路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【天風録】:サンゴ礁の崖は高層マンション

2021-02-09 06:45:40 | 【北極海の活用=海洋法が適用、(北極評議会「米露やカナダなど北極圏の8か国...

【天風録】:サンゴ礁の崖は高層マンション

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:サンゴ礁の崖は高層マンション

 かつて日本列島のあちこちに「潟」があったという。砂州で外海と仕切られた浅い水域。海でも陸でもない「あわい」。新潟のように地名に往時をしのぶ例もある。ウナギやカモを捕ってよし、養分を含む堆積土を肥料にしてよし▲南の海なら、サンゴ礁に囲まれた「ラグーン」を指す。ラグーンは天然の防波堤だったり、身の丈に合った漁場だったり。今はコロナで小休止だろうが、世界中からダイバーが集う観光資源でもある。年間の純利益は1兆円を超すというから大きい▲だが、サンゴ礁は気候変動によって今世紀中に全て消滅する恐れがある。国連環境計画が衝撃的な予測をまとめた▲確かに近年「白化」と呼ばれるサンゴの瀕死(ひんし)状態が案じられる。水温の上昇で共生する褐虫藻(かっちゅうそう)が追い出され、養分や酸素を取り込めなくなるためだ。日本近海では3年後、常に白化が起きている状態になるという。「カーボンゼロ」は待ったなしだ▲旅行作家兼高かおるさんは「珊瑚(さんご)礁の崖はまるで魚たちの高層マンション」と自ら潜った海中の景を表した。それは生物多様性の揺り籠と言ってもいい。恩恵を受けている人類も10億人以上。「あわい」の大切さをつくづく思う。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2021年02月08日  06:51:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:①北極海の利用 ルール策定に積極的な関与を

2018-10-29 06:05:50 | 【北極海の活用=海洋法が適用、(北極評議会「米露やカナダなど北極圏の8か国...

【社説】:①北極海の利用 ルール策定に積極的な関与を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:①北極海の利用 ルール策定に積極的な関与を

 航路利用や資源開発の期待が高まる北極海を、自由で開かれた海にすることが重要だ。国際ルールの策定に、日本も主体的に関わりたい。

 北極海は温暖化の影響で海氷が解け、年間を通じた航路利用が現実味を帯びている。アジアと欧州間の距離は、スエズ運河経由と比べ、約4割短縮される。天然ガスや原油などの資源も豊富だ。

 関係国の思惑が交錯している。ロシアは資源の囲い込みを狙い、広大な海域を自国の大陸棚と主張する。中国は巨大経済圏構想「一帯一路」に絡めて、沿岸国との関係強化などに乗り出している。

 大陸である南極と異なり、北極海には海洋法が適用される。航行の自由や海上交通の安全などの原則を順守しつつ、適正に利用するための取り決めが必要である。

 海上輸送のコスト低減は、日本企業にとってもメリットが大きい。中継地となる北海道などの港湾も恩恵を受けよう。

 河野外相は今月中旬、アイスランドでの国際会議に出席した。北極海での持続的な経済活動の実現に向け、「すべての利害関係者と協力する」と強調した。

 政府は2015年に、環境変化の研究や国際的なルール作りへの関与などを柱とする北極政策をまとめている。出遅れは否めないが、効果的に施策を推進すべきだ。

 20年には、北極に関する研究協力を話し合う閣僚会合を日本で開催する。米露や日中韓など20か国以上が参加する見通しだ。

 温暖化は北極で加速度的に進んでいる。航路としての可能性が広がる一方で、生態系への悪影響などが指摘される。

 日本は長年、北極の自然環境の調査に携わってきた。高い知見や技術力を生かして、今後の環境保全や開発の枠組みづくりに貢献することが大切である。日本の発言力の強化につながろう。

 円滑な調査研究のためには、砕氷調査船が欠かせない。米露のほか、中国や韓国も保有している。日本は20年代前半に、北極専用の砕氷船を建造する方針だ。着実に進めねばなるまい。

 米露やカナダなど北極圏の8か国は「北極評議会」を構成する。日中韓は13年から、オブザーバーとして参加している。

 トランプ米政権の関心の低さを懸念する声も出ている。北極海の安全保障上の重要性も踏まえれば、米国が主導的な役割を果たすことが不可欠である。

 日本は、米政府に積極的に働きかけなければならない。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年10月29日  06:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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