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【HUNTER・03.27】:鹿児島県警・不祥事捜査記録一部開示(下)|「暴行・傷害」に大甘訓戒

2025-03-29 05:15:40 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・03.27】:鹿児島県警・不祥事捜査記録一部開示(下)|「暴行・傷害」に大甘訓戒 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・03.27】:鹿児島県警・不祥事捜査記録一部開示(下)|「暴行・傷害」に大甘訓戒  

 「存否応答拒否」で始まった鹿児島県警による警官不祥事捜査記録の隠ぺい。3年かかってようやく開示された文書は、大半が“のり弁”の状態だった。警察一家による犯罪行為の実態を隠し、組織防衛に躍起となる鹿児島県警―ー。前稿に続いて開示文書の検証を試みる。

 2019年1月から23年1月までの4年強で処分などがあった不祥事は、県警の処分台帳によれば以下の124件。

2019年……18件(免職0、停職0、減給0、戒告0)(訓戒7、注意11)

2020年……35件(免職1、停職0、減給1、戒告1)(訓戒4、注意28)

2021年……30件(免職1、停職0、減給0、戒告0)(訓戒4、注意25)

2022年……38件(免職1、停職0、減給0、戒告0)(訓戒10、注意27)

2023年(1月のみ)……3件(免職0、停職0、減給0、戒告0)(訓戒2、注意1)

 これらのうち以下の13件が捜査対象となっていた(※ 各処分事由は『台帳』記載の文言を採録)。

(1)2019年10月15日付「本部長訓戒」…職員は、平成30年8月26日、知人に対し、不適切な行為をしたものである(巡査)

(2)2020年1月10日付「所属長訓戒」…職員は、令和元年6月28日、不適切な書類作成をしたものである(警部)

(3)2020年1月10日付「所属長訓戒」…職員は、令和元年6月28日、不適切な書類作成をするなどしたものである(警部補)

(4)2020年1月10日付「所属長注意」…職員は、令和元年6月28日、不適切な書類作成をするなどしたものである(巡査長)

(5)2020年1月10日付「所属長注意」…職員は、令和元年11月27日、交通事故を起こしたものである(巡査長)

(6)2020年1月27日付「戒告」…職員は、令和30年2月21日、交通整理を行うにあたり、必要な注意義務を怠った過失により、死傷者を伴う交通事故を惹起させたものである(巡査部長)

(7)2020年2月21日付「所属長注意」…職員は、令和2年1月14日、交通事故を起こしたものである(巡査)

(8)2020年3月19日付「免職」…職員は、令和元年12月14日、児童買春をしたものである(巡査部長)

(9)2021年7月30日付「所属長訓戒」…職員は、令和3年4月29日及び同年5月6日に、鹿児島市内において、知人に対し、腕を掴むなどして傷害を負わせたものである(巡査)

(10)2021年8月6日付「免職」…職員は、令和元年6月9日から令和3年4月2日までの間、住居侵入等の法令違反及び情報セキュリティに関する訓令違反等の各種規律違反をしたものである(巡査部長)

(11)2021年10月29日付「本部長注意」…職員は、令和3年10月7日、みだりに家庭用ゴミ1袋を捨て、もって、警察の信用を失墜したものである(巡査)

(12)2022年3月24日付「免職」…職員は、令和3年12月3日、業務上横領等をしたものである(巡査長)

(13)2022年3月24日付「本部長注意」…職員は、担当業務を懈怠する等したものである(巡査部長)

 ■「暴行・傷害」がただの訓戒

 やはり“海苔”が多い文書が、しかも1枚だけ開示されたのが(9)の暴行傷害事案。これに到っては「令和3年5月6日」という発生日時のほかは具体的な事実関係が一切開示されず、当時の捜査が適切だったのかどうかを第三者がまったく検証できない形になっている。

 文書開示決定の際、鹿児島県警はこの事案の「区分」欄に「暴行・傷害」と明記していた。本サイトで何度も参照している警察庁の『懲戒処分の指針』では、それらの法令違反へのペナルティをこう定めている。

 ・他人に対して傷害を与えること……停職、減給又は戒告

 ・他人に対して暴行を加えること……減給又は戒告

 どちらか一方だけでも、最低でも「戒告」。暴行と傷害の両罪が併記されている今回のケースは、いくら軽くとも「減給」程度の懲戒処分とすべきところだ。だが実際の処分は、懲戒ですらない監督上の措置の「所属長訓戒」に留まっていた。なぜそうなったのかが腑に落ちるような記述が開示文書の中にまったく含まれていないことは、もはや言うまでもない。

 ■年を経て広がる黒塗り部分

 続く(10)の住居侵入等事案では、『本部長指揮事件指揮簿』など計15枚の文書が開示された。これまで報告してきたケースに負けず劣らずの“海苔弁当”から事件の概要を紐解くと、次のようになる。

 《被疑者は、■■■令和3年4月2日頃までの間、■■■もって、■■■したものである》

 2枚目以降は、先の(8)の指揮簿をそのままコピーしたような真っ黒の文面が続く。つまるところ、これ以上の事実関係はわからない。ただ、今回の15枚の開示を求める材料となった当事者の警察官の『処分台帳』には、事案の概要がこう記されていた。

 職員は、令和元年6月9日から令和3年4月2日までの間、住居侵入等の法令違反及び情報セキュリティに関する訓令違反等の各種規律違反をしたものである

 もとの文書のほうが詳しい。即ち、この後の審査請求を経て3年越しで新たな文書開示が実現した結果、当初よりも“海苔”の面積が広がったということだ。文字通りのブラックジョークにもならない展開。これを敷衍すると、もともと隠蔽体質が疑われる鹿児島県警は、のみならず年を追うごとに情報開示に消極的になり続けている、ということになる。

 2021年10月に「本部長注意」となった(11)の事案は、家庭ごみを不適切に棄てた巡査の行為が法令違反に問われたもの。先述の住居侵入や児童買春などと同じく本部長指揮事件として捜査され、今回はその『指揮簿』など計9枚の文書が開示された。これもまた当初の台帳から情報開示が後退し、全9枚のほとんどが墨塗り処理された状態。何のために2段階の開示請求を試み、あまつさえ2年間に及ぶ不服申し立てに臨んだのか、時間と手間の浪費が虚しくなってくるほどだ。

 ■報道各社への文書を黒塗りの非常識

 今回最多、26枚の公文書が開示されたのが(12)の業務上横領事案。2022年で唯一、懲戒処分に到ったケースで、当事者の巡査長は同年3月24日付で免職となった。開示された『本部長指揮事件指揮簿』は墨塗り部分が少なく、巡査長の所属が「鹿児島中央警察署」と明示されているほか、その人が遺失物の財布を横領した経緯が詳しく記されている。これは(6)の業務上過失致死傷事案と同じく、発生時点で広く報道されたためとみられる。実際、この事案に限っては捜査の記録に加えて「報道発表の記録」も開示されたのだ。それ自体は情報公開の精神に適っているとして、首を傾げざるを得ないのはその『報道連絡簿』が一部不開示処理されたことだ(*下の画像)。

 鹿児島県警が開示した連絡簿では、報道発表の日時と逮捕日時の一部、逮捕場所、及び容疑者と被害者の情報の一部にべったり“海苔”が貼られていた。“面妖な”、と言わざるを得ない。報道機関への情報提供は、とりもなおさずその報道機関を通じて読者・視聴者へ、即ち一般市民へ広く情報を届けることにある。にもかかわらず、最終的な情報の受け手である一般市民への情報開示で一部を黒く塗り潰すとはどういうことか。一般には開示されない個人情報や公安情報を日常的に特定の営利企業(報道各社)へ提供する行為は、場合によっては組織的な情報漏洩となり得るのではないか――。そういった疑問を招く対応だということを県警自身が自覚しているかどうかは定かでない。

 ■過剰な実態隠し

 最後の(13)の事案では、とどめのように事実上ほぼ不開示状態の文書が3枚開示された。『本部長指揮事件指揮簿』が伝える事案の概要は、こうだ。

 被疑者は、■■■したものである

 いったい何をしたのか、さっぱりわからない。もとの台帳によると、当事者は上の横領事案と同じ2022年3月24日付で本部長注意となった巡査部長。処分理由は、以下の如し。

 職員は、担当業務を懈怠する等したものである

 勤務懈怠がなぜ事件として捜査されることになったのか、開示文書からはおよそ窺い知れない。あたかも昨春以降の報道で顕わになった県警の隠蔽体質を象徴するかのような対応だ。請求人たる筆者がこれに納得しているかどうかは、もはや説明を要しまい。

 一昨年以降、繰り返し報告してきた通り、鹿児島県警は不祥事の事件捜査の記録の開示請求を「存否応答拒否」なる決定で退け、これを不服とした審査請求でも個人情報と公安情報の保護を盾に同決定を正当化し続けた。第三者機関の答申でその姿勢が否定され、公安委員会の裁決でようやく開示のやり直しに踏み切ったが、もとの請求からほぼ丸2年を経て開示された情報は、以上のような程度に留まった――。

 結びにつけ加えておくと、今回の決定になお不服がある場合、請求人は行政不服審査法に基づき再び審査請求を申し立てることができる決まりになっている(*下の画像参照)。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・事件・犯罪・鹿児島県警が3年越しで一部開示した、不祥事の捜査記録の実態】  2025年03月27日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・03.26】:鹿児島県警・不祥事捜査記録一部開示(中)| 隠された巡査部長児童買春の“余罪”

2025-03-29 05:15:30 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・03.26】:鹿児島県警・不祥事捜査記録一部開示(中)| 隠された巡査部長児童買春の“余罪”

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・03.26】:鹿児島県警・不祥事捜査記録一部開示(中)| 隠された巡査部長児童買春の“余罪” 

 鹿児島県警が3年越しで一部開示した、不祥事の捜査記録。本年3月にようやく開示された100枚の公文書は、しかしながらその多くが墨塗り処理され、事実関係を充分に読み取れない体裁になっていた。前稿に続き、こうした文書開示が情報公開のあり方として適切だったといえるかどうか、読者の検証を助ける報告を続けたい。

 ■報道事案は黒塗り減少

 筆者が一昨年3月に鹿児島県警に開示を求めた公文書は、以下の県警不祥事のうち法令違反が疑われる事案の捜査記録などだ。

2019年……18件(免職0、停職0、減給0、戒告0)(訓戒7、注意11)

2020年……35件(免職1、停職0、減給1、戒告1)(訓戒4、注意28)

2021年……30件(免職1、停職0、減給0、戒告0)(訓戒4、注意25)

2022年……38件(免職1、停職0、減給0、戒告0)(訓戒10、注意27)

2023年(1月のみ)……3件(免職0、停職0、減給0、戒告0)(訓戒2、注意1)

 これら124件のうち事件捜査の対象となっていたのは、前稿で既報の通り全体の1割強を占める以下の13件だった(※ 各処分事由は『台帳』記載の文言を採録)。

(1)2019年10月15日付「本部長訓戒」…職員は、平成30年8月26日、知人に対し、不適切な行為をしたものである(巡査)

(2)2020年1月10日付「所属長訓戒」…職員は、令和元年6月28日、不適切な書類作成をしたものである(警部)

(3)2020年1月10日付「所属長訓戒」…職員は、令和元年6月28日、不適切な書類作成をするなどしたものである(警部補)

(4)2020年1月10日付「所属長注意」…職員は、令和元年6月28日、不適切な書類作成をするなどしたものである(巡査長)

(5)2020年1月10日付「所属長注意」…職員は、令和元年11月27日、交通事故を起こしたものである(巡査長)

(6)2020年1月27日付「戒告」…職員は、令和30年2月21日、交通整理を行うにあたり、必要な注意義務を怠った過失により、死傷者を伴う交通事故を惹起させたものである(巡査部長)

(7)2020年2月21日付「所属長注意」…職員は、令和2年1月14日、交通事故を起こしたものである(巡査)

(8)2020年3月19日付「免職」…職員は、令和元年12月14日、児童買春をしたものである(巡査部長)

(9)2021年7月30日付「所属長訓戒」…職員は、令和3年4月29日及び同年5月6日に、鹿児島市内において、知人に対し、腕を掴むなどして傷害を負わせたものである(巡査)

(10)2021年8月6日付「免職」…職員は、令和元年6月9日から令和3年4月2日までの間、住居侵入等の法令違反及び情報セキュリティに関する訓令違反等の各種規律違反をしたものである(巡査部長)

(11)2021年10月29日付「本部長注意」…職員は、令和3年10月7日、みだりに家庭用ゴミ1袋を捨て、もって、警察の信用を失墜したものである(巡査)

(12)2022年3月24日付「免職」…職員は、令和3年12月3日、業務上横領等をしたものである(巡査長)

(13)2022年3月24日付「本部長注意」…職員は、担当業務を懈怠する等したものである(巡査部長)

 前稿では上記(1)から(5)までの事案について、県警の情報開示が適切だったかどうかを検証したところだ。結果的にはおよそ充分とはいえない実態をあきらかにすることになったが、では(6)以降の事案はどうだったか。

 懲戒処分の台帳に「職務執行不適切」と標題がつけられていた(6)の事案では、戒告処分となった巡査部長が業務上過失致死傷の容疑で交通指導課に調べられていた。今回開示された公文書は『本部長指揮事件指揮簿』など3種19枚。同指揮簿では「霧島市国分野口北における業務上過失致死傷被疑事件」の事件名で事案が記録されることになり、以下のような概要が開示された(※ 一部墨塗り処理は県警。以下では当該部分の文字量にかかわらず「■■■」で表記)。

 平成30年2月21日午後零時45分頃、霧島市国分野口北5番1号先の四差路信号交差点において、県下一周市郡対抗駅伝競走大会の交通整理に従事していた警察官が、信号機の主道側を青色灯火、従道側を赤色灯火に固定した後、従道側に滞留した車両■■■手信号により交差点内に誘導する際、■■■交差点の安全に注意して誘導すべき注意義務があるのにこれを怠り、■■■交差点内に直進させたため、折から左方道路から青色信号灯火に従い直進してきた上記被害者■■■の被害車両と出合い頭に衝突、横転させ、■■■同人を死亡させ、ほか関係者■■■名を負傷させたものである

 前稿で報告したケースに較べ、墨塗り部分がかなり少ない印象だ。理由は定かでないが、考えられる事情はこの件が大きく報道されるに到ったこと。地元では事故発生時からその後の裁判の経過までが都度ニュースになり、県警が発表するまでもなく一連の事実が一般に広く知れ渡る結果となった。下世話な言い回しになるが、「今さら隠しても仕方がない」といえる状況になっていたわけだ。

 ■余罪が見逃された可能性も

 続く(7)の交通事故事案は、先の過失致死傷とは対照的に開示文書が僅か2枚に留まり、その多くが黒く塗り潰されたみごとな“海苔弁当”となっていた。辛うじてわかるのは「令和2年1月14日」という事故発生日や「過失運転致傷」という容疑など。おそらく一般市民が被害に遭ったとみられる事故の状況は一切あきらかにされず、事件送致や起訴の有無も不明。前稿でも指摘しておいたが、警察官がからむ事故に伴って作成される筈の『重要特異交通事故発生報告書』はここでも開示の対象とならず、開示しても差し支えない筈の情報の数々はほとんど藪の中となった。

 深刻な事案ながらもやはり開示情報が充分とはいえなかったのが(8)の児童買春事案。事件を捜査した鹿児島南署の『本部長指揮事件指揮簿』には、こうある。

容疑者は、令和元年12月14日頃、鹿児島県内■■■において、被害者が18歳に満たない児童であることを知りながら、同児童に対し、■■■児童買春したものである

 確認できる概要は、この簡潔な事実関係のみ。対象となった指揮簿は計6枚あるが、2枚目以降はほぼ全面が墨塗り処理され、事実上非開示の状態で“開示”された。

 当事者の巡査部長は、この件で免職処分を受けている。これ自体は妥当な処分と言ってよいが、当時の処分台帳には上の買春事案のみが記録されるに留まり、重要な“余罪”にはまったく言及がなかった。今回の開示請求で得られた数少ない成果の1つに、この余罪を確認できる文書を入手できたということがある。どういうことか。

 県警は今回、先の指揮簿とは別の容疑事実を記した『署長指揮事件指揮簿』という文書も開示の対象としたのだ。同文書の「概要」欄には「■■■鹿児島県内■■■において、性交したものである」と抽象的な文言が見られるのみだが、注目すべきは事件の発生年月日。それは「令和元年11月下旬」、つまり先の事件の1カ月ほど前に別の児童買春事件が発生していたということだ。その容疑者を記す欄に誰の名が書かれていたかというと――、

 不詳》(*上掲の画像参照)

 つまり、県警はこの時点では容疑者を特定できず、1カ月後にもう1件の被害が発生して初めて現職警察官の関与を疑うに到ったのだ。文書から確認できる容疑はこの2件のみだが、ほかにまったく余罪がないと考えるのはいささか不自然だろう。巡査部長の犯行は常習の可能性が高く、ひいては知られざる被害児童が泣き寝入りを強いられている疑いが残る。だがそれも、今となっては確認困難だ。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・事件・犯罪・鹿児島県警が3年越しで一部開示した、不祥事の捜査記録の実態】  2025年03月26日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・03.26】:鹿児島県警・不祥事捜査記録一部開示(上)| ほぼ“のり弁”、容疑罪名伏せた文書も

2025-03-29 05:15:20 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・03.25】:鹿児島県警・不祥事捜査記録一部開示(上)| ほぼ“のり弁”、容疑罪名伏せた文書も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・03.25】:鹿児島県警・不祥事捜査記録一部開示(上)| ほぼ“のり弁”、容疑罪名伏せた文書も  

 鹿児島県警による不祥事の捜査記録が「存否応答拒否」の形で長く開示されなかった問題で、第三者機関の答申により改めて開示されることになった公文書が3月上旬、初めて一部開示に到った。

