アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ピアノは基本的に音痴な楽器なので

2012年07月01日 | ピアノ
昨日は公開レッスン初体験。ミクシーのサークル主催だったので、なんとなくいつもの練習会のノリでぽちっと参加申込してしまったが。

   にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←緊張したけど楽しかった!! またやりたい

先生は内藤晃先生。ピティナピアノ曲事典の、素敵な演奏を聴きながら、なんかとっても場違いなところへ踏み込んでしまったような気がしてきた。

主催者のYUMIさんが気を利かせて、事前に先生と「馴染んで」おいて、無駄な緊張をしなくていいようにということで、会に先立って昼食をするところから企画してくれた。なんと、人によっては、直接話なんかすると余計緊張しちゃうから無理、といって断った人もいたそうだが(!!)、私はもちろん、直接お話ししてみたかったので参加。

話をするだけならもちろん緊張しないけどね。先生はとても気さくな方で、みんなわいわいとピアノ談義に花を咲かせます。昼食会から参加しようがしまいが、弾く段になってがちがちに緊張するのは別に避けられません(-_-;;

レッスンは、私を入れて6人が参加。公開レッスンというのはね…テレビで見るスーパーピアノレッスンみたいなのは別として、生で見たのは今回初めてだけど、自分が弾かなくてよければ、これほどおもしろいものはない。内藤先生は表現力豊かな方で、口癖の「なんだろう…」を枕詞に、いろいろな言葉で生徒にヒントを投げかけていく。

YUMIさんがシューベルトを、緊張のあまりがちがちになって弾いていたら、「右手と左手があんまりきっちり揃いすぎると(ウィーンじゃなくて)北朝鮮みたいなので」「装飾音を義務だと思って弾かないで…。ないとつまらない、ちょっとプラスするおしゃれみたいなもの」と、聞き手の笑いを巻き込んでほぐしていく。聞いているほうにもはっきりわかるくらい、YUMIさんの演奏が変わって、楽しい感じになってくる。

私が弾いたのはショパンの前奏曲の13番。2ページで終わるコンパクトさが30分の公開レッスンにはちょうどと思って選んだのだが(というとかっこいいけど、単にほかに弾けるものがなかったともいう)、これでもレッスンの時間的には足りないくらい。30分って短い。

レッスンの間、一貫して言われたのは、「(何か提案→)いろいろ試してみて」ということである。ここにはこんな、あそこにはこんな自由度があって、その調整で、どこかはきれいで、どこかはきたなくて、あるいは「きれい」であっても人それぞれ趣味ってものがある。頼りになるのは自分の手と耳、というよりひたすら「耳」なのであって、考えて試しては聞いてみて、選んでいくのが演奏を作っていくことだといいたいのかもしれない。

例えばペダル。踏むか離すか、ということだけではなく中間にはいろいろな段階があり、離しすぎれば味気なく、踏みすぎればにごってしまう。自分の求める塩梅はどこなのかということを、耳で探していく。

あるいは和音。13番はのっけからそうだが、左手の伴奏形にとても特徴があって、シンプルな和声に、非和声音が追加されてそれが「味」となって進行していく。この混ぜ方が問題で、仮に全部を均等に弾いてしまうと、きれいには聞こえない。やはり和声音をベースに、ちょうどいいだけ非和声音を混ぜていく。どこかに好みのバランスというものがあるはず…

話としてはわかるのだけど、どういうのがきれいなのかがわからないうえに、こう弾こうと思ったバランスを再現できるように指が動いてくれるわけではないという物理的な問題もからむ。

響きがいい具合に聞こえるバランスを探すということについては、もっと上級者のレッスンをする中にも繰り返し出てきた。

今日の記事タイトルにした「ピアノは基本的に音痴な楽器なので」はその中で出てきた言葉で、要するに、平均律に調律されたピアノでは、完全に合っているのはオクターブだけ。ほかは、完全にはハモらず、うなってしまう。どうしようもなく「音痴」な楽器なのだ。(私のバイオリンのほうがもっと音痴な楽器だとかそういう点はさておく)

それで、そういう「音痴」な楽器から心地よい響きを得ようとすれば、微妙なバランスの調整が問題になってくる。とーるさんの演奏の中にも、ラス前くらいにものすごく奇妙な和音(和音でない音が混じったもの)が出てくるところがあって、これが、とーるさんが弾いてさえ、「え、これでいいの??」という雰囲気に聞こえていた。

案の定そこはレッスン中に取り上げられ、あれこれと試行錯誤が始まった。先生がいろんなバランスを提案していくと、おぉ!! 確かに違うんだけどいったい何が違うのよ的な、でもほんとにちょっとしたことで聞いた印象は激しく違うものだ。ほんとうは合っていない「三度」を調和して聞かせるテクニック(?)とかもあるようだがさっぱり理屈がわからない。理屈がわからないけれど先生が弾くと確かにとってもきれいに響く不思議。

とても書ききれないので続くかも。

ところで来週は先生のレクチャーコンサートがあります。お奨め。どなたかご一緒しません?

にほんブログ村 ピアノ  ←ぽちっと応援お願いします
にほんブログ村 ヴァイオリン ←こちらでも
にほんブログ村 中高一貫教育
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする