路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説・10.23】:2024衆院選・エネルギー政策 原発回帰の「影」も議論せよ

2024-10-27 07:00:15 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【社説・10.23】:2024衆院選・エネルギー政策 原発回帰の「影」も議論せよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・10.23】:2024衆院選・エネルギー政策 原発回帰の「影」も議論せよ 

 地球温暖化を防ぐため脱炭素の取り組みを進めつつ、どうやってエネルギーの安定供給を図るか―。資源小国で、エネルギーの自給率が1割余りと低い日本にとっては重要な政策課題である。

 忘れてはならないのは、原発回帰に対する賛否である。というのも、3年前の前回衆院選の後、再稼働推進を含む原発回帰へと、政府が大きくかじを切ったからだ。民意を示す絶好の機会である。候補者や政党の主張をしっかり見極めたい。

 原発回帰を政府が鮮明に打ち出したのは、2022年にまとめた経済財政運営の指針「骨太方針」だった。「可能な限り(原子力への)依存度を低減する」と前年に盛り込んだ文言を削除し、「原子力などの電源を最大限活用」とした。東京電力福島第1原発事故を踏まえた「原発依存度低減」は葬られた。

 翌23年には、廃炉の決まった原発の次世代型への建て替え推進や、最長60年に制限した原発の運転期間のさらなる延長も可能とした。

 大転換を受け、原発を巡る主な政党の主張は二極分化してしまった。与党間では、ねじれも生じている。

 原発活用に前向きなのは自民党に加え、野党の日本維新の会、国民民主党だ。維新は核融合発電の技術開発推進、国民は次世代革新炉の建て替え・新増設も訴えている。

 連立与党の公明党と野党第1党の立憲民主党、社民党は原発回帰に慎重だ。共産党、れいわ新選組はそれぞれ「30年度にゼロ」「即時停止」と踏み込んだ目標を掲げる。

 原発より、太陽光や風力といった再生可能エネルギーに関心を持つ人もいるだろう。各国が推進しており、立ち遅れの目立つ日本としては脱炭素を進めて自給率を上げるため拡充が急がれる。にもかかわらず、主要な政党の主張には大きな差は見られない。どう拡充していくか、各党の具体策が聞きたい。

 原発に関する、日本世論調査会による今年初めの全国郵送世論調査によると、「今すぐゼロ」が4%、「将来的にはゼロ」は55%に上った。一方で「一定数維持」と「積極的に活用」は計39%にとどまった。再び事故が起きないか。なし崩しの原発回帰が安全性軽視につながらないか。福島の原発事故から13年半過ぎたが、国民の不安は拭い切れていない証しである。

 元日の能登半島地震で、地震列島での原発のリスクを改めて感じた人は多かろう。事故時の住民避難の計画が、いかに頼りないかも浮き彫りになった。「原発のごみ」ともいえる高レベル放射性廃棄物をどう処分するかなど、先送りできない課題は多い。

 そうした原発回帰の「影」についても、論議を深めることが必要だ。中長期的な視点でエネルギー供給の在り方を考えることにもなるはずだ。

 折しも、次期エネルギー基本計画の作成に向けた議論が始まっている。原発や再生エネに今後どれだけ頼るのか。国民の関心を一層高めていくためにも、活発な論戦が各党には求められる。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年10月23日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:エネルギー計画 再エネが脱炭素の王道

2024-06-04 07:36:50 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【社説①】:エネルギー計画 再エネが脱炭素の王道

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:エネルギー計画 再エネが脱炭素の王道

  経済産業省は、国のエネルギー政策の方向性を示す、次期エネルギー基本計画の策定に着手した。原発には依存せず、再生可能エネルギーと省エネの普及・拡大を急ぐことこそ、世界が求める脱炭素社会への王道だ。

 概(おおむ)ね3年に1度の改定で、今回は2040年度の電源構成目標が示される。その中で焦点となるのが、原子力の位置付けだ。
 
 21年に策定された現行計画では、30年度の電源構成に占める原子力の割合は20%から22%で、「可能なかぎり依存度を低減する」と明記されている。しかし、政府は昨年、ロシアのウクライナ侵攻をはじめ国際情勢悪化などによる原油急騰を受け、「原発の最大限活用」に方針を大転換。新増設も辞さない姿勢を打ち出した。
 
 とはいえ、原子力に対する国民の不信と不安はなお根強い。能登半島地震で避難計画の不備が浮き彫りとなったことで、不安は一層高まっている。
 
 今年1月、東京電力福島第1原発事故の「市民検証委員会」が、新潟県民を対象に実施したアンケートの結果では、同県に立地する東電柏崎刈羽原発の再稼働に「反対」と答えた人は60.5%と「賛成」の18.2%を大きく上回る。新増設はおろか、再稼働もままならず、強引な老朽原発の延命に頼らざるを得ないのが実情だ。
 
 3・11を境に原発は「安定供給」を支える電源とは言えなくなっている。
 
 一方、世界を見渡せば、脱炭素の主役は再エネだ。国際エネルギー機関(IEA)は、30年には新規発電設備の8割を再エネが占めるとの見通しを示す。
 
 日本の海岸線の長さは約3万5千キロメートルと世界第6位。洋上風力発電の適地は多い。地熱の推定埋蔵量は、米国、インドネシアに続く第3位。それだけで原発23基分の潜在力があるという。
 
 風力、太陽光の資源豊かな北海道、東北や九州の再エネ電力を本州の他地域へ送り込むための送電網の増強計画も進んでいる。電力融通が容易になれば、「再エネは不安定」とは言えなくなる。
 
 現行計画における再エネ比率は36~38%。次期計画ではより野心的に目標を引き上げて、政策資源を集中すべきだ。安全安心はもちろんのこと、化石燃料の輸入依存から脱却すれば、いたずらな「国富」流出の防止策にもなる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年06月03日  07:36:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:エネルギー戦略の改定 将来に責任果たす議論を

2024-05-20 02:05:50 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

《社説①》:エネルギー戦略の改定 将来に責任果たす議論を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:エネルギー戦略の改定 将来に責任果たす議論を

 2050年の脱炭素化に向けた取り組みを加速させつつ、電力の安定供給を確保する道筋を描かなければならない。

 政府が中長期のエネルギー戦略を示す「エネルギー基本計画」の改定作業に着手した。3年をめどに見直しており、今回は40年度の電源構成の目標を盛り込む。

岸田文雄政権は脱炭素化に向け原発活用の推進を打ち出すが、現実味は乏しい。地元の同意がハードルとなり、再稼働が難航する東京電力柏崎刈羽原発7号機=新潟県刈羽村で2023年11月、佐久間一輝撮影

 気候危機が深刻化する中、欧米は化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトを進める。欧州ではドイツなど電源に占める再エネの割合が5割を超える国も多い。

 日本は22年度の再エネの割合が2割強にとどまり、7割超を火力が占める。3割は温室効果ガスを多く排出する石炭火力だ。現行計画は30年度に再エネを36~38%に高め、火力を41%に抑える青写真を描くが、これでは不十分だ。 

 主要7カ国(G7)は排出削減措置が取られていない石炭火力の30年代前半までの廃止で合意した。日本も対応が迫られる。

 エネルギー安全保障の重要性も高まっている。ウクライナ危機をきっかけにロシアから西側への石油・天然ガス供給が停止され、中東産価格が高騰した。電力の安定供給を図るためにも脱化石燃料が急務である。

 新計画では、再エネの普及目標を大幅に引き上げ、火力の割合を可能な限り低減すべきだ。天候に発電量が左右される再エネの弱点を克服できるように技術革新を後押しするなど、あらゆる手立てを講じなければならない。

