路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【厚労省】:働く高齢者の年金減「緩和」へ ■人手不足対策で

2024-11-19 06:10:30 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【厚労省】:働く高齢者の年金減「緩和」へ ■人手不足対策で

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【厚労省】:働く高齢者の年金減「緩和」へ ■人手不足対策で 

 厚生労働省は、働いて一定の収入がある高齢者の厚生年金を減らす「在職老齢年金制度」を見直し、対象を縮小する方向で調整に入った。働きながら年金を満額受け取れる高齢者が増える。「働き損」を解消して就労を促し、人手不足の緩和につなげる。現在は賃金と年金の合計が月50万円(基準額)を上回った分の半額を減らす仕組み。この基準額を62万円や71万円に引き上げる案を軸とする。与党との協議も経て年末までに決める。関係者が18日、明らかにした。

 厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関
厚労省
 在職老齢年金の基準額(イメージ)
 在職老齢年金の基準額(イメージ)

 支給額が膨らみ年金財政に影響するため、現役世代に当たる高所得の会社員らの保険料負担を増やす案も検討する。減額を完全になくす案も協議するが、徴収する保険料を大幅に増やす必要がある。保険料を折半する会社員と企業の反発を考慮して見送る方向だ。来年の通常国会への関連法案提出を目指す。

 2022年度末時点で、働きながら年金を受給する65歳以上は約308万人。うち約50万人が当時の基準額(47万円)を超えていた。減らした総額は年間4千億円以上だった。就労意欲を阻害しているとの指摘があった。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・厚労省・厚生年金を減らす「在職老齢年金制度」を見直し、対象を縮小する方向で調整に入った】  2024年11月19日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【厚労省】:「106万円の壁」見直し、保険料の会社負担増やす特例案…「従業員51人以上」も撤廃へ

2024-11-15 23:47:30 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【厚労省】:「106万円の壁」見直し、保険料の会社負担増やす特例案…「従業員51人以上」も撤廃へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【厚労省】:「106万円の壁」見直し、保険料の会社負担増やす特例案…「従業員51人以上」も撤廃へ

 厚生労働省は15日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会で、パートなどの短時間労働者が厚生年金に加入した際に支払う保険料について、会社側の負担割合を増やせる特例制度の導入案を示した。年収が106万円を超えるなどして保険料支払い義務が生じた場合の手取りの減少を緩和し、労働時間の抑制を避ける狙いがある。

 現行制度では、保険料は加入者と会社側が半分ずつ負担している。会社員や公務員の扶養に入っている配偶者は、保険料を払わなくても国民年金などを受け取れるが、パートなどで従業員51人以上の企業に勤め、週20時間以上働く月額賃金8万8000円(年収換算約106万円)以上の人は、厚生年金への加入が義務づけられる。加入すれば、将来受け取れる年金は増えるが、年収が106万円を超えると、保険料の支払いで手取りが年10万円程度減るため、働く時間を抑制する問題が生じていた。

 会社側の負担割合を増やす制度は、労使の合意を前提とする。例えば、週20時間働いて保険料が新たに発生する人の場合は、会社側が9割を負担し、年収が上がるごとに会社側の負担割合を減らし、一定水準で半分ずつの負担に戻す制度を想定する。手取り減を緩和することで働き控えを防ぎ、人手不足の解消を図りたい考えだ。ただ、15日の部会では、「大企業しか負担を増やせない」などと否定的な意見が相次いだ。

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厚生労働省

 同省はこの日の部会で、厚生年金の加入要件のうち、企業規模と賃金の要件は撤廃し、「週20時間以上」の労働時間の要件は維持する方向性や、従業員5人以上の飲食サービス業や理美容業などの個人事業所を加入対象に加える案を提示した。おおむね了承されたが、106万円の賃金要件の撤廃については一部の委員から異論もあり、議論を続ける。

 同省によると、これらの見直しが実現すれば、新たに200万人が加入対象になる。年末までに改革案を取りまとめ、来年の通常国会に年金改革関連法案を提出することを目指す。

 ■あわせて読みたい

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 政治 【政策・厚労省・社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会・パートなどの短時間労働者が厚生年金に加入した際に支払う保険料について、会社側の負担割合を増やせる特例制度の導入案】  2024年11月15日  23:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【厚労省】:厚生年金加入「106万円の壁」撤廃へ、「週20時間労働」の要件維持…

2024-11-09 06:46:00 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【厚労省】:厚生年金加入「106万円の壁」撤廃へ、「週20時間労働」の要件維持…手取り減少のケースも

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【厚労省】:厚生年金加入「106万円の壁」撤廃へ、「週20時間労働」の要件維持…手取り減少のケースも

 厚生労働省は、パートなどの短時間労働者が厚生年金に加入する要件のうち、年収106万円以上の賃金要件を撤廃する方針を固めた。「労働時間週20時間以上」の要件は残す。制度改正が実現すれば、保険料負担が生じる「106万円の壁」がなくなる一方で、「週20時間」が壁として残り、賃金水準によっては手取りの減少につながるケースも出てくることになる。

