アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

レターフロムS5 秋の黒尊川をカヤックで下る 

2024-10-09 | レターフロムS

レターフロムS 5  「秋の黒尊川をカヤックで下る」  期間限定公開中

 

 ♪季節はずれの台風顔負けの低気圧が、窓や屋根に雨をたたきつけて荒れ狂っている♪

10月13日。平水より2、5メータほど水位が上がった四万十川は、

コーヒー牛乳色の水が、グングンと速く流れている。

14日も小雨が降り続いたが、川の水位は下がりはじめている。

15日。晴れ。四万十川は、平水よりも1、5メータの増水。水の色は、モスグリーン。

 

 15日。朝。今日は、「黒尊川を下ってみよう」と思い立つ。

平水時の黒尊川は、カヌーで下れる程の水量はない。

しかし、「増水した時には、スリルのある面白い流れになる」と、以前知り合いから聞いていたのだ。

まずは、たまった洗濯物を2回戦、部屋の掃除をすませた。

そして、ボンヤリと空をながめ、ベランダでお茶を飲み、

弁当を作り、カャックを車につみ、11:20分、よーやく出発。

9:30には出たかったのだけど・・・「うーん、また遅くなっちまった。まあ いいか!」

 

 黒尊川は、四万十川中下流域の口屋内村で本流に合流している、水の透明度がよい支流。

黒尊川沿いのせまい道路を上流に向かい、小1時間程走ると黒尊渓谷に着く。

このあたりにはまだ自然林が残されている。秋には落葉樹の紅葉がなかなかキレイなところだ。

その中流域5~6キロの区間をカャツクで下る。

 

 スタート地点の川原にカヤックと装備をドロップ。

その後、ゴール地点に車を置き、チャリでカャックを置いたスタート地点へ戻る。

(道路上から見える範囲内で)川をチェックをしながら、チャリを走らせた。

下る区間には、狭い流れの岩と岩の間を縫うように、白波が激しく流れる瀬が多い。

「うーん、思っていたよりも水量が少ないなぁ。でもまぁ、やってみっか」

気持ちの級数は、ドキドキ度「6」ワクワク度「4」といったところか(10点満点として)。

 

 天気は快晴だけど、狭い川(幅4メ-ター位)の脇には、山がせまり、

木々におおわれた頭上の空は小さく、川面を照らす日差しは少ない。

水温17、5度。薄手のウエットを着たけど、「沈脱はしたくないなぁー」。

増水で濁っている四万十川本流、でも支流の黒尊川は、水深3メータの川底が見えた。

 

             

    どこを通るかな?

               

    どどどっ

 

 狭い川を下り始めると、ほぼ50メータの間隔で瀬があらわれた。

岩と岩のあいだを縫うようにスバヤク走る、白波。

岩に張り付いたり、落ち込みに吸い込まれぬよう瞬時に方向をきめ、流れよりも速く漕ぐ。

瀬の中では、流れよりも速く漕がないと、艇のコントロールが出来ないのだ(舵がきかない)。

やばそうだと思った瀬の手前では、カヤックをとめ、下見をして突入!

右に左にするどくターンを入れ、落差のおおきい落ち込みでは、頭から波をかぶり通過。

「ふぃーっ、忙しいっ!」

 

               

     連続する瀬

 

 ある落ち込みで、右側にせり出した、デカ岩に右肩をしたたかにぶつけ、

こらえきれず「沈!」何とか、ロールで起きあがる。

全体の流れが浅く速い所では、カヤックの底をゴツゴツとこすってしまう。

すこし弱い流れに気をゆるめ、ボンヤリと他のことを考えていて、「あっ」と気がつけば、時すでにおそし・・・。

イヤラシイ流れに吸い込まれた艇は、岩を避けきれず、またまた「沈!」ひっくり返ったまま流される。

天地がさかさま、だ。

「コツ・コツ・コツ」水底の石にあたって鳴るヘルメット。

水中で目を開けると、頭上スレスレを川底が流れていくのが見えた。

浅い水中でロールをすれば、ガツン!起きあがる時にパドルが川底をたたく。

なんとか起き上がり、一息ついていると、「キャラ・キャラ」ヤマセミが前方の水面を飛んで行った。

 

      透明度はグッド

 

 約1時間漕ぎ、車を置いたゴール地点着。濡れた体に秋風が冷たくしみる。ぷるぷる。

短い距離だったけれど、よい体験ができた今回の川下り。それは、秋の川のグッドタイム。

僕のココロの地図に、新たな黒尊川の時と流れが刻まれた(うわっ、さぶっ!!)。                           



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