アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

多声音楽と記譜法の発展

2021年05月14日 | ピアノ
先日、放送大学の西洋音楽史(4) 「中世における多声音楽の芽生えと展開」について記事にしながら、実は授業で取り上げた範囲の半分も話が進んでない感じだったので続きを…

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グレゴリオ聖歌のイメージというと、なんかゆったりしてあんまりリズムとか小節とか感じられない、たゆたうようなメロディー、ちょっと耳馴染みのある音階とは違う感じで、なんか五度で下ハモしてる的な。

ところが、この西洋音楽史の授業によりますと、この「どの音も同じ音価で歌う」方法をソレーム唱法というのだけど、それは音の長短が記録されてないからそう歌ってるのであって、元は(当時は)長短があったのだそうだ。えーーー(o_o) それならそれで書いておいてくれればよかったのに。

まぁそのころの楽譜というのが、「音楽を紙の上に表したもの」というよりは「知っている人の記憶の助けのため」的な位置づけで始まったからそういうことになっていたのでしょうね。歌詞とかメロディーは「なんだっけ」ってなりやすいからメモが必要だけど、リズムは忘れにくいから書かなくていいよね、とか(?)

グレゴリオ聖歌が、単旋律じゃなくて、「五度(あるいは四度)」固定で下ハモすることが増えてからも、それならわざわざ楽譜に書かなくても覚えられますから、ハモる声部(オルガヌム声部)については書く習慣がなかったんだって。

それが、だんだんややこしいことをやるようになって、それじゃやっぱり書かなきゃって感じになって、つまりその二つのことは手に手を取り合って共に発展してくるのですよね。

ずっと五度(あるいは四度)下という不自由な状態であったところから、聖歌の1つの音符に複数の音符が対応するようになったり、あるいはオルガヌム声部が聖歌の下でなく上に来るようになったり。そういう、自由で独立した声部ができて「ポリフォニー」の誕生(11世紀くらい)。

さらに、12~13世紀にはノートル・ダム楽派の人たちが「モード・リズム」というのを導入して、なんか「ノリ」から良くなってくる。
モード・リズムというのは、音符に「長」「短」の区別があって、6種類の長短の組み合わせがあって、そのいずれかを反復していくものだそうで…たとえば「タータタータ…」みたいな。その6種類のどのモードを使うかについては音符の組み合わせで示す。

やれやれようやく音の長さを書き記す気になってくれたか。と思うが、その書き方というのがどうにも、現代人としては納得しにくいもので、
音符を「3個 2個 2個 2個」でまとめたら第一モード、「1個 1個 1個 1個」としたら第五モード、のように、なんか暗号みたいな感じで、どうしてこうなったんだろ…

(なんのこっちゃ? と思った人は洗足音大のページ参照)

ポリフォニーの基本形は、聖歌の部分がゆーっくり歌われてて、それにノリのよい声部が付け加わってる(オルガヌム様式)けれど、
聖歌の部分もきびきびと進めるディスカントゥス様式というのができてそれが同じ曲の中に対比的に使われていた。

さらにディスカントゥス様式のほうが人気が出て、そこが独立して「モテット」になっていく。

モテットでは声部により違う歌詞で歌われるけれども、当初いずれも宗教的な歌詞であったところ、そのうち上声部では世俗的な歌詞があてはめられるようになった。
下は聖歌で上は世俗のミックス! (o_o)

歌詞もリズムも上下でからみあって…

ここまでややこしくなるとやっぱり、上に貼ったみたいな妙な約束事でリズムの「モード」を表すだけでは不便になるのでしょう。
音符がその音の長さを示すような記譜法(定量記譜法)が生まれました。これでようやく、現在の五線譜につながります。

テキストで、この章の最後にはマショーの音楽が紹介されているので、これまた洗足音大のページ(マショーの曲が聞けます)を貼っておきます。というか、洗足音大のページの親切度がすごくない?

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