厚生労働省
厚生労働省

 同省は来年の通常国会に制度改正を盛り込んだ年金改革関連法案を提出することを目指す。 

 短時間労働者は、2016年10月から一定の要件のもとで厚生年金の加入対象になった。現在は〈1〉従業員が51人以上の企業などに勤務〈2〉週20時間以上働く〈3〉月額賃金が8万8000円以上(年収換算約106万円)〈4〉学生ではない――などの要件を全て満たすと加入が義務づけられる。

 政府は企業規模要件を撤廃する方針を既に固めており、今後は週20時間以上働けば、厚生年金への加入を義務とする。近年は最低賃金が上昇し、週20時間程度働いた時点で年収106万円を上回るケースが増えていることが背景にある。

 これにより、約200万人が新たに加入対象となる見込みだが、実際は労働を週20時間未満に抑え、加入を避ける人が出てくる可能性もある。

パート労働者らが厚生年金に加入する要件
パート労働者らが厚生年金に加入する要件

 会社員や公務員の扶養に入っている配偶者は、「第3号被保険者」として自身は社会保険料を負担しなくても年金を受け取り、健康保険にも加入することができる。このため、社会保険料を払わなくて済むよう、働く時間を抑える人もおり、人手不足の要因になっているといわれる。

 106万円の賃金要件の撤廃検討は、将来受け取る年金額を増やし、老後保障を手厚くする狙いがある。一方、毎月の保険料負担が生じて手取りが減るため、反発が出る可能性もある。

 「年収の壁」にはこのほか、所得税が課される「103万円の壁」、従業員が50人以下の企業等に勤める人に社会保険料の支払いが発生する「130万円の壁」などがある。

 第一生命経済研究所の星野卓也主席エコノミストは「『103万円の壁』の見直しは非課税の範囲をより増やそうという話なのに対し、『106万円の壁』はみんなに社会保険料がかかるようにしようという話だ。手取り増という話とは逆行する」と指摘している。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 政治 【政策・厚労省・パートなどの短時間労働者が厚生年金に加入する要件のうち、年収106万円以上の賃金要件を撤廃する方針を固めた】  2024年11月08日  23:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【厚労省】:マイナ保険証「解除」受け付け開始も申請は書面のみ…政府ゴリ押しのツケが保険者・被保険者に

2024-11-02 13:30:20 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【厚労省】:マイナ保険証「解除」受け付け開始も申請は書面のみ…政府ゴリ押しのツケが保険者・被保険者に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【厚労省】:マイナ保険証「解除」受け付け開始も申請は書面のみ…政府ゴリ押しのツケが保険者・被保険者に

 現行の健康保険証の新規発行停止まで、2日で残り1カ月。12月からマイナ保険証しか使えないと誤認させる政府の宣伝のせいで、慌ててマイナ保険証に切り替えた患者もいるだろうが、そんな人に朗報だ。実は先月28日からマイナ保険証の登録解除が可能になっている。

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        見逃してしまう(厚労省HPから)

 厚労省によると、解除希望者は例えば国民健康保険なら各市町村、被用者保険なら組合や協会などに解除手続きを申請し、資格確認書の交付を受ければOK。周知徹底すべきだが、厚労省のホームページには申し訳程度に〈【事務連絡】マイナ保険証の利用登録解除について〉と記載されているだけ(写真)。意地でも解除させたくない感がアリアリだ。

 解除申請は基本的に書面で行う。面倒なのはもちろん、保険者側も余計な事務の手間・コストがかかる。申請から解除まで2カ月以上を要する場合もあり、時間もかかる。政府によるマイナ保険証のゴリ押しのツケを被保険者・保険者が負わされる格好だ。

 現行の保険証の廃止期限である12月2日以降も最長1年間は使用でき、マイナ保険証を保有していない人には資格確認書を送る──。こうした運用にもかかわらず、政府はマイナ保険証の利用率を上げんがためにチラシに〈ご注意ください!〉〈本年12月2日から現行の健康保険証は発行されなくなります〉などと脅しめいた文句を並べ、切り替えを喧伝。利用率を上げた医療機関にカネをばらまく「禁じ手」にまで手を染めた。

 政府を挙げてのマイナ推進の“被害者”もいる。兵庫県内に住む60代女性は昨年秋ごろ、薬局にかかった際、勝手にマイナカードを保険証に紐付けられてしまったという。

 「いきなり『身分証明書を見せて』と言われ、マイナカードを見せたところ、こちらがお願いしてもいないのに『保険証を紐付けておきました』と。『解除して』と言っても、『こちらではできません』と返されて腹が立ちました。解除したいですよ」(60代女性)

 今年5月にも、都内薬局で現行の保険証を突き返された男性が、マイナ保険証に登録させられる事態が判明。薬局の対応が物議を醸した。同じような被害者、すなわち解除希望者はアチコチにいると考えられる。

 マイナ保険証の利用率は9月時点で13.8%にとどまる。利用促進の予算だけでも約890億円に上る。一体、いくらムダなコストと時間をかければ気が済むのだろうか。

                 ◇  ◇  ◇

 トラブル続出のマイナ事業だが、絵に描いたような政・官・業の癒着ぶりは【もっと読む】『マイナンバー事業1兆円に群がる政官業“腐敗”の三角形…相次ぐトラブルの裏に巨額利権の甘い蜜』で取り上げている。

 ■関連記事

 元稿:日刊ゲンダイ DIGTAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・話題・厚労省・現行の健康保険証の新規発行停止まで、2日で残り1カ月】  2024年11月02日  13:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【厚労省】:国民健康保険料、上限3万円引き上げを提示…来年度から実施の見通し

2024-10-31 21:10:30 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【厚労省】:国民健康保険料、上限3万円引き上げを提示…来年度から実施の見通し

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【厚労省】:国民健康保険料、上限3万円引き上げを提示…来年度から実施の見通し 

 厚生労働省は31日、自営業者らが加入する国民健康保険(国保)の保険料の年間上限額を、3万円引き上げて109万円とする案を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会に提示した。部会で異論は出ず、来年度から実施される見通しだ。

厚生労働省
厚生労働省

 高齢化などで医療費が増加する中、高所得者の保険料の上限を引き上げることで、中間所得層の負担増を抑える狙いがある。厚労省の試算(モデルケース)によると、新たな上限額は単身世帯で年間給与収入が約1170万円以上の場合に適用される見込みで、国保加入世帯の約1・5%が対象となるとみられる。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 政治 【政策・厚労省・社会保障・自営業者らが加入する国民健康保険(国保)の保険料の年間上限額を、3万円引き上げて109万円とする案】  2024年10月31日  21:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・10.21】:2024衆院選・社会保障 負担と給付の議論尽くせ

2024-10-27 06:59:55 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【社説・10.21】:2024衆院選・社会保障 負担と給付の議論尽くせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・10.21】:2024衆院選・社会保障 負担と給付の議論尽くせ

 社会保障制度は、私たちの暮らしを支える基本的な仕組みだ。年金、医療、介護、子育てなど関心の高いテーマばかりなのに、今回の衆院選で踏み込んだ議論がほとんど聞こえてこない。

 少子高齢化に伴い、社会保障負担率は1990年度の10・6%から24年度には18・4%に増えた。税を含めた国民負担率は50%近い。「江戸時代の年貢と変わらない」という国民のため息に、政治は真剣に向き合うべきだ。

 負担増は今後、ますます迫られる。国民の審判を受ける選挙で詳しく触れるのは得策でない―。各党がそう考えているとすれば不誠実過ぎる。

 自民党は、岸田政権で示した、年齢ではなく能力に応じて負担する「全世代型社会保障」を推進している。今回の衆院選では、窓口負担が3割となる後期高齢者の対象を広げる検討を進めるという。

 立憲民主党も高所得者の負担増を強調したほか、日本維新の会は高齢者医療費の負担を原則3割に引き上げるとした。国民民主党は金融資産などを加味した負担割合に言及している。

 各党が高齢者の負担増に触れたことは理解はできる。ただ「タブー視」されてきた高齢者負担に踏み込んだというより、そこからも徴収しなくては制度がもはや維持できないということではないか。

 24年度の社会保障給付費は約137兆円。内訳は年金に約61兆円、医療に約42兆円、介護に約13兆円、子ども・子育てに約10兆円である。国の負担は約37兆円で、税収の半分以上が費やされる計算だ。

 今でも政府も国民も負担は限界に近いだろう。加えて40年度には人口の約35%が高齢者になる。さらなる保険料上昇を抑えるために給付内容にめりはりをつけ、思い切った削減も視野に入れるべきだ。

 社会保障制度をいかに立て直していくか。各党は、より具体的な方策を議論してもらいたい。医療だけでなく、年金や介護、子育てなども状況は同じである。

 その前提として、国民の権利と義務を明確にすることが欠かせない。日本の社会保障制度は租税制度と複雑に絡み合って、ほとんどの国民が理解困難なものになっている。

 政府は、40年以上も保険料財源の拠出を通じた安易な財源調整を続けてきた。健康保険組合は、自分たちの給付に充てられるはずの保険料を他の制度の拠出金として吸い上げられている。そのために財政が悪化し、解散にまで追い込まれる健保が相次いでいる現状は見過ごせない。

 岸田内閣が創設した子ども・子育て支援金も、公的医療保険に上乗せして国民や企業から集める。本来は税で対応すべきなのに、増税批判をかわすために支援金として社会保険料から徴収する手法は改めるべきだろう。

 社会保障制度は、被保険者である国民の納得と信頼がなくては立ちゆかない。そのためには税制と複雑に絡み合った制度を簡素化し、負担と給付の関係を透明化することが必要だ。衆院選でその議論を尽くしてもらいたい。 

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年10月21日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・10.24》:衆院選2024 社会保障の将来像 支え合う仕組みの議論を

2024-10-24 02:06:40 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

《社説②・10.24》:衆院選2024 社会保障の将来像 支え合う仕組みの議論を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・10.24》:衆院選2024 社会保障の将来像 支え合う仕組みの議論を

 少子高齢化が進む中、社会保障制度の持続性を高める取り組みが急務となっている。にもかかわらず、衆院選での論戦は低調だ。

 高齢化に伴い、年金や医療などに掛かる費用は今後、さらなる増加が見込まれる。財源となる税や保険料など負担のあり方を議論しなければならない。

 今から手を打つべきなのは、65歳以上の人口がピークを迎える2040年代への備えである。総人口に占める割合は現在の29%から35%超に達する。

 就職氷河期を経験した団塊ジュニア世代が高齢期に入る。不安定な就労を余儀なくされ、低年金となる人が少なくない。

 政府は公的年金制度の見直しを進めており、給付水準の底上げが論点の一つだ。自民、公明両党は、基礎年金の拡充を公約に盛り込む。しかし、数兆円規模とみられる財源の確保策は示していない。

 医療を巡っては、負担のあり方が焦点だ。高齢者医療には現役世代の保険料が充てられているため、現行制度のままでは今後、働き手の負担が過大になりかねない。 

 高齢者の自己負担の割合を年齢ではなく、支払い能力に応じて決めるべきだとの考え方がある。だが、負担の線引きなどについては慎重な議論が求められる。

特別養護老人ホームで入所者に話しかける介護職員。介護現場の人手不足は深刻な状況だ=東京都目黒区で2023年11月、寺町六花撮影

 介護分野での喫緊の課題は、担い手をいかに確保するかだ。

 厚生労働省の推計によると、40年度には272万人の介護職員が必要になる。今でも人手不足が深刻だが、60万人近くも増やさなければならない。そのためには賃金や就労環境の改善が欠かせない。 

 立憲民主党は、医療や介護に携わる人材の待遇改善を進めるとしたが、財源には触れていない。

 山積する問題にどう向き合うのか、将来像を描くのは政治の役割である。

 旧民主党政権下の12年に与野党が合意した「税と社会保障の一体改革」は財源の問題に切り込み、消費税の増税を決めた。一部を少子化対策に回し、現役世代にもメリットのある「全世代型社会保障」を打ち出した。

 しかし、政治はそれ以降、負担の議論に蓋(ふた)をしてきた。無責任というほかはない。一体改革の原点に立ち戻り、党利党略にとらわれない骨太の議論を展開すべきだ。

 元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年10月24日  02:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・06.03】:介護保険料の上昇 住民目線で根本議論を

2024-06-07 07:01:15 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【社説・06.03】:介護保険料の上昇 住民目線で根本議論を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・06.03】:介護保険料の上昇 住民目線で根本議論を

 物価高と相まって、とりわけ年金暮らしの高齢者にとって負担は重荷だろう。

 65歳以上の人が本年度から支払う介護保険料が、全国平均で月額6225円となり、過去最高を更新した。3年に1度の見直しで、半数近くの自治体が引き上げた。

 高齢者の増加でサービスの需要が増しただけではない。深刻な人手不足が続く介護職員の賃上げに充てるため、公定価格の「介護報酬」を増額改定したことも影響した。

 介護保険制度の財源は国と自治体の公費が50%、残り50%を40歳以上が支払う保険料で賄う。改定の議論で、サービス利用時の自己負担が2割の人の範囲を拡大するなど給付と負担の見直し案を検討したが、大半は先送りされた。

 制度が始まった2000年度と比べ、保険料は21倍に膨らんだ。手をこまねくうちに、ただ上昇の一途をたどったように映る。

 高齢者の人口はこれからまだ増え、40年にピークを迎える。介護職員の賃上げは、もはや避けられない。制度を根本的に見直さなければならない時に来ている。

 増える負担をどう分かち合うか、政府は財源問題から逃げてはならない。利用料の2割負担の人を増やす案は入り口に過ぎない。一定の所得や資産がある人を対象に相応の負担を求める検討が必要だ。保険料の支払い開始年齢の引き下げや、公費を増やす可否も議論せねばならない。

 負担の程度は、介護サービスをどの水準で維持するかで変わってくる。高齢者だけでなく、介護を担う家族を支える制度でもある。現役世代の介護離職や、子どもや孫の「ヤングケアラー」の顕在化は喫緊の社会課題となった。負担を抑えたいばかりに、必要以上にサービスを切り下げては本末転倒だ。住民目線での議論が欠かせない。

 保険料の地域差が大きい背景にも目を向けたい。介護保険制度は市区町村が保険者であり、地域の特性に合わせた運用が求められる。一概に高いから問題というわけでなく、負担に見合うサービスの質や量なのか、住民に納得感があるかが肝心である。

 今回の改定で最高額は大阪市の9249円だった。1人暮らしの高齢者が多く、訪問介護などのサービス利用が増えたという。所得が低い世帯の割合が高いのも要因だ。超高齢社会で格差の拡大も進む中、どの自治体でも起こり得る未来像といえるだろう。

 逆に3千円台の自治体は、体操教室など介護予防に力を入れ、高齢者の働く場を充実させた地域が目立つ。健康寿命を延ばす地道な対策が、いかに重要かを物語る。

 広島県内23市町でも67184828円と差が出た。認知症や、要介護度の上がる後期高齢者の増加に備えたサービス充実のために上げた市町もあれば、見込みより利用が少なく下げた市町もある。

 なぜこの額になったのかを自治体は住民に丁寧に説明すべきだ。制度が持続可能なのか見通しの提示も要る。制度の根本議論に向けた土台として、実態をまず共有したい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年06月03日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・05.10】:マイナ保険証 年内一本化 混乱を懸念

2024-05-10 05:05:50 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【社説②・05.10】:マイナ保険証 年内一本化 混乱を懸念

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・05.10】:マイナ保険証 年内一本化 混乱を懸念 

 現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに機能を持たせた「マイナ保険証」に一本化するまであと半年余りとなった。
 
 全国のマイナ保険証利用率は3月で5%台と低迷するが、政府は予定通り12月に実施する考えだ。
 
 マイナンバーと保険証のひも付けミスは判明分で9千件以上に及ぶ。政府は再発防止策を講じたというが国民の不信感は拭えない。
 河野太郎デジタル相は自民党国会議員に対し、マイナ保険証が利用できない診療所や病院について支援者に情報提供するよう呼びかける文書を配布していたという。
 強権的に映る手法は反発を招きかねず、実施時に混乱が生じる恐れがある。最長1年という現行の保険証使用の猶予では済まない。年内一本化の方針を撤回し、制度を再考するよう求めたい。
 厚生労働省の調べでは都道府県別利用率は沖縄が2.7%、鹿児島が9.5%など地域でばらつきがある。道内は5.7%である。
 また、病院の12.5%に対し規模の小さな診療所は5.2%、薬局が4.1%など身近な施設ほど利用が進んでいない。
 国は今月から7月までを促進月間として利用者が増えた施設に一時金を支給する。既に1月から217億円を計上し利用件数分の支援金を出し、来月にはデジタル化に対し診療報酬も加点する。
 無駄を排除して膨張する医療費を抑制するのがマイナ保険証導入の目的だったはずだ。やみくもに利用率を上げようと巨費を投じるのは本末転倒ではないか。
 国は医療機関同士で利用者の情報を共有できるのがメリットと強調してきた。だが現在利用できるのは薬剤情報や診察履歴、メタボ健診の結果などにとどまる。
 薬剤情報は「お薬手帳」で間に合う。血液検査やCT画像など患者と医師双方に有益な情報共有のシステム構築は検討段階という。
 マイナカード自体も各地で誤交付が相次ぎ、福島県で委託業者が個人情報を私的利用するなど不祥事も起きた。システムや情報管理に問題ありと言わざるを得ない。
 能登半島地震では被災者にJR東日本のICカード「Suica(スイカ)」が配布され、避難所の情報管理に利用された。
 河野氏自ら「本来はマイナンバーカードでやるべきだが読み取り機の準備が間に合っていない」と述べ、不備を認めている。
 デジタルに不慣れな高齢者ほど保険証の利用機会は多い。紙の保険証廃止を急ぐべきではない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月10日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・05.02】:年金納付5年延長論 国民の不信、払拭しなくては

2024-05-04 07:01:35 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【社説・05.02】:年金納付5年延長論 国民の不信、払拭しなくては

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・05.02】:年金納付5年延長論 国民の不信、払拭しなくては 

 年金制度の給付水準を点検する、5年に1度の「財政検証」の方向性が決まった。

 納付期間を5年間延長し、20歳から65歳になるまでの45年間にした場合や、厚生年金の加入要件を緩和した場合の影響などを試算するという。今夏に公表される試算結果を踏まえ、政府は年末までに具体案を詰め、来年の通常国会に法案を提出する。

 改正は年金給付の原資を増やし、受け取る年金の目減りを防ぐ狙いがある。少子高齢化などで、根幹がぐらつく制度を立て直すことに異論はない。そのためにも、土台となる数字はきちんと示し、議論を深めてもらいたい。

 今回の中心はやはり納付の5年延長だろう。平均寿命が延びて少子化も進む中、高齢でも働ける人は働き、なるべく「支える側」に回ってもらう考え自体はうなずける。

 しかし、国民年金にしか加入していない自営業者などは5年間で約100万円の負担増になる。物価高や他の社会保険料の重さに苦しむ中、年金のゴールを後退させるような改正には納得できない人もいるのではないか。

 現行の年金制度は財源の範囲内で給付を行う。100年安心とされるのは制度自体であって、将来の受給額は長引く経済低迷の影響で大きく目減りしてしまう懸念がある。

 5年延長すれば、現行なら全額納付の場合で年額77万円の受給額が約10万円増える。ところが、5年延長の保険料が目減り分の穴埋めに使われれば、給付額は負担増に見合うほどは増えない。そうなると5年延長は保険料引き上げと何ら変わらなくなる。

 国民年金の加入者は約1400万人。このうち低所得などを理由にした一部・全額免除が380万人、学生など納付猶予が230万人、未納者が90万人いる。厚生年金などと違って社会的弱者が多く、全額納付者が半数に過ぎないため、国が2分の1を国庫負担して給付を支えている。

 5年延長分にも国庫負担を適用するには、新たな財源措置が必要になる。仮に政府が対応を見送れば、国民の受給額は負担増に見合った給付増につながらないことになる。

 やりくりに窮する国民年金に厚生年金の財源を回す案も浮上している。だが、別制度のお金を流用するのは筋が通るまい。年金積立金は好調で残高が200兆円以上に膨れている。この一部を財源に充ててもいいのではないか。

 年金制度は見直しが繰り返され、仕組みが複雑化してしまった。国民が「また負担増か」と怒る背景には、制度の分かりにくさに加え、政治への不信感もあるだろう。

 岸田文雄首相は5年延長を含め「まだ何も決まったものはない」と国会で強調した。それはその通りだが、防衛費増額など、閣議決定で大枠を決める強引な政権運営を国民は決して忘れてはいない。

 5年前の前回は、参院選への影響を意識して政府が検証結果の公表を選挙後に遅らせたと批判もされている。課題を国民に明確に示し、議論を透明化しなくては、年金制度の信頼は到底取り戻せまい。

 元稿:中国新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月02日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【小沢一郎氏】:「詐欺、悪質商法。国民は重税、自民は脱税」自民の”金融所得で保険料増検討”報道に

2024-04-28 00:15:00 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【小沢一郎氏】:「詐欺、悪質商法。国民は重税、自民は脱税」自民の”金融所得で保険料増検討”報道に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【小沢一郎氏】:「詐欺、悪質商法。国民は重税、自民は脱税」自民の”金融所得で保険料増検討”報道に

 立憲民主党の小沢一郎衆院議員が27日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。保険料増に関する自民党の新たな検討について、厳しく私見をつづった。

小沢一郎衆院議員(2020年撮影)

 小沢氏は、自民党が医療や介護の保険料算定について、金融所得を反映させることなどについて検討する議論を始めたことを「金融所得で保険料増を検討」などの見出しで報じる、共同通信の記事を添付。「『さあ新NISAだよ!非課税でお得だよ。年金も危ういから今後は自分で何とかしてね!』と盛んに誘導して、それから待ってましたとばかりに『やっぱり保険料は取ります!』というだけのこと。詐欺、悪質商法」と記した。そして「国民は重税、自民は脱税。変えませんか?」と続けた。

 この投稿に対し「ほんと これはひどい政策」「ふざけるな」「おっしゃる通りです」などとさまざまな声が寄せられている。

  元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・立憲民主党・保険料増に関する自民党の新たな検討について】  2024年04月27日  14:23:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【人生100年時代の歩き方】:ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

2024-04-24 07:15:50 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【人生100年時代の歩き方】:ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【人生100年時代の歩き方】:ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

 おおむね5年に1度行われる厚労省の「年金財政検証」。2019年の検証では約30年後の標準的ケースの給付水準が2割減ると公表されているが、今回は国民年金の保険料納付期間を5年延長する案(65歳まで)が検討される。契約時と支払い時の約束事が違う。民間保険会社なら訴えられるレベルだ。

<picture>年金の納付期間を5年延長する案が検討されるが…(C)日刊ゲンダイ</picture>

 年金の納付期間を5年延長する案が検討されるが…(C)日刊ゲンダイ

                 ◇  ◇  ◇

 国民年金の納付期間延長の狙いは「給付額を増やす」ためと説明されている。

 現在の保険料は月1万6980円。5年分の負担額は101万8800円となる。これに対し満額の受給額は月約6万8000円。納付期間が40年から45年に1.125倍に増えるのなら、受給額もその倍率の月7万6500円(8500円増)にならなければおかしい。国民年金は、自営業者や20歳以上の学生のほか、会社を定年退職した人も加入する可能性があるので他人事ではない。

 「国民年金の保険料1万6980円は定額負担ですので、厚生年金の最低負担額8052円(折半額)の2倍ほど。会社員でも60歳を越えると雇用が不安定になる人もいますし、1万6980円の負担は心理的な不安感になるでしょう。もちろん5年長く納付した分、受給額も増えるのなら納得できますが、今の年金制度上では難しいと思われます」(特定社会保険労務士・稲毛由佳氏)

 突然のルール変更。タレントのパトリック・ハーラン氏は情報番組で「アメリカだったら大きな反発、フランスだったら暴動が起きるくらいの条件だと思うんです。ずっと払っていた時の約束ともらう時の約束が違うじゃないかと」と疑問視。「皆さん素直なのはいいですけど、もう少し声を上げていいと思いますよ」と続けていた。

 実際、フランスでは昨年、受給開始年齢を62歳から64歳に引き上げる政府方針に対し各地でデモや暴動が起き、ボルドー市庁舎の玄関が放火される事件まで起きた。結局、マクロン大統領は批判を押し切って64歳支給に引き上げたが、支持率は20%台にまで急降下している。さすがに放火はいただけないが、日本人は少しおとなしすぎるのではないか。

 ■「しょうがない」という声も多い

「しょうがないよねという声は確かに多いですね。国に『少子高齢化』『子や孫世代の負担を減らすため』だと言われれば、余計に反対しづらくなります」(稲毛氏)

 しかしこれ、見事に政府の術中にハマっているのではないか。社会保障審議会(年金数理部会)の資料によれば、これまでの年金積立金がなかなかゴッツイ金額に膨らんでいるのだ。

 ■「財源が足りない」という国のウソに騙されるな

 「22年度の年金収支状況は、収入総額が54.6兆円。内訳は保険料収入40.7兆円、公費負担13.4兆円などです。対して高齢者にお支払いしている年金給付費は53.4兆円。差し引き0.9兆円のプラスでした。さらにこの年の運用益は3.5兆円のプラス。これらの結果、年金積立金は前年度に比べ4.4兆円増の250.5兆円にまで膨らんでいます」(ジャーナリスト・中森勇人氏)

 何かというと、保険料を払ってくれる若者が減っている、受給者が増えたと言われるが、今の高齢者や現役世代がコツコツ貯めた積立金が250兆円もある。「そこから補充すればよいのでは」という意見が出てくるのももっともだ。

<picture>「子や孫世代の負担を減らすため」と言われたら…(C)日刊ゲンダイ</picture>

 「子や孫世代の負担を減らすため」と言われたら…(C)日刊ゲンダイ

 ◆民間保険会社がやったら訴えられるレベル

 そもそも小泉政権だった20年前の「年金100年安心プラン」の試算では、1961年度生まれの会社員男性の厚生年金は「月額平均32万円」と公表されていた。もちろん、そうはならず、むしろ財政検証のたびに「マクロ経済スライド導入」「受給年齢の繰り上げ拡大」「パート労働者の年金加入」などどんどん条件が悪くなっていく。

 これと同じことを民間保険会社が個人年金や養老保険でやったら、訴えられてもしょうがないレベルだろう。

 企業年金の制度改悪でも、一方的な減額は認められないという最高裁の判断が出ている。

 例えば、NTT退職者(約14万人)の企業年金減額をめぐって争われた裁判。NTT(原告)が支給額の減額を承認しない厚労相(被告)を訴えたものだが、東京地裁、東京高裁とも減額を認めず、最高裁も上告を棄却している(2010年6月)。特に東京高裁は株主配当を優先するNTTの姿勢を強く批判したほどだった。

 もみじ銀行が退職役員の慰労年金を廃止したことで争われた裁判でも、最高裁は退職時に会社との間の契約内容が確定しているとし、原告の同意なく年金を廃止するのは無効と判断している(同年3月)。

 一方で、企業年金の減額が認められたケースもある。松下電器産業(当時)が退職者年金の算定の基礎となる約定利回り年7.5~10%を2%引き下げる改定を行ったことで元社員たちから訴えられた裁判。当時の松下は経営状況が悪く、さらに年金規定に経済状況に変動があった場合の改定・廃止条項があったため、最高裁は「被告会社の経済状況からすれば、規定の改定は認められる」と判断した(07年5月)。

<picture>主婦年金見直しも示唆した武見厚労相(C)日刊ゲンダイ</picture>

  主婦年金見直しも示唆した武見厚労相(C)日刊ゲンダイ

 ◆時の政権によって司法判断も変わる

 前者の判断は民主党政権時、後者の判断は自民党政権時。あまり考えたくはないが、単なる偶然だろうか。

 自民党政権に戻った現在はどうか。公的年金の受給者が支給額が段階的に引き下げられたとして国の減額処分取り消しを求めた集団訴訟。昨年12月、最高裁は減額を「合憲」と判断した。

 その理由を裁判長は「年金を引き下げずに給付額を維持すると、現役世代に負担を強いることになり、財源の圧迫にもつながる」と指摘している。

 ハテ? どこかで聞いたような話だ。

 「加入年数を延長しないと維持できないような年金制度は、寿命が尽きた制度と言わざるを得ません。また、保険料の増額だけでは限界があり、最終的には税金として徴収するしかないでしょう。立憲民主党の肩を持つわけではありませんが、税金と年金保険料などを一体的に徴収する『歳入庁』の創設もひとつの案だと思います」(稲毛氏)

 税金と聞くとアレルギー反応を起こす人もいるだろうが、所得の多い人には少し多めの負担をお願いし、また税方式なら国民年金の未納問題もクリアできる。

 果たして、国の言っていることが正しいのか、それとも国民がおとなしすぎるのか。少なくとも「しょうがない」と言っているうちは何も変わらない。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・国民年金問題】  2024年04月24日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【生活保護】:申請、4年連続で増加 コロナ禍、物価高追い打ち 23年、25万5079件

2024-03-07 07:05:50 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【生活保護】:申請、4年連続で増加 コロナ禍、物価高追い打ち 23年、25万5079件

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【生活保護】:申請、4年連続で増加 コロナ禍、物価高追い打ち 23年、25万5079件 

 2023年1~12月の生活保護申請が前年比7・6%増の25万5079件となり、4年連続で増加したことが6日、厚生労働省の統計で分かった。比較可能な13年以降で最多だった。新型コロナウイルス禍で困窮した家計に物価高騰が追い打ちをかけたとみられる。賃上げや株価上昇の効果が行き届いていない状況が浮き彫りとなった。

 厚労省によると、コロナ禍で収入が落ち込み、困窮者向けの公的支援が縮小する中、食料品や光熱費などが値上がりし、貯蓄が減少したことで申請者が増えているという。担当者は「コロナ禍の影響が長引いており、増加傾向はしばらく続くとみられる。引き続き動向を注視したい」としている。

 厚労省が発表した統計(23年3月までは確定値、同4月以降は速報値)に基づき、年間の申請件数を集計した。

 23年12月の生活保護申請は1万8695件で、前年同月と比べて5・6%増えた。増加は12カ月連続。

 23年12月から保護を受け始めたのは1万8801世帯で、前年同月比7・2%増加。それ以前から受けている人を含む受給世帯数は165万3778世帯となり、0・4%増えた。受給停止中を除く164万5271世帯の内訳は、高齢者世帯が前年同月とほぼ同数の90万6709世帯を占めた。現役世代を含む「その他世帯」は26万438世帯(2・0%増)、母子世帯が6万5461世帯(3・5%減)だった。

 22年度の1カ月平均の確定値も公表した。申請は2万475件で前年度と比べて6・9%増えた。増加は3年連続。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政策・厚生労働省・社会保障・生活保護制度】  2024年03月06日  11:58:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【砂上の安全網④】:生活保護の「水際作戦」の背景には偏見 国はマイナンバー並みの熱意で「正しい理解」の普及に努めるべき

2024-03-07 07:05:40 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【砂上の安全網④】:生活保護の「水際作戦」の背景には偏見 国はマイナンバー並みの熱意で「正しい理解」の普及に努めるべき

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【砂上の安全網④】:生活保護の「水際作戦」の背景には偏見 国はマイナンバー並みの熱意で「正しい理解」の普及に努めるべき

 ◆<砂上の安全網④>

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 社会 【話題・社会保障・群馬県桐生市における生活保護の水際作戦】  2024年02月19日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【砂上の安全網③】:生活保護、水際作戦が常態化? 桐生市の「異様さ」がデータで見えた 「最低水準」の背後に何があったのか

2024-03-07 07:05:30 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【砂上の安全網③】:生活保護、水際作戦が常態化? 桐生市の「異様さ」がデータで見えた 「最低水準」の背後に何があったのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【砂上の安全網③】:生活保護、水際作戦が常態化? 桐生市の「異様さ」がデータで見えた 「最低水準」の背後に何があったのか 

 ◆<砂上の安全網 ③>

 群馬県桐生市に住む黒田正美さん=仮名=が、父・杉本賢三さん=同、2017年5月に63歳で死去=の生活保護を申請しようとした際、司法書士が窓口に同行するまで、市がかたくなに申請を拒んだことは前回までに詳述した。いわゆる「水際作戦」に、黒田さんは「父が救いを求めたとき、親身に対応してくれればもっと長生きできたと思う」と、悔しさを語る。
 桐生市は10年ほど前から、生活保護を開始した世帯の割合が群馬県内の他市に比べて明らかに低い状態が続いてきた。生活保護の申請を受け付けた割合も、同時期から低水準が続いた。水際作戦は常態化していた可能性があり、研究者やケースワーカーでつくる「生活保護情報グループ」と本紙が連携し、県作成の資料から分析した。
 桐生市は、人口に対する生活保護受給者の割合を示す「保護率」が11年度をピークに一貫して低下し、22年度までにほぼ半減した。11年連続の低下は県内の市で唯一で、受給者も11年度の1163人から、22年度は547人と半減した。
 生活保護の申請や開始は世帯単位で行われる。分析では、申請や開始の件数を当時の世帯数で割って、各市の推移を比べた。
 結果、桐生市は申請、開始ともリーマン・ショックの影響が現れた09年度ごろは県内トップクラスの水準だったが、11~14年度に大幅に低下し、最低水準に定着した。申請を受け付けても開始に至らないケースも相次いでいた。
 
 一方、生活保護を受けた世帯数に対する保護廃止の割合は、記録を確認した05年度以降ずっと県の平均値に近かった。
 
 生活保護情報グループのメンバー桜井啓太・立命館大准教授(社会福祉学)は「急速に申請、開始が減っている。窓口に相談に来た段階で申請する意思をくじくような説明をするなど、申請権の侵害がなかったかを総チェックする必要がある」と指摘する。生活保護の受給者らへの市の厳しい対応が知られていたことで、相談に行きづらい雰囲気があった恐れもあるという。
 
 ◆「数字をコントロールしたことはない」と桐生市
 
 近隣地域は、主な産業や高齢化率などが似ているため、保護率や保護開始の割合などは似た推移をたどりやすい。桜井准教授は「保護率を見ているだけでも桐生市の異様さは分かる。県の監査が形骸化していなかったかも検証が必要だ」と、県の桐生市に対する指導姿勢も疑問視した。
 
 市福祉課は保護率が低い理由について、昨年12月18日と今年1月15日の記者会見で、それぞれ「高齢者世帯の死亡などによる保護世帯の自然減によるもの。数字をコントロールしたことはない」とコメントしている。
 
                ◇
 
<連載・砂上の安全網>
 生活保護は「最後のセーフティーネット(安全網)」とも呼ばれる。国民の生存権を保障した憲法25条を根拠とする制度だからだ。しかし、桐生市では保護費を1日1000円に分割した上に満額支給しなかったり、受給者から預かった印鑑を無断押印したりするなど、違法性を強く疑われる運用が表面化した。黒田さんの体験から問題点を洗い出す。(この連載は、小松田健一と福岡範行が担当します)
 

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 社会 【話題・社会保障・群馬県桐生市における生活保護の水際作戦】  2024年02月18日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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