路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①・02.19】:有本明弘さん/娘との再会果たせぬまま

2025-02-21 06:00:40 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【社説①・02.19】:有本明弘さん/娘との再会果たせぬまま

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・02.19】:有本明弘さん/娘との再会果たせぬまま 

 北朝鮮に拉致された神戸市出身の有本恵子さん=失踪当時(23)=の父、有本明弘さんが15日、老衰のため亡くなった。96歳だった。

 長年、妻嘉代子さんとともに支援を訴える署名活動などに奔走してきた。しかし、生存を信じ、待ち続けた娘との再会は果たせないままだった。無念さは察するに余りある。

 嘉代子さんも5年前に他界し、帰国できずにいる拉致被害者の親世代で存命なのは横田めぐみさん=同(13)=の母早紀江さん(89)一人となった。家族らが出口の見えない苦しみから救われる日は来るのか。政府はあらゆる手を尽くして北朝鮮と交渉の扉を開き、一刻も早く被害者全員の帰国を実現してもらいたい。

 有本さんの三女恵子さんはロンドン留学中の1983年夏、旅先のデンマークから家族にあてた手紙を最後に消息不明になった。88年、他の拉致被害者が日本に送った手紙で恵子さんが北朝鮮にいると判明した。

 拉致の疑いが発覚すると、有本さん夫妻は外務省や国会、警察を何度も訪ね、娘の救出を求めた。97年には横田さんらと「家族会」を結成し、耳を傾ける人も少なかった時期から街頭で声を上げ続けた。

 事態は2002年、小泉純一郎首相(当時)の訪朝で急転する。北朝鮮は正式に拉致を認め、5人が帰国、恵子さんら8人は死亡したとされた。それでも夫妻は諦めず、政府への要望行動や全国各地での集会に積極的に参加してきた。

 明弘さんは歴代首相や米大統領らと相対しても、救出を求めて直言する姿勢を変えない。飾らない人柄と行動力は家族会の中心的存在だった。「恵子の顔を見るまでは死ねない」と訴えてきたが、最近は「年齢的にも限界だ」と漏らすようになった。昨年秋に体調を崩して一時入院し、最期は自宅で家族に見守られ穏やかな時間を過ごしたという。

 長女の昌子さん(68)によると、家族の前では拉致問題の話題はほとんど口にしなかった。家族会の活動には嘉代子さんと2人だけで参加し、昌子さんらきょうだいが手伝いを申し出ても「自分たちの代で終わらせる」と受け入れなかった。活動のつらさを誰よりも知っていたからだろう。子どもたちには引き継がせないという決意に込められた、家族への深い愛情が伝わってくる。

 石破茂首相はトランプ米大統領との会談で拉致問題解決への支持を取り付けた。だが首相が掲げる日朝相互に連絡事務所を置く構想に関し、家族会は「時間稼ぎに過ぎない」と反発している。政府は外交ルートを駆使するとともに、家族らと丁寧に対話を重ね、解決への突破口を見いださねばならない。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年02月19日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【北朝鮮】:「捕虜になるなら自決や自爆」強要か…ロシア派兵で死傷者多数、情報漏れを警戒か

2025-01-14 06:49:30 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【北朝鮮】:「捕虜になるなら自決や自爆」強要か…ロシア派兵で死傷者多数、情報漏れを警戒か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【北朝鮮】:「捕虜になるなら自決や自爆」強要か…ロシア派兵で死傷者多数、情報漏れを警戒か 

 【ソウル=小池和樹】ウクライナが越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州に派遣された北朝鮮兵の実態が明らかになってきた。捕虜の証言や韓国の情報機関の分析によると、北朝鮮当局は詳細を知らせないまま兵士をロシアに送り、捕虜になるなら自決や自爆をするよう強要している模様だ。一方、ウクライナは捕虜の証言などを公開し、北朝鮮やロシアを揺さぶる狙いがあるとみられる。

 ◆捕虜交換

 「ロシアが捕らえたウクライナ軍兵士との交換ができるなら(北朝鮮兵士を) 金正恩キムジョンウン (朝鮮労働党総書記)に引き渡す用意がある」

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は12日、SNSへの投稿で、前日公表した北朝鮮兵捕虜についてウクライナ軍兵士との交換に応じる意向を示した。通訳を介した尋問の動画では、捕虜の1人が北朝鮮への帰国を望んだものの、もう1人はウクライナに滞在する意向を示したことも明らかにされた。

 ゼレンスキー氏は、報道機関による北朝鮮兵捕虜への取材を認める方針を示している。兵士を取り巻く厳しい内情を国際社会や北朝鮮国内にも拡散することで、ロシアとの連携を強化する金正恩体制への打撃を狙っているとみられる。

 ◆当局のメモ

 韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は13日の国会報告で、北朝鮮兵の死者が300人以上、負傷者は2700人を超えるとの見方を示した。韓国やウクライナは北朝鮮兵約1万1000人がクルスク州に派遣されたとみており、全体の3割弱が死傷したことになる。死傷者数に対して捕虜は極めて少ないと言えそうだ。

 これに関し、国情院は負傷して捕虜になりそうな場合には自爆や自決をするよう強要する北朝鮮当局のメモを、死亡した北朝鮮兵が所持していたと指摘した。出席した国会議員が記者団に明らかにした。

 捕虜になりかけた北朝鮮兵が「金正恩将軍」と叫び、手投げ弾で自爆を試み、ウクライナ軍に射殺されたケースもあったという。北朝鮮は派兵を正式に認めていない。北朝鮮の派兵に関する情報が漏れることを警戒し、生け捕りにはならないよう命じている可能性がある。

 ◆かん口令

 国情院は多数の死傷者が出た要因として、無人機攻撃への対応力の低さを挙げた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが11日報じた北朝鮮兵の日記には、北朝鮮兵が3人1組で無人機攻撃に対処する方針が記されていた。1人が「おとり」となって無人機に狙わせる「捨て身」の戦術だ。国情院は、後方支援がない「突撃戦術」も死傷者増加の一因とみている。

 北朝鮮国内では国民の動揺を抑えるため、かん口令が敷かれているが、派遣された兵士の情報が拡散している模様だ。国情院によれば、当局は兵士を英雄視し、家族らに食糧や生活必需品を提供しているが、兵士の家族からは「大砲の餌食だ」と心配する声が上がっているという。

 ■ウクライナ侵略、最新ニュースと分析

 ■「反抗の象徴」は今 衛星画像で見るマリウポリ

 ■国際ニュースを英語で読む

 元稿:読売新聞社 主要ニュース 国際 【アジア・北朝鮮・ロシア・ウクライナ侵攻】  2025年01月14日  06:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【北朝鮮】:処理水巡り韓国で反日扇動…スパイ組織に指令「日韓対立を取り返しつかない状況に追い込め」

2025-01-09 05:00:30 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【北朝鮮】:処理水巡り韓国で反日扇動…スパイ組織に指令「日韓対立を取り返しつかない状況に追い込め」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【北朝鮮】:処理水巡り韓国で反日扇動…スパイ組織に指令「日韓対立を取り返しつかない状況に追い込め」

 【ソウル=小池和樹】北朝鮮が韓国内で運営する自国のスパイ組織に対し、東京電力福島第一原子力発電所の処理水放出に関して反日行為を扇動するよう指示する指令文を送っていたことが判明した。大量の指令文を証拠採用した韓国の裁判所の判決文を本紙が入手した。北朝鮮が反日機運を利用し、韓国内の分断と日韓対立をあおっている実態が浮かび上がった。

 韓国・水原地裁は昨年11月、北朝鮮の韓国工作機関・文化交流局の指示で在韓米軍基地の情報を収集したなどとして、国家保安法違反(スパイなど)の罪に問われたスパイ組織の男ら3人に懲役5~15年の実刑判決を出した。本紙は地裁への申請で判決(全468ページ)を入手し、スパイ組織への指令文89件、組織から北朝鮮に送った報告文13件の計102件を分析した。判決で伏せられていた部分は法廷取材で補った。

 判決によれば、組織のリーダー格である50歳代の男は、韓国最大規模の労組「民主労総」(組合員約120万人)で傘下団体などを統括する担当局長だった。組織には「理事会」があり、北朝鮮からの指令に基づき、下部メンバーに指示を出していた。北朝鮮とのやりとりは2018年10月から23年1月に捜査が本格化する直前まで、ほぼ毎月1~5回の頻度で行われていた。摘発されたスパイ事件では過去最多の規模だ。

 判決で証拠採用された指令文によると、福島第一原発の処理水放出を巡る指令があったのは21年5月上旬で、日本政府が放出を正式に決めてから約20日後だった。「反日世論をあおり、日韓対立を取り返しがつかない状況に追い込め。核テロ行為と断罪する情報を集中的に流せ」と韓国での活動を具体的に指示していた。

 当時の日韓関係は、 文在寅 ムンジェイン 政権が韓国人元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)をめぐる問題への解決策を示そうとせず、冷え切った状態が続いていた。

 指令文は、韓国の各階層で反日機運が急激に高まっていることが注目されると指摘し、「日韓の対立を激化させる戦術案を立て、積極的に実践するのが効果的だ」「日本大使館周辺での抗議集会、日本製品焼却のような闘争を果敢に展開しろ」と指示した。

 実際に韓国ではこの頃から市民団体による抗議活動が活発化し、21年7月の東京夏季五輪開会式を前に市民団体などが処理水放出に反対するデモを連日行った。

 日本政府が19年7月に元徴用工訴訟問題への対応を巡る文政権への事実上の対抗措置として対韓輸出管理強化に踏み切った際にも、北朝鮮は大使館への抗議活動などを指示した。

 指令文の内訳は、反日活動を含む「反保守、反米、反日」活動の指令が34件で、全体の38%を占めた。続いて多かったのは韓国の大統領選や総選挙、労組活動に関する指示で17件。スパイ組織運営に関する指示も8件あった。報告文では、20年4月の韓国国会の総選挙で当選した議員全員の携帯電話番号を提供したものもあった。

 1審で有罪となった労組幹部の男らは、いずれも控訴している。

  ◆文化交流局 =北朝鮮の朝鮮労働党で対韓国政策を統括する「統一戦線部」傘下で、韓国内でのスパイ網構築と協力者育成を主な任務とする工作機関。「対外連絡部」「225局」などと名称変更を繰り返してきた。韓国政府は、 金正恩 キムジョンウン ・朝鮮労働党総書記が2023年末に南北平和統一路線の放棄を表明したことを受け、統一戦線部の名称が「10局」に変更されたと分析している。

 元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース 国際 【アジア・オセアニア・北朝鮮】  2025年01月09日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【主張②・11.22】:自治体と朝鮮学校 補助金を出し続けるのか

2024-11-22 05:01:40 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【主張②・11.22】:自治体と朝鮮学校 補助金を出し続けるのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・11.22】:自治体と朝鮮学校 補助金を出し続けるのか 

