ふみさんの日々雑感

生活の事、家族の事、大好きなサッカーの事・・・日々いろいろ

文庫「上と外」恩田陸著

2008-01-27 16:56:36 | 映画・ドラマ・小説・マンガ
面白かった。とにかく面白かった。
恩田陸さんの本は何冊か読んだ事がある。ちょっと不思議な世界の話もある。

「両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年一度、集う夏休み。中学生の練と妹の千華子、母とともに、考古学者の父がいる中米のG国までやってきた。密林と遺跡と軍事政権の国。すぐさま四人はクーデターに巻き込まれ、避難中のヘリから兄妹が落下、親子は離れ離れに!?・・・。」

という説明に引かれて読み始めた。兄妹の密林でのサバイバル。両親はどうやって二人を救い出すのか。そんな気持ちで読み始めた。

練と千華子は生き残る為に必死に考えながら行動する。そして、緑の海の底では、もし救助隊が来ても分からないから、空からの目標になる物・場所を探して歩く事にする。自分達が観光で目指していたマヤの遺跡を目指して。方向も分からない鬱蒼としたジャングルの中を工夫してコンパスを作り、サバイバルが始まる。

両親はクーディターのシティに囚われの身となる。そして、普通のクーディターとの違和感を感じながらも、子供達を救い出す為に脱出をする。

でも、途中から、話が予想している方向と違ってくる。題名の「上と外」は“下と中”になって行く。途方も無い大きさの地下都市のマヤの遺跡に、練と千華子は“ニコ”と言う少年に連れて来られる。そこで、マヤ文明の“成人式”の儀式に参加させられる。練にとっては初体験の途方も無い恐怖!

なる程、こういう話か、と思っていたら、又、物語は違う方向に流れ出した。

G国最大の火山「イザベラ」が大噴火するのである。この、噴火は、マヤの末裔の人達には日時が分かっており、それにむけて用意周到にクーディターは進められていた。イザベラの大噴火により大都市シティは壊滅する、だから、その後に人類の理想の国家を作ろうと。

クーディターを成功させた暫定政府は強制的に住民をシティの外に非難させ、崩れて危ない建物は壊す。何も知らない市民は抵抗する。シティの周りにはこの日の為に世界中から集まった人達がキャンプをしながらジッと“神の楔が抜ける”時を待っていた。

練と子供達がイザベラの大噴火から脱出するシーンと、一人ぼっちになった千華子が両親の乗ったヘリに救出されるシーンは迫力満点。“ダイハード”よりもハード。ハラハラドキドキで早く終わりを、いえ、まだ終わらないで、と私の周りは溶岩の灼熱と遺跡の崩壊に包まれた。

“上と外”から“下と中”へ。そして、“下と中”から“上と外”へ。

可笑しかったのは、暫定政府が全世界からの災害救助の申し出を「アメリカからだけは受けない。でも、メデァは受ける」とした事だ。理想の国家に大国の思惑を入れたくなかったのだろう。

とにかく、面白かった。久々にワクワクした。




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花粉症の季節が来る

2008-01-26 15:38:28 | Weblog
報道では花粉は2月初め頃から飛び始めると言う。でも、私は、もっと早くから反応し始める。

今年も、昨日から鼻がムズムズする。クシャミが立て続けに出た。私の感じでは、花粉が2~3個程、様子見に、斥候(古い)として飛び始めたと思っている。

去年は楽だった。でも、今年は去年の何倍も酷いらしい。イヤだなア。本当に何とかして欲しい。

TVで減花粉の杉を開発していると言っていた。何十分の一の花粉しか付かないらしい。そして、それを順番に植え替えるとしている。

でも、どうして、杉の木なのだろう。どうして、杉の木でないといけないのだろう。木の種類なんて沢山あるのに。その地方に合った落葉樹が沢山あるのに、どうして、杉林にこだわるのだろう。

杉林を歩くと暗くて、静かで楽しくない。それに、これはTVで、国の政策である杉の植林事業が“限界集落”の始まりだったと特集していた。そして、杉林は保水能力も地盤を強固にする力もなく、豪雨での土砂崩れを招く。太陽が一年中地面に届かないので、草も生えず、山の砂漠化を招くと言う。

