【社説②】:頼政権と中国 火種としない知恵絞れ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:頼政権と中国 火種としない知恵絞れ
台湾で与党・民進党の頼清徳(らいせいとく)氏が総統として率いる新政権が20日にスタートする。1月の総統選で中国は頼氏を台湾独立派と敵視して「戦争か平和の選択」になると主張。軍事演習も行って「圧力」をかけたが、中国が当選を望んだ野党・国民党候補などを破り、頼氏が当選した。
【社説②】:頼政権と中国 火種としない知恵絞れ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:頼政権と中国 火種としない知恵絞れ
台湾で与党・民進党の頼清徳(らいせいとく)氏が総統として率いる新政権が20日にスタートする。1月の総統選で中国は頼氏を台湾独立派と敵視して「戦争か平和の選択」になると主張。軍事演習も行って「圧力」をかけたが、中国が当選を望んだ野党・国民党候補などを破り、頼氏が当選した。
《社説②》:習・プーチン会談 中国は停戦へ関与強化を
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:習・プーチン会談 中国は停戦へ関与強化を
世界の安定を語るのであれば、その実現に向けて具体的に行動しなければならない。
ロシアのプーチン大統領が通算5期目の初外遊として中国を訪問し、習近平国家主席と会談した。
強調されたのは両国の結束だ。習氏は「中露関係の発展は世界の平和と安定、繁栄に資する」と述べ、プーチン氏も「協力を拡大し、より公正で合理的な国際秩序を構築したい」と表明した。
会談後に発表された共同声明は、合同軍事演習の規模拡大や貿易・投資の促進、金融や人工知能(AI)、宇宙といった分野での連携強化などを打ち出した。
両国を結びつけるのは、米国への対抗姿勢だ。中国は米主導による包囲網形成を警戒し、ウクライナに侵攻したロシアは制裁を科されている。中露主導のBRICSや上海協力機構を通じ、グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国を取り込む思惑も一致する。
ウクライナ戦争で中露関係は様変わりした。2023年の貿易総額は前年比26・3%増の2401億ドル(約37兆円)と過去最高を更新した。中国はロシアから原油や天然ガスを大量に購入することで間接的に戦費を支える一方、電子部品をはじめ軍事転用可能な物資をロシアに輸出している。
戦争の長期化でロシアにとって中国は頼らざるを得ない存在となっている。習氏は「ウクライナ危機の政治的解決が正しい方向」と説明する。中国は現在の力関係を生かしてロシアに影響力を行使できるはずだ。
米欧はウクライナ支援を継続しているが、侵攻開始から2年以上が過ぎ、各国の世論には「支援疲れ」も出ている。
来月にはウクライナが提唱する和平案について話し合う首脳級の国際会議がスイスで開催される。ロシアは招待されておらず、中国も距離を置いている。
だが、他国の領土を踏みにじる国際法違反から目を背け、関係の緊密化を図るだけでは国際社会の信頼は得られまい。
習氏は「欧州の平和と安定が早期に回復することを期待し、建設的な役割を果たしたい」と語った。そうであるならば、ロシアに対して軍の撤退と停戦の働きかけを強めるべきだ。
元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2024年05月19日 02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【社説①・05.10】:中国秘密法改正 不透明な運用が心配だ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・05.10】:中国秘密法改正 不透明な運用が心配だ
中国で国家機密の管理を徹底するために改正した国家秘密保護法が、今月から施行された。
元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2024年05月10日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【社説・05.02】:中国で消息不明 統制強化で人権を侵すな
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・05.02】:中国で消息不明 統制強化で人権を侵すな
国家の安全を強化する必要があっても、人権をないがしろにしてはならない。中国の習近平政権が進める統制強化に怖さを感じる。
日本に住む中国人研究者が一時帰国中の中国で失踪する事案が相次いでいる。
中国籍の亜細亜大教授が昨年2月に帰国して以降、消息不明になっていることが最近明らかになった。
これについて中国外務省は記者会見で「状況を把握していない」としているが、消息を絶つ前に中国当局者の接触を受けており、拘束された可能性がある。
