路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【政界地獄耳・11.14】:野党の無効票84票は政治劣化の証し 議会制民主主義の崩壊で前例とすべきでない

2024-11-21 07:40:10 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【政界地獄耳・11.14】:野党の無効票84票は政治劣化の証し 議会制民主主義の崩壊で前例とすべきでない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・11.14】:野党の無効票84票は政治劣化の証し 議会制民主主義の崩壊で前例とすべきでない 

 ★衆院選投票日直前、白票も投票のひとつの手段、意思表示だという趣旨の発言をした番組が猛烈に批判を浴びたという。選挙区で出馬しているいずれの候補者の中から、より自分の考えに近いとか、よりましな候補に投票すべきという声だ。白票という意思表示が必要と考えるか、少しでもいい方に投票すべきか。毎回議論になるが電波に乗せると猛然と抗議が来る。その猛烈に批判する人たちががくぜんとする行為が議会で公然と行われたことに彼らは沈黙するのだろうか。

 ★第2次石破内閣が発足した。短期間の内閣だったが総選挙を経ているため2次内閣になるのだが、石破内閣はいまだ何も仕事をしていないといっていい。解散総選挙とそれらに伴う手続きと人事しかやっていない。衆院規則は1回目の投票で投票総数の過半数に達する議員がいない場合、上位2人による決選投票を行うと定めている。今回の場合は石破茂か野田佳彦のいずれかに投票しなければいけない。自民党・公明党は“ルールを守る”として当然ながら石破と記名投票し、決選投票で共産党は野田と書いたという。立憲民主党・共産を除く野党各党はいずれの名前も書かず結果、無効票が84票に上った。首相指名前の4日、国民民主党代表・玉木雄一郎は自身のネット番組で、決選投票となった場合も「玉木雄一郎と書きます」「今回はむしろ、無効票を書くことが国民民主党と入れてくれた方に一番寄りそう投票行動だと思っている」と無効票の意義として妙な理屈をこねた。

 ★結果、野党の行動で少数与党の自民党が政権を維持するわけだが、この程度の認識の国会議員が無効票の有効性を説けば投票に行くことを促され、どの候補者がより近い考えかで一票を入れるどころか、こんな候補者が1人でも議席を持つべきでないと思う有権者の思いが叱責(しっせき)される義理はない。この野党の行動は政治劣化のひとつとして歴史に刻まれるべき行為で、議会制民主主義を崩壊させるものだ。前例とすべきでない。(K)※敬称略 

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません4。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年11月14日  07:26:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・11.18》:衆院の委員会 「熟議の国会」の再構築を

2024-11-19 09:31:30 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

《社説①・11.18》:衆院の委員会 「熟議の国会」の再構築を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・11.18》:衆院の委員会 「熟議の国会」の再構築を

 衆院選を受けた特別国会は、衆院の委員長や審査会長の人事などを決定し、閉幕した。

 自民党、公明党の与党が衆院選で過半数を得られなかったため、計27あるポストのうち、野党が12を押さえている。衆院選前の4ポストから大幅に増加した。

 予算案に加え内政・外交全般を討議する予算委員長や、政治改革特別委員長、憲法審査会長、法務委員長などの主要ポストである。予算委員長を野党が務めるのは30年ぶりになる。

 2012年末の第2次安倍晋三内閣の発足以来続いていた「自民党1強」による強硬的な国会運営は様変わりするだろう。

 今月28日には、補正予算案や政治資金規正法の再改定などを審議する臨時国会が召集される。議論を尽くして、野党の意見を取り入れながら法案を修正していく姿勢が与党になければ、法案は成立しない。民主主義の基本に回帰する国会にしなければならない。

 これまでの国会審議では、政府が提出予定の予算案や法案について、与党が政務調査会の下に置いた各部会などであらかじめ審査し、意見を反映させてきた。

 決定は全会一致が原則で、了承された後に閣議決定され、国会に提出される。与党は議員に党議拘束をかけ、修正を求めず賛成してきた。国会審議は野党の意見を聞き置くだけの場になり、形骸化してきたのが実情だ。

 こうした事前審査の問題は大きい。まず、各部会などの議論が非公開で行われ、内部でどのような意見が出て、どう法案が修正されたのか分からない点である。議員が業界団体の意見を代弁し、都合よく修正することもできる。

 全会一致が原則のため、議員が気に入らない法案を国会提出させないことも可能だ。選択的夫婦別姓の法案は、1996年に法制審議会が導入を答申したのに、保守系議員が強く反対し、法案提出されないままである。

 与党が過半数を失ったことで、事前審査を通過しても法案は成立しなくなる。国会審議をないがしろにする密室の事前審査は廃止するべきだ。

 臨時国会で焦点になる規正法改定や経済対策などを巡る与野党の思惑は異なる。野党間でも政治改革の企業・団体献金の禁止などで足並みがそろっていない。

 各党が意見を出し合って議論を深め、時間をかけ納得できる法案をつくりあげる必要がある。選択的夫婦別姓法案も審議入りさせ、論議を深めなければならない。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月18日  09:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.16】:少数与党時代 熟議で政策の合意点探れ

2024-11-19 07:00:20 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・11.16】:少数与党時代 熟議で政策の合意点探れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.16】:少数与党時代 熟議で政策の合意点探れ

 与野党間の議論を通じて一致点を見いだす。そんな民主主義の原点ともいうべき政治の在り方を構築できるかどうかの分岐点にある。

 衆院選の結果を受け、国会は「自民1強体制」から様変わりした。衆院に17ある常任委員長のうち7が野党に配分され、野党第1党の立憲民主党が国会論戦をリードする予算委員長のポストを握った。