私の田舎の山も落葉樹が切り出され、杉の植林が成された。一年中、杉の木の緑一色になってしまった山々がある。補助金で植林された杉山を見て、村人は孫の代には金になると喜んでいた。

私は、子供の頃の豊かな山の移ろう色々が好きだった。春のパステルカラーの山々、夏の濃い緑の豊かな山々、秋の豪華な錦織の山々、そして、静かに眠る冬の雪山。

私が里帰りする度に、山の色は一色に変わって行く。山に行くと、獣道は車の通る道に変わっていた。でも、去年、山に行き昇ったら、道路はガタガタになっていた。手入れもされていない。杉は植えっぱなし、道は作りっぱなしなのだろうか。

昔ほど、ゼンマイやワラビやキノコ類がとれなくなっていると言う。

“国敗れて山河あり
城春にして、草木深し”

と言うが、山河が荒れ果てて、田畑も荒れ果てて、村や町も荒れ果てて・・・では困る。

今、日本はイロイロな意味で曲がり角に立っているのではないだろうか。食の問題でも、環境の問題でも、家族の問題でも、純粋に生きていく事についても、様々な問題で。真っ直ぐ行くのか、右に曲がるのか、左に曲がるのか、それとも・・・。

10年後、30年後、50年以降を政治家や経済界のトップは考えているのだろうか。それとも、今年か来年の自分の損得しか考えられないのだろうか。それなりに勉強し、経験を積んだ“エライ優秀”な人々のはず。私達が“未来を託した”人々のはず。

花粉症から、日本の未来に漠然と不安を感じてしまった。


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雪が降る

2008-01-23 20:46:23 | Weblog
朝、起きたら雪。今年、初めて目にする。雪を目にすると歌いたくなり、思わず口ずさむ。昔、若い頃ヒットしてよく歌ったアダモの唄“雪がふる”



雪は降る あなたは来ない
雪は降る 重い心に
空しい夢 白い涙
鳥は遊ぶ 夜は更ける
あなたは来ない いくら呼んでも
白い雪が ただ降るばかり

この悲しみ このさびしさ
涙の夜 ひとりの夜
あなたは来ない いくら呼んでも
白い雪が ただ降るばかり


私の故郷は、新潟の豪雪地帯。今は、あまり降らなくなったが、私の子供の頃は本当に沢山降った。毎年、二階の窓から出入り出来るくらいに積もる。

本当に積もる時は、今日のように“雪”のような雪ではない。細かい粉雪。隣の家も白く煙って見えないほどの密度で降り続く。全ての音を消してしまうように、世の中は雪の降り積もる“サラサラ”という無音の音だけ。

風も無くただ降り積もる日々は、そんなに寒くない。窓辺でじっと見つめていると、異次元の世界に吸い込まれていくように感ずる。少しずつ、少しずつ雪の背丈が伸びていくのが分かるのだ。

今と違い、TVも玩具も無かった子供時代、冬は何をして遊んでいたのだろう。きっと、雪の世界を見つめながら空想の世界で遊んでいたのだろうな。そして、晴れたら、雪遊びをしょううと。

子供の頃は、冬は雪が降って当たり前、雪が積もって当たり前。どこに行くにも歩いて行く。自転車で通っていた中学校までも、毎日、毎日、ひたすら歩いて通った。

でも今、田舎でも、もうそんな風景は無くなった。ちょっとでも、積もれば機械で吹き飛ばしてしまう。道は道として、出ていないとダメみたいに。車は、いつも乗れないといけないみたいに。一家に一台、雪を吹き飛ばす機械がある。どんなに大雪の時でも、車が走れない時はない。

アダモの唄は、心を昔に遊ばせる。
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シクラメンが咲いた

2008-01-22 20:31:32 | 花と自然
買って来てから、どのくらいたつのか記憶に無いが、今年もシクラメンが咲いた。

昔は、シクラメンは一冬の花と思っていた。だから、春になり咲かなくなれば処分していた。でも、キチンと管理すればずっと咲き続ける事を知った。夏を上手く乗り越えれば大丈夫と言うことを知った。

花が終わり、春になり、ベランダの一番涼しそうな所に並べておく。夏でも、葉が枯れない鉢はずっと水を切らさずやり続ける。葉が全て枯れてしまった鉢は、水をやらずにそのまま日陰に置いておく。10月頃になったら、水をやり始めると、沢山の芽が出てくる。

