路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【筆洗】:ズボンの中に、オウムを忍ばせて上陸したオランダ人がいたという。

2019-03-21 06:10:50 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【筆洗】:ズボンの中に、オウムを忍ばせて上陸したオランダ人がいたという。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:ズボンの中に、オウムを忍ばせて上陸したオランダ人がいたという。

 鎖国時代の貿易地、長崎の出島での出来事である。検査中に鳥がしゃべりだしてばれたそうだ。スウェーデンの植物学者ツュンベリーが『江戸参府随行記』に書き残している▼パンツに硬貨を入れたり、髪の毛の中に隠したり。外国人の不正な持ち込み、持ち出しが、横行した結果、日本側の監視も強化される。<ギリシア神話のアルゴス[体に多くの眼(め)をもつ巨人]の眼が使われているといえるほど>、細かく、厳しくなった。水際での激しい攻防が繰り返されていたようだ▼国内経済を混乱させる密輸とともに、幕府が恐れたのは、取り返しがつかない損害を生む恐れのある禁制品の国外流出だった。地図を持ち出そうとした「シーボルト事件」がその後、実際に起きている▼神話の巨人の厳しい眼を、思い出す時ではないか。和牛の受精卵などが、中国に不正に持ち出された事件である。持ち出した男は、過去にも繰り返したと話しているようだ▼長年の研究、改良でつくりあげた財産が和牛だろう。国外での人気が高まる一方なのに、その「遺伝資源」を保護する制度が整っていないという。日本が誇る財産に取り返せないほどの損失が生じる恐れがあるだろう▼安価な和牛が輸入されるような事態は悪夢であるはずだ。水際の眼と保護の仕組みが待たれる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年03月21日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:種子条例 地方の声は届くのか

2019-02-19 06:10:35 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【社説①】:種子条例 地方の声は届くのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:種子条例 地方の声は届くのか 

 コメや麦の優良な種子の開発と安定供給を義務付けた、種子法の廃止から十カ月。それに代わる自治体独自の「種子条例」の制定が相次いでいる。「種を守ろう」-。地方の声は政府に届くのか。 

 地方の危機感が増している。農業の持続可能性への危機感だ。

 新潟、富山、兵庫、山形、埼玉各県が、種子法に代わる新たな条例をすでに制定済み。岐阜、長野、福井、宮崎、そして北海道も新年度の施行を目指している。

 “農業王国”北海道は、イネ、麦、大豆にとどまらず、小豆やインゲンマメなど道の主力作物にも対象を拡大し、優良な種子の安定供給を、自らに義務付ける方針だ。長野県は「信州の伝統野菜」や特産のソバを対象にするという。

 種を守るということは、食文化を守るということだから。

 昨年秋、全国一の種もみ生産県富山から新しい銘柄米がデビューした。一般公募で名付けて「富富富(ふふふ)」。富山県農業研究所が十五年がかりで開発した“労作”だ。高温や病気に強く、倒れにくい、いわば温暖化対策品種でもある。

 イネも麦も生き物だ。気候風土がはぐくむものだ。種子の開発は、生育環境に配慮して地域ごとに進めていくのが望ましい。

 ましてや温暖化に伴う異常気象の影響が世界中で顕著になっている。例えば温暖化に強い新品種の開発を競う自治体の取り組みを、国として強力に後押しすべき局面だ。種子法廃止は、逆行というしかない。

 「民間企業の参入を妨げる」-。そう言って、国は種子法を廃止した。「外資を含む民間企業が市場を席巻し、地域の独自品種が作られなくなるのでは」-。消費者にも不安が広がり始めている。

 「すべての都道府県が種子法に代わる条例を制定すれば、恐らく種子は守られる」と、元農相の山田正彦さんは言う。しかし「それだけでは不完全」とも考える。

 スイスでは、国民投票の結果を受けて、憲法に「食料安全保障」を位置付けた。

 TPP協定の進展などに伴う巨大資本の攻勢から個性豊かなコメや伝統野菜を守り抜き、食料自給率を維持し、底上げしていくために、「国による後押しや予算措置は必要だ」ということだ。

 地方議会から国会へも、種子法廃止を懸念などする意見書が相次いで寄せられているという。国はわき上がる地方の声に耳を傾けるべきではないか。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年02月18日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【 日本の台所が危ない】: ブレーキ役の環境省が…ゲノム編集作物を野放しにする理由

2018-11-12 07:10:30 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【外資の餌食 日本の台所が危ない】: ブレーキ役の環境省が…ゲノム編集作物を野放しにする理由

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外資の餌食 日本の台所が危ない】: ブレーキ役の環境省が…ゲノム編集作物を野放しにする理由

 ■外資の餌食 日本の台所が危ない

 ゲノム編集作物をめぐる規制議論も、米国の意向が優先されて日本の食の安全がおろそかにされる典型例だ。

 ゲノム編集とは特定の遺伝子に狙いをつけて効率よく改変する技術。約20年前に開発され、2012年に簡便な手法が確立、研究の分野で広まってきた。

 ゲノム編集は遺伝子組み換えのように「魚の遺伝子をトマトに」など異種の遺伝子を組み込むことも技術的には可能だが、食品の品種改良では、遺伝子の一部を壊すことで新たな特性を持たせる使われ方が主流だ。