 政府は「脱炭素電源」として原発の活用を推進する。岸田文雄政権は昨年、東京電力福島第1原発事故以来の方針を覆し、運転期間延長や新増設解禁を打ち出した。

 だが、22年度の原発比率は6%と、30年度目標の20~22%にほど遠い。国民の不信感が根強く、再稼働は停滞している。安全対策費が膨らみ、もはや「安い電源」でもない。現実離れした原発活用策は脱炭素にもエネルギー安保にも貢献しない。

 現行計画は人口減少などで電力需要が減ると想定する。だが、人工知能(AI)普及などデジタル化の進展で需要増加が見込まれている。省エネの強化も不可欠だ。

 脱炭素社会の実現という将来への責任を果たすには、国民や企業に行動変革を促す戦略が必要だ。

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月20日  02:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:石炭火力の廃止 日本発の脱炭素技術を生かせ

2024-05-10 05:01:20 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【社説②】:石炭火力の廃止 日本発の脱炭素技術を生かせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:石炭火力の廃止 日本発の脱炭素技術を生かせ

 脱炭素に向け、二酸化炭素(CO2)を大量に排出する石炭火力発電所の廃止を求める潮流が国際的に強まっている。 

 日本は、新たな脱炭素技術を開発し、石炭火力への依存度を下げていきたい。

 先進7か国(G7)の気候・エネルギー・環境相会合は、CO2の排出削減対策を講じていない石炭火力発電所を、2035年までに廃止することで合意した。廃止期限を明示したのは初めてだ。

 日本では、十分な排出削減対策が取られている石炭火力は多くないとされる。対策は急務だ。

 昨年12月の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が採択した成果文書では、「この10年で化石燃料からの脱却を加速させる」と明記した。

 G7は今回さらに、化石燃料から脱却する道筋を明確にした。先進国として気候変動対策を主導する姿勢を示したと言える。地球温暖化が進む中、石炭火力の廃止を優先して進めることは重要だ。

 G7の合意は、電力の安定供給に支障が生じるなど各国の事情を考慮し、35年以降も石炭火力の稼働を継続できる余地も残した。

 日本は現在、石炭火力で電力の3割を賄っている。電力の安定供給を確保しながら、石炭火力から出るCO2を着実に減らしていく施策を講じるべきである。

 日本は、燃やしてもCO2が出ないアンモニアを石炭に混ぜて発電する技術の開発を急いでいる。40年代には、石炭を使わず、全燃料をアンモニアに置き換えることが視野に入っているという。

 また、発電所から出るCO2を回収して地中に閉じ込める「CCS」という技術を30年までに実用化することも目指している。

 そうした日本の取り組みに対し、欧米からは「石炭火力の温存につながる」との批判もある。

 だが、アジアの新興国など石炭火力に頼る国は多い。日本が新たな脱炭素技術を確立すれば、これらの国の経済発展と温暖化防止の双方に役立つはずだ。

 政府が、今年度、改定するエネルギー基本計画も焦点になる。

 21年作成の現行計画では、30年度時点の電源構成の目標として、電力の19%を石炭火力で賄う計画となっている。新たに示す35年度以降の電源構成で、その割合は、さらに下がるとみられている。

 代替電源として、太陽光や風力など再生可能エネルギーの拡充が必要になる。政府が、CO2を出さない原子力発電所の再稼働を強く後押しすることも不可欠だ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月09日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:エネルギー協調 インドの参加を市場安定化に

2024-03-04 05:01:30 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【社説②】:エネルギー協調 インドの参加を市場安定化に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:エネルギー協調 インドの参加を市場安定化に

  日米欧を中心にエネルギー消費国で構成する国際エネルギー機関(IEA)が、インドの新規加盟に向けて交渉を始めることになった。

 エネルギー市場の安定化や脱炭素に向け、先進国と新興国の協調を加速させたい。

 交渉開始は、2月に開かれたIEAの閣僚理事会で決まった。

 インドは石油消費量で世界3位だ。世界のエネルギー需要の中心は近年、先進国から新興国に移り、主に先進国でつくるIEAの影響力は低下している。インドがメンバーに入る意義は大きい。

 「グローバル・サウス」と呼ばれる新興・途上国の盟主を自任するインドは、国際機関での発言力を高める狙いがあるのだろう。

 IEAは第1次石油危機後の1974年に、石油消費国が協力して価格の安定を図るため、米国の提唱をきっかけに設けられた。

 経済協力開発機構(OECD)の下部組織で、昨年末時点で31か国が加入している。インドが参加すれば、アジアでは日本、韓国に次ぐ3か国目となる。

 IEAの加盟国は、石油輸入量の90日分を備蓄する義務がある。緊急時には、加盟国が協調して備蓄を放出する。ロシアのウクライナ侵略で原油価格が暴騰した2022年には、連携して放出を行い、価格の抑制に取り組んだ。

 インドが加われば協調放出の有効性が増し、加盟国のエネルギー安全保障の強化につながろう。

 新興国を巻き込み、世界の脱炭素を進める効果も期待できる。

 IEAは昨年、30年までに太陽光発電などの再生可能エネルギーを、世界全体で現在の3倍に増やすとの目標を打ち出したが、温暖化対策に実効性を持たせるには、新興国との連携が不可欠だ。

 インドは石炭火力発電に依存している。IEAに入れば、先進国から再生可能エネルギーの技術協力も得やすくなるはずだ。

 インドの加入を機に、他の新興国も国際ルール作りに参画し、責任を持って脱炭素に取り組む機運を高めることが望まれる。

 日米仏などは既にインドの参加を支持すると表明しているが、実際の交渉には課題も残る。

 インドの石油備蓄量は現在、10日分に満たず、加盟に際し90日分に積み増すことが求められる。また、IEA参加はOECDへの加入が条件となっているが、インドは加入を希望していないとされ、要件の見直しも必要となる。

 関係国で協議を重ね、早期に一致点を見いだしてもらいたい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年03月02日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:次世代太陽電池 日本発の技術で脱炭素加速を

2024-02-03 05:01:40 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【社説②】:次世代太陽電池 日本発の技術で脱炭素加速を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:次世代太陽電池 日本発の技術で脱炭素加速を

 脱炭素に向け、日本発の技術による次世代太陽電池への関心が高まっている。世界の開発競争が激しさを増す中で、日本は技術の優位性を生かし事業化を急ぐべきだ。

 次世代太陽電池は「ペロブスカイト太陽電池」と呼ばれる。ペロブスカイトとは、特殊な結晶構造のことを指し、この構造を持つ化合物を液体に溶かしてフィルムなどに塗ることで製造する。

 現在の太陽光発電は、シリコンを使ったものが主流だが、シリコンは割れやすく、強化ガラスで保護する必要がある。

 ペロブスカイト型はシート状に加工できるため、軽いほか、折り曲げられるのが特徴だ。

 ビルの壁面や窓、電気自動車(EV)の屋根などに貼ることができる。室内の弱い光でも発電が可能で、スマートフォンやIT機器への搭載も想定されている。

 桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が世界に先駆けて開発し、2009年に論文を発表した。世界の脱炭素をリードする意味でも、日本が実用化で先頭に立ちたい。

 山間部が多い日本では、太陽光発電の適地が少ないが、ペロブスカイト型を使えば、設置場所を大幅に拡大することができる。

 主原料となるヨウ素は殺菌剤などに広く使われ、日本が世界2位の生産量を持つ。資源を輸入に頼る日本にとって、エネルギー安全保障の点からも重要性が高い。

 発電技術そのものは既に確立しており、大量生産のための製造技術の向上が今後の課題だ。

 政府は25年の実用化を目指している。これまでに500億円規模の資金を確保し、企業の量産技術の研究開発を後押ししてきた。

 国内では、積水化学工業が自社施設の外壁に設置して、量産化に向けた実証実験を始めたほか、パナソニックホールディングスや東芝、化学メーカーのカネカなどが事業化に取り組んでいる。