 少数与党となった自民、公明両党は国民民主党との政策協議を通じ、多数派を形成したい意向だ。だが、他の野党からも幅広く意見を聞き、政策の合意点を探る謙虚な姿勢が求められる。

 与野党の間では、年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」の見直しが主要テーマに浮上する。国民民主党が非課税枠の178万円への引き上げを求めているからだ。

 ガソリン税を一部軽減する「トリガー条項」の凍結解除とともに、臨時国会で政府の経済対策の裏付けとなる補正予算案に賛成する事実上の条件となっている。臨時国会は28日召集の予定で、「自公国」の枠組みによる政策責任者の協議が始まっている。

 「手取りを増やす」を掲げた国民民主党の議席伸長を見れば引き上げは必要だろう。主張通り改めれば税収は76千億円減る。地方分は半分超の4兆円と見込まれ、影響は大きい。勤務先企業の規模などに応じ社会保険料がかかる「106万円の壁」と「130万円の壁」もある。

 これらの課題をどう乗り越えるのか。仮に自公国の合意案で押し切るようであれば政権維持や人気取りのための密室協議に過ぎない。有権者の理解は得られず、石破政権は行き詰まるはずだ。

 野党の見識と力量も問われよう。立憲民主党は「130万円の壁」に焦点を絞り、保険料負担に伴う収入減を給付金で埋める制度を設ける法案を衆院に提出した。この対案には、国会改革を進める狙いもありそうだ。

 これまで法案や予算案は与党が事前審査し、国会に提出して審議日程さえこなせば、ほぼ原案通り可決、成立できた。野党の提出法案はたなざらしのままだった。国会を経ることなく内閣で使途を決める予備費の乱用も同様だ。第2次安倍政権以降は顕著で、国会審議の空洞化を招いた。

 今後は政府、野党双方の法案を審議し、合意形成に向けて議論を重ねる「熟議」と「プロセスの可視化」の国会運営が求められる。税制や社会保障制度などを巡っては委員会や本会議に舞台を限らないケースがあろう。その場合も議論の結果を逐次、説明する必要がある。

 実現可能性や持続可能性も重要な論点になる。合意形成の主役は実は野党なのかもしれない。法案や予算案に幅広い民意を反映させる立法府の使命を取り戻すべきだ。

 石破茂首相は、第2次石破内閣発足を受けた記者会見で、少数与党に関して「ある意味で、こういう状況は民主主義にとって望ましいことかもしれない」と述べた。その言葉を忘れてはならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月16日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・11.09】:自民幹事長・森山と「ズブズブ」安住予算委員長

2024-11-17 07:40:00 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【政界地獄耳・11.09】::自民幹事長・森山と「ズブズブ」安住予算委員長

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・11.09】::自民幹事長・森山と「ズブズブ」安住予算委員長

 ★衆院予算委員長といえば、首相を含むすべての閣僚が出席する与野党が意見を戦わす国会の一番の議論の委員会といえ、テレビ中継も入る。その議事内容、審議の差配はすべて予算委員長が取り仕切る。予算委員長の権限は大きく、17の常任委員長の筆頭に数えられ、議会ではその上には議運委員長、衆院議長と院内では一目置かれる存在だ。最近の自民党はほかの常任委員長は閣僚経験のない者が就くが、予算委員長には閣僚経験者が据えられていた。つまりそれなりに重要ポストなのだ。

 ★今回、自民党は17ある常任委員長のうち7つのポストを野党側に譲り渡した。報道では予算委員長のポストをしぶしぶ野党に渡したとか、勝ち取った予算委員長のポストなどとはしゃいでいるが、それが立憲民主党元国対委員長・安住淳だと知れば、国対を経験した者なら誰もがニヤニヤするはずだ。自民党幹事長・森山裕は国対委員長時代の立憲の相手は安住。野党の国対に言わせれば「2人はズブズブ」(野党国対の1人)と言われるほど蜜月で、それは森山が国対を離れ選対委員長、総務会長になっても続き、森山の後任の国対委員長が誰になっても2人が国対を動かしていたといわれる。その2人が幹事長予算委員長なら予算委員会スムーズにいくと両党国対関係者は思ったはずだ。

 ★それだけではない。元財務相経験者の安住がこれから始まる本予算の審議や、予算委員会を主戦場とする野党が攻勢を強める政治カネでの追及自民党寄り議事期待できると自民党考えるはずだ。「来年の参院選まで国会審議でも与野党の攻防は続くが、国民生活に支障をきたす予算は立憲も早期にまとめて参院選の準備に入りたいはず。安住にすれば森山との関係、財務省との関係から自民党委員長遜色なく扱える」(自民党幹部)。別の自民党議員が言う。「なんだかんだ時間稼ぎして国民民主党103万円など税制改正邪魔をしてつぶすことまであるかもしれない。なかなか興味深い人事だ」(自民党中堅議員)と安住人事波乱を呼ぶはずだ。(K)※敬称略 

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません4。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年11月09日  07:55:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.16】:少数与党時代 熟議で政策の合意点探れ

2024-11-17 07:00:20 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・11.16】:少数与党時代 熟議で政策の合意点探れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.16】:少数与党時代 熟議で政策の合意点探れ 

 与野党間の議論を通じて一致点を見いだす。そんな民主主義の原点ともいうべき政治の在り方を構築できるかどうかの分岐点にある。

 衆院選の結果を受け、国会は「自民1強体制」から様変わりした。衆院に17ある常任委員長のうち7が野党に配分され、野党第1党の立憲民主党が国会論戦をリードする予算委員長のポストを握った。

 少数与党となった自民、公明両党は国民民主党との政策協議を通じ、多数派を形成したい意向だ。だが、他の野党からも幅広く意見を聞き、政策の合意点を探る謙虚な姿勢が求められる。

 与野党の間では、年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」の見直しが主要テーマに浮上する。国民民主党が非課税枠の178万円への引き上げを求めているからだ。

 ガソリン税を一部軽減する「トリガー条項」の凍結解除とともに、臨時国会で政府の経済対策の裏付けとなる補正予算案に賛成する事実上の条件となっている。臨時国会は28日召集の予定で、「自公国」の枠組みによる政策責任者の協議が始まっている。

 「手取りを増やす」を掲げた国民民主党の議席伸長を見れば引き上げは必要だろう。主張通り改めれば税収は76千億円減る。地方分は半分超の4兆円と見込まれ、影響は大きい。勤務先企業の規模などに応じ社会保険料がかかる「106万円の壁」と「130万円の壁」もある。

 これらの課題をどう乗り越えるのか。仮に自公国の合意案で押し切るようであれば政権維持や人気取りのための密室協議に過ぎない。有権者の理解は得られず、石破政権は行き詰まるはずだ。

 野党の見識と力量も問われよう。立憲民主党は「130万円の壁」に焦点を絞り、保険料負担に伴う収入減を給付金で埋める制度を設ける法案を衆院に提出した。この対案には、国会改革を進める狙いもありそうだ。

 これまで法案や予算案は与党が事前審査し、国会に提出して審議日程さえこなせば、ほぼ原案通り可決、成立できた。野党の提出法案はたなざらしのままだった。国会を経ることなく内閣で使途を決める予備費の乱用も同様だ。第2次安倍政権以降は顕著で、国会審議の空洞化を招いた。

 今後は政府、野党双方の法案を審議し、合意形成に向けて議論を重ねる「熟議」と「プロセスの可視化」の国会運営が求められる。税制や社会保障制度などを巡っては委員会や本会議に舞台を限らないケースがあろう。その場合も議論の結果を逐次、説明する必要がある。

 実現可能性や持続可能性も重要な論点になる。合意形成の主役は実は野党なのかもしれない。法案や予算案に幅広い民意を反映させる立法府の使命を取り戻すべきだ。

 石破茂首相は、第2次石破内閣発足を受けた記者会見で、少数与党に関して「ある意味で、こういう状況は民主主義にとって望ましいことかもしれない」と述べた。その言葉を忘れてはならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月16日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・11.12》:第2次石破内閣 丁寧な議論で政治改革を

2024-11-16 09:31:15 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

《社説①・11.12》:第2次石破内閣 丁寧な議論で政治改革を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・11.12》:第2次石破内閣 丁寧な議論で政治改革を

 衆院選を受けた特別国会で、自民党総裁の石破茂氏が第103代首相に選出された。

 衆院選で自民党と公明党は過半数を得られなかったため、首相指名選挙は立憲民主党の野田佳彦代表との間で1994年以来、30年ぶりとなる決選投票が行われた。

 石破氏は閣僚の大半を再任した上で、第2次石破内閣を発足させている。2012年末の第2次安倍晋三内閣の発足以降、「自民1強」だった政治状況は一変し、国会運営で野党と真摯(しんし)に協議していく姿勢が欠かせない。

 衆院選で示された民意は、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を契機とした政治不信だ。早急に取り組むべきは「政治とカネ」にかかわる改革である。

 石破氏は首相指名選挙に先立ち、野田氏、日本維新の会の馬場伸幸代表、国民民主党の玉木雄一郎代表と、それぞれ個別に会談。使途公開が不要な政策活動費の扱いなど、政治改革に関する協議で協力を要請した。

 野田氏は企業・団体献金の禁止を含む野党案を提出し、国会で審議したいとの意向を伝えた。馬場氏は月額100万円の調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途公開などについて臨時国会までに結論を出すよう求めた。

 玉木氏は政治改革に関する与野党協議の場を設け、必要な法改正を行うよう要求している。

 自民党はこれまで、企業・団体献金の禁止などには消極的な姿勢を続けてきた。野党の要望を国民の声と受け止め、国会の場で丁寧な議論を積み上げて、最優先で「政治とカネ」問題を解決していく必要がある。

 国民民主党は経済対策の一環として、年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」の見直しなども自民、公明に要請している。今後3党で協議していく方針だ。

 与党は政策ごとに野党と連携する「部分連合」を構築したい考えだ。国会運営を優先し、政策の財源や影響を曖昧にしたまま論議を進めることはあってはならない。

 衆院では野党が一致できれば野党提出法案が可決できる状況だ。野党連携は極めて重要になる。

 ただ、首相指名選挙の決選投票では、共産党以外の野党が無効票となることを承知の上で自党の党首に投票した。各党の思惑が異なる中、協調する難しさも浮き彫りになった。政治改革や経済対策、選択的夫婦別姓導入など、今後の国会で焦点になる法案で、野党が一致できるのかが問われる。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月12日  09:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・11.15】:特別国会閉幕 政策論争を置き去りにするな

2024-11-15 05:00:40 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説①・11.15】:特別国会閉幕 政策論争を置き去りにするな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・11.15】:特別国会閉幕 政策論争を置き去りにするな

 先月の臨時国会はわずか9日間で衆院が解散された。この特別国会も、政府と与野党が何ら論戦を行うことなく、4日間で閉幕した。 

 石破内閣発足後、政策論争が置き去りにされているのはゆゆしき事態だ。こうした状況に陥っているのは、石破首相が内外の課題について、明確な対処方針を持ち合わせていないためではないか。

 衆院選の結果、与党だけでは予算案も法案も通すことはできなくなった。少数与党になったからこそ、開かれた国会の場で与野党で議論を深め、接点を見いだすことが重要になっているはずだ。

 6月の通常国会閉幕後、国会で成立したのは旧優生保護法の被害者救済法だけだ。審議を通じて行政や法案の問題点を洗い出し、改善を図る、という役割を果たしていないのは問題だ。