見た目は区別できないが(ゲノム編集されたイネ)/(C)共同通信社

 見た目は区別できないが(ゲノム編集されたイネ)/(C)共同通信社

 例えば、国内で開発されているケースとして、筋肉の増量を抑える遺伝子を壊すと、筋肉ムキムキのマダイができるという。

 異種の遺伝子組み入れは自然界では起こり得ないが、遺伝子が壊れることはある。このためゲノム編集作物をどう規制するかが各国の課題。自然界でも起こり得るのだから問題ないのではないかという意見があるのだ。

 「異種の遺伝子を組み込まなくても、遺伝子の切り取りにより予期せぬ現象が起きる報告が学会などで相次いでいます。欧州はじめ世界は、ゲノム編集についても遺伝子組み換え並みの規制をする方向です。そんな中、米国がゲノム編集作物を規制対象外と決めると、すぐさま日本は歩調を合わせる方向に動いたのです」(東大大学院・鈴木宣弘教授=農政)

 今年3月に米国農務省がゲノム編集作物に規制をかけない声明を出すと、5月に環境省は「ゲノム編集技術等検討会」を設置。8月に開催したたった2回の検討会で、遺伝子を壊すゲノム編集を規制対象外とする意見書をまとめたのだ。事業者に情報提供を求めるとしているが、事実上の野放しである。

 「ゲノム編集自体は可能性を秘めた技術です。例えば、先端医療などでこれまでできなかった治療に道を開くことができるかもしれない。しかし、日常的に人が口にする食の分野にゲノム編集のような未知の技術を持ち込む場合、野放しはあり得ない。よく分からないからこそ、疑わしきは安全サイドに立つのが、国民の命を守る政府の責任なのに、日本政府は完全に米国の言いなりになっています」(鈴木宣弘教授)

 ゲノム編集の規制は今後、厚労省や消費者庁でも議論されるが、“結論ありき”はミエミエだ。環境省は「情報を集めて必要があれば対応する」(外来生物対策室)と回答。消費者を実験台にする気か――。生態系をゆがめかねない動きにブレーキをかけるべき環境省が野放しをリードするとは、世も末だ。 =つづく

 (取材=本紙・生田修平、高月太樹)

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月10日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本の台所が危ない】:日本では「遺伝組み換えでない」表示が今後消える可能性が

2018-11-12 07:10:20 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【外資の餌食 日本の台所が危ない】:日本では「遺伝組み換えでない」表示が今後消える可能性が

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外資の餌食 日本の台所が危ない】:日本では「遺伝組み換えでない」表示が今後消える可能性が

 ■外資の餌食 日本の台所が危ない

 日本に遺伝子組み換えのトウモロコシや大豆などを輸出している米国で、健康意識の高まりから「“脱”遺伝子組み換え作物(GMO)」の動きが盛んになっている。元農水大臣で弁護士の山田正彦氏がこう言う。

 「今年9月、米ロサンゼルスを視察した際、地元の人に連れられ近所のスーパーを訪れました。そこでは、野菜や果物、鶏卵やケーキなど、あらゆる種類の食品に『有機栽培』と『遺伝子組み換えでない(NonGMO)』という2種類のシールが貼られていたのです。富裕層をターゲットにした高級スーパーだけでなく、低中流層が行くようなスーパーにも同様のシールが使われていました」

 遺伝子組み換えの本場である米国でNonGMOや有機栽培の表示が広まっている一方、日本では、遺伝子組み換え食品の表示が、消費者に不利益なように変更されようとしている。

値段に「有機」「NonGMO」のシール(山田正彦氏が米国で撮影)

  値段に「有機」「NonGMO」のシール(山田正彦氏が米国で撮影)

 ■「消費者の知る権利を奪っている」

 日本では、一部の農産物や加工食品について「遺伝子組み換えである」と表示することが内閣府令で義務付けられている。一方、「遺伝子組み換えでない」表示については、原材料にGMOが5%以下で混入している場合、メーカーが任意で「遺伝子組み換えでない」と表記しているが、これが今後、消える可能性があるのだ。

 理由は、消費者庁が「遺伝子組み換えでない」の表示を“厳格化”するとして、GMO混入率を0%に限定しようとしているから。しかし、どれだけ農産物を厳重に扱っても輸送・流通の段階でわずかのGMOの混入は避けられないため、混入率を0%にすると、誰も「遺伝子組み換えでない」を表示できなくなってしまうのである。

 できるだけ「遺伝子組み換えでない」食品を消費者に提供しようと、ほぼ混じり気のない混入率0%台のものを頑張って販売しているメーカーも、今後は表示できなくなるということだ。

 「EUでは『組み換えでない』表示は0.9%以下です。日本でも同様の基準にしようという議論はありました。しかし、日本は食品原材料のほとんどを海外からの輸入に頼っているため、混入率0.9%を満たす原材料を調達することが難しいのです」(消費者庁食品表示企画課)

