度の見直しは不可避である。国連女性差別撤廃委員会は、希望すれば結婚前の名字を名乗れる「選択的夫婦別姓」の導入を勧告した。各種世論調査や経団連の提言をみても、すでに理解が進み、決断の機は熟している。

 自民党以外の大半は賛成しており、少数与党の国会で議論を前へ進めるべき年だ。

 多様な考えを認め合い、補い合ってこそ成熟した共生社会は実現する。国民一人一人にもボールは投げられている。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月07日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・10.26》:【衆院選2024】:ジェンダー平等 「私らしく」尊重の政治を

2024-10-27 02:04:50 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

《社説①・10.26》:【衆院選2024】:ジェンダー平等 「私らしく」尊重の政治を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・10.26》:【衆院選2024】:ジェンダー平等 「私らしく」尊重の政治を

 性別や性的指向にかかわらず、誰もが「自分らしく」生きられる。そうした社会の実現を目指す取り組みが政治に求められている。

 衆院選では、選択的夫婦別姓制度の導入や同性婚の法制化などが「ジェンダー平等」の観点から議論されている。

 選択的夫婦別姓制度は、夫婦がそれぞれ結婚前の姓を維持することを選べる仕組みだ。現在は同じ姓を名乗らなければならない。

 自民党総裁選では、小泉進次郎選対委員長が公約に掲げたことをきっかけにクローズアップされた。石破茂首相も個人的な考えと断った上で賛成の意向を示した。

 だが、首相就任後はトーンダウンしている。日本記者クラブが開いた党首討論会でも「結論を出す」としつつ、「党内の反対を押し切ることはしない」と述べた。

 党内の保守派には、家族の一体感が損なわれるとして反対論が根強い。選挙公約も、夫婦の姓に関する制度のあり方について「合意形成に努める」との表現にとどまった。

 ◆別姓と同性婚が試金石

 これに対し、与党の公明党のほか、立憲民主党、共産党、国民民主党などは導入に賛成している。

 氏名は人格を象徴するものである。姓が変わることで、自分が自分でなくなると喪失感を覚える人がいる。公的な書類の書き換えなど、改姓の手続きも煩雑だ。

選択的夫婦別姓の実現を目指す一般社団法人「あすには」の設立を発表する井田奈穂さん=2023年4月、後藤由耶撮影

 選択的夫婦別姓の実現を求めて活動している一般社団法人「あすには」の井田奈穂代表理事(49)は、2度の結婚に伴う改姓で、そうした経験をした。 

 ネット交流サービス(SNS)で思いを吐露すると、共感する仲間が集まった。各地の地方議会から声を上げてもらおうと、議員への陳情を2018年から始めた。

 夫婦の95%が夫の姓を選んでおり、不利益を被っているのは主に女性だ。井田さんは「女性が嫁ぐという家制度の考え方が社会に根深く残っている」と指摘する。

 政府は通称としての旧姓使用の拡大に取り組んでいる。運転免許証やパスポート、不動産登記などで併記が認められるようになった。だが、それでは問題は解決しない。旧姓による金融機関の口座開設が難しい状況は続いている。

 井田さんは「戸籍上の姓を使う度に苦しい思いをしている人がいる。人権の問題なのに、日本では軽視されてきた」と訴える。

 LGBTQなど性的少数者の権利保障も不十分だ。

<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2024/10/26/20241026k0000m070008000p/9.webp?1" type="image/webp" />同性婚訴訟の控訴審で違憲判決が出され、メッセージを掲げる原告ら=札幌市中央区で2024年3月14日、貝塚太一撮影</picture>
同性婚訴訟の控訴審で違憲判決が出され、メッセージを掲げる原告ら=札幌市中央区で2024年3月14日、貝塚太一撮影

 同性カップルは婚姻届を出しても受理されない。税や社会保障、親権、相続などで、夫婦であれば得られる権利が認められない。

 カップルの関係を自治体が証明するパートナーシップ制度は広がったが、法的な効力はない。

 結婚できないことで、異性カップルとは違う存在だと見なす社会の偏見を感じ、尊厳を傷つけられている人がいる。

 同性婚を認めない民法などの規定は「違憲」「違憲状態」との司法判断が相次ぐ。 

 立憲や日本維新の会、共産などは同性婚の法制化に賛成している。しかし、慎重な自民は公約で触れていない。

<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2024/10/26/20241026k0000m070009000p/9.webp?1" type="image/webp" />国連の女性差別撤廃委員会による日本審査について記者会見するNGOのメンバーら=スイス・ジュネーブで2024年10月18日(一般社団法人「あすには」提供)</picture>拡大
国連の女性差別撤廃委員会による日本審査について記者会見するNGOのメンバーら=スイス・ジュネーブで2024年10月18日(一般社団法人「あすには」提供)

