路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【天風録・12.21】:仮装とリレーで犯罪撲滅へ

2024-12-21 07:00:40 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【天風録・12.21】:仮装とリレーで犯罪撲滅へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・12.21】:仮装とリレーで犯罪撲滅へ

 仮装やリレーというと運動会の競技を思い浮かべるかもしれない。でもこれ、犯罪者を捕まえるために重要な取り組みである。北九州市のファストフード店で中学生の男女が殺傷された事件。容疑者の逮捕につながったのが「リレー捜査」だ

 ▲レジに並ぶ2人を、容疑者は十数秒間で刺して逃げた。警察は防犯カメラとドライブレコーダーの映像を百数十も収集。怪しい車を捉えた映像をつなぐリレー捜査で、行方を追った。容疑者の男を割り出し、捕らえた

 ▲塾帰りの女子生徒と同級生の男子。軽食とおしゃべりをして、勉強も頑張ろうとしていたのだろう。そこを突然、凶行が襲った。理由もなく、命を奪われ、傷つけられた2人。どれほど恐ろしく、無念だったろうか

 ▲昨年、殺人・強盗などの重要犯罪は前年より3割増えた。警察庁調査に治安が悪くなったと答えた人は約72%いた。最近は闇バイトによる強盗事件への不安が大きいはず。「仮装身分捜査」で、犯人を捕まえるという

 ▲架空の身分証で、捜査員が闇バイトに。雇われたふりでグループを一網打尽に―。「仮装」捜査や「監視」社会が広がる怖さもある。卑劣な犯罪撲滅へ、さらに知恵を絞らなくては。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2024年12月21日  07:00:00  これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。

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【社説・12.20】:仮装身分捜査/導入に向け課題の解決を

2024-12-20 06:00:50 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【社説・12.20】:仮装身分捜査/導入に向け課題の解決を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.20】:仮装身分捜査/導入に向け課題の解決を 

 首都圏などで相次ぐ闇バイトによる強盗事件を受け、捜査員に架空の身分証を使ってバイトに応募させ、摘発したり犯行を抑止したりする「仮装身分捜査」の導入を盛り込んだ緊急対策を政府がまとめた。来年早い時期の実施を目指す。

 仮装身分捜査は現場の要望を受け長年検討されてきたが、安易な適用を懸念する声は根強い。今後、都道府県警に示すガイドラインで歯止めとなるルールを明確にした上で、実効性のある運用を図るべきだ。

 一連の事件の実行役は若者が大半で、交流サイト(SNS)の「高収入」「ホワイト案件」との書き込みにつられて応募していた。参加を断ると運転免許証などの個人情報を基に「家に行くぞ」などと脅され、逮捕されるまで何度も加担させられる事例も目立つ。多くは報酬も支払われず、卑劣さは際立っている。

 仮装身分捜査では、架空の身分証を作成した上で捜査員が闇バイトに応募し、犯行グループとの接触を図る。実行役として現場に集められる過程で、他のメンバーを摘発する手法が想定され、募集を抑止する効果への期待もある。

 これまで違法薬物や銃器の捜査の一環で、捜査員が身分や目的を隠し密売などの犯行を促す「おとり捜査」が用いられてきた。これに対し、仮装身分捜査は事前抑止が目的で、若者らによる犯行の実行を食い止められる利点がある。

 導入に慎重だったのは、身分証の偽造が本来違法なためだ。一方、刑法は「正当な業務による行為は罰しない」と規定しており、警察庁は現行法下でも実施可能とみている。 

 国外では米国やドイツ、フランスなどが導入しているとされるが、他の犯罪捜査への安易な拡大は避けなければならない。適用を闇バイトに限る特別法を制定するなど、歯止めが欠かせない。摘発に踏み切るタイミングの判断や捜査員の安全確保など捜査上の課題もある。対策をきめ細かく練り上げてほしい。

 闇バイトによる犯行を元から断つには首謀者の摘発が必須だが、秘匿性の高いアプリで遠隔指示するため捜査は容易でない。

 緊急対策は、募集者の氏名や業務内容の記載がない求人情報を違法と明確化し、事業者に削除させるよう求めた。さらに、アプリに対する捜査環境の整備も不可欠だ。憲法が保障する通信の秘密に配慮しながら、通信データの照会を可能にする方策を追求してもらいたい。

 強盗罪の刑罰は5年以上の懲役、強盗殺人は無期懲役か死刑である。将来ある若者が意図せず凶悪犯罪に手を染めるような事態は早急に止めなければならない。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月20日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大阪府警】:派遣中の警察官が部下を殴るなどパワハラか 処分検討