 結果的に、海外から遺伝子組み換え作物をバンバン輸入する企業を優遇していることにならないか。

 農業問題に詳しいジャーナリストの天笠啓祐氏は、「『遺伝子組み換えでない』という表示がなくなるのは、消費者の知る権利を奪っているに等しい」と指摘する。

 ちなみにEUでは、全食品の遺伝子組み換え表示を義務付けている。=つづく

 (取材=生田修平、高月太樹/ともに日刊ゲンダイ) 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月09日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本の台所が危ない】:世界的に市場縮小も…遺伝子組み換え作物に毒される日本

2018-11-12 07:10:10 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【外資の餌食 日本の台所が危ない】:世界的に市場縮小も…遺伝子組み換え作物に毒される日本

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外資の餌食 日本の台所が危ない】:世界的に市場縮小も…遺伝子組み換え作物に毒される日本

 ■外資の餌食 日本の台所が危ない

 遺伝子組み換え作物(GMO)市場が世界的に縮小し始めている中、多国籍企業が拡大先として狙っているのが日本だ。

 38%という低い食料自給率の日本は、すでに大量の遺伝子組み換え作物が流通する“GMO大国”である。農水省の資料によると、日本は米国とカナダから、トウモロコシ、大豆、ナタネ、ワタの4種のGMOを大量に輸入しているという。それらGMOは、マーガリンやマヨネーズ、食用油などに加工され日本国内で出回っている。

消費者は置き去りに(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

    消費者は置き去りに(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 米国や欧州などで“脱”GMOの動きが高まっているのに、日本はまったく逆。実際、日本のGMO承認数は2016年のTPP協定署名後、急激に増加している。「国際アグリバイオ事業団」(ISAAA)のデータによると、米国での承認数が203であるのに対し、日本は317で、44カ国中ダントツに多い。なぜ、こんなことになっているのか。農水省の農産安全管理課は、「我々も驚いている」と言い、こう続けた。

 「数え方の違いのせいで日本の承認数が突出しているように見えるが、実際に日本で流通している遺伝子組み換え作物は183種類です。そのうち、栽培可能なものは139種類。国内では、青いバラのみ作られています」

 要するに、日本で作られるGMOはほぼゼロということだが、栽培できるのに作られないのは、「消費者の抵抗がある」(前出の農産安全管理課)からだ。

 それでも、日本政府は消費者を置き去りにして、多国籍企業の意向に沿うように、農薬の残留基準を緩和したり、GMOを承認したりしている。元農水大臣で弁護士の山田正彦氏がこう言う。

「日本でGMOが作られていないといっても、民間や多国籍の種子企業は、すでに日本向けの遺伝子組み換えのコメや小麦の種子開発を終えています。販売ルートに乗せる準備は整っているのです。2015年に訪問先のワシントンで話をした全米小麦協会のドロシー会長は、『米国では国民の間に(遺伝子組み換え小麦に対する)抵抗が強いので、まず日本で食べてほしいと思っている』と言っていました。2020年から、遺伝子組み換え小麦の流通が日本で本格化するのではないかという話もあります」

 GMOは、殺虫剤や除草剤に耐性を持つように作り替えられているため、残留農薬による健康被害も心配される。ところが、日本政府は、消費者がGMOか否か判断できないように、GMOの「表示義務」を変えようとしているのだ。 =つづく

 (取材=日刊ゲンダイ・生田修平、高月太樹) 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月08日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本の台所が危ない】:米「脱・遺伝子組み換え作物」が拡散 しかし日本市場は…

2018-11-12 07:10:00 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【外資の餌食 日本の台所が危ない】:米「脱・遺伝子組み換え作物」が拡散 しかし日本市場は…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外資の餌食 日本の台所が危ない】:米「脱・遺伝子組み換え作物」が拡散 しかし日本市場は…

 ■外資の餌食 日本の台所が危ない

 1990年代後半から全米で爆発的に普及した遺伝子組み換え作物だが、2010年代になって安全性に疑問が沸き上がった。果たして12年11月、カリフォルニア州で、遺伝子組み換え食品の表示義務化をめぐる住民投票が実施されることになった。

 「遺伝子組み換え作物が素晴らしいというのなら、表示して誇ればいい。私たちには買わない権利がある」――。義務化推進派はそう訴えた。事前調査では大多数が表示の義務化を支持していたが、結果は賛成49%、反対51%。表示義務化は実現しなかった。

 モンサント、デュポンなどのバイオ企業やペプシコ、ネスレなど食品会社が巨額の資金を投じて、大反対キャンペーンを展開。CMで「食品価格が高騰する」と訴えたことが奏功したとみられている。

 その後、13年にワシントン州、14年にオレゴン州の住民投票でも僅差で否決されたが、人口わずか62万人のバーモント州が風穴をあける。14年4月、全米で初めて遺伝子組み換えの表示を義務付ける法律を州議会で可決。16年7月1日から施行された。ところがこの動きに横ヤリが入る。同年7月29日、オバマ大統領は、遺伝子組み換え食品をバーコード表示でもOKとする連邦法に署名。ハッキリ目立つ表示を義務付けたバーモント州の法律は無効にされたのだ。

