路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《社説①・10.23》:衆院選2024 子ども・若者政策 希望持てる未来

2024-10-24 02:06:00 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

《社説①・10.23》:衆院選2024 子ども・若者政策 希望持てる未来

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・10.23》:衆院選2024 子ども・若者政策 希望持てる未来

 子育てや教育は社会の将来を築く土台となる。子どもや若者が希望を持って暮らせる環境を整えることは政治の責務だ。

こども家庭庁が発足し、文字を書いた半紙を手に並ぶ子どもたちと岸田文雄首相(左端)、小倉将信こども政策担当相(右端)=東京都千代田区で2023年4月3日午後0時22分、手塚耕一郎撮影

 にもかかわらず、衆院選では「政治とカネ」や物価高の問題に隠れ、議論がかすみがちだ。自民党の石破茂首相や立憲民主党の野田佳彦代表は、公示後の第一声で全く触れなかった。 

 子どもや若者を取り巻く環境は厳しさを増している。

 10~20代の自殺率は上昇傾向にあり、児童虐待やいじめ、不登校の件数は過去最多を更新している。経済的にも子どもの9人に1人が貧困状態にあり、ひとり親家庭では貧困率が5割近くに達する。

 こうした状況に対応するため、岸田文雄政権下でこども家庭庁が発足し、こども基本法と、施策を総合的に進める大綱が制定された。全ての子が等しく健やかに成長できる社会を目指すとしている。

 昨年末には、子育て世帯への給付など総額3・6兆円の少子化対策がまとまった。だが、これでは大綱が掲げる目標の一部にしか応えていない。

 次に打ち出す施策として、各党がこぞって公約に盛り込んだのが「教育の無償化」だ。高校や大学の授業料、小中学校の給食費、塾代など多岐にわたる。多くの人が恩恵を受けるため、有権者にアピールしやすい。

 家計への支援と、子どもの権利保障の観点から、教育にかかる負担の軽減は進めるべきだ。しかし、必要な予算規模や財源が十分に示されているとは言い難い。

<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2024/10/23/20241023ddm005070107000p/9.webp?1" type="image/webp" />給食がなくなる夏休みを前に、困窮家庭へ支援の食料品を送る準備をする国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」のスタッフら=千葉県船橋市で2024年7月11日午前11時7分、石塚孝志撮影</picture>
給食がなくなる夏休みを前に、困窮家庭へ支援の食料品を送る準備をする国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」のスタッフら=千葉県船橋市で2024年7月11日午前11時7分、石塚孝志撮影

 貧困や虐待など困難な状況にある若年層に寄り添う支援も、急ぐ必要がある。格差是正や孤独・孤立の防止は喫緊の課題だ。

 ひとり親家庭を対象とした児童扶養手当の拡充、家族の介護などを担うヤングケアラーへの支援、家庭と学校以外の居場所作りなどの政策を競い合ってほしい。

 過去4回の衆院選では、20代の投票率はいずれも40%を切り、年代別で最低だった。若い世代に政治への関心を持ってもらう上でも、子ども政策の議論を深めることが重要だ。

 若者が閉塞(へいそく)感を抱いたままでは将来の展望は開けない。誰も取り残されることのない社会の実現に向け、各党は道筋を示すべきだ。

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年10月23日  02:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:離婚後共同親権の導入 子の利益を損なわぬよう

2024-05-20 02:04:50 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

《社説①》:離婚後共同親権の導入 子の利益を損なわぬよう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:離婚後共同親権の導入 子の利益を損なわぬよう