 日本周辺の安全保障環境は極度に悪化している。防衛力の強化やその財源を確保することは急務だ。人口減少に歯止めがかからない。経済をどう再生し、成長させていくのかも難題だ。

 内外の課題が山積しているにもかかわらず、首相が先月1日の就任以降、最もこだわりを見せているのが、派閥の政治資金規正法違反事件への対応だ。

 首相は、政策活動費の廃止に意欲を示している。政治資金収支報告書に不記載があった旧安倍派などの議員のうち、政治倫理審査会で弁明していない議員に対しては、改めて出席を促すという。

 衆院選で政治とカネの問題に焦点があたって自民党が惨敗したため、首相は政権を維持するには政治改革に積極的な姿勢を示す必要があると考えているようだ。

 政治資金の透明性を高めることが重要なのは論を 俟  たない。

 だが、この問題は東京地検特捜部が捜査を尽くして派閥の会計責任者らを立件し、既に刑事事件として決着がついている。強制力のない政倫審を開いても新事実を見つけるのは容易ではあるまい。

 首相は、不記載のあった議員を第2次内閣の副大臣、政務官に登用しなかった。衆院選で審判を受けて当選した議員をなお問題視するなら、政治とカネの問題にいつ終止符を打つつもりなのか。

 そもそも収支報告書への不記載という形式的なミスを、重大な贈収賄事件などと同列に扱うかのような対応は理解に苦しむ。

 首相が政治資金問題で定見を示さず、延命のため野党の主張を受け入れようとしていることが、混乱を招いているのではないか。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月15日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【田中真紀子氏】:「自民党的な古いいやらしいやり方」自民・国民民主党首会談に「やる気ないと思う」

2024-11-12 00:03:30 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【田中真紀子氏】:「自民党的な古いいやらしいやり方」自民・国民民主党首会談に「やる気ないと思う」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【田中真紀子氏】:「自民党的な古いいやらしいやり方」自民・国民民主党首会談に「やる気ないと思う」 

 元外相の田中真紀子氏が11日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜午後1時55分)に生出演。少数与党での政権運営について言及した。

田中真紀子元外相(2023年12月撮影)

 田中氏は「具体的にできる事は速やかにやらないといけませんし、できないことには理由を言う。政治で大事なことは説明責任。透明性と説明責任を持って理由を言うこと。この2つを与党がしっかりやって、国民が納得すれば、野党を支持する人たちも理解する。しかし、はぐらかしているとすぐに行き詰まる」と持論を述べた。

 11日に行われた自民党と国民民主党の党首会談にも触れ「玉木さんが103万円の壁の引き上げについて言及した。すると、『進めるべき政策はやっていこう』と石破さんが答えた。具体的な中身を玉木さんが言っているにも関わらず、進めるべきかどうかの事実について答えていない。自民党的な古いいやらしいやり方」と指摘した。

 田中氏は「やる気がないんじゃないかと私は思いますけどね。石破さんに限らず、自民党が総すかんになる理由はここなんですよ。もっと説明責任、事実をはっきり言ってくれなければ困る」などと語っていた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・元外相の田中真紀子氏・少数与党での政権運営について言及】  2024年11月11日  17:57:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【田中真紀子氏】:「今の代表はズレすぎている」少数与党での政権運営に「長く続くと思いません」

2024-11-12 00:03:10 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【田中真紀子氏】:「今の代表はズレすぎている」少数与党での政権運営に「長く続くと思いません」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【田中真紀子氏】:「今の代表はズレすぎている」少数与党での政権運営に「長く続くと思いません」

 元外相の田中真紀子氏が11日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜午後1時55分)に生出演。少数与党での政権運営について言及した。

 田中氏は「結論として、長く続くと思いませんし、続けられないと思います」とキッパリ。「今の日本の有権者の中で8割は戦後生まれですし、価値観も多様化している。政策ごと、政治そのものなど、政治に対する期待感が変化してきている。それに対して、今の代表はズレすぎているのではないか」と推測した。

田中真紀子元外相(2023年12月撮影)田中真紀子元外相(2023年12月撮影)

 MCの宮根誠司が「具体的にどこがズレている?」と尋ねると、田中氏は「支持者の方には失礼な言い方になるかと思って、言葉遣いをぶった斬らないように…抑えて申し上げますね」と笑顔。「先日、トランプ大統領が選ばれて、その後お電話をした後の会見でおっしゃった言葉『本音で話ができる印象を持った』と言いました。あの手の会話は儀礼的。通訳を入れて5分であれば、本人が話すのは1分半か2分。会ったこともない人に本音で話す印象なんて持つのかしら」などと語った。

 さらに「本音、本音という言葉が政治家から出てくることがびっくり」とコメント。「石破さんは表情を見ても本音を言わないで、様子を見る人なのかなと。政治家のトップとしては好かれませんね」と言及した。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・元外相の田中真紀子氏・少数与党での政権運営について言及】  2024年11月11日  16:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・11.10】:少数与党下の国会 新たな「合意の政治」を

2024-11-10 04:01:30 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・11.10】:少数与党下の国会 新たな「合意の政治」を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.10】:少数与党下の国会 新たな「合意の政治」を

 自民、公明の連立与党が大敗を喫した衆院選から2週間。「自民一強時代」の政治手法とは異なる新たな政策決定方式が形を現しつつある。 

 自民、国民民主両党は8日、政府の経済対策を巡る政策協議をスタートさせた。

 国民は衆院選で、年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」の金額引き上げを公約に掲げ、議席を大幅に増やした。

 「年収の壁」「ガソリン減税」「災害対策」などを重要項目と位置付け、自公との政策協議を通して実現を目指す考えだ。

 自民としては、11日に召集される特別国会で石破茂首相の続投を確実にするためにも、また、与党少数下の国会で予算案や法案を成立させるためにも、新たなパートナーが必要だった。

