あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

「Since You've Been Gone」あれこれ

2014年05月10日 | 洋楽
先日行った「ラス・バラード」のライヴ
やっぱり一番盛り上がったのは「シンス・ユー・ビーン・ゴーン」だった。

もともとはラスのソロアルバム第二弾(1976年)「ウィニング」収録の同曲を
リッチー・ブラックモア(元ディープ・パープル)のレインボーが取り上げて
グループ最高のヒットとさせたのはHRファンには有名な話。



元はピアノがリフを刻んでいた同曲をギターロックに仕上げたのは
さすがリッチーという印象で、ある意味前作でのエキゾチック路線に停滞感を
覚えていた私からすると、「シンス・ユー・ビーン・ゴーン」が収録されたアルバム=「ダウン・トゥ・アース」は起死回生のハードロック作だった。



ロニー・ジェイムズ・ディオ(Vo)こそ去ったが、
タイプの違うハイトーン型のグラハム・ボネットが参加し、
キーボードも実力者ドン・エイリーが加入、そしてドラムがコージー・パウエル、
ベースがロジャー・グローバーと、メンバーは強力な布陣。

「オールナイト・ロング」や「ロスト・イン・ハリウッド」のようなギターリフ炸裂の
ハードロック曲あり、「アイ・オブ・ザ・ワールド」のような大作風の楽曲あり
・・・で、捨て曲なしの愛聴盤となったのでした。



当時押し寄せたパンク・ムーブメントにも
「オレには、ダウン・トゥ・アースがあるからイイんだ!」と居直ったもんです。

「シンス...」や「オールナイト...」は当時ブームになり始めた音楽ビデオ番組で
ヘビー・ローテーション状態だったし

特に「シンス・ユー・ビーン・ゴーン」は「キャッチーな楽曲カバーしてさぁ!」
とか「リッチーって、そんなにアメリカで売れたいのか?」とか言ってたものの、
やっぱり好きなバンドの露出が増えるのは嬉しかったですよ・・・。

「ダウン・トゥ...」自体がバランス良いアルバムだったから、そこに入った「シンス...」も良いアクセントになってた思いますわ。今にして思うと。

~とはいえ、1995年に私が観に行ったレインボーの来日公演で「シンス...」演奏してる筈なんだけど、ほとんど記憶に無いんだよな。
パープル曲「BURN」のサビを絶叫しながら拳を突き上げた記憶しかない・・・(苦笑)



だってヴォーカル含めて、若手ミュージシャンで急造した感アリアリの
メンバーだったんだもん。
レインボーを支えた経歴ある人物いなかったんだもん。本当にリッチーだけのバンドだったんだもん。
(まぁ、今にして思えば「それでも行って良かった」と思うんですけどね)

~で、Youtubeには
なんと、ラスさんヴァージョンの「シンス・ユー・ビーン・ゴーン」映像あり!
ピアノ連打で始まる御馴染みのリフ、サビで叩かれる変則ドラム、バックのシンセ・・・。
いや~堪りませんねぇ。



先日のラス・バラード来日公演では、
なんとラスさんがレインボーのヴァージョンに歩み寄ったような演奏と歌唱を
聴かせてくれ、なかなかビックリさせられたもんです。

まぁ、レインボーはもう無いし、ラスさんがそっち版で歌うのも“あり”かなぁ
・・・なんて思ったものですが。

今回、Youtubeをチェックしてたら色々出てきましたよ。

そもそもレインボーで「シンス...」を歌ったグラハム・ボネットさんが
いらっしゃった!!

レインボー脱退後はマイケル・シェンカーとグループを結成、
その後は自身のバンド「アルカトラス」で活動を続けたボネットさん
(昨年も再結成して来日なさっている)
しっかり「シンス・ユー・ビー・ゴーン」を歌ってらっしゃいますよ!



しかも、イングウェイとやったり、スティーブ・ヴァイとやったり・・・。
長髪メタル(HR)ミュージシャンに囲まれて一人オールバックなのは相変わらずですよ。

まぁ、メタル系のドシッとしたリズムでの「シンス...」には少し違和感ありますけどね。イングウェイにも「オレはあの曲やるの嫌いなんだ」とか言われてたって話だし・・・。

そんなに嫌わなくても・・・。

レインボー以外でもカバーしてるバンドあるんですよ、「シンス・ユー・ビーン・ゴーン」。
レインボーでボネットの後釜だったジョー・リン・ターナーも歌ってるし、
なんと、クイーンのブライアン・メイ(g)もステージで披露。歌も自分で歌っておいでだ。
しかもドラムはコージー・パウエルだ!(笑)
(これもYoutubeにありましたよ・・・)



そのうえ、日本のハードコア・パンク(スカ)バンド=Hi-STANDARDまでがカバーしている。
まんまハードコアパンクで演って歌ってるんですよ。
まぁ、ハイスタは「サタディナイト」「カリフォルニア・ドリーミング」や
「キッズ・アー・オールライト」もカヴァーしてるというバンドだから
当人たちにはフツーの感覚なんでしょうが。

もう、なんだか分からない・・・。



そんな事を考えてたら、ステージでラスさんが語ってた自虐ネタを思い出した。

「元ディープ・パープルのメンバーが組んだレインボーでさぁ」
「この曲どうだい?って話になってさぁ」
「ドラムに『こんな感じどうよ?』って振ったらさぁ」~みたいな(英語の)MCに
続いて語られたオチが・・・

「Drummer Said 『NO!』、HaHaHa!」

・・・持ちネタですか?

でも、ラスさんの曲は色んな人がカヴァーしてますからね。
ロジャー・ダルトリー、サンタナ、キッス、スリー・ドッグナイトなんて
錚々たるミュージシャンがラスさんの楽曲を認めて「これは売れるぞ」と
取り上げてるんです。←違う!(笑)

著作権ガッポガッポなんだろうなぁ~。
でも元気にステージでロックしてるんだよなぁ。
偉いなぁ。



アージェント時代の「ホールド・ユア・ヘッズ・アップ」こそ
ロッド・アージェントさんが書いた曲だけど、歌はラスさんが歌ってるし
あっちもラスさん作曲の「ゴッド・ゲイヴ・ロックンロール」を演ってるし・・・で
おあいこの格好。
※しかし、ラスさんとロッド・アージェントさんの仲は
 今どうなんでしょうねぇ・・・?

Toutubeは凄いです。
アージェントの代表作2曲も普通に見れちゃいます。



この頃の映像と比べて、いくぶん衣装等がシンプルになったとは言え、
今回のラス・バラード来日ステージは本人含めて5人。
演奏陣は、BOB HENRIT、STEVE SMITH、CHRIS WINTER、BOB SKEAT。
本人登場前には本国から同伴してきたと思われる機材スタッフもステージに
姿を見せていた。

パールのドラム、マーシャルアンプ、コルグのキーボード(2台)・・・。
小さなハコ(失礼!)では充分な演奏人数と機材です。
厚みのある演奏を聴かせてくれました。
(1~2曲デジタルシンセの薄い音がシンドかったですが・・・)

ジャングル・ビート、シャッフル、ブルース、ストレートなロック。
ラスさん含め、ベース以外は全員60才代後半に見えた今回の来日メンバーだったが
若々しい演奏には感激の一言。ラスさんの見た目も若かった。

2014来日公演のセットリスト
贅沢言えば、美メロ・バラードの傑作「I Don't Believe In Miracles」も
聴きたかったんですが
同曲のサビを「I Don't Believe America~♪」と勘違いして口ずさんでいた私に
そんなコト言う資格はありません。



(ああ、また来日公演レビューになっている・・・)

歌声を外さないよう、しきりに耳を押さえてらしたラスさん
「音階を外さず、しっかりした歌を届けよう」というプロ意識だと感じました。

客席最前列から手紙をくれた女性に「今晩、ホテルにおいでよ」とか声掛けて
「ボクは部屋で寝るから、君は1Fでコーヒー飲んでて!(笑)」みたいな事
言ったりする悪ノリもあったが

ラスさん、日本サイドのスタッフ達にもステージ上から感謝を述べてました。
ナイスガイです。
※ステージ上のケーブル直しやってる最中、次の曲が始まってしまった若い
 女性スタッフは少し気の毒でしたが

私も、彼を呼んでくれたヴィニール・ジャパンさんに感謝です。
今後の御活躍を御祈りいたしております。

井岡一翔にはもう一度外国人トレーナーを付けた方が良いのでは?

