最近は、遠方のアウェイには、私一人で行く事が多かった。
今回は、リーグが始まる前から、徳島に行こうと仲間を誘っていた。誰も、行った事の無い所だったので、観光をしようと。
九州にいる仲間が行きたいと言っていたのだが、思うように日程が組めなくて来れなかった。
それで、3人で行く事にした。
天気はいいし、暑くも無く寒くも無く、本当に気持ちが良かった…。
でも、アウェイ徳島は遠く不便だった。
空港に降り立って、バスでスタジアムに向かった。途中でバスを降り、スタジアムに向かった。
地図を見ながら、ノンビリを歩く。
途中の畑で始めた見る光景。何の野菜を育てているのだろう。一個一個土を固めたお団子が乗っている。友達と、何の意味があるんだろうね、とああだこうだと言いながら歩く。
そして、あまりにも鮮やかにテラテラと赤いポスト。
どこにでもいるスダチくん。
前も後も東京サポーターは誰も歩いていない。飛行機は東京サポーターの貸し切りみたいだったのに。前のバスで行ったのだろうか。
徳島のサポーターも見かけない。なによりも歩いている人達が見当たらない。
遠くに見える照明灯を目当てに歩いて歩いて歩いて。
川に近づいたらそれぞれのサポーター達が歩いていた。私達、道を間違えたみたい。でも、取りあえずスタジアムに着いた。
スタジアム前の食べ物屋さんの前には、いつもの見なれた行列が出来ていた。
早速私達も“東大”に並ぶ。そこの徳島ラーメンを食べる事にした。
何人か知り合いが並んでいて、話をしていたら、「フレッシュカツ、売り切れです」 の声。「さすが、東京サポ」 と笑ってしまった。
ウロウロしながら、「そろそろ、中に入ろうか」 と入って席を決める。
知り合いに声をかけられ、「来てたのね。今回は友達と来たよ」 と話す。
トイレは、手にハンコをもらって外へ、外といっても階段の下だけど。
相変わらず、東京のサポーターは多いな。そして、いつものように、社長が挨拶に。
何となくノンビリと余裕を持って応援。
まさか、無得点で終わるとは思わなかった。確かにシュートは沢山打ち、コーナーキックもこれでもかと思うほどあった。でも、どうしてもゴールが無い。
どうして、本当に、どうして決まらないのだろう。
失点 “0” であれば、勝ち点 “1” はもらえるけど、それが目的では無かったはず。
あれだけのコーナーキック、淡々と蹴るのでは無く、もっと工夫を凝らせなかったかと思う。
カズマもいつもいつも、ボールをもらう時に後ろ向きに相手DFを背負ってもらい、落として、前を向こうとするのではなく、もっと工夫が出来ないものか。見ている私にも分かりやすいプレーだから、守る方も分かりやすいのでは。
最近、自信が無いのか、ボールが横横、サイドからサイドに、そして、後に戻してが目に付く。私だけがそう感ずるのだろうか。
河野くんの、ガンガン裏を狙うプレーやドリブルで行ける所まで行くようなプレーが、ちょっと影をひそめている。
誰がスタメンか分からない頃の勢いが無くなったように思う。この頃スタメンがほぼ固定され、交代も予定通りになってきて、プレーがこじんまりとなったように思う。
誰がシュートを決めてもいいが、やっぱり、FWが決めてくれた方が私は嬉しい。
完全に崩してからのシュートもいいんだけど、カウンターも、もっとあってもいいのでは。
負けなかったのに、何か、負けたような気持になった。
これで順位が下がるね、と言ったら、友達に、「負けていないよ。勝ち点 “1” はゲットしたんだから。」 「あ、そうだった。引き分けだったね」 と、笑われた。
帰り、外で社長が帰る人達と握手をしていたが、なんか、辛そうだった。
帰りは、皆の後を付いて行った。「川沿いに来ればよかったんだよ」 と言いながら。
又、歩いて歩いて青赤さん達に付いて行ったら、何と、ほとんどの人が駐車場へ。空港でレンタカーを借りて来たのね。どっかに、不便だから空港でレンタカーを借りた方がいいと書かれていたっけ。
確かに、不便だった。
帰りが明るくて天気が良かったから、地図を見ながら、何とか人に聞きながらもバス停に辿り着いたが、これが、真っ暗な夜だったら、はたして、バス停に辿りつけただろうか。その前にバスがあるだろうか。明るくても、雨風だったら…。
友達と、もう、次があっても2度と来ないねと。
あれだけ沢山の東京サポーターが行ったのに、駅からのシャトルバスはない。延々と歩いて、やっと探した路線バスは、1時間にほぼ1台。それも、空港回りだったり。
そして、私達の乗るバスも空港回りだった。たくさんの東京サポの行列に、はたして、空港へ行く人が乗れなかったらどうするんだろう、と心配していたら、さすがに、空港行きのバスを臨時で出すという。
本当に、飛行機に間に合わなかったらどうするの。
臨時の空港行きバスが2台来て、私達のバスも空港回り。何かな…。
それから、バスに1時間以上も揺られて、やっと徳島駅に辿り着いた。本当に疲れた。
でも、友達が予約してくれたホテルは、新品の綺麗なビジネスホテルだった。何といってもレディスフロアーだ。部屋にスチーム美顔器まである。ゴミ箱までステキ。最上階にある温泉に行くための小物入れのバスケットが可愛い。
友達が、「人気があって予約取るの大変だったよ」 と。
夕飯は、友達が調べてくれた海鮮の美味しいお店。
お通しで出された物を見て、3人で 「これは何?どうやって食べるの?」
初めて見た。お店の人に聞いたら、「カメの手」 だって。
友達が言った。「これだよ、ハラヒロミがスペインに行った時に、美味しいと言ってたの」 と。
初めて食べた。ちょっぴり塩味の貝だった。
娘に写真を送ったら、「ガメラの手?」 と返信が。
気が付いたら、ほとんど、東京のサポーターで埋まっていた。あっちでこっちで、試合や選手の話が聞こえる。
本当に、東京の人達は、お約束通りの行動をする。私達も含めて、笑ってしまう。
明日は、行く所行く所で東京サポに会うんだろうな。
美味しい料理に満足して、ホテルに帰り、くたびれて温泉に行かないで寝てしまった。明日の朝に温泉に行くつもりで。
行きの飛行機は、東京サポーターで埋まっていた。
間もなく着陸しますのアナウンスの後に東京サポーターへエールが送られ、飛行機の中は東京サポーターの拍手で満たされた。
帰りの飛行機も満席だった。スチュワーデスさんに、「引き分けでしたね」 と声をかけられ、いろいろと話をした。最後に私の方から、行きの事もあったので、「ありがとうございます」 とお礼を言った。
そして、飛行機を降り、出口に歩いていたら、古い知り合いのサポーターに会った。
彼曰く、「行きの飛行機で隣にJリーグの関係者がいて、JALから沢山のサポーターに乗っていただいてありがとうございますと、感謝されたと言っていたよ」 との事。
いつだったか、どこの試合だったか忘れたが、やっぱり、飛行機の中は東京サポで一杯で、アナウンスでエールを送られた事がある。その時も、私達は拍手で答えた。