2024-12-19 05:10:30 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【大阪府警】:派遣中の警察官が部下を殴るなどパワハラか 処分検討

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大阪府警】:派遣中の警察官が部下を殴るなどパワハラか 処分検討

 大分県で11月に開かれた「全国豊かな海づくり大会」に警備業務で派遣された大阪府警の警察官らが、出張中に部下を殴ったり服を脱がせたりしていたことが、警察関係者への取材で判明した。府警は指導の範囲を超えたパワーハラスメントにあたるとみて処分を検討している。

 海づくり大会は11月10日に開かれ、大規模警備が必要なことから大阪府警の警察官も派遣された。パワハラが疑われたり、被害に遭ったりしたとされる警察官は署で上司と部下の関係だった。

大阪府警本部

 関係者によると、府警旭署の30代巡査部長は大会開催の数日前、大分県内の宿泊先で部下の男性巡査を複数回殴ったという。巡査は上半身を打撲する軽いけがをした。

 この2人は応援派遣中、同じ部屋で寝泊まりしていた。巡査部長は、寝ようとしている時に巡査が同僚らと騒いだため、腹を立てて暴行に及んだという趣旨の説明をしているという。以前にも飲み会などで同じ巡査を殴った疑いもあるといい、府警は詳しい経緯を調べている。

 また、府警東淀川署の男性巡査が、宿泊施設で署の上司らから服を脱ぐよう指示されたり、蹴られたりしたとして府警が当時の状況を確認している。上司らが夜に部屋で飲酒している時に、巡査が呼び出されたという。

 海づくり大会は水産資源の保護などを呼びかける目的で開催され、今回で43回目。大分市と別府市を舞台に式典などが開かれ、天皇皇后両陛下も出席された。【二村祐士朗、林みづき】

 

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社会 【話題・大阪府警・大分県で11月に開かれた「全国豊かな海づくり大会」に警備業務で派遣された大阪府警の警察官らが、部下に、パワーハラスメント行為疑惑】  2024年12月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張②・12.19】:仮装身分捜査 闇バイト根絶の切り札に

2024-12-19 05:03:40 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【主張②・12.19】:仮装身分捜査 闇バイト根絶の切り札に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・12.19】:仮装身分捜査 闇バイト根絶の切り札に 

 闇バイトが絡む強盗などの事件への緊急対策が、犯罪対策閣僚会議で決定された。

 バイト募集者の氏名や業務内容などの記載がない求人を違法と明確化し、これを掲載するSNS事業者らに削除の徹底を求めた。アカウント開設時の本人確認も厳格化させる。

 目玉は「仮装身分捜査」の導入だ。架空の身分証を持つ捜査員が闇バイトに応募し、潜入捜査する新手法だ。通信アプリの匿名性に隠れる犯罪集団を摘発し壊滅すべく、期待したい。

犯罪対策閣僚会議で発言する石破首相

 闇バイト犯罪は、メンバーが固定しない「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」と呼ばれる集団が起こしている。犯罪を企てる上層部がSNSや求人サイトで実行犯を募り、強盗や特殊詐欺などを指示、強要する。メンバーは匿名性の高い通信アプリで結び付き、事件ごと人員が入れ替えられるため、組織や実態の解明が難しい。

 実行犯は逮捕できても、指示犯ら上位者に捜査が及んでいない。実行犯は上が誰かを知らず、連絡手段の通信アプリは解析が困難だからだ。この現状を打開するには潜入捜査が有効とみられ、警察は仮装身分捜査の導入を訴えていた。

 架空身分証の使用は形式上違法だが、捜査のための正当行為であるという法解釈が政府としてほぼ合意され、来年には本格実施されることになった。

 この手法は効果が見込まれる。犯罪組織が疑心を抱き、瓦解(がかい)する可能性も考えられる。

 一方で課題も残る。第一に、捜査員の安全確保だ。潜入中に捜査員であることが発覚し、本人や家族に危険が及ぶ事態は回避しなければならない。

 摘発タイミングの見極めも課題だ。捜査員は実行犯になりすまし組織に近づくが、犯行より早い時点で摘発すると、罪は軽くなりがちだ。既遂のぎりぎりまで待てば、被害者の危険が強まる。その判断とノウハウの練度を上げる必要がある。

