アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

英語多読で「すべり読み」を防ぐには

2014年09月10日 | 中学生活
昔と違って、今の英語教育はすっかり多読・多聴流行り。私はあまりこの風潮が好きではないのだが(^^;; まず敵(?)を知らないことには話にならないので、

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多聴多読マガジン別冊 英語の多読最前線」というのを買ってみた。
読んでみたら、予想よりずっとおもしろくて、いろんな学校や塾で、ひとことで「多読」といってもほんとうに様々な実践をされていることがわかった。

塾でいうとSEGが多読で有名らしいのだが(マジで!? SEGって数学オタク(よしぞう含む)みたいな子が行くところだとばかり思ってたけど)、そういうところだとかなり個別に生徒の様子(読後の反応など)を見て、レベルが合うことはもちろん、個々の興味関心に合うものをお奨めしたりす、「多読のコンシェルジュ」的なことをするらしい。

学校だと、なかなかそこまで個別に対応できないよね。

ともかく、そうやってきめ細かく指導することで何を求めているかというと、「すべり読み」の防止。「すべり読み」というのは、目が滑ってスムーズに読めてるみたいに進んでいるけど実際には英文が読めていない。知っている単語や絵からの推測で楽しめちゃうけど実は大誤解してるかもという状態。

これをどう防止するかが教育現場的には大きな課題なのですね。借りた絵本を読んだふりして開かずに返しちゃってる、とかは論外としても(笑)

この本の中には「「すべり読み」と「新・多読三原則」」という特別座談会もありました。

なんでも、これまで言われてきた「多読三原則」というのは、「辞書は引かない」「わからないところは飛ばす」「つまらなければあとまわし」だったそうなんだけど、わからないばっかりの本を「わからないところは飛ばす」しまくってるとほんとにわけわからなくなってしまいます。

そこで、原則を改めまして「英語は英語のまま理解する」「7~9割の理解度で読む」(*)「つまらなければあとまわし」というふうに変えたんですね。「わからないところは飛ばす」じゃ限度がなくなっちゃうんで、理解度の数字を出して歯止めをかけたところはちょっと前進した感じ。

でもそれをどうやって確認するかってことになるとね。本人がよくわかって調整していればいいけれど、やる気のない子も含めて外から確認するとなるとけっこう難題。

一言ふた言感想を書かせるなんてのは、一文字も読まなくたって無難なこと書けちゃうし、かといって詳細な感想や要約を書かせようとしたら多読どころではないし(^^;; いくつか設問に答えてもらうというあたりがよさそうな気がするけど(実際そういう試みはある)、すべての本に設問をつけ、それに基づき実施チェックをするなんてほんとうにたいへん。

それに、ちゃんと設問をつけてあっても(公文英語とかそんな感じ)、素直な設問であれば「すべり読み」でも6割7割すぐクリアできちゃうから歯止めになっていないんですよね。またろうとこじろうは、この手で公文英語の効果をわりとドブに捨てました(笑)

その中で、豊田高専の事例は目を引きました。読書量(記録)を成績評価に使うと「すべり読み」どころか「読んだふり」が横行するので、読書量については全体の10%、それもある程度の量ですぐサチるようにしてあります。その代わり、定期テスト4割、小テスト2割、外部テスト(TOEIC)3割と、要するに学習成果のほうを測る方式。

定期テストの内容は、初見の長めの文章を、短めな時間で読み、内容についての設問に答える方式。まさに、ふだんきちんと(すべらず、すばやく)多読しているかどうかが表れますね。

相手があんまり子どもだと、評価の率を求めていることに合わせる(そのことによって正しい態度に誘導する)というのはできないけれど、高専だからね。それで大きな成果を挙げているようで、ほんとうに先生方の努力に頭が下がります。学年ごとのTOEIC平均グラフをみると、元々が英語好きとはとてもいえない高専生によくぞここまで、と感激です。あぁまたろうの高専でやってくれればよかったのに。

(*)10割もよくないんだって。それって読むのが遅すぎるってことで(←ぎくっ)

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(今回もイラストはまたろう)
コメント (12)
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