 もとの請求から3年越しの対応となった決定では、開示の対象となった計100枚の文書の多くがいわゆる“海苔弁当”状態で、中には当事者の警察官にかけられた容疑がまったく読み取れなくなっているものもある。

 県警が身内の不祥事を適切に捜査していたかどうかを第三者が検証しにくくなっており、ここに来てなお組織の隠蔽体質が垣間見える対応となった。

 ■3年越しでようやく開示

 本サイト既報の通り、鹿児島県警が改めて上の文書の一部開示を決定したのは本年2月26日。請求人の筆者のもとには同28日に『公文書一部開示決定通知書』が届き、その案内に従って県警の指定金融機関に開示手数料を納付したところ、1週間ほどが過ぎた3月8日に対象文書の写し計100枚が届いた。もとの開示請求は一昨年3月13日付だったので、請求からほぼ丸2年、つまり3年越しでようやく求める文書の一部開示が叶ったことになる。

 請求していたのは、県警で過去5年間に記録された不祥事のうち事件捜査の対象となった事案の捜査の記録など。ここでいう「過去5年間」は請求時の2023年初頭を基点としており、実際には2019年1月から23年1月までの4年強の期間を指す。この間に処分などがあった不祥事は、県警の処分台帳によれば以下の124件だ。

2019年……18件(免職0、停職0、減給0、戒告0)(訓戒7、注意11)

2020年……35件(免職1、停職0、減給1、戒告1)(訓戒4、注意28)

2021年……30件(免職1、停職0、減給0、戒告0)(訓戒4、注意25)

2022年……38件(免職1、停職0、減給0、戒告0)(訓戒10、注意27)

2023年(1月のみ)……3件(免職0、停職0、減給0、戒告0)(訓戒2、注意1)

 これらのうち何件が法令違反として捜査の対象となっていたか。今回鹿児島県警があきらかにした開示対象の事案は、先の台帳と突き合わせることで以下の13件だったことが確認できる(※ 各処分事由は『台帳』記載の文言を採録)。

(1)2019年10月15日付「本部長訓戒」…職員は、平成30年8月26日、知人に対し、不適切な行為をしたものである(巡査)

(2)2020年1月10日付「所属長訓戒」…職員は、令和元年6月28日、不適切な書類作成をしたものである(警部)

(3)2020年1月10日付「所属長訓戒」…職員は、令和元年6月28日、不適切な書類作成をするなどしたものである(警部補)

(4)2020年1月10日付「所属長注意」…職員は、令和元年6月28日、不適切な書類作成をするなどしたものである(巡査長)

(5)2020年1月10日付「所属長注意」…職員は、令和元年11月27日、交通事故を起こしたものである(巡査長)

(6)2020年1月27日付「戒告」…職員は、令和30年2月21日、交通整理を行うにあたり、必要な注意義務を怠った過失により、死傷者を伴う交通事故を惹起させたものである(巡査部長)

(7)2020年2月21日付「所属長注意」…職員は、令和2年1月14日、交通事故を起こしたものである(巡査)

(8)2020年3月19日付「免職」…職員は、令和元年12月14日、児童買春をしたものである(巡査部長)

(9)2021年7月30日付「所属長訓戒」…職員は、令和3年4月29日及び同年5月6日に、鹿児島市内において、知人に対し、腕を掴むなどして傷害を負わせたものである(巡査)

(10)2021 年8月6日付8月6日付「免職」…職員は、令和元年6月9日から令和3年4月2日までの間、住居侵入等の法令違反及び情報セキュリティに関する訓令違反等の各種規律違反をしたものである(巡査部長)

(11)2021年10月29日付「本部長注意」…職員は、令和3年10月7日、みだりに家庭用ゴミ1袋を捨て、もって、警察の信用を失墜したものである(巡査)

(12)2022年3月24日付「免職」…職員は、令和3年12月3日、業務上横領等をしたものである(巡査長)

(13)2022年3月24日付「本部長注意」…職員は、担当業務を懈怠する等したものである(巡査部長)

 124件中13件。全体のざっと1割ほどの不祥事が事件として捜査の対象となり、それら各件の捜査の記録が今回新たに開示されることになったわけだ。筆者の手元に届いたコピーは、先述の通り計100枚。これを順に紐解いていくと――。

 ■事件内容、黒塗りで隠ぺい

 まず(1)の不適切行為事案。この件ではのっけからひときわ墨塗りの多い文書が“開示”された。結論を言うと、肝心の不適切行為が具体的にどういう法令違反だったのかがまったくわからなくなっている。(*下の画像参照)

 5枚の文書にべったり貼られた“海苔”の隙間から辛うじて読み取れるのは、事件が起きたのが2018年8月26日で、捜査にあたったのが鹿児島中央署刑事一課だった事実。当事者の巡査の容疑はわからないものの、5枚のうち1枚に「強行」という名詞が登場することから、刑事一課強行犯係が担当する暴行や傷害、強盗などの悪質な犯罪だった可能性が高い。文書からわかるのはここまでで、巡査が逮捕されたのか、あるいは在宅捜査だったのか、また送検されたのか、起訴されたのか、などはことごとく藪の中だ。

 続く(2)から(4)までの3事案は、警察官3人が容疑者となった1件の虚偽有印公文書作成・同行使・公用文書毀棄事件として処理され、捜査記録もまとめて開示された。事件発生は2019年6月28日。その概要を記録した『犯罪事件処理簿』の記述はあちこちが“海苔”だらけで、およそ情報開示の体をなしていない。その滑稽さを実感してもらうには、原文をそのまま引用するしかないだろう(※ 下の画像の通り実際の文書では墨塗り部分の文字量は一定していないが、以下では一律「■■■」で示す)。

 被疑者■■■は、鹿児島県■■■に所在する鹿児島県■■■として、■■■同■■■は、■■■前記■■■同■■■は、■■■前記3名は■■■作成を企図し、同月28日■■■をして、行使の目的をもって、ほしいままに、■■■と署名し、■■■もって、その職務に関し、虚偽の有印公文書を作成した上、■■■において、■■■が真正なもののように装い、■■■に提示して行使し

 被疑者■■■令和元年6月28日■■■において、前記虚偽有印公文書の作成に伴い、■■■もって公務所の用に供する文書を毀棄したものである

 この件も最終的な刑事処分はあきらかでないが、少なくとも3人の警察官が関与した事案で、かつ彼らの上司にあたる警視も3人と同時に「本部長注意」を受けており、ほとんど組織的な犯行だったことが疑われる。

 ■問われる「非開示」の妥当性

 やはり詳細不明なのが(5)の交通事故事案。開示されたのは『交通事故事件簿』計3枚で、その3枚に貼られた海苔は実に60枚を超える。数少ない開示部分からわかるのは、その事故が令和元年(2019年)11月27日に発生したこと、車2台が絡んでいるらしいこと、現場は鹿児島西署管内だった可能性が高いこと、加害者の容疑が過失運転致傷だったこと――、などだ。

 こうした開示のあり方が適切かどうかは、本サイトで先般報告した北海道警のケース( ⇒既報)と比較することで検証できる。すぐに指摘できるのは、警察官が当事者となった交通事故で作成される筈の『重要特異交通事故発生報告書』が今回まったく開示されなかったこと。海を隔てた道警では同文書が適切に開示され、事故の概要が平面図つきで示されていた。これに対し鹿児島県警は、そもそも同報告書を開示の対象としなかったのみならず、開示した交通事故事件簿では丁寧に60カ所以上を墨塗り処理し、発生日や容疑罪名などを除く多くの事実をあきらかにしなかった。

 残る8件の「開示」がどうだったかは、推して知るべし。とはいえ、それがどれほど不充分だったのかは可能な限り記録しておくべきだろう。(6)以降の文書の概要については、次稿で報告したい。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・事件・犯罪・鹿児島県警が3年越しで一部開示した、不祥事の捜査記録の実態】  2025年03月25日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・03.02】:【速報】:鹿児島県警が警官不祥事関連文書の開示決定|公安委裁決から3カ月以上、請求から3年弱

2025-03-29 05:15:10 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・03.02】:【速報】:鹿児島県警が警官不祥事関連文書の開示決定|公安委裁決から3カ月以上、請求から3年弱

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・03.02】:【速報】:鹿児島県警が警官不祥事関連文書の開示決定|公安委裁決から3カ月以上、請求から3年弱

 鹿児島県警察が職員の不祥事に関連する捜査の記録の開示を拒んでいた問題で(既報 )、第三者機関の答申を受けた県公安委員会の裁決から3カ月あまりを経た2月下旬、県警が対象文書の一部公開を決定していたことがわかった。

 請求人である筆者は近く写し(コピー)の交付を受けることになるが、文書を入手するころにはもとの開示請求をした2023年3月から丸2年が過ぎることになり、ここに来てむしろ県警の情報開示への消極性が浮き彫りとなった形だ。