 日本では初めての捜査手法である。政府は国民に説明し、理解を得る努力も必要だ。法的な安定性を確保するため、法制化の検討も今後の課題だろう。

 その上でこの手法をフルに生かしたい。捜査の有用な武器だ。末端だけでなく、首謀者を検挙してほしい。警察が一致して組織に立ち向かい、根絶することを国民が期待している。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年12月19日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・12.15】:仮装身分の捜査 闇バイト強盗の摘発に生かせ

2024-12-15 05:00:40 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【社説②・12.15】:仮装身分の捜査 闇バイト強盗の摘発に生かせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.15】:仮装身分の捜査 闇バイト強盗の摘発に生かせ

 「闇バイト」に応募した若者らによる強盗事件が相次ぎ、社会の不安が高まっている。警察は、様々な捜査手法を駆使して摘発してほしい。 

 その一環として、警察庁は、捜査員が架空の人物になりすまして闇バイトに応募する新たな捜査手法の導入を検討している。「仮装身分捜査」と呼ばれ、来年の実施を目指すという。

 犯行の手口は、まずSNS上で闇バイトを募り、応募者に運転免許証の画像を送らせた上、参加を断ると「危害を加える」などと脅して犯罪の実行に加担させる。

 新たな捜査手法では、捜査員が応募者を装い、偽の住所が記された免許証などを送信する。

 その後、強盗の実行役になりすまして犯行グループに接触を試みることが想定されている。民家に押し入る前に他の実行役らを逮捕できれば、事件を未然に防ぐことができるだろう。

 近年、SNSでつながって離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ」(トクリュウ)が暗躍している。闇バイトは、そのメンバー集めに利用されている。

 本紙のまとめでは、闇バイトによる強盗事件などは8月以降、6都道県で20件を超え、50人以上の男女が逮捕されている。その8割は20歳代以下の若者だ。

 捜査員による潜入捜査が奏功すれば、若者らが闇バイトに応募することをためらうようになる可能性がある。犯罪の抑止効果も大きいのではないか。

 闇バイトの応募者は、強盗の実行犯や逃走車の運転手、凶器の準備役など役割を分担している。

 犯行の指示役は秘匿性の高いアプリを使い、離れた場所から具体的な犯行の手順を命じる。そのため、実行役を逮捕しただけでは指示役にたどり着くのは難しい。

 捜査員が身元を偽る捜査の導入は初めてだ。入念に準備をし、指示役の特定を含め、犯行グループの全容解明につなげてほしい。

 仮装身分捜査に取り組むにあたり、捜査員の身の安全をどう守るかが課題になる。犯行グループとのやりとりの中で捜査員であることが発覚し、本人や家族に危険が及ぶことがあってはならない。

 いつ実行役の摘発に踏み切るかも検討が必要だ。犯行前の早い時点で摘発に踏み切れば、重い罪に問うことは難しい。一方、ぎりぎりの段階になれば、狙われた被害者の安全が脅かされかねない。

 どのように運用していくのか、詳細な指針を策定し、捜査員の研修を重ねることが重要だ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月15日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・11.25】:風化に抗い続ける未解決事件被害者家族 名古屋市西区主婦殺害事件

2024-12-10 08:01:40 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【大谷昭宏のフラッシュアップ・11.25】:風化に抗い続ける未解決事件被害者家族 名古屋市西区主婦殺害事件

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・11.25】:風化に抗い続ける未解決事件被害者家族 名古屋市西区主婦殺害事件

 名古屋市西区のマンションの一室。玄関のたたきには、変色しているが、靴底についた血の痕。食卓のコップも、壁のカレンダーも事件の日のままだ。

 1999年11月13日白昼、この部屋で高羽奈美子さん(当時32)が刃物で殺害された事件から25年がたった。

 遺体発見時、食卓の子ども用のイスで泣きもせず、ちょこんと座っていた当時2歳1カ月だった航平さんは、27歳になった。

 事件から15年の節目。2014年に、やはりこの主(あるじ)なき部屋で取材した夫の悟さん(68)は当時、このまま部屋を借り続けるか悩んでいたが、「血の痕をはじめ、手がかりは少しでも残しておきたい」と結局、そのまま借り続け、払った家賃は25年間で2188万円にのぼるという。

 部屋をそのままにする一方で、高羽さんは航平さんを育てながら前へ前へと歩む年月だった。「この子が大人になっていく中で懸命に犯人捜しをしている父の姿を見せたかった」。そしてもう1つ。「奈美子に限らず、犯罪被害者の死を決して無駄にしてはならないと思い続ける毎日でした」。 

