先週の金曜日の夜に「第一期工事着工」についての小範囲の住民説明会があった。参加した人が作成した「議事録」を見せていただいたので、その時の説明会の私なりの感想を書こうと思う。主催者側が15名、傍聴者約150人。
その前に、開発組合からいただいた「南山東部地区街づくり通信、第2号“みなみやま”」の中の「安全で緑豊かな次世代に誇れる街づくりを目指して」のイメージイラストに異議がある。
この絵には、私達が一番、問題にしている3本の幹線道路が記されていない。道路は緑のポンポンの為、初めて見る人には本当の姿が分からないし、本当に緑豊かに見える。平面図なので、スロープ化した山肌を駆け上るひな壇の住宅地も分からない。そして、広い用地が用意されている府中の墓地。図には“公益施設用地”となっている。
稲城市が住みよさランキングの第一に選ばれた事に、開発を推し進めている議員が言っている。「この評価の中の“快適度”が高く評価されており、緑が多く、交通量がさほど多くない、都心部に近いなど、考えられる稲城市だからこその評価であると思います」と。
でも、この開発が行われれば、まず、一つの里山が消えて緑が減り、幹線道路が3本も通るため、通過交通量が格段に増える。言っている事とやろうとする事が矛盾している。
まず、説明会の冒頭に森工事担当理事が「この区画整理は稲城市の総合計画に明確に位置づけられている。この事業に対して、市議会に対する請願や現職議員5人による反対運動、マスコミにも取り上げられているが、粛々と進める」とおっしゃった。
地権者の90%の賛成で組合を立ち上げ、平成5年にスタートし、平成20年12月の地権者に対する仮換地指定を実施するまでの流れの説明。これを聞いていると、10年前、私が稲城に住む事を決める為に、市役所で開発の予定は無いのかとの問いに「開発予定は絶対にありません。」と断定した事はウソになる。
その後、第一工事の説明がコンサルタントよりあった。おもな事は、防災の為の雨水の仮設湧水池を作る事。盛土の安全性についての実験を行う事。稲城駅前の道路で下水道工事を行う事。5月10日に起工式を行う事。
その後、質疑応答があったが、回答なしだったり、意見として聞いておくだったり、もう決まった事だからだったりと納得のいくものではなかった。
本当に狭い範囲の人達を集めての説明ではなく、市全体に説明する責任は無いのかの質問に「全市に広げると終始がつかなくなる。組合が自治会長と相談して決めた。」と。
狭い範囲の人達だけへの説明と自治会に話したからとの事に批判の声が上がる。
自然保護団体の意見を取り入れている言うがその自然団体の内容、人数、どういう人がかかわっているのかの質問に「“南山の自然を守る会”代表菊池さんとやっていてメンバーは70名。鳥の調査、植物の移植の立会、保留地の緑地を残そうと一緒に検討している。提案されたコモンズ案を取り入れている」
その回答に出席者から「私は以前会員だった。たしかに、以前は会員が70人いたが、コモンズ案を出した時点で皆脱退し、今は5~6人しかいないはずです」
5~6人の意見をコモンズ案として組合が自然保護団体と一緒にやっていると言えるのかの質問に「ご意見として伺っておく」
この事業に税金が投入される事でもあり、見直し要求に2回も2万名以上の署名が集まったのに、議論もしないで何故進めるのかの質問に、回答は無かった。
本格的な工事が始まるのに、連休を控えた金曜日の夜7時では、特に説明範囲には参加が難しいサラリーマンが多く、再度説明会を開催し、問題点について地域住民と協定を結んでほしい。
それに対して「事業認可を取る時幅広く意見をきいてその意見を整理して所定の手続くを取って立ち上げたので、再度説明会は行わない。融資でまわしている事業であり、準備工事も終わり本格工事が始まる時に見直しは出来ない」
また、道交法で25トントレーラーや50トンナフタクレーンの運行時間は21時から翌6時までとなっている為、住宅地を通るためのお詫びの言葉と理解をと。
又、オオタカが住んでいる事には十分配慮すると言うのみ。
発掘された遺跡について見学会を行って市民都民に見せるべきではとの問いに「現物保存のランクのものは無かった。見学会をする予定もない。遺跡には入らないで欲しい」