            ◆   ◆   ◆

 決定は本年2月26日付。同28日に筆者のもとに届いた『公文書一部開示決定書』によると、一部開示の対象となる公文書は2019年から22年までに記録された懲戒処分と監督上の措置(訓戒・注意)のうち捜査の対象となった事案11件についての『事件指揮簿』など計100枚。11件のうち2件は罪名が明記されていないが、残る9件は警察官による児童買春や住居侵入など、あきらかな法令違反にあたる事案だったことが明かされた。

 鹿児島県警は当初、文書が存在するかどうかを答えずに開示を拒む「存否応答拒否」をもってこれらを全面不開示とし、請求人たる筆者の審査請求(不服申し立て)を受けた第三者機関の答申でその誤りを指摘されてようやく決定をやり直すに到った。

 本サイト既報の通り、福岡など鹿児島以外の都道府県警では同種の公文書を適切に開示しており、鹿児島のみが存否応答すら拒否するのはあまりに無理があり過ぎた。今回の再決定は当然の結論といえるが、先の第三者機関の答申を受けて県公安委員会が当初処分の撤回を裁決したのは昨年11月20日。そこから本年2月26日の結論までに3カ月以上が費やされたことになり、もとの開示請求をした一昨年3月13日から数えるとまもなく丸2年が過ぎることになる。

 また再決定自体は評価できるとしても、これから開示されることになる文書が充分に情報開示の精神に適う状態で、即ち墨塗り処理を必要最小限に留めた状態で示されるかどうかは、今なお未知数だ。

 決定を受けた筆者は3月3日にも県警の指定金融機関で開示手数料を納付する考え。対象文書の写しが手元に届いた折には、改めて本サイトでその概要を報告したい。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・事件・犯罪・鹿児島県警の不祥事】  2025年03月02日  11:45:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・03.14】:北海道警で事実上の不祥事隠蔽|警官のわいせつやストーカー事件、懲戒未満に

2025-03-15 06:00:00 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・03.14】:北海道警で事実上の不祥事隠蔽|警官のわいせつやストーカー事件、懲戒未満に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・03.14】:北海道警で事実上の不祥事隠蔽|警官のわいせつやストーカー事件、懲戒未満に 

 北海道警察で昨年最後の四半期(10~12月)に処分などがあった不祥事の中に、警察官の性犯罪を懲戒処分にせず表面化を免れていた事案が複数あることがわかった。いずれも警察庁の『指針』に反して軽いペナルティに留まっており、報道発表の対象外とすることで事実上の隠蔽となった形。筆者が公文書開示請求で3月上旬に入手した情報で判明した。

           ◆   ◆   ◆

 警察官の不祥事に法令違反として捜査されたケースが含まれることは珍しくないが、昨年10月以降に記録された事案の中にとりわけ悪質な犯罪が埋もれていたことは、情報公開制度に基づく「2段階の請求」を経ない限りあかるみに出なかった。

 筆者はまず、同時期に記録された不祥事の『一覧』などを道警に開示請求し、本年1月に対象文書を入手した。その1つである『監督上の措置一覧』に記載があった2つの事案がともに深刻な法令違反として捜査されていたとは、その時点では気づきようもない。文書の記載が、次のような極めて抽象的な言い回しに留まっていたためだ。

・信用失墜事案/不適切な行為をしたことにより、警察の信用を失墜した……10月18日付「警察本部長訓戒」警察署巡査

・信用失墜事案/不適切な行為により、警察の信用を失墜するなどした……12月19日付「警察本部長注意」警察署巡査部長

 上の「訓戒」及び「注意」が懲戒処分に到らない軽微な制裁であることは、本サイトでしばしば解説している通りだ。では、その軽微な不祥事とは具体的にどういう事案だったのか。

 筆者は2月中旬、先の『一覧』をもとに「第2段階」の開示請求に臨んだ。同時期の不祥事の中に事件捜査の対象となったものがある場合、各件の捜査の記録を開示して欲しい、という趣旨の請求だ。これを受理した道警が当該文書の一部開示を決定したのは、約2週間後の3月上旬。その決定で開示された公文書の中に、先述「信用失墜事案」2件の捜査の記録があったのだ。文書から判明したそれぞれの容疑は――、

10月18日付「訓戒」事案……不同意わいせつ

12月19日付「注意」事案……ストーカー規制法違反

 いずれも警察官による性犯罪。これが報道発表の対象にならず、そもそも懲戒処分を免れ、北海道民の眼から隠され続けていたわけだ。しかも、いずれも今回のような「2段階の開示請求」を経ない限り陽の目を見ることがなかった。

 やはり本サイトでたびたび引き合いに出している『懲戒処分の指針』という警察庁の通達がある( ⇒コチラ)。改めてこれを確認すると、上の2件のうち少なくとも1件が同指針にまったく適っていなかったことがわかる。指針では、不同意わいせつへのペナルティは「免職又は停職」と定められているのだ。だが実際は、最低ラインの「停職」どころか懲戒ですらない「訓戒」扱い。あまつさえそれを記録する公文書の表記は「信用失墜事案」なる曖昧な言い回しにされていた。同じ月には具体的に「不適切異性交際事案」と明記された事案が4件も確認できるにもかかわらず。

 第2弾の開示請求で得られた文書からは、先の2事件が検察官送致された形跡が読み取れない。当事者の身柄を拘束しない在宅捜査だった可能性もあるほどだ。いずれも起訴を逃がれた可能性が高いが、これが警察官ならぬ一般市民の容疑だった場合、果たして同じ扱いになるだろうか。

 とはいえ、こうした疑問を発信できるのは、とりもなおさず対象の公文書が適切に公開されたゆえのこと。存否応答拒否の挙げ句3年越しの一部開示決定が伝わった鹿児島県警の不祥事に絡む事件捜査の記録( 既報 )は、果たしてどういう形で「開示」されることになるのか――。入手が見込まれる100枚の公文書の内容は、追って報告することとしたい。

 (小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【疑惑・北海道警察で昨年最後の四半期(10~12月)に処分などがあった不祥事の中に、警察官の性犯罪を懲戒処分にせず表面化を免れていた事案が複数あることが判明した事案】  2025年03月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・02.25】:ススキノ殺人で問われた取り調べの実態 | 録音録画と調書に多数の喰い違い

2025-03-06 07:03:10 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・02.25】:ススキノ殺人で問われた取り調べの実態 | 録音録画と調書に多数の喰い違い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・02.25】:ススキノ殺人で問われた取り調べの実態 | 録音録画と調書に多数の喰い違い  

 一昨年7月に札幌・ススキノ地区で起きた殺人・死体損壊事件。昨年から本年にかけて実行犯の両親を被告人とした裁判が進んでおり、報道大手は法廷であきらかになった遺体損壊の様子や当事者の特殊な親子関係などを逐一報じている。一方、事件の捜査をめぐっては逮捕後の両親の長期的な身柄拘束など、いわゆる「人質司法」の問題が浮き彫りとなり、弁護側が鑑定留置理由開示法廷などでその是非を問うてきたところだ(既報)。

        ◆    ◆    ◆

 本年に入ってからはこれに加え、供述調書の内容をめぐって弁護側から深刻な指摘がなされることになった。だその事実は、中央の一部のウェブメディアを除いてほとんど黙殺されている状態。猟奇的な事件の裏に隠れた重要な事実のいくつかを、本稿に記録しておくことしたい。

 2月上旬、実行犯である女性の父親(61)=殺人幇助などで起訴=の公判で、ともに逮捕された母親(62)=死体損壊幇助などで起訴=が弁護側証人として尋問に立った。その主尋問で指摘されたのが、母親への取り調べを記録した映像と供述調書との喰い違い弁護側が引き合いに出した映像は、父親が逮捕された日の午後に行なわれた母親の聴取を記録したもので、録音・録画データは8時間弱に及ぶ。これに収録された問答の中に、たとえば「エタノールを買ったこと」についてのやり取りがあった。

 検察官による尋問では、この時の調書(映像ではなく)をもとに「エタノールは『娘の計画』に必要だったから買った」との供述が確認され、母親自身も「そう答えたかもしれない」と応じていた。ところが調書ならぬ映像には、この重要な発言がまったく記録されていないのだ。映像そのものが法廷で再生されることはなかったものの弁護側の尋問で再現されたのは「エタノールは何に使うと思ったか」との捜査員の問いに母親が「何かの消毒かしら」と答え、さらに「何の消毒か」と問われて「何の消毒はとくに聴かなかった」と答えたやり取り。映像にはこれを含めて「エタノール」という名詞が登場する場面が計6カ所あり、そのいずれでも母親は調書に残されたような発言していないことが確認された

 こうした喰い違いは1つに留まらず、実行犯による「仕返ししたい」「殺してやる」などの発言を母親が聴いたか聴かなかったか、実行犯の被害者への怒りについて母親が「沸々と増していた」などと発言したか否か、など複数の供述で映像と調書と内容が異なっていた。問題とされる調書は13枚あるが、そのうち印字された部分は約半分の7枚に留まり、映像内にも取調官がその7枚を母親に示す場面が記録されていた。残り6枚は、手書きで訂正が加えられたページだったという。これらの事実が明かされた尋問を目の当たりにした傍聴人の1人は、SNSへの投稿で「法廷にざわめきが…」とその様子を再現したが、地元報道はこれをほとんど伝えていない。筆者の把握する限り、調書と映像との喰い違いを報じたメディアは今のところウェブ媒体のNEWSポストセブン(⇒コチラ)などごく一部に留まる。