 日本は、ペロブスカイト型の基礎的な研究では世界をリードしてきた。しかし、事業化のための量産では、猛追する中国や欧州勢に先行されたといい、日本も生産体制の整備が急務だ。

 シリコン型の太陽電池でも、日本はかつて世界シェア(占有率)の過半を占めたが、その後、中国企業に価格競争で敗れ、撤退する企業が相次いだ。今では世界の生産能力の8割超を中国が握る。

 日本発のペロブスカイト型で、同じ てつ を踏んではならない。国の重点的な支援に加え、関連企業の連携強化も必要ではないか。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月03日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2023.05.12】:田川市・バイオマス発電所建設計画で南国殖産に新たな「虚偽」の疑い|書きかえられた計画書

2023-05-13 06:02:50 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【HUNTER2023.05.12】:田川市・バイオマス発電所建設計画で南国殖産に新たな「虚偽」の疑い|書きかえられた計画書

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.05.12】:田川市・バイオマス発電所建設計画で南国殖産に新たな「虚偽」の疑い|書きかえられた計画書 

 地元住民が反対運動を展開している「田川バイオマス発電所」の事業者である南国殖産(鹿児島県)が、事業認可を求めるため九州経済産業局に提出した書類に「宴会」を「住民説明会」と記載していた問題で、ハンターが新たな「虚偽」を示す証拠文書を入手した。

 ■「住民説明会」じつは「宴会」

 まず、バイオマス発電の推進を訴えた佐々木允県議会議員の議会質問が起点となる形で計画がスタートした「田川バイオマス発電所」に関するこれまでの経緯について、時系列表を再掲しておきたい。

  ハンターが最初に「虚偽」を指摘したのは、南国殖産が2020年3月31日に九州経済産業局に提出した発電所の申請書類に添付された『バイオマス燃料の調達及び使用計画書』の記載。同社はその中の『地域社会に対する対応』という項目に、「令和元年11月7日」に「近隣住民説明会」を開き、「地域住民」に「丁寧」に説明し「理解を得られた」と記していた。(*下の文書参照)

 ところが、「近隣住民説明会」は真っ赤なウソで、実際には田川市内の日本料理店に関係する3人の区長らを招いた「宴会」だったことが、ハンターの取材で判明。この事実を隠蔽するため、南国殖産と九州経済産業局は当初、グルになって該当箇所を黒塗り非開示にしていたことも露見する。

 ■九州経済産業局が「廃棄した」当初の計画書を入手

 南国殖産が虚偽の内容で国を騙した形だったが、ハンターは、『バイオマス燃料の調達及び使用計画書』の表紙部分に手書きされていた「林野庁差しかえ後」という文言に注目(*下、参照)。“差しかえ前”の計画書があるとみて九州経済産業局に確認した。

   公文書管理にうるさいご時世、まさか「捨てた」などということはあるまいと思っていたが、同局担当課の回答は「廃棄しました」。別の隠蔽が疑われたため、改めて林野庁に当該文書の開示請求を行なった。

 ハンターの開示請求書は林野庁から農林水産省に移送され、さらに九州経済産業局に再移送されるという異例の展開。その結果、平成30年12月20日に南国殖産が提出した計画書が開示された。下が、当初の計画書と、差しかえ後の計画書の表紙部分である。理由は判然としないが、年間に使用する木質チップの数量が、44,000トンから30,200トンへ大幅に減っているのがわかる。

   一番の相違点は、やはり『地域社会に対する対応』に記された内容だった。まず、下が差しかえ前のものである。

 「近隣住民説明会」はあくまでも“開催予定”。開催予定日は、平成31年(2019年)の2月となっている。問題は具体的な対応策で、その欄には「これまで地元の代表者に対しては事業内容の説明をし理解は得られている」とある。とんでもない作り話だ。

 「地元の代表者に対しては事業内容の説明をし理解は得られている」などという話は、時系列で考えてもあり得ない。佐々木県議が県議会でバイオマス推進を訴えたのが2018年の6月。南国殖産が田川市に事業計画を提案したのは翌年1月で、市民に発電所建設計画が伝わるのはその後のことなのだ。平成30年(2018年)の段階で事業計画の存在を知っていたのは、計画への協力を約束していたごく一部の関係者だけ。住民説明会に関する南国殖産の記載内容は、最初も差しかえ後も厳しく言えば「虚偽」で、都合のいい作り話に近い。

差しかえ後の計画書(*下、参照)を確認してみれば、2種類の計画書の記載内容の違いが歴然となる。

 二つの計画書を「初めて見た」という地元住民は、怒りを隠そうともせず、こう話す。

 「信じられません。平成30年の段階で、住民の代表が発電所建設に理解をしていたはずがないですから。地元の代表とは誰のことなのか、聞いてみたい。よくこんな嘘が書けますね。差しかえ後の文書にある住民説明会はただの宴会で、それも嘘。南国殖産とは、どんな会社なんでしょうか。私たち地元住民を愚弄するにもほどがあります。あと、田川市はこれまで『民間の事業だから』といってごまかしてきましたが、差しかえ前の文書には、南国と田川市が早い時期から定例会やら協議やらを続けてきたとあります。田川市も共犯でしょう。いったん発電所の建設を止めて、住民説明会からやり直すべきです」

 たしかに、2018年に提出された差しかえ前の計画書には、その他の特記事項として、「飯塚農林、田川市役所、発電所予定地一体の農地管理者、地区水利組合、筑豊地区木質バイオマス推進協議会の代表者、燃料調達事業者」らと「定例会及び協議」を行ってきたことが明記されている。しかし、令和2年(2020年)に提出された差しかえ後の計画書ではこうした説明が削除されており、田川市をはじめ計画を進めてきた関係機関を隠した形になっている。

 事業者が計画書に明記した「住民説明会」や「理解を得た」は、実態を伴わない出来事。南国殖産という会社の、福岡における社会的な信用が揺らいでいる。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・地元住民が反対運動を展開している「田川バイオマス発電所」の事業者である南国殖産(鹿児島県)が、事業認可を求めるため九州経済産業局に提出した書類に「宴会」を「住民説明会」と記載していた問題】  2023年05月12日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2023.04.04】:福岡県田川市・バイオマス発電所建設計画の闇(下) ■「近隣住民説明会」、じつは顔合わせ宴会

2023-05-13 06:02:40 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【HUNTER2023.04.04】:福岡県田川市・バイオマス発電所建設計画の闇(下) ■「近隣住民説明会」、じつは顔合わせ宴会

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.04.04】:福岡県田川市・バイオマス発電所建設計画の闇(下) ■「近隣住民説明会」、じつは顔合わせ宴会

 バイオマス発電の推進を訴えた佐々木允県議会議員の議会質問が起点となる形で計画がスタートした「田川バイオマス発電所」の事業認定までの過程で、環境に影響を与える可能性がある大型施設建設には必須となっている「事前の住民説明会」が、開かれていなかったことが明らかとなった。

 事業者である南国殖産(鹿児島県)側は、2019年11月7日に田川市内で「住民説明会」を開催したと国に報告していたが、これがとんだインチキ。実は、近隣3区の区長だけを田川市内の和食料理店に呼び出しての単なる「宴会」で、料理だけでなく酒まで振舞われていた。事業を所管する経済産業省九州経済産業局は、ハンターの開示請求に対し、この事実を隠蔽するため公表済みの文書を黒塗りにするという暴挙に出た可能性が高い。