 朝鮮学校の児童生徒と教員ら約120人が、来年1月に開催される北朝鮮の迎春公演に参加するため、日本を出国した。

 歌劇などが行われる迎春公演は北朝鮮の主要行事で、金正恩朝鮮労働党総書記を礼賛する内容も含まれる。

 そこへの参加は、ロシアのウクライナ侵略に加担し、日本をはじめ民主主義国への敵対姿勢を強める北朝鮮の独裁体制を支えることにほかならない。

 朝鮮学校をめぐっては、金正恩氏が今年1月に韓国との平和統一路線の放棄を宣言したことを受け、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が南北統一に向けた学習指導を禁じる指示を出したことも判明している。

 北朝鮮が朝鮮総連を通じ、教育活動に深く介入しているのは明らかだろう。

 にもかかわらず、いまだに多くの自治体が朝鮮学校に補助金を出しているのは問題である。文部科学省の内部資料によれば、令和4年度に朝鮮学校へ補助金を支出した自治体は愛知、兵庫など10道府県と横浜市など83市区町に上る。補助金を出している自治体は即刻停止すべきだ。議会も追及してほしい。

 朝鮮学校生が迎春公演に参加するのは5年ぶりだ。全国の朝鮮初級学校(小学校に相当)と中級学校(中学校に相当)から集めた児童生徒が中国経由で訪朝し、現地で練習を重ねた後、「在日朝鮮学生少年芸術団」として歌劇や楽器演奏などを披露するという。

 朝鮮総連が事前に各学校にあてた文書には、児童生徒の持ち物や小遣いの額などについて細かく記されていた。日本や韓国の動画が収録されているなどの理由で携帯電話は不許可とし、韓国の商標がついた製品も持ち込まないよう指示していた。

 平成24年の迎春公演では、朝鮮学校生が金正恩氏に永遠の忠誠を誓う歌劇を演じたことが問題となり、大阪府が補助金を打ち切った。府は、朝鮮総連と一線を画すことなどを交付要件としていたが、守られていないと判断した。

 当然の対応である。北朝鮮の軍事的挑発は一段と強まっている。今回の迎春公演参加を機に、他の自治体も大阪府の前例にならうべきだ。

 朝鮮総連の指導を受ける教育活動を、日本の税金で支えることがあってはならない。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年11月22日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳・11.08】:戦勝国になりかねない北朝鮮のウクライナ派兵

2024-11-16 07:40:00 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【政界地獄耳・11.08】:戦勝国になりかねない北朝鮮のウクライナ派兵

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・11.08】:戦勝国になりかねない北朝鮮のウクライナ派兵

 ★5日、ウクライナのゼレンスキー大統領は北朝鮮兵とウクライナ軍が初めて交戦したと明らかにしたが、同日、米紙ニューヨーク・タイムズも米国とウクライナの高官の話として北朝鮮兵士がロシア西部クルスク州で戦うウクライナ軍と交戦したと報じた。北朝鮮特殊部隊1500人が派兵されたとされるうち、ロシアの第810独立海軍歩兵旅団に40人程度参加し全滅したという情報もある。先月29日、韓国の国会情報委員会国政監査では「派兵された北朝鮮軍はロシア軍事用語の教育を受けているが意思疎通に困難をきたしている」という報告もある。6日、韓国大統領室は「ウクライナとロシアに派兵された北朝鮮軍との間で本格的な戦闘はまだ始まっていない」と情報を否定した。

<button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26"></button><button class="sc-1gjvus9-0 cZwVg" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">ウクライナ ゼレンスキー大統領</button>
        ウクライナ ゼレンスキー大統領(日テレNEWS NNN)

 ★北朝鮮軍のウクライナ派兵情報をいち早く世界に示したのは韓国政府だった。韓国にとっては北朝鮮がロシアへの派兵で韓国の安全保障の脅威は高まる。その兵のレベルがいかほどかに強い興味があるのは当然だろう。ただ交戦を認めれば“対処”しなくてはならず、総合的な情報を必要としている時期だろう。興味深いのはロシアも米国もこの問題に関して沈黙を守っていることだ。

 ★ゼレンスキーから見れば、北朝鮮軍の参戦は西側に脅威を伝える材料となるだろうから喧伝(けんでん)したい情報となる。米ロ韓はその情報を確認することで事態の新局面を迎え、どんな対応をすべきか、これによって東アジアの安全保障が不安定になり、何らかの影響はないかと脅威のリスクの分析を始めるだろう。だがこの北朝鮮兵派兵・参戦情報のタイミングにはいささか政治的な匂いがする。米大統領選挙の日程と極めて密接なことだ。早々にトランプの再選が決まったが、新大統領の存在を無視してこの軍事行動は発動されなかったのではないか。次期大統領ドナルド・トランプはかねて「戦争を終わらせる」としているが、そのシナリオに組み込まれているならば北朝鮮は戦勝国になりかねない。(K)※敬称略

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません4。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年11月08日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説・11.08】:北朝鮮のロシア派兵 侵略への加担は許されぬ

2024-11-09 07:00:40 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【社説・11.08】:北朝鮮のロシア派兵 侵略への加担は許されぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.08】:北朝鮮のロシア派兵 侵略への加担は許されぬ 

 ロシアによるウクライナ侵攻をさらに長引かせかねない事態であり、許し難い。

 ロシア西部クルスク州で、北朝鮮が派遣した兵とウクライナ軍が初めて交戦したと、米有力紙が報じた。ウクライナ軍が越境攻撃をしている地域で、北朝鮮兵はロシア軍部隊と戦闘に参加し、死者も出したとしている。

 北朝鮮は派兵を否定せず、「国際法上の規範に符合する行動だ」と表明した。今年6月にロシアと締結した「包括的戦略パートナーシップ条約」に基づく正当な軍事協力だという主張だ。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻は武力で他国の領土を奪おうとする国際法違反だと、国連決議で断じられている。