 指摘された喰い違いについて、2月17日夕に設けられた札幌地方検察庁の定例会見で筆者が質問したところ、飽くまで一般論として「調書はすべて逐語的に文章化しているわけではないので被告人の認識と違ってしまう可能性もある」「言ってもいないことを調書にすることはあってはならない」などの答えが返された。

 事件の実行犯である女性(30)は現在、弁護側の求めにより逮捕後2度目の精神鑑定中で、公判期日などは決まっていない。先に逮捕された父親の裁判は2月18日に結審、3月12日午後に一審判決言い渡しを迎えることになっている。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【事件・疑惑・一昨年7月に札幌・ススキノ地区で起きた殺人・死体損壊事件】  2025年02月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・02.14】:【速報】:鹿児島県警捜査二課長を不同意性交の疑いで立件|14日付で書類送検

2025-02-15 05:15:50 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・02.14】:【速報】:鹿児島県警捜査二課長を不同意性交の疑いで立件|14日付で書類送検

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・02.14】:【速報】:鹿児島県警捜査二課長を不同意性交の疑いで立件|14日付で書類送検

 鹿児島県警で捜査2課長を務めていた安部裕行警視(28)が、不同意性交の疑いで取り調べを受けていたことが分かった。

 なぜか逮捕されることなく、本日付で書類送検されている。警察庁も当該事案を把握しており、後任人事も終わっている。 

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・事件・犯罪・鹿児島県警の不祥事】  2025年02月14日  17:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・02.12】:鹿児島県警、「警官不祥事」捜査関係文書をのり弁開示|変わらぬ隠蔽体質

2025-02-15 05:15:20 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・02.12】:鹿児島県警、「警官不祥事」捜査関係文書をのり弁開示|変わらぬ隠蔽体質

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・02.12】:鹿児島県警、「警官不祥事」捜査関係文書をのり弁開示|変わらぬ隠蔽体質 

 本サイトで折に触れ報告している鹿児島県警察の不適切な情報開示問題。ほかの都道府県警で当たり前に受理される請求を「存否応答拒否」で突っぱねた対応は第三者機関の審査により撤回を余儀なくされたところだが(既報)、本年に入ってハンターに開示された公文書について、およそ適切な情報開示とは言い難い対応があきらかになっている。隠す必要のない情報をみだりに墨塗り処理した「のり弁当」の如き文書を見るにつけ、紙と黒インクの無駄遣いに首を傾げざるを得ない。

            ◆   ◆   ◆

 鹿児島県警がこのほど開示したのは、昨年1年間に県警で記録された不祥事のうち事件捜査の対象になった事案の捜査記録など。同県警はハンター・中願寺純則記者の請求に対し、計10件の事案に係る『本部長指揮事件指揮簿』などの公文書を一部開示した。それらの写しを入手した筆者は、地元・北海道警への同旨の請求で得られた文書とのあまりの違いに驚くこととなった。

 結論を述べると、鹿児島の文書はことごとく「文書」の体裁をなしていない。意味のある情報が片っ端から墨塗り処理され、最低限の事実確認も困難になっている。例を挙げて比較すれば、それは一目瞭然だ。

 改めて引き合いに出すのは、昨年11月配信の本サイト記事( 既報2)で伝えた北海道警の不祥事2件。現職警察官による強制性交事件(発生時の罪名)と、同じく交通違反事件の記録だ。

 まず、前者の性犯罪の記録を紐解いてみる。当時の記事でも詳報したように、道警の開示した『事件指揮簿兼犯罪事件処理簿』には「令和5年3月28日午前0時41分頃」と発生日時が明記され、犯行の様子も「劣情を催し」「性交をしようと考え」「その反抗を著しく困難に」などと再現されていた。事件が釧路地方検察庁帯広支部へ送致された事実やその送致年月日も開示され、捜査を手がけた警察署が「帯広警察署」と明記されているのはもちろんのこと、捜査主任官の警視や調べにあたった警部の氏名も墨塗りされず、決裁した課長や次席の名も読み取れるようになっている。一般的に被害者などの特定を避けて公表されるべき性犯罪にあっても、この程度の開示は充分に可能ということだ。言うまでもなく、公文書は開示が原則。役所の情報は役所の所有物ではなく、国民の財産だからだ。

 これが鹿児島県警の文書になると、事情が大きく異なってくる。手元にある『本部長指揮事件指揮簿』には「強制性交被疑事件」の事件名が記されているのみで、発生日時や犯行態様などはまったくわからない。計8枚の文書は意味のある記述がすべて真っ黒の「のり」で隠され、適切な捜査が行なわれたのかどうか、そもそも実際に事件があったのかどうかすら確認できない体裁だ。これを「開示」というのはあまりに無理がある。

 同時に開示された「道路交通法違反(酒気帯び運転)被疑事件」の記録はさらに輪をかけて「のり」が多く、のっけから警察署の名や捜査主任官の氏名がべったり墨塗り。採取されたアルコール量が「呼気1リットルに0.15ミリグラム」と明かされるのみで、事件の現場や日時は完全に不開示。送致先の検察庁の名も隠され、否、送致されたかどうかも判断できない状態にされており、文書はただただ「酒気帯び運転がありました」という事実を語っているのみだ。

 一方の北海道警。現職警察官の起こした交通事故の捜査記録として開示された『重要特異交通事故発生報告書』には、事故の発生日時や現場の記載があるのみならず、状況を示した略図まで添えられている。当日の天候や路面の状況、破損したタイヤの種類、制限速度の有無も明記されている。併せて開示された『指揮簿』には「同乗中の被疑者を負傷させた」との記述があり、それが護送中の事故だった事実を確認できるようになっている。

 どちらが適切な情報開示なのかは、改めて言うまでもない。本サイトで繰り返し伝えているように、警察は日常的に事件・事故の情報を報道機関に提供し、軽微な交通違反などでもあっても場合によっては当事者の個人情報を公開するような役所だ。ならばこそ、身内の警察官が法令違反を起こした時には自戒を込めていっそう詳しい情報を、少なくとも一般市民の事件・事故と同じぐらいの情報を積極的に公表する責任がある筈だ。鹿児島県警がその責任を充分に果たしているとは、お世辞にも言い難い。

 筆者の審査請求で決定が覆った同旨の公文書開示では2月上旬現在、県警からなおも具体的な進捗連絡が届いていない状況。いずれ「開示」される文書がどれほどの「のり」に覆われることになるかは、追って報告を続けたい。(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・事件・犯罪・鹿児島県警に多発する不祥事】  2025年02月12日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・02.01》:仮装身分捜査の導入 乱用防ぐ仕組みを確実に

2025-02-03 02:03:40 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

《社説②・02.01》:仮装身分捜査の導入 乱用防ぐ仕組みを確実に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・02.01》:仮装身分捜査の導入 乱用防ぐ仕組みを確実に

 新たな捜査手法が乱用されないための仕組みが必要だ。

 「闇バイト」による強盗事件などを摘発するため、警察庁が「仮装身分捜査」を導入した。捜査員が身分を偽って応募し、犯人グループに接触する。

 

 雇われたふりをして情報を入手し、実行犯らを検挙するのが狙いだ。警察官の応募があるかもしれないと思わせ、犯罪を抑止する効果も期待されている。

 

「仮装身分捜査」の流れとイメージ

「仮装身分捜査」の流れとイメージ

 闇バイトの募集では、応募者の個人情報を把握する目的で、身分証明書の画像を送信させるケースが多い。

 このため、架空の顔写真や氏名を記載した運転免許証、マイナンバーカードなどを都道府県警が作製し、捜査員が使う。

 本来は公文書偽造などの罪に当たる行為だ。警察庁は「正当な業務による行為は罰しない」とする刑法の規定を根拠に、違法にはならないと説明している。

 これでは、捜査活動の一環であれば、何をしてもいいということになりかねない。非常に問題のある解釈だ。

 仮装身分捜査については、警察庁の実施要領で、インターネット上で実行犯を募集する強盗や詐欺などが対象とされた。

 さらに「他の方法では犯人の検挙が困難な場合」に限られる。都道府県警の担当部門が実施計画書を作り、本部長の承認を得ることも明記された。

 ただ、警察内部のルールに過ぎない。対象が、なし崩しに広がっていくことも懸念される。市民活動の監視などに悪用されるリスクもある。

 恣意(しい)的な運用を防ぐには、法律で要件や適用範囲を規定すべきだ。裁判官ら第三者によるチェックも欠かせない。

 捜査現場での課題もある。実行犯らを逮捕するタイミングが遅れれば、取り返しのつかない事態を招く恐れがある。

 仮装身分捜査の導入は、昨夏以降に相次いだ闇バイト強盗を受けて、短期間で決まった。必要性や問題点に関する議論が不十分だったのではないか。

 警察は、犯罪捜査や治安維持で大きな権限を持つ。慎重かつ公正に行使しなければ、市民の信頼が損なわれる。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年02月01日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫県警本部長】:「偽情報は社会に不利益」…死亡の前県議「逮捕予定」を否定した理由を説明