 ■インチキ住民説明会を南国殖産と国が隠蔽

 下は、田川バイオマス発電の事業者である南国殖産側が、九州経済産業局に提出した「バイオマス燃料の調達及び使用計画書」の中の、『地域社会に対する対応』という項目があるページ(*赤い囲みはハンター編集部)。ハンターの情報公開請求に対して開示された同文書では、他の項目も含め、記載内容がすべて黒塗り非開示となっていた。

 これでは、近隣住民に対する説明が実施されたのかどうかが分からない。前述したように、環境への負荷が想定される施設建設において、住民説明会は不可欠となるべきステップ。九州経済産業局が、この部分を隠したことで、事業許可への疑念が生じる状況となったことは言うまでもない。

  事業の正当性が証明できる証拠を、わざわざ黒塗りにして疑いを招くという不可解な対応。怪しいと考え、田川市でバイオマス発電所建設計画に反対する地元住民に取材するなか、ハンターの記者は、関係者から渡された資料の中にとんでもないものを見つける。それが下のコピーだ。

 ハンターに開示された文書では黒塗りにされた説明会の記述が、隠すことなく開示されていた。こうしていったん開示された文書が、のちに非開示になるなど聞いたことがない。当然、九州経済産業局を追及した。

 説明を求めた記者に、当初「後にも先にも開示箇所は変わらない、国会議員が求めても同じものしか出さない」と断言していた九州経済産業局エネルギー対策課の金森優介課長補佐は、地元住民が2021年に入手していた上掲の文書を突き付けられしどろもどろに――(既報)。経産省側はその後、「開示請求があれば、その都度開示する内容を変える」と情報公開制度の根幹を揺らすような主張を持ち出し、組織を挙げての隠蔽に走っている。

 ■「近隣住民説明会」「理解を得られた」は真っ赤なウソ

 一昨年、地元住民に開示された問題の文書を、改めて確認しておきたい。「(6)地域社会に対する対応」には、次ように記されている。

説明年月日:令和元年11月7日(第一回)
説明方法:近隣住民説明会
地域住民の反応:煙や火災、騒音への懸念があったが、丁寧に説明を行い理解を得られた
対応策等:煙に関しては、蒸気以外の煙は排出しない仕様であることを説明。騒音には防音対策、粉塵には飛散防止の囲いや建屋等の建設等の建設、大型トラックの走行に関しては通学時間を避けるなどの対策を行う。
また、火災防止のためにチップヤードやボイラーの管理を厳格に行い、警報器や消化器の設置を行う。

 令和元年11月7日に「近隣住民説明会」が開かれ、「丁寧に説明を行い理解を得られた」とある。もっともらしく「対応策」とやらも記されているが、会合の実態はまるで違っており、記述内容は事実上の“でっち上げ”だったことが分かっている。この日の集まりは、関係者の“顔合わせ”を兼ねた「宴会」。住民説明会などではない。

 下は、宴会が開かれた田川市内の老舗日本料理店。南国殖産側の呼びかけに応じて地域から参加したのは、バイオマス発電所建設予定地周辺に位置する三つの自治会の区長3人と、計画推進の立場を鮮明にしていた2名の水利組合関係だけ。他の一般住民は誰ひとりいなかった。

 会合に参加したある区長によれば、案内された部屋に入ると、すでに宴会用の料理が並び酒の用意もあったという。南国殖産側から「今日は顔合わせ」という趣旨の発言があり、すぐに乾杯。事業内容を質そうとしても、南国殖産の計画に賛意を示していた地元関係者が「まあ、まあ」と遮ってビールを継ぎ足すという状況だった。「地元説明会なんて真っ赤なウソ。宴会を説明会と偽って許可の申請をしており、詐欺的な手法に怒りを覚える」――うまく利用された形の区長は、そう憤る。

 ■「住民説明会」非開示要請は南国殖産

 ハンターが田川のバイオマス発電事業の認定過程について九州経済産業局に情報公開請求をかけたのは昨年10月。同局エネルギー対策課は、「(認定)申請者の意見」を確認するとして開示決定期限を1カ月延長。実際に開示・非開示の決定がなされたのは12月15日だった。

 九州経済産業局がいう「申請者」は、南国殖産とその現地法人である田川バイオマスエネルギー。住民説明会の記述に関するハンターへの黒塗り非開示は、南国殖産側の意向に従ったものだった。経済産業省は、説明責任を放棄して、事業者の言いなりになったということだ。

 この点について南国殖産の担当者に確認を求めたところ、住民説明会の記述などについて「非開示」の意思表示をしたことを認めた上で、詳しい理由などについては「これ以上お話することはありません」として事実上の取材拒否。あやしい事業認定であることを、自ら白状した格好となっている。

 ■「政・官・業」癒着の構図

 経済産業省資源エネルギー庁が作成した「事業計画策定ガイドライン(バイオマス発電)」には、遵守事項として11項目が挙げられており、そのなかに「再生可能エネルギー発電事業に関する情報について、経済産業大臣に対して正確に伝えること」という一項がある。

 さらに、遵守事項に違反した場合については《本ガイドラインで遵守を求めている事項に違反した場合には、認定基準に適合しないとみなされ、再エネ特措法12条(指導・助言)、第13条(改善命令)、第15条(認定の取消し)に規定する装置が講じられることがある》と明記されている。

 南国殖産側が認可申請にあたって経産省に提出した「バイオマス燃料の調達及び使用計画書」の中の住民説明会に関する記述は、「宴会」を「説明会」にすり替えた虚偽の内容。遵守事項違反で、認定を取り消すべきケースだと言わざるを得ない。田川市民を愚弄する南国殖産側の姿勢だが、なぜか経産省は申請内容の瑕疵を認めようとせず、事案の隠蔽を貫く構えだ。

 バイオマス発電を推進すべきと議会で主張した政治家。その政治家と発電事業者の代理人となった弁護士の親密な関係。事業認定を行う経産省の、「住民説明会」を巡る隠蔽工作――。政・官・業による癒着の構図が、そこにある。「闇」は深い。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・バイオマス発電の推進を訴えた佐々木允県議会議員の議会質問が起点となる形で計画がスタートした「田川バイオマス発電所」の事業認定の問題】  2023年04月04日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2023.03.31】:福岡県田川市・バイオマス発電所建設計画の闇(中)|推進派県議と事業者側代理人の親密な関係

2023-05-13 06:02:30 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【HUNTER2023.03.31】:福岡県田川市・バイオマス発電所建設計画の闇(中)|推進派県議と事業者側代理人の親密な関係

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.03.31】:福岡県田川市・バイオマス発電所建設計画の闇(中)|推進派県議と事業者側代理人の親密な関係 

 福岡県議会の佐々木允議員(田川市選出)が、議会でバイオマス発電の推進を訴えたのが2018年6月15日。小川洋知事(当時)から前向きの答弁を引き出したことが大きく影響したのか、その半年後、佐々木氏の地元・田川市でバイオマス発所所の建設計画が唐突に持ち上がる。地元住民にとっては寝耳に水の話だったが、何の説明もないまま、市を巻き込んかたちで実現に向けた動きが顕在化する。

 地元の実力者や行政を後ろ盾にしたプロジェクトの大半がそうであるように、田川市のバイオマス発電所建設計画も、反対意見を黙殺して急展開していく。しかし、その裏には、計画を推し進めた佐々木氏と、事業者である南国殖産(鹿児島県)側の代理人弁護士との特別な関係があったことが、ハンターの取材で明らかとなった。