 派兵は侵攻に加担する行為である。日本を含む先進7カ国(G7)の外相らが声明で指摘したように、十分に国際法違反になり得る行為だと、まず自覚すべきだろう。

 北朝鮮とロシアの軍事協力がこれ以上深まれば、朝鮮半島情勢にも影響を与えかねない。東アジアの緊張が高まるのは必至で、国際社会を挙げて速やかに対処すべきだ。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は声明で「世界の不安定化の新たなページを開く」と述べた。28カ月と長期に及ぶ紛争が「国際化」しつつあるとの認識だろう。

 部隊の参戦はアジアの国まで交戦の当事者となったことを意味する。韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は、ウクライナへの直接の兵器支援を「排除しない」とし、これまでの欧米への武器供与という間接支援からの転換に踏み込んだ。

 派兵は12千人に上るとされ、北朝鮮の海外派兵は過去最大となる。ただ、ロシア語を使えず、現地の地理に詳しくない北朝鮮兵の戦力は未知数だ。多くの犠牲者が出るのは避けられない。

 それでも金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記にとっては見返りが大事なのだろう。北朝鮮は米本土まで届く長距離ミサイルや核弾頭の開発で技術支援を求めたとされる。先月に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)は新型で高度は過去最高、飛行時間も最長だった。7回目の核実験も準備しているもようだ。体制維持のため、米国を意識して軍備増強する路線は変わりそうにない。

 ロシアは自軍の死傷者が数十万人に上り、兵員不足に直面している。北朝鮮からこれまでの弾薬に加え、兵力の提供を受けることは、世論の懸念が強い動員にそう踏み切れないプーチン大統領にとって助けになるに違いない。

 日米韓を軸に、ロ朝に影響力のある中国を巻き込み、対応策を模索すべきだ。

 国際社会の局面も変わった。米国では大統領選に勝ったトランプ前大統領が来年1月、再び就任する。ウクライナ侵攻に対して首脳外交による停戦仲介を公言しており、仮にプーチン氏に譲歩した停戦案を示す事態になれば法の支配は揺らぐ。

 尹大統領はトランプ氏との電話協議で、さっそく北朝鮮の派兵を議題にした。日韓は協調の枠組みを維持するよう繰り返し説く必要がある。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月08日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【主張②・11.02】:北の派兵 侵略への加担は許されぬ

2024-11-02 05:01:20 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【主張②・11.02】:北の派兵 侵略への加担は許されぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張②・11.02】:北の派兵 侵略への加担は許されぬ

 ウクライナ侵略を続けるロシアと、これを支持してきた北朝鮮の軍事協力が一段と進んでいる。

 米国のブリンケン国務長官は、ロシアに派遣された北朝鮮軍の将兵について「数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入される」との見通しを示した。

 最大8千人の北朝鮮軍が、ウクライナが一部を占領する露西部のクルスク州に展開しているという。北朝鮮軍の部隊がウクライナ領に侵入してくることも懸念されている。

ロシア入りした北朝鮮軍がロシア製の装備を受け取る様子を撮影したとする動画の一部=ウクライナ政府機関「戦略コミュニケーションセンター」のSNSから

 これは北朝鮮が第二の侵略国になることを意味するもので断じて容認できない。

 北朝鮮は直ちに派兵と武器弾薬の対露輸出を停止すべきだ。国際社会は危機感をもち、一層の圧力をかける必要がある。

 日本の山崎和之国連大使が国連安全保障理事会の緊急会合で「北朝鮮がロシアによる侵略の共犯者になることはウクライナ情勢をさらに悪化させる」と非難したのは当然だ。

 北朝鮮は10月31日、新型と称する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を日本海に向けて発射した。日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下させた。通常よりも高角度のロフテッド軌道をとり、飛翔(ひしょう)時間も高度も過去最高だった。技術向上の裏にはロシアの協力があったとみられている。

 露朝両国は6月、有事の際の相互軍事援助を盛り込んだ「包括的戦略パートナーシップ条約」を結んだ。軍事同盟下の提携は急速に進み、北朝鮮はロシアに砲弾や弾道ミサイルを供給した。60万人超とされるロシア兵の死傷者を補うため、軍の派遣にも踏み切った。

 ロシアからの見返りが北朝鮮が切望していた高度な核・ミサイル技術の提供なのだろう。

 北朝鮮の金正恩総書記は、朝鮮半島有事の際に、ロシア軍の加勢も望んでいると思われる。露朝軍事協力の脅威は、日米韓とウクライナを含む欧州に及ぶことになる。

 日本にとっては、台湾有事など南西方面での有事に直面する場合でも、北朝鮮に加え北方におけるロシアの脅威にも備える必要が高まった。石破茂政権はこの厳しい現実を国民に説明すべきだ。

 北朝鮮が通算7回目の核実験に踏み切るとの観測もある。一層の警戒が欠かせない。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年11月02日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説①・11.01】:北ICBM発射 世界を敵に回す危険な挑発だ

2024-11-01 05:00:20 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【社説①・11.01】:北ICBM発射 世界を敵に回す危険な挑発だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・11.01】:北ICBM発射 世界を敵に回す危険な挑発だ

 北朝鮮がロシアへの派兵に続き、米国全土を攻撃できるミサイルの発射実験を行った。欧州とアジア太平洋の両地域の安定を脅かす暴挙である。断じて容認できない。 

 ミサイルは大陸間弾道ミサイル(ICBM)級で、日本海に向けて少なくとも1発発射された。過去最長の約86分間飛行し、到達高度もこれまでで最も高い7000キロ・メートル超だった。