2025-02-01 05:00:15 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【兵庫県警本部長】:「偽情報は社会に不利益」…死亡の前県議「逮捕予定」を否定した理由を説明

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県警本部長】:「偽情報は社会に不利益」…死亡の前県議「逮捕予定」を否定した理由を説明 

 前兵庫県議が自殺とみられる形で死亡後にSNS上で拡散された「前県議は逮捕予定だった」との情報を、1月20日の県議会で「事実無根」と指摘した村井紀之・県警本部長(57)が31日、読売新聞のインタビュー取材に応じた。警察が個別の案件に言及した異例の対応について「(拡散が続けば)社会にとって不利益だと考えた」と説明した。

インタビューに応じる村井紀之本部長(31日、兵庫県警本部で)=八木良樹撮影
インタビューに応じる村井紀之本部長(31日、兵庫県警本部で)=八木良樹撮影

 死亡した前県議は、斎藤元彦・兵庫県知事のパワハラなどの疑惑を調査する県議会百条委員会メンバーだった竹内英明氏(50)。県議辞職後、警察の捜査を受けているとの投稿が拡散された。死亡後は「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が、ユーチューブ動画で「逮捕される予定だった」などと発言していた。

 村井氏は取材に対し「100%の虚偽が拡散されていいわけがない。悪意なく拡散している人がいた」と指摘。「人が亡くなり、尊厳が傷つけられているのを放置できなかった」と語った。

 また、県警がX(旧ツイッター)の公式アカウントで 誹謗ひぼう 中傷をやめるよう投稿したことに関して「意見が対立する人同士で折り合える雰囲気がなく、放置すると兵庫の未来が危ぶまれた。一部で続く分断の流れを止めたい」と語った。

 ◆「悪意ない拡散を止める必要」

 村井本部長との主なやり取りは次の通り。

 ――県議会での発言の経緯は。

 「亡くなった方には、反論の機会がない。『県警幹部が否定した』というニュースが流れただけではSNSの拡散は止まらなかった。県警トップの私が答弁する方が否定の効果があり、合理的だろうと考えた」

 ――一般的に捜査に関する情報は公開しないが。

 「常識的な判断をすれば、放置できない。我々がはっきりメッセージを出さないことで、さらなる虚偽が拡散される。現に人が亡くなり、尊厳が傷つけられている。明白な虚偽を発信する大本が一番悪いが、悪意なく拡散する人がおり、止める必要があった」

 ――Xで誹謗中傷をやめるよう県警が1月22日に投稿した経緯は。

 「知事選で虚偽情報が拡散され、選挙後にも止まらなかった。何かメッセージを出すことも検討したが、そのときは諦めた。今回の答弁に思いのほか反響があり、幹部とも相談して発信を決め、自分で書いた」

 ――いま発信した理由は。

 「一部で続く『分断』を止めたかった。選挙が終わったらノーサイドかと思ったが火種が残った。意見が対立する人同士で折り合える雰囲気がなく、兵庫の未来が危ぶまれた」

 ――兵庫県の状態をどう見ているか。

 「分断が根深い状態だという感触はある。思い込みをしている人が、お互いに一切交わらない状態、対立の状態はあるかなと感じている。竹内前県議の死をきっかけにその分断が根深くなり、見過ごすわけにいかない」

 ■あわせて読みたい

 元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース 社会 【話題・前兵庫県議が自殺とみられる形で死亡後にSNS上で拡散された「前県議は逮捕予定だった」との情報を、1月20日の県議会で「事実無根」と指摘した村井紀之・県警本部長(57)が31日、読売新聞のインタビュー取材に応じた】  2025年02月01日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫県警】:『NHK党』立花孝志氏 亡くなった竹内前県議への問題発言で、ついに「捜査に本腰」へ

2025-01-27 07:12:50 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【兵庫県警】:『NHK党』立花孝志氏 亡くなった竹内前県議への問題発言で、ついに「捜査に本腰」へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県警】:『NHK党』立花孝志氏 亡くなった竹内前県議への問題発言で、ついに「捜査に本腰」へ

 元稿:講談社 主要出版物 FRIDAY DIGITAL 社会 【話題・兵庫県警・『NHKから国民を守る党』党首・立花孝志氏(57)が、聞きようによっては『竹内元県議が亡くなった原因が県警にある』との発言】  2025年01月26日  12:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・01.16】:鹿児島県警の犯罪疑いに検審「不起訴相当」|「決定の過程がわからない」と告発人男性

2025-01-16 07:03:30 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・01.16】:鹿児島県警の犯罪疑いに検審「不起訴相当」|「決定の過程がわからない」と告発人男性

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・01.16】: 鹿児島県警の犯罪疑いに検審「不起訴相当」|「決定の過程がわからない」と告発人男性 

 本サイト(ニュースサイト・ハンター)編集部への家宅捜索などは違法だったとして東京都の編集者が鹿児島県警本部長らを告発していた問題で昨年暮れ、検察の不起訴処分を不服とした告発人による第三者機関への審査申し立てが退けられたことがわかった。議決の理由はとくに明かされていないといい、告発人の男性は「何をどう審査したのかがまったくわからず、これでは議決への不満すら表明できない」と話している。

           ◆   ◆   ◆

 前県警本部長・野川明輝氏と組織としての県警、及び氏名不詳の警察官らを特別公務員職権濫用などで告発したのは、警察不祥事に関するノンフィクション書籍などを出版しているリーダーズノート出版(東京都豊島区)の木村浩一郎代表(63)。昨年6月14日付の告発状によると、県警がハンター編集部を家宅捜索して取材データを押収した行為が特別公務員職権濫用(刑法194条)にあたるほか、県医師会職員の関与が疑われる性犯罪の捜査を怠った行為が犯人蔵匿・犯人隠避(同105条)にあたり、また先の強制捜査で取材の秘密を侵して別の事件を仕立てた行為(情報漏洩の疑いで前生活安全部長を逮捕)が憲法21条違反にあたるとし、検察による適切な捜査と処罰を求めた。

 告発を受理した鹿児島地方検察庁はしかし、上のすべての事実について不起訴処分を決定。処分日は、受理から僅か2週間あまりが過ぎた7月5日だった。告発人の木村さんは、地検のこの対応に率直な疑問を呈する。

 「誰がどう見てもおかしな状況になっているにもかかわらず、あまりにも短い期間で不起訴が決まってしまった。不当逮捕が疑われる前生活安全部長の裁判すら始まっていないのに、ですよ。裁判所が簡単にガサ状を出したことも含め、これでは本当に三権が分立してると言えるのか……」

 不起訴決定に納得できない木村さんは、検察の処分の適正性を審査する第三者機関「鹿児島検察審査会」に審査を申し立てた。7月10日付の申立書では、改めて県警による6つの違法行為疑いを指摘している。具体的には(1)ハンターへの強制捜査時の令状不提示、(2)押収データの一部の消去、(3)先述の元生安部長の逮捕、(4)『刑事企画課だより』を通じた不適切な指示、(5)不祥事隠蔽の指示、及び(6)先述の性犯罪の隠蔽――、の計6件を挙げた上で、次のように訴えた。

 《民主主義の根幹をも揺るがしかねない当該強制捜査に関わる(1)~(6)の犯罪に関して、この短期間での地検の捜査が不十分だという世論もあり、国民の納得も得られていないと考えられ、「不起訴」の決定には大きな疑問が残ります。なお犯罪が行われた場合に行為者本人のみでなく行為者と一定の関係にある組織をも処罰することは「両罰規定」と呼ばれており、私は、県警本部長や関係警察官だけでなく、「鹿児島県警」の罪をも告発しています》

 申し立てを受理した鹿児島検審が審査の結果を明らかにしたのは、5カ月あまりを経た12月24日。伝わった結論は、検察の不起訴処分を是とする「不起訴相当」議決だった。議決の理由は「不起訴処分を覆すに至らなかった」という抽象的な説明に留まり、申立人の木村さんはこれに「何をどう審査したのかがまったくわからない」と呆れる。

 「わからない以上、不満すら表明できない。こういう幕引きには、何が起きているのかわからないことへの本質的な恐さがある。本部長の異動も生安部長の告発と関係ないという建前ですが、そんなことあり得ないでしょう。なんだかわからない恐怖感がずっと残ります」

 そもそも、当初の刑事告発は決して本意ではなかったという。声を上げざるを得なくなったのは「自分もいつ同じ目に遭うかわからない」という危機感ゆえだった。

 「義務感ではなく、やらないとやられる、という恐怖感。自分自身も無関係ではないから告発せざるを得なかった、ということです。警察と裁判所にあんなことされたら、うちみたいな出版社なんかひとたまりもない。ああいうガサを許していくと本なんて作れなくなる。もちろん自己防衛がすべてではなく、一度でもあれを許すと国民にとっても不利益しかないですから」