今年3月には、神戸学院大の教授が昨年夏に帰国してから消息がつかめないことが明らかになった。不可解な点が多く、心配な状況だ。
中国当局は2019年に、北海道教育大の教授だった中国人をスパイ容疑で拘束し、後に起訴している。
国家安全を重視する習政権は「スパイ」の摘発を強化している。日中双方の情報を持ち、幅広い人脈を持つ日本在住の中国人研究者を標的にしていると指摘される。
日本人を含む外国人の摘発も少なくない。昨年3月、アステラス製薬の日本人社員がスパイの疑いで拘束され、同年10月に逮捕された。14年の反スパイ法施行後、少なくとも17人の日本人が拘束されているのは看過できない。
中国は23年に反スパイ法を改正し、取り締まりを強化した。当局が「国家の安全と利益」に関する情報の提供、収集の疑いがあると判断すれば摘発できるようになった。
亜細亜大教授の失踪について、林芳正官房長官は記者会見で「人権に関わり得る事案であるため、関心を持って注視している」と述べた。
日本在住者の身辺を危うくする問題である。日本政府は中国に対し、速やかに事実関係を調査して報告するよう求めなければならない。
アステラス製薬の事案を受け、当時の垂(たるみ)秀夫駐中国大使は拘束された社員への領事面会に臨み、後任の金杉憲治大使も面会した。
大使による面会は異例だ。早期解放を求める日本政府の姿勢を中国側に強く示す行動と言える。評価したい。
日中関係は重要だが、人権侵害に関することで中国政府に遠慮する必要はない。問題があれば、毅然(きぜん)として適切な対処を要求すべきだ。
スパイ摘発を目的とした法の不透明な運用や拘束は、中国の利益にならない。
最近は中国問題を専門とする日本の研究者や友好団体の関係者も、不当な拘束を恐れて訪中を控えている。日中交流への影響は大きい。
外国企業では中国への社員派遣や投資をためらうだけでなく、現地から撤退する動きも出ている。中国経済には軽視できない打撃だろう。
日本政府はこうしたマイナス面を中国に説き、拘束された人の早期解放と反スパイ法の見直しを訴えるべきだ。
元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2024年05月02日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【天風録・05.01】:台湾と能登
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・05.01】:台湾と能登
豆乳に酢を入れ、ほろほろになったスープは朝一番の口に優しい。夜市では香辛料の利いた焼き肉まんを頬張った。台湾への旅行中、現地ガイドから1日3食全ての外食は茶飯事と聞いた
▲胃を満たし熟睡していた翌日夜明け前、横揺れで飛び起きた。台湾東部沖地震の余震は、100キロ以上離れた台北市の宿泊先にも及んだ。頭をよぎったのは4月初旬の本震の映像である
▲ビル損壊や崖崩れは怖いが、避難所は日本と違った。発生から1日もたたないうちにテントが整備され、日常の外食文化をほうふつとさせる温かい食事も。温水シャワーやクリーニングの衛生面だけではない。無料Wi―Fiと、かゆいところにも手が届く
▲日頃から行政とボランティア団体が連絡を取り合うらしい。必要な物資や被災者のニーズに沿い、事前に役割分担する。過去の台風や地震の教訓を生かす仕組みだ。災害大国のこちらはと、ため息をつきたくもなった
▲きょう能登半島地震の発生から4カ月。行政が当初制限したボランティアは増えつつある。なりわいの再開や、復興まちづくりで東日本大震災や熊本地震の被災者が手を貸す。日本らしい助け合い文化を見せる番でありたい。
元稿:中国新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2024年05月01日 07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【論説・05.01】:米国務長官訪中 危機管理は大国の責務
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【論説・05.01】:米国務長官訪中 危機管理は大国の責務
ブリンケン米国務長官が訪中し、習近平国家主席や王毅外相らと会談した。米中両国の対立は構造的で、利害対立も深刻だ。こうした状況では、誤解から衝突などが起きる懸念がある。双方が接触を密にすることは危機管理のために重要な意味があった。
ただ、すれ違いの感が強い会談であったことは否めない。ブリンケン氏は台湾海峡の安定の重要性を強調。中国は台湾問題を「越えてはならないレッドラインだ」と改めて強調し、台湾への武器支援の停止を要求した。さらに「中国の発展の権利を奪うな」と主張、半導体など先端技術での対中規制の撤回も求めた。
ブリンケン氏は帰国前の記者会見で、中国はロシアの武器製造に必要な物資の「最大の供給源」になっており、ロシアの軍事産業を支えていると指摘。「深刻な懸念」を伝達したと明らかにした。中国側から前向きな返答は得られなかったもようで依然溝は深い。