 ◆多様性反映する国会に

 各国の男女平等度を示す「ジェンダーギャップ指数」で、日本は146カ国中118位と今年も低位に沈んだ。

 先週、国連の女性差別撤廃委員会による日本政府への対面審査が8年ぶりに実施された。井田さんらはスイス・ジュネーブを訪れ、選択的夫婦別姓の実現を日本に勧告するよう、委員に働きかけた。

 他の市民団体も、性的少数者の苦境や、人工妊娠中絶などを巡る「性と生殖に関する健康と権利」への対応の遅れを訴えた。

 ジェンダー平等に向け、制度を整えるのは国会の役割だ。多様な人材が参画し、さまざまな視点から議論することが求められる。

 衆院選の候補者のうち、女性が占める割合は23・4%で過去最高となった。ただ、有権者の半数が女性であることを考えれば、道半ばだ。自民は16・1%、立憲も22・4%に過ぎない。

 こうした現状を改善するには、候補者や議席の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」や、政党交付金の配分に女性比率を反映させる仕組みの導入が必要だ。

 多様性のある社会を生み、育むのは「個人の尊重」だ。憲法が定める重要な理念である。候補者や政党がいかに実現しようとしているのか、見極めて1票を投じたい。

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年10月26日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:同性パートナー 権利擁護の流れ加速を

2024-05-20 07:21:50 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【社説①】:同性パートナー 権利擁護の流れ加速を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:同性パートナー 権利擁護の流れ加速を 

 同性パートナーと同居する男性が、相手と同じ名字への変更を求めていた審判で、名古屋家裁は変更を認める決定をし、確定した。国民意識の変化などが底流にあり同性婚など性的少数者(LGBTQ)の権利を擁護する司法判断が相次ぐ。国はこの流れに沿い、早期に法整備へと踏み出せないか。
 代理人弁護士によると男性は2017年、パートナーと公正証書による「結婚契約」や相互の任意後見契約を結び、翌年から同居。23年からは里子も養育している。
 男性は普段、パートナーと同じ名字を使っていたが、クレジットカード名義(戸籍上の氏名)と姓が異なる説明を求められ、意に沿わずカミングアウトするリスクがあった。一方、パートナーは性的指向や男性との同居を周囲に打ち明けておらず、里子との関係を詮索される危険性もあったという。
 家裁は2人の関係について「異性同士の夫婦と実質的に変わらず婚姻に準じる関係」と認めた。性的指向を意に沿わずカミングアウトせねばならない状況は「社会生活上の著しい支障」と男性らを擁護し、名字の変更は、戸籍法107条1項の「やむを得ない事由」に当たると結論づけた。
 共同通信の世論調査で同性婚を「認める方が良い」との回答は年々上がり、今年は73%に達した。また、同性カップルを法的に認める「パートナーシップ制度」を持つ自治体は400を超えた。
 家裁の決定もその流れに沿い、「国民意識が肯定的に捉える方向に変化しつつあり、異性カップルと同様の法的保護は一定程度、許容されるべきだ」と指摘した。
 同性婚を認めていない現行法が憲法違反かどうかが争われている訴訟でも札幌高裁や名古屋地裁で「違憲」、東京地裁などでも「違憲状態」の判決が出ている。動きの鈍い政府や国会に対し、司法判断が現行の法体制の見直しを迫っているといえよう。
 もっとも今回の申し立ては「夫婦同姓」の枠組みの中、同姓でないと夫婦と見なされない現実が背景にあるのも確かだ。しかし、法務省の世論調査では「選択的夫婦別姓」や「旧姓使用の法的位置付け」への支持が多数で、「夫婦同姓の維持」を支持する人は3割弱にとどまる。婚姻や婚姻後の姓のあり方で、人々の意識が旧習へのこだわりを見直す方向へと傾いていることを政治は直視すべきだ。
 
 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月16日  07:43:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説①】:年のはじめに考える 雨上がりの空に「虹」を

2024-01-10 08:06:50 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【社説①】:年のはじめに考える 雨上がりの空に「虹」を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:年のはじめに考える 雨上がりの空に「虹」を

 昨年の暮れ、東京都台東区に住むタカユキさん(51)とミノルさん(52)=写真=を訪ねました。付き合って30年になるゲイ(男性同性愛者)のカップルです。

 2人は2020年、当時住んでいた文京区で同性パートナーシップ宣誓制度を利用しました。区が人生の伴侶と認める仕組みです。
 
 十数年前、タカユキさんが肺炎で危篤に陥ったとき、ミノルさんをパートナーだと病院に告げましたが、病状説明や緊急連絡先は両親にするよう強く求められました。「もう嫌な思いをしたくない。2人の間柄を証明したい」と制度を利用したのです。
 ところが、2人が昨年12月に引っ越した台東区に同様の制度はありませんでした。その上、パートナーと証明する文京区発行のカードは返還する決まりでした。
 