 高角度の「ロフテッド軌道」で打ち上げられたと推定される。通常の軌道で飛んだ場合、米全域が射程内に収まるとみられる。

 11月5日に大統領選の投開票を控える米国に対し、ミサイル開発の進展を誇示し、揺さぶりをかける狙いがあるのだろう。

 さらに深刻なのは、北朝鮮が2017年以来7回目となる核実験を、米大統領選前後に行う可能性が指摘されていることだ。韓国政府は、北朝鮮北東部・豊渓里の核実験場で内部の準備をほぼ終えたとの見方を示している。

 米本土攻撃を想定したICBM搭載の核弾頭に加え、在韓・在日米軍基地攻撃を念頭に置いた短・中距離ミサイル用の低出力の戦術核兵器の開発も進めている。日米韓にとって重大な脅威となる。

 北朝鮮の核開発や弾道ミサイル発射を巡っては、日米などが国連安全保障理事会決議に基づき、繰り返し制裁を科してきた。

 にもかかわらず、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は「核武力強化路線を絶対に変えない」と主張している。ロシアが北朝鮮を擁護してきたからにほかならない。

 しかも、北朝鮮制裁の履行状況を調べる安保理の専門家パネルは今年、ロシアが任期延長決議案に拒否権を行使したため廃止されてしまった。6月には、露朝いずれかが武力侵攻を受けた際に軍事援助を行うとした条約を結んだ。

 ロシアはウクライナ侵略で、核使用の可能性をほのめかしている。北朝鮮は公然と核開発を進める一方で、ロシアに派兵し、侵略に加担しようとしている。

 今年のノーベル平和賞に「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」が選ばれたように、核兵器が人類に与える危険性を国際社会に強く訴えることが求められる中で、核による威圧をやめない露朝の異様さが際立っている。

 北朝鮮を支え、ロシアとも密接な関係にある中国の行動が問われる。中国が露朝の暴走を傍観し、事実上容認する態度を取るようでは、中国自身の国際的な信頼が大きく損なわれることになろう。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月01日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳・10.24】:「北朝鮮派兵」の深刻事態なのに…日本は選挙中の政治空白

2024-10-29 07:40:20 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【政界地獄耳・10.24】:「北朝鮮派兵」の深刻事態なのに…日本は選挙中の政治空白

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・10.24】:「北朝鮮派兵」の深刻事態なのに…日本は選挙中の政治空白 

 ★選挙中の政治空白とはこういう時に使う言葉かも知れない。与野党の多くの候補者が安全保障とか、周辺国との緊張関係について有権者にその危機を問うているが、あなたたちは朝鮮半島で起きている出来事を立ち止まって考えているのか。首相・石破茂のアジア版NATO創設などもってのほかだが、アジアは極めて繊細な細工が施されている複雑な外交が必要な地域。対話の枠組みすら構築できないのに、アジア版NATOといった軍事同盟からスタートできるはずがない。何しろ朝鮮半島では極めて深刻な事態が進んでいる。

ロシアのプーチン大統領(左)と北朝鮮の金総書記

 画像説明,ロシアのプーチン大統領(左)と北朝鮮の金総書記は6月19日、北朝鮮・平壌で会い、互いに笑顔を見せた

北朝鮮の軍隊(資料写真)

画像説明,北朝鮮の軍隊(資料写真)

 ★22日、英国国防相・ジョン・ヒーリーは北朝鮮がロシアのウクライナ侵攻に協力するため、兵士を派遣したとの情報について「数百人の戦闘部隊の移動が始まったのはほぼ確実だ。衝撃的であり絶望的な状況だ」「北朝鮮は既にロシアに大量の武器を送っている。両国の軍事協力は、欧州とインド太平洋地域の安全保障に深刻な影響を及ぼす」とした。加えてこの問題はNATOで協議すべきことだと。同日、韓国大統領室がウクライナに対する攻撃用兵器提供の可能性に言及し「北朝鮮軍のロシア派兵」と説明したが、米ホワイトハウスは「派兵を確認できていない」と慎重な物言いを崩さない。13日の段階でウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「北朝鮮がロシアに兵器だけでなく兵力まで支援している」と演説し、事態は拡大した。

 ★同盟国・米国の背中を押すためか韓国高官はロ朝軍事同盟への対抗措置として、ウクライナへの攻撃用兵器供与まで検討する可能性を示唆し始めた。アジア版NATOがなくとも、今ある同盟関係で米韓が北朝鮮、その背後のロシアや中国と正面から対峙(たいじ)することはないにしろ、日本は自動的に巻き込まれるだろう。選挙で思考停止になっている候補者に言っておくが今の状態で石破のNATO構想が実現したら、即座にアジアは全面戦争に突入だ。(K)※敬称略

 政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません4。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年10月24日  07:39:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

《社説①・10.27》:北朝鮮の対露「派兵」 戦況激化招く危険な加担

2024-10-27 02:05:50 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

《社説①・10.27》:北朝鮮の対露「派兵」 戦況激化招く危険な加担

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・10.27》:北朝鮮の対露「派兵」 戦況激化招く危険な加担

 国際秩序を踏みにじる侵略に手を貸す行為である。断じて許されない。

 韓国の情報機関である国家情報院によると、北朝鮮の特殊部隊3000人がウラジオストクなどのロシア軍基地に入った。派兵規模は年末までに1万人に達する見込みだという。米国のオースティン国防長官も「ロシアに北朝鮮軍がいる証拠がある」と語った。