 「悲しみと同時に生活もどん底に突き落とされた被害者への国の対応は、あまりに冷たい」「きちんと管理できればDNAはもっと捜査に有効に使えるはずだ」

 そうしたことを訴える日々に、うれしい出来事が飛び込んできた。航平さんがこの秋、結婚。お相手は奈美子さんのママ友の娘さん。0歳、1歳児同士で遊んでいた2人が、なんと高校の同じクラスで再会したのだ。

 「奈美子が結んでくれた縁なのに…」。高羽さんの声は未解決事件への重く悔しい思いをにじませていた。 

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「ニュース ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2024年11月25日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・12.08】:滋賀県警証拠放置 「公有財産」の意識徹底せねば

2024-12-08 16:00:30 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【社説①・12.08:滋賀県警証拠放置 「公有財産」の意識徹底せねば

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.08】:滋賀県警証拠放置 「公有財産」の意識徹底せねば

 客観的な証拠を重視する刑事司法の土台を崩し、捜査への不信を招きかねない。重大な不祥事と認識すべきだ。

 滋賀県警の7警察署で、3800点を超す大量の証拠品が、署の倉庫などに放置されていたことが明らかになった。 

 見つかった物品の約6割が何の事件の証拠か不明だった。残りは300件超の事件への関係が特定できたが、その9割超はすでに公訴時効を迎えていた。

 多くは窃盗や薬物事件で、県警は捜査に影響はなかったとしている。警察官による意図的な放置や隠蔽(いんぺい)はないとするが、証拠の中には40年超も前に押収したとみられるものもあった。

 放置は県内12署の過半に及び、ずさんな管理が常態化していたとみられても仕方ない。

 県警は謝罪し、押収品の所有者返還などを進めるという。

 本当に捜査に影響しなかったのか。組織に根付く問題はないのか。第三者も交え、点検と再発防止を進めるべきだ。

 押収した証拠品は、頻繁に出し入れする「短期保管」と、押収から一定の期間を経た「長期保管」に分けて管理簿に記録する決まりになっている。各署では月に一度、管理簿と保管庫の証拠品の一致点検も行う。

 ところが、放置証拠品はそもそも記録がされておらず、段ボールなどに入れられたまま保管庫外に残されていた。人事異動でも引き継がれていなかった。

 県警は2016年から、近江八幡署内に開設した「証拠品等管理センター」で長期保管する証拠品を一括管理する取り組みを進めていた。時効が近づくと、パソコンに警告が表示されるシステムも取り入れている。

 見つかった放置証拠は、こうした取り組みが始まる以前の押収品とみられる。

 だが、システムを機能させるのも個々の捜査員であり、押収したまま記録もせずに放置する体質が残っているなら、捜査への疑念が生じかねない。

 証拠品の管理はますます重要になっている。10年に刑法や刑事訴訟法が改正され、殺人など死刑になりうる罪の公訴時効が撤廃され、傷害致死罪なども延長された。

 捜査機関が保管する証拠品の数が増える上、DNA鑑定などの進歩に合わせ、より良好な状態で証拠を保存していくことも求められている。

 その一方で、捜査員が紛失してしまった証拠を捏造(ねつぞう)したり、捜査書類を勝手に廃棄してしまったりする不正が全国の警察で起きている。

 捜査機関には、証拠品は有罪立証のための資料だとの考えがいまだ根強く残っているとの指摘がある。過去の冤罪事件では、捜査当局の非公開資料が開示されて無罪につながっている。

 一つ一つの証拠が、真相解明を支える「公有財産」との意識を組織に徹底せねばならない。

 元稿:京都新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月08日  16:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【鹿児島県】:不祥事続きの県警、掲げた改革の旗は「新着情報」に埋もれ目立たず…新本部長「改善の余地ある」と公式HPの発信強化に意欲

2024-12-06 11:00:00 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【鹿児島県】:不祥事続きの県警、掲げた改革の旗は「新着情報」に埋もれ目立たず…新本部長「改善の余地ある」と公式HPの発信強化に意欲

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【鹿児島県】:不祥事続きの県警、掲げた改革の旗は「新着情報」に埋もれ目立たず…新本部長「改善の余地ある」と公式HPの発信強化に意欲 

 鹿児島県警で相次ぐ不祥事を巡り、岩瀬聡本部長は5日、ホームページによる公式見解や対応状況の情報発信について「改善の余地がある。しっかり対応する」との認識を明らかにした。宮崎、佐賀両県警が取り組んでいる、本部長の顔写真付きのあいさつ文掲載についても検討する考えを示した。
 鹿児島県警HPのトップページ
 鹿児島県警HPのトップページ