別に、肥料はやらないが、お正月が終わり、今頃になると花が咲き始める。「今年も、無事に咲いてくれたのね」と優しく声をかけてあげる。

ピンクの花ばかりなので、今度、白いシクラメンを買って来ようかな。

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FC東京の梶山くん

2008-01-21 21:49:00 | FC東京とサッカー
梶山くんが今年は背番号「10」を付ける。嬉しいし、非常に期待している。

去年は、クラブが振るわなかった。どうして、こんなに勝てないのだろう。特にホームで。選手の顔ぶれを見ていれば、そんなに悪くは無いのに、どうしてだろうとトボトボとスタジアムから帰った。

だから、私の楽しみは梶山くんのプレーを見ることだった。時に見せる素晴らしいミドルシュート。時に見せる、囲まれた狭い所でのクネクネと不思議なボールのキープ。時に見せるノールックのキラーパス。時に見せる、しつこい敵の追廻し。時に見せる、ゴールが決まった時の強張ったようなちょっと不気味な(?)不思議な笑み。

今年は、それらがもっと磨きがかかって、マスマス手が付けられなくなる事を望む。今から、ワクワクしている。

私が、「梶山くんが可愛いカワイイ」と言うと仲間は笑う。確かに、ユータや増嶋くんやオマちゃんのように美しい人は見ていて楽しい。

でも、梶山くんは見ていて飽きない。ピッチの上の梶山くんはカッコいいし、姿勢が美しい。

今年は私達の期待通りの“梶山くんの年”になってほしい。そうすれば、私達も楽しいシーズンを送れるのではないかしら。

城福監督の唱える「ムービングフットボール」の情熱を聞き、新しいシーズンへの期待が盛り上がってくる。今年こそ、今年こそは、見ていて楽しいゲームが、次に又、スタジアムに行くのが待ち遠しいようなゲームが見れるのではないかしら。

何か、期待でワクワクして来た。




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FC東京、今日から始動

2008-01-20 16:14:32 | Weblog
小平に行って来た。寒いけど、天気がいいのが何より。夜には雪と言っていたので。

去年は期待で胸膨らませて小平に行った。新しい選手は?又、原さんだしと。ワクワクしていた。

今年は、本当に気持ち的に盛り上がらない。でも、ノブオさんが戻ってくると言うので、少しは嬉しい気持ちで出かけた。

やっぱり、ノブオさんは先頭を走っていた。たとえどうであろうと、あのノブオさんの一生懸命さ、あの頑張りは東京には必要だと思う。何週、走ってもノブオさんは先頭だ。それに比べて、モニは走れないなー。誰よりも走りに付いて行けない。ずっと、最後尾を走っている。先頭と一周遅れになってしまった。最後の走りでは、途中でリタイヤしてしまった。そして、誰よりも疲れている。休みはタップリと休み過ぎたという事?それとも、どこかが不都合。単なるスタミナ不足?

ブルーノさん、髪をなびかせて走っていた。カッコいい!楽しみだ。握手はしっかりと力を込めたしてくれた。

赤嶺くんは別メニューだったが、もう、走ってボールを蹴っている。多分、開幕には間に合うのではないかしら。頑張って!!

面白かったのは長友くん。受け答えもしっかりと体育会系。あちこちで受けていて、笑い声がする。ノブオさんには拍手と「お帰りなさい!」の声。

城福監督は終始、ニコヤカに私達サポーターに握手をしていた。頼もしそうに感ずる。

梶山は赤い顔をして、ハニカミながら握手をしていた。いつもの通り。そして、誰よりも長くマスコミにインタビューされていた。何を話しているのだろう。真っ直ぐに姿勢の良い立ち姿で答えている。背番号「10」期待しているよ。更なる飛躍を、オリンピックの年だし。

帰り、友達と遅い昼食をとりながら去年の事、新しいシーズンの事、諸々を話す。友達に言われた。「どう、少しは気持ちが盛り上がってきた?」

やっぱり、選手達の練習している姿を見ればワクワクして来る。大きな声で指示を飛ばし、選手達の名前を呼ぶ監督の声を聞くと、期待で胸が膨らんでくる。

これから、キャンプが始まり、開幕はまだまだ先だけれど、皆、怪我をしないで万全の準備で開幕戦に臨んで欲しい。

それまで、私達も応援への力を溜めて待っているから。

足を出して走っているのはブルーノさん



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この頃のFC東京

2008-01-17 22:34:38 | FC東京とサッカー
毎年、今頃は高校サッカーも終わり、やっとシーズンが終わったなと思い、新しいシーズンの始まりを待ち焦がれる時期だ。去る人、来る人を思い、「早く始まらないかな・・・」と。開幕戦の組み合わせが発表されると、ソワソワして来る。そして、チームのキャンプの予定も聞こえて来ると、もう、気持ちが高鳴り落ち着かなくなって来る。。

でも、今年は何だか変だ。私の気持ちが前に進まないのだ。去年のドイちゃん、福西さんが始まりだった。突然の来期の契約無し。信じられなくて、ドキドキした。そして、イロイロの噂、と現実。今ちゃんで揺れ動いた年末。

思い入れのある人達が去って行く。増嶋くんも今期はまだ修行の旅。ユースからの昇格組には思い入れがあるが、今まで気持ち的にニュートラルな人達が仲間になる。どうなんだろうと心は浮き立たない。

そして、極めつけは、ユータの千葉への移籍。心が揺れているのは聞いていたけど、東京に残ってくれると思っていた。今年は、元気にプレーする姿を見れると思っていた。東京の子供達の大好きなノリオとユータがいなくなる。寂しい。

日本代表のキャンプが始まったが、私の気持ちは盛り上がらない。昔ほど、代表に目が向かない。代表よりも、何と言ってもクラブ。FC東京の方が遥かに大事。東京がしっかりして来れば、代表も応援する気になってくるだろう。

20日から、チーム練習が始まる。まだ、新監督の事もよく分からないし、取り合えず、日曜日に行って来ようかなと思っている。この目で、東京の選手達を見れば、新しいシーズンへのウキウキした期待の心がわき上がって来るだろう。

新しいシーズンが楽しいシーズンである事を望んでやまない。

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娘がハワイへ

2008-01-16 21:57:51 | Weblog
今日から一週間、娘が友達とハワイに行った。この時期、毎年、娘はハワイに行っている。とにかく、冬がイヤなのだ。毎日、毎日、「寒くて、死にそう」と言いながら会社から帰ってくる。「冬の間はずっとハワイに居たい」と春になるまで言っている。

去年は一ヶ月、ハワイのコンドミニアムを借りて一人で行っていた。その間、夫が一週間程、娘の所に遊びに行った。私にも来いというが、どうも、ハワイは行く気がしなくて。

そんな事を、姉の所に行った時にしたら、姉が行きたいと言う。じゃあ、来年の今頃、行って見ようかと言う事になった。

娘に話したら「ハワイはやっぱり、女同士がいい」と、言う。私も、外国に行くなら、本音は女同士が絶対に、いい!。

夫を置いて、私と娘と姉と行ったら、夫がひがむだろうな。


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新幹線での出来事

2008-01-15 22:13:42 | Weblog
夕方、名古屋から新横浜までの新幹線は混んでいた。座席指定席を取るには4つ先まで無かった。仕方ないから自由席で帰る事にする。

以前、何も考えなくて自由席に飛び乗って空席に座ったら、そこは喫煙車だった。煙がもうもうとしていた。車両を移ろうと思ったが、疲れていたので我慢した。

だから、停車位置の禁煙のマークを何回も確かめて並んだ。前に子供を連れたお母さんもいた。自由席も混んでいた。入ったすぐの三人掛けに窓側に一人しか座っていなかったので、そこに座った。本を読む。

しばらくして、窓側に座った中年の男性がそっとタバコを吸いだした。「あっ喫煙車だ」と思ったけど、出入り口のそばだし、人が出入りするからいいか。それにしても、周りにあまりタバコの匂いがしない。そっと周りを見たが漂う煙が見えない。喫煙車だがあまり吸う人がいないみたいだ。