 鹿児島の検察審査会は、その危機感を受け止められなかったようだ。報道機関への強制捜査は、検察のみならず第三者機関からもお墨つきを与えられる結果となった。

 なお今回のような刑事司法の判断については、その適正性が強く疑われるケースがあることも事実。本サイトで繰り返し報じてきた「首相演説ヤジ排除事件」では、警察官の排除行為を違法とする検察への告訴告発、検察審査会への審査申し立て、及び刑事裁判所への付審判請求がことごとく奏功せず、即ち排除行為になんら違法性はないとの判断が示されたが、排除被害者らが提起した国家賠償請求裁判では排除行為を違法・違憲とする判決が確定し、民事と刑事の判断が相反する結果となった。(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・話題・鹿児島県警が抱える数多くの疑惑】  2025年01月16日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・01.09】:能登地震復旧中の「幹部宴会」巡り食い違う警察庁と鹿児島県警の対応

2025-01-16 07:03:20 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・01.09】:能登地震復旧中の「幹部宴会」巡り食い違う警察庁と鹿児島県警の対応

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・01.09】:能登地震復旧中の「幹部宴会」巡り食い違う警察庁と鹿児島県警の対応 

 (警察庁と鹿児島県警は不仲なのではないか?)――そう思わせるような情報公開請求への対応となった。

 ハンターが地震被災地の実情を無視して開かれた警察幹部による「宴会」について、鹿児島県警と警察庁が保有しているはずの同一文書の開示請求を行ったところ、県警は文書の存在を認めた上で非開示、警察庁は文書があるか否かについて答えないという「存否応答拒否」を通知してきた。これは一体どういうことか?

            ◆   ◆   ◆

 ハンターが県警に開示請求したのは「本田尚志元生活安全部長が井上昌一元刑事部長の名前を使って発出したとされる文書」。警察庁には「本田尚志元鹿児島県警生活安全部長が井上昌一元鹿児島県警刑事部長の名前を使って発出したとされる文書」の開示を求めた。対象文書は、警察庁の公益通報窓口に郵送された1件の文書だ。

 これは本田氏が1月下旬に、警察庁の公益通報窓口に送ったとされる告発文書。そこには、元日に起きた能登半島地震を受けて全国の警察官が災害派遣され困難を極める復旧作業にあたっていた2月初旬に、鹿児島市内の日本料理店で、本部長をはじめとする鹿児島県警のほとんどの幹部が九州管区警察局長と「宴会」を開く予定であることが明かされていた。告発文書の送り主は、井上刑事部長(当時)になっていたという。

 宴会の開催を要求したのは九州管区警察局長。告発文書は、これを非常識な強要行為であるとして警察庁に中止指導を求めていた。しかし、同庁は宴会を止めることなく告発を黙殺。この件に懲りたのか本田氏は、野川明輝県警本部長(当時)による警官非違い事案の隠ぺい指示など4件の組織内不祥事を、北海道のジャーナリスト・小笠原淳氏に郵送していた(*既報)。

 当時の九州管区警察局長は、前任地の福岡県で本部長を務めていた岡部正勝氏(24年3月で退任。4月から京都産業大学教授)。岡部氏が東大卒の警察庁キャリアだったため、仲間に傷を付けたくない同庁側が、あえて問題にしなかったという見方をする関係者もいる。

 やはり東大卒のキャリア警察官である野川前本部長の隠ぺい指示を「なかった」と決め付け、本田氏の「内部通報」を否定して「情報漏えい」で片付けようとしているのも警察庁。二つの事案に通底しているのは“キャリア擁護”の姿勢だ。それが形を変えて表出したのが、本田氏が警察庁に郵送したとされる告発文書への対応ではないのか。

 ハンターは昨年7月、警察庁に対し令和3年から昨年7月5日までの間に同庁に届いた「鹿児島県警職員の非違事案や不適切行為に関する告発、苦情、相談等の記録及びそれぞれの件ごとに提出を受けた文書、データ」を開示請求。不祥事続きの同県警について、上級庁の警察庁に寄せられた告発や抗議の件数と内容を知るためだったが、一部開示された各文書の受け取り日付から確認した限りでは、本田氏が郵送した文書は含まれていなかった。

 次いで10月、同庁に対し「令和6年1月以降に警察庁に送付されたすべての内部通報」を開示請求したが、一部開示された4件の文書の日付から、本田氏が郵送した内部通報文書に合致するものが対象から外されていたことが分かっている。警察庁は、告発自体を「なかったこと」にしたというわけだ。

               ◆   ◆   ◆

 前置きが長くなったが、「本田尚志元生活安全部長が井上昌一元刑事部長の名前を使って発出したとされる文書。(*県警が会見で事実関係を公表したもの)」の開示請求に対する鹿児島県警の答えが下の「公文書不開示決定通知書」。県警は、対象文書が鹿児島県情報公開条例の「適用除外」であり、その根拠は「弁論の公開を禁止した事件の訴訟記録又は一般の閲覧に適しないものとしてその閲覧が禁止された訴訟記録は(略)訴訟関係人又は閲覧につき正当な理由があって特に訴訟記録の保管者の許可を受けた者でなければ、これを閲覧することができない」という刑事訴訟法の規定だとした。要は、刑事裁判の証拠書類だから開示できないということ。つまり、対象文書が「ある」ということを、県警が証明した格好だ。

 一方、同じ対象文書であるにも関わらず、警察庁の「行政文書不開示決定通知書」にある不開示理由は、まったく違うものとなった。それが下、対象文書が「個人情報」だから存在するか否かも回答できないという理由が綴られている。

 県警は刑事事件の証拠書類であることを不開示理由にして対象文書の存在を認めているのに、警察庁は個人情報だとして存否応答拒否。同じ警察組織の対応がこれほど違うとは驚きだ。すり合わせができていないことは明白で、国家公務員法違反という重大事件に関係する文書の扱いとは思えない。

 振り返ってみると、県警は記者会見で――“唐突に”――送り先と内容を秘匿したまま、本田氏が井上前刑事部長の名前を使って文書を送ったという事実のみを公表した。わざわざ井上氏の名前を使ったという部分に興味が向くよう仕向けたのは、本田氏を貶める狙いがあったと見るべきだろう。

 しかし、報道関係者が文書の内容や送り先を探り当てようとするのは当然で、その結果、キャリア警察官が主導した非常識な宴会の実態が報道されることにつながった(*既報2)。警察庁としては、同庁出身のキャリア警察官に傷がつく事態が面白いはずがない。

 だが、鹿児島県警は告発内容が表に出ても非難される度合いが小さいと判断していたはずだ。宴会を強要したのは九州管区警察局長。告発文書は、県警側が上位者に逆らえず、宴会に“参加させられた”という趣旨になっていたとみられている。県警は被害者、管区警察局長が加害者――そうした構図が表面化することを拒む警察庁の姿勢が、「存否応答拒否」につながったという見立ては十分に成り立つ。

 西日本新聞の報道によれば、同紙記者の取材に応じた岡部前九州管区警察局長は、「監察ではなく巡視。不適切とは思わない」「目的は懇親」などと述べたという。完全に開き直った形だが、巡視であろうが監察であろうが、能登で災害復旧にあたっていた全国の警察官や被災地の住民が、警察幹部の宴会を良しとするはずがない。宴会を開いて“懇親”しなければ機能しない組織なら、税金で支える必要などはあるまい。

 同一文書の開示請求を巡り、食い違う鹿児島県警と警察庁の対応――。共通しているのは、被災地を無視した宴会を「問題なし」と強弁する傲慢な態度だけだ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・話題・同一文書の開示請求を巡り、食い違う鹿児島県警と警察庁の対応・鹿児島県警が抱える数多くの疑惑】  2025年01月09日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・12.12】:鹿児島県警、能登半島地震の災害派遣中に被災地無視して本部長らが「宴会」|九州管区警察局長、巡視当日の愚行

2025-01-09 05:15:10 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・12.12】:鹿児島県警、能登半島地震の災害派遣中に被災地無視して本部長らが「宴会」|九州管区警察局長、巡視当日の愚行

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・12.12】:鹿児島県警、能登半島地震の災害派遣中に被災地無視して本部長らが「宴会」|九州管区警察局長、巡視当日の愚行 

 元日に起きた能登半島地震を受けて全国から警察官が災害派遣され難航する復旧作業にあたっていた2月初旬、鹿児島市内の日本料理店で、本部長はじめとする鹿児島県警のほとんどの幹部が九州管区警察局長と宴会を開いていたことが分かった。

 災害派遣された各地の警察官たちは車中泊するなど厳しい条件下で任務についていたとされ、被災地の住民や命がけで使命を果たしていた警察官たちを愚弄する行為に厳しい批判の声が上がりそうだ。

