カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

骨董品に関する物語・道化師達の記念写真

2019-07-14 21:05:11 | 突発お題

 子供の頃は毎年町にやってきては空き地にテントを張り、夢のような舞台を見せてくれてから街を去っていくサーカス団を人間ではなく妖精や幻獣の類だと信じていた。やがて彼らも僕と同じ現実を生きる人間だと知ったが、それでも彼らは毎年町に宴を運んでくる特別な使者であり続けた。
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旅路その44・焼け落ちた過去

2019-07-14 13:52:39 | 旅人の記録
たかあきは真夏の廃墟に辿り着きました。名所は個人の邸宅、名物は肉料理だそうです。

 昨晩から様子がおかしかった奴は朝になると料理番に肉を挟んだサンドイッチを沢山作らせてワインと一緒にバスケットに詰め、領地の外れにある朽ちかけた廃墟に俺を伴った。ここは嘗て奴の父の愛人が暮らしていた館で、父の息子を産んだ女は火事に巻き込まれて赤子共々亡くなったと記録に残されているそうだ。
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