 親子のあり方の根幹に関わる。子どもの利益が損なわれないよう、運用しなければならない。

 離婚後も父母が共同で親権を持つことを可能にする改正民法が成立した。公布から2年以内に施行される。

離婚後の共同親権導入を盛り込んだ改正民法が賛成多数で可決・成立した参院本会議=国会内で2024年5月17日午後1時7分、前田梨里子撮影

 これまでは父母の一方だけに親権が認められていたが、話し合って共同親権にするか、どちらかの単独親権とするかを選ぶ。合意できない時は家庭裁判所が決める。

 両親が離婚後も子どもの養育に関わり、責任を果たすようにすることが導入の目的だ。しかし、現状では懸念が拭えない。

 父母の話し合いでは、お互いの力関係から、一方が無理強いされて共同親権に合意するというケースが起こりかねない。

 どちらかが反対しているのに、家裁の判断で共同親権になることもある。その結果、子どもに不利益が及ぶことが危惧される。

 とりわけ心配されるのが、配偶者からの暴力(DV)や子どもへの虐待がある場合だ。親権の行使を理由に接点が生まれ、被害が続く可能性がある。

 改正法では、DVや虐待の恐れがあれば、家裁は共同親権を選択してはならないと定められた。ただ、被害を客観的に証明するのは容易でない。

 子どもやDV被害者を危険にさらしてはならない。慎重な対応が求められる。

 当事者の事情を的確に把握し、公正に判断する家裁の役割は重要だ。体制の拡充が不可欠である。

 親権の選択に当たって、子どもの意見を聞く規定は盛り込まれなかった。意思を尊重するための手立てを講じるべきだ。

 共同親権となった際、子どもの養育で、どのような場合に父母の合意が必要か、線引きが難しい。

 法務省は国会で、日常生活に関することは、同居親が一人で決められると答弁した。一方、進学先の選択や転居、命に関わる医療行為などは、父母で決めるべきだとの解釈を示した。

 ガイドラインで分かりやすく明示する必要がある。

 親権は、子どもの幸せを最優先に行使されなければならない。改正法の付則には、施行後5年で制度を見直す規定があるが、問題が生じれば速やかに対応すべきだ。

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月19日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・04.26】:共同親権法案 生煮え議論では不安残る

2024-04-30 07:01:15 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

【社説・04.26】:共同親権法案 生煮え議論では不安残る

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・04.26】:共同親権法案 生煮え議論では不安残る 

 子どもの幸せを最優先に、慎重かつ丁寧な議論が重ねられていると言えるだろうか。

 離婚後の共同親権を導入する民法改正案が衆院で可決された。今後、参院で審議され、早ければ2026年の実施を目指すという。

 日本では婚姻中は共同親権、離婚後は両親のいずれかが親権を持つ。離婚した後も両親が協力して、未成年の子の世話や教育、財産管理に責任を負うことが望ましいのはその通りだ。意に反して一方の親とつながりを断たれることは、子どもにとっても不幸である。国際社会は大半が共同親権であり、法案の趣旨自体はうなずける。

 最大の課題は、ドメスティックバイオレンス(DV)や子への虐待で離婚に至ったような場合の対応だろう。共同親権にすることで、接触や被害が断ち切れなくなるのでは本末転倒になる。そもそも離婚に至った両親が、良好な関係を維持しているケースの方がまれだろう。

 共同親権か単独親権かで父母が対立した場合は、家庭裁判所が決める。だが、少ない人員で実態をどこまでつかめるか。DVの証拠がない場合や、逆に虚偽のDV申告も考えられる。与野党は「父母双方の真意によるものか確認する措置を検討する」という付則を設けることで折り合ったが、それで対策が十分とはとても言えまい。

 緊急手術といった「急迫時の事情」や「日常の行為」は共同親権の場合でも一方の親の判断だけで対応は可能とされている。だが、その範囲は極めて曖昧だ。

 衆院の審議では子どもが海外に修学旅行をする際のパスポート取得も議論になった。日常の教育の一環と判断するのが自然なのに、政府は共同親権の場合は両親の同意が要るとした。父母の関係がこじれてパスポートが取得できなければ、子どもは修学旅行にさえ行けないことになる。

 課題は家庭内だけに収まらない。緊急とまではいえない慢性疾患の手術はどうなのか。共同親権の場合は両親の同意が必要で、一方の親だけの同意で手術をすれば後々トラブルになる恐れがある。

 第三者からすれば、目の前の子の親が婚姻中なのか、共同親権なのか、単独親権なのかは分からない。医師がトラブルを恐れ、子への医療行為に及び腰になられても困る。

 授業料などを軽減する就学支援金の対応にも首をひねりたくなる。盛山正仁文科相は「保護者の収入に応じて受給資格を確定する。共同親権なら父母の収入で判定する」とした。これでは経済的に厳しいケースが多いひとり親家庭が、共同親権を選択することで支援金を受けられなくなってしまわないか。

 衆院は「急迫時の事情」「日常の行為」が何かを示すガイドライン制定を求めた付帯決議もした。議論が生煮えだったことの証左と言えよう。これでは法案が子どもの利益最優先をうたったところで、不安を拡大するだけになりかねない。参院でも踏み込んだ議論が進まなければ、今国会成立にこだわるべきではない。

 元稿:中国新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年04月26日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:共同親権の導入 「子の利益」確保を最優先に

2024-02-24 05:01:30 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

【社説②】:共同親権の導入 「子の利益」確保を最優先に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:共同親権の導入 「子の利益」確保を最優先に

 離婚して夫婦関係を解消したとしても、親であることに変わりはない。子供の利益を損なうことがないよう、制度や環境を整える必要がある。

 離婚後も父母の双方が親権を持つ「共同親権」の導入に向けて、政府が今国会に民法改正案を提出する見通しとなった。

 現行の民法は、離婚した夫婦のどちらか一方が親権を持つ「単独親権」を定めている。そのため、親権のない親が子育てに関われないという批判があった。

 新しい制度では、これを見直し、父母が離婚する際、共同親権にするか、単独親権にするかを話し合って決めるようにする。

 親権は、親が子供の世話や教育、財産管理を行う権利で、義務でもある。父母がともに養育に向き合い、責任を果たすのは当然だ。

 2022年の離婚件数は17万9000件に上る。離婚した夫婦の半数には未成年の子供がいる。子供にとって、別に暮らす親と接点を保ち、愛情を確かめながら成長できる意義は大きいだろう。

 ただ、新しい制度に移行する前に、対策を講じておかなければならない課題は少なくない。

 離婚には、相手のDV(家庭内暴力)や虐待を原因とするケースがある。加害者が親権を盾に子供たちにつきまとい、被害が続くようなことがあってはならない。

 また、子供の暮らしや進路を巡って父母が対立を深めれば、子供に悪影響が及ぶこともある。

 こうした場合、家庭裁判所が親権をどうするか判断することになる。家族の事情は様々で、裁判官が親子のあるべき姿を見極めるのは容易ではなかろう。

 家裁に多くの案件が持ち込まれることが予想される。体制を拡充し、準備を整えてほしい。

 子供の養育費についても新たな仕組みが導入される。

 現在は、養育費の取り決めがないまま離婚するケースが多い。国の調査では、母子家庭の6割は受け取ったことがないという。

 このため、離婚時の取り決めがなくても養育費を請求できる制度を創設する。支払いが滞った場合、相手の給与などを差し押さえ、養育費を受けられるようにする。

 離れて暮らす親が子供と定期的に会う面会交流については、祖父母らの申し立ても可能になる。これらを着実に運用してほしい。

 離婚した夫婦の感情的なもつれで、子供が不利益を被るのは理不尽だ。親権や養育費、面会交流は、子供のためにある制度だと周知することが欠かせない。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月22日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:共同親権の導入 子の不利益生じぬよう

2024-02-20 07:22:50 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

【社説①】:共同親権の導入 子の不利益生じぬよう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:共同親権の導入 子の不利益生じぬよう

 離婚後の共同親権を導入する民法改正案を、自民党部会が了承した。離婚後、父母のいずれかが親権を持つ単独親権を改め、父母が合意すれば共同親権の選択も可能にする内容。政府は3月にも改正案を国会提出する方針で、改正法の公布後2年以内に施行する。

 しかし、共同親権には反対論も根強い。国会審議を慎重に進め、導入するとしても、子どもに不利益が生じないよう、対策を十分講じることを前提にすべきだ。
 
 親権は、未成年の子の世話や教育、財産管理など養育にかかわる権利や義務などを指す。
 
 法制審議会が法相に答申した民法改正要綱は、父母の離婚協議で単独親権か共同親権かを選び、折り合わない場合は家庭裁判所が判断。共同親権の場合、進学や病気治療などの重要事項は父母の話し合いで決めるとしている。
 
 現行制度では親権者は9割以上が母親だが、離婚時の親権争いが増えたため、共同親権の導入は親子の断絶を防ぎ、子の利益にかなうとして支持する意見がある。
 
 改正案には養育費の不払いを防ぐため、必ず支払うべき法定養育費の創設も盛り込まれている。
 
 一方、夫婦の合意が条件とはいえ、ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の被害者にとって共同親権は離婚後も加害者との関係を継続することにつながり、悪影響があるとして、与野党内に強い反対論がある。
 
 改正案は共同親権は父母が合意した場合に限り、DVや虐待がある場合は家裁が単独親権と決めるとしているが、家庭という密室でのDVや虐待は表面化しにくく、証明も難しいのが現実だ。
 
 配偶者間の力関係で共同親権を強制されることへの懸念は残る。個別の事例に合わせて家裁が共同親権の可否を判断できるのかという課題もある。
 
 父母が親権の選択を巡って対立した場合、家裁が調整や判断を行うが、合意に至らず紛争となることもあり得る。制度が変更されることで問題や紛争が続発する事態になれば本末転倒だ。
 
 仮に共同親権を導入するなら、DV防止など被害者を守る制度拡充をはじめ、問題を抱える家族への支援拡充が前提だ。あらゆる観点から慎重に審議し、改正案に足らざる点があれば補う賢慮ある国会審議を望みたい。最も尊重されるべきは子どもの利益である。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月22日  07:22:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:離婚後の親権 子供への責任を果たす制度に

2023-05-12 05:00:40 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

【社説②】:離婚後の親権 子供への責任を果たす制度に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:離婚後の親権 子供への責任を果たす制度に

 離婚した夫婦の対立が深まり、そのしわ寄せが子供に及ぶケースが少なくない。子供の生活をいかに守るか、国は議論を尽くしてほしい。

 子供の親権について、法制審議会の部会が、離婚後に両親の双方が親権を持つ「共同親権」を導入する方向で検討することを決めた。今後、具体的な制度設計を議論していくという。

 離婚は年20万件近くに上り、未成年の子供がいる夫婦は6割を占めている。現行の民法は、離婚した夫婦のどちらかが親権を持つ「単独親権」を規定している。このため、親権のない親が子育てに関われないという批判がある。

 親権は、未成年の子供の世話や教育、財産管理に関する親の権利であり、義務でもある。夫婦関係を終えても、双方が子育てに責任を持つのが本来の姿だろう。

 海外では共同親権が主流だ。日本人と国際結婚した外国人が婚姻の破綻に伴い、子供を連れ去られたと訴える事態が問題視されており、単独親権に対する海外からの風当たりも強い。

 共同親権の導入により、離婚した夫婦がともに子育てに関与する機運が高まることを期待したい。子供にとっても、両親と接点を持ち続け、愛情を感じながら成長できる意義は大きいはずだ。

 ただ、検討すべき課題は多い。両親が離婚した子供の大半は、母親と暮らしているが、母子家庭の6割は父親から養育費を受け取ったことがないという。離れて暮らす親と子供が会う「面会交流」も、十分に実施されていない。

 共同親権が導入されても、現実には子供は両親のどちらかと暮らすことになる。子育てについて、離婚時によく話し合っておかなければならない点は変わらない。

 日本では、当事者同士の話し合いによる協議離婚が大半を占め、裁判所などの第三者が関わらないケースが多い。養育費や面会交流に関する事前の取り決めが十分に行われているとは言い難い。

 海外には、離婚の際、養育費や面会交流の内容を書面にまとめ、社会福祉事務所の認可を得る制度を設けている国もある。こうした事例も参考にしてほしい。

 家庭内暴力(DV)や子供への虐待が離婚の原因になる場合がある。加害者には親権を認めないなど、柔軟な運用が必要になる。

 夫婦関係がこじれると、離婚した相手に養育費を渡したくないといった気持ちになりやすい。養育費や面会交流は、子供のためにあることを改めて周知したい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年05月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【児童手当】:所得制限「継続すべき」が「撤廃すべき」を上回るワケ…各社世論調査に欠けた視点

2023-03-05 06:25:40 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

【児童手当】:所得制限「継続すべき」が「撤廃すべき」を上回るワケ…各社世論調査に欠けた視点

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【児童手当】:所得制限「継続すべき」が「撤廃すべき」を上回るワケ…各社世論調査に欠けた視点

 「児童手当の所得制限撤廃の動きが活発になったのは、1月に小池都知事が打ち出した、0~18歳以下の子どもへの所得制限なしの月5000円給付です。それを受けて、自民党の茂木幹事長が国会で児童手当の所得制限の撤廃を訴えました」

<picture>所得が高くても「多子世帯」だと負担は大きい(C)日刊ゲンダイ</picture>

 所得が高くても「多子世帯」だと負担は大きい(C)日刊ゲンダイ

 こう話すのは、所得制限に意義を唱える日本大学文理学部教授の末冨芳氏(教育財政学)だ。

 現在、児童手当は、中学卒業まで、子供1人あたり月額1万~1万5000円が給付される。ただし所得制限があり、子供2人の家庭では、夫婦どちらかの年収が目安として960万円以上だと、一律5000円の「特例給付」となり、22年10月からは年収1200万円以上は支給の対象外となった。

 しかし今年、岸田首相の「異次元の少子化対策」の一環で突如、児童手当の所得制限撤廃が浮上し、2月21日には、立憲民主党日本維新の会は、所得制限を撤廃する法案を提出した。ただ、これらに反対する声も根強い。

 TBSが2月4~5日に実施した世論調査では、所得制限について「継続すべき」が56%に対し、「廃止すべき」は33%という結果が出た。日経新聞が2月24~26日に行った世論調査でも、「撤廃すべきではない」が54%、「撤廃すべき」が38%となっている。

 一方、SNSを中心に《頑張って所得税を納めているのに給付制限っておかしいんじゃないか》《年収1000万あっても、子どもいるといないとじゃ雲泥の差》と所得制限撤廃を求める声も依然強く、「撤廃しろ」「撤廃すべきではない」と双方の意見が真向から対立している。

 「テレビや新聞の世論調査は、手法に課題があると認識する研究者は多く、(旧民主党政権が、所得制限なしの『子ども手当』を始めたことで廃止された)年少扶養控除などの重要情報を与えずデータを取っても意味はありません。ネットで正確な情報を示しアンケートを取ると、結果が逆転するケースも多いのです」(前出・末冨芳教授)

 ■年収960万円でも“二重苦”で生活が楽ではないことも

 所得制限撤廃を訴える団体「こどもまんなか子育て支援を望む会」代表国分詩織氏はこう言う。

 「所得が高いほうが、子どもの数が多いのはデータで出ていることであり、そこをフォローすべきなのに、所得制限を設けることで、産み控えもはじまっているともいわれています。今の所得制限世帯は、年少扶養控除もなく、そして所得制限も設けられている。二重に苦しめられているのです」

 特に扶養する子どもが3人以上いる「多子世帯」で、都市部で暮らす家庭などでは、年収が960万円以上あっても、住宅費や教育費の負担が大きく、子どもを塾や予備校に通わせるのをためらう家庭が多いという。それなのに児童手当の所得制限があるのが現実だ。

 所得制限撤廃反対派の根底には、高年収世帯への嫉妬や高齢者の無関心があるのだろうが、児童手当については多角的な視点が必要だろう。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・話題・「児童手当問題】  2023年03月05日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:離婚後の親権 子の幸せ最優先の議論を

2022-11-23 02:03:50 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

《社説①》:離婚後の親権 子の幸せ最優先の議論を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:離婚後の親権 子の幸せ最優先の議論を

 子どもの幸せにとって、どのような仕組みが最善なのか。丁寧な議論が求められる。

 離婚後の親権はどうあるべきかを検討している法制審議会の部会が、中間試案をまとめた。

 現行制度は父母のどちらかが持つ単独親権を採用している。試案では、これに加え、父母がともに持つ共同親権の導入を併記した。今後、国民の意見を募集し、さらに検討を続ける。

 親権は、未成年の子の監督や教育、財産管理をする権利・義務を指す。身の回りの世話をするほか、住居や進学・就職、医療などについて決定権がある。

 2020年に子を持つ父母の離婚は11万件余あり、85%は母が親権者になっていた。

 離婚しても、父母ともに子の養育に責任がある。しかし、父から養育費を受け取っている母子家庭は、4分の1以下にとどまる。

 共同で親権を持つことで親としての自覚が高まり、こうした状況を改善できるというのが、導入を求める人々の主張だ。

 父母どちらとも交流を続けることが子にとっても好ましく、親権を巡る争いも避けられるという。

 だが、懸念も根強い。

 ドメスティックバイオレンス(DV)や子への虐待が離婚につながっている場合、被害が続きかねないと反対派は指摘する。別居親が親権の行使を理由に近づいてくる恐れがあるからだ。

 共同親権では、子に関することは父母で決める必要があるが、関係がこじれていて話し合いができないケースも少なくない。

 シングルマザーの支援団体が、ひとり親2500人余に実施したアンケートでは、共同親権に賛成する人は1割にとどまった。

 賛否の溝は深く、法制審の部会も方向性は示せていない。自民党の法務部会で、共同親権導入を求める議員から注文が付き、試案の取りまとめが一時先送りされる異例の事態まで起きた。

 養育費の不払い対策を先に整える方法もある。子どもの立場から議論を尽くすことが大切だ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年11月21日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:離婚後の親権 子の幸せ最優先の議論を

2022-11-21 02:05:50 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

《社説①》:離婚後の親権 子の幸せ最優先の議論を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:離婚後の親権 子の幸せ最優先の議論を 

 子どもの幸せにとって、どのような仕組みが最善なのか。丁寧な議論が求められる。

 離婚後の親権はどうあるべきかを検討している法制審議会の部会が、中間試案をまとめた。

 現行制度は父母のどちらかが持つ単独親権を採用している。試案では、これに加え、父母がともに持つ共同親権の導入を併記した。今後、国民の意見を募集し、さらに検討を続ける。

 親権は、未成年の子の監督や教育、財産管理をする権利・義務を指す。身の回りの世話をするほか、住居や進学・就職、医療などについて決定権がある。

 2020年に子を持つ父母の離婚は11万件余あり、85%は母が親権者になっていた。

 離婚しても、父母ともに子の養育に責任がある。しかし、父から養育費を受け取っている母子家庭は、4分の1以下にとどまる。

 共同で親権を持つことで親としての自覚が高まり、こうした状況を改善できるというのが、導入を求める人々の主張だ。

 父母どちらとも交流を続けることが子にとっても好ましく、親権を巡る争いも避けられるという。

 だが、懸念も根強い。

 ドメスティックバイオレンス(DV)や子への虐待が離婚につながっている場合、被害が続きかねないと反対派は指摘する。別居親が親権の行使を理由に近づいてくる恐れがあるからだ。

 共同親権では、子に関することは父母で決める必要があるが、関係がこじれていて話し合いができないケースも少なくない。 

 シングルマザーの支援団体が、ひとり親2500人余に実施したアンケートでは、共同親権に賛成する人は1割にとどまった。

 賛否の溝は深く、法制審の部会も方向性は示せていない。自民党の法務部会で、共同親権導入を求める議員から注文が付き、試案の取りまとめが一時先送りされる異例の事態まで起きた。

 養育費の不払い対策を先に整える方法もある。子どもの立場から議論を尽くすことが大切だ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年11月21日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【余禄】:「子の使い…

2022-06-16 02:05:30 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

【余禄】:「子の使い…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【余禄】:「子の使い…

 「子の使い/垣(かき)から母が/跡(あと)を言い」。そっと我が子の後をつけて店主にささやく母の親心をよんだ江戸川柳である。30年以上続く日本テレビの「はじめてのおつかい」を連想する。幼子にお使いをさせるのは昔からの教育法だったらしい

 ▲名物番組が海外でも動画配信され、話題を呼んでいる。米タイム誌や英ガーディアン紙も取り上げていた。幼児の能力に感動して涙腺が緩む人もいれば、育児放棄に近いと感じる人もいる。治安の良い日本は特別という見方もある

 ▲日本を「子どもの楽園」と呼んだのは幕末に来日した初代英国公使のオールコックである。滞在記「大君の都」の記述が「子どもが幸せな国」というイメージで海外に伝わった。元々は多産で子どもがあふれる光景を指した表現だった

 ▲今の子どもは幸せか。明確な像が浮かばない。国連児童基金(ユニセフ)の幸福度調査が象徴的だ。身体的健康はトップなのに「心の健康」は最低ランクで全体では38カ国中20位。生活満足度が低く、自殺率も高い。いじめや虐待も後を絶たない

 ▲こども家庭庁の発足が決まった。同時に制定された「こども基本法」は「将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現」を掲げる。少子高齢化の現実を考えれば、旧態依然の縦割り行政を続けていい時代ではない。その目標に近づくことが問題解決の道筋だろう

 ▲子の幸せを願う気持ちはいつの時代も変わらないはずだ。江戸川柳をもう一つ。「寝て居(い)ても/団扇(うちわ)のうごく/親心」

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2022年06月16日  02:09:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:小学生ケアラー 周りの大人が気付こう

2022-04-19 06:27:25 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

【社説】:小学生ケアラー 周りの大人が気付こう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:小学生ケアラー 周りの大人が気付こう 

 大人に代わり日常的に家事や家族の世話を担う「ヤングケアラー」に、小学生もいる実態が浮かんだ。厚生労働省が初めて6年生について調査し、約15人に1人に当たる65%いることを示した。

 支援が進む英国などに比べて存在の把握すら遅れていたため、国が乗り出した全国調査の第2弾である。既に公表された中高生と同様の数字だった。

 調査によると世話をする家族はきょうだいが71%、母親が19%だった。世話の内容は、食事の準備や掃除、入浴やトイレの介助、送り迎えと、本来は家庭内の大人が主に担う家事、育児、介護と多岐にわたって負担をかぶっている様子が見える。

 幼いきょうだいの世話をし、家事を分担することは当たり前との受け止めもあろう。とりわけ、ひと昔前はそうだった。しかし度が過ぎたケースは見逃せない。何を問題とするかの線引きは難しいが、ヤングケアラーに当たる子は、遅刻や早退が多いなどと学校生活に影響が及んだとみられる回答の割合が世話をしていない子の約2倍に上り、健康状態が良くない傾向もあった。その事実は重い。

 調査結果からは、もう一つの現状が見えてくる。小学生では大変な状況にあってもなおのこと、的確に声を上げられない点である。親の状態や世話が要る理由も分からないまま世話を続ける子が多く、「当たり前になり、大変さを十分に自覚できていない可能性がある」と報告書は指摘する。相談先も家族が8割近くと偏る。家庭内の問題は外部から見えにくい。だからこそ支援する側からのアプローチは欠かせない。

 実効性ある支援につなげるためにも、市町村がより詳しい実態を把握する必要がある。今回の調査だけでは個々の状況がイメージしにくく不十分だ。本年度予算に調査や相談窓口を設ける費用を計上した自治体もあるが、一部にとどまる。自治体は子育て支援や介護、福祉分野の施策も担う。日常の業務を通じて苦境にある子どもの情報を確認することができるはずだ。

 学校もヤングケアラーに気付く端緒となるが、教員が繁忙のあまり、家庭の事情まで把握しきれない実態がある。ソーシャルワーカーや自治体の専門職との連携を強めてほしい。

 地域のつながりが弱まったとはいえ、周りの大人が気付ける糸口もあるはずだ。子どもへの虐待は社会での関心の高まりで通報件数が増え、子どもの貧困が知られたことで民間発の子ども食堂も広がった。今回、ヤングケアラーと聞いたことがない大人が半数近いという調査も示された。

 著名人が「私もヤングケアラーだった」と経験談を公表する動きが相次ぐ。私たちもまず関心を持つことを一歩にしたい。

 コロナ禍で孤立や孤独を感じる子どもも増えていよう。身近で気になる子への声掛けができる社会にすべきだ。

 政府としてヤングケアラーへの対応が遅れてきたのは教育、福祉、子育て、医療介護の隙間にあったからだろう。近く、子ども政策の司令塔「こども家庭庁」を創設する法案が国会で審議入りする。縦割りを脱し、苦しむ子どもに早く気付いて世帯ごとに支援策を届ける仕組みづくりは急務だ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年04月16日  06:25:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②》:小学生のケアラー 手を差し伸べる仕組みを

2022-04-19 02:02:35 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

《社説②》:小学生のケアラー 手を差し伸べる仕組みを

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:小学生のケアラー 手を差し伸べる仕組みを 

 大人に代わり家族の介護や世話をする「ヤングケアラー」には小学生も少なくない。そうした実態が国の初の調査で裏付けられた。

 対象となった6年生の約15人に1人が家族の世話をしていた。1年前に公表された中高生と同様の割合で、幼いうちからケアを担っている。

 きょうだいを世話しているケースが約7割で最も多い。2割近くが母、1割強が父のケアにあたっている。内容は、家事や介護、見守りなど多岐にわたる。

 生活への影響も浮かび上がった。平日に6時間以上ケアする子どもが約1割いた。時間が長いほど、遅刻をしがちだったり、成績不振など悩みごとが増えたりする傾向があった。

 「頑張って世話をしていることを認めてほしい」「つらさをわかってほしい。私の気持ちを聞いてほしい」「逃げ道を作ってほしい」。自由記述欄には、切実な訴えがつづられていた。

 幼いほど、こうした悩みを誰に打ち明ければよいか分からないだろう。家族の問題を話したがらない子もいるという。

 過重な負担を抱えながら、自覚していない例もある。「周囲の大人が気付くことが大切だ」と専門家は指摘している。

 子どもと日々接する学校が果たせる役割は大きい。教師らが目配りをして普段から声をかけるとともに、悩みごとを受け止めるスクールカウンセラーら専門スタッフの常駐を進めることが大切だ。

 埼玉県は、どのような状態がヤングケアラーにあたるのか説明する小学生向け冊子の配布を始めた。困りごとを書き込むカードを付け、相談したい時の連絡先も紹介している。

 支援が必要な児童に気付いた場合は、行政の福祉部門や医療機関につなぐことが欠かせない。

 今回は大学生への調査も初めて行われた。志望大学を変えたり、就職活動に制約を感じたりしているという。学費の不安も大きい。年代に応じた、きめ細かな支援が求められる。

 子どもとして見守られるべき成長期に、重すぎる荷を引き受けている。社会全体で手を差し伸べ、支える仕組みを構築しなければならない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年04月15日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【厚労省】:小6の「ヤングケアラー」15人に1人 遅刻や早退が多いなど学校生活や健康状態にも影響

2022-04-07 15:33:30 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

【厚労省】:小6の「ヤングケアラー」15人に1人 遅刻や早退が多いなど学校生活や健康状態にも影響

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【厚労省】:小6の「ヤングケアラー」15人に1人 遅刻や早退が多いなど学校生活や健康状態にも影響

 大人に代わって日常的に家事や家族の世話をする「ヤングケアラー」に関する厚生労働省の調査で、小学6年生の6・5%(約15人に1人)が「世話をしている家族がいる」と回答したことが7日、分かった。小学生を対象とした同省調査は初めて。小学生ケアラーは遅刻や早退が多いなど、学校生活や健康状態にも影響があるとの傾向も明らかになった。

 調査結果によると、世話をしている家族は「きょうだい」が71・0%と最も多く、そのきょうだいの状況は「幼い」が73・9%で、それ以外では「障害」や「病気」との答えがあった。世話している家族は他に「母」が19・8%で「父」「祖母」「祖父」と続いた。

 世話の内容は「見守り」40・4%、「家事(食事の準備や掃除、洗濯)」35・2%、「きょうだいの世話や送り迎え」28・5%など。頻度については「ほぼ毎日」が5割を超えた。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・厚労省・大人に代わって日常的に家事や家族の世話をする「ヤングケアラー」に関する調査】  2022年04月07日  15:33:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:養護施設の若者 自立への助走支えたい

2022-02-24 07:34:40 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

【社説②】:養護施設の若者 自立への助走支えたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:養護施設の若者 自立への助走支えたい 

 一定の年齢に達すると児童養護施設や里親家庭からの自立を求められている若者たちが、年齢に関係なく自立に向けた支援を受け続けられる方向になった。
 
 政府が支援を受けられる年齢の制限を撤廃する児童福祉法改正案を今国会に提出する。社会に出るための十分な「助走期間」を確保して、自立を支えたい。
 
 児童養護施設などで生活する子どもや若者は全国で約四万二千人いる。原則十八歳、最長でも二十二歳になると支援対象から外れ、施設や里親の元を離れ自立しなければならない。
 
 虐待や貧困などの理由で保護された若者らが多く、施設を離れても頼れる大人が周囲にいない場合が少なくない。
 
 不遇な子ども時代を過ごした経験から社会とのつながりをうまくつくれず、困窮や孤立に直面しやすいともいわれる。経済的理由から大学進学も容易でない。
 
 厚生労働省が、施設などから離れた「ケアリーバー」の初の実態調査結果を昨年公表し、収入より支出の方が多い人が22・9%、過去一年間に医療機関を受診できなかった人が20・4%もいて、困窮している状況が明らかになった。
 
 自立した若者と直近一年間に一回も交流がなかった施設や里親は31・1%で、自立とともに縁が切れる実態も浮き彫りにした。
 
 成長の状況は人によって違い、自立に必要な助走期間にも差がある。年齢によって一律に支援を打ち切る現行制度の問題点は以前から指摘されており、切れ目が生じない若者への支援に向け、年齢制限の撤廃は実態に即している。
 
 法改正が実現すれば、若者が自立できると施設や自治体が判断するまで、施設などでの支援を受けられるようになる。
 
 同時に就労、進学、一人暮らしをどう支援するかも課題となる。
 
 自立した後も職場で悩みを抱えたり、慣れない暮らしに行き詰まる場面も想定され、相談窓口を設置するなど丁寧に向き合わねばなるまい。支援の要となる「支援コーディネーター」も全国七十三の児童相談所設置自治体のうち35・6%で配置されていない。人材確保を急ぐ必要がある。
 
 自立を目指す若者が支援の手からこぼれ落ち、取り残されてはならない。さまざまな事情を抱えながらも、社会の一員として羽ばたこうとする若者を支えたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月24日  07:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②》:子どもの社会的養育 本人の声尊重する体制を

2022-02-19 02:05:50 | 【子供の社会的養育・離婚後の共同親権・児童福祉法・養護施設、里親・ヤングケアラー

《社説②》:子どもの社会的養育 本人の声尊重する体制を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:子どもの社会的養育 本人の声尊重する体制を 

 さまざまな事情を抱え、家庭で暮らせない子どもたちがいる。保護するための「社会的養育」を手厚くするきっかけにしたい。

 厚生労働省の専門家会議が制度改正を求める提言をまとめた。

 どのような暮らしを望むのか、本人の意見を聞くことを児童相談所などに義務付ける。保護の対象から外れる18歳以降の自立を支える施策も強化する。 

 社会的養育を受けるのは、親がいなかったり、虐待を受けていたりする子どもだ。児相の判断で児童養護施設や里親家庭で暮らすことになれば、生活は一変する。

 現行の制度でも、なぜ保護が必要か説明し、本人の意見を聞くよう指針で定められているが、十分には機能していない。 

 「1日だけ、と言われたのに長くなった」「自分の人生なのに、知らないところで物事が決められた」という訴えが少なくない。

 虐待が理由で保護したケースでは、「家に帰りたくない」という子どもの声を尊重せずに対応した結果、虐待により命が失われた例がある。 

 国連は、子どもが自らの意見を表明する権利が日本では十分保障されていないと指摘してきた。児童福祉法を改正して、この権利を明確にすることが欠かせない。

 実効性をどう高めるかも大きな課題だ。

 虐待を受けてきた子どもは大人を信頼できず、本音を明かさないことがある。障害がある子や幼児の気持ちをくみ取るには、経験豊富な専門スタッフが必要だ。 

 子どもの声を児相などにきちんと伝える「代弁者」の養成に取り組んでいる自治体もある。

 こうした例を参考に都道府県が体制を整えられるよう、国は支援しなければならない。

 18歳以降の独り立ちをどう支えるかも、かねて懸案となってきた。周囲の支えを得られずに就職や進学で行き詰まることがある。

 専門家会議は、現状では22歳までとなっている自立援助事業の年齢制限を撤廃するよう提言した。自立できるようになるまで養護施設や里親家庭で暮らせる。

 子どもにとって最善の利益は何かを考え、社会で育ちを支える。実現に向けた、きめ細かな取り組みが求められている。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年02月19日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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