 ■県議会質問後、急展開したバイオマス発電所建設計画

 まず、佐々木氏の県議会質問で始まったバイオマス発電所建設計画を巡る動きを、再確認しておきたい。

  南国殖産が田川市に「木質バイオマス発電所設置事業計画」を提案したのが2019年1月25日。信じられないことに、その5日後の1月30日には二場公人田川市長が「農山漁村再生エネルギー法に基づく協議会」の設置に同意して事実上のゴーサインを出し、2月5日には一連の経緯を議会報告した上で、その日のうちに南国殖産との間で事業推進を前提とする協定書を締結していた。事前にシナリオが出来上がっていたとしか思えないスピードで、事が運んだということだ。

 こうした流れを受けた南国殖産は同年4月、現地法人である「田川バイオマスエネルギー株式会社」を設立。2020年3月31日には、南国殖産側が九州経済産業局に「田川バイオマス発電所」の申請書を提出する。手続きだけが順調に進んだ形だが、この間、発電所が建設される地域の周辺住民たちには、何の説明もなかったという。

 地元同意がないまま計画を進めたことで住民の反発を受けた南国殖産側は、工事着工後の2021年になってようやく正式な事業説明会を開催する。説明会は2021年11月と12月の2回。工事着工後の事業説明会など何の意味もなく、毎回、怒号が飛び交う大荒れの会合となったのは言うまでもない。

 1回目の混乱に危機感を抱いたのか、12月7日の説明会には、南国殖産が設立した田川バイオマスエネルギーの代理人として一人の弁護士(本稿では「A弁護士」とする)が登場する。

 問題は、このA弁護士と、田川市でバイオマス発電所の建設を推進してきた佐々木県議の関係だ。実は、二人が「友人」であることを佐々木県議自身がSNSに投稿していた。下が、現在は削除されている投稿画面(読者提供)である。(*赤い書き込みはハンター編集部)

 佐々木氏とA弁護士は、ただの友人というわけではない。A弁護士は、佐々木氏の兄が代表の福祉関連企業で、2021年春まで佐々木氏の妻や母と並んで役員を務めていたのだ。同社は田川市などでデイサービスや有料老人ホームを運営しており、ホームページでは現在もA弁護士を社外アドバイザーとして紹介している。

 佐々木氏とA弁護士は、かなり親密な関係にあったということ。「請託」や「便宜供与」を疑われてもおかしくない構図だろう。田川バイオマスで重要な役割を果たしてきた登場人物の関係が、事業に疑念を生じさせている要因の一つとなっている。

 ■経産省が隠蔽するバイオマス「説明会」の記述

 そして、こうした疑念を増幅させているのが、南国殖産と田川バイオマスエネルギーが九州経済産業局に提出した「再生可能エネルギー発電事業計画認定申請書」に添付された『バイオマス燃料の調達及び使用計画書」の存在だ(*下の画像参照)。

 田川市のバイオマス発電事業を所管する九州経済産業局は、ハンターの情報公開請求に対し、この使用計画書の中の「地域社会に対する対応」という項目を全面黒塗りにした。しかし、一昨年秋頃に田川市民から出された開示請求に対しては、どこも隠すことなく公開していたことが明らかになっている。“隠蔽”されたのは、この事業申請に不可欠であるはずの「近隣住民説明会」についての記述だった。(以下、次稿)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・福岡県議会の佐々木允議員(田川市選出)・2018年6月15日、議会でバイオマス発電の推進を訴え、小川洋知事(当時)から前向きの答弁を引き出したこと問題】  2023年03月31日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2023.03.23】:福岡県田川市・バイオマス発電所建設計画の闇(上)|発端となった県議会質問

2023-05-13 06:02:20 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【HUNTER2023.03.23】:福岡県田川市・バイオマス発電所建設計画の闇(上)|発端となった県議会質問

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.03.23】:福岡県田川市・バイオマス発電所建設計画の闇(上)|発端となった県議会質問 

 2018年6月15日の福岡県議会定例会。ある県会議員がバイオマス発電の促進を訴える質問を行い、小川洋知事(当時)から前向きの答弁を引き出していた。

 その県議会質問が起点になる形で、住民から激しい反対運動が起きることになるバイオマス発電の建設計画が急速に進むことになる。本サイトで今月1日に報じた経済産業省九州経済産業局による公文書の隠蔽(既報)は、そのバイオマス発電所建設計画の『瑕疵』が露見することを恐れた関係者の意向によるものだったとみられている。

 ■県議会質問後、急浮上したバイオマス発電所建設計画

 問題の議会質問を行ったのは、昨年、選挙区である田川市内に大量の違法ポスター(*下の写真)を大掲示していたことでハンターの追及を受けた佐々木允県議会議員。バイオマス発電の推進を訴えた同氏の質問内容を、県議会議事録から抜粋した。

まず、再生可能エネルギーの普及促進について知事にお伺いをいたします。我が国では、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故を契機として、国民生活や経済活動の基盤であるエネルギー、とりわけ再生可能エネルギーの普及促進が進められています。2012年7月からは再生可能エネルギー固定価格買い取り制度が導入をされ、太陽光、風力、中小水力、地熱などを用いた発電施設の導入が進んでいます。また、先日発表された国のエネルギー基本計画改定案では、再生可能エネルギーを主力電力化することを目指しています。

本県では、安定的なエネルギー、電力需給を確保し、産業の活性化や雇用の確保を図るため、2013年2月に福岡県地域エネルギー政策研究会を設置し、県に対して、新たなエネルギー社会を先導して実現するための課題や取り組みをまとめた報告書を2015年3月に提出し、この提言を県は指針に置きかえています。

そこで一点目に、再生可能エネルギーを主力電力化していくという国の新しい方針案について、知事としてどのように認識しているのかお聞きをいたします。

二点目に、県指針から三年経過しましたが、これまでの県指針の進捗状況についてお示しください。
この指針の推進機関として小川知事は、自身を本部長とする福岡県エネルギー政策推進本部を設置しています。しかし、その推進本部については、これまで4回会議を行ったのみで、2017年5月を最後に1年以上開催されず、最近では6月4日に開催されたということです。また、県民生活にも直接かかわりのある分野であることから、広く情報公開をすべき分野にもかかわらず、第一回の本部会議の様子はホームページに記載があるものの、その後はその記載すら行われず、エネルギー関連施策がどのように進んでいくのか、県民には十分な情報発信ができていない状況です。

そこで三点目に、この推進本部の位置づけを改めてお聞きするとともに、果たして3年間4回の会議で、推進本部としてどのような成果があったのか具体的にお示しください。また今後、推進本部の活性化と情報発信について、知事としてどのように取り組まれていくのかお聞きをしたいと思います。

県指針では、再生可能エネルギーの今後の現状について、太陽光発電に偏重した現状を改め、多様な再生可能エネルギーの導入を進めることが必要であると述べています。一方、2016年度末における本県の再生可能エネルギーの設備容量のうち、太陽光発電の割合は約92%となっており、依然、太陽光発電に偏りを見せているのが現状であります。

そこで四点目に、本県における太陽光以外の再生可能エネルギーの普及の必要性について知事はどのように認識しているのかお聞きするとともに、県指針に基づき、太陽光発電以外の再生可能エネルギー推進のため、県として今後どのような取り組みを行っていくのかお答えをください。

本年3月に行われた地域エネルギー政策研究会の検討課題として、地域資源を活用したバイオマス利活用の拡大を実現するための地方の取り組みとして、特に地域の未利用間伐材を利用したバイオマス利活用事業の可能性について討議がされている状況です。現在、本県の未利用間伐材を使ったバイオマス発電所はありませんが、未利用材は1年間に約39万二2千トン発生しており、国のエネルギー基本計画改定案にも、地域に密着したエネルギーとして長期安定的な電源の一翼を担う存在として期待がされています。

そこで五点目に、現在の本県の未利用材の利用量の状況についてお聞きします。その上で、未利用間伐材などバイオマス利活用を県内で行っていく必要性について、知事としてどのように認識しているのかお聞きします。

2009年に策定されたバイオマス活用推進基本法に基づき、2010年、国としてバイオマス活用推進基本計画が策定されました。その中で、都道府県にもバイオマス活用推進計画の策定を求めており、当初2年後の2020年度までの策定を求めていました。しかし、2020年度までに全都道府県での策定が困難であることから、2025年までに全都道府県での策定達成に改められたところであります。現在、18の道府県で策定されているものの、本県は未策定となっていますが、バイオマスを取り巻く社会情勢の変化に的確に対応するためにも、また全都道府県での計画策定を国も求めていることからも、計画策定は急務であると考えます。

六点目に、計画の策定の必要性について知事の認識をお示しください。その上で、県バイオマス活用推進計画策定に向けた取り組みについてもお聞きします。

本県は、私の地元田川市を初め県内各地に産炭地を抱え、日本の近代化と経済発展を石炭というエネルギーで支えた地域であります。ぜひ、再生可能エネルギーという新しいエネルギーにより光を当て、エネルギー立県として大きく飛躍することを期待し、この項を終わります。

 質問に対する小川洋知事(当時)の答弁は、「木質バイオマスを県内で利用することは、間伐材の有効活用はもとよりのこと、雇用の創出などによる地域の活性化にもつながってまいりますことから、引き続きその利用の拡大に向け、しっかり取り組みを進めてまいります」というもの。バイオマス発電の促進に向けて、佐々木氏が県の前向きな姿勢を引き出した格好となっていた。

バイオマス活用推進計画の策定について知事は、国が示しているバイオマスの種類について、各計画に基づき、その利用を進めていると述べられています。しかし、現在、本県で数値目標を定めているのは、このうちわずか3項目だけであります。一方、国の計画には9項目挙げられており、また国が都道府県向けに作成したマニュアルには15項目の数値目標が定められています。また、ことし3月に行われた福岡県地域エネルギー政策研究会で農林水産省からは、全都道府県による計画策定を目標としていることが述べられたばかりであります。しかも、この計画は本来あと2年後の2020年度までに策定が求められ、農水省は6年前の2012年9月には詳細な中身を示した策定のためのマニュアルまで準備をしている状況です。そして、まさに先ほど知事は、地域の特性を生かした多様なエネルギーのさらなる普及、拡大に取り組んでまいるとも述べています。

バイオマスに関しては、その原料、電力、熱、いずれも数値化しやすい分野であります。未利用材の県内発生量に関して、県内での利用率、利用量は、率にしてわずか6.6%であることも今回明らかとなりました。数値目標があるかないかで、その施策の進捗に大きな差があることは知事も十分認識されていることと思います。改めて、バイオマス推進計画について、その策定に向けた検討を早急に行っていただくよう強く要望して、一般質問を終わります。

 この質疑の翌年(平成31年=2019年)、田川市においてバイオマス発電所の建設計画が突然浮上。あっという間に発電所建設が決まり、地元住民の意向を無視して計画が進むことになる。詳細は今後の配信記事で明らかにしていくが、いかに急な動きだったかを理解いただくため、一連の流れをまとめた。

  政治家の熱心な再生エネ推進論が、田川市に大手企業の進出を実現させた格好だ。しかし、佐々木氏の議会質問が、田川市においてバイオマス発電事業を進めようとしていた南国殖産という企業にとってプラスに作用したのは疑う余地がない。事実、佐々木県議は住民を置き去りにしたこの計画が進む過程で、南国殖産側に立った動きをすることになる。(以下、次稿)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・2018年6月15日の福岡県議会定例会。ある県会議員がバイオマス発電の促進を訴える質問を行い、小川洋知事(当時)から前向きの答弁】  2023年03月23日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2023.03.01】:経済産業省がバイオマス発電絡みで公文書隠蔽|開示済みの箇所、一転黒塗り

2023-05-13 06:02:10 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【HUNTER2023.03.01】:経済産業省がバイオマス発電絡みで公文書隠蔽|開示済みの箇所、一転黒塗り

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.03.01】:経済産業省がバイオマス発電絡みで公文書隠蔽|開示済みの箇所、一転黒塗り

 ハンターの情報公開請求を受けて開示した文書の対面説明を拒否した経済産業省九州経済産業局が、記者の抗議後に態度を一変させ対面での説明に応じた。

 ハンターが対面でのやり取りにこだわったのには理由がある。実は、ある事業に関する情報開示で、九州経済産業局が恣意的運用に走り、同じ文書の黒塗り個所を、相手によって変えていることが分かっていたからだ。つまりは「隠蔽」。国の情報公開法の趣旨を無視した、極めてタチの悪い所業である。以下、悪行露見の顛末。

 ■エネルギー対策課・課長補佐との一問一答

――ここに事業者が提出した「バイオマス燃料の調達及び使用計画書」がある。鉛筆書きか何かで「林野庁差しかえ後」と書いてあるが?(*下の画像参照
課長補佐:ああ、ありますね。

――差しかえ前のものがあるのか?
課長補佐:差しかえ前のものは、もう保管せず廃棄しております。

――廃棄した?
課長補佐:はい。申請のときに、あのー、事業者さんと、あのー提出された文書のやり取りをいたしますけども。はい。あのー、なんか間違いなどが、えー見つかった場合は、えー、事業者さんとお話して、えー返送、もしくは、はい、こちらでの、シュレッダー廃棄ですね。という形で進めております。

――廃棄ね。
課長補佐:はい。

――なるほど。ところで、何か所も黒塗りがある。(*下の画像参照
課長補佐:はい。

――非開示理由がたくさんあった。
課長補佐:あー、はい。

――この事業のガイドラインを見たが、申請書と使用計画書でワンセットということで間違いないか?
課長補佐:そうですね。

――使用計画書がなかったら、許可も出ないと?
課長補佐:そうなりすね。

――使用計画書は全開示できないのか?
課長補佐:そうですね。あのー、我々も、そうですね。

――国会議員が(資料請求を)やってもだめか?
課長補佐:あの、事業者さんのあくまでも、そのー、不利益につながる情報ということで。あの、情報公開法で、あのー、定められている。

――国会議員さんが、国会で請求してもこの黒塗りで出てくると?
課長補佐:同じになります。

――誰に対しても同じ?
課長補佐:はい。そうでないと法律上……。

――これまでも、これからもそういうことか?
課長補佐:はい。なので、あの……。

――今まで請求はなかったのか?あったとして、その時も黒塗りは黒塗りだったと?
課長補佐:黒塗りは黒塗りです。

――変更なしということでいいか?
課長補佐:そうですね。

――たしかに、あっちには開示、こっちには黒塗りというわけにはいかない。
課長補佐:そういうことがあってはいけません。

――それで、この使用計画書の中で、「地域社会に対す対応」という項目がある。ここも黒塗りになっているが?(*下の画像参照。赤い囲みはハンター編集部

課長補佐:はい。

――この部分を開示するつもりはないか?
課長補佐:そうですね、ここはもう調整状況ということで。

――国会で請求されても黒塗りか?
課長補佐:同じになります。

――住民説明会は許認可の必須条件か?
課長補佐:……。

――どうなのか?
課長補佐:ええと……、まあガイドライン上定めているものですね。あのー、努力義務という形でなっております。

――努力義務?なくてもいい?
課長補佐:なくてもいいというわけではなく……。もう様式で、あの、もうこれ我々、あのー、ホームページで、こういう様式で、ええと、これは計画書……。

――この使用計画書の中に虚偽が見つかった場合はどうなるのか?
課長補佐:虚偽?

――つまり、嘘。
課長補佐:嘘というのは?