 同日の県議会一般質問で答えた。この中で、ホームページには再発防止対策や議会で配った一部資料が載せられているものの、説明が足りず、県民に伝わりにくいとの指摘があった。

 岩瀬本部長は同日までに、県警職員に対し「変化を恐れず新しいアイデアや発想に耳を傾け、これまでと異なる手法への挑戦を尊重することが大切だ」と指示したことも明らかにした。
 

 元稿:南日本新聞社 主要ニュース 社会 【事件・事故・地方自治体・鹿児島警察・相次ぐ不祥事】  2024年12月06日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・12.04】:容疑者の権利 道警は尊重を忘れるな

2024-12-04 04:03:40 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【社説②・12.04】:容疑者の権利 道警は尊重を忘れるな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.04】:容疑者の権利 道警は尊重を忘れるな

 勾留中の容疑者が取り調べの内容などを記す「被疑者ノート」を北海道警察が容疑者の手元から一時持ち去ったことに対し、札幌地裁が接見交通権と黙秘権の侵害に当たるとして北海道に賠償を命じた。
 
 接見交通権は、容疑者や被告が警察官などの立ち会いなく弁護士と接見できる権利を指す。
 黙秘権は、自己に不利益な供述を強要されない権利だ。
 いずれも憲法の手厚い人権保障規定に基づいており、捜査当局に対し立場の弱い容疑者を守る機能が期待されている。
 被疑者ノートは不当な取り調べが行われていないかどうかを弁護士が監視するために日弁連が作成しており、そうした権利擁護の一端を担っている。
 道警はその点を認識し直して反省し、同じことが繰り返されないよう徹底すべきだ。
 息子への監禁容疑で逮捕され、後に不起訴となった女性と当時の担当弁護士が持ち去りの違法性を訴えていた。
 道側は持ち去りについて、ノートの破損を修繕するためだったと主張した。
 地裁は判決で、被疑者ノートについて「容疑者と弁護人の面会時の意思疎通を補完する」と意義を認めた。
 その上で、修繕の必要性があまりみられなかったのに、持ち去られた時間が少なくとも15分間に及び、原告が内容を閲覧されていると危惧するのは当然だったとして「許容の限度を超えている」とした。
 弁護士とのやりとりを警察側に知られたと思うことで「原告の供述意思形成に萎縮効果が生じる」とも指摘し、接見交通権と黙秘権の両方を侵害していると結論付けた。
 容疑者の権利と弁護権を重んじた判断と言える。
 女性側は取調官から黙秘を非難され、人格を否定するような発言を受けたとも訴えていた。これについては判決は「任意の供述を促す範疇(はんちゅう)にとどまる」などとして退けた。
 ただ、法廷で公開された取り調べの映像には、取調官が「(黙秘権は)本当のことを言わなくていい権利でもない」などと執拗(しつよう)に迫る様子が記録されていた。捜査権の妥当な行使だったと済ませるには疑問も残る。
 警察が、人権よりも捜査を最優先にするような姿勢が冤罪(えんざい)の温床になることは、先に再審無罪が確定した袴田巌さんの例を挙げるまでもない。
 道警は、容疑者の権利を最大限尊重することが冤罪を防ぐことにつながると自覚してもらいたい。
 
 元稿:北海道新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月04日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【話題】:警察幹部の不祥事、全国で相次ぐ ■わいせつやパワハラ、情報漏えい

2024-12-03 07:50:30 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【話題】:警察幹部の不祥事、全国で相次ぐ ■わいせつやパワハラ、情報漏えい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【話題】:警察幹部の不祥事、全国で相次ぐ ■わいせつやパワハラ、情報漏えい 

 全国で警察幹部の不祥事が続出している。わいせつ行為や内部情報漏えいの疑いなどで刑事事件に発展したケースが相次いだほか、パワハラで更迭される事案も。識者は信頼回復へ「個人の問題に矮小化せず、組織全体で市民に見える改革をするべきだ」と指摘する。

 岡山県警では昨年11月、中国四国管区警察局に出向中の警視正(肩書は当時)が女性を脅し性交した疑いで逮捕。今年1月に交通部長の警視正が昇任試験問題案を部下に漏らした疑いで書類送検された。7月には組織犯罪対策1課長が女性に性的暴行を加えようとした疑いで逮捕された。岡山市の女子高校生(16)は「性犯罪を受けても警察に話せなくなる」と不安がる。

 鹿児島県警でも、前生活安全部長が5月、職務上の秘密を退職後に第三者に漏らした疑いで逮捕された。京都府警では10月、本部長が部下に「殺すぞ」と発言したパワハラで更迭。他にも群馬県警刑事部長が約17年にわたる不倫で7月、神奈川県警戸部署長は部下を叱責したとして8月にそれぞれ処分を受けた。 

