超巨大な台風が来るとのニュース。風速60メートルの風が吹くという。
ベランダの物は家に入れて、網戸も入れて、自転車も入れて、と来る前からテレビでさんざん警告された。
去年の台風の風が凄く怖かったので、それよりもはるかに強いってどんな風なの。
それで、家にブルーシートを敷いて、ベランダの植木鉢と玄関の脇にもある小ベランダの植木鉢を全部、中に入れた。
リビングの一部、和室の1部、娘の部屋の一部に広がった。
マンションの大規模修理の時に植木鉢を家に入れ、あまりに多いので減らしたはずなのに、やっぱり多い。
台風が過ぎたら、ベランダに戻しながら少し減らそうと思った。
京王多摩川に住んでいる娘から電話が来た。
「多摩川が怖いから、これから避難する」と。
風の事しか考えていなかったが、そういえば経験した事のない雨も降ると言っていた。
雨の中を大荷物を持って家族3人が来た。
娘のラインが鳴りっぱなしで、娘の家の近くのママ友が何人も実家や親せきに非難したという。
「大丈夫だよ。あの辺は決壊しないよ。ここに引っ越しして来た時に、豪雨の増水のための工事をずっとしていたよ。もし、決壊するならもっと下の方だよ」と言った。
娘はずっと心配して、川の水位をチェックしていた。
ゆうなは、家の中がいつもと様子が違うので、遊びに夢中だった。
私一人での生活なので、買い出しに行かなくて何日かは大丈夫と思っていたので、夕飯作りで冷蔵庫も冷凍室もスッキリとなった。
夕飯食べてテレビを見ていたら、娘が「お母さん、川が氾濫して大変な事になってるとこがあるよ」とスマホを見せてくれた。
それは、東京都の多摩地区にある市。メッセージに「こんなに氾濫しているのに、テレビは放送してくれない。助けて」とある。
でも、よく見ると、それは昼間。もし、昼間にこんなに広範囲に氾濫していたら、まして、東京ならテレビが放送しないはずはない。
だから娘に、「それは絶対にフェイクだよ。こういう時には、そうやって悪戯する人がいるんだよね。惑わされないようにしないとね。」と。
結局そこは一度も放送はされなかったから、やっぱり悪戯だ。
マンションの気密性が高いので、外の雨や風の音があんまり聞こえなくて、本当に台風が来ているのかなと時々、風が当たらない窓を開けると、やっぱり外は凄い。
娘は自分の部屋のベッドで、上ちゃんは亡き夫の部屋のベッドで寝る事に。ゆうなは私と、リビングの空いた空間に布団を二つ並べて寝た。
2歳頃だったか、娘が熱を出し、2,3日ゆうなを預かった事があるが、その頃の事は覚えてはいない。
だから怖がりのゆうなは、お母さんと離れて寝た事がないので「怖い」と泣きそうになった。
「お話してあげるから」と背中をなでながら「可愛い可愛いゆなちゃんと言う女の子がいました」と、お話していたら、疲れたのか直ぐに眠ってしまった。
私は、いつもの時間に目が覚めたので、洗濯をして、テレビで台風の大変な被害を見ながら皆が起きるのを待った。
娘の住んでいる調布は大丈夫だったけど、多摩川の決壊した高津区は、今の家の前に住んでいた所だ。
あちこちの氾濫状態をテレビで見ていたら、ゆうなが目を覚ました。
「おはよう。お母さんを起こしに行こう」とゆうなに言う。
お母さんは声を聞きつけて出て来たので、ゆうなはお父さんが寝ている部屋のドアを開けて「お父さん、起きて」とベッドによじ登って行った。
食後、そうそうに娘たちは帰って行った。ゆうなは「ゆなちゃんは、ふーちゃん家に、今日もお泊りしたい」との可愛い言葉を残して。
しかし、風が風が、と言っていたが、大変な雨台風だった。
来年も、こんな台風が来るのだろうか。
地震対策は、あちこちで力を入れているが、こんなビッグな台風への対策は出来るのだろうか。