あるBOX(改)

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アムナット、井岡を降し初防衛

2014年05月08日 | ボクシング
ボクシングのダブル世界タイトルマッチが、5月7日に大阪・ボディメーカーコロシアムで行われ
それぞれ王者が防衛に成功した。

特にフライ級タイトルマッチは挑戦者の井岡に日本最短の3階級制覇が掛かっていたが、
王者アムナットが予想以上に強さと上手さを見せ、判定で井岡を降して初防衛に成功。
試合前には井岡有利の声もあったが、これを覆して見せた。

【IBF世界フライ級タイトルマッチ12R】
アムナット・ルエンロン(タイ)判定2-1 井岡一翔(井岡ジム)
※113-114、119-108、115-112
※アムナットが初防衛に成功。

元WBA/WBC世界ミニマム級統一王者・元WBA世界ライトフライ級王者・IBF世界フライ級8位で
挑戦者の井岡は初黒星を喫した(14戦1敗)。

両者は6年前アマチュア時代に対戦し、井岡が敗れている事もあり、リベンジマッチでもあったが
五輪出場経験もあり、プロ転向後12戦無敗で世界王座に就いたアムナットは初回から長く速いパンチを
繰り出して「34歳の下り坂選手」と思っていた印象が一転させられた。
記録路線に乗り出した井岡陣営が選んだ狙い目王者・・・と思ってたら
予想以上の地力を持っていたってワケだ。

無敗はダテじゃないし、アマキャリアからして上手いだろうとは思っていたが、アムナットのバネや
スピードには見るべき物があったし
当て勘や相手パンチの見切り、ステップやクリンチワークの上手さ、距離の潰し方、誤魔化し方・・・など等
感じ入る要素が多々あった。

一方の井岡は、両腕のガードを固めて前に出るが手数が伴わないシーンが多く。
ガードの上からでも強いジャブと左フックを打ち込んで来るアムナットを攻めあぐむ。

リーチで9cmも上回るアムナットは速いジャブでリズムを作り、相手が入ってくればアッパーを
突き上げるなど戦略と閃きでも挑戦者を上回った。

8R、さすがに疲れが見え始めたアムナットに井岡は鋭い右ストレートと左ボディブローをヒットして
望みを繋ぐが、アムナットはクリンチを多用し井岡の追撃を寸断。

クリンチが増えたアムナット、10Rにホールディングで減点1を取られるが、井岡も攻め切れない。

アムナットは連打で誤魔化しに掛かる。そしてクリンチ。攻めてからのクリンチではレフェリーも
追加減点出来ず。井岡もボディを攻めたいが手数が続かない。

最終12R、アムナットは「シャッフル」まで駆使。
ジャブを突き、半身で横走り。井岡が近付いてくると軽い連打、そしてクリンチ。

ダウンを奪わないと勝ちの確証が持てないはずの井岡だが、
手を出さずに前に出ては小突かれる悪いパターンに嵌っている。

試合終了のゴングが鳴ると、両陣営がそれぞれ選手を肩車して勝利をアピール。
なんと井岡は自分の両腕にキスするパフォーマンスまで披露。

勝ってる確証も無いのに優位をアピールするトコロは叔父さん譲りだねぇ。
※まぁ、色々と甘やかされて「そう思い込む境地に達した」って事なのか・・・

判定は2-1と分かれ、アムナット歓喜の勝利。
井岡は3階級制覇に失敗。

これで勝ったら「疑惑の判定」と叩かれたろうし、記録重視の方針に変化もあるかもと期待したが、
叔父の弘樹氏は「おかしい、相手は逃げ回っていただけだ」とコメント。
※あ~あ、まだ甘やかせておいでだ。

普通に世界王者の実力を持つ選手に挑み、普通に敗れた・・・そんな印象の試合だった。
終盤のスタミナの不安などあり、物凄く強い王者にも見えない選手に負けた・・・その事実を
身に染みて感じて欲しいですねぇ。