 自民、公明、国民の3党は今後、3党連立ではなく、政策ごとに連携する「部分連合」を形成する構え。

 衆院の17ある常任委員長ポストの配分も決まった。 衆院選前は与党が15ポストを占めていた。与党の過半数割れを反映して自民が譲歩し、与党10、野党7の配分に。

 立憲民主党は、予算案などを審議する予算委員長のほか、政治改革特別委員長や憲法審査会長などの重要ポストも手に入れた。

 少数与党の時代は、土台がぐらぐらして不安定な時代でもあるが、そのような状況の中から、新しい政治が生まれるのだと信じたい。

              ■    ■

 2012年から続いた「自民一強政治」の下で、行政府の権限が肥大化し、国会は、政府提出の法案や政策の追認機関になってしまった。

 国会のチェック機能を強化し、活発な議論を通して与野党が合意形成を図っていく。そのような民意に根差した政治文化が根付くことを期待したい。

 例えば、中途半端な内容で幕引きが図られた政治改革問題。立民、国民、日本維新の会、共産などの野党は、抜本的な政治改革の実現を主張している。

 石破首相も選挙後、記者会見で、政策活動費廃止や調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途公開、政治資金を監査する第三者機関の設置について速やかに実現すると強調した。

 与野党が調整し、早急に成案をまとめ、関係法の改正に取り組んでもらいたい。

               ■    ■

 石破政権は「与党で過半数」という勝敗ラインを掲げ、衆院選に臨んだ。

 目標が達成できず大敗したことから自民党の中には、選挙から2週間たった今も、辞任論がくすぶっている。

 米国では、来年1月にトランプ政権が誕生する。バイデン政権の外交政策が覆され、自国第一主義の外交が打ち出される可能性が高い。

 石破首相は、内憂外患をどのようにして切り抜けるのか。対応を誤り支持率が降下すると、来年の参院選前に交代論が浮上するかもしれない。

 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月10日  04:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【主張・11.10】:特別国会あす開会 ■始まった新しい政治プロセス

2024-11-10 04:00:20 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【主張・11.10】:特別国会あす開会 ■始まった新しい政治プロセス

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張・11.10】:特別国会あす開会 ■始まった新しい政治プロセス 

 総選挙を受けた特別国会があす召集されます。会期は4日間で、初日に首相の指名選挙が行われます。

 総選挙で自民・公明の与党は、衆院で過半数割れという歴史的な大敗を喫しました。さらに、自公と日本維新の会、国民民主党などすべての改憲勢力を合わせた議席が、改憲発議に必要な衆院の3分の2を下回りました。

 ■自民1強崩れる

 2012年発足の安倍晋三政権以来の「自民1強」体制は崩れ、野党が一致して反対すれば予算案や法律案などを通せなくなりました。予算が通らなければ政権は行き詰まり、総辞職か衆院解散に追い込まれることになります。内閣不信任決議案の可決も可能で、そうなった場合も内閣は総辞職か衆院を解散しなければなりません。

 自公の反対で妨げられてきた国民要求の実現も道が開けます。

 これまで自公は、違憲の集団的自衛権行使の容認や「安保3文書」を国民や国会にも諮らず一方的に閣議決定し、安保法制などの悪法を「数の力」で強行採決してきました。しかし、自公だけの協議で決めた結果を国会にそのまま押し付け、国会での審議を軽視・形骸化してきた強権政治はもはや通用しなくなります。

 これまでの自民党政治に代わる新しい政治を模索・探求する「政治プロセス」が既に動きだしています。それは、特別国会をめぐる与野党の協議にも表れています。

 協議では自民党が特別国会の会期を4日間と提案したのに対し、野党側は予算委員会や、裏金問題を受けた政治倫理審査会の開催など十分な日数確保を求めました。その結果、特別国会の会期は4日間とするものの、早期に臨時国会を召集し、新しい内閣の基本姿勢を正す予算委員会などを開くことで合意しました。

 具体的には、臨時国会で補正予算案の審議に入る前に首相の所信表明演説と各党代表質問、首相をはじめ全大臣が出席する予算委での基本的質疑と各委員会での大臣に対する質疑、政治倫理審査会を行うことを確認しました。

 衆院の人事でも、17ある常任委員会の委員長のうち、予算委員長など七つを野党に配分。予算委は予算案の審理をはじめ国政全般について審議する委員会で、委員長は重要な役割を果たします。

 ■国民の声が動かす

 国民が声を上げ、政治を動かす時です。

 ▽裏金問題の全容解明と企業・団体献金を全面禁止する法改正▽選択的夫婦別姓制度の実現▽紙の健康保険証の新規発行停止方針の凍結▽大学学費の値上げ阻止▽軍事費に5年間で43兆円をつぎ込むための大軍拡増税のストップ―などは喫緊の重要課題です。

 国会の審議を充実し、政党間の協議や合意形成のプロセスを国民に見えるようにすることが必要です。そこでは各党が国民の声に真摯(しんし)に応えようとしているのかどうかが問われます。

 たたかいを大きく広げ、自公の巻き返しを許さず、国民の願いを実現しましょう。日本共産党は、総選挙で掲げた公約の実現を目指し、新たな「政治プロセス」を前進させるために力を尽くします。

 元稿:しんぶん赤旗 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年11月11日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・10.29】:不透明感増す政局 次の焦点は「首班指名」

2024-11-04 07:05:20 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【HUNTER・10.29】:不透明感増す政局 次の焦点は「首班指名」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・10.29】:不透明感増す政局 次の焦点は「首班指名」 