地権者の一人が「昨年3月の総会で土地の下落率は10%と言ったが、今年はなぜ総会を開かないのか。世界不況で下落率が増え、土地の下落をどう反映しているのか」の質問に「区画整理組合に来て欲しい」と地権者の不安にたいしても無視。
10年以上かかる事業に税金を投入するが、採算ラインはどの位か、破産したらどうするのか、事業計画の金額は幾らになるのか、安全な事業なのか、事業計画と正確な資料を……回答なし。
盛土が崩れて被害が出た時、組合は責任を取ってくれるのかの問いに「組合は事業が完了したら解散する。多摩ニュータウンもそうだった。」
まだまだ、質問者が多数いるのに、時間が来たら終了を宣言して理事達はさっさと退席してしまった。
形だけの説明会。私達の疑問にはほとんど納得の行く回答は無かった。もう義務を果たしたのだからと、ドンドン工事を始めて行くのだろう。
組合は必ず、ここまで沢山のお金を注ぎ込んでいるのだから、1日10万円の利子を銀行に払わなければならないのだから、と言う。私達だってそんな事は分かっている。だから「それを言っちゃオシマイヨ」と言いたくなる。それを言えば、お金の為だけに工事をやるのねと突っ込みたくなる。
今、工事が中断していて、束の間の平安を得ている。一日中、静かな時間の中に、小鳥の声や、道路を掃除する音、子供たちの遊ぶ声、緑濃くなった里山の木々の間を吹き抜ける風の音、空の彼方の飛行機の音。
5月10日の起工式が終われば、工事用のダンプの通行時の騒音と振動。山の木々を引っこ抜く重機の音。これから、風の吹く日が多くなるが、里山を崩す時の砂埃が細かく舞い上がり住宅地に降りかかるるだろう。
圧倒的住民の願いを無視して、進んで行く事の悲しみを感ずる。
明日は、中学生・高校生・大学生・専門学校生ら若者が中心になって立ち上げた「ちーむポンポコ」が主催する“歩こう第1回南山ポンポコウォーキング”が開かれる。
ポール・コールマン、菊池木乃実、ツリーマンと一緒に南山の将来や地球の未来について、植樹しながら考える。
私も参加したいが、残念ながら仕事で行けない。未来人の若者達が企画した事に希望を感ずる。
工事が中断した為に、削られた崖地に緑が生い茂って来た。
その前に、開発組合からいただいた「南山東部地区街づくり通信、第2号“みなみやま”」の中の「安全で緑豊かな次世代に誇れる街づくりを目指して」のイメージイラストに異議がある。
この絵には、私達が一番、問題にしている3本の幹線道路が記されていない。道路は緑のポンポンの為、初めて見る人には本当の姿が分からないし、本当に緑豊かに見える。平面図なので、スロープ化した山肌を駆け上るひな壇の住宅地も分からない。そして、広い用地が用意されている府中の墓地。図には“公益施設用地”となっている。
稲城市が住みよさランキングの第一に選ばれた事に、開発を推し進めている議員が言っている。「この評価の中の“快適度”が高く評価されており、緑が多く、交通量がさほど多くない、都心部に近いなど、考えられる稲城市だからこその評価であると思います」と。
でも、この開発が行われれば、まず、一つの里山が消えて緑が減り、幹線道路が3本も通るため、通過交通量が格段に増える。言っている事とやろうとする事が矛盾している。
まず、説明会の冒頭に森工事担当理事が「この区画整理は稲城市の総合計画に明確に位置づけられている。この事業に対して、市議会に対する請願や現職議員5人による反対運動、マスコミにも取り上げられているが、粛々と進める」とおっしゃった。
地権者の90%の賛成で組合を立ち上げ、平成5年にスタートし、平成20年12月の地権者に対する仮換地指定を実施するまでの流れの説明。これを聞いていると、10年前、私が稲城に住む事を決める為に、市役所で開発の予定は無いのかとの問いに「開発予定は絶対にありません。」と断定した事はウソになる。
その後、第一工事の説明がコンサルタントよりあった。おもな事は、防災の為の雨水の仮設湧水池を作る事。盛土の安全性についての実験を行う事。稲城駅前の道路で下水道工事を行う事。5月10日に起工式を行う事。
その後、質疑応答があったが、回答なしだったり、意見として聞いておくだったり、もう決まった事だからだったりと納得のいくものではなかった。