 ■県警幹部、ずらり参加

 宴会が行われたのは今年の2月5日。誘ったのは2022年3月から2023年7月まで福岡県警本部長を務め、同年8月から九州管区警察局長に就任していた岡部正勝氏(24年3月で退任。4月から京都産業大学教授)だったとされ、県警側からは野川明輝本部長(当時。現・自動車安全運転センター総務部長)以下、中野誠交通部長(現・刑事部長)、井上昌一刑事部長(退職)、本田尚則生活安全部長(退職)、大川隆則警備部長(退職)、上別府高宏首席監察官(現・鹿児島中央署長)など部長級の約10人が参加していた。管区警察局からは岡部局長のほか、その秘書が同席していたという。

 元日発生の能登半島地震を受けた警察庁は、同日中に「災害警備本部」を設置。「警察と被害状況」(第一報)と題する公表文書の発信をホームページ上で開始し、4月までに49回(第49報)の情報発信を行っていた。下の画像は、同庁が公表した2月2日の第37報。鹿児島県警から派遣されていた警察官が、「特別自動車警ら隊」の部隊員として活動していたことが分かる。

 大規模地震に見舞われた能登半島には宿泊施設がなく、全国から応援に入った公務員などのための宿泊拠点がようやくできたのは今年3月の末。2月初旬といえば、災害派遣された警察官や自治体職員が車中泊するなど厳しい状況下での活動を余儀なくされていた時期だった。

 そうした中での警察組織幹部らによる「宴会」――。被災地支援に出向いたすべての人たちはもちろん、被災地の住民をも愚弄する行為だったと言うしかない。

 ■闇に葬られていた警察庁への「内部通報」

 全国の警察で起きた不祥事を受け、2000年に国家公安委員会によって設置された「警察刷新会議」は『警察刷新に関する緊急提言』をまとめ公表した。その発端となった事件の一つは新潟県警が起こした数々の不祥事だった(配信記事参照)。

 この件では、1990年から9年以上も監禁されていた少女が2000年1月に発見された際、特別監察実施後の関東管区警察局長が新潟県警本部長から接待を受けていたことが発覚。局長と本部長は責任をとる形で辞職している。岡部元局長と鹿児島県警の幹部らは、警察組織が信頼を失う原因となった事案の反省を忘れ、絶対にやってはいけない時期に「宴会」を開いていたことになる。「上級者である局長からの誘いで断れなかった」という言い訳が聞こえてきそうだが、過去の事例を挙げて断ることはできたはず。苦しみの中にいる被災者や被災地で活動する人たちをあざ笑うかのような愚行を許すわけにはいくまい。

 ちなみに、この「宴会」を問題視し、事前に警察庁に「内部通報」したとされているのは、情報漏洩の疑いをかけられ国家公務員法違反の疑いで逮捕・起訴された元鹿児島県警生活安全部長の本田氏。しかし、その内部通報を警察庁は黙殺し、宴会は予定通り開かれていた。告発が闇に葬られた格好だ。

 本田氏が警察組織の隠ぺい体質に落胆したことは容易に想像がつく。地元メディアと県警の癒着構造を知る本田氏は、やむなく次の内部通報を北海道のジャーナリスト・小笠原淳氏に郵送。結果的に、それが県警を揺るがす情報漏洩事件につながった。裏を返せば、その後現職警官による犯罪行為が次々に明らかとなるきっかけを作ったのが「警察庁」だったというという見立ても成り立つ。

 県警はこれまでの記者会見で、内容も送り先も伏せたまま、本田元部長が逮捕容疑となった小笠原淳氏への内部通報とは別に、井上刑事部長(当時)の名前を使ったもう1件の文書を発出していたことを明かしている。わざわざ2通目の文書の存在に言及したのは、いずれ「宴会」が表面化するのを見越して、本田氏の狙いが「公益通報」ではなく、井上氏を貶めることにあったと印象付けるためだろう。姑息という他ない。

 ハンターは警察庁に対する複数回にわたる開示請求を行ってきたが、本田氏が送ったはずの告発文書の存在自体が「ない」ことにされており、次稿でその過程の詳細を報じる予定だ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・話題・鹿児島県警が抱える数多くの疑惑】  2024年12月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・12.24】:【鹿児島県警の闇】:「すみやかに」で1カ月経過|隠蔽失敗の捜査関係文書、開示にのらりくらり対応

2025-01-03 06:18:50 | 【警視庁・警察庁・都道府県警察本部・警察署・刑事・警察官・警部・監察官室・...

【HUNTER・12.24】:【鹿児島県警の闇】:「すみやかに」で1カ月経過|隠蔽失敗の捜査関係文書、開示にのらりくらり対応

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・12.24】:【鹿児島県警の闇】:「すみやかに」で1カ月経過|隠蔽失敗の捜査関係文書、開示にのらりくらり対応 

 鹿児島県警察の不適切な情報開示が指摘されている問題(既報)で、第三者機関の答申を受けた県公安委員会の裁決から1カ月を経てなお公文書の開示・不開示の目途がついていないことがわかった。現時点で決定時期の見通しは立っていないようで、県警の担当課は「すみやかに」と説明するのみ。官庁御用納めの12月27日にまでに決定が出せるかどうかも明言できないといい、もとの開示請求から数えて3年越しの対応となる可能性が濃厚になってきた。

              ◆   ◆   ◆

 本サイトで繰り返し伝えている通り、鹿児島県の情報公開・個人情報保護審査会(野田健太郎会長、委員5人)が県警の不適切な情報開示対応を指摘することになったのは本年9月下旬のこと。県警は前年の2023年5月、筆者の同年3月の文書開示請求に対して「存否応答拒否(文書が存在するかどうかを明かさず不開示)」決定を出していた。対象の文書は警察官らの不祥事に係る事件捜査の記録などで、ほかの都道府県警察では問題なく開示される情報。鹿児島のみが存否を答えないという対応に合理性は見出せず、筆者は同年7月に審査請求(不服申し立て)を行なった。先述の審査会は1年あまりの審査を経て開示をやり直すべきとの答申をまとめ、これが県警を管理監督する県公安委員会に伝わったのが本年10月下旬のこと。公安委はさらに1カ月を経た11月20日付で当初処分を取り消すとの裁決を出すに到った。

 同裁決を機に改めて「やり直し」時期について筆者が県警に問い合わせを寄せたところ、担当者は「振り出しに戻る、つまり請求時点からの手続きに戻るということ」と説明した。額面通り受け取るならば、県警は筆者が改めて文書開示請求をしたと想定して開示・不開示を決める作業を進め、理想的には通常の開示期限内(原則15日以内)に決定を出すということになる。文書の分量が多いなどで期限内の対応が難しい場合は、これも通常の開示請求への対応がそうであるように「延長通知」がなされることが想定された。

 ところが実際には、裁決から1カ月を過ぎても開示・不開示の決定連絡は届かず、延長決定も通知されていない。きっかり1カ月後となる12月20日、筆者が県警の情報公開係へ問い合わせを寄せたところ、対応を引き継いだ監察課は「今まさに改めて作業を進めているところ」と説明、具体的な時期の目途を尋ねる問いには「書類を集めてどこまで出せるか検討しているところ」と答えたのみで、時期は明言できないとのことだった。「御用納めの27日までに決まらない可能性もあるか」との問いにも明答は返されず、場合によっては年を越すこともあり得る状況が仄めかされた。

 通常の開示請求で示される「延長通知」については、今回は出ることがないという。つまり、おおむねいつごろ結論が出るのかは今後も一切示されることがなく、請求人である筆者はただただ待ち続けるしかないというわけだ。

 2023年3月に開示を求めた文書は、県警で過去5年間に記録された不祥事(懲戒処分、及び監督上の措置)のうち事件捜査の対象となった事案の捜査の記録(事件指揮簿など)。文書量がそれなりに多くなることは理解できるものの、繰り返しになるがそもそも最初に請求を寄せたのは今から1年9カ月ほども前のこと。23年7月に筆者が審査請求を申し立ててから審査会が答申を出すまでの間だけでも1年間以上の猶予があり、その間に県警は先んじて対象文書を探索・特定しておくことができた筈だ。

 今回の審査会答申や公安委裁決は、県警で強く疑われる隠蔽体質を改めて浮き彫りにする大きな意義があった。だがその後の県警の対応は遅々として進まず、担当課は「すみやかに」と繰り返すばかり…。

 結びに、鹿児島県情報公開条例・第1条の条文を全文採録しておく。

 《この条例は、地方自治の本旨にのっとり、県民の知る権利を尊重し、公文書の開示を請求する権利につき定めること等により、県政に関する情報の一層の公開を図り、もって県の有するその諸活動を県民に説明する責務が全うされるようにするとともに、県民の県政に対する理解と信頼を確保し、県民参加による公正で開かれた県政の推進に資することを目的とする

 なお上の条文には主権者として「県民」の語が頻出するが、同第5条では開示請求権者を「何人も」と、即ち“誰であっても”と定めており、実際には県民でなくとも公文書の開示を求めることができる。(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・話題・鹿児島県警が抱える数多くの疑惑】  2024年12月24日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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