その一方で、衝突回避のための意思疎通など、危機管理の重要性で一致できたことは評価したい。
「対話のための対話」との声もあるが、米側は「対話こそ重要で、両国間で外相同士が往来すること自体が成果だ」と指摘する。中国側も同様だろう。
中国の偵察気球が米本土に飛来しブリンケン氏の訪中が延期された昨年2月ごろに比べ、米中関係は「まったく違う状況」(米政府高官)にまで好転している。今年4月には電話での首脳会談に続き、イエレン米財務長官が訪中し経済交流面で地固めに臨んだ。両国国防相のテレビ会談も行われた。
こうした積み重ねが誤解による衝突を防ぎ、信頼関係の構築につながることを期待したい。危機管理は、世界で1、2位を占める軍事大国の責務だ。
中国にとって米国は最大のライバルであり、米国主導の国際秩序に不満が強い。だが軍内の腐敗の深刻化や不動産不況による経済の悪化など国内事情もあり、当面は関係改善を望んでいる。
米国は11月に大統領選挙を控える。中国側には、民主党から共和党に政権が移っても、米中関係が迷走しないよう、対話の制度的枠組みを今のうちに構築しておきたいという狙いもあっただろう。バイデン政権側も対話継続の仕組みを求める思惑は同じはずだ。
米中関係では、日本の存在が重要度を増している。今回の米中対話に先立ち、岸田文雄首相が訪米。日米は軍事大国化する中国を念頭に在日米軍の体制を強化し、即応性を持たせる抑止力強化に大きく踏み出した。
米国が防衛負担の一端を同盟国に預けようとする潮流に合わせ、日本は他国のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有準備を進める。
しかし、米国が描く東アジア安全保障の枠組みに一層深く組み込まれつつある日本に対し、中国は「危険な道を暴走している」(国営通信新華社)と危機感をあらわにしている。
地理的に中国と直接向き合う日本には、中国側の懸念をより正確に把握した上で、米国とは違うアプローチを編み出す知恵と努力が必要になる。現時点で日本と中国の対話の仕組みは脆(ぜい)弱(じゃく)であり、民間交流なども活用した対話メカニズムを充実させるべきだ。
元稿:山陰中央新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【論説】 2024年05月01日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【社説①】:台湾の地震 被災地へ可能な限りの支援を
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:台湾の地震 被災地へ可能な限りの支援を
台湾をまた大きな地震が襲った。日本は、被災体験を共有する隣人として、官民挙げて、できる限りの支援をしたい。
台湾東部の花蓮沖を震源とする地震が3日に発生し、最大震度6強を観測した。複数の死者が出たほか、1000人以上が負傷している。日本の気象庁は、地震の規模をマグニチュード(M)7・7と推定している。
台湾は地震の多発地帯で、M7前後の地震が過去にも起きている。今回の地震は、2400人以上が死亡した1999年の台湾大地震以来、最大規模だという。
最も揺れが強かった花蓮では、建物の倒壊や落石が相次ぎ、道路が寸断された。大勢の人が山間部のホテルなどに取り残され、連絡が取れない人も多数いるという。被害の広がりが心配される。
大きな余震にも警戒が必要だ。当局は、被災者の一刻も早い救助に力を尽くしてもらいたい。
台湾では1階部分を駐車場などにする建物も多く、かねて耐震性への懸念が指摘されてきた。台湾大地震後に耐震基準が強化されたが、東部は西部と比べて都市整備が遅れ、古い建物が目立つ。
そうした事情が重なり、被害を大きくした可能性がある。今後改めて検証を進め、災害に強い街づくりに生かしてほしい。
台湾に集積する半導体メーカーの工場も被災し、稼働を一時停止するなどの影響が出た。
ハイテク機器に使われる最先端半導体の生産は、世界の9割を台湾に依存している。供給網が1か所に集中するリスクが、改めて浮き彫りになったと言えよう。
これまで台湾からは、日本が困難に見舞われた際、いち早く支援の手が差しのべられてきた。
東日本大震災では世界最大規模となる200億円以上の義援金が寄せられた。元日の能登半島地震でも25億円が早々に集まった。コロナ禍では、日本へ200万枚のマスクが贈られたこともある。
台湾大地震の際、日本から政府の援助隊やボランティアらが現地入りし、阪神大震災の経験を生かして救助や仮設住宅の提供に奔走した。こうした支援を台湾の人は記憶してくれているのだろう。
今回の地震を受け、岸田首相は「隣人である台湾の困難に際し、日本は必要な支援を行う用意がある」と表明した。必要があれば、すぐに申し出てほしい。
互いの恩返しは日台関係の深さの象徴だ。政府は今後の復興も含め、迅速に支援に動けるよう、万全の態勢を整える必要がある。