 元稿:中國新聞社 主要ニュース 社会 【話題・全国で警察幹部の不祥事が続出している】  2024年12月03日  07:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・11.25】:【鹿児島県警の闇】:捜査記録不開示の「やり直し」、遅々として進まず

2024-11-26 12:20:30 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・11.25】:【鹿児島県警の闇】:捜査記録不開示の「やり直し」、遅々として進まず

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・11.25】:【鹿児島県警の闇】:捜査記録不開示の「やり直し」、遅々として進まず 

 鹿児島県警の情報開示請求への対応を県の第三者機関が審査していた問題(既報)で、当初の不開示決定(存否応答拒否決定)を取り消すべきとした同機関の答申を受け、県警を管理監督する県公安員会(石窪奈穂美委員長)が11月20日付で問題の拒否決定を撤回する裁決に到った。県警は改めて文書の開示・不開示の決定をやり直すことになるが、すでに審査請求(不服申し立て)から1年以上、もとの開示請求からは1年半以上の時間が過ぎており、警察官らの法令違反が適切に捜査されていたかどうかの問題は今なお検証不可能な状態が続いている。

              ◆   ◆   ◆

 既報の通り、筆者が鹿児島県警に開示を求めていたのは、同県警で記録された不祥事(懲戒処分、監督上の措置)のうち法令違反にあたるとみられる事案の捜査の記録(事件指揮簿など)。開示請求は昨年3月13日付で、これに県警が「存否応答拒否決定」を出したのがおよそ2カ月後の5月8日。当該文書が存在するかどうかを明かさずに開示を拒否するという対応に納得できなかった筆者は、さらに2カ月を経た7月23日、同決定を不服として県公安委に審査請求を申し立てた。公安委は8月9日付でこの件を県の第三者機関に諮問(意見伺い)、これを受けた県情報公開・個人情報保護審査会(野田健太郎会長、委員5人)は1年以上が過ぎた本年9月27日、筆者の不服申し立てを認めて県警の開示のやり直しを促す方針をまとめるに到る。1017日付で文書にまとめられた答申は、同22日までに当事者双方通知されたところだった。

 今回、県公安委が筆者と県警とに示した『裁決書』によれば、審査会答申後に公安委としての 結論を出したのは1120日のこと。同書には極めて簡潔な「主文」が記されてた。

 《処分庁が、審査請求人に対して行った本件処分を取り消す

 審査会は飽くまで諮問機関で、答申には法的拘束力がないが、公安委としてはこれに抵抗する合理的な理由を得られなかったとみられる。いわゆる個人情報と公安情報とを存否応答拒否の根拠とした県警の主張は誤っていたとし、審査会答申とほぼ同じ理屈で処分の取り消しを決めた形だこの裁決には拘束力があり、県警はこれに従わなくてはならない。ただ処分取り消しから改めて開示・不開示決定に到るまでの時期的な目安は明文化されておらず、県警の担当課によれば県の事務取扱要領には「すみやかに」との定めがあるのみで具体的な期限は決まっていないという。

 請求人としての筆者の問い合わせに、県警の担当者は「要は振り出しに戻る、つまり請求時点からの手続きに戻るということ」と説明。これに従うならば、今後いずれかの時点で県警が筆者の開示請求を改めて“受理”したとの想定で作業を進め、そこから通常の開示期限(原則15以内)を費やして開示・不開示を決めることになる。場合によっては、もとの請求時もそうだったように期限の延長が決まる可能性もある。

 言わずもがな、公文書は役所の所有物ではなく、納税者たる国民の財産。正当な手段でその開示を求める申し立てへの結論が1年半以上も示されず、なお開示時期の見通しが立たない――。鹿児島県警が当初の請求に正しく対応していれば、筆者も審査会も公安委も、そして県警自身も余計な時間と手間をかけずに済んだなのだが……(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・地方自治体・鹿児島県・県警本部の不祥事】  2024年11月25日  12:20:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・11.25》:公安の書類送検 組織のゆがみを明らかに

2024-11-26 09:31:30 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

《社説②・11.25》:公安の書類送検 組織のゆがみを明らかに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・11.25》:公安の書類送検 組織のゆがみを明らかに 