 10月27日投開票の衆議院選挙で自民党は単独過半数を大きく割り込み、連立を組む公明党も敗北を喫したことで石破茂政権の先行きが不透明となった。

                 ◆   ◆   ◆

 ある自民党の大臣経験者があきらめ顔でこう話す。

 「与党で過半数は石破総理に課せられたノルマだよ。達成できなかったんだから辞めろと言われても仕方がない。かばいようがない。政治は結果責任だから」

 就任1か月を待たず窮地に追い込まれた石破自民党。自民系無所属の当選者を追加公認して数を増やすことになるが、それでも過半数には届かない。

 2009年の衆議院選挙で政権を失った自民党は、2012年の総選挙で勝ち、以来単独過半数を維持してきた。だが、15年ぶりに過半数を割り込み、政権交代にもなりかねない事態となっている。

 政権維持のため国民民主党や日本維新の会をターゲットに連立交渉を開始するしかない状況だが、石破首相の責任論が噴出し、退陣に追い込まれるとの見方も少なくない。

 9月の自民党の総裁選で推薦人確保が危ぶまれた石破首相は、1回目の投票で高市早苗氏の後塵を拝し、決選投票でなんとか勝利した。長く「党内野党」と呼ばれ、党内基盤は弱い。

 総選挙の目標として設定した「与党で過半数」がとれなかったことで、足元はすでにぐらついている。

 「2009年の衆議院選挙で惨敗し、民主党政権が誕生した。今回の負けで、公明党以外の政党まで与党に引っ張らないと政権は維持できない。国民民主党も今回の衆選挙で議席を3倍超に伸ばした。連立を持ち掛けてとしても、石破さんが総理の座についたままでは、連立交渉に乗ってこなだろう。せいぜいパーシャル連合だ」(前出の大臣経験者)

 自民党総裁選で石破首相は、“国会論戦を経て解散総選挙”と明言していたが、それを翻したことで過半数割れ。野党の選挙態勢が整っていないと判断しての決断だったが、政治とカネの問題への国民の反発の強さを見誤った。

 解散総選挙を早めたことで、能登半島豪雨災害の予算対応などの課題も残したままだ。また、衆院選最中の演説では、裏金事件について「早期に国会で二度とこのようにならないようにやります」と述べており、後戻りできない。

 国会を開けば総理大臣を選出する首班指名が待っている。惨敗した総選挙の責任をとって小泉進次郎選対委員長が辞任したが、その程度の「クビ」だけで終わるとは思えない。最大の責任は石破首相にあるからだ。石破政権のまま国会に突っ込めば、自民党内からも造反者が出なかねない。

 立憲民主党が選挙前の議席を大幅に伸ばし、国民民主党も躍進した。与党の過半数割れという事態は、すなわち野党の数が勝っているということ。石破首相が首班指名を乗り切れるかどうかが焦点となる。

 「自民党政権を保つには石破総理が辞めるのが最善だ」という声がある一方、次を期待されていた高市早苗氏は、自身を支持してくれていた旧安部派議員たちの多くが落選したことで「党内基盤」が脆弱となっている。「でもね」と高市氏に近い議員は次のように反論する。

 「石破さんのおかげでボロボロになった自民党なんか、すぐに引き受けない方が得策。高市さんが全国を飛び回って応援したおかげで当選した議員もおり、態勢を整えて総理を目指すべきでしょう」

 石破氏退陣となれば、9月の総裁選に出馬した中から後任が選ばれるのが順当だ。中でも有力視されているのは石破政権で閣僚入りしている林芳正官房長官と加藤勝信財務相の二人。林氏は、岸田政権時の外相、2015年には政治資金問題で西川公也氏が辞任した後の農相を務めていた。NHKの番組で林氏は、「私の誕生日が1月19日なので119番(救急車)と言われている」語り、笑いをとったこともある。

 加藤氏は、総裁選に出馬するも16票しか獲得できず最下位となった。しかし、石破政権では、財務相という重要ポストを得ている。

 「石破政権は短命政権で終ることになりそうだ。次も短命となれば、また悪夢の政権交代だ。そうなると、安定感があり敵も少ないという点から浮上するのが林さんと加藤さんということになるだろう。加藤さんは、総理になりたくて仕方ないがない旧茂木派の茂木敏充前幹事長との溝が深い。林さんのバックには、キングメーカーとしてにらみを利かせる存在となった岸田文雄前首相がいるので、高市さんも文句が言いにくい」(前出の大臣経験者)

 だが、林氏や加藤氏が“次の総裁候補”というのは、あくまでも自民党中心の政権が維持できた場合。立憲民主党の野田佳彦代表が首班指名選挙で勝利するようなことになれば、自民党が下野する可能性もある。その場合のことを想定する次のような声が、党内から上がるのが今の自民党の現状である。

 「野党となった自民党の総裁になりたいという人は誰もいないはず。野党になったのは、石破さんの責任だから当面は総裁でいてもらい、来年夏の参議院選挙を前にご苦労さんで退陣させればよい」(旧安部派の議員)

 今回落選した前職の多くは、安倍晋三元首相時代にバッジをつけた人たちだ。その中の一人が、肩を落としてこう話す。

 「これまで安倍元首相の人気だけで勝ってきたんだと痛感する。頑張ってはいたが、競り合う選挙などまったく経験がなかった。なんとか勝ち切れるとか思ったが、2,000万円の交付金がダメ押しになった形で、私は沈み、自民党政権の座も危うい。選挙が始まる前の情勢は、そんなに悪くなかったのに……。政治の世界、本当に一寸先は闇ですね」

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治ニュース・衆院選2024・衆議院選挙で自民党は単独過半数を大きく割り込み、連立を組む公明党も敗北】  2024年10月29日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・10.29】:不透明感増す政局 次の焦点は「首班指名」

