都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

瀧山町ビル 3

2008-02-17 | 中央区  

 玄関内に入るとアールデコ風の装飾がふんだんに現れる。エレベーターの扉周りなど建設当初の装飾ではない部分も多少はあるようだが、美しい階段にはやはり目を奪われる。

左)玄関部分。金属製の外扉の内側にガラス扉がある。床のタイル模様もお洒落。
右)階段室・EVホール。基本的にオフィスビルであるためか、玄関ホールは大きくない。

エレベーター前から。優雅で美しい階段。

左)階段側面。白い手摺子部分に丸い穴が開けられ、モダンな格子が入っている。
  踏み面の石がリズミカルな模様を作っている。
右)階段部分の小さな吹き抜け。

2Fから1Fホールを見下ろす。微妙な位置に梁が入っているので、階段途中に頭上高が低い部分がある。覗き込むように見下ろすことになるのが印象的。

 6Fに入居していた銀座Kento'sには友人と何度か訪れた。1950~70年代の洋楽のライブハウスで、ふらっと行って懐かしい曲を聴くことができるのが良かった。私にとって瀧山町ビルは「Kento'sがあるビル」だった。

 ただこのお店は古い建物に増築して造られたスペースだったためか、ライブハウスとしてはやや妙な間取りになっていた。フロア中央部にあるステージのそばに数本の柱があったのだ。このため、ステージ正面ではなく少し斜めの席に座ると、柱が邪魔になって一部のメンバーが見えなくなってしまい、下手をするとヴォーカルさえもが見えなくなってしまう。ライブハウスとしてはちょっと困ったスペースだった。

 だがそれでも銀座Kento'sはこの場所で18年間に渡って営業を続けてきたという。古いビルだったから賃料が安かったとかいう現実的なこともあるいはあったのかもしれないが、古い建物に漂う、新しい建物にはない空気がそうさせたような気がする。レトロ趣味と言ってしまえばそれまでだが、お店のイメージに非常によく合った建物だったのだろう。雰囲気のある室内の写真を撮り損ねたのが、今となっては非常に残念だ。

 新しくできた新田ビルは、外観の一部に昔の新田ビルのディテールを残している。移転先としてそのような建物を選んだのは、お店のイメージを考慮した上での選択だったのかもしれない。

瀧山町ビル1   瀧山町ビル2
Tokyo Lost Architecture   #失われた建物 中央区  #近代建築  #屋内階段 
コメント
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