――ガイドラインには、内容に不備があった場合は許可の取り消しに繋がりかねない、と書いてある?間違いないか。
課長補佐:あのー、パンフレットにもですね、こちらにお示ししている……。そうですね。

――だから、正確に提供しなさいと。遵守事項としてはあると。
課長補佐:そうですね。はい。

――だから、正確にしていなかった、つまり虚偽だった場合どうなるのか?そこで、改めて聞くが黒塗りは黒塗りのままか?
課長補佐:はい。

――後にも先にも開示しないということでいいか?
課長補佐:おっしゃる通りで。

――では、ここからが本番。これは何か?(*下の画像参照)
課長補佐:それは……。

――これは何か?
課長補佐:……。

――これは、そちらがかつて開示した文書だそうだが?
課長補佐:……はい、えっと、いつ、出したもの……?

――去年の秋。
課長補佐:去年は……。

――いつのことであろうが、後にも先にも開示箇所は変わらない、国会議員が求めても同じものしか出さないと言ったが、これは何か?
課長補佐:……。

――住民説明会。元年11月。これを隠してなんの意味があるのか?
課長補佐:……。

――なんでうちには黒塗りなのかと聞いている。あなたがさっき言ったこと全然違う。
課長補佐:……ええと、これは……。

――後にも先にも、黒塗りだと。今までも黒塗りと。これから先も黒塗りだと言った。(隣に座る別の課長補佐に)あなた、聞いていたか?
同席者:聞いてました。

――どう責任とるのか?虚偽の説明について。
課長補佐:あの……、ええと、開示、開示部分については、開示不開示の判断については、その都度その都度……。

――その都度じゃないだろう。さっき聞いたばっかりじゃないか。
課長補佐:判断しておりまして。どこを隠して、どこを開示するかというのは。

――モリカケ問題の二の舞だ。同じことをやってる。南スーダンの日報の件、覚えているか?ないと言ったものが出た。同じだ。いったん開示したものが、なんで黒塗りになるのか。こういうのを隠蔽という。
課長補佐:えっと、その都度その都度。

――その都度その都度変わったら、情報公開制度は成り立たない。駄目だ。
課長補佐:えっと…これですね、あの……。

――言い訳なら文書で。そちらの言い分は記事に載せる。うちは隠蔽と書く。こんなことが許されていいわけがない。その都度変わる?そんな馬鹿な情報公開どこにあるのか。だから最初に聞いた。「後にも先にも変わらないか」と。あなたは、「変わらない」と何度も言った。
課長補佐:はい。基本はそうです。

――基本ではない。大原則だ。
課長補佐:その都度その都度、あのー。

――なんでうちには黒塗りなのか?
課長補佐:事業者さんとのやり取りの中で、ここは、えー、事業者さんの不利益に繋がるという理由書。

――では、なんでその前は開示したのか?
課長補佐:そのときは、すみません。そのときのちょっと理由書を確認いたします。

――いやいや、それは駄目。
課長補佐:あのー、開示できるという理由になってんだと思います。

――さっき言ったことと全く違うことを言っている。国の情報公開の中身がその都度コロコロ変わるのか?あり得ない。
課長補佐:……。

――モリカケ、南スーダンと一緒のことじゃないか。
課長補佐:……。

――あなたは先日、文書を紙でお出ししているだけ、説明責任はないとハッキリおっしゃったが?
課長補佐:説明責任はないとまでは申しておりません。

――おっしゃってます!記録を読みますよ。“出された文書の説明責任はないんですか?”――「えーございません。そこまではいたしておりません」。これ、あなただ。
課長補佐:……。それは本省のほうにも私も確認しております。

――「内容によります」という話か?
課長補佐:はい。内容によります。答えられる部分と、答えられない部分が……。情報公開法では、あのー、文書の開示の際には、内容の説明までは定められておりません。

――そう言っていればいい。経済産業省は説明責任を放棄し、隠蔽したということになる。あなた、業者からカネでも貰っているのではないか?

(*このやり取りの際、ハンターの記者は開示済み文書の時期を「昨年」としていたが、再確認したところ「1昨年」が正解。ただし本稿では、そのまま「昨年」とした)

 いかなる場合でも「黒塗り=非開示部分」を変えることはないと断言していた課長補佐の言葉は真っ赤な嘘だった。国会で請求されても黒塗りは黒塗りと言っておきながら、かつて自分たちが全面的に開示した同じ文書を提示されたとたん、しどろもどろに――。ついには、開示請求があれば、その都度開示内容を変えると言い出した。経済産業省の情報公開には、信頼性が担保されていない。

 この数日後、問題の課長補佐は「本省も同じ見解である」と連絡してきた。毎度のことながら、役所を挙げての隠蔽が始まったと考えるしかない。

 こうした経産省側の姿勢について、国や地方自治体の情報公開制度に詳しい市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事は、次のように話している。
「対面での説明を拒否するとか、請求ごとに開示内容を変えたりするなどという話は、聞いたことがない。国の情報公開法は、国民への説明責任を果たすという基本理念に基づき制定されたものだ。請求者によって開示される内容が違うということになれば、法や制度の根本が揺らぐ。これでは説明責任を果たしていると言えない。経済産業省が、普段から対面での説明を拒否したり、請求ごとに開示内容を変えているというのであれば、基本理念を無視した暴走だと言わざるを得ない。何かを隠していると思われてもおかしくない」

 経済産業省が隠蔽に走った文書は、福岡県内の自治体で整備が進められているバイオマス発電所の申請文書に添付されたものだ。その自治体とは、疑惑まみれの業者選定などが問題となっている田川市。二場公文市長と特定の企業・市議らとの癒着が疑われる状況について、これまで度々報じてきた“腐った自治体”である。この事業について取材を進める中、案の定、ある政治家が重要な役割を果たしていたことが明らかとなる。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【行政ニュース・・経済産業省九州経済産業局が、開示された文書の対面説明を拒否】  2023年03月01日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:新興国の脱炭素 アジアで日本の技術を生かせ

2023-05-12 05:00:50 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【社説①】:新興国の脱炭素 アジアで日本の技術を生かせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:新興国の脱炭素 アジアで日本の技術を生かせ

 経済成長が続く東南アジアで温室効果ガスの排出を削減することは、世界全体の脱炭素のために欠かせない。関係の深い日本が、効果的な支援策を講じねばならない。 

 気候変動の国際的な枠組みである「パリ協定」は「産業革命前からの気温上昇を1・5度以内に抑える」との目標を掲げている。

 その達成のために、日本を含む多くの国は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指している。

 ただ、新興国には、これまで大量の二酸化炭素(CO2)を排出して成長してきた先進国への不満が根強い。先進国側が、資金や技術面で新興国の脱炭素を後押ししていくことが不可欠だ。

 その点で、日本としては、地理的に近く、経済的にも結びつきが強い東南アジア諸国連合(ASEAN)への支援が重要になる。

 ASEANでも、50年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げる国が多い。だが、経済成長に伴いASEANの電力需要は伸びる一方で、50年に今の3倍近くに増えるとの推計がある。

 ASEANも再生可能エネルギーの利用を図っているが、太陽光発電に適した平地の少ない国が多い。コストの安い石炭火力発電に頼らざるを得ないのが現状だ。

 欧米は石炭火力の早期廃止を主張しているが、東南アジアでは現実的とは言えない。

 期待されるのが日本の技術の活用だ。日本は石炭や天然ガスによる火力発電で、CO2を出さない水素やアンモニアを混ぜて燃やす技術の開発を進めている。CO2を回収して、地中に貯留する技術の実用化にも注力している。

 官民での協力が始まっており、三菱重工業はインドネシアの現地企業と、水素やアンモニアを混ぜる火力発電の導入を計画する。

 政府のエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、ベトナムの国営石油会社と、火力発電などで出たCO2を回収・貯留する事業の実現を目指すという。