 地に落ちた信用を取り戻すためにも、ゆがんだ組織体質の検証が欠かせない。

 軍事転用できる機械を不正輸出したという理由で起訴され、その後取り下げられた大川原化工機(横浜市)に対する、警視庁公安部による冤罪(えんざい)事件である。

 公文書毀棄(きき)、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで、警視庁捜査2課が、当時の公安部捜査員3人を書類送検した。同社側が刑事告発していた。

 事実と異なる調書を作文し、都合が悪くなって故意に破棄したのに、誤って捨てたとするうその報告書を作ったとの疑いだ。機械が輸出規制の対象かどうかを確かめる実験で、立件する上で不利なデータを削除し、うその報告書を作った容疑もある。

 そうであれば捜査機関としてあるまじき行いだ。検察はその重大さを受け止めて起訴し、裁判の場で全容を明らかにすべきだ。

 事件は異例の展開をたどった。

 同社社長らの逮捕、起訴は2020年。米中対立を背景に政府が先端技術の流出防止体制を強化、警察庁出身者がトップの国家安全保障局に経済部門が新設されたころだ。翌年の警察白書は、大量破壊兵器関連の不正輸出例として“成果”を紹介した。

 社長らは容疑を否認し続け、勾留は1年近くに及んだ。ところが初公判の直前、検察は起訴を取り下げた。犯罪に当たるか疑義が生じた―とするだけで、詳しい説明をしていない。

 社長らはまず国家賠償訴訟を起こした。その証人尋問で、捜査に関わった警察官が事件を「捏造(ねつぞう)」と証言した。捜査の問題点を指摘する内部通報もあったという。

 一審判決は公安部と検察の捜査の違法性を認め、賠償を命じた。これを不服として控訴審が続いている。そこでも別の元捜査員が、立件は「日本の安全を考えたものではなく、決定権を持つ人の欲だと思う」と証言した。

 捜査のあり方を疑問視する声は組織内にあった。にもかかわらず生かされなかったのはなぜか。経済安全保障上の成果を急ぐ圧だったのか。責めを負うべきは書類送検された3人だけなのか。

 同社の元顧問は勾留中に重い病気が分かった。入院治療のため保釈を求めたが何度も裁判官に阻まれ、起訴取り下げ前に亡くなった。裁判所の責任も重い。

 問いただすべき問題は多岐にわたる。第三者の目を入れた検証を含め、うやむやな幕引きを許さない仕組みが要る。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月25日  09:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【鹿児島県警】:警官と少女の性交事案に「被害者、家族におわび」 岩瀬本部長 

2024-11-26 07:00:00 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【鹿児島県警】:警官と少女の性交事案に「被害者、家族におわび」 岩瀬本部長 ■「責任持って再発防止対策進める」と謝罪、対策の進捗管理担う「改革推進委員会」非公開の方針維持

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【鹿児島県警】:警官と少女の性交事案に「被害者、家族におわび」 岩瀬本部長 ■「責任持って再発防止対策進める」と謝罪、対策の進捗管理担う「改革推進委員会」非公開の方針維持

 鹿児島県警の警察官が16歳未満の少女と知りながら性交し、懲戒免職となった事案について、岩瀬聡本部長は25日の定例会見で「被害者や家族、県民におわび申し上げる。さらに信頼を損なう事案で大変遺憾だ。責任を持って再発防止対策を進める」と謝罪した。性犯罪に特化した対策の必要性は「(現行策に掲げる)高い職務倫理の養成に、大きな目的として含まれている」と述べるにとどめた。

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定例会見に臨む岩瀬聡本部長(左手前から3人目)ら県警幹部=25日午後3時25分ごろ、鹿児島市の県警本部

 

 【関連記事】

 元稿:南日本新聞社 主要ニュース 社会 【話題・地方自治体・鹿児島県・県警本部・鹿児島県警の警察官が16歳未満の少女と知りながら性交し、懲戒免職となった事案】  2024年11月26日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張②・11.25】:闇バイト事件対策 「#9110」活用しよう

2024-11-25 05:01:40 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【主張②・11.25】:闇バイト事件対策 「#9110」活用しよう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・11.25】:闇バイト事件対策 「#9110」活用しよう 

 闇バイトを実行犯とする強盗事件が相次いでいる。どこで誰が狙われるか分からず、不安が広がる。

 地域で事件を予感させるような不審な動きに気づいたらどうするか。警察は住民が対処できるよう、緊急性のない110番とされる「#9110」への通報を促すべきだ。住民も協力したい。

警察相談専用電話#9110のイメージ写真

 事件前には犯人グループによる下見などの予兆がある。被害地域から「訪問販売やリフォームなどの訪問営業があり、家族構成や資産状況を尋ねられた」などの証言が出ているのだ。

 こうした証言は事件後に「そういえば」と出ることが多い。これを事前にキャッチできないか。普段とは異なる、犯罪予兆の恐れがある情報を迅速に通報してもらい、先回りして被害を予防し、捜査に生かしたい。

 #9110は平成2年から稼働した都道府県警の総合相談電話だ。困り事や悩み事を受け付け、警察として相談に乗って専門窓口を紹介する。「急がない110番」とも呼ばれる。

 警視庁には昨年、4万8681件の#9110があった。総務、警務部門が担当し、公共サービスの性格が強かったが、今後は防犯、捜査につなぐ機能を強化すべきではないか。

 警視庁は生活安全部とホットラインで結び、#9110に犯罪予兆と推測される不審情報が寄せられると直ちに情報を共有する態勢である。闇バイト関連の不審者情報が増えており担当者の増員を検討してもいい。通話料の発信者負担も再考が必要ではないか。地方議会も含めて柔軟に考えるべき論点だ。

 問題は認知度の低さだ。110番と異なり、#9110の存在が国民に知られているとは言い難い。政府も含め、様々(さまざま)に浸透させる努力が求められる。

 110番に通報が集中すると現在起きている事件事故の対応を妨げる。警察には#9110への不審情報の通報を誘導する工夫をこらしてもらいたい。

 犯人は秘匿性の高い通信アプリを使って摘発から逃れ、住人を蹂躙(じゅうりん)している。地域住民の目を捜査の端緒にして対抗できるよう、防犯と捜査の新たなツールとして#9110を明確に位置付けるべきである。

 安全はただではない。住民も警察任せではなく、自分の身を守る努力をし、情報提供で治安に貢献する意識を持ちたい。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年11月25日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【詳報】:また鹿児島県警…知事も苦言 現職30代警官が少女と性交、免職処分 被害届なく逮捕せず 懲戒は今年5人目

2024-11-23 06:03:50 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【詳報】:また鹿児島県警…知事も苦言 現職30代警官が少女と性交、免職処分 被害届なく逮捕せず 懲戒は今年5人目

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【詳報】:また鹿児島県警…知事も苦言 現職30代警官が少女と性交、免職処分 被害届なく逮捕せず 懲戒は今年5人目

 鹿児島県警は22日、16歳未満の少女と知りながら性交したとして、県警本部警務部警務課の30代男性巡査部長を懲戒免職処分にしたと発表した。被害者本人に事情聴取できていないため、逮捕していない。今年に入り懲戒処分は5人目で、2人目の懲戒免職となる。県警は冒頭の概要説明のみカメラ撮影を認める記者レクチャーを開き、牛垣誠首席監察官は「被害者および関係者、県民に深くおわびする。再発防止策に取り組むさなかで遺憾だ。引き続き県民の信頼回復に真摯(しんし)に向き合う」と謝罪した。

〈関連〉30代男性巡査部長の懲戒免職処分で謝罪する牛垣誠首席監察官=22日、鹿児島市の県警本部

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 県警によると、巡査部長は4月ごろ、16歳未満の少女と知りながら県内で性交した。9月下旬に関係者からの情報提供で発覚し、県警は不同意性交容疑で捜査した。少女側が被害届を出しておらず、本人への事情聴取ができていないことから立件は困難と判断。巡査部長の証拠隠滅、逃亡の恐れもないとして逮捕していない。巡査部長は加害行為を認めており、処分した。
 〈関連〉これだけの警官が犯罪を…2020年以降の鹿児島県警察官の逮捕事案を時系列で確認する
 
 県警では現職警察官の逮捕が相次ぎ、8月2日に再発防止策を公表。10月31日には不適切な事件処理で延べ38人を処分した。性犯罪関連では2020年以降計5人が逮捕されている。

 岩瀬聡本部長は22日の県下警察署長等会議で「県民の信頼をさらに損なう事案で誠に遺憾。県民の信頼が不可欠だと認識してほしい」と述べた。石窪奈穂美公安委員長は「国家と国民に奉仕するという原点に立ち戻ってほしい」と話した。

 県警は同日付で全職員に向けて「警察職員による非違事案の絶無について」という本部長通達を出し、職責の自覚と職務倫理の養成を改めて求めた。

 塩田康一知事は同日の定例会見で「極めて遺憾。特に、警察職員による性犯罪が見受けられる。個人の問題ではなく、組織の問題だ」と指摘した。

 元稿:南日本新聞社 主要ニュース 社会 【事件・事故、鹿児島県警の不祥事】  2024年11月23日  06:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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