 「2人の関係まで否定されたみたい」と憤るタカユキさん。ミノルさんは「最初から期待していなかった」と諦め気味です。

 ◆同性婚の法制化に遅れ

 15年に渋谷、世田谷区で始まった宣誓制度。認定NPO法人「虹色ダイバーシティ」などによると328自治体(昨年6月時点)に拡大し、利用カップルは5171組(同5月時点)に上ります。
 
 しかし、民法が定めている男女の結婚のような法的保護はありません。それは相続や社会保障、税など幅広い分野に及びます。
 
 2人は「遺産を相手に相続してほしいが、法的な保障はない。同性婚が可能なら、すぐに結婚したい」と口をそろえます。
 
 そんな性的少数者(LGBTなど)の声に対し、一定の理解を示したのが「同性婚訴訟」判決です。
 
 同性婚を認めていない民法などの規定が憲法違反かどうかが争われ、判決の出た5地裁のうち2地裁が「違憲」、2地裁が「違憲状態」と指摘したのです。
 
 憲法14条1項「法の下の平等」の違反、24条2項「個人の尊厳」の違反とばらつきはありますが、判決の論旨は似ています。
 
 同性カップルが重大な不利益を被っていると認めた上で、同性婚の賛成派が反対派を上回る近年の調査結果などを踏まえ、法的対応を促している点です。
 
 国による同性パートナーシップ制度は1989年にデンマークで始まりました。さらに男女の結婚と同等にする努力が続き、同性婚は2001年のオランダを皮切りに欧米など30超の国・地域で実現しています。アジアでは台湾が導入し、タイでも国会で法制化への審議が進んでいます。
 
 こうした世界の動きから、日本は取り残されています。
 
 同性婚訴訟は3月に初の高裁判決が出ますが、最高裁までもつれることも予想されます。LGBT当事者の不利益がこれ以上見過ごされてはなりません。国は同性婚の法制化へ踏み出すべきです。

 ◆LGBTの尊厳を否定

 問題は法的、経済的な不平等だけではありません。
 
 「レズビアン(女性同性愛者)だから結婚できない。どう生きて良いか分からなかった」。中野区の直子さん(42)=仮名=は将来への不安から死を思う一方、深酒などを重ねていました。
 
 安らぎを得たのは15年前、同性パートナーの雪乃さん(48)=同=との出会い。直子さんは「いつか寿命が来たら、相手の顔を見ながら死にたい」と言います。
 
 信頼できる伴侶と、社会に認められて暮らす。そんな当たり前のことを否定されることがLGBT当事者には深刻なのです。子どものころから自己を肯定できなかったり、精神的苦痛を抱えたりする原因がそこにあります。
 
 その人の人生全体への脅威であり、人間の尊厳を否定する問題です。人権がないがしろにされていると言わざるを得ません。
 
 「もし、わが子がLGBTだとしたら…」。こう想像することができれば、差別の重大さに気付けるかもしれません。「同性の恋人と結婚する道もある。人生を堂々と歩めばいい」と励ましてあげられる社会なら、その子どもはどれだけ勇気づけられるでしょう。
 
 LGBTの象徴である虹色の旗レインボー・フラッグを見て思い出すのは、英語の「No rain,no rainbow」という格言です。雨が降らなければ虹は出ない、つまり「雨が降るからこそ、その後に虹が出る」という意味になります。
 
 日本ではいまだに冷たい雨が降り続いていると、LGBT当事者は感じていることでしょう。一刻も早く降りやませ、空に美しい虹をかけたいのです。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年01月09日  08:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・11.27】:ユニークなカップル「いいじゃないの幸せならば」

2023-12-25 08:01:10 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【大谷昭宏のフラッシュアップ・11.27】:ユニークなカップル「いいじゃないの幸せならば」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・11.27】:ユニークなカップル「いいじゃないの幸せならば」 

 先週11月22日は「いい夫婦の日」。東海テレビ(名古屋)のニュース番組でユニークなカップルを紹介させてもらった。岐阜県が今年制定した「パートナー宣誓制度」の第1号、谷村祐樹さんと中村文亮さんの日常を淡々と追った。

 5年前、青年海外協力隊で知り合い、同性婚が認められていない日本で、病院の付き添いなどが制度によって「家族同等」となった2人。家の掃除のことでちょっぴりもめたり、ゲームをしたり。ネコも一緒のごく普通の家庭が、そこにある。

 もちろん、これまで平坦(へいたん)な道を歩いてきたわけではない。一時は「この世にいてはいけない存在と思い詰めた」という谷村さん。中村さんは「長男は家を継ぐ、墓を守るという厳格な家で苦しかった」という。

 そんな2人が、いま共通して抱く思いは「たまたま同じ性の人を好きになっただけ」。マイノリティーや同性婚の権利を声高に求めるのではなく、「それぞれの人の人生が、それぞれ祝福されたら」と願っている。

<picture> 11月22日を前に名古屋では、NPO法人が愛の形に平等を求めて全国で展開する「私たちだって“いいふうふ”になりたい展」が開かれた。その会場には幸せそうに笑い合う2人のポートレートも飾られた。</picture>

 平仮名の「ふうふ」には、夫夫、婦婦、夫婦。このどれもが当てはまるという。

 2人を追ったニュースの終わりは、友人たちのフラワーシャワーを浴びるささやかなウエディングシーン。スタジオの私の胸には70年代、佐良直美さんが歌った「いいじゃないの幸せならば」と「世界は二人のために」が、続けて流れているようだった。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年11月27日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【産経抄】:あなたの色は何色?