元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2024年04月05日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【社説②】:中国の全人代 「党政分離」に立ち返れ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:中国の全人代 「党政分離」に立ち返れ
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2024年03月07日 06:41:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【社説②】:総統選後の台湾 中国の圧力は逆効果だ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:総統選後の台湾 中国の圧力は逆効果だ
1月の台湾総統選で、頼清徳(らいせいとく)副総統が当選し、中国とは距離を置く与党・民進党政権が継続することを受け、中国は台湾と外交関係を有する南太平洋の島国に断交圧力をかけている。中国は間接支援してきた野党・国民党の候補が敗れた総統選の結果について「民進党は(台湾)島内の主流の民意を代表できない」と不満を隠さないが、台湾人が民主的な選挙を通じて示した民意を尊重すべきだ。
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![]() 中華民国副総統として公開された公式写真(2020年)
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元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2024年02月28日 07:19:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【社説②】:中国を仮想敵に 対話の機運に水を差す
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:中国を仮想敵に 対話の機運に水を差す
米軍と自衛隊が2月上旬、「台湾有事」を想定した最高レベルの指揮所演習で、中国を初めて仮想敵国と明示したことが共同通信の報道で明らかになった。
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2024年02月19日 07:25:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【社説②】:コロナ後の中国 懸念される社会の萎縮
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:コロナ後の中国 懸念される社会の萎縮
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2024年02月15日 07:55:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【視点】:暗雲漂う中国経済 統制強化に不安と嫌気 中国総局・新貝憲弘
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【視点】:暗雲漂う中国経済 統制強化に不安と嫌気 中国総局・新貝憲弘
中国経済に暗雲が漂っている。上海の株式市場は昨年後半からの下落傾向が止まらず、中国政府の景気対策は「見かけだけで中身がない」(政府系シンクタンク研究者)と見透かされて効果はいまひとつ。しかも「市場や企業にとって、政策のないことが最良の政策の時もある」「政府の権限縮小こそが経済の活力」(経済メディア)とまで皮肉られる始末だ。
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【視点】 2024年02月07日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【中国政府】:春節大移動「過去最多」を演出、新たな指標導入で「中国衰退論」払拭する狙いか
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中国政府】:春節大移動「過去最多」を演出、新たな指標導入で「中国衰退論」払拭する狙いか
今週末に始まる中国の春節(旧正月、今年は10日)に伴う連休を控え、帰省や旅行による移動がピークを迎えている。景気低迷を背景に節約志向が広がり、割高な航空機や列車の利用は減少する見通しだ。中国政府は、従来とは異なる算出方法で「過去最多」の大移動をアピールしている。(上海 田村美穂、瀋陽 出水翔太朗)
5日午後、上海市の上海虹橋駅は、大型のスーツケースや手土産を持った乗客らでごった返していた。安徽省に帰省するという、同市の広告会社員、張倩さん(23)は「おいしい物を食べてゆっくりと過ごしたい」と笑顔だった。
春節連休を含む前後40日間は「春運」と呼ばれる。連休を利用して多くの人が帰省したり、国内外の観光旅行に出かけたりする。中国政府の予測では、今年は「過去最多」となる延べ90億人が移動するという。