オバマ大統領(当時)も横ヤリ/(C)日刊ゲンダイ

   オバマ大統領(当時)も横ヤリ/(C)日刊ゲンダイ

 バーコードでは何の意味だか分からない。オバマの連邦法は義務化反対派の完勝。

 オバマ政権で農務長官を務めたビルサック氏は、コテコテの遺伝子組み換え推進論者で、リベラルなオバマも多国籍企業に囲われていたのである。

 「確かに、これまで米国で法律での表示義務化は成功していません。しかし、民間レベルで、非GMO(遺伝子組み換えでない)の認証を行い、食品に表示したり、非GMO食品の情報を提供する動きが広がりました。また、化学肥料や農薬を使わない有機農作物も売り上げが伸びています」(アジア太平洋資料センターの内田聖子氏)

 米国の「“脱”遺伝子組み換え作物」は、世界を巻き込みつつある。

 「米国の他、ブラジル、インド、カナダなどで遺伝子組み換え作物の栽培は減少し始めています。ルーマニア、ウクライナはすでに遺伝子組み換え作物の作付けから撤退し、ロシアと中国もその方向で検討しています」
(元農水大臣で弁護士の山田正彦氏)

 1996年の栽培開始以来、遺伝子組み換え作物の耕作面積は一貫して右肩上がりだったが、15年に初めて前年比1%のマイナス成長になった。16年は盛り返したものの、世界的な退潮がうかがえる。追い詰められた多国籍企業の目に留まったのが日本市場なのである。 =つづく

(取材=本紙・生田修平、高月太樹)

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月07日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本の台所が危ない】:急成長の遺伝子組み換え作物 全米で“安全性”への疑問爆発

2018-11-12 07:09:50 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【外資の餌食 日本の台所が危ない】:急成長の遺伝子組み換え作物 全米で“安全性”への疑問爆発

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外資の餌食 日本の台所が危ない】:急成長の遺伝子組み換え作物 全米で“安全性”への疑問爆発

 遺伝子組み換えとは、自然界では起こらない遺伝子操作を人為的に行う技術である。例えば、「ホウレンソウの遺伝子を豚に」「魚の遺伝子をトマトに」など日常的に行われている。



 遺伝子組み換え作物は特定の除草剤をかけても枯れなかったり、害虫を寄せ付けなくなる。そうした作物を食べた虫は腸が破壊されるというから強烈だ。除草剤にやっつけられるのは雑草だけ、しかも農作物自体が害虫を殺す――。農家にとっては“夢の技術”に見えたに違いない。

 世界の遺伝子組み換え作物市場は破竹の勢いで伸びている。「国際アグリバイオ事業団(ISAAA)」の報告書によると、遺伝子組み換え作物の耕作面積は、栽培が始まった1996年は170万ヘクタールだったが、昨年は1億8980万ヘクタール。20年そこそこで、なんと111倍である。

 米国を中心に世界の遺伝子組み換え作物市場をリードしたのは、今年6月に独バイエルに買収された旧モンサント(米)だ。現在、遺伝子組み換えの種子で世界シェア90%を持ち、遺伝子組み換え種子と除草剤「ラウンドアップ」のセット販売を拡大してきた。


     知る権利を求めて(2013年、米メリーランド州)/(C)ロイター=共同

 ■“夢の技術”が一転

 遺伝子組み換え作物の安全性に懐疑的なEUでは規制が厳しく、ほとんど普及していないが、米国では遺伝子組み換えの表示義務がなく、規制は皆無。それが爆発的な普及を後押しした。

 ところが、2010年代に入って、米国でも遺伝子組み換え作物の安全性や採算性に疑問の声が湧き起こる。アジア太平洋資料センターの内田聖子氏が言う。

「除草剤を使い続ければ雑草は除草剤に耐性を持つようになるので、除草剤を高濃度にしたり、使用量を増やさざるを得ない。これは農家の経営を圧迫します。さらに、最大の問題は安全性。ちょうど遺伝子組み換え作物の栽培が始まった90年代後半から、全米各地で、アレルギー、糖尿病、自閉症、不妊、出生障害などの疾患が急増したのです。人間だけでなく家畜やペットも健康を害したのですが、飼料を『非GMO(遺伝子組み換えでない)』に替えると劇的に回復したケースが相次ぎました。そこで遺伝子組み換え食品の表示を求める運動が全米に広がっていきました」

 米国では、世論調査で90%以上が遺伝子組み換えの表示を望む中、11年には全米各地で「消費者の知る権利」を求める請願運動が起こり、「表示」を求め150万人もの署名が集まった。翌12年、カリフォルニア州で「食品表示の義務化」を求める住民投票が行われることになったが、多国籍企業は黙っていなかった。 =つづく

 取材=生田修平・高月太樹(ともに日刊ゲンダイ)

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月06日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本の台所が危ない】:大丈夫か…メーカーの要望で農薬残留基準が緩和されていた

2018-11-12 07:09:40 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【外資の餌食 日本の台所が危ない】:大丈夫か…メーカーの要望で農薬残留基準が緩和されていた