2023-08-22 05:05:30 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【産経抄】:あなたの色は何色?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄】:あなたの色は何色? 

 もしやわが母校も共学化されるのか。LGBTなど性的少数者の理解増進を図る条例が昨年制定された埼玉県は、浦和(男子校)、熊谷(同)、浦和第一女子(女子校)各高校など男女別学の県立伝統校があることで知られる。

 ▼小欄まわりにも卒業生がいるが、冒頭のような疑問を口にしていた。幸い、条例に基づき先日策定された同県の「性の多様性を尊重した社会づくり基本計画」に、共学化構想は盛り込まれていないが、条例に対する不安や疑問は、消えないままだ。

 ▼差別解消は必要としても、男性が女性を「自認」し、トイレなど女性専用スペースに入った場合の混乱など、逆に女性の権利が侵害されかねないとの懸念が拭えない。6月に制定された国のLGBT理解増進法をめぐっても、指摘されたことだ。

 ▼子供たちの教育への影響も心配だ。埼玉県が推進している「性の多様性を尊重した教育」の小学5・6年生用のリーフレットを見ると、虹のイラストが描かれ、「性っていろいろあるの?」「あなたと私の色を探していこう」などと書かれている。

 ▼「男なのにピンクが好きなんて、女の子みたい」などの言葉に「×」がつき、「その人らしさ」を大切にしようと促している。「らしさ」はお絵描きの虹の7色のように色分けできるはずもない。定義が曖昧な「性自認」「性の多様性」を尊べと言われても無理があろう。多感な時期の子供たちを惑わすような変な教育はやめてほしい。

 ▼学校の名簿の男女別をやめるほか、高校入試の願書の性別記入欄をなくすなど、性差否定の教育が行われているのは、埼玉県に限らない。男女の体力差や特性を無視せず、互いに敬い、協力し合う大切さこそ説いてもらいたい。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【産経抄】  2023年08月21日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:自民・牧原秀樹議員は、愛知県議や荒井元秘書官に文句をいったのか?

2023-07-28 07:15:40 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:自民・牧原秀樹議員は、愛知県議や荒井元秘書官に文句をいったのか?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」】:自民・牧原秀樹議員は、愛知県議や荒井元秘書官に文句をいったのか?

 『りゅうちぇるさんのご冥福を心からお祈り申し上げます。TwitterやSNSで誹謗中傷をして侮辱罪等の刑法犯に該当する者はアカウントを削除した者も含めて「すべて」逮捕すべきだと考えます。言葉の暴力はあってはなりません』(牧原秀樹自民党衆院議員)

<picture>牧原秀樹衆院議員のツイッター</picture>

  牧原秀樹衆院議員のツイッター

   ◇  ◇  ◇

 これは7月13日付の牧原さんのTwitterでの言葉。

 私もりゅうちぇるさんに心からご冥福をお祈りします。そこは牧原さんと気持ちは一緒。

 けど、その後の発言『TwitterやSNSで誹謗中傷をして侮辱罪等の刑法犯に該当する者はアカウントを削除した者も含めて「すべて」逮捕すべき』というのはどうなのか?

 逮捕とは被疑者の逃亡や証拠隠滅を防ぐため、身柄を拘束すること。ネットにいる数かぎりない誹謗中傷者をすべて逮捕するなんて、できっこない。

 牧原さん自身にもっと重みがあって、前出の言葉が、世の中の道徳心に欠けた人間への抑止となるならいい。が、それはないな。あたしは逆に、この問題を軽く見ての発言のように思えた。

 だいたい、去年、牧原さんの所属する自民党は、ネット上の誹謗中傷対策として、野党が疑問視した『侮辱罪厳罰化』を提案した。その際、野党議員が、捜査人数の増加、啓発、ガイドライン作りを要望したけど、与党側はやる気がなかった。本当に、ネットの誹謗中傷を止めたいなら、どこからが誹謗中傷で、どう捜査するのかを決めなくてはいけないのに。

 これらの流れから鑑みるに、政府自民党が一時のウケ狙いで死者を利用しているようにさえ感じてしまう。そうではないというならば、お気持ち表明ではなく、政治家として動かないでどうする?