中国政府は例年、この期間の移動者数について、鉄道や飛行機といった公共交通機関を使う旅客数の予測を公表してきた。しかし、今年の数字は、マイカーでの帰省者らの数も加えた「社会全体の地域をまたぐ人の移動量」という新たな指標を導入した結果だ。
従来の方法では、延べ18億人で前年予想(約21億人)から14%減る見通しだ。景気低迷から移動を控える人が増えているのが実態だ。
コロナ禍で落ち込んだ海外旅行への需要が十分回復していないことも響いている。中国の民間航空会社の国際線利用者数は、2023年12月時点でコロナ禍前の19年同期比で、6割程度にとどまっている。手軽な国内旅行が人気だという。
航空券代の高さから日本行きを断念した上海市の高臻さん(26)は「経済の先行きが分からず、貯金しなければという思いもある」とため息をつく。
移動者数の多さを誇示する中国政府には、経済の悪化に伴う「中国衰退論」を 払拭 する狙いもありそうだ。第一生命経済研究所の西浜徹・主席エコノミストは旅客数の算出方法の変更について「不透明で、数字には懐疑的だ。『過去最多』とすることで中国経済の前途は明るいとアピールしたいのだろう」と話す。
元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 国際 【アジア・中国】 2024年02月06日 07:20:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【金融】:中国の株安止まらず、市場安定化策また不発…トランプ氏発言にも警戒感
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金融】:中国の株安止まらず、市場安定化策また不発…トランプ氏発言にも警戒感
【北京=山下福太郎】中国市場の株価下落が加速している。5日の上海総合指数は、前日に金融当局が発表した市場安定化策への失望売りが広がった。今年秋の米大統領選でドナルド・トランプ氏が当選すれば、米中対立が一段と激化するとの懸念も相場の重しとなる。
中国証券監督管理委員会(証監会)は4日、株式市場の安定化策を決めた。相場操縦や悪質な空売り、インサイダー取引を取り締まるほか、新規上場を厳しく管理することなどが柱だ。投資家の声に耳を傾け、対応することも心がけるという。
直前の2日には、深センや上海の本土市場で一時、株価が急落する「パニック売り」(株式アナリスト)が広がった。金融当局は沈静化を狙ったとみられるが、1月下旬に米メディアが報じた株式を買い支える2兆元(約40兆円)規模の市場安定化基金への言及はなかった。
5日の上海総合指数は、前週末に比べて一時、3%超下げた。終値は1%安の2702・18で、6日間連続の下落だった。指数は、3400に迫った直近の高値である昨年5月から2割、低下した。不動産市況や雇用の悪化による景気減速に加え、過度な規制を嫌気した外国人投資家の「中国売り」が広がっている。
米ブルームバーグ通信は1月下旬、中国本土と香港の証券取引所に上場している株式の時価総額はピークから約6・3兆ドル(約930兆円)減ったと報じた。金融当局は昨夏以降、本土株の空売りを禁じる株価対策などを発動した。ただ、いずれも「口先介入」や「窓口指導」にとどまり、株価を下支えする効果は十分ではない。
さらに足元では、トランプ氏の発言が売りを加速させている。4日(米国時間)に放送された米テレビのインタビューで、大統領に就任すれば60%の対中関税を検討しているとの米紙報道を認め、「(税率は)もしかしたらそれ以上かもしれない」と述べた。
トランプ政権時に、米国は3700億ドル相当の中国製品に対し、最大で25%の関税を課している。この関税率が60%を超えれば、輸出は減少し、中国経済に与える打撃は深刻になる。
日系エコノミストは「中国株には当面、買い材料が乏しい。中国政府が国内外の投資家の信頼を取り戻す抜本的な政策を打ち出すしかない」と指摘している。
元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 経済 【金融・株式、中国市場の株価下落が加速】 2024年02月06日 06:55:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
【社説①】:週のはじめに考える 習氏「軍粛清」の裏には
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:週のはじめに考える 習氏「軍粛清」の裏には
中国の習近平国家主席(共産党総書記)による人民解放軍たたきが目立ちます。表向きは軍内の腐敗一掃とされますが、国防相やロケット軍司令官が解任されるなど粛清といえるほど苛烈です。
元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2024年02月04日 07:49:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。