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外資の餌食 日本の台所が危ない】:大丈夫か…メーカーの要望で農薬残留基準が緩和されていた

 ■外資の餌食 日本の台所が危ない

 日本は、世界の農薬規制の流れと逆行している。

 問題は、政府が昨年12月25日、コッソリ公布した「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件」という告示だ。驚くべきはその内容で、食品に残る農薬の基準値が大幅に緩和されたのである。

 例えば、米モンサントの除草剤「ラウンドアップ」に含まれるグリホサート。グリホサートは、世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関が「おそらく発がん性がある」と指摘している化学物質だ。ところが、厚労省は昨年12月、小麦に残っても大丈夫なグリホサートの基準を改正前の6倍に、ソバについては150倍に緩和したのだ。厚労省食品基準審査課の担当者は、「動物実験などの試験の結果、(基準値の)安全性は担保されている」と話すが、消費者の不安は置き去りだ。

農薬の安全性に“絶対”はない(C)PIXTA

      農薬の安全性に“絶対”はない(C)PIXTA

 そもそも、農薬の残留基準が緩和されるキッカケは、国内外の農薬メーカーが要望したからだ。

 「メーカーなどから、農薬の使用方法を変更したいという申請がありました。申請された使用法でどれだけ農薬が残るかを示したデータに基づき、厚労省へ安全評価をお願いしました」(農水省農薬検査班担当)

 要するに、消費者よりもメーカーが優先されているというワケ。しかし、世界を見渡せば、欧州などでは農薬について“規制強化”が趨勢だ。農業問題に詳しいアジア太平洋資料センターの内田聖子氏が言う。

 「欧州は、環境や生命に重大な影響があると疑われるものを禁止する『予防原則』の立場をとっています。『絶対に安全・安心』を裏付ける研究がない以上、使用できないという考え方。日本と違って欧州では農薬の取り扱いが厳格で、免許を持っていないと使用できません。日本は、惰性であらゆる農薬を使ってきたし、農薬を日本に売り込みたい多国籍企業の意向をはね返す力がないのでしょう」

 農薬は、収穫前の農産物にかけてわざと枯れさせ、乾燥の手間を省くためにも使われるが、元農水大臣で弁護士の山田正彦氏はそうした使い方の拡大に懸念を示す。

 「米国で広く行われている『プレハーベスト散布』と呼ばれる方法で、日本でもすでに、一部の民間企業が大豆の収穫において推奨しています。今後、この方法が、国産のコメにも適用されるかもしれません」

 同じ農薬を使い続けると、害虫や雑草に耐性ができてしまうため、より濃度の高い農薬が使われることがあるという。そして、農薬に耐性を持つ新たな遺伝子組み換え作物が開発されていくのだ。

 気付かぬうちに大量の農薬を摂取してしまうことになりかねない。 =つづく

 (取材=本紙・生田修平、高月太樹) 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月03日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本の台所が危ない】:外国籍の種子企業参入 農薬まみれの米が日本にあふれる?

2018-11-12 07:09:30 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【外資の餌食 日本の台所が危ない】:外国籍の種子企業参入 農薬まみれの米が日本にあふれる?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外資の餌食 日本の台所が危ない】:外国籍の種子企業参入 農薬まみれの米が日本にあふれる?

 ■外資の餌食 日本の台所が危ない

 種子法廃止によって心配されるのが、「種」とセットで販売される農薬などの安全性の問題だ。

 世界の種子市場は、米モンサントを傘下に置く独バイエル、米ダウ・デュポン、スイスのシンジェンタなど多国籍の種子企業7社で8割を占める。日本国内で種の安定供給を担ってきた種子法がなくなった今、こうした多国籍の種子企業が日本の市場に参入してくることが予想される。元農水大臣で弁護士の山田正彦氏がこう言う。

種とセット販売「農薬」の安全性は…(C)日刊ゲンダイ
    種とセット販売「農薬」の安全性は…(C)日刊ゲンダイ

 「世界の種子市場のトップに君臨しているのが、バイエルが今年6月に買収したモンサントです。モンサントは、ベトナム戦争で使われた枯れ葉剤を製造していた会社で、農薬や遺伝子組み換え種子の開発に力を入れてきました。そして、自社の除草剤に耐性を持つ遺伝子組み換え種子を、除草剤、化学肥料と一緒に販売してきたのです」

 モンサントの除草剤「ラウンドアップ」は、日本でもポピュラーだ。100円ショップで気軽に手に入れることができ、農業関係者の間でも流通しているという。

 しかし、「ラウンドアップ」の安全性を巡って、米国では多額の損害賠償を求める裁判が起きている。主成分であるグリホサートに「おそらく発がん性がある」と世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関が指摘しているからだ。

 例えば、米カリフォルニア州の末期がんの男性が、がんの原因が、学校の校庭管理の際に使用していた「ラウンドアップ」だとして訴えを起こした裁判。今年8月、陪審は男性の訴えを認め、モンサントに対し、2億8900万ドル(約320億円)の支払いを命じる評決を下した。これを不服としてモンサントは別途、提訴したが、10月22日、裁判所は8月の陪審評決を維持し、賠償金取り消しを求めるモンサントの申し立てを退けたのである。