2024-10-29 07:06:00 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【HUNTER・10.29】:不透明感増す政局 次の焦点は「首班指名」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・10.29】:不透明感増す政局 次の焦点は「首班指名」 

 10月27日投開票の衆議院選挙で自民党は単独過半数を大きく割り込み、連立を組む公明党も敗北を喫したことで石破茂政権の先行きが不透明となった。

              ◆   ◆   ◆

 ある自民党の大臣経験者があきらめ顔でこう話す。

 「与党で過半数は石破総理に課せられたノルマだよ。達成できなかったんだから辞めろと言われても仕方がない。かばいようがない。政治は結果責任だから」

 就任1か月を待たず窮地に追い込まれた石破自民党。自民系無所属の当選者を追加公認して数を増やすことになるが、それでも過半数には届かない。

 2009年の衆議院選挙で政権を失った自民党は、2012年の総選挙で勝ち、以来単独過半数を維持してきた。だが、15年ぶりに過半数を割り込み、政権交代にもなりかねない事態となっている。

 政権維持のため国民民主党や日本維新の会をターゲットに連立交渉を開始するしかない状況だが、石破首相の責任論が噴出し、退陣に追い込まれるとの見方も少なくない。

 9月の自民党の総裁選で推薦人確保が危ぶまれた石破首相は、1回目の投票で高市早苗氏の後塵を拝し、決選投票でなんとか勝利した。長く「党内野党」と呼ばれ、党内基盤は弱い。

 総選挙の目標として設定した「与党で過半数」がとれなかったことで、足元はすでにぐらついている。

 「2009年の衆議院選挙で惨敗し、民主党政権が誕生した。今回の負けで、公明党以外の政党まで与党に引っ張らないと政権は維持できない。国民民主党も今回の衆選挙で議席を3倍超に伸ばした。連立を持ち掛けてとしても、石破さんが総理の座についたままでは、連立交渉に乗ってこなだろう。せいぜいパーシャル連合だ」(前出の大臣経験者)

 自民党総裁選で石破首相は、“国会論戦を経て解散総選挙”と明言していたが、それを翻したことで過半数割れ。野党の選挙態勢が整っていないと判断しての決断だったが、政治とカネの問題への国民の反発の強さを見誤った。

 解散総選挙を早めたことで、能登半島豪雨災害の予算対応などの課題も残したままだ。また、衆院選最中の演説では、裏金事件について「早期に国会で二度とこのようにならないようにやります」と述べており、後戻りできない。

 国会を開けば総理大臣を選出する首班指名が待っている。惨敗した総選挙の責任をとって小泉進次郎選対委員長が辞任したが、その程度の「クビ」だけで終わるとは思えない。最大の責任は石破首相にあるからだ。石破政権のまま国会に突っ込めば、自民党内からも造反者が出なかねない。

 立憲民主党が選挙前の議席を大幅に伸ばし、国民民主党も躍進した。与党の過半数割れという事態は、すなわち野党の数が勝っているということ。石破首相が首班指名を乗り切れるかどうかが焦点となる。

 「自民党政権を保つには石破総理が辞めるのが最善だ」という声がある一方、次を期待されていた高市早苗氏は、自身を支持してくれていた旧安部派議員たちの多くが落選したことで「党内基盤」が脆弱となっている。「でもね」と高市氏に近い議員は次のように反論する。

 「石破さんのおかげでボロボロになった自民党なんか、すぐに引き受けない方が得策。高市さんが全国を飛び回って応援したおかげで当選した議員もおり、態勢を整えて総理を目指すべきでしょう」

 石破氏退陣となれば、9月の総裁選に出馬した中から後任が選ばれるのが順当だ。中でも有力視されているのは石破政権で閣僚入りしている林芳正官房長官と加藤勝信財務相の二人。林氏は、岸田政権時の外相、2015年には政治資金問題で西川公也氏が辞任した後の農相を務めていた。NHKの番組で林氏は、「私の誕生日が1月19日なので119番(救急車)と言われている」語り、笑いをとったこともある。

 加藤氏は、総裁選に出馬するも16票しか獲得できず最下位となった。しかし、石破政権では、財務相という重要ポストを得ている。

 「石破政権は短命政権で終ることになりそうだ。次も短命となれば、また悪夢の政権交代だ。そうなると、安定感があり敵も少ないという点から浮上するのが林さんと加藤さんということになるだろう。加藤さんは、総理になりたくて仕方ないがない旧茂木派の茂木敏充前幹事長との溝が深い。林さんのバックには、キングメーカーとしてにらみを利かせる存在となった岸田文雄前首相がいるので、高市さんも文句が言いにくい」(前出の大臣経験者)

 だが、林氏や加藤氏が“次の総裁候補”というのは、あくまでも自民党中心の政権が維持できた場合。立憲民主党の野田佳彦代表が首班指名選挙で勝利するようなことになれば、自民党が下野する可能性もある。その場合のことを想定する次のような声が、党内から上がるのが今の自民党の現状である。

 「野党となった自民党の総裁になりたいという人は誰もいないはず。野党になったのは、石破さんの責任だから当面は総裁でいてもらい、来年夏の参議院選挙を前にご苦労さんで退陣させればよい」(旧安部派の議員)

 今回落選した前職の多くは、安倍晋三元首相時代にバッジをつけた人たちだ。その中の一人が、肩を落としてこう話す。

 「これまで安倍元首相の人気だけで勝ってきたんだと痛感する。頑張ってはいたが、競り合う選挙などまったく経験がなかった。なんとか勝ち切れるとか思ったが、2,000万円の交付金がダメ押しになった形で、私は沈み、自民党政権の座も危うい。選挙が始まる前の情勢は、そんなに悪くなかったのに……。政治の世界、本当に一寸先は闇ですね」