 まず、ご自分に近いところにいる人たちの発言、LGBTの人々を「気持ち悪い」と宣った、愛知県議や荒井元秘書官に文句をいったのか? 心のない人がとってつけたように心があるふりをしても、人はそれを簡単に見破る。

室井佑月
著者のコラム一覧
 ■室井佑月 作家

 1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載・「室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」」】  2023年07月21日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ここがおかしい 小林節が斬る!】:自民党は性的少数者理解増進法に抵抗し、偏見を墨守しているとしか思えない

2023-07-27 07:04:40 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【ここがおかしい 小林節が斬る!】:自民党は性的少数者理解増進法に抵抗し、偏見を墨守しているとしか思えない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ここがおかしい 小林節が斬る!】:自民党は性的少数者理解増進法に抵抗し、偏見を墨守しているとしか思えない

 性的少数者(LGBT)に関する理解増進法が今月16日にようやく成立した。

 同法は、全ての国民が「性的指向」にかかわらず、個人として(つまり「そのような自分であること」を)尊重し合いながら、共生できる社会を実現するために、国、自治体、事業主、学校の役割を説いた「理念」法である。

 科学の進歩の結果、LGBTが、個人の趣味(or悪趣味)の問題ではなくて、先天的に与えられてしまったDNAの問題であることが明らかになった結果、LGBTに対する理解が急速に進んだ。その効果として、LGBTに対する差別(正当な理由のない不利益)が人権問題(個人の尊厳の侵害)として意識されるようになった。 

<picture>小林節慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ</picture>

   小林 節 慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ

 確かに、現行の法律制度では同性婚が認められていない結果、LGBTの当事者は、不動産取引、扶養、健康保険、税金、相続等で現に不当な不利益(差別)を被っている。だから、最近、同性婚を認める法律がない状態が違憲であるという地裁判決が相次いでいる。これが文明諸国における趨勢である。

 ところが、同法の成立直前になって、自民党内からの強い抵抗が顕在化した。

 ある法相経験者は、性的少数派に対する偏見は否定しながらも、女性トイレにトランスジェンダーを装った男性が入り込むリスクを強調した。しかし、その危険は今でもあるわけで、その犯罪対策と現に広く存在するLGBT差別からの解放は別のものである。

 また、別の有力議員は、「日本は思いやりにあふれた国柄で同性愛が厳しく弾圧された歴史はない」旨を主張した。しかし、現実に、上述のような法律上の不利益があり、それは当事者にとっては「弾圧」以外の何ものでもない。

 さらに、ある議長経験者は、性的少数者に対する「差別」(不当な不利益を与える)という意識はないが、「区別」(別モノとして認めること)はしてほしい旨を述べた。しかし、同性婚を認めていない法律の現状は、「区別」を超えた「差別」そのものではないか。

 このように、自民党が何にこだわっているのかが理解不能である。私には単に偏見を墨守しているようにしか見えないが。

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小林節
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 ■小林 節 慶応大名誉教授

 1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院の客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著) 5月27日新刊発売「『人権』がわからない政治家たち」(日刊現代・講談社 1430円)

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載・「ここがおかしい 小林節が斬る!」】  2023年06月21日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ここがおかしい 小林節が斬る!】:LGBTの本質がまだ理解できていないのか 公的な差別は憲法14条違反だ

2023-07-27 07:04:00 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【ここがおかしい 小林節が斬る!】:LGBTの本質がまだ理解できていないのか 公的な差別は憲法14条違反だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ここがおかしい 小林節が斬る!】:LGBTの本質がまだ理解できていないのか 公的な差別は憲法14条違反だ

 LGBT理解増進法案が自民党内の抵抗で国会に提出もされていない。

 LGBTの問題が典型的な人権問題であることは、科学の進歩の結果、もはや明白である。人権論とは、要するに、先天的に個性的な人間が、各人の個性の故に社会の中で多数派から卑しめられない、つまり、差別されないという公的保障である。

 だから、先天的に(つまり自分では選択しようがなかった)与えられた個性(例えば、女性であること、少数民族であること、LGBTであること、障害者であること等)により、他者と比較して不当に不利に扱われないことの保障が平等権である。

<picture>小林節慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ</picture>

   小林 節 慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ

 平等権は、自由権、法定適正手続きの保障、社会権(福祉受給権)と並んで人権の四本柱のひとつである。

 LGBTは、これまでは何か「恥ずかしい」こととして社会から隠されてきたが、科学的にDNAの問題つまり先天的に決定されて本人が拒否しようのない事柄だと明らかになって以来、社会の理解は一気に進んだ。だから、LGBTを理由に不利益に扱われたら、それは、人格権侵害として不法行為になるし、公的な差別は憲法14条違反になる。

 現在は、いまだに同性婚制度が法的に認められていないために、扶養、税金、医療、相続、年金などでLGBTは明らかに差別されている。だから、人権救済のために立法は急務である。

 ■自民党議員は何に抵抗している?