事実上の同盟関係を復活させる条約の署名式で握手を交わすロシアのプーチン大統領(左)と北朝鮮の金正恩総書記=平壌で6月19日、AP

 北朝鮮とロシアは6月、有事の際の相互軍事支援をうたった条約を結び、冷戦時代の同盟関係を事実上復活させた。

 ウクライナでは、北朝鮮製の砲弾やミサイルなどの使用が確認されている。派兵が事実とすれば、協力のレベルは一段と上がったことになる。

 背景にあるのはロシア軍の兵員不足だ。2022年の侵攻開始以降に出た戦死者や重傷者は25万人を超えるとの分析もある。

 ウクライナの最前線に北朝鮮軍兵士が投入されれば、形勢がロシア有利に傾きかねない。戦況が激化し、犠牲者が増えることが懸念される。

 北東アジアの安全保障に及ぼす影響も甚大だ。北朝鮮には、この機に乗じてさらなる軍事力増強を図ろうという思惑があるとも指摘されている。

 ミサイルの実戦使用で得られるデータは今後の開発に有用だ。兵士の練度を上げることもできる。派兵の見返りに、ロシアから高度な軍事技術の提供を受ける可能性もある。

 国連による対北朝鮮制裁が完全な機能不全に陥る恐れも高まっている。

 ロシアは一昨年、国連安全保障理事会での追加制裁決議案に拒否権を発動し、今春には制裁の履行状況を監視してきた安保理の専門家組織を廃止に追い込んだ。

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年10月27日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【北朝鮮】:韓国を憲法で「敵国」と明確化…緊張悪化に識者「もう後戻りできない」と指摘

2024-10-23 07:05:50 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【北朝鮮】:韓国を憲法で「敵国」と明確化…緊張悪化に識者「もう後戻りできない」と指摘

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【北朝鮮】:韓国を憲法で「敵国」と明確化…緊張悪化に識者「もう後戻りできない」と指摘

 「他国であり、明確な敵国だ」──。

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は17日、視察に訪れた朝鮮人民軍第2団の指揮所で韓国のことを「敵国」と名指しし、「(韓国が主権を侵害すれば)物理的力をためらいなく使用する」と警告を発した。

<picture></picture>

 「悪縁を断絶」という(朝鮮人民軍の指揮所を訪れた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記=朝鮮中央通信=共同)

 この言葉が示すように今年に入ってからの北朝鮮は、さまざまな面で韓国との決別を意味するかのような動きを続けてきた。

「今年1月。金正恩が韓国を“第1の敵国”と位置づけてから、対韓国の姿勢は顕著です。2月には南北統一の象徴でもあった『統一駅』の名をタダの『駅』に変更していたことが判明。そのほか、国歌からは、朝鮮半島全体を意味する『三千里』という歌詞を『この世に』などと変更しています」(外信部担当記者)

 それらの動きに合わせるかのように、北朝鮮は今月開かれた最高人民会議で、ある重大な決定を下している。半島問題に詳しいジャーナリストの高英起氏が解説する。

 「7、8の両日に開かれた最高人民会議の場で憲法で韓国のことを『敵対国家』と明確に規定。15日には、敵対国家に対する措置として韓国と北朝鮮をつなぐ鉄道と道路を爆破。このことについて金正恩は『ソウルとの悪縁を絶ち、同族意識と統一という非現実的な認識を払いのけた』と発言するなど、韓国との決別の意志を改めて強調しています」

 韓国との決別──。こうした金正恩の発言の真意について高氏は「彼は元々統一をする気はなかったんです」とこう続ける。

 「両国は事実上の別国家として歩んできましたが、統一に引っ張られてしまうと核・ミサイル問題、人権問題で妥協しなければならない。それは金正恩体制の弱体化、崩壊につながりかねない。米朝会談の失敗で韓国や西側との関係改善は難しいと悟った。ならば、完全に決別し、ロシア、中国との関係を深め、政治経済ブロックとして生き残る道を選んだのでしょう」

 今回、北朝鮮が憲法において韓国を「敵国」と明確化したことによって、両国の関係は「もう後戻りすることはできない」と高氏は指摘する。

 両国間の緊張状態の悪化は決して日本にとっても無関係ではない……。

 ■関連記事

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・アジア・北朝鮮】  2024年10月23日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【社説①・10.23】:北朝鮮の派兵 ロシアに人命を差し出す危険

2024-10-23 05:01:55 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【社説①・10.23】:北朝鮮の派兵 ロシアに人命を差し出す危険

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・10.23】:北朝鮮の派兵 ロシアに人命を差し出す危険

 北朝鮮がロシアのウクライナ侵略に加担し、大規模派兵を進めている。ウクライナの戦況のみならず、東アジアの安全保障環境にも影響を及ぼす重大な事態である。 

 韓国の情報機関・国家情報院によると、北朝鮮は約1万2000人の派兵を決定し、特殊部隊1500人が露極東で戦線投入に向けた訓練を受けた。近くウクライナ軍に一部を占領された露西部クルスク州に向かうという。

 北朝鮮の派兵は、金正恩総書記が6月にプーチン露大統領と結んだ「包括的戦略パートナーシップ条約」に基づくとみられる。露朝はどちらかが武力侵攻を受けた場合、全ての手段で軍事援助を提供すると明記している。

 そもそもロシアはウクライナを侵略している。にもかかわらず、侵略を受けた場合の条項を適用することは道理に合わない。北朝鮮も事実上、侵略の当事者になったとのそしりは免れない。

 ロシア軍は1日の死傷者が1200人を超すような消耗戦を展開し、兵力不足が深刻化している。プーチン氏は2年前に30万人を動員したが、世論の反発に遭い、追加招集を行っていない。

 武器や弾薬に加え、兵士まで北朝鮮に頼ることは、ロシアの苦境の表れと言える。

 北朝鮮からの兵力補充で、侵略が長期化する恐れがある。米欧はウクライナに武器や資金を供与しているが、兵力は送っていない。北朝鮮兵士の動向や戦局への影響を注視する必要がある。

