あられの日記

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国の重要文化財登録 旧前田家本邸

2013年11月03日 05時31分28秒 | レトロ建築
今年も東京都の文化財公開ウィークのシーズンがやってきました。今年は、武蔵小金井駅から南へ。滄浪園から近藤勇生家跡への文化財ウォーキングコースを申込んでたいのですが、先週の土曜日は関東へ台風が接近中との事で中止となってしまいました~。凹んでてたら友人が「31日に東京駅の東大の博物館へ行こう」と誘って来たんだよ。
ん?10月31日??それって、文化財公開ウィークの期間内じゃん。なら、どっか公開してるかも~?と。調べたら目黒区の旧前田侯爵邸が公開になってました。しかもっ!!前田侯爵邸は今年8月に国の重要文化財に指定された記念で、特別に今まで公開した事のない、洋館と和館を繋ぐ回廊を公開とあったのですっ。キタコレーーーーっ!!
そういえば、前回あっこさんと訪問した時に、和館の2階へ上がれなかったんだよな。文化財公開ウィークの時は和館2階も公開になるハズ。これは行くしかないじゃんっ!
ってな事で行って来た。
実は旧前田家本邸の訪問は今回が3度目。既に記事にもしてるのですが、
旧前田侯爵邸洋館外観(2011年1月14日)の記事
旧前田侯爵邸和館(2011年1月13日)の記事
前田侯爵邸の階段&通路(2011年1月16日)の記事
前田侯爵邸の2階居室空間(2011年1月17日)の記事
今回は国重要文化財指定記念って言う事で、切り口を変えて紹介します。

まずは重要文化財指定物件を特定します。
文化庁の国宝・重要文化財(建造物)データーベースによると、
●洋館
●和館
●洋館渡廊下
●和館渡廊下
●茶室待合
●和館門及び塀
●門衛所
●正門及び塀

おお!?広範囲の指定を受けたのですねっ。画像はボロボロ抜け落ちて、どこまで紹介出来るかちと心もとありませんが、今回洋館を訪問したら、ボランティアさんの説明付きだったのですっ!もう願ってもないっ!では説明つきで画像紹介開始です。
旧前田家本邸 (ちなみに、呼称が変更になってます。以前は旧前田侯爵邸だったハズ)
胸名:洋館
年代:昭和4年(1929)
構造及び形式等:鉄筋コンクリート造り。建築面積978、25平方メートル、2階建て、地下1階。寄せ棟造り、塔屋3カ所付き、銅板葺き、
重文指定年月日:2013年8月7日(平成25)
所有者:国(財務省)。東京都。目黒区
解説:旧前田家本邸は、旧加賀藩主前田家の本邸である。
16代当主の侯爵前田利為が大正15年に本郷から駒場への本邸移転を決定し、昭和4年に洋館、同5年に和館が竣工した。基本計画は塚本靖で、設計は洋館を高橋貞太郎、和館を佐々木岩次郎、茶室を木村清兵衛が担当した。
洋館は、英国のチューダー式の重厚な意匠でまとめられ、家政の諸室も取り込んで、洋館だけで日常の生活が完結する。留学や駐在武官としてヨーロッパでの生活が長い利為の希望を反映している。
和館は、外国賓客に日本文化を伝える目邸で建設された迎賓施設に特化した近代和風建築である。
旧前田家本邸は、旧大名家が建設した和洋2館からなる住宅建築で、昭和初期における貴顕の生活像が表現された建物として高い価値が認められる。 以上、文化庁のホームページより。
さて館内見学開始です。

「こちら、2連のアーチが玄関につくられています。当主の前田利為公がヨーロッパ滞在した時の意向で、イギリスのチューダー式の意匠で作られています。

本来、鉄筋コンクリート建てなので、天井の木の梁、大理石の柱は必要ありません。
私「この大理石どこ製ですか?」
ボランティアさん「私たちはイタリア製って聞いていたのですが、酒井美意子さん(前田利為の長女)の書き残した本に『日本でいい石が見つかったとお父様がおっしゃった…』という記述があるので、日本製のようです。しかし石の専門家が『日本の石でこの模様は出ない』とも言っていて、詳しい事はわかりません」

なんつーか、高い墓石みたいだと。私は思いました。
びっくりする程広い玄関からの広い空間の右手にサロンがあります。
ここ、洋館なのに、入口にドアがないんだよねっ。何気に日本の家みたいだと思います。
このサロンには暖炉があります。暖炉に使ってる大理石はイタリア製。

ボランティア「前田家本邸には、数多くの暖炉がありますが、全てフェイクです。木をくべる事は出来ません。本館の地下にボイラー室があって、全館全て集中暖房のセントラルヒーティングとなってます」
つまり、暖炉は暖気の吹き出し口なのねっ。昭和4年にこのシステムっ!!時代を先取ってるなあ~。

ボランティア「天井をご覧下さい。照明も当時のものです」
私的には、照明も美しいけどその上のしっくいの出来が秀逸だと思いました。まだこういう技を駆使出来る職人が残ってたのね。
ちなみに、照明は全て日本製。しかも微妙にそれぞれデザインが違っていて、楽しかったわ~。
ボランティア「床は寄木細工になっています」

ボランティア「あっ。ここをご覧下さい」

ボランティア「今日はラッキーですねっ。窓のクリスタルの細工が綺麗に床に浮かび上がっています。説明案内しても、これが見れた時と見れなかった時のお客様の反応が全然違うんですよ」

ボランティア「サロンは外側から。食堂は内側から窓ガラスに細工がなされています」
へえ~。
手を伸ばす。
ボランティア「あ。触れないで下さいっ
館内は見るだけっ。触るの禁止です。ごめんなさいっ。うっかりしてました。

クリスタルは、床にプリズムも映し出してました。画像で虹色に輝く光が写るかな~?
ボランティア「サロンは今、喫茶店として利用しています。こちらをご覧下さい」
コーヒー1杯350円だったような…。私達が訪問した時はまだ茶店の営業前だったから、下の呼び出しボタンを見れたのだとか。

ボランティア「ボタンに男・女と書かれています。これは女中さんや男性の使用人の呼び出しボタンです」
案内してもらわないと、一切気付かなかったよ。ボランティアさんに説明を頼んで良かったわ~

長くなったので明日に続きます。
ちなみに、サロンの全景はこちらの記事で確認下さい。 旧前田侯爵邸洋館一階(2011年1月15日)の記事
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