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治ニュース・10月27日投開票の衆議院選挙で自民党は単独過半数を大きく割り込み、連立を組む公明党も敗北を喫した問題】  2024年10月29日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・10.09】:解散前の代表質問 審判材料示せたとは言えぬ

2024-10-27 06:58:35 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・10.09】:解散前の代表質問 審判材料示せたとは言えぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・10.09】:解散前の代表質問 審判材料示せたとは言えぬ 

 石破茂首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が衆参両院で終わった。際立ったのは首相の「ぶれ」である。

 自民党総裁選で訴えた持論を封印する姿勢を野党側が追及したのに対し、従来の政府見解を繰り返す場面が目立った。「自分の言葉で誠心誠意語る」のではなかったか。

 首相はきょう、衆院解散に踏み切る。その前に国会で十分な議論が必要だとした主張との整合性を問われ、「新内閣が発足し、国民の意思を確かめる必要がある。変節したとの指摘は当たらない」と反論した。

 果たしてそうだろうか。有権者へ審判材料を示すのは「与党の責任」とも述べていた。きのうまで2日間の代表質問を見る限り、その責任を果たせたとはいえまい。

 首相は総裁選で唱えた日米地位協定改定や、アジア版NATO(北大西洋条約機構)について「一朝一夕に実現するとは当然思っていない」として曖昧な答弁に終始した。

 在日米軍の法的特権を認める日米地位協定の改定には、米側と厳しい交渉が予想されるにもかかわらず意欲を示していた。対中国を念頭にしたアジア版NATOの創設とともに、米国の核兵器を日本で運用する「核共有」について議論すべきだと述べていた。

 憲法9条や非核三原則を踏み越えかねない内容に、野党だけでなく与党内からも「非現実的だ」との声が出ている。首相在任中は封印すると明言しないのであれば、論戦に正面から向き合うべきだ。

 導入に前向きだった選択的夫婦別姓を巡っては「さらなる検討が必要」と後退した。金融所得課税の強化も「貯蓄から投資への流れを引き続き推進することが重要。現時点で具体的な検討は考えていない」と先送りした。

 派閥裏金事件の関係議員への対応も同じだ。当初は「公認するのにふさわしいか徹底的に議論すべきだ」と強調していたのに、「原則公認」の方針をいったん固めた。その後、旧安倍派幹部ら6人を非公認、その他は比例重複立候補を認めないものの選挙区事情も踏まえ公認するとした。

 世論の反発に対応して軌道修正したのだろうが、この判断では説明責任を果たさぬ形ばかりのけじめにとどまり、真相究明は置き去りになる。

 代表質問の答弁でも政治資金規正法改正や事件の再調査に消極的だった。使途の報告義務がない政策活動費は「将来的な廃止」も選択肢とやや踏み込んだが、具体的な道筋には言及しなかった。

 首相就任からわずか1週間余りである。内閣が発足した途端、掲げた政策を相次いで引っ込めてしまえば、他の政策も同じ扱いになるのでは、と疑念を抱かせる。国民からの信頼回復より、党内の意見や政権維持を重視していると受け止めざるを得ない。

 首相就任前の石破氏が世論調査で支持を集め、国民の人気を得ていたのは時の政権への批判もいとわぬ直言が持ち味だったからだ。解散を急いだのはやはり無理があったのではないか。自分の足元を見失っているとしか思えない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年10月09日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・10.11】:党首討論は盛り上がったけれど…国会の熱気は国民に伝わっているか

2024-10-18 07:40:10 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【政界地獄耳・10.11】:党首討論は盛り上がったけれど…国会の熱気は国民に伝わっているか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・10.11】:党首討論は盛り上がったけれど…国会の熱気は国民に伝わっているか 

 ★解散直前の立憲民主党・野田佳彦は、党首討論で国会の会期の延長と予算委員会の開催、能登半島の災害救援・救済のための補正予算に派閥裏金事件などで首相・石破茂を攻め立てた。野党席は熱気に包まれ、野田の一挙手一投足に反応した。代表質問では棒読みを繰り返し、石破カラーが見えないと批判された新首相はここでは先輩首相・野田に対して慌てず冷静にやりとりし、閣僚や党幹部として修羅場をくぐってきたベテランの味を見せつけ、勢いの野田に対して石破節を前面に展開したといってよい。やはりこの2人の論戦には迫力があり、総裁選で戦ったほかの8人では野田に太刀打ちできなかったのではないか。

 ★国民の怒りは今、野党の躍進のエネルギーに変わりつつある。「世論調査の結果が全国で好調の立憲には自信がみなぎっていた。この押せ押せムードを生かしたい」(立憲議員)。野党共闘も北海道などで共産が出馬取りやめを検討するなど野党の躍進が期待される。「もう立憲共産党などとは言わせない」(立憲議員)。だが野田の中道保守路線は見方を変えれば自民党と変わらない。「野田の政治が続けば今度は立憲自民党と言われかねない」(立憲参院議員)と定見のない中道保守路線のあいまいさを危惧する声もある。「野田は演説はうまいが政局・選挙音痴だ。それで総合選挙対策本部長代行・小沢一郎に選挙は任せたが、あまりにも時間がない。効果的に事を運べるかどうか」(党職員)。

 ★党首討論の興奮冷めやらぬ9日の夕刻。立憲民主党は東京・秋葉原西口で野田代表、幹事長・小川淳也、衆院副議長・海江田万里が街宣活動を行った。いわば立憲執行部のオールスターキャストだがこの街頭演説に秋葉原で足を止める人は少ない。「50~60人程度の聴衆だったのではないか。国会内の熱気は国民にどの程度伝わっているか。秋葉原の聴衆が実は立憲の現在位置ではないか」(野党関係者)。短期決戦の結果はいかに。(K)※敬称略 

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません4。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年10月11日  07:58:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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