 露朝の軍事協力の深化によって、東アジアの緊張がいっそう高まるのは避けられない。

 北朝鮮は派兵の見返りとして、ロシアに原油や食料の供与を求めているとみられる。人民の生活向上ではなく、金総書記の独裁体制の強化に使われるのだろう。

 ロシアが核弾頭の小型化や弾道ミサイルの精度向上、原子力潜水艦に関する軍事技術を北朝鮮に移転する可能性もある。そうなれば日本や韓国の安全は脅かされ、地域情勢は一気に深刻化する。

 露朝条約に基づけば、最悪のシナリオとして、北朝鮮が韓国に侵攻し、ロシアが派兵する事態にもなりかねない。北朝鮮はロシア参戦の可能性をちらつかせ、朝鮮有事の際に米国が介入するのを防ぐ狙いがあるのではないか。

 人命を消耗品のように使い捨てにするロシアの侵略行為は許し難い。そのロシアに国民の命を差し出し、体制維持を図る北朝鮮もまた異様である。

 元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年10月23日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【中山知子の取材備忘録・05.12】:崖っぷち岸田首相「なんとしても私の手で」北朝鮮拉致問題は進展?最後の日朝首脳会談から20年

2024-06-10 07:45:10 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【中山知子の取材備忘録・05.12】:崖っぷち岸田首相「なんとしても私の手で」北朝鮮拉致問題は進展?最後の日朝首脳会談から20年

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・05.12】:崖っぷち岸田首相「なんとしても私の手で」北朝鮮拉致問題は進展?最後の日朝首脳会談から20年

 20年前の2004年5月22日、北朝鮮の平壌にいた。小泉純一郎首相(当時)の2度目の北朝鮮訪問に同行取材するため前日に平壌に入りし、22日の首脳会談取材に備えた。現地に到着してプレスセンターが置かれた高麗ホテルに荷物を置き、同行した社でいくつかのグループに分けられ、それぞれに北朝鮮側の担当者が同行した状態でバスに乗り、平壌市内の「表の顔」を見て回ったりした。

日朝首脳会談
開催国 朝鮮民主主義人民共和国の旗 朝鮮民主主義人民共和国

 2002年9月、第1回会談

 制服姿の女子学生が歩いていたり、結婚式を挙げているカップルがいたり…。自由行動はできず、先方の決めたルートや予定に従って移動し、食事の場所も同様だった。ただ02年9月17日の最初の小泉訪朝に日帰り同行取材した際は、空港からのバス移動中に街並みを見るのが精いっぱいで、日本と変わらない初夏の日差しのもとで、高層のビルが並び立つどこか機械的な街の雰囲気は、いろんな意味で新鮮に映った。

 しかし、この国のどこかに日本人を含む多くの拉致被害者がいるのだと考えると、表向きは平和そうに見せるショーウインドー都市の「裏の顔」に思いをはせざるを得なかった。

 最初の訪朝は拉致被害者のうちの5人の帰国につながったが、2度目の小泉訪朝では被害者の帰国は実現できず、安否不明の10人について早急の「再調査」を求めて金正日総書記(当時)の了解を得ただけで、被害者家族8人のうち5人が帰国したにとどまった(その後3人も帰国)。当時の拉致被害者家族会からの「最悪の結果」と批判を受けた小泉氏は「すべての責任は私にある。批判は甘んじて受ける」と述べたが、結果的にその後、日朝首脳会談は開かれることはなかった。小泉氏とともに訪朝もした安倍晋三元首相の時代にも新しい流れには至らず、小泉訪朝後には北朝鮮の指導者が替わり、現在の金正恩朝鮮労働党総書記はミサイル発射を繰り返し国際社会の批判にさらされ、直接対話できるような状況ではない事態に陥った。

平壌市内中心部には市民の姿もみられた(02年9月撮影)
平壌市内中心部には市民の姿もみられた(02年9月撮影)

 最後の首相訪朝からまもなく20年。岸田文雄首相は最近、「私自身の手で拉致問題を解決するという強い決意のもと、全力で取り組む」と繰り返し、日朝首脳会談に意欲をみせ続けている。北朝鮮側が今年1月の能登半島地震の際に金総書記の異例のお見舞いメッセージを送ったり、正恩氏の妹・与正氏が岸田首相の訪朝の可能性に触れたり、はねつけたり。一方、首相はこれまで、さまざまなルートを通じて北朝鮮側に働きかけを続けていることを認めており、政界関係者によると「すわ訪朝か」と想定させるようなタイミングもあったという。そんな経緯もあり「外交の岸田」を自任する首相の訪朝説は、ずっとくすぶり続けている。

北朝鮮による拉致被害者の帰国を求める国民大集会に出席し、あいさつする岸田文雄首相(2024年5月11日撮影)

北朝鮮による拉致被害者の帰国を求める国民大集会に出席し、あいさつする岸田文雄首相(2024年5月11日撮影)

 5月11日、東京都内で開かれた北朝鮮による拉致被害者の帰国を求める「国民大集会」では、被害者家族会の即時一括帰国を要請する家族会の声に、岸田首相は「日朝首脳会談を実現すべく、私直轄のハイレベル協議を進める。早期実現に向けた働きかけを一層強めたい」と述べ、この場でも「なんとしても私自身の手で、拉致問題を解決するという強い決意のもとで全力で取り組む」と訴えた。

 昨年11月の同集会でも、首相は「早期の会談実現へ向けて、働きかけを一層強めていく」とほぼ同じフレーズを口にしていたが、家族会が今年2月にまとめた新たな活動方針では、被害者の親世代の家族が存命の間に即時帰国が実現するなら、人道支援、独自制裁解除に反対しないとし、岸田首相には新たなプレッシャーがかかる形となった。