時々、ちょっと太った中年のサラリーマン風の男性が、入ったり出たりして覗きに来る。別に中に入るわけでもなく。そのうちに、その男性が「そこ、空いてますか?」と真ん中の空いた席を指差す。「どうぞ」と言ったら、慌てて座ってタバコを出した。

それからが、大変だった。隣の男性に「最近、タバコを吸う所がなくて頭にきますね。これは憲法違反ですよね。まったく人権蹂躙だ。ちゃんと売っているのだし、沢山の税金を払っているのだし。もう、裁判に訴えるべきですよね」とまくし立てた。

一方的にしゃべるのである。そのうちに小泉前首相の批判。竹中氏の批判。竹中氏はアメリカの回し者で日本の経済を滅茶苦茶にして、格差を広げ、アメリカの為に働いたと。ホリエモンの批判。彼は政治に興味を持ったから、捕まった。だから楽天の三木谷は大丈夫だった。そして温暖化の事やら、何から何まで、全てを隣の他人に立て板に水で話し続ける。その間、次から次へとタバコに火をつける。結局、立て続けに5本も吸った。しゃべりながら吸い、吸いながらしゃべる。

一人でしゃべり、そして、あっと言う間に行ってしまった。窓側の男性と顔を見合わせて、肩をすくめて苦笑いをした。

何と独りよがりな人。自分だけが正しいと思っている人。あんな人が上司だったらイヤだ。そんなにタバコが吸いたいのなら、何も禁煙車の座席指定を取る事は無いのに。初めから、喫煙車に乗っていればいいものを。だから、子連れのお母さんが指定席を取れなくて、我慢して喫煙車に乗る事になるのだ。

早くすべての車両が禁煙車になる事を望む。


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母と会って

2008-01-14 22:53:59 | 年老いた母
姉と同居している母に会いに行って来た。前よりもしっかりして来たように思う。

朝起きても、前ほど「ここはどこ?」状態が酷く無い。目が覚めて嬉しいそうに言う。「あ~あ、一人ぼっちじゃなかった。良かったー」と。私がいる間、毎朝、目が覚めると布団の中で私を見て、そう言いう。何十年も父と二人でベットと並べて寝ていたので、一人で寝るのが寂しいのだ。

「どうして一緒に連れ行ってくれなかったのだ」と、枕元の父の写真立てをバタンと倒す。「どんなに仲がよくても、一緒にはあの世には行けないのよ。父ちゃんは寿命だったんだから。母ちゃんも寿命までは生きないと」 

夜中に一人で起きてトイレにやっと歩いて行く姿を布団の中で見つめながら、なぜか胸が熱くなる。やっと立ち上がり、腰を曲げて杖を突き、漏れるといけないので急いで行く。途中に段差があるがそれは大丈夫だ。母が住んでいた田舎の古い家は段差だらけだった。そこで慣れているのか、段差は平気である。かえって、わたしの方が「痛い!」と思う事がある。

イロイロな事を忘れるのはしょうがないが、それでも、話は前よりもしっかりしたように思う。姉が「話し相手になって、一杯話をしていると頭がハッキリするみたい。それに、最近ディーサービスで体操したりリハビリしたり工作したりイロイロやるみたいで、刺激があるからかもしれない」と言う。最初は行くのを渋っていたので、周2回だったが、今は楽しいからもっと行きたいと言うので周3回に増やしたそうだ。

娘がインドに行った時に買って来た“ぬりえ”を持っていったら、大喜びだった。大人の“ぬりえ”が流行っているが、花や景色で飽きて面白味が無いみたいで。確かに変わっていて絵が面白い。夢中になって塗っていた。又、娘に探してきてもらおうかな。

帰る時、母は「もう、あえないのか?」と涙ぐんで聞く。「来月の母ちゃんの誕生日に今度は、温泉に行く事にしているから、その時、また 会えるから」と言っても、目を瞑って顔を伏せてしまう。「帰るからね」と言っても、子供みたいに手で顔をおおってしまった。「すぐに会えるから。ね。じゃ、コタツにもぐって昼寝しょうね」と、枕を渡した。すぐにコタツにもぐって目を瞑ってしまった

本当に、子供にもどったような可愛い母。でも、やっぱり姉は大変だろうな。私は時々会って話し相手になるだけだけど。よくなる事はないのだから、このままの状態がずっと続く事を祈る。


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