都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

回る展望台・回るレストラン

2009-01-28 | Weblog 
 前回、ラシントンパレスで、回るレストランについて触れたので、ついでに回るレストランや回る展望台について、少し調べてみた。

 昭和40年代頃は、回るレストランとか展望台というのが流行った時期のように思う。私の田舎には無かったが、東京には回るレストランや展望台がある。有名なのは、ホテルニューオータニ本館と、有楽町の東京交通会館の二つで、これらは現役。
 ニューオータニの回転台は、戦艦大和の砲塔の仕組みを利用したという話を聞いたことがあるが、ホテルのHPにもそれは記載されていた。小学生の頃、父と「はとバス」で東京見物をしたことがあり、その際、ニューオータニのラウンジでお茶をした。当時はまだ周辺に高いビルがなく、遠くの方まで見渡すことができた記憶がある。
・ホテルニューオータニ本館(千代田区紀尾井町・1964竣工)
  17F「VIEW & DINING THE Sky
・東京交通会館(千代田区有楽町・1965竣工)
  15F「東京會舘 銀座スカイラウンジ
 東京の展望塔としては、飛鳥山の展望塔が有名だったが、残念ながら体験しないうちに解体されてしまった。東京近辺では西武園ゆうえんちにジャイロタワーという回転しながら昇降する展望塔があり、そちらには乗ったことがある。

 ラシントンパレスの項でも書いたが、回るレストランは、客寄せのために造るのだろうが、その多くは廃止という結果になっている。世界的に見て、経済成長が著しい時に、庶民的な夢の具現化という形で回るレストランは造られているような気がする。だが日本の場合、もはやそういう感覚でレストランを選択する時代ではなくなっているようだ。展望や景色だけでは、レストランにお客は来てくれない。おいしくないと人気が上がらず、回す意味もなくなってしまう。

 だが、ネットで回る展望台とか回るレストランを検索してみたところ、いろいろ出てきた。実は今でも回るレストランは結構あって、意外なことに比較的新しいものもあった。
 おかしかったのは「回るレストラン」で検索すると、回転寿司や中華料理の店がかなりヒットすること。こちらはお客もろとも回るレストランを探していたのだが、料理が回るレストランがたくさんヒットした。現代においては客が本当に回ってしまうレストランは圧倒的に少数派なのだった。

 「ぬっとあったものと、ぬっとあるもの 近代ニッポンの遺跡」ポーラ文化研究所、1998、という本には、回転展望台や展望レストランが列挙されている。

 以下、ネットで調べた範囲で、○は現在も回転しているもの、△は回転していないが建物としては残っているもの、×解体されたもの。
国内
筑波山頂コマ展望台(つくば市、1959開業)
ららぽーとTOKYO-BAY(船橋市)9F 現在は回転しておらず美容室
△千葉ステーションビル ペリエ千葉 RF(元千葉民衆駅展望台)
 →現在は回転しておらずオフィスとして使用。
ホテルニューオータニ(東京都千代田区、1964竣工)
東京交通会館(東京都千代田区、1965竣工)
×ラシントンパレス(新宿区)2006解体。
×湯島プラザホテル(文京区)展望部分は客室に改装されていた。
 2006年末でホテルじたいが閉館。既に解体。
△横浜ドリームランド・ホテルエンパイア(横浜市、1965開業・1995閉鎖)
 和風の外観だが最上階に回転展望台があった。
 現在は横浜薬科大学の図書館となり、内外が大幅に改装されているという。
 参考記事(Wikipedia)
△中日ビル(名古屋市)現在は回転していない。参考記事1参考記事2
△三ヶ根山回転展望台(愛知県、1963開業、2001閉鎖)
 参考記事1参考記事2
須磨浦山上遊園回転展望閣(神戸市、1958開業) 参考記事1参考記事2
×六甲山:回る十国展望台(1957完成、2002年営業終了、後に解体。)
 増築され三層構造になっていた。参考記事1参考記事2
△博多ポートタワー(福岡市)現在は回転していない。
 参考記事1(Wikipedia)参考記事2
△ホテルクリオコート博多(福岡市)
 現在は回転レストランについての記載なし
○?沖縄都ホテル 15F スカイバンケット花笠
 (HPには回転の記述がないが、現在も回転しているらしい。)
○那覇タワー(回転部分が二重になっている)
 参考記事1参考記事2参考記事3
 海外の事例はちょっとだけ紹介されている。実際はもっと多いらしい。
○?大連広播電視塔(大連)1997年火災に遭う。参考記事1参考記事2
○合和中心ホテル(香港)(1980竣工)参考記事(Wikipedia)
京澳飯店(メトロパークホテル マカオ)
×ホテルフラマ(香港)数年前に無くなった模様。
○新錦江大酒店(上海)参考記事
 この他、ネットで検索した結果、ヒットしたものは以下。もちろん国内でも探せばまだあるのではないかと思うけど。
○センチュリーロイヤルホテル(札幌)23F「スカイレストラン・ロンド
青森県観光物産館アスパム 14F 回転展望レストラン
 (1986開業、2005.3まで営業。現在は閉鎖)
×犬吠スカイタワー(1968~1977撤去解体)回転昇降式・高さ30m
 参考記事
そごう柏店・14F 展望回転レストラン チャイニーズガーデン桃亭
 →「市街をはじめ、はるかに富士山まで眺望を楽しめる」とある。
×飛鳥山公園スカイラウンジ(東京都北区、1970完成、1993解体。)
 参考記事
○日本海タワー(新潟市、1970~現存)
 同市水道局の南山配水場の屋上に設置されている回転式の展望台 参考記事
△豊田駅西ファッションビル T-FACE 11F
 (以前は回転レストランだった。)
△比叡山頂回転展望閣(1959~、現在は回転していない。設計村野藤吾)
 参考記事1参考記事2参考記事3
○リーガロイヤルホテル京都 14F フレンチダイニング「トップオブキョウト
×神戸ニューポートホテル(1966営業開始、既に解体。)
 昭和の終わり頃には既に回転していなかったらしい。参考記事
○瀬戸大橋タワー(1988~)参考記事
○ひろしま国際ホテル 14F レストラン&バー「ル・トランブルー
△萩グランドホテル 6F(山口県萩市)
 (昔は回るレストランだったらしいが、現在は回転しておらず、貴賓室。)
ふくの関 火の山店(山口県下関市)
ひびきタワー(北九州市)
 似たようなことを考える方は私以外にもやはりおられるようで、以下のようなBlog記事もあった。
回転展望レストラン
 知らないだけで他にもあるのかもしれないが、こうしてみると、なんだか西日本の方が多い気がする。東日本の人々はこういうのにはあまり関心がないのかしらん。

 海外では、モスクワのオスタンキノテレビ塔と、本にもあった中国の大連テレビ塔で、回るレストランを体験したことがあるが、なぜかその後これらのタワーは火災に遭ってしまった。だから両方の回るレストランが現在どうなっているか知らない。上海の東方明珠電視塔は開業間もない頃に訪れたため、まだ回るレストランは営業していなかったが、現在はたしかあるはず。

 本やネットによれば、どうも現在は中国にたくさん回る展望レストランがあるようだ。アメリカやオーストラリアなどにもあるようだが、ヨーロッパにはあまりないらしい。やっぱり回るレストランって、どちらかというとミーハー系というか無邪気なものなのかもしれない。

#失われた建物 
#眺望


コメント (7)
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