 そうした動きを、欧米が「石炭火力の延命策だ」と批判しているのは残念だ。広島で19日に開幕する先進7か国首脳会議(G7サミット)でも温暖化対策が重要テーマとなる予定で、そうした場で論議を深めてもらいたい。

 日本は、ASEANの支援も含め自国の技術が脱炭素に有効だと丁寧に説明し、理解を求める必要がある。その上で、技術開発を加速して確実にCO2の排出を減らし、結果を出すしかない。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年05月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:ドイツ原発停止 電力巡る難題を解決できるか

2023-04-30 05:00:50 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【社説②】:ドイツ原発停止 電力巡る難題を解決できるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:ドイツ原発停止 電力巡る難題を解決できるか

 ドイツで稼働していた3基の原子力発電所が運転を停止し、「脱原発」が完了した。

 原子力発電は、電力の安定供給と地球温暖化防止の両方に役立つ。ロシアのウクライナ侵略によるエネルギー危機の中で、ドイツは脱原発に伴う課題を解決できるのか。

 ショルツ政権は当初、昨年末に全面停止する予定だったが、暖房用電力の 逼迫ひっぱく を懸念し、稼働を延長していた。冬が終わり、再延長は必要ないと判断したという。

 全原発の停止は、メルケル前政権が2011年に決めた。東京電力福島第一原発事故を受け、原発事故のリスクを重視する立場から決断したもので、これ以降、電力供給に占める原発の割合は約18%から段階的に減っていた。

 問題は、ドイツが脱原発を、ロシア産天然ガスの輸入拡大と一体となって進めてきたことだ。

 ロシアは、ウクライナ侵略に対する欧州の経済制裁に反発し、天然ガス輸出を大幅に減らした。ドイツでも電気代が高騰している。脱原発を決めた時点では、想定していなかった事態だろう。

 ショルツ政権は、ガスや石炭の火力発電の割合を減らし、風力や太陽光による再生可能エネルギーの比率を、現在の51%から30年に80%まで引き上げる計画だ。

 将来的には再生エネで全ての電源を賄うというが、再生エネが天候に左右される点や、蓄電技術の開発など、多くの課題が残されている。計画通りに転換が進むかどうかは未知数だ。

 ドイツで今春行われた複数の世論調査では、原発の運転継続を求める声が3分の2を占めた。多くの人々が電力供給に不安を抱いていることがうかがえる。

 ロシアのガスに依存するエネルギー戦略が破綻した後も、脱原発を貫徹したことが妥当かどうかは意見が分かれるところだろう。

 エネルギー調達での「脱ロシア」は、欧州共通の問題だ。ドイツ以外の国では逆に原発を、気候変動対策に役立ち、かつ安定供給が見込める電源として再評価し、安全性を高めたうえで活用しようという動きが強まっている。

 フィンランドでは4月中旬、欧州最大級の原発が本格稼働した。フランスやポーランドでも原発の新設計画が進められている。脱原発のドイツは少数派だ。

 欧州各国は送電網でつながり、電力不足の際は融通し合う仕組みがあることにも留意する必要がある。島国の日本で、ドイツの脱原発はモデルにはなり得ない。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年04月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政府】:脱炭素の「ゼロエミッション船」に安全指針、策定へ…製造コスト低減も狙う

2023-04-30 05:00:35 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

【政府】:脱炭素の「ゼロエミッション船」に安全指針、策定へ…製造コスト低減も狙う

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政府】:脱炭素の「ゼロエミッション船」に安全指針、策定へ…製造コスト低減も狙う

 政府は、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション船」の普及を見据え、アンモニアや水素などの燃料船に関する指針作りに乗り出す。2025年度以降の策定を目指す。事故防止のほか、機器の標準化による製造コストの低減も狙う。 

首相官邸
首相官邸
 

 国土交通省は昨年、海運の脱炭素に向けた官民協議会を設立させた。海運・造船各社と連携し、国際競争が進むアンモニアや水素が燃料の新型船開発に着手する。

 ただ、アンモニアや水素は国際的な安全基準がなく、既存燃料の重油と異なる課題がある。例えばアンモニアは燃焼時、CO2をしのぐ温室効果がある亜酸化窒素が発生する。抑制技術は一定程度確立しているが、さらに改善の余地がある。

 指針は、13年策定のLNG(液化天然ガス)燃料船に関する指針を参考に、船舶への燃料移送の作業手順や安全対策、燃料漏れの危険区域の設定などを明記する方向だ。夜間の燃料移送や荷役中・旅客乗降中の留意事項なども定める。

 同省は今年度、海外のアンモニア燃料船の調査を始める。耐久性の高い材質を調査し、船舶に使う機器の標準化も目指す。アンモニア燃料船は25年度、水素燃料船は26年度までにそれぞれ指針の策定を目指す。実用化に必要な実証運航の開始前に間に合わせるためだ。

 ■全国の知事・市長・町長・村長・特別区長へのアンケート

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション船」の普及を見据え、アンモニアや水素などの燃料船に関する指針作り】  2023年04月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:ドイツの脱原発完了 政治の意思が切り開いた

2023-04-30 02:04:50 | 【脱原発・脱炭素・再生エネ・天然ガス・地熱・メタンハイグレード・EV・水素社会】

《社説①》:ドイツの脱原発完了 政治の意思が切り開いた

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:ドイツの脱原発完了 政治の意思が切り開いた

 「脱原発」政策を掲げるドイツで、最後の原子炉3基が運転を終了した。2000年の決定以来、歴代の政権が取り組み、20年以上かけて実現させた。

 一貫していたのは「原発に依存し続けることはリスクが大き過ぎる」という共通認識である。

 発端は1986年、旧ソ連のチェルノブイリ原発で起きた事故だ。東西冷戦下、最前線の国として情報不足と被ばくの恐怖に直面した。原子力に懐疑的な世論を受け、社会民主党と「緑の党」の連立政権が脱原発にかじを切った。

 エネルギー転換も進めた。再生可能エネルギー推進のための法整備、再エネを一定の価格で買い取る制度によって電源の多様化を図った。電力自由化も後押しした。

 中道右派のメルケル政権は原発の運転期間を延長したが、11年に東京電力福島第1原発事故が起きると脱原発路線に回帰した。当時、メルケル首相は「福島が私の考えを変えた」と語り、22年末までの全廃を宣言した。

 ロシアのウクライナ侵攻に伴い、天然ガスの供給が途絶えたことで1年遅れたが、政治の意思と実行力で実現にこぎつけた。

 国民の受け止めは一様でない。世論調査では今回の停止に過半数が反対した。電力不足や光熱費高騰などへの不安が根強いためだ。

 それでも政府の方針が揺らがなかった背景には「核のごみ」の問題がある。最終処分場計画が13年に白紙となり、現在も未定だ。原発を動かし続ければ、将来世代に新たなツケを回すことになる。

 日本も福島の事故を受け「可能な限り原発依存度を低減する」とエネルギー基本計画でうたう。しかし岸田文雄政権は運転期間を延ばし、新増設さえ視野に入れるなど、原発回帰を鮮明にした。ドイツとは正反対だ。

 核燃料サイクル政策は破綻し、核のごみ処分もめどが立たない。にもかかわらず現実から目を背けている。再エネ促進も不十分だ。

 周辺国と電力を融通し合えるドイツと異なり、島国の日本にとって脱原発への道はより険しい。

 だからといって、できない言い訳を並べ立てるのは無責任だ。政治に求められるのは、ドイツの挑戦に学び、原発に依存しない社会への道筋を示すことである。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年04月29日  02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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