 自民党内では、「差別禁止」と条文に書くと「差別を訴える訴訟が増える」と抵抗があるので、「『不当な』差別禁止」という修正案が出されたそうである。ふざけないでほしい。法律用語として、(区別ならぬ)差別はみな、「不当な」扱いを意味している。差別を訴える訴訟が出し難い現状こそが問題なのであり、立法による救済は急務である。

 「性自認」という単語にも、「性は自分で選ぶものではない」という論難がある。しかし、LGBTは先天的に与えられたものではあるが、成長の過程で「自覚」が芽生えるものでそれを「自認」と正確に表現したまでのことである。

 いつまで愚行を続けているのか。



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 ■小林 節 慶応大名誉教授

 1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院の客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著) 5月27日新刊発売「『人権』がわからない政治家たち」(日刊現代・講談社 1430円)

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・連載・「ここがおかしい 小林節が斬る!」】  2023年05月12日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・07.14】:2周遅れの政界が多くの人を苦しめる

2023-07-22 07:40:00 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【政界地獄耳・07.14】:2周遅れの政界が多くの人を苦しめる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・07.14】:2周遅れの政界が多くの人を苦しめる 

 ★12日、最近は性の多様性について発信していたタレントのryuchell(りゅうちぇる)が亡くなったことがわかった。27歳だった。その前日には性同一性障害の経産省の職員が女性用トイレの使用を不当に制限されたと訴えた裁判で、最高裁が使用制限は問題ないとした人事院の違法性を認め、「適法」とした2審判決を破棄したばかり。人事院や経産省、すべての行政機関が対応を迫られることになった。政治の世界ではLGBTQに対して、理解が進まず中途半端な理念法ができたばかりだが、自民党保守派の建て付けは「伝統」が重んじられるべきというものだった。現実社会ではさまざまな動きがあり政界が2周遅れの動きを続けていることが、多くの人を苦しめているのではないか。

 ★思えば18年、英BBCのドキュメンタリー「日本の秘められた恥」で自民党衆院議員・杉田水脈がインタビューで、ジャーナリスト伊藤詩織が15年の元TBSテレビ記者・山口敬之から準強姦の被害を受けたと訴えた事件について「(伊藤には)女として落ち度があった」「男性は悪くないと司法判断が下っているのにそれを疑うのは、日本の司法への侮辱だ」と発言。その時、日本では“MeToo”運動は、大きなうねりにはいたらなかった。

 ★今年3月上旬、英BBCが放送したドキュメンタリーが「ジャニーズ事務所」の元社長ジャニー喜多川の未成年を含む性加害問題について扱うと、多くの被害者が名乗りを上げた。日本で“MeToo”運動が再び注目を集めている。そんな矢先、りゅうちぇるが亡くなった。死の原因は分かっていないが、自分の素を出すことがしづらい、自由に意見や気持ちを言う人が生きられない国を憂いて、若いタレントが命を絶ったのだとすれば、どう考えるか。政治は多様性の社会をうたいながら社会に忖度(そんたく)させ、同調圧力を行使し均一化を望む。その固まりに属さない人たちが過ごしやすい社会が作れなければ政治など無用だ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年07月14日  07:22:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張】:G7とジェンダー 日本の立ち遅れ一段と際立つ

2023-06-29 04:15:55 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【主張】:G7とジェンダー 日本の立ち遅れ一段と際立つ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:」【主張】:G7とジェンダー 日本の立ち遅れ一段と際立つ

 主要7カ国(G7)のジェンダー平等担当相会合が24、25日、栃木県日光市で開催されました。同会合は2017年以来、G7首脳会議に合わせて開かれています。今回は日本が初めて議長国を務めました。ジェンダー平等をめぐる日本の立ち遅れがここでも改めて浮き彫りになりました。

 ■議長国の責任が問われる

 日光会合は(1)コロナ禍の経験を生かす(2)女性の経済的自立―が主要テーマでした。採択された「日光声明」は、戦争や紛争、気候変動、格差拡大、コロナ禍の長期的影響などで「ジェンダー平等社会の実現に向けた課題はより一層困難さを増している」と指摘し、コロナ禍が女性に深刻な影響を与えてジェンダー不平等を悪化させた経験を学ぶことを強調しました。

 声明は、雇用、ケアの役割分担、暴力への対応、性と生殖に関する権利、意思決定への女性の参加などの分野で、完全なジェンダー平等に向けた努力を加速させることを再確認しました。またLGBTQなど性的少数者の人権と尊厳の尊重と、ジェンダー平等に対するバックラッシュ(逆流)とたたかうことも明記しました。

 議長を務めた小倉将信女性活躍担当相は「大きな成果を出せた」と強調しましたが、いずれの課題も日本政府が女性や当事者の願いに背を向けてきたものばかりです。議長国として合意内容を真剣に実行する責任が問われます。