本当に狭い範囲の人達を集めての説明ではなく、市全体に説明する責任は無いのかの質問に「全市に広げると終始がつかなくなる。組合が自治会長と相談して決めた。」と。
狭い範囲の人達だけへの説明と自治会に話したからとの事に批判の声が上がる。
自然保護団体の意見を取り入れている言うがその自然団体の内容、人数、どういう人がかかわっているのかの質問に「“南山の自然を守る会”代表菊池さんとやっていてメンバーは70名。鳥の調査、植物の移植の立会、保留地の緑地を残そうと一緒に検討している。提案されたコモンズ案を取り入れている」
その回答に出席者から「私は以前会員だった。たしかに、以前は会員が70人いたが、コモンズ案を出した時点で皆脱退し、今は5~6人しかいないはずです」
5~6人の意見をコモンズ案として組合が自然保護団体と一緒にやっていると言えるのかの質問に「ご意見として伺っておく」
この事業に税金が投入される事でもあり、見直し要求に2回も2万名以上の署名が集まったのに、議論もしないで何故進めるのかの質問に、回答は無かった。
本格的な工事が始まるのに、連休を控えた金曜日の夜7時では、特に説明範囲には参加が難しいサラリーマンが多く、再度説明会を開催し、問題点について地域住民と協定を結んでほしい。
それに対して「事業認可を取る時幅広く意見をきいてその意見を整理して所定の手続くを取って立ち上げたので、再度説明会は行わない。融資でまわしている事業であり、準備工事も終わり本格工事が始まる時に見直しは出来ない」
また、道交法で25トントレーラーや50トンナフタクレーンの運行時間は21時から翌6時までとなっている為、住宅地を通るためのお詫びの言葉と理解をと。
又、オオタカが住んでいる事には十分配慮すると言うのみ。
発掘された遺跡について見学会を行って市民都民に見せるべきではとの問いに「現物保存のランクのものは無かった。見学会をする予定もない。遺跡には入らないで欲しい」
地権者の一人が「昨年3月の総会で土地の下落率は10%と言ったが、今年はなぜ総会を開かないのか。世界不況で下落率が増え、土地の下落をどう反映しているのか」の質問に「区画整理組合に来て欲しい」と地権者の不安にたいしても無視。
10年以上かかる事業に税金を投入するが、採算ラインはどの位か、破産したらどうするのか、事業計画の金額は幾らになるのか、安全な事業なのか、事業計画と正確な資料を……回答なし。
盛土が崩れて被害が出た時、組合は責任を取ってくれるのかの問いに「組合は事業が完了したら解散する。多摩ニュータウンもそうだった。」
まだまだ、質問者が多数いるのに、時間が来たら終了を宣言して理事達はさっさと退席してしまった。
形だけの説明会。私達の疑問にはほとんど納得の行く回答は無かった。もう義務を果たしたのだからと、ドンドン工事を始めて行くのだろう。
組合は必ず、ここまで沢山のお金を注ぎ込んでいるのだから、1日10万円の利子を銀行に払わなければならないのだから、と言う。私達だってそんな事は分かっている。だから「それを言っちゃオシマイヨ」と言いたくなる。それを言えば、お金の為だけに工事をやるのねと突っ込みたくなる。
今、工事が中断していて、束の間の平安を得ている。一日中、静かな時間の中に、小鳥の声や、道路を掃除する音、子供たちの遊ぶ声、緑濃くなった里山の木々の間を吹き抜ける風の音、空の彼方の飛行機の音。
5月10日の起工式が終われば、工事用のダンプの通行時の騒音と振動。山の木々を引っこ抜く重機の音。これから、風の吹く日が多くなるが、里山を崩す時の砂埃が細かく舞い上がり住宅地に降りかかるるだろう。
圧倒的住民の願いを無視して、進んで行く事の悲しみを感ずる。
明日は、中学生・高校生・大学生・専門学校生ら若者が中心になって立ち上げた「ちーむポンポコ」が主催する“歩こう第1回南山ポンポコウォーキング”が開かれる。
ポール・コールマン、菊池木乃実、ツリーマンと一緒に南山の将来や地球の未来について、植樹しながら考える。
私も参加したいが、残念ながら仕事で行けない。未来人の若者達が企画した事に希望を感ずる。
工事が中断した為に、削られた崖地に緑が生い茂って来た。