面白かった。とにかく面白かった。
恩田陸さんの本は何冊か読んだ事がある。ちょっと不思議な世界の話もある。
「両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年一度、集う夏休み。中学生の練と妹の千華子、母とともに、考古学者の父がいる中米のG国までやってきた。密林と遺跡と軍事政権の国。すぐさま四人はクーデターに巻き込まれ、避難中のヘリから兄妹が落下、親子は離れ離れに!?・・・。」
という説明に引かれて読み始めた。兄妹の密林でのサバイバル。両親はどうやって二人を救い出すのか。そんな気持ちで読み始めた。
練と千華子は生き残る為に必死に考えながら行動する。そして、緑の海の底では、もし救助隊が来ても分からないから、空からの目標になる物・場所を探して歩く事にする。自分達が観光で目指していたマヤの遺跡を目指して。方向も分からない鬱蒼としたジャングルの中を工夫してコンパスを作り、サバイバルが始まる。
両親はクーディターのシティに囚われの身となる。そして、普通のクーディターとの違和感を感じながらも、子供達を救い出す為に脱出をする。
でも、途中から、話が予想している方向と違ってくる。題名の「上と外」は“下と中”になって行く。途方も無い大きさの地下都市のマヤの遺跡に、練と千華子は“ニコ”と言う少年に連れて来られる。そこで、マヤ文明の“成人式”の儀式に参加させられる。練にとっては初体験の途方も無い恐怖!
なる程、こういう話か、と思っていたら、又、物語は違う方向に流れ出した。
G国最大の火山「イザベラ」が大噴火するのである。この、噴火は、マヤの末裔の人達には日時が分かっており、それにむけて用意周到にクーディターは進められていた。イザベラの大噴火により大都市シティは壊滅する、だから、その後に人類の理想の国家を作ろうと。
クーディターを成功させた暫定政府は強制的に住民をシティの外に非難させ、崩れて危ない建物は壊す。何も知らない市民は抵抗する。シティの周りにはこの日の為に世界中から集まった人達がキャンプをしながらジッと“神の楔が抜ける”時を待っていた。
練と子供達がイザベラの大噴火から脱出するシーンと、一人ぼっちになった千華子が両親の乗ったヘリに救出されるシーンは迫力満点。“ダイハード”よりもハード。ハラハラドキドキで早く終わりを、いえ、まだ終わらないで、と私の周りは溶岩の灼熱と遺跡の崩壊に包まれた。
“上と外”から“下と中”へ。そして、“下と中”から“上と外”へ。
可笑しかったのは、暫定政府が全世界からの災害救助の申し出を「アメリカからだけは受けない。でも、メデァは受ける」とした事だ。理想の国家に大国の思惑を入れたくなかったのだろう。
とにかく、面白かった。久々にワクワクした。
恩田陸さんの本は何冊か読んだ事がある。ちょっと不思議な世界の話もある。
「両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年一度、集う夏休み。中学生の練と妹の千華子、母とともに、考古学者の父がいる中米のG国までやってきた。密林と遺跡と軍事政権の国。すぐさま四人はクーデターに巻き込まれ、避難中のヘリから兄妹が落下、親子は離れ離れに!?・・・。」
という説明に引かれて読み始めた。兄妹の密林でのサバイバル。両親はどうやって二人を救い出すのか。そんな気持ちで読み始めた。
練と千華子は生き残る為に必死に考えながら行動する。そして、緑の海の底では、もし救助隊が来ても分からないから、空からの目標になる物・場所を探して歩く事にする。自分達が観光で目指していたマヤの遺跡を目指して。方向も分からない鬱蒼としたジャングルの中を工夫してコンパスを作り、サバイバルが始まる。
両親はクーディターのシティに囚われの身となる。そして、普通のクーディターとの違和感を感じながらも、子供達を救い出す為に脱出をする。
でも、途中から、話が予想している方向と違ってくる。題名の「上と外」は“下と中”になって行く。途方も無い大きさの地下都市のマヤの遺跡に、練と千華子は“ニコ”と言う少年に連れて来られる。そこで、マヤ文明の“成人式”の儀式に参加させられる。練にとっては初体験の途方も無い恐怖!
なる程、こういう話か、と思っていたら、又、物語は違う方向に流れ出した。
G国最大の火山「イザベラ」が大噴火するのである。この、噴火は、マヤの末裔の人達には日時が分かっており、それにむけて用意周到にクーディターは進められていた。イザベラの大噴火により大都市シティは壊滅する、だから、その後に人類の理想の国家を作ろうと。
クーディターを成功させた暫定政府は強制的に住民をシティの外に非難させ、崩れて危ない建物は壊す。何も知らない市民は抵抗する。シティの周りにはこの日の為に世界中から集まった人達がキャンプをしながらジッと“神の楔が抜ける”時を待っていた。
練と子供達がイザベラの大噴火から脱出するシーンと、一人ぼっちになった千華子が両親の乗ったヘリに救出されるシーンは迫力満点。“ダイハード”よりもハード。ハラハラドキドキで早く終わりを、いえ、まだ終わらないで、と私の周りは溶岩の灼熱と遺跡の崩壊に包まれた。
“上と外”から“下と中”へ。そして、“下と中”から“上と外”へ。
可笑しかったのは、暫定政府が全世界からの災害救助の申し出を「アメリカからだけは受けない。でも、メデァは受ける」とした事だ。理想の国家に大国の思惑を入れたくなかったのだろう。
とにかく、面白かった。久々にワクワクした。