銀座でまた一つ近代建築が無くなろうとしているようだ。
瀧山町ビル(第22ポールスタービル)
所在地:中央区銀座6-7-12
建設年:1928(昭和3)
構造・階数:RC5F(6Fは増築)
Photo 2008.1.26
瀧山町ビルは銀座の交詢社通りに面して建ち、交詢社ビルの一つ西側のブロックに建っているオフィスビル。瀧山町ビルヂングという名はこの界隈が昔、瀧山町という町名だったことに由来するそうだ。アールデコの装飾を持つが、それらは控えめでスッキリとしている。全体のヴォリュームもシンプルな直方体で、モダンで洗練された雰囲気を持つビルである。縦長の窓が規則正しく並び、コンクリートモルタルのやや白っぽい壁とスクラッチタイル貼りの茶色の壁がストライプ状になり、渋くお洒落な建物だ。1F部分は路面店が入居し、改築を繰り返してしまったため、昔の面影が全くないが、それでも今まで使い続けて来られて良かったと思う。
さて、この瀧山町ビル(現在は第22ポールスタービルともいうらしい。)、最近訪れてみたらテナントがかなり少なくなっていた。6Fでお店を開いていた銀座Kento'sというオールディーズのライブハウスが昨年秋に移転した時、あれ?と思ったのだが、今回訪れてみたら上の方の階にあった画廊や特許事務所、不動産会社が軒並み移転していて、3Fから上はほとんどが空室であるようだった。
2Fでは同じKento's GroupのJazz ClubであるCREST CLUBがまだ営業していて、1Fでもまだやっているお店がある。だが道路に面している1Fのお店7軒の内営業しているのは4軒で、残りは店が閉じられ板が打ち付けられている。
玄関を入ったところにある掲示板には移転のお知らせがいくつか貼ってあり、建物が老朽化し解体されることになったため移転しますと書いてあるものも中にはあった。またこの写真を撮った日には土地の測量らしきことも周囲で行われていた。諸々の状況を考えると全面閉鎖は意外に近いのかもしれない。
Tokyo Lost Architecture #失われた建物 中央区 #近代建築 #オフィス