書き直しレターフロムS 10 「春待ちノロマライフ」 期間限定公開中
2月中旬。
激しい南風が、うなりながら四万十を駆けぬけて行きます(春一番)。
冬のひやい北西風にウンザリしていた身には、なんとも嬉しいぬくい南風だけど、
大風は、我が家のベランダの庇(波板)も、吹き飛ばして行ったのでした。あらら。
風の威力は、これまであちこちのフィールドで体験してきましたが、
この四万十川でも、「風のパワーってスゲー!」と驚いたことが何度かあります。
そのひとつは、以前あるカヌー施設でバイトしてた時のデキゴト。
大風の日に、川原にカヌー(カナディアン)&カヤック数艇を置きっ放しにしていたら、
激しい突風が、一瞬にして艇を空に舞いあげた。まるで木の葉でも吹き飛ばすかのように軽々と。
「うわっ、スゲー!空飛ぶカヌーだ・・・」
そして空を舞った艇は、川原のあちこちに、ガシャ、ドスン!と落ち、ガラゴロと転がったのでした。
散らばった艇を集める。一艇のカヌーが行方不明・・・。いくら周囲を捜しても見当たらない。あれれ?
捜索の結果、川まで吹きとばされたカヌーは、速い水(増水してた)に乗り、下流に流された、と判明。
川で遊ぶときは、水かさだけでなく、風の強さにも注意が必要ですね。
2月18日。
朝の庭は、ピラカンサの赤い実をついばみにやってくる、
・ジョウビタキ・ヒヨドリ・メジロ・シジュウカラで、ぴーちくぱーちくとにぎやかです。
「ホーホケキョ!ケキョ・ケキョ!」。そこにウグイスのさえずりが。おおっ、初聞き!です。
少し離れた電線の上では、一羽のモズが「オイラにはカンケーないけんね」と高鳴いてます。クールですね。
2月末。
陽ざしたっぷり、ポカポカ陽気の日。最高気温は19度。
今年初、Tシャツ姿で近所を散策しました。
重い冬服を脱ぎすて身軽になると、なんだか気持ちも軽くなるような気がします。
「はやいとこ、Tシャツ&短パン&ビーサンの季節にならないかな・・・」
夏は、短パンいっちょうで外をうろうろしてても特に問題はナッシング。
都会(マチ)で暮らしてると、こうはいきませんね。田舎暮らしの気楽さです。
・ウメの薄紅・サクラのピンク(早咲き)
・菜の花の黄色・フグリの青紫・ホトケノザの赤紫・タンポポの白。
じゅんじゅんに咲く春の花が、早春の里山にじこじこと色をつけてます。
樹木の冬芽も大きくふくらんで、本格的な春近し、です。
*じこじこ(土佐弁):少しずつ、ゆっくり
冬のあいだは、カラカラに乾いてたフィールドに、あたたかな雨が降る日も増えてきました。
ひと足はやい春の訪れを感じさせる、恵みの雨。冬から春へ、空もうつりかわっています。
少し水量が回復した四万十川の水温は、15~16度。
1月末の水温は8度なので、ひと月で8度も水温が上がったコトになります。
明日から3月。いよいよ「カヌー&キャンプ」が楽しいシーズンの到来です。
アークでは、昨年度以上に皆さんが楽しめる個性的なツアーをご用意してお待ちしています。
少し足をのばして、四万十に遊びにいらして下さいね。
3月初旬
3月第1週は、寒のもどりでひやい(寒い)日が続きました。
7日(日曜日)は、今シーズン3度目の積雪に。
毎年のように雪が降る3月のはじめ。それはまるで、春を迎える儀式のようです。
3月14日。
春は、ネコの目天気。空は、クルクルとよく変わります。
風向きもかわりやすく、あたたかな南風が吹く日も増えてきました。
13日、14日は、日差しポカポカのぬくい週末。南風。
13日は、春の足摺の海を漕ぎ、翌14日は、春の四万十川を漕ぎました。
13日の足摺の海の様子は(シーカヤックツアーの下見)、次回のレターに、書きます、書きます。
14日朝。カーテンの隙間から差し込む光に、良い天気の予感を感じました。
ポカポカ陽差しのベランダで、のそのそと遅い朝メシを食べ、
だらだらと日光浴をした後、車にカヌーを積み、ようやく出発!
時計を見ると、あらら、もうすぐお昼ではないですか。遅くとも10時には出発する予定だったんだけど。
「また、やっちゃった・・・」どうにかならないかな、このノロマライフ。
江川崎に向かう車中、川べに、モクレンの白い花が見えました。
「ほおっ・・・」
その花の鮮やかさに、思わず車を止めて見とれていると、フイに胸を衝かれてしまいました。
めぐる季節にもう2度と逢えない人を思い出して。
今回は、カヌー(カナディアンタイプ)を1人で漕いでくだります。
江川崎カヌー館上流の川原からスタート。岩間の沈下橋まで。約8キロ。
スタート地点に到着すると雲は、
今日も出遅れた僕をあざ笑うかのように、空を灰いろに閉ざしまいました。
「しょーがねえべ・・・」。荷物を積んでGO!
気温18度。水温14度。水の透明度は、3~4メーターほど。
3月に入り雨量は増えたけど、川の水量は少なめです。
空は雲っているけれど、寒くはありません。ぬくい南風が心地良い。
芽吹きたてのヤナギの萌黄が、岸べを鮮やかに彩っています。
春告げ木でもあるヤナギ(僕が勝手にそう呼んでいるだけですが・・・)。
今年は、例年よりもすこし芽吹きが早いかな?
このぶんだと、20日開花予想のソメイヨシノも、17~18日頃には咲きはじめそうです。
画像はイメージです。
大きなウグイや鯉が、カヌーの下をゆうぜんと泳いで行く。
「フィ、フィ、フィ、フィー」
目黒川との合流地点で、カジカ蛙が美しい声で鳴きました。
「もう川の中にも春が来ているのだ。アユの子ものぼってきてるかな?」
菜の花に見送られながら、カヌーはゆっくりと下って行きます。
とろ場(流れのゆるやかな箇所)で、キャンプ用のストーブに点火し、コーヒーをいれる。
「春色の川を愛でながら飲むコーシー。うーん、いいではないか・・・」
水ぬくむ春。あたたかなコーヒー、南風、春景色に、
冬にこわばった「春待ちノロマライフな男」のカラダとココロもじこじことぬくんでゆきました。
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