2014年05月10日 | ボクシング
先日のアムナット戦
奇しくもスタミナ浪費を避けながらズルく戦う王者は、晩年のロレンソ・パーラのようだった。

いみじくも「真の高みを目指すために強豪と競わないとボクシングが縮む」という例に出した選手だ。
同じタイトルを長く守る事に飽きてきたのか、減量苦による慢性的なガス欠か・・・とにかく
晩年のパーラはモレルに快勝した頃の勢いも張りも無くなっていった。
※自身の負傷など気の毒な面もありますけどね

井岡戦でのアムナットは、さしずめ張りを無くし始めた頃のパーラって感じか。
それでも居並ぶ挑戦者達がパーラに翻弄され続けたように、井岡も追い切れなかった。

井岡陣営が何と言おうと、日本選手が「あの手の戦術で判定を落とすパターン」は何度もあった。
むしろ世界戦の採点法ではジャブと脚で試合を作った方が優位に立つのが普通になっている。

私なんて、そんな風潮が嫌なのだが、
実際にリングで戦う陣営は現実を受け入れて、その中で勝つ方法を練るしかないワケで。

井岡陣営も、後半のクリンチを警戒してルール会議で厳しく執るよう主張してるし。
結局は序盤にアムナットが放ったパンチが予想以上に速くて切れて強かったので、
以降の攻めに影響を及ぼされてしまった・・・って事でしょう。

さてさて、
サムナット戦で、かなり無策に見えてしまった井岡一翔。
昨年の下位ランカー狩りとともに、「イスマエル・サラスと分かれた」影響も出てるかも知れません。

初の戴冠試合を見た時には「サラスとの相性イイなぁ」と感じ入ったんですけどねぇ。
※サラスは基本の出来たボクサー型を伸ばすのが抜群に上手いと思います。

長谷川穂積も、一時は同じサウスポーの元世界王者フランク・ライルズ氏がトレーナーに付いたけど
これが長続きしなかったのは実に残念だった。
「ムキになって打ち合わない」「打つ手の反対のガードは上げておく」なんて
皆が「そう思う」点を指摘してくれてたし。

結局、長谷川のやる事を認めてしまう山下会長は、マルチネス戦でも長谷川の自由に戦わせて
結果としてTKO負けとなった。
本人の拘りに殉じての結果ですから。もう、そういう結果しか残せなかったと言う事ですから。
それ以上でも以下でもありません。
※「拘り」を褒め称える人もいますがね・・・。

さてさて
井岡一翔はどこへ行くのでしょう?
サラスは村田諒太に付いてるし。

いっそ、メキシコの名トレーナー=ヘスス・リベロ氏を招聘するなんてどうでしょう?

WBC世界フライ級チャンピオンの超技巧派=ミゲール・カント(メキシコ)を
育てたプロフェッサー・リべロ氏。
オスカル・ラリオス(メキシコ)に攻防を叩きこみ、トップ選手に育てた名伯楽。
デラホーヤに間合いと高速ジャブを仕込み、JCチャべスやミゲル・アンヘル・ゴンザレスを
制した伝説のトレーナー。

2012年4月号のボクシングビートにインタビューが載っていたが、
チャべスを「サイドステップも出来ない」としてコキおろし、
「アルセが4階級制覇なんて、ちゃんちゃら可笑しい」と言い放った毒舌家だ。
※でも、チャべスは認めましょうよ。ガニ股だけどサイドに動いてたし・・・

指導法としては、
とにかく細かく、防御にうるさく、ステップ数センチ単位で矯正が入るという事で
ラりオスは円形脱毛症になってノイローゼ気味に、デラホーヤも嫌気がさして(?)
別のトレーナーの元へ走ったほど。

高齢だし、日本選手の指導とか引き受けてくれるか甚だ微妙だが
何といっても一時は井岡あこがれのデラホーヤを教えた名トレーナーです。

「無敗を守りたい」「黒星は喫したくない」なんて重荷も、アムナット戦でスッキリしたでしょう。
ちょうど良い頃合いじゃないですか。
思い切って考えてみても良いと思いますぞ!