 裏金問題や政治姿勢への国民の批判で、支持率がほとんど上向かず崖っぷちに立たされている岸田首相にとって、外交、特に日朝関係進展による局面打開は「反転攻勢への大きな足掛かり」(関係者)ともいわれている。真偽は別にして首相訪朝説が飛び交うのも、そんな背景が影響しているようだ。ただ、外交は相手あってのもので自分の意向だけではどうにもならない。またミサイル発射などで非難を浴びる北朝鮮側と会談するのは、相当の準備や覚悟、シミュレーションも必要。今回ばかりは「やってます感」「外交の岸田」アピールだけではすまないジレンマの中で、首相は依然さまざまな可能性を探っているとの指摘がある。

 最後の日朝首脳会談からまもなく20年。北朝鮮をめぐり積み重なってきた問題に関しては、首相の「次の一手」に大きな関心が注がれている。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年05月12日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳・03.06】:“ほぼトラ”前提に新世界秩序構築が各国のテーマ 作れるか日朝新時代

2024-03-13 07:40:20 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【政界地獄耳・03.06】:“ほぼトラ”前提に新世界秩序構築が各国のテーマ 作れるか日朝新時代

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・03.06】:“ほぼトラ”前提に新世界秩序構築が各国のテーマ 作れるか日朝新時代 

 ★22年11月に離任したロシアの駐日大使・ミハイル・ガルージンが外務次官(旧ソ連圏担当)に転出。その間は臨時代理大使として公使参事官・ゲンナーディー・オヴェチコが務めていたが、新駐日大使・ニコライ・ノズドレフが着任した。ガルージンも務めたロシア外務省第3アジア局長を歴任した日本通。日ロ漁業交渉の担当者で日本語も堪能。新日ロ関係の足がかりとなるかが注目される。

<picture>新たに着任したロシアのノズドレフ駐日大使=モスクワで2018年5月、大前仁撮影</picture>
新たに着任したロシアのノズドレフ駐日大使=モスクワで2018年5月、大前仁撮影

  ★4日、首相・岸田文雄は北朝鮮による拉致被害者の家族会と首相官邸で面会した。首相は「皆様の差し迫った思いを強く感じる。日朝間の明るい未来を描くため私自身主体的に動かなければならない」と改めて日朝首脳会談の早期実現に自信を見せた。1月5日、能登半島地震に対して北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が「岸田文雄閣下。日本で不幸にも、年初から地震によって多くの人命被害と物的な損失を受けたという知らせに接し、遺族と被災者に深い同情とお見舞いの意を表します」とした異例のお見舞い電報を送った。以来、両国で水面下の積極外交が進んでいるようだが、コリア国際研究所・朴斗鎮(パク・トゥジン)は2月14日の韓国とキューバとの国交正常化が拍車をかけたと指摘する。これで韓国が国交のない国はシリアと北朝鮮だけとなった。キューバを押さえたのなら、日本を揺さぶると考えたか。2月25日、家族会は「被害者の親世代が存命のうちに全被害者の一括帰国が実現するなら、日本独自の制裁解除に反対しない」とシグナルを発信した。

 ★来年には「ほぼトラ」で米トランプ大統領が就任することを前提に、どんな世界になるのかの新世界秩序構築が各国のテーマになるはず。内政で手柄が欲しい岸田政権は、今なら日朝会談に飛びついてくるという北朝鮮の情勢分析のまま、しっぽを振っていまいか。トランプが在韓・在日米軍撤退を言い出したら、東アジアの秩序は崩壊する。それより前に日朝新時代を作ることはできるか。このタイミングでのロシア駐日大使着任は興味深い。(K)※敬称略

政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年03月06日  06:57:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【筆洗】:いい男だ。1987年、石川県の寺越友枝さんは息子の武志さん…

2024-03-05 07:52:30 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【筆洗】:いい男だ。1987年、石川県の寺越友枝さんは息子の武志さん…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:いい男だ。1987年、石川県の寺越友枝さんは息子の武志さん…

 いい男だ。1987年、石川県の寺越友枝さんは息子の武志さんと北朝鮮で24年ぶりに再会した際、そう思ったという

 ▼息子は13歳の時、志賀町から叔父2人と漁に出て日本海で行方不明に。87年に叔父の1人から届いた手紙で生存が分かり実現した、平壌での面会である

 ▼記憶の中の息子はクリクリの丸刈りの中学生で、野球のバットが当たってできた傷が額にある。現れた中年男性に傷を見つけ確信し、涙を流してからまじまじと眺めて抱いた冒頭の感想。自著で「親が言うのはおかしいかもしれませんが」と断り、ほれぼれしたと明かしている。母親らしい感慨とも思える

 ▼友枝さんが92歳で亡くなった。訪朝は66回。武志さんの一時帰国も2002年に実現した。遭難し北朝鮮に助けられたと拉致を否定する息子を信じるとして拉致被害者の家族会を離れたが、葛藤はあった

 ▼訪朝時にこっそり真相を尋ねると黙りこむ息子。異国で一定の地位と家庭を得ている。連れ戻したいが、自分が「拉致だ。返せ」と言えばどうなるか。思いをのみこみ、通えば会える。監視がつき、全て本音で語りあえないとしても

 ▼家族会を離れる前、横田めぐみさんの母早紀江さんがこう言ったという。「友枝さんが決めていいんですよ。信じる道を。武志さんの母親は一人だけですから」。息子のために耐え、愛情を注いだ母。安らかにと祈る。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年03月01日  07:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする