アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

正確性のための緊張と脱力

2014年09月05日 | ピアノ
だいぶ前の話になるけど、よく見てたテレビ番組の中で「電流イライラ棒」というのがあった。

   にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←「電撃イライラ棒」という名称はゲームのほうだそうです

大きなパネルに迷路状の道が切ってあって、参加者はその道に棒を差してゴールまで動かして行く。手がブレて、棒が道のフチに触っちゃうと「バン!!」ってなってアウト。

これ、非常に難しくてスリル満点なんだけど、要するに手の動きの正確性が鍵なんです。それで、この競技をガンバルには、みんな両手でしっかり棒を持って筋肉を固めて、慌てずすばやく(時間制限もあるから)迷路を通っていくわけ。

この、筋肉の緊張は、誰に教わるわけでもなく、正確に棒をくぐらせていこうとするとみんなそうなる。昨日の記事「脱力しろっていわれても」でいう、「固めたほうが正確な動きができる」から、というケースですね。針の糸通しタイプの動作といってもいい。

一方、究極の正確性として思い浮かぶ、まったく違うタイプの例。卓球の愛ちゃんの幼いころの映像なんかを紹介していた番組で見たんだけど、必ず毎日の練習の最初には「1000本ラリー」といって、ノーミスで1000本続かないと先に進めないんだとか。

カコンカコンカコンカコン、ものすごく小気味いいテンポで、なにしろ卓球なんてちょっとラケットの角度が違ったり、振るスピードが違ったりすればあらぬ方向に玉が飛んでいってしまうところ、フツーに1000本クリアしてしまうというのはもう一本一本はほとんど失敗する確率がないぐらいの正確性が叩き出せるってことで、これは驚異的。

でも、小さな愛ちゃんは別にムキムキマッチョってわけじゃないし、第一、そんな筋肉緊張系で1000本打ってたらへとへとになっちゃって、続く練習どころじゃないでしょう。これは、イライラ棒とはまったく違う、必要な力以外は脱力している方向の、昨日の記事でいうなら「脱力して(あまり筋力を使わずに)弾ければノイズも減り、より正確に身体を動かせる」というケース。

このように、正確性を目指す方向性として、緊張と脱力があるけれど、特徴を比べるとこんな感じ:
【イライラ棒】緊張
・不慣れな人がやる
・動きは静止またはゆっくり

【1000本ラリー】脱力
・熟練者がやる
・動きは素早い

どうも、この二つはまったく別物で、正確性のレベルも段違いのような気がします。

イライラ棒タイプは、正確性といっても、よくみればプルプル揺れてます。拮抗する二つの筋肉を緊張させていて、視覚などを通して行き過ぎをフィードバックして、力づくでコントロールする感じ。

このコントロールは、不慣れでも注意集中していればできるというのがメリットなんだけど(だから、人は反射的にこのモードに入っちゃうんだと思うけど)、このプルプル状態って、そんなに正確じゃなくてブレがあるでしょう。

確か、射撃で、正確に狙おうとすると、静止して的を狙うより、銃口をスゥ~っとゆっくり動かしつつちょうどいいタイミングで発射するほうがいいんだとか聞いたことがあるんですが…ま、射撃したことないからわかんないんですけどね。ちょうどいいところで完全に静止するのが難しいってのはなんとなくわかります。

それより、力を出す必要のない筋肉は緩め、最小限の筋肉の力で、重力や慣性も生かして絶妙にコントロールできれば最も正確。ということなのかなと。

第一、もし緊張タイプで完璧な正確性が出せても、ピアノを弾く場合、それじゃ音がきたなくなっちゃって困るものね。どうしても、脱力で、正確、というのを目指すしかない。

ということで次は、そのためにはどうすればいいかということだけど…つづく。
(また長くなっちゃった)

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コメント (2)
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