 21日公表の世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数で日本は最低クラスの125位でした。G7が取りまとめた指標でも日本の到達は深刻です。経済的自立に深く関わる賃金の男女格差の幅は、G7各国平均で14・4%、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均で11・7%に縮小しました。一方、日本は22・1%の差を残したままです(21年)。大手上場企業の取締役の女性割合は、G7平均35・5%、OECD平均29・6%ですが、日本は15・5%です。

 国会議員の女性比率(日本は衆議院)もG7平均は30%、OECD平均は33・8%に対し、日本は10%です。日光会合の出席者も海外の閣僚らは9人全員が女性でしたが、日本だけは男性閣僚です。世界から引き離される日本政治の姿を象徴的に示しました。

 G7広島サミットや日光会合に向けて、日本婦人団体連合会や女性差別撤廃条約実現アクションなどは、女性差別撤廃条約の選択議定書の批准、選択的夫婦別姓制度の導入、同性婚の法制化などを岸田文雄政権に要望しました。いずれも日本以外のG7各国でほとんど実現している課題(米国は女性差別撤廃条約自体を未批准)ですが、日本政府は日光会合のテーマに取り上げませんでした。

 ■本気で取り組む政治を

 G7担当相らと市民社会との対話集会(26日、都内で開催)では、DV被害者支援、性的少数者の権利、安全な避妊・中絶、女性議員を増やす課題などをめぐりNGOから日本の遅れた実態と政府の姿勢を問う発言が続きました。この声に向き合う政治が必要です。

 出席した欧州連合(EU)平等担当委員は、ジェンダー平等の前進へ公約を立法化し、到達状況を常につかみ市民社会と共同し説明責任を果たす必要性を指摘しました。こうした本気の取り組みを日本政府に求めていきましょう。

 元稿:しんぶん赤旗 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】 2023年06月29日  04:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【きょうの潮流】:LGBTQ(性的少数者)の権利獲得のたたかいの前進を祝うニュースを目にする6月です。

2023-06-29 04:15:40 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【きょうの潮流】:LGBTQ(性的少数者)の権利獲得のたたかいの前進を祝うニュースを目にする6月です。

 【きょうの潮流】:LGBTQ(性的少数者)の権利獲得のたたかいの前進を祝うニュースを目にする6月です。

 アジア初の同性婚法制化から4年を迎えた台湾からの本紙特派員のリポートから、当事者の苦難や喜びがひしひしと伝わります▼54年前のきょう、LGBT権利獲得運動が盛り上がる契機となる「ストーンウォールの反乱」が起こりました。当時は同性愛行為の誘いが「犯罪」とされていたニューヨーク。ゲイの人々らが集う「ストーンウォール・イン」という酒場に警察が踏み込みました▼抑圧と差別に耐えてきた人々の怒りは頂点に達し、抗議は6日間続きました。声をあげ、たたかわないと虐げ続けられると悟った人々は、翌年、同地から「プライド行進」を始めました▼「大きな声で言おう。ゲイであることは誇らしい」と唱和して始まったプライド行進。いま、世界各地に広がります。米国では、大統領が6月は「プライド月間」だと宣言するまでに▼バイデン大統領自身は、上院議員時代に同性婚法制化に賛成しなかったことも。政治家の態度を変えさせたのは、当事者たちの世論を動かす運動です。この一方、各地の州議会では保守系団体の働きかけで反LGBT法案が相次いでいます▼逆流は日本でも。先の国会ではLGBT「理解増進法」をめぐる改悪や同性婚実現への抵抗が。差別のない社会へ、逆流を押し返すのは私たち一人ひとり。声をあげれば社会は変えられる。たたかうことの大切さを「ストーンウォールの反乱」は教えてくれます。

 元稿:しんぶん赤旗 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【きょうの潮流】 2023年06月28日  04:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:LGBT法修正 当事者は置き去りなのか

2023-06-18 06:00:20 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【社説】:LGBT法修正 当事者は置き去りなのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:LGBT法修正 当事者は置き去りなのか

 性的少数者への差別、偏見をなくすための法整備ではなかったのか。原点に戻って検討し直すべきだ。

 議員立法によるLGBT理解増進法案は、参院での審議が大詰めを迎えている。

 衆院と参院の委員会審議はともに数時間だけだった。参院が当事者を参考人として招いたものの、問題点は多く残っている。あまりに拙速だ。

 法案は衆院で審議を始める直前に、与党が日本維新の会と国民民主党の案をほぼ丸のみして修正した。

 超党派の議員連盟が一昨年にまとめた法案は「差別は許されない」と明記したが、与党案は「不当な差別はあってはならない」に弱めていた。

 修正によって改まるどころか、さらに後退したと言っていい。特に問題なのは、関連施策を実施する場合に「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」との条項が加わったことだ。

 かえって多様性への理解を阻害し、少数者を排除することにつながらないか。当の性的少数者は落胆している。

 追加された条項は、法整備に疑念を抱く人への「配慮」と捉えられる。自民党の保守派などは「法が成立すれば、女性と自称する男性が女湯や女性トイレに入れるようになる」と主張していた。

 そもそも理解増進法は理念法で、新たな権利を認めるものではない。

 公衆浴場法や混浴可能年齢を制限する条例は既にある。与党案を提出した自民党議員もこうした点に触れ、保守派が言うような行為は認められないと法案審議で明言した。

 性被害の不安を覚える人への配慮が必要とはいえ、いたずらに不安をあおり、性的少数者への偏見を助長する言動は厳に慎むべきだ。

 修正案は自分の性認識を指す言葉を「ジェンダーアイデンティティ」と表記した。超党派案の性自認、与党案の性同一性の英訳である。

 定義が曖昧で、国民に分かりにくい。法の目的である理解増進にマイナスだ。

 学校で教育や啓発を行う際に、家庭や地域住民、関係者の協力を得ることも追加された。LGBT教育に慎重論もある現状に照らせば、自治体や教育委員会が反対運動を恐れて萎縮しかねない。

 法案の修正は岸田文雄首相の指示で加速した。先月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳声明は性的少数者の権利保護を盛り込んだ。議長国として他国より遅れている法整備を急ぐのは当然としても、当事者を置き去りにするのは本末転倒である。

 同性婚が認められない現状に対し、違憲、違憲状態と断じる司法判断が続く。性的少数者の権利保護、暮らしやすい社会づくりへ政治がやるべきことは山積している。

 理解増進法はゴールではなく、始まりに過ぎない。まずは、法案審議の過程であらわになった政界と社会の意識差を早急に埋めるべきだ。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【社説】  2023年06月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【国会】:LGBT理解増進法が成立 議連案変容、歓迎乏しく

2023-06-17 07:12:30 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【国会】:LGBT理解増進法が成立 議連案変容、歓迎乏しく

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【国会】:LGBT理解増進法が成立 議連案変容、歓迎乏しく

 LGBTなど性的少数者への理解増進法が16日の参院本会議で、自民、公明、日本維新の会、国民民主4党などの賛成多数で可決、成立した。超党派の議員連盟による2021年の原案取りまとめから約2年を経て、法整備に至った。ただ、内容は相次ぐ修正で大きく変容し、推進・慎重両派に批判がくすぶる。

LGBTなど性的少数者への理解増進法を賛成多数で可決、成立させた参院本会議=16日午前、国会内

LGBTなど性的少数者への理解増進法を賛成多数で可決、成立させた参院本会議=16日午前、国会内

 

 「当事者を失望させる法律ができてしまった。差別を増長し、理解を阻害する法律だ」。同性愛者だと公表している立憲民主党の石川大我参院議員は本会議後、記者団の取材に、理解増進法への落胆を隠さなかった。

 議連案は性の多様性に関する国民の理解を広げるため、政府に基本計画策定を義務付けるのが柱。「性自認」「差別は許されない」の文言に自民保守派が反発し、国会提出は長く暗礁に乗り上げていたが、首相秘書官の差別発言に端を発した政権批判の高まりを受け、岸田文雄首相(自民総裁)が党内論議を指示した。

 自民は保守派の理解を得ようと議連案の修正を重ねた。自称すれば性を変えられると誤解される恐れがあるとして「性自認」を「性同一性」に改め、「差別は許されない」を安倍晋三元首相の国会答弁と同じ「不当な差別はあってはならない」に変更。さらに維新・国民案をほぼ丸のみし、「性同一性」を「ジェンダーアイデンティティ」に再修正するなどした。

 推進派が批判するのはこれらの修正に加え、維新と国民の主張で新たに追加された「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」との条文だ。「男性が女性と自称して女子トイレを使う恐れがある」などの声に応えたものだが、推進派は「性的少数者が安心な生活を阻害するかのような誤った印象を与える」と指摘する。

 さらに議連案にあった「民間の団体等の自発的な活動の促進」が削除され、学校での啓発に「家庭および地域住民その他の関係者の協力を得つつ」との条件が加わった点も問題視。「民間団体のやる気をそぐ」「批判的な関係者に理解増進教育を阻害されかねない」と反発している。

 保守派の不満も収まったわけではない。16日の本会議採決の際、自民の山東昭子前議長、青山繁晴、和田政宗両氏が退席した。山東氏は記者団に「どうしても納得がいかない。心と体がアンバランスな方への差別の意識はないが、区別はしてほしい」と語った。

 全国の地裁では最近、同性婚を認めない現行制度は「違憲」「違憲状態」とする判決が相次いでいる。理解増進法の成立を受け、公明や立民からは同性婚の法制化を目指すべきだとの声も出ているが、今回の調整を踏まえると難航は必至とみられる。

 元稿:時事通信社 JIJI.com 政治 【政策・国会・参院本会議・LGBTなど性的少数者への理解増進法】  2023年06月17日  07:12:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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