少し前、「題名のない音楽会」で紹介されていたバレエ音楽「春の祭典」。
学校の授業で当たり前のように「20世紀の名作」と教わった楽曲だが
他の名曲とは何か違う感覚はありました。
今にして思うと、メロディ至上主義のクラシックからしたら異質の楽曲だし、
ザラザラした肌触りは「それ以前の名曲より原始的な」印象さえ受けたが
まぁ、当時の私はハードロックに熱中してた時期なので、クラシックへの
興味は後回しになったワケです。
「題名のない音楽会」の紹介によると
バレエ音楽「春の祭典」は、
作曲家・ストラヴィンスキーが芸術プロデューのサーディアギレフから
依頼されて書いたもので、ロシアの原始時代、神に捧げる乙女が生け贄に
なるまでの様子が描かれた楽曲だそうな。
初演は今から100年前の1913年にパリ・シャンゼリゼ劇場で行なわれ、
前衛的な音楽と奇抜な振り付けにより、観客が大乱闘を起こすほどの
スキャンダルとなった・・・と。
※楽器の使い方に対して「冗談じゃない!」と、
早々に席を立った巨匠も居たとの事。
しかし
ロシアの民俗音楽を取り入れたストラヴィンスキーの作曲が理解され、
2度目の上演では好意的に受け入れられ
その後、評価は世界各国に広がり、
クラシックからポップスまであらゆる作曲家へ影響を与えたと言われる。
※その中に伊福部昭先生もいらしたってワケだ。
「春の祭典」は
クラシック雑誌の「20世紀の名曲は?」というアンケートで第1位に選ばれたと
同時にワーストワンにも選出されてるそうな。
それ程の影響力がある楽曲だという事ですねぇ。
「題名のない音楽会」では
まず、原始時代の春の力強さを描写した場面の圧倒的ダイナミズムが指摘され、
「5、7、11拍子という変拍子が入り乱れている。2拍子の曲なのにアクセントが
不規則なため躍動感が生まれる」と変拍子の特性も語られた。
「リズム」と言ってもドラムスのような打楽器で常に刻まれている訳では無い。
バイオリンなどの弦楽器が強いアクセントをズラして行き、
プログレッシブ・ミュージックの“元祖”みたいなスリルを演出するのだ。
「同じ部分で違うリズムが複数存在しているが調和している」と、ポリリズムの
醍醐味を内包している事を指摘。
「春の祭典はクラシックだけではなくポピュラー音楽など20世紀の音楽全体に
影響を与えたんです。メロディに依存しないリズムの音楽はロックの源流になった」
というコメントさえ飛び出した。
※実際は黒人ブルースやアイリッシュ音楽、アフロリズムなども複雑に関わって
いるんだが
フランク・ザッパさんのような現代音楽を噛み砕いたロック・ミュージシャンにも
影響が及んでるし、ザッパ御大は「イゴールズ・ブギー」なんて曲まで
発表されてます。
さらに
「春の祭典」は、各分野の天才たちの合作だとも言われている・・・と。
新しい芸術を求める人民と、芸術プロデューサーのディアギレフの依頼を受け
イゴール・ストラヴィンスキーが作曲、ドイツ系ロシア人の画家であるニコライ・
レーリッヒが台本・舞台美術・衣装を担当。
「題名のない音楽会」では、ニコライ・レーリッヒの舞台背景を提示。
その美しい青色に、「宇宙飛行士ガガーリンの“地球は青かった”という
名言には“レーリッヒの絵のように”という続きがある」と紹介。
ここら辺は実に印象深かった。
そして、振付担当として名前が挙がったのが「ニジンスキー」。
私だって名前を知ってる天才ダンサー。
「SWAN」で知られるバレエ漫画の大家・有吉京子さんは
「ニジンスキー寓話」というタイトルのバレエ漫画も描かれているし
「アラベスク」で知られる山岸涼子さんも、
ニジンスキーについて「牧神の午後」というタイトルの漫画を描いていらっしゃる。
「題名のない音楽会」では実際の踊りを映像付きで紹介していたが
「原始のロシア」題材にしただけあって、踊りも原始的イメージ。
バレエの代表的な衣装=チュチュの着用などなし。
ベージュのタイツ履いてガニ股で土俗的に踊る様は圧巻だ。
ほとんど、先祖帰りした現代舞踊。優雅さは感じられず。
「クラシック」のイメージを破壊するモノと見做されて仕方なし。
そりゃ、初上演時に客席で乱闘が生きるわな。
「ブラボー!」と理解者ぶった者が叫んだトコロで、
「ふざけんな、こんなの芸術と言えるか!」と殴り掛かる古典主義者・・。
そのまま乱闘は会場内で拡大・・・。
ああ、阿鼻叫喚のシャンゼリゼ劇場が目に浮かぶ(苦笑)。
公演によっては村民の衣装なども民族衣装的な物が使われ
それがまたアイヌ衣装と似ている物もあったりしてて
そんなトコロにも伊福部先生との関連性を感じたりするのです。
まぁ、しかし
「原始時代の生贄」を現代芸術の題材に選ぶなんて、やっぱ全盛のロシア芸術は
凄いですわ。
邦題も「春の祭典」じゃなくて、
「春の儀式」とするべきだったんじゃないの?
・・・なんて
付け焼刃の知識を得た者が偉そうな感想を抱いた「春の祭典」なのでした。
映像版を見なきゃな。
学校の授業で当たり前のように「20世紀の名作」と教わった楽曲だが
他の名曲とは何か違う感覚はありました。
今にして思うと、メロディ至上主義のクラシックからしたら異質の楽曲だし、
ザラザラした肌触りは「それ以前の名曲より原始的な」印象さえ受けたが
まぁ、当時の私はハードロックに熱中してた時期なので、クラシックへの
興味は後回しになったワケです。
「題名のない音楽会」の紹介によると
バレエ音楽「春の祭典」は、
作曲家・ストラヴィンスキーが芸術プロデューのサーディアギレフから
依頼されて書いたもので、ロシアの原始時代、神に捧げる乙女が生け贄に
なるまでの様子が描かれた楽曲だそうな。
初演は今から100年前の1913年にパリ・シャンゼリゼ劇場で行なわれ、
前衛的な音楽と奇抜な振り付けにより、観客が大乱闘を起こすほどの
スキャンダルとなった・・・と。
※楽器の使い方に対して「冗談じゃない!」と、
早々に席を立った巨匠も居たとの事。
しかし
ロシアの民俗音楽を取り入れたストラヴィンスキーの作曲が理解され、
2度目の上演では好意的に受け入れられ
その後、評価は世界各国に広がり、
クラシックからポップスまであらゆる作曲家へ影響を与えたと言われる。
※その中に伊福部昭先生もいらしたってワケだ。
「春の祭典」は
クラシック雑誌の「20世紀の名曲は?」というアンケートで第1位に選ばれたと
同時にワーストワンにも選出されてるそうな。
それ程の影響力がある楽曲だという事ですねぇ。
「題名のない音楽会」では
まず、原始時代の春の力強さを描写した場面の圧倒的ダイナミズムが指摘され、
「5、7、11拍子という変拍子が入り乱れている。2拍子の曲なのにアクセントが
不規則なため躍動感が生まれる」と変拍子の特性も語られた。
「リズム」と言ってもドラムスのような打楽器で常に刻まれている訳では無い。
バイオリンなどの弦楽器が強いアクセントをズラして行き、
プログレッシブ・ミュージックの“元祖”みたいなスリルを演出するのだ。
「同じ部分で違うリズムが複数存在しているが調和している」と、ポリリズムの
醍醐味を内包している事を指摘。
「春の祭典はクラシックだけではなくポピュラー音楽など20世紀の音楽全体に
影響を与えたんです。メロディに依存しないリズムの音楽はロックの源流になった」
というコメントさえ飛び出した。
※実際は黒人ブルースやアイリッシュ音楽、アフロリズムなども複雑に関わって
いるんだが
フランク・ザッパさんのような現代音楽を噛み砕いたロック・ミュージシャンにも
影響が及んでるし、ザッパ御大は「イゴールズ・ブギー」なんて曲まで
発表されてます。
さらに
「春の祭典」は、各分野の天才たちの合作だとも言われている・・・と。
新しい芸術を求める人民と、芸術プロデューサーのディアギレフの依頼を受け
イゴール・ストラヴィンスキーが作曲、ドイツ系ロシア人の画家であるニコライ・
レーリッヒが台本・舞台美術・衣装を担当。
「題名のない音楽会」では、ニコライ・レーリッヒの舞台背景を提示。
その美しい青色に、「宇宙飛行士ガガーリンの“地球は青かった”という
名言には“レーリッヒの絵のように”という続きがある」と紹介。
ここら辺は実に印象深かった。
そして、振付担当として名前が挙がったのが「ニジンスキー」。
私だって名前を知ってる天才ダンサー。
「SWAN」で知られるバレエ漫画の大家・有吉京子さんは
「ニジンスキー寓話」というタイトルのバレエ漫画も描かれているし
「アラベスク」で知られる山岸涼子さんも、
ニジンスキーについて「牧神の午後」というタイトルの漫画を描いていらっしゃる。
「題名のない音楽会」では実際の踊りを映像付きで紹介していたが
「原始のロシア」題材にしただけあって、踊りも原始的イメージ。
バレエの代表的な衣装=チュチュの着用などなし。
ベージュのタイツ履いてガニ股で土俗的に踊る様は圧巻だ。
ほとんど、先祖帰りした現代舞踊。優雅さは感じられず。
「クラシック」のイメージを破壊するモノと見做されて仕方なし。
そりゃ、初上演時に客席で乱闘が生きるわな。
「ブラボー!」と理解者ぶった者が叫んだトコロで、
「ふざけんな、こんなの芸術と言えるか!」と殴り掛かる古典主義者・・。
そのまま乱闘は会場内で拡大・・・。
ああ、阿鼻叫喚のシャンゼリゼ劇場が目に浮かぶ(苦笑)。
公演によっては村民の衣装なども民族衣装的な物が使われ
それがまたアイヌ衣装と似ている物もあったりしてて
そんなトコロにも伊福部先生との関連性を感じたりするのです。
まぁ、しかし
「原始時代の生贄」を現代芸術の題材に選ぶなんて、やっぱ全盛のロシア芸術は
凄いですわ。
邦題も「春の祭典」じゃなくて、
「春の儀式」とするべきだったんじゃないの?
・・・なんて
付け焼刃の知識を得た者が偉そうな感想を抱いた「春の祭典」なのでした。
映像版を見なきゃな。