 モンサント側は徹底的に争う姿勢だ。日本モンサントはホームページを見て欲しいと話す。そこには、8月の判決について、グリホサートに発がん性がないとする研究結果と共に、「安全性に関する結論を覆すものではありません」「科学が勝つと確信しています」などと明記されている。

 東大大学院教授の鈴木宣弘氏(農政)は、「『科学主義』の下では、たとえ死人が出ても因果関係が特定できなければ何も規制できない」と言う。多国籍の種子企業は、この「科学主義」を盾に、日本の食市場に進出してくる。加えて、日本は世界の流れに逆行して、農薬の規制緩和に動いている。日本の食市場に、農薬まみれの米があふれる日が来るかもしれない。 =つづく

 (取材=本紙・生田修平、高月太樹)  

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本の台所が危ない】:「自家採種の禁止」で…地域の多様な品種が食卓から消える

2018-11-12 07:09:20 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【外資の餌食 日本の台所が危ない】:「自家採種の禁止」で…地域の多様な品種が食卓から消える

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外資の餌食 日本の台所が危ない】:「自家採種の禁止」で…地域の多様な品種が食卓から消える

 ■外資の餌食 日本の台所が危ない

 知的財産権の保護は、TPPでも大きなテーマだった。米中貿易戦争でも、トランプ大統領は中国が知的財産権を侵害していると問題にしている。新しい技術やソフトの開発者の権利がないがしろにされ、コピーや海賊版が横行すれば、開発や著作活動が成り立たなくなってしまう。国際社会が協力して知財保護を強化していくことは必要だ。

 しかし、コピーが何でも悪いわけではない。育成者の権利保護を名目に、「自家採種の禁止」という形で、日本の農業文化が壊されようとしているのだ。

タマネギも自家採種禁止(C)日刊ゲンダイ

       タマネギも自家採種禁止(C)日刊ゲンダイ

 自家採種とは、農家が自ら生産した作物から種を採取し、次の年に作付けすること。企業が開発した種はF1品種と呼ばれ、収穫率が高く、品質の均一性にも優れるが、一代限りの種だ。一方、自家採取の種は、質の劣化は避けられないが、農家は工夫をしながら、種を代々つないできた。東大大学院の鈴木宣弘教授(農政)が言う。

 「自家採種によって、農家固有の品種が代々受け継がれ、日本の農業は地域の特色がある多様な品種を実現してきたのです」

 種子法廃止に続いて、農水省は自家採種を原則禁止する方向に動いている。種苗法で「自家採種を自由にできる」と規定しながら、省令で例外を次々に増やしているのだ。従来、花やキノコなど82種は例外的に自家採種が禁止されてきたが、昨年一気に209種が追加され、現在、禁止は356種類にも上る。タマネギ、ジャガイモ、トマト、ダイコン、ニンジンなどお馴染みの野菜も入っているから驚きだ。

 農業ビジネスを手がける多国籍企業が種の知的財産保護を要望したことを受けて締結されたUPOV条約は「自家採種原則禁止」をうたっている。日本は1991年に条約を批准しているが、ここへきて一気に多国籍企業寄りに舵を切ってきた。

 「農業は作物から種が出来て、次の世代に引き継いでいく循環型の産業です。工業製品や著作物と同列に知的財産権のルールを農業に当てはめ、自家採種を“コピー扱い”するのは間違っています。一世代だけのF1品種が普及し、自家採種が原則禁止になれば、農作物の多様性は失われ、大量生産でき、企業が儲かる品種だけが生き残ることになるでしょう」(鈴木宣弘教授)

 地域の農家育成より多国籍企業の利益重視。いかにも安倍政権らしい姿勢である。 =つづく

 (取材=日刊ゲンダイ・生田修平、高月太樹) 

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年11月01日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本の台所が危ない】:米韓FTAの二の舞に…「地産地消」の学校給食がなくなる日

2018-11-12 07:09:10 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【外資の餌食 日本の台所が危ない】:米韓FTAの二の舞に…「地産地消」の学校給食がなくなる日

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外資の餌食 日本の台所が危ない】:米韓FTAの二の舞に…「地産地消」の学校給食がなくなる日

 ■外資の餌食 日本の台所が危ない

 種子を扱う多国籍企業の門戸開放要求に、政府は日本の食市場を開こうとしている。参入障壁の撤廃や自由でフェアな貿易といえばもっともらしく聞こえるが、それを「食」に当てはめるととんでもないことが起こる。

 2012年に発効した米韓FTA(自由貿易協定)でターゲットにされた韓国の学校給食が象徴的な事例だ。

地元の食材給食を楽しむ児童たち(C)共同通信社

    地元の食材給食を楽しむ児童たち(C)共同通信社

 韓国では、身の回りでとれたものを食べるのが体に最も良いという「身土不二」という考え方があり、学校給食は「地産地消」とする条例が自治体で設けられていた。ところが、FTAの観点から見れば、これらの条例は地元業者のえこひいきになり、米国の農産物を差別していることになる。

 東大大学院の鈴木宣弘教授(農政)が言う。

 「地産地消を貫いて、韓国の地元業者を優遇すれば、ISDS(紛争解決)条項で韓国政府が訴えられかねない。韓国政府は訴訟リスクを回避するため、自治体を指導し、地産地消の学校給食を定めた条例が次々に廃止されました。韓国は米国にうまくやられました」

 しかし、自由貿易や訴訟リスク回避と引き換えに、地産地消の給食が消えたことで、韓国国民が失ったものは計り知れない。

 「地産地消は食の安全、安心を支えるものであるだけでなく、その国の文化です。しかし、自由貿易の世界では、それが差別になってしまう。米国は日本の給食市場も、間違いなく狙っています。日本でも地産地消がやり玉に挙げられかねません。韓国の二の舞いにならないためにも、もっと世論が騒がなければいけないのですが、『種子法』廃止や食をめぐるFTAの問題などについて取り上げるメディアが少ない。このままでは、知らないうちに学校給食が餌食になります」(鈴木宣弘教授)

 日本でも、地産地消が大事だと思う人は多いはずだ。このまま黙って餌食にされていいのか。=つづく

 (取材=本紙・生田修平、高月太樹)

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年10月31日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本の台所が危ない】:日本市場が“おいしい”理由 遺伝子組み換え&農薬の受け皿

2018-11-12 07:09:00 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【外資の餌食 日本の台所が危ない】:日本市場が“おいしい”理由 遺伝子組み換え&農薬の受け皿

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外資の餌食 日本の台所が危ない】:日本市場が“おいしい”理由 遺伝子組み換え&農薬の受け皿

 ■外資の餌食 日本の台所が危ない

 「種を支配する者は世界を制する」――。元農水大臣で弁護士の山田正彦氏は20年前の訪米の際に見た、その看板が忘れられないという。

 世界の種子市場は、独バイエル、米ダウ・デュポン、スイスのシンジェンタ、独BASFで8割のシェアを占める。バイエルは今年6月、遺伝子組み換えで世界シェア9割の米モンサントを買収した。これら多国籍企業が今、日本市場を狙い、市場開放を求めている。

 外資の種子会社は、化学肥料や農薬とセットで「種」を販売するビジネスモデルを確立している。なぜ日本市場に目を向けるのか。外資の最大の関心は遺伝子組み換え作物と農薬だ。TPP問題に詳しいアジア太平洋資料センターの内田聖子氏が言う。

この後、突然「種子法」廃止が決まった(TPP協定署名式=ニュージーランド)/(C)共同通信社

 この後、突然「種子法」廃止が決まった(TPP協定署名式=ニュージーランド)/(C)共同通信社

 「遺伝子組み換え作物は、90年代以降、世界中で順調に販売を伸ばしてきましたが、最近は頭打ちです。そんな中、日本は遺伝子組み換え作物の承認が300を超えていて、米国の約200、EUの約100をしのぐ世界一なのです。また、農薬については、世界では毒性が訴訟で問題になったりして規制強化の方向ですが、日本は逆に規制緩和に向かっています。こんなに“おいしい市場”は日本以外にありません」

 日本市場を狙っている種子会社は、TPPなど自由貿易を推進してきた多国籍企業約600社の中の主要メンバー。各国にロビイストを送り込み、東京にも100人ほどいるとされる。

 2016年2月、ニュージーランドのオークランドで米国離脱前のTPP協定が署名されたが、付属文書には「外国投資家その他利害関係者から意見及び提言を求める」とある。利害関係者とは水道、医療、保険を意味しているとされていたが、実はこれには「種子関連ビジネス」も含まれているという。だから翌17年に「種子法」廃止が突然決まったと推測されるのである。

 「種子法」が廃止されたことで、公共品種が減り、民間参入が加速することになるだろう。国内の民間企業はすでにコメ市場で独自の種を流通させている。三井化学アグロの「みつひかり」は全国のコメ生産でシェア1%。他に住友化学の「つくばSD」や豊田通商の「しきゆたか」がある。その後ろで外資が「種、肥料、農薬ビジネス」を虎視眈々と狙っている。 =つづく

(取材=本紙・生田修平、高月太樹)

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年10月30日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本の台所が危ない】:農産物は価格高騰へ…民間の「種」の値段は公共品の4~10倍

2018-11-12 07:08:50 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【外資の餌食 日本の台所が危ない】:農産物は価格高騰へ…民間の「種」の値段は公共品の4~10倍

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外資の餌食 日本の台所が危ない】:農産物は価格高騰へ…民間の「種」の値段は公共品の4~10倍

 今年4月に種子法が廃止されたことによって、国が種子生産に予算を割くための根拠法が消滅した。これから懸念されるのが、安価な種子がなくなることによる農産物の価格高騰だ。

 種子法の「廃止法」が昨年、国会で議決された際、自治体が従来と変わらずに種子生産の予算を確保できるよう国に求める付帯決議が採択されたが、根拠法を失った影響は未知数である。元農水大臣で弁護士の山田正彦氏は「種子法廃止の影響で主要農産物の価格が上がれば、家計を直撃してもおかしくない」と警鐘を鳴らし、こう続けた。

野菜の値段が上がる(C)日刊ゲンダイ

      野菜の値段が上がる(C)日刊ゲンダイ

「民間が開発している種子の値段は、都道府県の公共品種の4~10倍です。種子開発を手掛ける国内外の化学メーカーが、農薬や化学肥料とセットで種子を販売する場合があり、種子を購入する農家の金銭的な負担が重くなることが心配されます」

 こうした不安を取り除こうと農水省は必死だ。

 国内の民間企業が開発した米の種子はすでに流通している。例えば、牛丼チェーン店などで使われている業務用米の「みつひかり」(三井化学)。農水省穀物課の調べによると、「みつひかり」の種子は、1キロ当たり4000円だ。都道府県の公共品種よりも10倍近く高いが、米の収穫量が格段に多いため種子代や生産にかかったコストを上回る利益を上げることができる、というのが農水省の説明だ。

 ところが、話はそんなに単純ではない。

 種子法廃止と同時に成立した「農業競争力強化支援法」には、肥料や農薬など農業資材の「銘柄の集約」を進めるとある。種子も同じように集約されると、農家は、限られた種類の中から値段の高い種子を購入しなければならなくなる。種子の市場が民間企業による寡占状態になれば、農産物の価格も値上がりすることは必至だ。

 家計だけでなく、農薬の影響も懸念される。

 「多国籍の種子企業の中には、日本向けに、自社の販売する除草剤に耐性を持つ遺伝子組み換えの米の種子を開発し終えているところがあるといいます。その除草剤は、日本でもホームセンターなどで普通に売られているもの。国際がん研究機関は、その除草剤の主成分に『おそらく発がん性がある』と報告しているのです」(山田正彦氏)

 民間や外資メーカーの開発した種子が、今後、農薬や化学肥料と“抱き合わせ販売”されることで、生産コスト増と健康被害が起こり得るという。

 こうして、日本の食と農業は毒されていくのだ。 =つづく

 (取材=本紙・生田修平、高月太樹)

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年10月27日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日本の台所が危ない】: ひっそり可決…多国籍企業のカネ儲けのため「種子法」廃止

2018-11-12 07:08:40 | 【種子法(米や麦、大豆の安定供給を担保)を農水省が廃止した。(種子法が)民...

【外資の餌食 日本の台所が危ない】: ひっそり可決…多国籍企業のカネ儲けのため「種子法」廃止

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外資の餌食 日本の台所が危ない】: ひっそり可決…多国籍企業のカネ儲けのため「種子法」廃止

 ■外資の餌食 日本の台所が危ない

 特定秘密保護法、安保法制、共謀罪、働き方改革関連法、カジノ解禁……。6年にわたる安倍政権下で強行採決された“悪法”は数知れず。そんな中、日本の食や農業を守ってきた大切な法律がひっそりと廃止された。米や麦、大豆の安定供給を担保してきた「種子法」である。



 種子法は、戦中・戦後の食糧難の時代の反省から、1952年に制定された法律だ。これを根拠法として国が予算を出し、自治体が主要農作物の優良な種子を生産・普及することで、国産の安い米などの安定供給を実現してきた。

元凶はTPP(C)日刊ゲンダイ

           元凶はTPP(C)日刊ゲンダイ

 ところが、昨年の通常国会でロクな審議を経ることなく、種子法の「廃止法」が可決。今年4月から施行されているのだ。

 同法を所管していた農水省は廃止の理由について、「(種子法が)民間事業者の品種開発・参入を妨げているから」と説明。その裏にあるのは安倍首相がたびたび口にする「岩盤規制の突破」や「規制改革」である。

 農業や食料自給を守ってきた種子法を「民間への参入障壁=岩盤」とみなし、規制改革の名の下で大企業がカネ儲けしやすい環境をつくる――。モノやサービスの自由な取引を定めたTPPと根っこは同じだ。元農水大臣で弁護士の山田正彦氏がこう言う。

 「種子法廃止の背景にはTPPの交渉参加があります。我々が提起したTPP交渉差し止め・違憲確認訴訟で、今年1月に東京高裁が原告の訴えを退ける判決を下した際、判決文の中に、『種子法の廃止については、その背景事情の1つにTPP協定に関する動向があったことは否定できないものの……』という一文がありました。国民の税金で賄われてきた公共サービス・知的財産が、TPPや種子法廃止によって、民間の多国籍企業などに開放されてしまうのです」

 有識者が農林水産分野の政策を審議する規制改革会議農業ワーキンググループでは、種子法廃止の是非を巡る議論は一切されず、「(種子法に)制度的な課題がある」と指摘されただけ。その「課題」とは、カネ儲けをしたい民間企業にとって“邪魔”だということだ。

 「民間企業が種子事業に参入することで、これまで口にしてきた銘柄米が食べられなくなるかもしれません」(山田正彦氏)

 それだけじゃない。外国からも「種」が入ってくることになり、価格高騰や安全性の不安といった問題にも直面する。日本の食卓風景はガラリと変わらざるを得なくなるのである。 (つづく)

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年10月26日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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